(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】監視装置、異常診断装置、監視方法及び異常診断方法
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20230412BHJP
【FI】
G01M99/00 A
(21)【出願番号】P 2021575145
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(86)【国際出願番号】 JP2020004235
(87)【国際公開番号】W WO2021156957
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】314017543
【氏名又は名称】Primetals Technologies Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松井 陽一
(72)【発明者】
【氏名】小田原 優太
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-234083(JP,A)
【文献】特開2013-015468(JP,A)
【文献】特開平06-300619(JP,A)
【文献】特開昭58-068626(JP,A)
【文献】国際公開第2018/096640(WO,A1)
【文献】特開平05-256690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01H 1/00 - 17/00
G01M 13/00 - 13/045
G01M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象エリアに配置された複数の機器を監視するための監視装置であって、
前記監視対象エリアにおける音を集音するための集音部と、
前記集音部で集音された音に基づいて、前記監視対象エリアに含まれる複数の音源の位置と各音源の音圧との関係を示す音響マップを生成するための音響マップ生成部と、
前記複数の機器のうち少なくとも1つの診断対象機器の異常を診断するように構成された異常診断部と、
前記音響マップ生成部で生成された前記音響マップ、および、前記異常診断部による前記診断対象機器の診断結果を受け取り、前記音響マップ上における前記診断対象機器の位置に関連付けて前記音響マップに前記診断結果を重ねた監視画像データを生成するためのデータ生成部と、
を備え、
前記異常診断部は、前記診断対象機器で発生する音に基づいて、前記診断対象機器の異常を診断するように構成され、
前記診断対象機器は回転機械であり、
前記異常診断部は、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベル、及び、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルの少なくとも一方に基づき、前記診断対象機器の異常を診断するように構成され
、
前記異常診断部は、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルとの差が閾値以下である場合に、前記診断対象機器に異常があると判定するように構成された
監視装置。
【請求項2】
前記データ生成部は、
前記複数の機器の構成を視覚的に示す機器構成視覚データを取得し、
前記機器構成視覚データに、前記複数の機器の各々の位置に対応する前記音響マップの情報を重ねた機器構成音響マップに、前記診断結果を重ねた前記監視画像データを生成する
ように構成された
請求項
1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記機器構成視覚データは、前記監視対象エリアをカメラで撮影して得られる動画データ又は静止画データを含む
請求項
2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記機器構成視覚データは、前記複数の機器の外形、又は、前記監視対象エリアにおける前記複数の機器の配置の少なくとも一方を示す図像データを含む
請求項
2に記載の監視装置。
【請求項5】
前記機器構成視覚データは、前記複数の機器の構成を示す文字情報を含む
請求項
2に記載の監視装置。
【請求項6】
前記複数の機器は回転機械を含み、
前記複数の音源の各々で発生した音のうち、前記回転機械の回転数に応じて周波数が変化する音、又は、前記回転数に応じて周波数が変化しない音を抽出するように構成された抽出部、を備え、
前記音響マップ生成部は、前記抽出部によって抽出された音の音源についての前記音響マップを生成するように構成された
請求項1乃至
5の何れか一項に記載の監視装置。
【請求項7】
前記異常診断部は、前記集音部で集音された音に基づいて、前記診断対象機器の異常を診断するように構成された
請求項1乃至
6の何れか一項に記載の監視装置。
【請求項8】
前記異常診断部は、前記診断対象機器で発生する音圧レベルに基づいて、前記診断対象機器の異常を診断するように構成された
請求項1乃至
7の何れか一項に記載の監視装置。
【請求項9】
前記異常診断部は、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、閾値との比較に基づき、前記診断対象機器の異常を診断するように構成された
請求項1乃至
7の何れか一項に記載の監視装置。
【請求項10】
前記回転機械はモータによって駆動されるように構成され、
前記異常診断部は、前記診断対象機器の音を示す音圧レベルデータを、音圧レベルに関して前記モータのトルクで正規化し、正規化された音圧レベルデータを用いて、前記診断対象機器の異常を診断するように構成された
請求項
8又は
9に記載の監視装置。
【請求項11】
前記複数の機器は、モータ及び前記モータによって駆動される圧延機を含む
請求項1乃至
10の何れか一項に記載の監視装置。
【請求項12】
回転機械の異常を診断するための異常診断装置であって、
