IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-部品装着機 図1
  • 特許-部品装着機 図2
  • 特許-部品装着機 図3
  • 特許-部品装着機 図4
  • 特許-部品装着機 図5
  • 特許-部品装着機 図6
  • 特許-部品装着機 図7
  • 特許-部品装着機 図8
  • 特許-部品装着機 図9
  • 特許-部品装着機 図10
  • 特許-部品装着機 図11
  • 特許-部品装着機 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】部品装着機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
H05K13/02 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021555738
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 JP2019044792
(87)【国際公開番号】W WO2021095221
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 一也
(72)【発明者】
【氏名】小野 恵市
(72)【発明者】
【氏名】藤本 智也
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-093317(JP,A)
【文献】特公昭57-043488(JP,B2)
【文献】特開2008-311430(JP,A)
【文献】特開2013-243273(JP,A)
【文献】特開2005-159177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルクフィーダにより供給される部品を基板に装着する部品装着機であって、
前記バルクフィーダは、
前記部品装着機が前記部品を採取可能な供給領域において、複数の前記部品を個々に収容する複数のキャビティと、
複数の前記部品をバルク状態で収容する部品ケースから排出された複数の前記部品を少なくとも一部の前記キャビティに収容させる収容装置と、を備え、
前記部品装着機は、
前記供給領域を撮像可能なカメラと、
前記カメラの撮像により取得された画像データを画像処理して、複数の前記キャビティごとの前記部品の収容状態を認識するとともに、複数の前記キャビティごとに固有のアドレスに前記部品の収容状態が関連付けられた収容情報を取得する画像処理部と、
前記収容情報に基づいて前記キャビティに収容された前記部品の採取動作を実行する動作制御部と、
前記採取動作の実行後に前記部品が採取されたか否かの動作結果に基づいて、前記部品を収容していた前記キャビティの良否を判定する判定部と、
を備え
前記動作制御部は、前記収容情報において前記キャビティに前記部品が正常な姿勢で収容された採取可能状態と示された前記部品を前記採取動作の対象とし、
前記判定部は、前記部品が採取されなかった場合に当該部品を収容していた前記キャビティを不良と判定し、判定結果を前記アドレスに関連付けたキャビティ情報に記録する部品装着機。
【請求項2】
前記動作制御部は、前記収容情報において前記採取可能状態と示された複数の前記部品のうち、前記キャビティ情報において不良状態と示された前記キャビティに収容された前記部品を前記採取動作の対象から除外する、請求項に記載の部品装着機。
【請求項3】
前記部品装着機は、前記キャビティ情報において不良状態と示された前記キャビティの数が閾値以上となった場合に、オペレータに前記キャビティの不良を通知する通知部をさらに備える、請求項1または2に記載の部品装着機。
【請求項4】
前記通知部は、前記キャビティの不良を通知する場合に、前記キャビティ情報に基づいて、前記供給領域における不良の前記キャビティの位置を併せて通知する、請求項に記載の部品装着機。
【請求項5】
前記収容情報において前記アドレスごとに示される前記部品の収容状態には、前記キャビティに前記部品が正常な姿勢で収容された採取可能状態、前記キャビティに対して前記部品が採取不可な位置関係にある採取不可状態、および前記キャビティに前記部品が収容されていない空状態が含まれる、請求項1-の何れか一項に記載の部品装着機。
【請求項6】
バルクフィーダにより供給される部品を基板に装着する部品装着機であって、
前記バルクフィーダは、
前記部品装着機が前記部品を採取可能な供給領域において、複数の前記部品を個々に収容する複数のキャビティと、
複数の前記部品をバルク状態で収容する部品ケースから排出された複数の前記部品を少なくとも一部の前記キャビティに収容させる収容装置と、を備え、
前記部品装着機は、
前記供給領域を撮像可能なカメラと、
前記カメラの撮像により取得された画像データを画像処理して、複数の前記キャビティごとの前記部品の収容状態を認識するとともに、複数の前記キャビティごとに固有のアドレスに前記部品の収容状態が関連付けられた収容情報を取得する画像処理部と、
前記収容情報に基づいて前記キャビティに収容された前記部品の採取動作を実行する動作制御部と、
を備え
前記動作制御部は、前記収容情報を前記画像処理部との直接的または間接的な通信により取得し、前記アドレスに対応して複数の前記キャビティごとの座標値を示す座標データ、および前記収容情報に基づいて前記採取動作を実行し、
前記画像処理部は、前記画像処理の結果において前記キャビティに前記部品が正常な姿勢で収容された採取可能状態である前記キャビティの前記アドレスのみに前記収容状態が関連付けられた前記収容情報を前記動作制御部に送信する部品装着機。
【請求項7】
バルクフィーダにより供給される部品を基板に装着する部品装着機であって、
前記バルクフィーダは、
前記部品装着機が前記部品を採取可能な供給領域において、複数の前記部品を個々に収容する複数のキャビティと、
複数の前記部品をバルク状態で収容する部品ケースから排出された複数の前記部品を少なくとも一部の前記キャビティに収容させる収容装置と、を備え、
前記部品装着機は、
前記供給領域を撮像可能なカメラと、
前記カメラの撮像により取得された画像データを画像処理して、複数の前記キャビティごとの前記部品の収容状態を認識するとともに、複数の前記キャビティごとに固有のアドレスに前記部品の収容状態が関連付けられた収容情報を取得する画像処理部と、
前記収容情報に基づいて前記キャビティに収容された前記部品の採取動作を実行する動作制御部と、
を備え
前記動作制御部は、前記収容情報を前記画像処理部との直接的または間接的な通信により取得し、前記アドレスに対応して複数の前記キャビティごとの座標値を示す座標データ、および前記収容情報に基づいて前記採取動作を実行し、
複数の前記アドレスは、複数の前記キャビティの配列に関連した連続性を有し、
前記画像処理部は、連続する前記アドレスにそれぞれ関連付けられる前記収容状態を連長圧縮により符号化した前記収容情報を前記動作制御部に送信する部品装着機。
【請求項8】
バルクフィーダにより供給される部品を基板に装着する部品装着機であって、
前記バルクフィーダは、
前記部品装着機が前記部品を採取可能な供給領域において、複数の前記部品を個々に収容する複数のキャビティと、
複数の前記部品をバルク状態で収容する部品ケースから排出された複数の前記部品を少なくとも一部の前記キャビティに収容させる収容装置と、を備え、
前記部品装着機は、
前記供給領域を撮像可能なカメラと、
前記カメラの撮像により取得された画像データを画像処理して、複数の前記キャビティごとの前記部品の収容状態を認識するとともに、複数の前記キャビティごとに固有のアドレスに前記部品の収容状態が関連付けられた収容情報を取得する画像処理部と、
