(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】蒸気供給システムおよびそのためのカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20230412BHJP
【FI】
A24F40/42
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021088088
(22)【出願日】2021-05-26
(62)【分割の表示】P 2019124230の分割
【原出願日】2016-01-21
【審査請求日】2021-06-24
(32)【優先日】2015-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ユーイング、マーク パトリック キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】シーワード、デヴィッド ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ジェゼケル、アレクサンダー ジュリアン
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/060267(WO,A2)
【文献】特開2010-099458(JP,A)
【文献】特表2012-510415(JP,A)
【文献】特許第6553195(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気供給システムに使用するカートリッジであって、このカートリッジは気化させる流体の容器を保持する内方容器と、前記流体の容器上の穴開け可能な封止部と、マウスピースが形成された外方ハウジングとを含み、外方ハウジングは内方容器の少なくとも実質的な部分に対して内方容器の外側に沿って長手方向に延びており、内方容器と外方ハウジングには、内方容器を外方ハウジング内に保持するラッチ機構が設けられて
おり、前記カートリッジは気化器を含み、当該気化器は単独のユニットとしてカートリッジに組み込まれているカートリッジ。
【請求項2】
前記ラッチ機構は、長手方向軸に関して内方容器と外方ハウジング間の相対的な回転角度から独立して操作可能であることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ラッチ機構は外方ハウジングまたは内方容器の一方に形成された第1の部材と外方ハウジングまたは内方容器の他方に形成された協働する第2の部材とを含み、第1および第2の部材は互いに当接して前記ラッチ機構と係合することを特徴とする請求項1または2記載のカートリッジ。
【請求項4】
第1および第2の部材は、マウスピースの位置とは長手方向に反対の内方容器の端部又は、端部の近くに配置されることを特徴とする請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
内方容器は、前記流体の容器を保持する本体とタブとを含み、このタブはこの本体をマウスピースから分離して、マウスピースを介して空気が流れるようにし、第1および第2の部材は前記タブに隣接して長手方向に配置されていることを特徴とする請求項3記載のカートリッジ。
【請求項6】
第1の部材は外方ハウジングの内面に半径方向に向いた溝を含み、第2の部材は内方容器の外面に少なくとも1つの半径方向に向いた突出部を含むことを特徴とする請求項3乃至5いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項7】
第1の部材は外方ハウジングの内面から半径方向に向いた突出部を含み、第2の部材は内方容器の外面に少なくとも1つの半径方向に向いた溝を含むことを特徴とする請求項3乃至5いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項8】
第1の部材は外方ハウジングの内面から半径方向に向いた突出部を含み、第2の部材は内方容器の外面に少なくとも1つの半径方向に向いた突出部を含むことを特徴とする請求項3乃至5いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項9】
第1または第2の部材の内の少なくとも1つは、長手方向に延びた軸の周囲を円周方向に延びていることを特徴とする請求項3乃至8いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項10】
第1および第2の部材は、ラッチの係合の前に内方容器が外方ハウジング内に挿入される際に互いを越えてスライドする傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項3乃至9いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項11】
流路が外方ハウジングの内面および内方容器の外面の間に設けられており、蒸気が流路を通ってマウスピースへと長手方向に流れることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項12】
外方ハウジングは長手方向に延びる軸に対して実質的に円形の断面を有し、内方容器は前記長手方向軸に対して実質的にD字状の断面を有し、前記流路を供することを特徴とする請求項11記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記ラッチ機構は前記流路内に位置し、この流路を塞がないような大きさであることを特徴とする請求項11または12記載のカートリッジ。