回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベル、又は、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルの少なくとも一方に基づき、前記回転機械の異常を診断するように構成され
、
前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルとの差が閾値以下である場合に、前記回転機械に異常があると判定するように構成された
異常診断装置。
【請求項13】
前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、閾値との比較に基づき、前記回転機械の異常を診断するように構成された
請求項
12に記載の異常診断装置。
【請求項14】
前記回転機械はモータによって駆動されるように構成され、
前記
回転機械の音を示す音圧レベルデータを、音圧レベルに関して前記モータのトルクで正規化し、正規化された音圧レベルデータを用いて、前記
回転機械の異常を診断するように構成された
請求項
12又は13に記載の異常診断装置。
【請求項15】
監視対象エリアに配置された複数の機器の監視方法であって、
前記監視対象エリアにおける音を集音するステップと、
前記集音するステップで集音された音に基づいて、前記監視対象エリアに含まれる複数の音源の位置と各音源の音圧との関係を示す音響マップを生成するステップと、
前記複数の機器のうち少なくとも1つの診断対象機器の異常を診断するステップと、
前記診断対象機器の診断結果を、前記音響マップ上における前記診断対象機器の位置に関連付けて、前記音響マップに重ねて表示するステップと、
を備え、
前記異常を診断するステップでは、前記診断対象機器で発生する音に基づいて、前記診断対象機器の異常を診断し、
前記診断対象機器は回転機械であり、
前記異常を診断するステップでは、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベル、及び、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルの少なくとも一方に基づき、前記診断対象機器の異常を診断
し、
前記異常を診断するステップでは、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルとの差が閾値以下である場合に、前記回転機械に異常があると判定する
監視方法。
【請求項16】
回転機械の異常を診断するための異常診断方法であって、
回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベル、及び、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルの少なくとも一方に基づき、前記回転機械の異常を診断するステップを備え
、
前記異常を診断するステップでは、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルとの差が閾値以下である場合に、前記回転機械に異常があると判定する
異常診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視装置及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機器から生じる音をマイクロホン等で取得し、取得した音響データに基づいて音源の位置や強度を特定することが知られている。
【0003】
特許文献1には、測定対象物から発生する音の音響データをマイクロホンアレイにより取得し、該音響データから音源の位置と強度との関係を示す音響マップを生成することが記載されている。また、特許文献1には、上述の音響マップと、測定対象物の参照画像(カメラ画像等)とを関連付けて表示する画像化装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機器から生じる音について上述の音響マップにより特定される音源の位置と強度に基づいて、機器の異常診断や監視をすることが可能であると考えられる。一方、複数の機器を対象とした場合、マイクロホン等によって取得される音圧レベルデータは、複数の機器からの音が混在したものであるから、この音圧レベルデータを用いて生成される音響マップは煩雑なものとなる。したがって、音響マップを用いて複数の機器の監視を効率的に行うことは難しい。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、複数の機器の監視を効率的に行うことが可能な監視装置及び監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の少なくとも一実施形態に係る監視装置は、
監視対象エリアに配置された複数の機器を監視するための監視装置であって、
前記監視対象エリアにおける音を集音するための集音部と、
前記集音部で集音された音に基づいて、前記監視対象エリアに含まれる複数の音源の位置と各音源の音圧レベルとの関係を示す音響マップを生成するための音響マップ生成部と、
前記複数の機器のうち少なくとも1つの診断対象機器の異常を診断するように構成された異常診断部と、
前記音響マップ生成部で生成された前記音響マップ、および、前記異常診断部による前記診断対象機器の診断結果を受け取り、前記音響マップ上における前記診断対象機器の位置に関連付けて前記音響マップに前記診断結果を重ねた監視画像データを生成するためのデータ生成部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、複数の機器の監視を効率的に行うことが可能な監視装置及び監視方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】幾つかの実施形態に係る監視装置による監視対象となる複数の機器を含む設備の一例を示す模式図である。
【
図2】幾つかの実施形態で監視対象となる圧延機を示す概略図である。
【
図3】一実施形態に係る監視装置の概略構成図である。
【
図4】一実施形態に係る監視装置の概略構成図である。
【
図5】一実施形態に係る監視装置の概略構成図である。
【