前記収容情報に基づいて前記キャビティに収容された前記部品の採取動作を実行する動作制御部と、
を備え
前記画像処理部は、前記画像処理において、複数の前記キャビティごとの前記部品の収容状態を認識するとともに、複数の前記部品のうち前記キャビティに正常な姿勢で収容された採取可能部品における基準位置の座標値を割り出し、前記アドレスに前記基準位置の座標値を関連付けられた前記収容情報を取得する部品装着機。
【請求項9】
前記動作制御部は、前記収容情報により前記部品における前記基準位置の座標値が示されている場合に、前記部品の前記収容状態および前記基準位置の座標値に基づいて、前記採取動作を実行する、請求項に記載の部品装着機。
【請求項10】
前記画像処理部は、前記画像処理において、前記部品の種類に応じて当該部品における前記基準位置の座標値を割り出すか否かを切り換える、請求項8または9に記載の部品装着機。
【請求項11】
前記画像処理部は、前記バルクフィーダにおける複数の前記キャビティの位置を示す配列情報に基づいて、複数の前記キャビティごとの規定範囲内のみを画像処理の対象範囲とする、請求項1-10の何れか一項に記載の部品装着機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品装着機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品装着機は、バルクフィーダなどにより供給される部品を基板に装着する装着処理を実行する。バルクフィーダは、バルク状態で収容された部品の供給に用いられる。バルクフィーダには、特許文献1に示すように、吸着ノズルが部品を採取可能な供給領域において部品を散在させたバルク状態で供給するタイプがある。部品装着機は、装着処理において、バルクフィーダによる部品の供給状態を認識する画像処理を実行し、その画像処理の結果に基づいて吸着ノズルを用いた部品の吸着動作を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-114084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、部品装着機による画像処理の結果情報には、供給領域において採取可能な部品の位置および角度が含まれる。そのため、採取可能な部品数が多くなるほど、画像処理の結果情報の容量が多くなり、結果としてその後の利用性や管理性が低減するおそれがある。これは、バルクフィーダの供給領域において供給された複数の部品のうち採取可能な部品の位置や数が供給処理の度に大きく変動することに起因するものと考えられる。
【0005】
本明細書は、より効率的に且つ安定的に部品を供給可能な構造を有するバルクフィーダに対応し、採取可能な部品を認識する画像処理の結果情報の利用性および管理性を向上できる部品装着機を供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、バルクフィーダにより供給される部品を基板に装着する部品装着機であって、前記バルクフィーダは、前記部品装着機が前記部品を採取可能な供給領域において、複数の前記部品を個々に収容する複数のキャビティと、複数の前記部品をバルク状態で収容する部品ケースから排出された複数の前記部品を少なくとも一部の前記キャビティに収容させる収容装置と、を備え、前記部品装着機は、前記供給領域を撮像可能なカメラと、前記カメラの撮像により取得された画像データを画像処理して、複数の前記キャビティごとの前記部品の収容状態を認識するとともに、複数の前記キャビティごとに固有のアドレスに前記部品の収容状態が関連付けられた収容情報を取得する画像処理部と、前記収容情報に基づいて前記キャビティに収容された前記部品の採取動作を実行する動作制御部と、を備える部品装着機を開示する。
【発明の効果】
【0007】
このような構成によると、バルクフィーダが複数のキャビティに部品を整列させることによって効率的に部品を供給することを利用する。つまり、部品装着機は、供給領域において複数のキャビティに収容された部品を採取可能とし、これにより複数のキャビティに対応するアドレスとこれに関連付けられた収容状態によって画像処理の結果情報とすることができる。よって、採取可能な部品を認識する画像処理の結果情報の利用性および管理性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】部品装着機の構成を示す模式図である。
図2】バルクフィーダの外観を示す斜視図である。
図3図2のIII方向から見た平面図である。
図4】部品供給処理による部品の収容状態の遷移を示す図である。
図5】部品装着機の制御装置を示すブロック図である。
図6】供給領域における部品の供給状態の認識処理に用いられる画像データを示す図である。
図7】画像処理により取得された収容情報を示す図である。
図8】キャビティ情報を示す図である。
図9】通知画面を示す図である。
図10】部品装着機による装着処理を示すフローチャートである。
図11】部品装着機による部品の供給管理処理を示すフローチャートである。
図12】部品装着機によるキャビティの良否判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.部品装着機10の構成
部品装着機10は、例えば他の部品装着機10を含む複数種類の対基板作業機とともに、基板製品を生産する生産ラインを構成する。上記の生産ラインを構成する対基板作業機には、印刷機や検査装置、リフロー炉などが含まれ得る。
1-1.基板搬送装置
部品装着機10は、図1に示すように、基板搬送装置11を備える。基板搬送装置11は、基板91を搬送方向へと順次搬送するとともに、基板91を機内の所定位置に位置決めする。
【0010】
1-2.部品供給装置12
部品装着機10は、部品供給装置12を備える。部品供給装置12は、基板91に装着される部品を供給する。部品供給装置12は、複数のスロット121にフィーダ122をそれぞれ装備される。フィーダ122には、例えば多数の部品が収納されたキャリアテープを送り移動させて、部品を採取可能に供給するテープフィーダが適用される。また、フィーダ122には、バルク状態(それぞれの姿勢が不規則なばら状態)で収容された部品を採取可能に供給するバルクフィーダ50が適用される。バルクフィーダ50の詳細については後述する。
【0011】
1-3.部品移載装置13
部品装着機10は、部品移載装置13を備える。部品移載装置13は、部品供給装置12により供給された部品を基板91上の所定の装着位置に移載する。部品移載装置13は、ヘッド駆動装置131、移動台132、装着ヘッド133、および吸着ノズル134を備える。ヘッド駆動装置131は、直動機構により移動台132を水平方向(X方向およびY方向)に移動させる。装着ヘッド133は、図示しないクランプ部材により移動台132に着脱可能に固定され、機内において水平方向に移動可能に設けられる。
【0012】
装着ヘッド133は、回転可能に且つ昇降可能に複数の吸着ノズル134を支持する。吸着ノズル134は、フィーダ122により供給される部品92を採取して保持する保持部材である。吸着ノズル134は、供給される負圧エアにより、フィーダ122により供給される部品を吸着する。装着ヘッド133に取り付けられる保持部材としては、部品を把持することにより保持するチャックなどが採用され得る。
【0013】
ここで、上記の装着ヘッド133には、種々のタイプが採用され得る。具体的には、複数の保持部材を、鉛直軸(Z軸)に平行なR軸周りに回転可能に設けられたロータリヘッドにより支持するタイプが装着ヘッド133にはある。本実施形態では、装着ヘッド133は、ロータリヘッドにより24本の吸着ノズル134を支持する。その他に、直線状またはマトリックス状に配列された複数の保持部材を支持するタイプ、1つの保持部材を支持するタイプなどが装着ヘッド133にはある。これらの装着ヘッド133のタイプは、例えば生産する基板製品の種類などに応じて適宜選択され得る。
