(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】農場賃貸システム及び賃貸管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20230412BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20230412BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q30/0645
(21)【出願番号】P 2021539165
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(86)【国際出願番号】 CN2019106392
(87)【国際公開番号】W WO2020140479
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】201910007603.7
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910187491.8
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521294298
【氏名又は名称】豊疆智能科技研究院(常州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】FJ Dynamics Technology Academy (Chang zhou) Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】No. 202 Donghai Road, Xinbei District Changzhou, Jiangsu 213001, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】姚 遠
(72)【発明者】
【氏名】夏 談
(72)【発明者】
【氏名】斉 家園
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-099587(JP,A)
【文献】特開2002-189772(JP,A)
【文献】特開2007-072787(JP,A)
【文献】国際公開第2016/056325(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第2015-0000910(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第105991703(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが農場領域を賃貸して農作物を栽培するための農場賃貸システムにおいて、
前記農作物の種類を選択するための栽培選択モジュールを含む賃貸ユニットと、
前記栽培選択モジュールによる選択結果に従って、前記農作物の生長を適合的に管理制御する管理制御ユニットと、
ユーザが摘採された前記農作物を処理できる処理ユニットと、を含み、
前記処理ユニットは、
前記ユーザが提供した情報に従って、前記農作物を前記ユーザまで輸送できる輸送モジュールと、
複数のユーザがプラットフォームにおいて前記農作物を交換することができる交換モジュールと、
前記ユーザが前記農作物をプラットフォームにおいて販売することができる販売モジュールと、含む、ことを特徴とする農場賃貸システム。
【請求項2】
前記栽培選択モジュールは、ユーザが前記農作物の種類を選択する栽培物種類選択モジュールを含む、請求項1に記載の農場賃貸システム。
【請求項3】
前記栽培選択モジュールは、前記農作物の種類が選択されると、ユーザが、賃貸する前記農場領域の位置及び面積の大きさを選択する栽培領域選択モジュールを含む、請求項2に記載の農場賃貸システム。
【請求項4】
前記栽培選択モジュールは、選択された前記農作物の種類
及び前記農作物の栽培数に応じて、前記農作物の生長に適した前記農場領域及び面積の大きさをプッシュするマッチングモジュールを含む、請求項2に記載の農場賃貸システム。
【請求項5】
前記栽培選択モジュールは、選択された前記農作物の種類に応じて、前記農作物とともに栽培することに適した少なくとも1種の前記農作物の種類を推薦する推薦モジュールを含む、請求項3に記載の農場賃貸システム。
【請求項6】
前記栽培選択モジュールは、選択された前記農作物の種類に応じて、前記農作物とともに栽培することに適した少なくとも1種の前記農作物の種類を推薦する推薦モジュールを含む、請求項4に記載の農場賃貸システム。
【請求項7】
少なくとも1種の農作物の種類を選択するステップ(a)と、
前記農作物の生長過程を管理制御するステップ(b)と、
ユーザが摘採された前記農作物を処理できる処理するステップ(c)と、を含み、
前記ステップ(c)は、
前記ユーザが提供した情報に従って、前記農作物を前記ユーザまで輸送できる輸送ステップ(c1)と、