図6】一実施形態に係る監視画像データの一例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る監視画像データの一例を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る監視画像データの一例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係る監視画像データの一例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係る監視画像データの一例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る監視画像データの一例を示す図である。
【
図12】一実施形態に係る異常診断の手順を示すフローチャートである。
【
図13】一実施形態に係る異常診断の手順を示すフローチャートである。
【
図14】音圧レベルデータ取得時におけるモータ回転数、音圧レベル及びモータトルクの時間変化の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0011】
(監視対象の機器)
図1は、幾つかの実施形態に係る監視装置による監視対象となる複数の機器を含む設備の一例を示す模式図である。
図2は、幾つかの実施形態で監視対象となる圧延機を示す概略図である。
【0012】
図1に示すように、設備1は、監視対象エリア2に配置された複数の機器4を含む。監視対象エリア2に配置される複数の機器4のうち、1以上の機器4は、後述する監視装置による監視対象(診断対象機器6)である。なお、設備1は、監視対象エリア2外に配置される他の機器(不図示)を含んでいてもよい。
【0013】
複数の機器4は、回転機械を含んでいてもよい。回転機械はモータであってもよい。
【0014】
図1及び
図2に示すように、複数の機器4は、圧延機10を含んでいてもよい。圧延機10は、金属帯板9を圧延するための装置であって、モータ12と、モータ12によって駆動されるギア14、スピンドル16、及び、圧延ロール18と、を含む。
【0015】
圧延ロール18は、金属帯板9を圧延するように構成されており、金属帯板9を上下から挟み込んで金属帯板9に荷重を加えるための一対のワークロール22A,22Bと、一対のワークロール22A,22Bをそれぞれ挟んで金属帯板9とは、それぞれ反対側に設けられる一対の中間ロール24A,24B及び一対のバックアップロール26A,26Bと、を含む。中間ロール24A,24Bは、それぞれ、ワークロール22A,22Bと、バックアップロール26A,26Bとの間に設けられる。
【0016】
ギア14はモータ12に接続されており、スピンドル16は、ギア14を介してモータ12に接続されている。また、圧延ロール18は、ギア14及びスピンドル16を介して、モータ12に接続されている。すなわち、モータ12の動力は、ギア14及びスピンドル16を介して、圧延ロール18に伝達されるようになっている。
【0017】
(監視装置)
以下、幾つかの実施形態に係る監視装置について説明する。
図3~
図5は、それぞれ、一実施形態に係る監視装置の概略構成図である。
図3~
図5に示すように、監視装置30は、第1集音部32(本発明の「集音部」)と、音響マップ生成部36と、異常診断部38と、データ生成部44と、を備えている。また、
図3~
図5に示す監視装置30は、各種情報を記憶するための記憶部40、及び、データ生成部44によって生成される監視画像データ(後述)を表示するための表示部46(ディスプレイ等)を備えている。
【0018】
音響マップ生成部36、異常診断部38及び、データ生成部44は、プロセッサ、メモリ(RAM)、補助記憶部及びインターフェース等を含む計算機によって構成されていてもよい。音響マップ生成部36、異常診断部38及び、データ生成部44による処理内容は、プロセッサにより実行されるプログラムとして実装され、補助記憶部に記憶されていてもよい。プログラム実行時には、これらのプログラムはメモリに展開される。プロセッサは、メモリからプログラムを読み出し、プログラムに含まれる命令を実行するようになっている。
【0019】
記憶部40は、各種データを記憶及び/又は蓄積可能な装置であり、RAM(Random Access Memory)等のメモリデバイス、又は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスであってもよい。
【0020】
第1集音部32は、監視対象エリア2における音、すなわち、監視対象エリア2に配置された複数の機器4が生じる音を集音するように構成される。
図1に示すように、第1集音部32は、監視対象エリア2に対応して設けられる。すなわち、複数の機器4にそれぞれ対応するように複数の第1集音部32が設けられるわけではない。
【0021】
第1集音部32は、音響マップ生成部36による音響マップ(後述)の生成を可能とする構成を有している。第1集音部32は、例えば、複数のマイクロホンを配列したマイクロホンアレイであってもよい。マイクロホンアレイは、複数のマイクロホンが直線状に間隔を空けて設置された1本以上のビームを含んでいてもよく、あるいは、格子状に配列された複数のマイクロホンを含んでいてもよい。
【0022】
音響マップ生成部36は、第1集音部32で集音された音に基づいて、監視対象エリア2に含まれる複数の音源の位置と各音源の音圧との関係を示す音響マップを生成する。監視対象エリア2内における複数の音源は、複数の機器4であるから、この音響マップを参照することで、複数の機器4のうち何れかの機器4で発生している音圧を知ることができる。ただし、音響マップは各機器4の位置を考慮したものではないため(すなわち、各音源の位置と各機器4の位置とが紐づけられていないため)、音響マップを用いて、ある音圧に対応する機器4を、複数の機器4の中から特定することは通常できない。
なお音圧は、基準音圧(例えば大気中で20μPa)との比の常用対数を用いた音圧レベルとして表現することもでき、音響マップを複数の音源の位置と各音源の音圧レベルとの関係を示すものとして作成してもよい。以下の実施形態では、音圧レベルを用いて説明する。
【0023】