【0014】
1-4.部品カメラ14、基板カメラ15
部品装着機10は、部品カメラ14、および基板カメラ15を備える。部品カメラ14、および基板カメラ15は、CMOSなどの撮像素子を有するデジタル式の撮像装置である。部品カメラ14、および基板カメラ15は、制御信号に基づいて撮像を行い、当該撮像により取得した画像データを送出する。部品カメラ14は、吸着ノズル134に保持された部品を下方から撮像可能に構成される。基板カメラ15は、装着ヘッド133と一体的に水平方向に移動可能に移動台132に設けられる。基板カメラ15は、基板91を上方から撮像可能に構成される。
【0015】
また、基板カメラ15は、基板91の表面を撮像対象とする他に、移動台132の可動範囲であれば種々の機器などを撮像対象にできる。例えば、基板カメラ15は、本実施形態において、バルクフィーダ50が部品92を供給する供給領域As(図3を参照)を撮像することができる。このように、基板カメラ15は、種々の画像処理に用いられる画像データを取得するために、異なる撮像対象の撮像に兼用され得る。
【0016】
1-5.制御装置20
部品装着機10は、制御装置20を備える。制御装置20は、主として、CPUや各種メモリ、制御回路により構成される。制御装置20は、図5に示すように記憶部21を備える。記憶部21は、ハードディスク装置などの光学ドライブ装置、またはフラッシュメモリなどにより構成される。制御装置20の記憶部21には、装着処理の制御に用いられる制御プログラムなどの各種データが記憶される。制御プログラムは、装着処理において基板91に装着される部品の装着位置および装着順序を示す。
【0017】
制御装置20は、複数の保持部材(吸着ノズル134)のそれぞれに保持された部品の保持状態の認識処理を実行する。具体的には、制御装置20は、部品カメラ14の撮像により取得された画像データを画像処理し、装着ヘッド133の基準位置に対する各部品の位置および角度を認識する。なお、制御装置20は、部品カメラ14の他に、例えば装着ヘッド133に一体的に設けられるヘッドカメラユニットなどが部品を側方、下方、または上方から撮像して取得された画像データを画像処理するようにしてもよい。
【0018】
制御装置20は、制御プログラムに基づいて、装着ヘッド133による部品の装着動作を制御して装着処理を実行する。ここで、装着処理には、採取動作と装着動作とが含まれるピックアンドプレースサイクル(以下、「PPサイクル」と称する)を複数回に亘って繰り返す処理が含まれる。上記の「採取動作」とは、部品供給装置12により供給された部品を吸着ノズル134により採取する動作である。
【0019】
本実施形態において、制御装置20は、上記の採取動作の実行に際して、バルクフィーダ50を含む部品供給装置12の動作を制御するとともに、バルクフィーダ50の供給領域Asにおける部品92の供給状態の認識処理を実行する。上記の「供給状態の認識処理」には、供給領域Asに採取可能な部品92があるか否かを認識し、ある場合には必要に応じて部品92の位置を認識する処理が含まれる。そして、制御装置20は、供給状態の認識処理の結果に基づいて、採取動作における装着ヘッド133の動作を制御する。
【0020】
また、上記の「装着動作」とは、採取した部品を基板91における所定の装着位置に装着する動作である。制御装置20は、装着処理において、各種センサから出力される情報や画像処理の結果、制御プログラムなどに基づき、装着ヘッド133の動作を制御する。これにより、装着ヘッド133に支持された複数の吸着ノズル134の位置および角度が制御される。制御装置20の詳細構成については後述する。
【0021】
2.バルクフィーダ50の構成
バルクフィーダ50は、部品装着機10に装備されて部品供給装置12の少なくとも一部として機能する。バルクフィーダ50は、テープフィーダと異なりキャリアテープを用いないため、キャリアテープの装填や使用済みテープの回収などを省略できる点でメリットがある。一方で、バルクフィーダ50は、キャリアテープのように整列されていないバルク状態で収容された部品92を供給するため、部品92の供給状態が吸着ノズル134などの保持部材による採取動作に影響し得る。
【0022】
詳細には、供給領域Asにおいて部品92同士が接触するほど接近していたり堆積(上下方向に重なり合っている状態)していたりすると、採取対象にすることができない。また、供給領域Asに不規則な姿勢で部品92が供給されると、供給状態(部品92の採取可否、および採取可能な部品92の姿勢)を認識するための画像処理が必要となる。そのため、バルクフィーダ50には、供給領域Asにおいて採取可能な複数の部品92が必要数に不足することなく供給され、さらには適宜分散した状態にあることが望まれる。そこで、本実施形態のバルクフィーダ50は、供給領域Asにおいて部品92を整列させる構成を採用する。
【0023】
2-1.フィーダ本体51
バルクフィーダ50は、図2に示すように、フィーダ本体51を備える。フィーダ本体51は、扁平な箱状に形成される。フィーダ本体51は、部品供給装置12のスロット121にセットされる。フィーダ本体51の前部には、コネクタ511および2つのピン512が形成される。コネクタ511は、バルクフィーダ50がスロット121にセットされると、部品装着機10の本体側と通信可能に接続する。また、バルクフィーダ50は、コネクタ511を介して給電される。2つのピン512は、フィーダ本体51がスロット121にセットされる際の位置決めに用いられる。
【0024】
2-2.部品ケース52、排出装置53、カバー54
本実施形態においてフィーダ本体51には、複数の部品92をバルク状態で収容する部品ケース52が着脱可能に取り付けられる。部品ケース52は、外部へ部品92を排出可能に構成される。本実施形態において、部品ケース52は、バルクフィーダ50の外部装置であって、例えば種々のタイプのものから装着処理に適合する一つが選択されて、フィーダ本体51に取り付けられる。
【0025】
バルクフィーダ50は、排出装置53を備える。排出装置53は、部品ケース52から排出させる部品92の数量を調整する。排出装置53は、部品ケース52から排出された複数の部品92を後述する軌道部材60の受容領域Arに供給する。バルクフィーダ50は、カバー54を備える。カバー54は、フィーダ本体51の前側上部に着脱可能に取り付けられる。カバー54は、後述する軌道部材60の搬送路Rを搬送される部品92の外部への飛散を防止する。カバー54の上面には、バルクフィーダ50の基準位置を示す円形の基準マーク55が左右一対で付される。
【0026】
2-3.軌道部材60
バルクフィーダ50は、軌道部材60を備える。軌道部材60は、フィーダ本体51の前側上部に設けられる。軌道部材60は、図3に示すように、フィーダ本体51の前後方向(図3の左右方向)に延伸するように形成される。軌道部材60の幅方向(図3の上下方向)の両縁には、上方に突出する一対の側壁61が形成される。一対の側壁61は、軌道部材60の先端部62とともに搬送路Rの周縁を囲い、搬送路Rを搬送される部品92の漏出を防止する。先端部62の上面には、バルクフィーダ50の基準位置を示す円形の基準マーク55が付される。
【0027】