【請求項14】
外方ハウジングおよび内方容器の内の少なくとも1つは前記ラッチ機構の操作を支持するために充分に曲げやすく弾力性があることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項15】
外方ハウジングは蒸気供給装置のコントロールユニットにカートリッジを長手方向に取り付けるための機械的コネクターを含むことを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記機械的コネクターは気化器を操作するためにコントロールユニットから電力を受けるための電気的接続をさらに供することを特徴とする請求項
15記載のカートリッジ。
【請求項17】
穴開け可能な封止部は、内方容器の開口部を封止するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至
16いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項18】
穴開け可能な封止部と内方容器は、流体の容器を保持する封止されたチェンバーを形成することを特徴とする請求項
1乃至17いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項19】
穴開け可能な封止部は、薄い壁を有することを特徴とする請求項1乃至
18いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項20】
穴開け可能な封止部は、金属箔であることを特徴とする請求項
19記載のカートリッジ。
【請求項21】
外方ハウジングの内側表面は、穴開け可能な封止部の穴を開けるように構成されたアタッチメントを含むことを特徴とする請求項1乃至
20いずれか1項記載のカーリッジ。
【請求項22】
請求項1乃至
21のいずれか1項記載のカートリッジを含む蒸気供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ニコチン送出システム(例えば、電子タバコ)などの蒸気供給システムまたは装置およびそのような装置に使用するカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコなどの電子蒸気供給装置は、一般に気化される液体、通常はニコチンの容器となるカートリッジを含む。ユーザーが装置を介して吸引すると、ヒーターが作動し、少量の液体を気化し、これがユーザーによって吸入される。容器内の液体を使い切ると、カートリッジを含む装置の少なくとも一部は廃棄され、新しいカートリッジと交換される。カートリッジは、従って多量に消費されるので、これを安価に製造することが望まれている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は添付の特許請求の範囲に規定されている。
【0004】
気化させる流体の容器を保持する内方容器とマウスピースが形成された外方ハウジングとを含む蒸気供給システムに使用するカートリッジが提供され、外方ハウジングは内方容器の少なくとも実質的な部分に対して内方容器の外側に沿って長手方向に延びている。内方容器と外方ハウジングは、内方容器を外方ハウジング内に保持するラッチ機構が設けられている。
【0005】
このようなカートリッジを含む蒸気供給装置も提供される。この蒸気供給装置は電子タバコなどの電子蒸気供給装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の一部の実施態様による電子タバコの略図(分解図)である。
【
図2】本開示の一部の実施態様による
図1の電子タバコの本体の主要機能部材の略図である。
【
図3A】既存の設計による電子タバコのカートリッジ部の略図であり、電子タバコの長手方向軸LAを含む第1の面での断面図である。
【
図3B】既存の設計による電子タバコのカートリッジ部の略図であり、電子タバコの長手方向軸LAを含み、
図3Aの第1の面に直交する面での断面図である。
【
図4】既存の設計による
図3の電子タバコのカートリッジ部の略図であり、長手方向軸LAに対して垂直な面におけるカートリッジ部の断面をカートリッジ部の長さに沿ってほぼ半分まで取り除いて示した断面である。
【
図5A】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、カートリッジの水平断面図(長手方向軸を含む)である。
【
図5B】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、内方容器自体の図である(即ち、外方ハウジングの内側から取り除いた)。
【
図6A】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、カートリッジの水平断面図(長手方向軸を含む)である。
【
図6B】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、内方容器自体の図である(即ち、外方ハウジングの内側から取り除いた)。
【
図7A】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、カートリッジの水平断面図(長手方向軸を含む)である。
【