異常診断部38は、複数の機器4のうち少なくとも1つの診断対象機器6の異常を診断するように構成される。複数の診断対象機器6を診断対象とする場合、異常診断部38は、診断対象機器6毎に設けられていてもよい。
【0024】
データ生成部44は、音響マップ生成部36で生成された音響マップ、および、異常診断部38による診断対象機器6の診断結果を受け取り、音響マップ上における診断対象機器6の位置に関連付けて音響マップに診断結果を重ねた監視画像データを生成する。例えば、データ生成部44は、音響マップに含まれる各音源の位置と、診断対象機器6の位置とを紐づける紐づけ情報に基づいて、音響マップ上における診断対象機器6の位置に関連付けて、音響マップに診断対象機器6の診断結果を重ねるように構成されていてもよい。上述の紐づけ情報は、予め記憶部40に記憶されていてもよく、データ生成部44は、記憶部40から該紐づけ情報を取得するように構成されていてもよい。
【0025】
データ生成部44で生成された監視画像データは表示部46(ディスプレイ等)に送出され、表示部46により表示されるようになっている。表示部46に表示される監視画像データにより、監視対象エリア2に配置された複数の機器4の音の状態、及び、診断対象機器6の診断結果を知ることができる。
【0026】
なお、上述の音響マップ及び監視画像データは、既定時間毎に生成されるようになっていてもよい。また、データ生成部44は、既定時間ごとに、音響マップ生成部36から音響マップを受け取るように構成されていてもよく、あるいは、既定時間ごとに、異常診断部38から診断対象機器6の診断結果を受け取るように構成されていてもよい。また、表示部46に表示される監視画像データは、既定時間ごとに更新されるようになっていてもよい。このようにして、監視対象エリア2に配置される複数の機器4についてリアルタイムでの監視が可能となる。
【0027】
上述の実施形態によれば、監視対象エリア2において集音された音に基づいて複数の音源の位置と各音源の音圧レベルとの関係を示す音響マップを生成し、音響マップ上における診断対象機器6の位置に関連付けて、該音響マップ、及び、診断対象機器6の異常診断結果を重ねた監視画像データを生成する。したがって、このように生成された監視画像データを表示することで複数の機器4からの音の状況及び診断対象機器6の診断結果を視認することができ、これにより、監視対象エリア2内の複数の機器4(診断対象機器6)の監視を効率的に行うことができる。
【0028】
次に、音響マップ生成部36及びデータ生成部44による音響マップ及び監視画像データの生成について、より具体的に説明する。ここで、
図6~
図11は、それぞれ、一実施形態に係る監視装置の表示部に表示される監視画像データの一例を示す図である。
【0029】
幾つかの実施形態では、データ生成部44は、監視対象エリア2における複数の機器4の構成を視覚的に示す機器構成視覚データ52,54,56(
図6~
図11参照)を取得し、該機器構成視覚データに、複数の機器4の各々の位置に対応する音響マップの情報60(
図6~
図11参照)を重ねた機器構成音響マップに、異常診断部38による診断結果を重ね監視画像データ50を生成するように構成される。
【0030】
データ生成部44は、記憶部40に記憶された機器構成視覚データを読み出すことにより機器構成視覚データを取得してもよく、あるいは、機器構成視覚データを取得するための視覚データ取得部42(
図3~
図5参照)により取得された機器構成視覚データを、視覚データ取得部42から受け取るようにしてもよい。
【0031】
データ生成部44は、音響マップに含まれる各音源の位置と、機器構成視覚データ上における複数の機器4の位置とを紐づける紐づけ情報に基づいて、機器構成視覚データに、複数の機器4の各々の位置に対応する音響マップの情報60を重ねるように構成されていてもよい。上述の紐づけ情報は、予め記憶部40に記憶されていてもよく、データ生成部44は、記憶部40から該紐づけ情報を取得するように構成されていてもよい。
【0032】
上述のように、機器構成視覚データ52,54,56に、複数の機器4の各々の位置に対応する音響マップの情報を重ねた機器構成音響マップに、診断対象機器6の診断結果を重ねた監視画像データ50を用いることにより、監視対象エリア2内の複数の機器4の音の状況及び診断結果をより容易に視認することができる。これにより複数の機器4を含む設備の監視をより効率的に行うことができる。
【0033】
図6~
図10に示す監視画像データ50には、監視対象エリア2に配置された複数の機器4として、圧延ロール72、ギア74、モータ76、第1ポンプ78、ファン80及び第2ポンプ82が表示されている。
図11に示す監視画像データ50には、監視対象エリア2に配置された複数の機器4として、モータ90,101,104,106、スピンドル105、ギア92、圧延ロール94、テンションリール102,107、コイルカー103,108、ペイオフリール109、ポンプ84,86,110、及び、ファン88が表示されている。
【0034】
なお、圧延ロール72,94、ギア74,92及びモータ76,90,101,104,106は、それぞれ、圧延機10(
図2参照)を構成するものであってもよい。すなわち、圧延ロール72,94は、
図2に示す圧延ロール18に対応するものであってもよく、ギア74,92は、
図2に示すギア14に対応するものであってもよく、あるいは、モータ76,76,90,101,104,106は、
図2のモータ12に対応するものであってもよい。
【0035】
また、
図6~
図10に示す監視画像データ50には、複数の機器4の各々の位置に対応する音響マップの情報60が表示されている。音響マップの情報60は、各機器4から発生する音の音圧レベルを示すものであり、例えば、色合い、色の濃淡、数値等の文字情報であってもよい。
図6~
図10に示す例示的な実施形態では、音響マップの情報60は、図形(図中において複数の楕円を重ねたもの)として示されており、図形の色の濃淡によって音の大きさが表現されており、また、図形の大きさによって音が発生する範囲が表現されている。
図11に示す例示的な実施形態では、音響マップの情報60は、各機器4を示す図像に重ねられた色(色の種類や濃淡)によって表現されている。