上記のような構成からなる軌道部材60は、受容領域Ar、供給領域As、および搬送路Rを有する。ここで、「受容領域Ar」とは、部品ケース52から排出されるバルク状態の部品92を受容する領域である。本実施形態の受容領域Arは、部品ケース52の排出口の下方に位置する。また、「供給領域As」とは、部品92を供給する領域である。換言すると、装着ヘッド133に支持された吸着ノズル134により部品92を採取可能な領域であり、装着ヘッド133の可動範囲に含まれる。
【0028】
また、軌道部材60の「搬送路R」とは、受容領域Arから供給領域Asへの部品92の通り道である。本実施形態において、搬送路Rは、溝底面が水平となる溝形状に形成される。搬送路Rの溝側面は、一対の側壁61により形成される。搬送路Rの上側の溝開口は、カバー54により概ね閉塞される。軌道部材60は、前後方向および上下方向により形成される仮想的な垂直面において、フィーダ本体51に対して僅かに変位可能(即ち、振動可能)に支持される。
【0029】
軌道部材60は、複数の部品92を整列させる機構を有する。具体的には、軌道部材60は、部品装着機10が部品92を採取可能な供給領域Asにおいて、複数の部品92を個々に収容する複数のキャビティ63を有する。詳細には、複数のキャビティ63は、供給領域Asにおいてマトリックス状に配列される。例えば、軌道部材60は、規則的に搬送方向に10個、搬送路Rの幅方向に12個それぞれ配列された計120個のキャビティ63を有する。
【0030】
また、複数のキャビティ63のそれぞれは、搬送路Rの上面において開口し、部品92の厚み方向が上下方向となる姿勢で部品92を収容する。キャビティ63の開口は、上方視における部品92の外形状よりも僅かに大きくなる寸法に設定される。キャビティ63の深さは、部品92の種類(形状、質量など)に応じて適宜設定される。キャビティ63の形状は、当該部品92がキャリアテープに収納されてテープフィーダにより供給されると仮定したときに、そのキャリアテープに形成されるキャビティの形状に類似する。また、キャビティ63の形状、必要数、搬送性に影響し得る密集度を加味して、軌道部材60におけるキャビティ63の数が適宜設定される。
【0031】
また、軌道部材60におけるキャビティ63の数は、1回のPPサイクルにおける採取動作によって採取される部品92の最大数よりも多く設定されると好適である。なお、上記の「最大数」は、装着ヘッド133が支持する吸着ノズル134の数に相当する。本実施形態において、装着ヘッド133は、24本の吸着ノズル134を支持することから、キャビティ63の数は、少なくとも24個より多くなるように設定されている。
【0032】
ここで、複数のキャビティ63は、軌道部材60に対して交換可能に取り付けられるアタッチメント部材(以下、「整列部材」)に形成される構成としてもよい。具体的には、バルクフィーダ50のセットアップに際して、例えば種々の態様に対応した複数種類の整列部材が交換可能に準備される。そして、バルクフィーダ50は、供給する部品92の種類に対応して互いの形状が異なる複数種類の整列部材から選択された1つを軌道部材60に取り付けられる。
【0033】
さらに、バルクフィーダ50の軌道部材60は、フィーダ本体51に対して交換可能に取り付けられる構成としてもよい。このとき、複数のキャビティ63は、軌道部材60に対して一体的に形成されるようにしてもよいし、上記の整列部材に形成されて交換可能としてもよい。具体的には、バルクフィーダ50のセットアップに際して、例えば種々の態様に対応した複数種類のキャビティ63が形成された複数種類の軌道部材60が交換可能に準備される。
【0034】
そして、バルクフィーダ50は、複数種類の軌道部材60から選択された1つをフィーダ本体51に取り付けられる。このような構成によると、バルクフィーダ50は、フィーダ本体51や後述する加振装置71を共通にし、複数のキャビティ63を形成された整列部材や軌道部材60の交換によって部品92の種類や供給態様に対応することが可能となる。これにより、バルクフィーダ50の利用範囲を拡大することができ、基板製品の生産コストを低減できる。
【0035】
2-4.加振装置71(収容装置)
バルクフィーダ50は、加振装置71を備える。加振装置71は、フィーダ本体51に設けられる。加振装置71は、搬送路R上の部品92が搬送されるように軌道部材60に振動を付与する。これにより、加振装置71は、搬送路Rにおける部品92の搬送方向に直交する水平方向において軌道部材60に時計回りまたは反時計回りの楕円運動をさせる。このとき、加振装置71は、搬送路R上の部品92に対して前方または後方且つ上方に向かう外力が加えられるように軌道部材60を振動させる。
【0036】
加振装置71は、例えばフィーダ本体51と軌道部材60を連結する支持部材と、支持部材に付された圧電素子と、圧電素子に給電する駆動部とにより構成される。駆動部は、後述するフィーダ制御装置72の指令に基づいて、圧電素子に供給する電力の周波数、および印加電圧を変動させる。これにより、軌道部材60に付与される振動の周波数および振幅が調整され、軌道部材60の楕円運動の回転方向が定まる。軌道部材60の振動の周波数や振幅、振動による楕円運動の回転方向が変動すると、搬送される部品92の搬送速度、部品92の分散度合い、および搬送方向などが変動する。
【0037】
上記のような構成により、加振装置71は、軌道部材60に所定の振動を付与し、部品ケース52から軌道部材60の受容領域Arに排出された複数の部品92を、搬送路Rを介して供給領域Asへと搬送可能とする。また、上記のような構成によると、搬送路Rに多くの部品92が互いに隣接し且つ堆積する程に供給されていたとしても、これらの部品群Gp(図4を参照)に搬送方向の外力を付与することができる。これにより、軌道部材60および加振装置71は、部品群Gpを全体として搬送することが可能である。なお、上記の「部品群」とは、バルク状態の複数の部品92の集合である。
【0038】
以下では、搬送路R上の部品92を供給領域Asへ向かう方向に搬送する加振装置71の動作を「送り動作」とする。また、搬送路R上の部品92を受容領域Arへ向かう方向に搬送する加振装置71の動作を「戻し動作」とする。なお、加振装置71の送り動作および戻し動作の切り換えによって、軌道部材の楕円運動は、逆回転となる。加振装置71は、上記のような構成により、部品ケース52から排出された複数の部品92を少なくとも一部のキャビティ63に収容させる収容装置として機能する。
【0039】
2-5.フィーダ制御装置72
バルクフィーダ50は、フィーダ制御装置72を備える。フィーダ制御装置72は、主として、CPUや各種メモリ、制御回路により構成される。フィーダ制御装置72は、バルクフィーダ50がスロット121にセットされた状態において、コネクタ511を介して給電され、また部品装着機10の制御装置20と通信可能な状態となる。フィーダ制御装置72は、供給領域Asへの部品供給処理において、加振装置71の動作を制御して、上記の送り動作、および戻し動作を実行する。
【0040】
詳細には、フィーダ制御装置72は、送り動作を実行する場合に、加振装置71の駆動部に対して指令を送出する。これにより、駆動部が圧電素子に所定の電力を供給することにより、支持部材を介して軌道部材60に振動が付与される。結果として、搬送路R上の部品92が搬送方向の前側に移動するように外力を受けて搬送される。
【0041】
また、フィーダ制御装置72は、加振装置71の送り動作および戻し動作の実行時間などを組み合わせることにより種々の搬送態様を実現する。例えば、フィーダ制御装置72は、搬送路R上の複数の部品92の少なくとも一部が供給領域Asに到達した後に(図4の上段を参照)、部品群Gpが軌道部材60の先端部62の付近に到達するまで送り動作を継続する(図4の中段を参照)。このとき、さらに戻し動作および送り動作を繰り返し実行して、軌道部材60が振動した状態で供給領域Asに複数の部品92を滞留させるようにしてもよい。