複数のユーザがプラットフォームにおいて前記農作物を交換するステップ(c2)と、
前記ユーザが前記農作物をプラットフォームにおいて販売するステップ(c3)と、を含む、ことを特徴とする賃貸管理方法。
【請求項8】
前記ステップ(a)は、
栽培領域を選択するステップであって、ユーザが選択した前記農作物の種類及び数に応じて前記栽培領域を選択し、前記栽培領域の環境及び面積が選択した前記農作物の栽培に有利であるステップ(a.1)をさらに含む、請求項
7に記載の賃貸管理方法。
【請求項9】
前記ステップ(a)は、
栽培領域をプッシュするステップであって、ユーザが前記農作物の種類及び数を選択した後、ユーザが直接選択できるように、前記農作物の栽培環境及び栽培空間を算出してユーザに前記栽培領域をプッシュするステップ(a.2)をさらに含む、請求項
7に記載の賃貸管理方法。
【請求項10】
前記ステップ(a)は、
選択された前記農作物とともに栽培することに適した前記農作物の種類を推薦するステップであって、ユーザが前記農作物の種類を選択した後、選択した前記農作物とともに栽培し得る1種又は複数種の前記農作物の種類をプッシュし、ユーザによる選択に供するステップ(a.3)をさらに含む、請求項
7に記載の賃貸管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は賃貸システムに関し、特に、ユーザが自分のニーズに応じて異なる種類の農作物を栽培できる農場賃貸システムに関する。
【背景技術】
【0002】
農作物は、人々の日常の食用ニーズを満たし、人々に繊維やビタミンなどの栄養を提供する。農業技術の発展に伴い、異なる季節の野菜を一年中市場で購入できるようになっている。しかし、現在、人々が購入する野菜は、関連部門により、合格するか否か、例えば、野菜の重金属含有量や農薬残留量が人々の消費基準を満たしているかどうかなどが検出され、一部の市場や小さな野菜売り場では、標準化された監視システムがない場合もある。従って、人々は、購入する際には正規のショッピングモールに行かなければならず、間違いなく購入が難しくなるが、便宜上のために、野菜をランダムに購入する場合が多い。
【0003】
野菜の安全性と新鮮さをどのように確保するかは、人々を困らせる問題であり、本発明は、この現象に対して解決案を提供し、人々が異なる種類の野菜を安全に食べることができるようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザは、前記農場賃貸システムによって異なる種類の農作物を選択し、前記賃貸システムは、前記農作物を栽培して管理する。
【0005】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザは、前記農場賃貸システムによって異なる栽培領域及び面積を選択することで、選択した前記農作物を栽培する。
【0006】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザが前記農作物の種類及び数を選択した後、前記農場賃貸システムは、マッチングする前記栽培領域を適応的にプッシュすることで、ユーザによる選択に供する。
【0007】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、前記農場賃貸システムによって、ユーザにより選択された前記農作物に基づいて、前記農作物とともに栽培できる前記農作物の種類をプッシュすることで、前記農場の栽培効率を向上させる。
【0008】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザは、前記農作物の成長状態をリアルタイムに監視できる。
【0009】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、前記農場賃貸システムは、ユーザが前記農作物の成長データを把握しやすくするために、前記農作物の栽培データをユーザにフィードバックすることができる。
【0010】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザは、自分のニーズに応じて、対応する管理者を選択し、自分が選択した農場を管理させることができる。
【0011】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザは、異なるタイプの農業機械を選択し、異なる成長状態での前記農作物を耕作させることができる。
【0012】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザは、前記耕作にスプレーする薬品の使用量を制御し、前記農作物の安全性を確保することができる。
【0013】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、前記農場賃貸システムは、前記農作物を耕作処理することをユーザに注意喚起することができる。
【0014】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、前記農作物は、成熟後、ユーザまで輸送され、ユーザは、自分が管理制御した前記農作物を食べることができる。