【0036】
また、
図7~
図11に示す監視画像データ50には、異常診断部38による診断結果として、診断対象機器6の異常を示す情報62が表示されている。異常を示す情報62は、機器の異常を示すことが認識可能な形状や色を含むマークであってもよい。なお、
図7及び
図8の監視画像データ50では圧延ロール72に、
図7、
図9及び
図10の監視画像データ50ではファン80に、
図11の監視画像データ50ではファン88に、それぞれ、上述の異常を示す情報62が付されており、これらの診断対象機器6(機器4)に異常があることが示されている。
【0037】
幾つかの実施形態では、機器構成視覚データは、複数の機器4の外形、及び、監視対象エリア2における複数の機器4の配置を示す図像データを含む。例えば、
図6~
図9に示す監視画像データ50における機器構成視覚データ52は、監視対象エリア2における複数の機器4の平面図、即ち複数の機器4の平面視した形状、及び監視対象エリア2における配置を示す配置図(図像データ)である。幾つかの実施形態では、機器構成視覚データは、機器4の外形等、機器4の形状を単純化した図形を含んでいてもよい。このように、機器4の形状を単純化した図形を含む機器構成視覚データを用いることにより、オペレータによる誤認を防ぎやすくなる。
【0038】
上述の図像データを含む機器構成視覚データ52は、予め、記憶部40に記憶されていてもよい。データ生成部44は、記憶部40に記憶された機器構成視覚データ52を読み出すことにより該機器構成視覚データ52を取得してもよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、機器構成視覚データは、監視対象エリア2をカメラ(視覚データ取得部42)で撮影して得られる画像データ(動画データ又は静止画データ等)を含む。例えば、
図10に示す監視画像データ50における機器構成視覚データ54は、複数の機器4が配置された監視対象エリア2をカメラ(視覚データ取得部42)で撮像して得られる動画データ(画像データ)である。
【0040】
このように、図像データを含む機器構成視覚データ54に基づく監視画像データ50を用いることにより、監視対象エリア2内の複数の機器4の音の状況及び診断結果を容易に視認することができ、これにより複数の機器4を含む設備の監視を効率的に行うことができる。
【0041】
機器構成視覚データとして動画データを用いる場合、視覚データ取得部42によって既定時間ごとに画像データが取得されるので、このような動画データを用いて、リアルタイムでの監視を行うことができる。また、さらに、連続的にマイクロホンで集音している時、上述のように連続的に撮影している画像(動画データ)を用いた場合、異常を判断した集音時の実画像にその音源の位置を関連付けて表示するため、例えば、本来、そこにないはずの物があって発している音や作業者が打診のために発している音のように、音だけの判断であれば、異常と誤判断するおそれがあるものも、撮像画像を視覚で判断すれば、異常でないことを容易に視認できる。
【0042】
機器構成視覚データとして静止画データを用いる場合、静止画データ(画像データ)を含む機器構成視覚データは、予め記憶部40に記憶されていてもよい。データ生成部44は、記憶部40に記憶された機器構成視覚データを読み出すことにより該機器構成視覚データ52を取得してもよい。この場合、上述のようにカメラ(視覚データ取得部42)を用いて画像データを取得する場合に比べて、より簡便な監視装置30とすることができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、機器構成視覚データは、複数の機器4の構成を示す文字情報を含む。例えば、
図11に示す監視画像データ50における機器構成視覚データ56は、監視対象エリア2における複数の機器4の名称(又は略称)を示す文字情報を含み、機器4の名称(又は略称)を用いて、各機器4の配置を模式的に示したものである。上述の文字情報は、機器4の種別や配置を示す番号を含んでいてもよい。
【0044】
このように、文字情報を含む機器構成視覚データ56に基づく監視画像データ50を用いることにより、監視対象エリア2内の複数の機器4の音の状況及び診断結果を容易に視認することができ、これにより複数の機器4を含む設備の監視を効率的に行うことができる。オペレータが各機器4の位置を熟知しているような場合には、機器名称等の文字情報で機器構成を示した方が、機器4の診断結果等を速やかに判断できる場合がある。また、文字情報により監視対象エリア2内の機器4を表現するようにしたので、表示部46における表示スペースを削減でき、他の情報を表示するためのスペースを増やすことができる。
【0045】
上述の文字情報を含む機器構成視覚データ56は、予め、記憶部40に記憶されていてもよい。データ生成部44は、記憶部40に記憶された機器構成視覚データ56を読み出すことにより該機器構成視覚データ52を取得してもよい。
【0046】
幾つかの実施形態では、複数の機器4は回転機械(例えばモータ)を含むとともに、監視装置30は抽出部34を備える(
図3~
図5参照)。抽出部34は、複数の音源の各々で発生した音(すなわち第1集音部32で集音した音)のうち、上述の回転機械の回転数に応じて周波数が変化する音、又は、前記回転数に応じて周波数が変化しない音を抽出するように構成される。そして、音響マップ生成部36は、抽出部34によって抽出された音の音源についての音響マップを生成するように構成される。
【0047】
例えば、
図8に示す監視画像データ50に含まれる複数の機器4のうち、モータ76、は回転機械である。また、圧延機を構成するギア74及び圧延ロール72は、モータ(回転機械)によって駆動されるように構成されている。圧延機では、運転中にモータを加速又は減速することがある。特に、リバースミルにおいては、通常、圧延材が一対のテンションリールの間を往復する度に、モータ、ギア及び圧延ロールの加速運転、定速運転、及び減速運転、を繰り返す。よって、モータの回転数に応じて、ギア及び圧延ロールからの音の周波数は変化する。
【0048】