【0042】
その後に、フィーダ制御装置72は、搬送路R上の複数の部品92の少なくとも一部が複数のキャビティ63に収容された状態で戻し動作を実行して、残りの部品群Gpを供給領域Asから受容領域Ar側に退避させる(図4の下段を参照)。これにより、複数のキャビティ63のうち所定数以上に部品92が適正にそれぞれ収容される。フィーダ制御装置72は、送り動作や戻し動作の実行時間、収容工程における滞留の動作の時間や繰り返し動作の実行回数を適宜設定することができる。また、フィーダ制御装置72は、部品ケース52に収容された部品92の種類に応じて、加振装置71により軌道部材60に付与される振動の周波数、および振幅の少なくとも一方を調整してもよい。
【0043】
3.部品装着機10の制御装置20の詳細構成
部品装着機10の制御装置20の詳細構成について図5図9を参照して説明する。制御装置20は、本実施形態において、図5に示すように、互いに通信可能に接続された記憶部21と、画像処理ユニット30と、装着制御ユニット40とを備える。
【0044】
記憶部21には、収容情報D1、キャビティ情報D2、およびキャビティ63の配列情報D3が記憶される。さらに、記憶部21には、部品カメラ14や基板カメラ15の撮像により取得された画像データM1、機内における複数のキャビティ63ごとの座標値を示す座標データM2が記憶される。各種情報D1-D3および各種データM1,M2の詳細については後述する。
【0045】
3-1.画像処理ユニット30
画像処理ユニット30は、画像データや処理結果の入出力を行うインターフェースや画像処理を実行するCPUや各種回路により構成されるユニットである。画像処理ユニット30は、例えば撮像指令を入力して撮像処理を実行した部品カメラ14から画像データを入力し、予め設定されている所定の画像処理を実行する。これにより、複数の吸着ノズル134のそれぞれに部品92が保持されているか否か、保持されている場合には装着ヘッド133に対する部品92の姿勢が認識される。画像処理ユニット30は、種々の画像処理の結果を記憶部21に記憶し、または装着制御ユニット40に通信により送出する。
【0046】
3-1-1.画像処理部31
制御装置20は、本実施形態において画像処理ユニット30に設けられる画像処理部31を有する。画像処理部31は、基板カメラ15の撮像により取得された画像データM1を画像処理して、複数のキャビティ63ごとの部品92の収容状態を認識するとともに、複数のキャビティ63ごとに固有のアドレスに部品92の収容状態が関連付けられた収容情報D1を取得する。
【0047】
ここで、図6は、複数のキャビティ63の一部を破線で示す。複数のキャビティ63は、上記のようにマトリックス状に規則的に配列されており、それぞれに固有のアドレスが付されている。本実施形態において、複数のアドレスは、複数のキャビティ63の配列に関連した連続性を有する。具体的には、複数のアドレスは、単に「001」から「120」までの数値であってもよいし、行数を示す「01」から「10」まで数値と列数を示す「01」から「12」までの数値の組み合わせ(例えば、7行目12列目ならば「0712」)であってもよい。その他に、複数のアドレスは、複数のキャビティ63に一対一で関連付けられる固有情報であれば、数値の他に文字列などにより示されてもよい。
【0048】
ここで、画像処理部31は、バルクフィーダ50による部品供給処理が実行された後に、供給領域Asにおける部品92の供給状態を認識する認識処理を実行する。具体的には、画像処理ユニット30は、先ず基板カメラ15をバルクフィーダ50の供給領域Asの上方に移動させて、基板カメラ15の撮像により画像データM1を取得する。そして、画像処理部31は、図6に示すように、画像データM1に所定の画像処理を実行し、複数のキャビティ63にそれぞれ収容された部品92を認識する。
【0049】
詳細には、画像処理部31は、画像処理された画像データM1において、座標データM2により示される複数のキャビティ63の位置、および部品92の姿勢に基づいて、採取可能か否かを判定する。具体的には、画像処理部31は、キャビティ63に適正に収容されている部品92について採取可能と判定する(図6の「OK」)。画像処理部31は、キャビティ63に傾斜するなど不適正な姿勢で収容されている部品92や、互いに堆積した状態の複数の部品92について採取不可と判定する(図6の「NG」)。また、画像処理部31は、キャビティ63の付近に部品92が存在しない場合に空状態と判定する(図6の「EMP」)。
【0050】
続いて、画像処理部31は、複数のアドレスのそれぞれに対応するキャビティ63の収容状態(上記の判定結果)を関連付ける。これにより、画像処理部31は、図7に示すような収容情報D1を取得する。詳細には、収容情報D1は、アドレス(0101,0102,・・・,1012)に関連付けられた収容状態(OK/NG/EMP)を示す。ここで、画像処理部31は、画像処理において、複数のキャビティ63ごとの部品92の収容状態を認識するとともに、複数の部品92のうちキャビティ63に正常な姿勢で収容された採取可能部品における基準位置の座標値Psを割り出すことがある。
【0051】
上記の採取可能部品の「基準位置」とは、部品92の上面のうち任意に設定される位置であり、採取動作に吸着ノズル134が用いられる場合に、例えば吸着ノズル134による吸着に適した部品92の中心や重心、平坦領域などに設定される。画像処理部31は、画像処理において、採取可能部品について例えば外形や中心位置などを認識することによって、採取可能部品における基準位置の座標値Psを割り出す。そして、画像処理部31は、アドレスに基準位置の座標値Psを関連付ける。
【0052】
これにより、画像処理部31は、図7に示すように、複数のアドレスのうち収容状態が「OK」のものに基準位置の座標値Psがそれぞれ関連付けられた収容情報D1を取得する。画像処理部31は、上記のような基準位置の座標値Psを必要に応じて割り出す。例えば、画像処理部31は、画像処理において、部品92の種類に応じて当該部品92における基準位置の座標値Psを割り出すか否かを切り換えるようにしてもよい。具体的には、画像処理部31は、部品92が所定サイズよりも小さい場合に、基準位置の座標値Psの割り出しを行う。
【0053】
これは、部品92がキャビティ63に正常な姿勢で収容されたとしても、キャビティ63の中心に対する基準位置のずれ量の採取動作への影響が、部品サイズが小さくなるほど顕著となることを理由としている。同様の観点から、画像処理部31は、キャビティ63と部品92のサイズの相違量、キャビティ63の形状、および装着処理に要求される精度に応じて、画像処理において部品92の基準位置の座標値Psを割り出すか否かを切り換えてもよい。
【0054】
3-1-2.収容情報D1の各種態様
また、画像処理部31は、収容情報D1を用いた後の各種処理の負荷軽減や、画像処理ユニット30と装着制御ユニット40との通信の負荷軽減、記憶部21におけるデータ容量の軽減などを目的として、収容情報D1を以下の第一態様または第二態様により加工するようにしてもよい。具体的には、第一態様において、画像処理部31は、画像処理の結果(図7の収容情報D1)においてキャビティ63に部品92が正常な姿勢で収容された採取可能状態であるキャビティ63のアドレスのみに収容状態が関連付けられた収容情報D1(F11)を取得し、この収容情報D1(F11)を動作制御部41に送信する
【0055】
このような構成によると、収容情報D1(F11)には、採取動作において使用されない情報(NGまたはEMPのキャビティ63のアドレス)が省略される。これにより、収容状態が「OK」のアドレスを用いる後の処理の負荷軽減を図ることができるとともに、ユニット間の通信の負荷軽減を図ることができる。さらに、収容情報D1(F11)のデータ容量を軽減できる。