図7B】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、内方容器自体の図である(即ち、外方ハウジングの内側から取り除いた)。
【
図8A】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、カートリッジの水平断面図(長手方向軸を含む)である。
【
図8B】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、内方容器自体の図である(即ち、外方ハウジングの内側から取り除いた)。
【
図9A】本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示し、カートリッジの水平断面図(長手方向軸を含む)である。
【
図9B】垂直面(長手方向軸を含む)での断面である外方ハウジング(即ち、内方容器の無い)の図である。
【
図9C】内方容器自体の図である(即ち、外方ハウジングの内側から取り除いた)。
【
図10】カートリッジの水平断面(長手方向軸を含む)を示す本発明の一部の実施態様による電子タバコ用カートリッジの一実行例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上述したように本開示は電子タバコなどの蒸気供給システムに関する。以下の説明を通して「電子タバコ」なる用語を使用するが、この用語は(電子)蒸気供給システムとほぼ同じ意味で使用される。
【0008】
図1は本開示による一部の実施態様による電子タバコ10の模式図(分解)である(正確な縮尺ではない)。電子タバコは本体(コントロールユニット)20と、カートリッジ30と、気化器40とを含む。カートリッジは液体容器を含む内部チェンバーとマウスピース35を含む。容器内の液体は、通常は適当な溶媒にニコチンを含み、例えばエアロゾルの形成を補助するおよび/または追加の風味付けのためのさらなる成分を含んでもよい。カートリッジ容器は、液体が気化器に送出される必要が生じる時まで液体を保持するための発泡体マトリックスまたはあらゆる他の構造を含んでもよい。コントロールユニット20は電子タバコ10に電力を供給する充電式電池またはバッテリーと、電子タバコ全体を制御する回路基板とを備える。気化器40は、液体を気化するためのヒーターを含み、カートリッジ内の容器からヒーターの加熱位置またはヒーターに隣接して少量の液体を移送する芯または類似の装置をさらに含む。ヒーターが回路板によって制御されながらバッテリーから電力を受け取ると、ヒーターは芯からの液体を気化し、その後その蒸気はマウスピースを介してユーザーによって吸い込まれる。
【0009】
コントロールユニット20と気化器40は互いに着脱自在であるが、装置10の使用中は例えば、ネジまたはバヨネット嵌め(
図1に41Aおよび21Aとして略式に示されている)によって結合される。コントロールユニットと気化器との接続は、これら2つの間の機械的および電気的な接続性を供する。コントロールユニットが気化器から外されると、気化器への接続に使用されるコントロールユニットの電気接続部21Aは、充電装置(図示せず)の接続のためのソケットとしても機能する。充電装置の他端は、電子タバコのコントロールユニットの電池を充電するためにUSBソケットに差し込むことができる。他の実行例では電子タバコに電気接続部21AとUSBソケット間を直接接続するためのケーブルを設けてもよい。
【0010】
コントロールユニットには空気取り入れ用の穴(
図1には図示せず)が1つ以上設けられている。これらの穴はコントロールユニットを通ってコネクター21Aに設けられた空気通路に通じる空気通路に接続する。これは気化器40とカートリッジ30を通る空気をマウスピース35へと繋ぐ。カートリッジ30と気化器40は、使用の際、コネクター41Bと31B(これらも
図1に略式に示されている)によって取り付けられる。上述したようにカートリッジは液体の容器を含むチェンバーとマウスピースとを含む。ユーザーがマウスピース35を介して吸引すると、空気が1つ以上の空気取り込み穴を介してコントロールユニット20内に引き込まれる。この空気流(またはその結果生じる圧力の変化)
は、圧力センサーによって検知され、次にヒーターを作動させ、カートリッジからの液体を気化する。空気流はコントロールユニットから気化器を通過し、そこで蒸気と混ざり、この空気流と(ニコチン)蒸気の混合物はカートリッジを通過し、マウスピース35から出て、ユーザーに吸引される。カートリッジ30は、液体の供給を終えると気化器40から外して、廃棄してもよい(その別のカートリッジに交換される)。ここで留意すべきはカートリッジを補充するユーザーのための機器はないということである。
【0011】
電子タバコ10は、電子タバコの中心線に沿ってカートリッジ30の一端のマウスピース35からコントロールユニット20の対向端部(通常、先端部と言われる)へと延びている長手方向または円筒軸を有する。この長手方向軸は、LAと付された破線によって
図1に示されている。
【0012】
当然のことながら
図1に示した電子タバコ10は例示であって、種々の他の実施例を採用することができる。例えば、一部の実施態様では気化器40は単独のユニットとしてカートリッジに組み込まれてもよく(場合によってはカトマイザーと称する)、充電機器は、車のシガレットライターなどの追加または別の電力源に接続してもよい。
【0013】
図2は本開示の一部の実施態様による