一実施形態では、抽出部34は、複数の音源の各々で発生した音(すなわち第1集音部32で集音した音)のうち、モータ(回転機械)の回転に応じて周波数が変化する音を抽出する。これにより、モータの回転数に応じて音の周波数が変化する音源からの音のみが抽出される。このようにして抽出された音の音源についての音響マップを生成することで、例えば、
図8に示すように、監視画像データ50に表示される音響マップの情報60として、モータの回転数に応じて音の周波数が変化する音源に対応する機器4(
図8においては、モータ76、ギア74及び圧延ロール72)についての音響マップの情報60のみが含まれることになる。
【0049】
一方、
図11に示す監視画像データ50に含まれる複数の機器4のうち、第1ポンプ78、ファン80及び第2ポンプ82は、他の駆動源(監視対象エリア2外に配置されるモータであってもよい)によって駆動されるようになっているが、通常、運転速度は一定である。したがって、第1ポンプ78、ファン80及び第2ポンプ82からの音の周波数は、監視対象エリア2に配置される機器4としてのモータ(回転数)の回転数に応じて変化しない。
【0050】
一実施形態では、抽出部34は、複数の音源の各々で発生した音(すなわち第1集音部32で集音した音)のうち、モータ(回転機械)の回転に応じて周波数が変化しない音を抽出する。これにより、モータの回転数に応じて音の周波数が変化しない音源からの音のみが抽出される。このようにして抽出された音の音源についての音響マップを生成することで、例えば、
図9に示すように、監視画像データ50に表示される音響マップの情報60として、モータの回転数に応じて音の周波数が変化しない音源に対応する機器4(
図9においては、第1ポンプ78、ファン80及び第2ポンプ82)についての音響マップの情報60のみが含まれることになる。
【0051】
上述の実施形態によれば、監視対象エリア2において複数の音源(機器4)で発生した音のうち、回転機械(モータ等)の回転数に応じて周波数が変化する音、又は、回転数に応じて周波数が変化しない音の何れかを抽出し、このように抽出された音源(機器4)について音響マップを生成する。この音響マップを用いることで、例えば
図8や
図9に示すように、回転機械(モータ等)の回転数に応じて発生する音の周波数が変化する機器4又は変化しない機器4の何れかに関する情報のみを含む監視画像データ50が生成される。よって、監視画像データ50により表示される監視対象の機器4が限定されるので、オペレータが、監視対象の機器4からの音の状況及び診断結果を速やかに把握することができる。
【0052】
抽出部34は、例えば、回転機械(モータ等)の回転数が異なる複数の回転数条件(例えば、回転数増加時における異なる2時点での回転数条件)の各々において第1集音部32で音を集音し、複数の回転数条件ごとに取得した音データをそれぞれ周波数解析する。そして、周波数解析結果について、回転数条件に依らず周波数が共通の成分を抽出することで、回転機械(モータ等)の回転数に応じて周波数が変化しない音データを抽出することができる。あるいは、周波数解析結果について、回転数条件に依らず周波数が共通の成分を除去することで、回転機械(モータ等)の回転数に応じて周波数が変化する音データを抽出することができる。
【0053】
次に、異常診断部38、及び、異常診断部38による異常診断の手順について、より具体的に説明する。
【0054】
異常診断部38は、診断対象機器6が発生する音に基づいて、診断対象機器6の異常を診断するように構成されていてもよい。
【0055】
図4に示す例示的な実施形態では、音響マップの生成に用いる音を集音するための第1集音部32とは別の第2集音部48により診断対象機器6からの音を示す音データを取得し、異常診断部38では、該音データに基づいて診断対象機器6の診断をするようになっている。第2集音部48は、マイクロホンを含んでいてもよい。診断対象機器6が複数存在する場合、診断対象機器6毎に個別の第2集音部48が設けられてもよい。また、第1集音部32を複数用いて音を集音してもよい。
【0056】
図5に示す例示的な実施形態では、異常診断部38は、音響マップの生成に用いる音を集音するための第1集音部32で集音された音を用いて、診断対象機器6の異常を診断するように構成される。
【0057】
第1集音部32で集音された音を用いた診断対象機器6の異常診断手順は、
図5を参照して、例えば次のように説明できる。
第1集音部32で集音された音に基づいて、音響マップ生成部36は、監視対象エリア2内における各音源と該音源における音圧レベルとの関係を示す音響マップを生成する。異常診断部38は、音響マップ生成部36で生成した音響マップを取得し、音響マップに含まれる各音源の位置と、診断対象機器6の位置とを紐づける紐づけ情報に基づいて、音響マップから、診断対象機器6に対応する音圧レベルデータを抽出する。異常診断部38は、このようにして抽出した音圧レベルデータに基づいて、診断対象機器6の診断をするようにしてもよい。なお、上述の紐づけ情報は、予め記憶部40に記憶されていてもよく、データ生成部44は、記憶部40から該紐づけ情報を取得するように構成されていてもよい。
【0058】
上述の実施形態では、音響マップの生成に用いられ第1集音部32で集音された音に基づいて診断対象機器6の異常を診断するようにしたので、診断対象機器6(機器4)の異常診断のために、第1集音部32とは別の集音手段(マイクロホン等)を設ける必要がない。よって、簡素な構成で監視画像データを生成することができ、監視対象エリア2内の複数の機器4の監視を効率的に行うことができる。
【0059】
幾つかの実施形態では、異常診断部38は、診断対象機器6が発生する音圧レベルに基づいて、診断対象機器6の異常を診断するように構成される。この場合、診断対象機器6が発生する音圧レベルに基づいて、診断対象機器6の異常を適切に診断することができる。
【0060】
幾つかの実施形態では、診断対象機器6は回転機械(例えばモータ又はモータに駆動される回転機械)であり、異常診断部38は、回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベル、又は、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルの少なくとも一方に基づき、診断対象機器6(回転機械)の異常を診断するように構成される。