【0056】
第二態様において、画像処理部31は、連続するアドレスにそれぞれ関連付けられる収容状態を連長圧縮により符号化した収容情報D1(F12)を取得し、この収容情報D1(F12)を動作制御部41に送信する。詳細には、画像処理部31は、複数のアドレスが複数のキャビティ63の配列に関連した連続性を有することを利用する。そして、画像処理部31は、連続するアドレスに同じ収容状態(OK/NG/EMP)が関連付けられている場合には、収容状態を示す文字(G/N/E)と連続数を示す数値により収容情報D1を圧縮する。
【0057】
具体的には、図7の収容情報D1(F12)に示すように、収容状態「OK」が12個連続し、収容状態「NG」が1個、収容状態「OK」が15個連続し、収容状態「EMP」が2個の場合には、これらの情報は、「G12N1G15E2・・・」のように符号化される。このような構成によると、収容情報D1(F12)には、全てのキャビティ63の収容状態を示すことが可能であり、後の処理の負荷軽減を図ることができる。また、収容情報D1(F12)のデータ容量を軽減でき、ユニット間の通信の負荷軽減を図ることができる。
【0058】
3-1-3.画像処理の対象範囲
画像処理部31は、配列情報D3に基づいて、複数のキャビティ63ごとの規定範囲Sr内のみを画像処理の対象範囲としてもよい。ここで、上記の配列情報D3とは、バルクフィーダ50における複数のキャビティ63の位置を示す情報である。具体的には、配列情報D3には、例えば複数のキャビティ63の形状、配列の行数および列数、向き、深さなどの項目が適宜追加され得る。なお、配列情報D3は、バルクフィーダ50のフィーダ制御装置72から通信により取得してもよいし、供給領域Asを撮像して取得された画像データに基づいて識別した軌道部材60の種類に対応して上位装置などから取得してもよい。
【0059】
画像処理部31は、上記のように配列情報D3に基づいて認識した複数のキャビティ63が画像データM1において占める範囲に所定範囲を適宜加えた規定範囲Sr内のみを画像処理の対象範囲とする。これにより、画像データM1の全域を画像処理の対象範囲とする構成と比較して、画像処理の負荷軽減を図ることができる。なお、画像処理部31は、供給領域Asに対する複数のキャビティ63が占める面積などに応じて、例えば供給領域Asを画像処理の対象範囲としたり、複数のキャビティ63の全体が含まれる1つの矩形領域を画像処理の対象範囲としたりしてもよい。
【0060】
3-2.装着制御ユニット40
装着制御ユニット40は、種々のデータや各種センサからの検出信号の入出力を行うインターフェースや装着処理を実行するCPUや各種回路により構成されるユニットである。装着制御ユニット40は、画像処理部31から画像処理の結果としての収容情報D1を入力し、収容情報D1に基づいて装着処理を実行する。
【0061】
3-2-1.動作制御部41
制御装置20は、本実施形態において装着制御ユニット40に設けられる動作制御部41を有する。動作制御部41は、収容情報D1に基づいてキャビティ63に収容された部品92の採取動作を実行する。動作制御部41は、収容情報D1においてキャビティ63に部品92が正常な姿勢で収容された採取可能状態と示された部品92を採取動作の対象とする。具体的には、動作制御部41は、収容情報D1に含まれる収容状態「OK」のアドレスから、今回のPPサイクルにおける採取動作によって採取する部品92の必要数だけ抽出する。
【0062】
動作制御部41は、収容情報D1におえる採取可能な部品92の数が必要数を上回る場合に、複数回に亘る採取動作の所要時間が短くなるように複数のアドレスを抽出する。具体的には、動作制御部41は、連続するアドレスを優先して抽出したり、装着対象である基板91に近いキャビティ63のアドレスを優先して抽出したりしてもよい。そして、動作制御部41は、抽出した必要数のアドレスに対応するキャビティ63から部品92を対象として、採取動作を実行する。
【0063】
このとき、動作制御部41は、複数のアドレスのそれぞれを、座標データM2に基づいて座標値に変換し、その座標値に吸着ノズル134を位置決めする。換言すると、動作制御部41は、複数のアドレスに対応するキャビティ63の中心である座標値に吸着ノズル134を位置決めする。また、動作制御部41は、収容情報D1により部品92における基準位置の座標値Psが示されている場合に、部品92の収容状態および基準位置の座標値Psに基づいて、採取動作を実行するようにしてもよい。動作制御部41は、装着処理に要求される精度に応じて、何れかに吸着ノズル134を位置決めするかを切り換えてもよい。
【0064】
3-2-2.判定部42
制御装置20は、本実施形態において装着制御ユニット40に設けられる判定部42を有する。判定部42は、採取動作の実行後に部品92が採取されたか否かの動作結果に基づいて、部品92を収容していたキャビティ63の良否を判定する。上記の動作結果は、例えば採取動作の後に実行される部品92の保持状態の認識処理の結果である。この保持状態の認識処理では、部品92が吸着ノズル134に保持されているか否かが判定される。
【0065】
ここで、採取動作において、部品92が正常に収容されているキャビティ63から部品92の採取を試行したにもかかわらず、部品92が保持されていない採取ミスが発生した場合には、キャビティ63に見かけ上は正常に部品92が収容されているものの、実際にはキャビティ63に部品92が嵌り込んでいることが想定される。そこで、判定部42は、部品92が採取されなかった場合に当該部品92を収容していたキャビティ63を不良と判定し、キャビティ情報D2に記録する。上記のキャビティ情報D2は、図8に示すように、判定部42による判定結果をアドレスに関連付けた情報である。
【0066】
なお、上記のような採取ミスの原因としては、キャビティ63が不良である他に、バルクフィーダ50から部品カメラ14まで吸着ノズル134を移動させる間に、部品92を落下させたことや、吸着ノズル134の動作不良なども想定される。そこで、判定部42は、例えば同一のキャビティ63から部品92を採取する採取動作において所定数連続して装着ミスが発生した場合に、そのキャビティ63を不良と判定してもよい。その他に、採取ミスが発生した場合に、且つその状態におけるキャビティ63に部品92が収容された状態が維持されていることを再度の画像処理により認識した場合に、判定部42は、そのキャビティ63を不良と判定してもよい。
【0067】
なお、上記のように更新されたキャビティ情報D2は、次回以降の採取動作の実行時において、動作制御部41による複数のアドレスの抽出に用いられる。具体的には、動作制御部41は、収容情報D1において採取可能状態と示された複数の部品92のうち、キャビティ情報D2において不良状態と示されたキャビティ63に収容された部品92を採取動作の対象から除外する。
【0068】
これにより、例えば部品92が嵌り込んだキャビティ63を対象とした採取動作が実行されなくなるので、採取ミスの発生を防止でき、生産性の低下を防止できる。また、判定部42は、不良状態と判定した後の画像処理において、当該キャビティ63が収容状態「EMP」になった場合に、当該キャビティ63を良好としてキャビティ情報D2に記録してもよい。
【0069】
3-2-3.通知部43
制御装置20は、本実施形態において装着制御ユニット40に設けられる通知部43を有する。通知部43は、キャビティ情報D2において不良状態と示されたキャビティ63の数Ms(図8を参照)が閾値Th以上となった場合に、オペレータにキャビティ63の不良を通知する。これにより、通知を受けたオペレータは、バルクフィーダ50のキャビティ63から嵌り込んだ部品92を取り除くといったメンテナンスを促されることになる。