【0015】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、前記農場賃貸システムは、ユーザが選択しやすくするために、管理者のサービスを評価することができる。
【0016】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザは、前記耕作賃貸システムによって、自分が栽培して管理制御した前記農作物を販売することができる。
【0017】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、異なるユーザは、前記耕作賃貸システムによって、自分が栽培して管理制御した前記農作物を交換することができる。
【0018】
本発明の別の利点は、農場賃貸システム及び賃貸管理方法を提供することであり、ユーザは、前記農場賃貸システムにおいて注文及び支払いを行い、賃貸過程を完成する。
【0019】
本発明の他の利点及び特徴は、以下の詳細な説明にて、十分に示され、添付の特許請求の範囲に特に示された手段及び装置の組み合わせによって実現される。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、前述目的及びその他の目的と利点を実現できる本発明は、農場賃貸システムを含み、ユーザが農場領域を賃貸して農作物を栽培するための農場賃貸システムは、
前記農作物の種類を選択するための栽培選択モジュールを含む賃貸ユニットと、
前記栽培選択モジュールによる選択結果に従って、前記農作物の生長を適合的に管理制御する管理制御ユニットと、を含む。
【0021】
1つの好適な実施例では、前記栽培選択モジュールは、ユーザが前記農作物の種類を選択する栽培物種類選択モジュールを含む。
【0022】
1つの好適な実施例では、前記栽培選択モジュールは、前記農作物の種類が選択されると、ユーザが、賃貸する前記農場領域の位置及び面積の大きさを選択する栽培領域選択モジュールを含む。
【0023】
1つの好適な実施例では、前記栽培選択モジュールは、選択された前記農作物の種類に応じて、前記農作物の生長に適した前記農場領域及び面積の大きさをプッシュするマッチングモジュールを含む。
【0024】
1つの好適な実施例では、前記栽培選択モジュールは、選択された前記農作物の種類に応じて、前記農作物とともに栽培することに適した少なくとも1種の前記農作物の種類を推薦する推薦モジュールを含む。
【0025】
1つの好適な実施例では、前記栽培選択モジュールは、ユーザが、前記農作物の栽培数又は前記農場領域の面積の大きさを選択する数選択モジュールを含む。
【0026】
1つの好適な実施例では、前記管理制御ユニットは、ユーザが前記農作物を管理制御するスタッフを選択するスタッフ選択モジュールを含む。
【0027】
1つの好適な実施例では、前記管理制御ユニットは、前記農作物の異なる成長段階で、ユーザが異なるタイプの前記機械を選択し、耕作させる機械選択モジュールを含む。
【0028】
1つの好適な実施例では、前記管理制御ユニットは、ユーザが前記農作物にスプレーする溶液の使用量を制御する使用量制御モジュールを含む。
【0029】
1つの好適な実施例では、前記管理制御ユニットは、ユーザと前記農場賃貸システムの二方向通信を実現するフィードバックモジュールを含む。
【0030】
1つの好適な実施例では、前記フィードバックモジュールは、前記農作物の成長状態データをユーザにフィードバックできる注意喚起モジュールを含む。
【0031】
1つの好適な実施例では、前記フィードバックモジュールは、ユーザが前記農作物の成長状態を監視する監視モジュールを含む。
【0032】
1つの好適な実施例では、前記フィードバックモジュールは、前記農作物が成熟してから摘採された後、前記農作物を収穫することをユーザに通知できる通知モジュールを含む。
【0033】
1つの好適な実施例では、前記農場賃貸システムは、ユーザ情報に基づいて前記農作物をユーザまで輸送する輸送モジュールを含む処理ユニットを含む。
【0034】
1つの好適な実施例では、前記処理ユニットは、異なるユーザの前記農作物を交換できる交換モジュールを含む。
【0035】
1つの好適な実施例では、前記処理ユニットは、ユーザが前記農作物を販売できる販売モジュールを含む。
【0036】
本発明の他の態様によれば、本発明は、賃貸管理方法をさらに提供し、前記賃貸管理方法は、
少なくとも1種の農作物の種類を選択するステップ(a)と、
前記農作物の生長過程を管理制御するステップ(b)と、を含む。
【0037】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(b)の後、収穫後、又は栽培中の前記農作物を処理するステップ(c)をさらに含む。
【0038】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(a)は、栽培領域を選択するステップであって、ユーザが選択した前記農作物の種類及び数に応じて前記栽培領域を選択し、前記栽培領域の環境及び面積が選択した前記農作物の栽培に有利であるステップ(a.1)をさらに含む。