【0061】
回転機械の回転数が増加又は減少する過程の特定の回転数において、当該回転機械の固有振動数に関連して音圧レベルが急激に大きくなることがある。この点、上述の実施形態によれば、回転機械の回転数が増加又は減少する過程で音が急激に大きくなる特定回転数での音圧レベルに基づいて機器の異常の有無を判定するようにしたので、診断対象機器6の診断を精度良く行うことができる。また、運転中に回転数が増加又は減少する機器について、特定回転数における音の大きさに基づいて容易に異常診断をすることができる。
【0062】
幾つかの実施形態では、異常診断部38は、診断対象機器6である回転機械(例えばモータ又はモータに駆動される回転機械)の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルとの差が閾値以下である場合に、診断対象機器6に異常があると判定するように構成される。
【0063】
回転機器に異常が生じている場合には、摩擦熱により負荷トルクが増大して、回転数の増加時のみならず、回転数減少時においても特定回転数で音が大きくなる傾向がある。この点、上述の実施形態によれば、回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、回転数減少時における同じ特定回転数での音圧レベルとの差に変化が生じて、回転数の増加時と減少時の固有振動数において発生する音圧レベルの差が閾値以下である場合に、診断対象機器6に異常があると判定するようにしたので、診断対象機器6の診断を精度良く行うことができる。また、運転中に回転数の増加及び減少が繰り返される回転機械について、効果的に異常診断を行うことができる。
【0064】
幾つかの実施形態では、異常診断部38は、診断対象機器6である回転機械(例えばモータ又はモータに駆動される回転機械)の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、閾値との比較に基づき、診断対象機器6の異常を診断するように構成される。
【0065】
上述の実施形態によれば、回転機械の回転数が増加又は減少する過程で音が急激に大きくなる特定回転数での音圧レベルと、比較値との比較に基づいて機器の異常の有無を判定するようにしたので、診断対象機器6の診断を簡便にかつ精度良く行うことができる。
【0066】
幾つかの実施形態では、診断対象機器6である回転機械はモータによって駆動されるように構成され、異常診断部38は、診断対象機器6の音を示す音圧レベルデータを、音圧レベルに関してモータのトルクで正規化し、正規化された音圧レベルデータを用いて、診断対象機器6の異常を診断するように構成される。
【0067】
上述の実施形態によれば、診断対象機器6の音を示す音圧レベルデータを、音圧レベルに関してモータのトルクで正規化することで、モータのトルクの増減による音圧レベルへの影響が低減された音データに変換することができる。よって、このように正規化された音圧レベルデータに基づいて診断対象機器6を診断することで、診断の精度を向上させることができる。
【0068】
以下、
図12~
図14を参照して、一実施形態に係る異常診断部38による異常診断の手順の例について説明する。ここでは、
図2に示す圧延機10において、モータ12に接続され、モータ12によって駆動されるギア14を診断対象機器6する場合について説明する。
【0069】
図12及び
図13は、それぞれ、一実施形態に係る異常診断部38による異常診断の手順を示すフローチャートである。
図14は、
図12又は
図13に示すフローチャートによる異常診断で用いる音圧レベルデータ取得時における、モータ回転数、診断対象機器6で生じた音の音圧レベル、及び、モータトルクの時間変化の一例を示すグラフである。
【0070】
図12に示す実施形態では、まず、診断対象機器6であるギア14が発生する音を示す音データを取得する(ステップS2)。ここでは、音データとして、ギア14が発生する音の音圧レベル(
図14参照)を取得する。ステップS2では、少なくとも、ギア14を駆動するモータ12の回転数が増加する期間(
図14における時刻t0からt4までの間)、及び、モータ12の回転数が増加する期間を含む期間(
図14における時刻t5からt9までの間)における音圧レベルデータを取得する。
【0071】
なお、
図14に示す例では、時刻t0からt4までの間にモータ12の回転数はゼロからr
Sまで増加し、時刻t5からt9までの間にモータ12の回転数はr
Sからゼロまで減少する。時刻t4からt5までの間は、モータ12の回転数r
Sで一定である。
ギア14の回転数は、モータ12の回転数に依存して変化する。すなわち、モータ12の回転数が増加するときにはギア14の回転数も同様に増加し、モータ12の回転数が減少するときにはギア14の回転数も同様に減少する。モータ12の回転数が一定の時には、ギア14の回転数も一定である。
【0072】
また、
図14に示す例では、モータ12の回転数増加時(時刻t0からt4まで)のモータトルクT1、モータ12の回転数一定時(時刻t4からt5まで)のモータトルクT2、モータ12の回転数減少時(時刻t5からt9まで)のモータトルクT3は、それぞれ一定であり、T1>T2>T3の関係となっている。
【0073】
次に、モータ12の回転数増加中(すなわち、ギア14(診断対象機器6としての回転機械)の回転数増加中;
図14における時刻t0からt4までの間)に、特徴音が生じる特定回転数(R1)及び該特徴音の音圧レベル(A1)を取得する(ステップS4)。
【0074】
ここで、特徴音とは、回転数の変化に対して、音圧が急激に大きくなる音(強さがピークの音)のことである。
図14に示す例では、特徴音は、回転数がr1(時刻t1)、r2(時刻t2)及びr3(時刻t3)のときに出現している。回転数r1~r3は特定回転数(R1)である。以下、特定回転数(R1)がr1である場合について説明を続けるが、他の特定回転数R1(r2~r3)についても同様の説明が適用できる。なお、回転数r1~r3のそれぞれに対応する、回転数増加時の音圧レベルはA1_1~A1_3であり、回転数減少時の音圧レベルはA2_1~A2_3である(