【0070】
また、通知部43は、キャビティ63の不良を通知する場合に、図9に示すように、種々の通知情報を併せて通知してもよい。具体的には、通知部43は、オペレータに対する通知の目的を含むメッセージ81を通知情報に加えてもよい。また、通知部43は、多数のフィーダ122のうち何れがメンテナンス対象であるかを示すために、バルクフィーダ50がセットされているスロット121の番号、フィーダタイプ、およびメンテナンス原因を示す対象情報82を通知情報に加えてもよい。
【0071】
さらに、通知部43は、キャビティ情報D2に基づいて、供給領域Asにおける不良のキャビティ63の位置を示す位置情報83を併せて通知してもよい。具体的には、不良のキャビティ63の位置を画像において枠で囲ったり、対応するアドレスや行数、列数を文字列で表示したりする。これにより、オペレータは、不良のキャビティ63が発生したバルクフィーダ50の位置を特定し、且つ不良のキャビティ63を早期に特定することができる。よって、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0072】
なお、上記の閾値Thは、任意に設定することができる。この閾値Thは、単に不良のキャビティ63の数と比較される数であってもよい。また、閾値Thは、キャビティ63の位置(例えば行数)に応じてメンテナンスの要求度が高くなるように重み付けされたポイントの合計と比較される数であってもよい。さらに、閾値Thは、複数のキャビティ63の数と、1回のPPサイクルにおける採取動作によって採取される部品92の最大数との差が小さいほど高くなるように設定されてもよい。
【0073】
4.部品装着機10による装着処理
部品装着機10による装着処理について、図10図12を参照して説明する。ここで、バルクフィーダ50は、複数のキャビティ63がマトリックス状に形成された複数のキャビティ63を備える構成とする。また、上記のバルクフィーダ50がスロット121にセットされた後に、制御装置20は、キャリブレーション処理を実行し、機内における複数のキャビティ63の位置を認識する。
【0074】
上記のキャリブレーション処理において、制御装置20は、先ず基板カメラ15をバルクフィーダ50の3つの基準マーク55の上方に移動させて、基板カメラ15の撮像により画像データを取得する。そして、制御装置20は、画像処理により画像データに含まれる3つの基準マーク55の位置、および撮像した際の基板カメラ15の位置に基づいて、機内におけるバルクフィーダ50の位置を認識する。制御装置20は、キャリブレーション処理の結果、および配列情報D3に基づいて、個々のキャビティ63の座標値を取得することができる。
【0075】
装着処理において、先ず、部品装着機10の基板搬送装置11は、基板91の搬入処理を実行する(S11)。これにより、機内に基板91が搬入されるとともに、機内の所定位置に位置決めされる。制御装置20は、S11の後に、またはS11に並行して、バルクフィーダ50による部品供給処理を含む供給管理処理を実行する。部品供給処理の実行により、バルクフィーダ50の複数のキャビティ63の少なくとも一部に複数の部品92が収容された状態となる。供給管理処理の詳細については後述する。
【0076】
次に、制御装置20は、PPサイクルを実行する。PPサイクルにおいて、動作制御部41は、複数の吸着ノズル134を用いて部品を採取する採取動作を繰り返し実行する(S12)。このとき、動作制御部41は、採取可能な部品92の位置に応じて装着ヘッド133を順次位置決めするように、採取動作における装着ヘッド133の動作を制御する。このとき、動作制御部41は、採取可能な部品92の位置として、キャビティ63の中心である座標値、または部品92の基準位置の座標値を適宜切り換えて、吸着ノズル134を位置決めする。
【0077】
続いて、制御装置20は、複数の吸着ノズル134にそれぞれ保持された部品92の保持状態の認識処理を実行する(S13)。詳細には、制御装置20は、装着ヘッド133を部品カメラ14の上方に移動させ、部品カメラ14に撮像指令を送出する。制御装置20は、部品カメラ14の撮像により取得された画像データを画像処理して、複数の吸着ノズル134のそれぞれに保持された部品92の姿勢(位置および角度)を認識する。保持状態の認識処理(S13)の結果は、採取動作において採取ミスが発生したか否かを示す動作結果として記憶部21に記録される。
【0078】
その後に、制御装置20は、複数の吸着ノズル134を用いて部品を装着する装着動作を繰り返し実行する(S14)。なお、この装着動作(S14)では、制御装置20は、制御プログラムにて指定される装着位置に、部品92をそれぞれ装着するように装着ヘッド133の動作を制御する。さらに、装着ヘッド133は、装着位置に対して、認識処理(S13)の結果に基づいて、吸着ノズル134が位置決めおよび角度決めされるように装着ヘッド133の動作を制御する。
【0079】
また、制御装置20は、上記のような今回のPPサイクルの採取動作(S12)が終了してから次回のPPサイクルの採取動作(S12)が開始するまでの期間において、バルクフィーダ50による部品供給処理を実行させる。但し、現在の供給領域Asにおいて採取可能な部品92の数(供給数)が、次回のPPサイクルの採取動作によって採取する部品92の必要数以上の場合には、上記の部品供給処理は、省略されることがある。制御装置20は、制御プログラムに基づいて、全てのPPサイクルが終了したか否かを判定する(S15)。全てのPPサイクルが終了していない場合には(S15:No)、PPサイクル(S12-S14)を実行する。
【0080】
全てのPPサイクルが終了した場合に(S15:Yes)、制御装置20は、基板91の搬出処理を実行する(S16)。基板91の搬出処理において、基板搬送装置11は、位置決めされていた基板91をアンクランプするとともに、部品装着機10の機外に基板91を搬出する。
【0081】
5.部品装着機10による供給管理処理
部品装着機10による供給管理処理について図11を参照して説明する。部品92の供給管理処理は、装着処理の実行中において、PPサイクルの実行前または一部の工程を並行に実行される。先ず、制御装置20は、バルクフィーダ50に部品供給処理を実行させる(S21)。バルクフィーダ50は、部品供給処理において例えば部品群Gpを搬送して、複数のキャビティ63に部品92を採取可能に収容する(図4を参照)。
【0082】
次に、画像処理部31は、供給領域Asにおける供給状態の認識処理を実行する(S22)。具体的には、制御装置20は、先ず基板カメラ15をバルクフィーダ50の供給領域Asにおける複数のキャビティ63の上方に移動させて、基板カメラ15の撮像により画像データM1を取得する。そして、画像処理部31は、画像データM1に所定の画像処理を実行し、複数のキャビティ63にそれぞれ収容された部品92を認識する(図6を参照)。
【0083】
続いて、画像処理部31は、部品92の基準位置の座標値Psの割り出す(S23)。なお、例えば設定により不要の場合には、基準位置の座標値Psの割り出しを省略してもよい。画像処理部31は、複数のキャビティ63ごとの収容状態、および採取可能な部品92の基準位置の座標値Psを対応するアドレスに関連付けた収容情報D1を取得する(S24)。画像処理部31は、上記の収容情報D1を装着制御ユニット40の動作制御部41へと送出する(S25)。このとき、画像処理部31は、収容情報D1をそのまま送出してもよいし、必要に応じて加工された収容情報D1(F11,F12など)を送出してもよい。
【0084】