図1の電子タバコ10のコントロールユニット20の主要機能部品の略図である。これらの部品は、コントロールユニット20内に設けられた回路板に取り付けられてもよいが、特定の構造によっては一部の実施態様においてこれら部品の1つ以上を代わりに回路板と関連して操作するようにコントロールユニットに収容されるが、回路板自体には物理的に取り付けられない。
【0014】
コントロールユニット20は、空気入り口からコントロールユニット20を通って空気出口(気化器へ)へ通じる空気経路にまたは空気経路に隣接して位置するセンサーユニット61を含む。センサーユニットは圧力センサー62と温度センサー63(これらもこの空気経路にあるまたは空気経路に隣接する)を含む。コントロールユニットはさらにホール効果センサー52、電圧基準センサー56、小型スピーカー58および気化器40またはUSB充電装置への接続のための電気ソケットまたはコネクター21Aを含む。
【0015】
マイクロコントローラー55はCPU50を含む。CPU50および圧力センサー62などの他の電子部品の操作は、一般にCPU(または他の部品)上で動作するソフトウェアプログラムによって少なくとも一部が制御される。そのようなソフトウェアプログラムは、マイクロコントローラー55自体内に組み込まれる、または別個の部材として供されるROMなどの不揮発性メモリに記憶させてもよい。CPUはROMにアクセスして必要に応じておよび必要な場合に個々のソフトウェアプログラムをロードし、実行してもよい。マイクロコントローラー55は、圧力センサー62などのコントロールユニット10の他の装置と必要に応じて通信するのに適した通信用インターフェース(および制御ソフトウェア)も含む。
【0016】
CPUはスピーカー58を制御して電子タバコのバッテリー不足警報などの状態を示す音声を出力する。異なる高さまたは長さあるいはその両方が異なる音を用いるか、それに加えてあるいはそれに代えて複数のそのような音を発して別の状況あるいは状態を知らせる種々の信号を提供してもよい。
【0017】
上述したように電子タバコ10は空気通路を含み、この空気通路は空気取り入れ口から電子タバコ内を通り、圧力降下センサー62およびヒーター(気化器またはカトマイザー30内)を通過してマウスピース35に至る。従って、ユーザーが電子タバコのマウスピースで吸引すると、CPU50が圧力降下センサーからの情報に基づいてその吸引を検出する。その検出に応答してCPUがバッテリーまたは電池54からの電力をヒーターに供
給して、芯からニコチンを加熱、気化させ、それをユーザーが吸引する。その検知に応答してCPUがバッテリーまたは電池54からの電力をヒーターに供給して、芯からニコチンを加熱、気化させ、それをユーザーが吸引する。
【0018】
図3Aおよび3Bさらに
図4は、既存の設計による電子タバコ10のカートリッジ部30の略図である。
図4は長手方向軸LAに対して垂直な面におけるカートリッジ部の断面をカートリッジ部の長さに沿ってほぼ半分まで取り除いて示した断面図である。
図3Aおよび3Bは、両方とも長手方向軸LAを含む第1および第2の面において2つの断面を示している。これら第1および第2の面は互いに直交している。便宜上、
図3Aに示した第1の面を水平面、そして
図3Bに示した第2の面を垂直面と称する。しかしながら、当然のことながら通常の使用では電子タバコ10の長手方向軸LAはほぼ水平であるが、ユ
ーザーは通常この長手方向軸を中心にあらゆる回転(方位)角度で電子タバコを保持する。従って、垂直および水平なる用語は、説明を簡単にするために採用したのであって、特定の装置の所定の向きを意味するものではない。
【0019】
図3A、3Bおよび4に示すようにカートリッジは2つの主要部、即ち外方ハウジング200と内方容器350を含む。外方ハウジング200は、
図4から明らかなように長手方向軸LAに垂直な面においてほぼ円形の断面を有し、これによりほぼ円筒状の管を形成する。外方ハウジングは対向する側壁301A、301Bを有し、さらに対向する頂壁301Cおよび底壁301Dを有する。(当然のことながらこれらの壁301A~Dは、外
方ハウジング200を形成する管の単なる円周方向に間隔が空けられた部分である。)
【0020】
マウスピース35の位置に対応する外方ハウジング管の一端は、長手方向軸LAに垂直な端壁39によって部分的に閉じられている。開口部がこの端壁の中央に形成され、特に内方管37が形成され、これは内壁36によって画定されている。この内壁36は同様に壁301A~Dによって形成された外方ハウジング200の主外方管に平行なほぼ円筒状の管を形成している。しかしながら、この内方管は内方に(長手方向軸に沿って)端壁39の半径方向の最も内方の部分から比較的短い距離(外方管の長さと比較して)を延びている。
【0021】
内方容器350もまた長手方向軸LAに垂直な面においてほぼ円形の断面を有し、これによりほぼ円筒状の管を形成する。特に内方容器は、これにより中央キャビティー360を画定し、これは典型的にはニコチン(溶液で)である気化される液体の容器を保持する。
図3Aに示すようにマウスピースとは反対の端部で内方容器の開口部352は、薄い壁によって、例えば金属箔で閉じて、封止されたチェンバーを形成してもよい。液体は封止されたチェンバーの内側で発泡マトリックスに保持されてもよい。外方ハウジング200の内面は、カートリッジ30を気化器部分40(