【0039】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(a)は、前記栽培領域をプッシュするステップであって、ユーザが前記農作物の種類及び数を選択した後、ユーザが直接選択できるように、前記農作物の栽培環境及び栽培空間を算出してユーザに前記栽培領域をプッシュするステップ(a.2)をさらに含む。
【0040】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(a)は、選択された前記農作物とともに栽培することに適した前記農作物の種類を推薦するステップであって、ユーザが前記農作物の種類を選択した後、選択した前記農作物とともに栽培し得る1種又は複数種の前記農作物の種類をプッシュし、ユーザによる選択に供するステップ(a.3)をさらに含む。
【0041】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(a)は、栽培したい前記農作物の数を選択し、さらにユーザが賃貸したい前記農場の位置及び面積の大きさを算出するステップ(a.4)をさらに含む。
【0042】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(a)は、前記農場賃貸に必要な費用を支払うステップであって、前記農作物の種類と数及び前記農場の面積の大きさを選択した後、ユーザが支払うステップ(a.5)をさらに含む。
【0043】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(b)は、管理者を選択するステップであって、ユーザは、自ら、一人の管理者を選択し、自分が賃貸した前記農場を管理制御させるステップ(b.1)をさらに含む。
【0044】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(b)は、少なくとも1つの機械を選択し、前記農作物を耕作させるステップであって、前記農作物の異なる成長段階で、異なる耕作作業を行う必要があるため、ユーザが異なる期間によって、異なる前記機械タイプを選択するステップ(b.2)をさらに含む。
【0045】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(b)は、前記農作物にスプレーする溶液の使用量を制御するステップであって、前記農作物の異なる成長段階で、前記農作物に対して害虫駆除及び灌漑などの溶液スプレープロセスを行う必要があり、ユーザは、自分のニーズに応じて前記スプレーする溶液の使用量を制御でき、さらに前記農作物の安全性を確保し、前記農作物の薬品残留量を減少させるステップ(b.3)をさらに含む。
【0046】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(b)は、ユーザが前記農作物の成長状況を把握できるように、前記農作物の異なる段階の成長状態をユーザにフィードバックするステップ(b.41)をさらに含む。
【0047】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(b)は、ユーザが前記農作物の成長状態、例えば、前記農作物の害虫駆除過程などをリアルタイムに監視するステップ(b.42)をさらに含む。
【0048】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(c)は、前記農作物をユーザまで輸送するステップであって、ユーザによって予め設定されたアドレス及び連絡先に従って、摘採された前記農作物をユーザまで輸送し、ユーザの食用に供するステップ(c.1)をさらに含む。
【0049】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(c)は、ユーザらが異なる種類の前記農作物を交換するステップであって、交換プラットフォームにおいて、異なるユーザが自ら栽培した前記農作物を等価交換し、ユーザが持っている前記農作物種類の多様化を実現するステップ(c.2)をさらに含む。
【0050】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(c)は、ユーザが収穫した前記農作物を販売するステップであって、取引プラットフォームにおいて、ユーザが自ら栽培した前記農作物を販売することで、前記農場の賃貸収益を増加させるステップ(c.3)をさらに含む。
【0051】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(a.5)は、オンラインで支払う又は現金で支払うステップ(a.51)をさらに含み、前記支払い方式のタイプは、限定されない。
【0052】