動作制御部41は、入力した収容情報D1に示される採取可能な部品92の数(供給数)が、今回のPPサイクルにおいて採取予定である部品92の数(必要数)以上か否かを判定する(S31)。このとき、動作制御部41は、収容情報D1に基づく供給数の算出にあたり、キャビティ情報D2により示される不良のキャビティ63に対応するアドレスに関連付けられた採取可能との収容状態「OK」については、供給数に算入しない。なお、例えば、今回のPPサイクルの採取動作において24本の吸着ノズル134のうち20本でバルクフィーダ50により供給される部品92を採取する場合には、採取予定である部品92の数(必要数)は、20個となる。
【0085】
供給数が必要数未満である場合に(S31:No)、動作制御部41は、バルクフィーダ50に再度の部品供給処理(S21)を実行させる。このように、動作制御部41は、現在の供給領域Asにおける部品92の供給状態で、今回のPPサイクルにおける必要数の部品92が採取可能でないと、部品供給処理(S21)などを繰り返し実行する。なお、必要数が多数の場合には、必要数のうち現在の供給数だけ先に採取し、その後に部品供給処理(S21)などを実行して再度の採取を試行するようにしてもよい。
【0086】
一方で、供給数が必要数以上である場合に(S31:Yes)、動作制御部41は、必要数分のアドレスの抽出処理を実行する(S32)。この抽出処理(S32)では、上記のように、動作制御部41は、複数回に亘る採取動作の所要時間が短くなるように複数のアドレスを抽出する。なお、キャビティ情報D2に示される不良のキャビティ63に対応するアドレスは、抽出対象から除外される。
【0087】
動作制御部41は、収容情報D1に部品92の基準位置の座標値Psが含まれているか否かを判定する(S33)。収容情報D1に基準位置の座標値Psが含まれていない場合には(S33:No)、動作制御部41は、抽出された複数のアドレスのそれぞれを、座標データM2に基づく座標値、即ち対応するキャビティ63の中心である座標値に変換する(S34)。
【0088】
一方で、収容情報D1に基準位置の座標値Psが含まれている場合には(S33:Yes)、動作制御部41は、抽出された複数のアドレスのそれぞれに対応するキャビティ63に収容された部品92の基準位置の座標値Psを取得する(S35)。動作制御部41は、上記のように、採取動作において吸着ノズル134を位置決めする座標値を取得し(S34,S35)、PPサイクルにおける採取動作を繰り返す工程(S12)を実行する。
【0089】
上記のような構成によると、部品装着機10は、バルクフィーダ50が複数のキャビティ63に部品92を整列させることによって効率的に部品を供給することを利用し、複数のキャビティ63に対応するアドレスとこれに関連付けられた収容状態によって画像処理の結果情報とすることができる。よって、採取可能な部品を認識する画像処理の結果情報の利用性および管理性を向上できる。
【0090】
6.キャビティ63の良否判定処理および通知処理
部品装着機10によるキャビティ63の良否判定処理および通知処理について図12を参照して説明する。キャビティ63の良否判定処理は、例えばPPサイクルにおける保持状態の認識処理(S13)の実行後に、装着動作を繰り返す工程(S14)以降の工程と並行して実行される。
【0091】
判定部42は、保持状態の認識処理(S13)の結果を入力し、採取ミスが発生したか否かを判定する(S41)。採取ミスが発生した場合には(S41:Yes)、判定部42は、採取ミスを起こした吸着ノズル134が採取を試行した部品92を収容していたキャビティ63について、装着ミスの連続数が所定数に達しているか判定する(S42)。装着ミスの連続数が所定数以上の場合には(S42:Yes)、判定部42は、当該キャビティ63を不良と判定し(S43)、キャビティ情報D2に記録する(S44)。
【0092】
一方で、装着ミスの連続数が所定数未満の場合には(S42:No)、判定部42は、当該キャビティ63にかかる採取ミスの連続数をカウントアップする(S45)。また、採取動作を繰り返す工程(S12)にて採取ミスが発生しなかった場合には(S41:No)、判定部42は、当該キャビティ63を良好と判定し、装着ミスの連続数を0にリセットする(S46)。また、判定部42は、不良と判定したキャビティ63について、後の収容情報D1において収容状態「EMP」になった場合に、当該キャビティ63を良好としてキャビティ情報D2に記録する。
【0093】
続いて、判定部42は、キャビティ情報D2において不良状態と示されたキャビティ63の数Msが閾値Thに達したか否かを判定する(S51)。不良状態のキャビティ63の数Msが閾値Th以上の場合に(S51:Yes)、通知部43は、通知処理を実行する(S52)。具体的には、通知部43は、種々の通知情報を表示する(図9を参照)。これにより、オペレータは、バルクフィーダ50のメンテナンスを促されるとともに、通知情報を参照して、効率的にメンテナンスを行うことができる。一方で、不良状態のキャビティ63の数Msが閾値Th未満の場合に(S51:No)、上記のようなキャビティ63の良否判定処理を終了する。
【0094】
7.実施形態の変形態様
実施形態において、画像処理ユニット30および装着制御ユニット40は、互いに異なるボードに構成されるものとした。これに対して、画像処理部31が動作制御部41と同一のボード内に設けられる構成としてもよい。但し、制御装置20の拡張性やメンテナンス性の確保の観点からは、実施形態にて例示した態様が好適である。
【0095】
実施形態において、バルクフィーダ50の供給領域Asを撮像するカメラは、基板カメラ15である構成とした。これに対して、部品装着機10は、バルクフィーダ50の上方に設けられ、供給領域Asを撮像可能なカメラを備えてもよい。当該カメラは、供給領域Asの撮像に専用であっても、別の用途にも使用される兼用であってもよい。このような構成によると、カメラが固定式となり、キャリブレーション処理の精度向上を図ることができる。但し、設備コスト低減の観点からは、実施形態にて例示した態様が好適である。
【0096】
実施形態において、収容装置は、軌道部材60に振動を付与する加振装置71である構成とした。これに対して、収容装置は、バルク状態の部品92を軌道部材60に設けられた複数のキャビティ63に収容させることが可能であれば、種々の態様を採用し得る。例えば、収容装置としては、搬送路に沿って移動可能に設けられる磁石を有し、当該磁石の磁力によって部品92をキャビティ63に誘導することにより収納させてもよい。また、収容装置は、搬送路Rを傾動させて、部品92を搬送路Rに沿って滑らせることによりキャビティ63に収容させてもよい。
【符号の説明】
【0097】
10:部品装着機、 12:部品供給装置、 13:部品移載装置、 133:装着ヘッド、 134:吸着ノズル、 14:部品カメラ、 15:基板カメラ、 20:制御装置、 21:記憶部、 30:画像処理ユニット、 31:画像処理部、 40:装着制御ユニット、 41:動作制御部、 42:判定部、 43:通知部、 50:バルクフィーダ、 51:フィーダ本体、 52:部品ケース、 60:軌道部材、 63:キャビティ、 71:加振装置(収容装置)、 80:通知画面、 81:メッセージ、 82:対象情報、 83:位置情報、 91:基板、 92:部品、 Gp:部品群、 Ar:受容領域、 D1,F11,F12:収容情報(画像処理の結果)、 D2:キャビティ情報、 D3:配列情報、 M1:画像データ、 M2:座標データ、 Th:閾値、 Ps:(収容された部品の基準位置の)座標値、 Sr:規定範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12