図1参照)に取り付けて接合するために吸い口端35と反対の端部でねじ山を含んでもよい。このように取り付けることで気化器部分の芯がカートリッジを挿通するようにしてもよく(例えば、液体容器の封止部に穴を開けることによって)、これにより液体容器から液体を気化器に引き込む。(マウスピース35から最も遠い外方ハウジング200および薄壁または他の封止部を含む容器350の端部および芯などの構成の詳細は、
図3Aおよび3Bから判りやすくするために省略されていることに留意されたい。)
【0022】
内方容器350の水平側壁は外方ハウジングの対応する側壁301A、301Bと当接している。特に内方容器350の水平側壁と外方ハウジングの対応する側壁301A、301B間には締まりばめが存在し、これは外方ハウジング200内に内方容器350を保持するために使用される。この締まりばめの一部を
図3Aの参照符号354で示し、外方ハウジング200の側壁301Aと内方容器の対応する側壁の間に形成されている。実際には成型を可能にし、この締まりばめを支持するために外方ハウジング200には僅かな
テーパーがある(
図3に示していない)、即ち外方ハウジングは吸い口端で狭くなるように内方に僅かにテーパーしている。
【0023】
内方容器350のほぼ円筒状の管は壁370によってマウスピース端部で閉じられている。さらに外方ハウジング200の側壁301Aと内方容器の対応する側壁間の締まりばめは、一般に電子タバコ10に沿って空気が流れないようにする。従って内方容器350は長手方向軸LAに垂直な面においてほぼ円形の断面を有するが、この円の最頂部は平坦になっていて電子タバコ10を空気が流れるようになっている。
【0024】
特に内方容器350の上壁356は、弧によってではなく弦によって形成されている(
図4の断面において)。従って、これは外方ハウジング200の上壁301Cと内方容器350の上壁356の間で空気通路355を画定している。この空気通路355は、気化器部分40からマウスピース35を介して出る空気流を示す矢印と共に
図3Bにも示されている。
【0025】
マウスピース35に隣接する内方容器350の端壁370にはタブ358が設けられている。このタブは電子タバコ10の長手方向軸LAに平行に延び、外方ハウジング200の端壁39に当接している。このタブは電子タバコ10の長手方向軸LAに対して垂直な面において弧状の断面を有し、内方容器350の底面、即ち上壁356に対向する面に位置している。この位置においてタブ358は通路355からマウスピース35を介して出る空気流を遮断しない。
【0026】
さらにタブ358の長さ(長手方向軸LAに平行な方向の)は、マウスピース管37を画定する内壁36の長さより長い。その結果、タブ358は端壁370がマウスピース管37の内側端部と当接する(およびこれにより閉じるのを)のを妨げる役割を果たす。こ
の構成も空気通路355を流れる空気が確実にマウスピース35から出るためにマウスピース管37に到達できるようにするのに役立つ。
【0027】
図3A、3Bおよび4に示すように既存の設計によるカートリッジ30は、機能的であるので、この設計は確実に締まりばめ354が良好に得られるように外方ハウジング200に対する内方容器350の相対的な定寸に厳密な公差を課す。外方ハウジング200が内方容器350に対して大きすぎると、内方容器はカートリッジ内の正しい位置から外れてしまう場合がある。逆に外方ハウジング200が内方容器350に対して小さすぎると、外方ハウジング200内に内方容器を挿入できなくなる場合がある。外方ハウジング200に対する内方容器350の相対的な定寸の厳密な公差は、製造コストを上げ、および/または製品の信頼性に関する問題の原因になる。
【0028】
上記の問題に対処するために内方容器350と外方ハウジング200が弾性ラッチ機構によって歯止めされるカートリッジ30を開発した。当然のことながら内方容器350および/または外方ハウジング200の少なくとも1つは、典型的にはこのようなラッチ機構を支持するために充分な可撓性または弾性を供するプラスチックで通常作製される。
【0029】
図5~10はラッチ機構の種々の異なる実行例を示している。これらの実行例は
図3および4について説明したカートリッジ30の変型例として考慮してもよい。従って、
図5~10の考察において
図3および4について既に説明したカートリッジ30からほぼ変わっていないこれら実行例の態様は、繰り返しをさけるために再度説明しない。さらに当然のことながら
図5~10の種々の実行例は網羅的なものではなく、むしろ当業者は種々のさらなる実行例を認識するはずである。さらに
図5~10の種々の実行例は、互いに対して排他的ではなく、異なる実行例からの1つ以上の特徴を適宜組み合わせて新たな実行例を創出してもよい。
【0030】
図5Aおよび5Bはカートリッジ30の1つの実行例を示し、この実行例でも外方ハウジング200と内方容器350を含む。特に
図5Aはカートリッジ30の水平断面図(長手方向軸LAを含む)であり、
図5Bは内方容器350自体(即ち、外方ハウジング200の内側から取り除いた)の図である。
【0031】
図5Aおよび5Bの実行例は、ラッチ機構500を含むという点で
図3A、3Bおよび4のカートリッジとは異なる。このラッチ機構は、内方容器350に形成された溝510および外方ハウジング200の内側に形成された対応する突起505によって形成されている。