1つの好適な実施例では、前記ステップ(a.5)は、収穫された前記農作物を等価のお金として支払うステップ(a.52)をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の好適な実施例によるログインインタフェースの全体模式図である。
【
図2A】本発明の好適な実施例による農作物種類の選択注文プロセスの模式図である。
【
図2B】本発明の好適な実施例による支払いプロセスの模式図である。
【
図3A】本発明の好適な実施例による農作物管理操作インタフェースの模式図である。
【
図3B】本発明の好適な実施例による農作物管理プロセスの模式図である。
【
図4A】本発明の好適な実施例による農作物処理プロセスの操作インタフェースの模式図である。
【
図4B】本発明の好適な実施例による農作物処理プロセスの模式図である。
【
図5】本発明の好適な実施例による農作物選択のフローチャートである。
【
図6】本発明の好適な実施例による農作物管理のフローチャートである。
【
図7】本発明の好適な実施例による農作物の別の選択方法のフローチャートである。
【
図8】本発明の好適な実施例による農場賃貸システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の説明は、当業者が本発明を実施できるように、本発明を開示するために使用される。以下の説明における好ましい実施形態は単なる例であり、当業者は他の明白な変形を想到することができる。以下の説明で定義される本発明の基本原理は、他の実施形態、変形形態、改善形態、同等形態、及び本発明の精神及び範囲から逸脱しない他の技術的解決策に適用することができる。
【0055】
当業者は、本発明の説明において、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などのような用語により示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明及び説明の簡単化のために過ぎず、示される装置又は要素が特定方位を有したり、特定方位で構成又は操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、よって、上記用語は、本発明に対する限定としては理解されない。
【0056】
「1つ」という用語は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」として理解されるべきである。すなわち、一実施形態では、要素の数は1であり得る、そして別の実施形態では、要素の数は複数にすることができ、「1つ」という用語は数の制限として理解すべきではない。
【0057】
図1~
図8に示す農場賃貸システムであって、ユーザは、前記農場賃貸システムにおいて農場の賃貸を行うとともに、前記農場に栽培すべき農作物を選択することができ、前記農場賃貸システムは、ユーザの選択に基づいて、前記農作物の栽培及び管理を行い、前記農場賃貸システムは、ユーザが安全な前記農作物を食用することに寄与する。
【0058】
さらに、前記農場賃貸システムは、賃貸ユニット10と管理制御ユニット20とを含み、ユーザは、前記賃貸ユニット10のネットワークプラットフォームによって前記農作物を選択し、自分の好みニーズに応じて前記賃貸ユニット10において異なる種類の前記農作物を選択することができる。前記管理制御ユニット20は、ユーザによって選択された前記農作物を栽培して管理制御することができ、ユーザは、前記農作物の成長データをリアルタイムに監視することで、前記農作物の食用安全性を確保することができる。
【0059】
さらに、前記賃貸ユニット10は、注文モジュール11と栽培選択モジュール12とを含み、ユーザは、前記注文モジュール11によって、前記ネットワークプラットフォームでの注文操作を行い、前記栽培選択モジュール12は、ユーザに異なる種類の前記農作物及び前記農場領域を提供することができる。ユーザが前記農作物種類を選択して注文した後、前記栽培選択モジュール12は、前記農作物を対応する栽培領域に栽培することができる。
【0060】
一実施例では、前記栽培選択モジュール12は、農作物選択モジュール121と、マッチングモジュール123とを含み、ユーザが前記農作物選択モジュール121によって栽培すべき前記農作物を選択すると、前記マッチングモジュール123は、前記農作物の栽培に適した前記栽培領域をユーザにプッシュすることができ、次にユーザは、前記農作物の栽培数に応じて、栽培領域の大きさを選択する。なお、各種の前記農作物は、成長環境が異なり、光を好むものもあり、暗い環境を好むものもあり、乾燥した環境を好むものもあり、湿気のある環境を好むものもあるが、ユーザは、一般的に、前記農作物の種類しか分からず、前記農作物の栽培条件について必ずしも明確ではない。従って、前記マッチングモジュール123は、ユーザが前記栽培領域を選択することに寄与し、ユーザが前記農作物の種類を選択すると、前記農作物の栽培に適する領域をユーザにプッシュして選択させる。また、前記マッチングモジュール123は、前記農作物の栽培数に応じて推算し、ユーザが賃貸すべき前記農場領域の面積を提供する。
【0061】