図5Bから明らかなように溝510が内方容器の円周(長手方向軸に対して)に延びているが、上壁356には延びていない。溝は幾分数字の「7」に似た形状を有し、2つの面によって形成されている。第1の面はマウスピース35から離れて位置し、長手方向軸LAに対してそして内方容器350の外方円筒状面に対して比較的浅い角度または傾斜を有する。第2の面はマウスピース35の近くに位置し、長手方向軸LAに対してはるかに急な(垂直の可能性もある)角度または傾斜を有する。
【0032】
外方ハウジング200の内側に形成された突出部505は溝510に対して相補的な形状を有する。特に突出部505は外方ハウジング200の内壁の円周に延びている。しかしながら、突出部は空気経路355を塞がないように外方ハウジング200の上壁301Cを横断して延びていない。突出部505も幾分数字の「7」に似た形状を有し(溝510と合致するように)、2つの面によって形成されている。第1の面はマウスピース35から離れて位置し、長手方向軸LAに対してそして外方ハウジング200の内方円筒状面に対して比較的浅い角度または傾斜を有する。第2の面はマウスピース35の近くに位置し、長手方向軸LAに対してはるかに急な(垂直の可能性もある)角度または傾斜を有する。
【0033】
当然のことながら内方容器350が
図5に示す実行例に従って外方ハウジング200内に挿入されると、突出部505の急傾斜の第2の面が溝510の急傾斜の第2の面に当接する。このように当接することで内方容器350と外方ハウジング200間の長手方向軸に沿った、特に内方容器を外方ハウジング200のマウスピース35から遠い端部の方へ移動させやすい方向の移動を妨げる。
【0034】
図6Aおよび6Bはカートリッジ30の別の実行例を示しており、このカートリッジも外方ハウジング200と内方容器350とを含む。特に
図6Aはカートリッジ30の水平断面図(長手方向軸LAを含む)であり、
図6Bは内方容器350自体(即ち、外方ハウジング200の内側から取り除いた)の図である。
【0035】
図6Aおよび6Bの実行例は
図5Aおよび5Bの実行例に類似している。違いは
図5Aおよび5Bの実行例において、内方容器350の壁の内面がカートリッジの長手方向の長さに沿って平らであるということである。従って、溝510が形成される内方容器350の壁の部分は薄くなり、よってこの壁の残りの部分より弱くなる可能性がある。しかしながら、
図6Aおよび6Bの実行例では、内方容器の壁605は実質的にほぼ一定の厚さを有する。このことは溝510の凹みが内方容器の内部体積内で内部容器の壁の対応する凹みと同じであることを意味する。
【0036】
当然のことながら
図6Aおよび6Bの実行例のラッチ機構500の操作は、
図5Aおよび5Bの実行例のラッチ機構500の操作と実質的に類似している。しかしながら、
図6Aおよび6Bの実行例は、内方容器350の壁605の厚さを減少させておらず、これは一部の状況において重要になる場合がある。
【0037】
図7Aおよび7Bはカートリッジ30の別の実行例を示しており、このカートリッジも外方ハウジング200と内方容器350とを含む。特に
図7Aはカートリッジ30の垂直断面図(長手方向軸LAを含む)であり、
図7Bは内方容器350自体(即ち、外方ハウジング200の内側から取り除いた)、特に吸い口端35に隣接した部分の図である。
【0038】
図7Aおよび7Bの実行例では、外方ハウジング200は、突出部705が追加されていること以外
図3A、3Bおよび4の実行例のものとほぼ同じである。この突出部は、外方ハウジング200のマウスピース端部の近く、特に内方容器の端壁370と外方ハウジングの端壁39の間に配置されている。突出部705は直接的に半径方向内方に外方ハウジング200の内周全体に形成されている、即ち突出部705は長手方向軸LAに対して0~360度の方位角にまたがっている。
【0039】
突出部705も幾分数字の「7」に似た形状を有し、2つの面によって形成されている。第1の面(傾斜部)はマウスピース端部35から離れて位置し、長手方向軸LAに対してそして外方ハウジング200の内方円筒状面に対して比較的浅い角度または傾斜を有する。第2の面(留め部)はマウスピース35の近くに位置し、長手方向軸LAに対してはるかに急な(垂直の可能性もある)角度または傾斜を有する。
【0040】
図7Aおよび7Bの実行例では内方容器350は、第2のタブ750が追加されている以外
図3A、3Bおよび4の実行例のものとほぼ同じである。この第2のタブ750は壁370からマウスピース端部35の方へと延びているという点で第1のタブと似ている。しかしながら、第2のタブは第1のタブより幾分短く、外方ハウジング200の端壁39に届かないようになっている。さらに第2のタブ750は内方容器の上壁356から延び、従って内方容器350の底部付近から延びた第1のタブ358の対角線上(長手方向軸LAに対して)反対に位置している。
【0041】
第2のタブ750は第1のタブ358とは形状も異なる。第2のタブ750は、平坦で端壁370に取り付けられた第1部分を含む。従って、この平坦な部分は、実質的に上壁356の延長部として考えてもよい。またこの平坦な部分は隆起した部分755片持ち梁式に支持する。この隆起した部分755は外方ハウジング200の突出部705と相互作用してラッチ機構500を形成する。しかしながら、注目すべきは外方ハウジングの突出部705は、第1のタブ358を妨害しない大きさになっており、第1タブ358は突出部705の半径方向内方を通過しやすくなっている。
【0042】
隆起した部分755も幾分数字の「7」に似た形状を有し、2つの面によって形成されている。第1の面は端壁370から遠くに位置し、長手方向軸LAに対して、そして内方容器350の上壁356に対して比較的浅い角度または傾斜を有する。第2の面はマウスピース35の近くに位置し、長手方向軸LAに対してはるかに急な(垂直の可能性もある)角度または傾斜を有する。
【0043】
操作の際に内方容器が外方ハウジング200内に挿入されると、第2のタブ750の隆起した部分755が外方容器の内方に向いた突出部705と接触することがわかる。これにより第2のタブ750を半径方向内方(下方に)に僅かに撓ませ、これにより隆起した部分755が内方に向いた突出部705を越えて(接触して)スライドすることができる。
【0044】
最終的に内方容器が
図7Aに示すように完全に挿入されると、突出部705の角(即ち浅い面が急傾斜の面と合う所)が隆起した部分(755)の角(ここでも浅い面が急傾斜の面と合う所)を通過して移動する。これにより第2のタブ750が上方に撓んで
図7Aに示す位置に戻る。この構成において、吸い口端35の方向に向いた突出部705の急傾
斜な面は、反対方向(吸い口端から離れる)に向いた第2のタブ750の隆起した部分755と当接する。これら2つの面が互いに当接してラッチ機構500の歯止め作用を供し、これにより内方容器350が外方ハウジング200から外れるのを妨げる。
【0045】
ここで留意すべきは円周(方位角的)範囲、即ち長手方向軸LAに対する回転角は、第1のタブ358に対してより第2のタブ750に対しての方が小さいということである。さらに長手方向軸LAに対する回転角度は内方容器の上壁356に対してより第2のタブ750に対しての方が小さい。これにより通路355(
図3B参照)に沿って流れる空気は、確実に第2のタブの周囲で、即ちその両側で流れることができ、マウスピースの穴37へと進み、電子タバコ10から出ることができる。
【0046】
図7Aおよび7Bに示す実行例の1つの利点は、内方容器350を外方ハウジング200内に挿入するためにこれら2つの部品の2つの長手方向軸が互いに位置合わせされなければならないということである(即ち一致する)。しかしながら、外方ハウジングの内方に向いた突出部705は360度の回転角度に広がっているので、内方容器350を外方ハウジング200に対して長手方向軸LAを中心に回転させて位置合わせする必要はない。従って、第2のタブ750は、外方ハウジング200と内方容器350間の挿入の相対的な回転角度に関係なく、内方に向いた突出部と係合する。従って、これにより内方容器350を外方ハウジング200内に挿入する前にこれらの部品を回転させて位置合わせする必要がなく、これは製造を単純化するのに役立つ(従ってコストを下げる)。
【0047】
図7Aおよび7Bの実施態様も内方容器350に形成された溝部分を持たなくてすむので、あらゆる弱体化の可能性を排除することができる。さらに
図6の実施態様と異なり、内方容器の内部形状は変わらない。このことは内方容器350の容積を最大に維持するのに役立ち、充填工程での潜在的な困難さを避けることができる。
【0048】
図8Aおよび8Bはカートリッジ30の別の実行例を示し、この実行例も外方ハウジング200と内方容器350とを含む。特に
図8Aはカートリッジ30の垂直断面図(長手方向軸LAを含む)であり、
図8Bは内方容器350自体(即ち、外方ハウジング200の内側から取り除いた)の図である。
【0049】
図8Aおよび8Bの実行例では外方ハウジング200は、突出部805を加えた以外は
図3A、3Bおよび4の実行例のものとほぼ同じである。この突出部はその位置以外は
図7Aおよび7Bの実行例の突出部705にほぼ類似している。従って、突出部805は吸い口端35の近くではなく、吸い口端35から遠い内方容器350の端部の近くになるように配置されている(内方容器が外方ハウジング200内に完全に挿入された際に)。
【0050】
突出部805は半径方向内方に向いており、幾分数字の「7」に似た形状を有し、2つの面によって形成されている。第1の面(傾斜部)はマウスピース端部35から離れて位置し、長手方向軸LAに対してそして外方ハウジング200の内方円筒状面に対して比較的浅い角度または傾斜を有する。第2の面(留め部)はマウスピース35の近くに位置し、長手方向軸LAに対してはるかに急な(垂直の可能性もある)角度または傾斜を有する。
【0051】
図8Aおよび8Bの実行例では内方容器350は、内方容器の上壁356に形成され、半径方向外方に向けられた突出部850を加えた以外は
図3A、3Bおよび4の実行例のものとほぼ同じである。突出部850も幾分数字の「7」に似た形状を有し、2つの面によって形成されている。第1の面は端壁370の近くに配置され、長手方向軸LAに対してそして内方容器350の上壁356に対して比較的浅い角度または傾斜(傾斜部)を有する。第2の面は端壁370から離れて配置され、長手方向軸LAに対してはるかに急な
(垂直の可能性もある)角度または傾斜を有する。
【0052】
操作の際、内方容器が外方ハウジング200内に挿入されると、内方容器350の突出部850の傾斜部は外方容器の内方に向いた突出部805の対応する傾斜部と接触する。最終的に内方容器が
図8Aに示すように完全に挿入されると、吸い口端35の方向に向いた突出部805の急傾斜な面は、反対方向(吸い口端から離れる)に向いた内方容器の突出部850の急傾斜な面と当接する。これら2つの面が互いに当接してラッチ機構500の歯止め作用を供し、これにより内方容器350が外方ハウジング200から外れるのを妨げる。
【0053】