図2Aに記載の別の実施例では、前記栽培選択モジュール12は、栽培領域選択モジュール122を含み、ユーザは、前記農作物選択モジュール121によって、栽培する前記農作物を選択すると、前記栽培領域選択モジュール122によって、前記栽培領域を選択する。上記実施例に比べて、本実施例では、ユーザは、自分の前記栽培領域を選択でき、例えば、平野地域では、各前記栽培領域の栽培環境の相違が大きくない場合、前記栽培領域選択モジュール122の空き表示領域に基づいて選択することができる。好ましくは、前記栽培領域選択モジュール122は、前記農作物選択モジュール121により選択された前記農作物の種類及び数に応じて、ユーザの栽培に適する領域をマーキングし、例えば、ユーザが選択しやすくするために、文字又は色で区別する。つまり、前記栽培領域選択モジュール122は、ユーザが前記農作物を栽培するに必要な栽培領域を推算することができ、従って、栽培空間を浪費することがなく、前記農場が最大の栽培空間を実現する。
【0062】
なお、前記栽培選択モジュール12は、推薦モジュール124をさらに含み、前記推薦モジュール124は、ユーザによって選択された前記農作物に基づいて、選択された前記農作物とともに栽培し得る農作物をプッシュすることができる。つまり、前記農作物のうち、共生成長の状況が存在する農作物があり、例えば、高く成長する農作物もあり、このような農作物の隙間空間内に、暗い環境を好む農作物を栽培することで、前記栽培領域の利用率をさらに向上させ、ユーザがより多くの報酬を得ることができる。前記推薦モジュール124は、ユーザが選択しやすくするために、1種又は複数種の農作物をプッシュすることができる。
【0063】
なお、前記栽培選択モジュール12は、数選択モジュール125をさらに含み、ユーザは、前記数選択モジュール125によって、栽培すべき前記農作物の数を選択する。前記マッチングモジュール123及び前記栽培領域選択モジュール122は、ユーザによって前記数選択モジュール125を介して入力されたデータに基づいて、前記農作物の栽培に必要な前記栽培領域の大きさを算出することができる。前記数選択モジュール125が前記農作物の数を算出する形態は、本発明の内容により限定されず、前記農作物のシードの数又は重量を算出することで行われてもよいことは、当業者にとって理解され得る。
【0064】
前記農作物の種類及び前記栽培領域が選択されると、前記管理制御ユニット20は、前記農作物の栽培過程及び成長過程を管理制御することができ、ユーザは、前記農作物の成長状態をリアルタイムに監視し、さらに前記農作物を安心して食べることができる。
【0065】
図3Aに示すように、前記管理制御ユニット20は、スタッフ選択モジュール21を含み、ユーザは、前記スタッフ選択モジュール21によって、前記農作物を管理するスタッフを指定し、さらに、ユーザが選択した前記農作物は、指定されたスタッフによって専門的に管理して保護され、前記農作物の成長に寄与する。好ましくは、前記スタッフ選択モジュール21は、評価機能を有し、ユーザは、スタッフの作業パフォーマンスに基づいて評価することができ、さらに前記スタッフ選択モジュール21は、評価したスコアに基づいてランキングを行い、ユーザは、サービスが優れたスタッフを選択し又は支払って選択して前記農作物を管理制御させることが好ましい。
【0066】
なお、前記管理制御ユニット20は、機械選択モジュール22をさらに含み、ユーザは、前記管理制御ユニット20によって前記農作物の成長を監視する過程において、前記農作物の異なる成長ニーズに応じて保護するとき、前記機械選択モジュール22によって、掘り起こし、施肥又は灌漑などの耕作過程と照合することができる。ユーザが前記機械選択モジュール22によって対応する農業機械を選択すると、前記農場賃貸システムは、前記機械を用いて前記農作物を専門的に耕作することを前記スタッフに通知することができる。前記機械の種類が本発明の内容を限定するものではないことは、当業者にとって理解され得る。
【0067】
なお、前記管理制御ユニット20は、使用量制御モジュール23をさらに含み、ユーザは、前記使用量制御モジュール23によって、前記農作物に対して施肥工程、害虫駆除工程又は灌漑工程などの異なる耕作工程を行うときの溶液使用量を制御する。前記農作物における農薬残留量は、前記農作物の食用に影響を与える重要な要素であり、前記使用量制御モジュール23は、前記農作物にスプレーするときの溶液の使用量状況を制御することができる。また、前記管理制御ユニット20は、前記農作物の成長状態をリアルタイムに監視することができ、前記使用量制御モジュール23は、前記監視データによって、スプレーに必要な使用量を推算することで、前記農作物が成長するが、使用量が安全範囲を超えないことを確保する。また、ユーザは、より安全な前記農作物を収穫するために、前記使用量制御モジュール23によって、スプレーに必要な使用量を自ら設定することができ、又は、前記使用量制御モジュール23によって、スプレー使用量を0に設定することができ、前記農作物の食用安全性を実現する。
【0068】
なお、前記管理制御ユニット20は、ユーザと前記農作物の管理制御情報の二方向伝送の機能を果たすフィードバックモジュール24をさらに含む。前記管理制御ユニット20は、前記農作物成長の監視データをユーザにフィードバックすることで、ユーザに前記農作物の成長状態を把握させ、前記農作物の異なる成長状態で、異なる操作を行うことをユーザに注意喚起する。ユーザは、前記フィードバックモジュール24によって、前記農作物の栽培状態をリアルタイムに監視観察することができ、さらに、自分のニーズに応じて前記農作物を管理制御することを確保する。
【0069】
さらに、前記フィードバックモジュール24は、注意喚起モジュール241を含み、前記管理制御ユニット20は、前記農作物の異なる段階の成長過程を監視し、前記注意喚起モジュール241によって、操作することをユーザに注意喚起する。例えば、前記農作物の草刈り、害虫駆除、灌漑などをすべきとき、前記注意喚起モジュール241は、対応する操作を行うことをユーザに注意喚起する。このようすると、ユーザの体験が強化され、ユーザは、前記農作物の選択及び前記農作物の収穫だけではなく、前記農作物の全成長過程を体験し、前記農作物の安全性を確実に確保する。
【0070】
さらに、前記フィードバックモジュール24は、監視モジュール242を含み、前記監視モジュール242は、前記農作物の各成長段階の全ての状態、例えば農作物の栽培、害虫駆除、灌漑などを監視することができ、各監視データをユーザにフィードバックでき、それによって、ユーザが前記農作物の成長を把握するようにする。
【0071】
さらに、前記フィードバックモジュール24は、通知モジュール243を含み、前記農作物は、所定の期間管理された後に、種や稚苗から成熟になり、前記通知モジュール243は、前記農作物が成熟し、摘採収穫できることをユーザに通知する。好ましくは、前記通知モジュール243は、前記農作物の最適な成熟期をユーザに知らせることができ、ユーザは、味が最もおいしい前記農作物を食べることができる。
【0072】
図4A及び
図4Bに示すように、前記農場賃貸システムは、摘採された成熟した前記農作物をユーザにより予め設定されたアドレス及び連絡先に従って、ユーザまで輸送することができる。又は、前記農作物を摘採した後、前記通知モジュール243は、ユーザに通知し、ユーザは、アドレス及び連絡先を前記農場賃貸システムにフィードバックし、それによって、前記農作物を受取ることができる。
【0073】
前記農場賃貸システムは、ユーザが摘採された前記農作物を処理できる処理ユニット30をさらに含む。前記処理ユニット30は、輸送モジュール31を含み、前記輸送モジュール31によって、ユーザより提供された資料情報に従って、前記農作物をユーザまで輸送でき、ユーザの食用に供する。
【0074】
別の実施の形態では、前記処理ユニット30は、交換モジュール32を含み、複数のユーザは、摘採された前記農作物を前記交換モジュール32のプラットフォームにおいて交換することができる。ユーザにとっては、食品用の前記農作物の多様性が必要とされ、ユーザが選択した前記農作物を栽培した後に、考えを変えた又は余分な前記農作物を交換したい場合もあり、従って、前記交換モジュール32は、交換プラットフォームを提供することができ、ユーザは、異なる数及び種類の前記農作物を等価交換し、このように、ユーザは、より多くの種類の前記農作物を得ることができる。
【0075】
別の実施の形態では、前記処理ユニット30は、販売モジュール33を含み、ユーザは、余分又は不要な前記農作物をそのまま前記販売モジュール33のプラットフォームにおいて販売する。ユーザは、前記農作物の収穫量を判断できないため、収穫した前記農作物の量が自分のニーズより遥かに多い場合、収穫した前記農作物をそのまま販売し、最も高い価値を実現する。好ましくは、前記販売モジュール33は、独立して、ソフトウェア形態の販売プラットフォームの役割を果たしてもよいし、又は、タオバオ、京東又はアマゾンなど、現在流行っている電子取引プラットフォームに接続してもよい。従って、前記耕作賃貸システムは、ユーザの自分の食用ニーズを満たすとともに、産業チェーンとして、食用安全性が高い前記農作物を販売する。
【0076】
なお、ユーザは、前記農場賃貸システムを無料又は有料に使用することができ、所定の金額を、前記農場賃貸、前記農作物のシード又は前記管理者の費用として支払うことができる。前記賃貸ユニット10は、ユーザが前記農作物、前記栽培領域又は前記管理者を選択すると、合計費用を表示できる支払いモジュール13を含み、ユーザが所要費用を支払うと、前記農場賃貸システムは、後続の作業を行い、前記農作物を栽培することができる。前記支払いモジュール13の支払い方式が本発明の内容を限定するものではなく、ユーザが異なる支払い方式で支払うことができることは、当業者にとって理解され得る。
【0077】
別の実施の形態では、ユーザは、収穫した前記農作物を控除して支払ってもよい。つまり、ユーザは、前記農作物を販売して得られたお金を、又はそのまま、等しい価値の前記農作物を控除し、前記耕作賃貸費用として支払うことができる。
【0078】