ここで留意すべきは内方容器350の上壁356の突出部850の幅は、上壁の幅より狭いと言うことである。これにより通路355(
図3B参照)に沿って流れる空気は、確実に突出部850の周囲を、即ちその両側で流れることができ、マウスピースの穴37へと進み、電子タバコ10から出ることができる。
【0054】
図9A、9Bおよび9Cはカートリッジ30の別の実行例を示しており、このカートリッジも外方ハウジング200と内方容器350とを含む。特に
図9Aはカートリッジ30の水平断面図(長手方向軸LAを含む)であり、
図9Bは垂直面において分割した外方ハウジング200(内方容器350がない)の図であり、
図9Cは内方容器350自体(即ち、外方ハウジング200の内側から取り除いた)の図である。
【0055】
図9A~9Cの実行例では外方ハウジング200は、外方ハウジングの内壁に円周方向に延びた溝905を加えた以外
図3A、3Bおよび4の実行例のものとほぼ同じである。より具体的には溝905が外方ハウジング200の全内周に形成され、即ち溝は長手方向軸LAに対しては長手方向軸に対して0~360度の方位角にまたがっている。溝905も幾分数字の「7」に似た形状を有し、2つの面によって形成されている。第1の面(傾斜部)はマウスピース端部35から離れて位置し、長手方向軸LAに対してそして外方ハウジング200の内方円筒状面に対して比較的浅い角度または傾斜を有する。第2の面(留め部)はマウスピース35の近くに位置し、長手方向軸LAに対してはるかに急な(垂直の可能性もある)角度または傾斜を有する。
【0056】
図9A~9Cの実行例では内方容器350は、内方容器の各側壁に形成され、半径方向に向いた突出部950A、950Bを加えた以外
図3A、3Bおよび4の実行例のものとほぼ同じである。突出部950A、950Bは、幾分数字の「7」に似た形状を有し、それぞれ2つの面によって形成されている。第1の面は端壁370の近くに配置され、長手方向軸LAに対してそして内方容器350の上壁356に対して比較的浅い角度または傾斜(傾斜部)を有する。第2の面は端壁370から離れて配置され、長手方向軸LAに対してはるかに急な(垂直の可能性もある)角度または傾斜を有する。
【0057】
操作の際、内方容器が外方ハウジング200内に挿入されると、内方容器350の突出部950A、950Bの傾斜部は外方ハウジング200の対応する内壁と接触し、従ってこの内壁は僅かに外方に撓む。最終的に内方容器が
図9Aに示すように完全に挿入されると、吸い口端35の方向に向いた突出部950A、950Bの急傾斜な面は、反対方向(吸い口端から離れる)に向いた溝950の急傾斜な面と当接する。これら2つの面が溝の位置905A、905Bの位置で互いに当接して、ラッチ機構500の歯止め作用を供し、これにより内方容器350が外方ハウジング200から外れるのを妨げる。
【0058】
図9A~9Cに示す実行例の1つの利点は、外方ハウジングの内方に向いた溝905は360度の回転角度に広がっているので、内方容器350を外方ハウジング200に対して長手方向軸LAを中心に回転させて位置合わせする必要はないということである。従っ
て、外方ハウジング200の溝905は、外方ハウジング200と内方容器350間の挿入の相対的な回転角度に関係なく、内方容器の突出部950A、950Bと係合する。従って、これにより内方容器350を外方ハウジング200内に挿入する前にこれらの部品を回転させて位置合わせする必要がなく、これは製造を単純化するのに役立つ(従ってコストを下げる)。
【0059】
図10はカートリッジ30の別の実行例を示しており、このカートリッジも外方ハウジング200と内方容器350とを含む。特に
図10はカートリッジ30の水平方向の断面図(長手方向軸LAを含む)である。
図10の実行例は、外方ハウジング200の内部円筒状壁に形成された溝1005を有し、これが内方容器350のそれぞれの面の2つの対応する突出部1050A、1050Bとラッチ機構500を形成するという点で
図9A~9Cの実行例とほぼ同じである。
【0060】
図10の実行例は、長手方向軸LAに沿って円周方向に延びた溝1005の位置、従って突出部1050A、1050Bの対応する位置に関し
図9A~9Cの実行例と異なる。特に突出部1050A、1050Bは、ここではマウスピース35から遠い方の内方容器の端部に配置されている(尾びれに似ている)。この配置は特定の利点を供する。例えば、内方容器350がラッチ機構500の係合の前に外方ハウジング200内に挿入される際の突出部1050A、1050Bを収容するために外方ハウジングは、端壁39および吸い口端35から離れて、そして外方ハウジング200の(反対の)開口端部の近くで撓む。当然のことながらこの開口端部は自然に僅かに可撓性が大きくなる。
【0061】
ここで種々のラッチ機構について開示してきたが、当然のことながらこれらは例として示されたものであり、ラッチ機構の形状、配置、操作に関し多くのさらなる可能性は当業者には明らかになるであろう。さらにここで説明した電子タバコは3つの取り外し自在なセクション、即ちコントロールユニット、カートリッジおよび気化器を含むが、当然のことながら他の電子タバコは異なる数のセクションを含んでもよい。
【0062】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践される。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。