本発明の農作物の賃貸管理方法では、ユーザは、前記賃貸管理方法によって注文し、栽培したい前記農作物の種類を選択することができ、前記賃貸管理方法によって、前記農作物を栽培管理することができる。前記賃貸管理方法は、
少なくとも1種の農作物の種類を選択するステップ(a)と、
前記耕作の成長過程を管理制御するステップ(b)とを含む。
【0079】
なお、前記ステップ(b)の後、収穫された前記農作物を処理するステップ(c)をさらに含む。
【0080】
なお、前記ステップ(a)は、栽培領域を選択するステップであって、ユーザが選択した前記農作物の種類及び数に応じて前記栽培領域を選択し、前記栽培領域の環境及び面積が選択した前記農作物の栽培に有利であるステップ(a.1)をさらに含む。
【0081】
なお、前記ステップ(a)は、前記栽培領域をプッシュするステップであって、ユーザが前記農作物の種類及び数を選択した後、ユーザが直接選択できるように、前記農作物の栽培環境及び栽培空間を算出してユーザに前記栽培領域をプッシュするステップ(a.2)をさらに含む。
【0082】
なお、前記ステップ(a)は、選択された前記農作物とともに栽培することに適した前記農作物の種類を推薦するステップ(a.3)をさらに含む。ユーザが前記農作物の種類を選択した後、選択した前記農作物とともに栽培し得る1種又は複数種の前記農作物の種類をプッシュし、ユーザによる選択に供し、これにより、賃貸する前記農場領域の利用率を向上できる。
【0083】
なお、前記ステップ(a)は、前記農作物の数を選択するステップであって、ユーザが前記農作物の種類を選択した後に、さらに栽培した前記農作物の数を選択し、さらに、ユーザが賃貸しようとする前記農場の位置及び面積の大きさを算出するステップ(a.4)をさらに含む。
【0084】
なお、前記ステップ(a)は、前記農場賃貸に必要な費用を支払うステップであって、前記農作物の種類と数及び前記農場の面積の大きさを選択した後、ユーザが支払うステップ(a.5)をさらに含む。
【0085】
なお、前記ステップ(b)は、管理者を選択するステップであって、ユーザは、自ら、一人の管理者を選択し、自分が賃貸した前記農場を管理制御させるステップ(b.1)をさらに含む。
【0086】
なお、前記ステップ(b)は、少なくとも1つの機械を選択し、前記農作物を耕作させるステップであって、前記農作物の異なる成長段階で、異なる耕作作業を行う必要があるため、ユーザが異なる期間によって、異なる前記機械タイプを選択するステップ(b.2)をさらに含む。
【0087】
なお、前記ステップ(b)は、前記農作物にスプレーする溶液の使用量を制御するステップであって、前記農作物の異なる成長段階で、前記農作物に対して害虫駆除及び灌漑などの溶液スプレープロセスを行う必要があり、ユーザは、自分のニーズに応じて前記スプレーする溶液の使用量を制御でき、さらに前記農作物の安全性を確保し、前記農作物の薬品残留量を減少させるステップ(b.3)をさらに含む。
【0088】
なお、前記ステップ(b)は、ユーザが前記農作物の成長状況を把握できるように、前記農作物の異なる段階の成長状態をユーザにフィードバックするステップ(b.41)をさらに含む。
【0089】
なお、前記ステップ(b)は、ユーザが前記農作物の成長状態、例えば、前記農作物の害虫駆除過程などをリアルタイムに監視するステップ(b.42)をさらに含む。
【0090】
なお、前記ステップ(c)は、前記農作物をユーザまで輸送するステップであって、ユーザによって予め設定されたアドレス及び連絡先に従って、摘採された前記農作物をユーザまで輸送し、ユーザの食用に供するステップ(c.1)をさらに含む。
【0091】
なお、前記ステップ(c)は、ユーザらが異なる種類の前記農作物を交換でき、取引プラットフォームにおいて、異なるユーザが自ら栽培した前記農作物を等価交換し、ユーザが持っている前記農作物種類の多様化を実現するステップ(c.2)をさらに含む。
【0092】
なお、前記ステップ(c)は、ユーザが収穫した前記農作物を販売するステップであって、取引プラットフォームにおいて、ユーザが自ら栽培した前記農作物を販売することで、前記農場の賃貸収益を増加させるステップ(c.3)をさらに含む。
【0093】
なお、前記ステップ(a.5)は、オンラインで支払う又は現金で支払うステップ(a.51)をさらに含み、前記支払い方式のタイプは、限定されない。
【0094】
なお、前記ステップ(a.5)は、収穫された前記農作物を等価のお金として支払うステップ(a.52)をさらに含む。
【0095】
図面に示され、上述された本発明の実施例は、本発明の例に過ぎず、限定するものではないことは、当業者にとって理解される。
【0096】
これにより、本発明の目的は十分に効果的に行われることができる。本発明の機能および構造原理を説明するための本実施形態は十分に説明され、記述されており、本発明はこれらの実施形態の原理に基づいた変更に限定されるものではない。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲および精神に含まれるすべての修正を含む。