図14参照)。
【0075】
上述のステップS4では、具体的には、特徴音が生じる回転数r1(特定回転数R1)及び、回転数r1での音圧レベルA1_1(特徴音の音圧レベルA1)(
図14参照)を取得する。
【0076】
次に、モータ12の回転数減少中(すなわち、ギア14の回転数減少中;
図14における時刻t5からt9までの間)に、上述の特定回転数r1での音圧レベルA2_1(特徴音圧レベルA2)を取得する(ステップS6)。
【0077】
そして、ステップS2にてモータ回転数増加時に取得した特徴音の音圧レベルA1_1と、ステップS4にてモータ回転数減少時に取得した特徴音の音圧レベルA2_1との差(A1_1-A2_1)を閾値と比較する(ステップS8)。
【0078】
ステップS8の結果、上記差(A1_1-A2_1)が閾値よりも大きい場合には(ステップS8のNo)、ギア14(診断対象機器6)に異常はないと判断し(ステップS14)、ギア14の異常診断を終了する。一方、ステップS8の結果、上記差(A1_1-A2_1)が閾値以下である場合には(ステップS8のYes)、ギア14(診断対象機器6)に異常があると判断し(ステップS10)、この診断結果をデータ生成部44に出力する(ステップS12)。このようにしてデータ生成部44に渡された診断結果に基づいて、上述した監視画像データが生成される。
【0079】
なお、モータ12の回転数増加過程の特定回転数(r1等)の音の大きさ(A1_1等)と回転数減少過程での特定回転数(r1等)の音の大きさ(A2_1)の差が小さくなった場合(ステップS8のYes)、負荷(モータトルク)が小さい回転数減少過程でも音が比較的大きいので、ギア14(回転機械)は正常な状態ではないと判断できる。
【0080】
図12に示す実施形態では、ギア14(回転機械)の回転数増加時における特定回転数(例えば回転数r1)での音圧レベル(A1_1)と、回転数減少時における同じ特定回転数(回転数r1)での音圧レベル(A2_1)との差(A1_1-A2_1)が閾値以下である場合に、診断対象機器6に異常があると判定するようにしたので、診断対象機器6の診断を精度良く行うことができる。また、運転中に回転数の増加及び減少が繰り返される回転機械(例えば、一対のテンションリールの間で金属板を往復させながら圧延を行うリバースミルのギア14等の回転機械)について、効果的に異常診断を行うことができる。
【0081】
図13に示す実施形態では、まず、
図12におけるステップS2と同様に、診断対象機器6であるギア14が発生する音を示す音圧レベルデータを取得する(ステップS22)。
【0082】
次に、モータ12の回転数増加中(すなわち、ギア14(診断対象機器6としての回転機械)の回転数増加中;
図14における時刻t0からt4までの間)に、特徴音が生じる特定回転数(R1;ここでは一例としてr1とする)及び該特徴音の音圧レベル(A1;ここでは一例としてA1_1とする)を取得する(ステップS24)。
【0083】
次に、モータ12の回転数増加時(即ち、ギア14の回転数増加時)における特定回転数r1に対応するモータのトルクT1を取得する(ステップS26)。
【0084】
次に、モータ12の回転数増加時(即ち、ギア14の回転数増加時)における特定回転数r1での音圧レベルA1_1を、モータのトルクT1で正規化する(ステップS28)。すなわち、特定回転数r1での音圧レベルA1_1をモータのトルクT1で除算して得られる正規化音圧レベルA1_1/T1を取得する。
【0085】
そして、ステップS28で得られた正規化音圧レベルA1_1/T1を閾値と比較する(ステップS30)。その結果、正規化音圧レベルA1_1/T1が閾値以下である場合(ステップS30のYes)、ギア14(診断対象機器6)に異常はないと判断し(ステップS36)、ギア14の異常診断を終了する。一方、ステップS30の結果、正規化音圧レベルA1_1/T1が閾値よりも大きい場合(ステップS30のNo)、ギア14(診断対象機器6)に異常があると判断し(ステップS32)、この診断結果をデータ生成部44に出力する(ステップS34)。このようにしてデータ生成部44に渡された診断結果に基づいて、上述した監視画像データが生成される。
【0086】
上述の実施形態によれば、ギア14(診断対象機器6)の音を示す音圧レベルデータを、音圧レベルに関してモータ12のトルク(T1)で正規化するようにしたので、モータ12のトルクの増減による音圧レベルへの影響が低減された音圧レベルデータに変換することができる。よって、このように正規化された音圧レベルデータに基づいてギア14(診断対象機器6)を診断することで、診断の精度を向上させることができる。
【0087】
また、上述の実施形態によれば、ギア14(回転機械)の回転数が増加又は減少する過程で音が急激に大きくなる特定回転数(r1等)での音圧レベル(A1_1等)と、閾値(比較値)との比較に基づいてギア14(機器4)の異常の有無を判定するようにしたので、ギア14(診断対象機器6)の診断を簡便にかつ精度良く行うことができる。
【0088】
以下、幾つかの実施形態に係る監視装置及び監視方法について概要を記載する。
【0089】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る監視装置は、
監視対象エリアに配置された複数の機器を監視するための監視装置であって、
前記監視対象エリアにおける音を集音するための集音部と、
前記集音部で集音された音に基づいて、前記監視対象エリアに含まれる複数の音源の位置と各音源の音圧との関係を示す音響マップを生成するための音響マップ生成部と、
前記複数の機器のうち少なくとも1つの診断対象機器の異常を診断するように構成された異常診断部と、
前記音響マップ生成部で生成された前記音響マップ、および、前記異常診断部による前記診断対象機器の診断結果を受け取り、前記音響マップ上における前記診断対象機器の位置に関連付けて前記音響マップに前記診断結果を重ねた監視画像データを生成するためのデータ生成部と、
を備える。
【0090】
上記(1)の構成によれば、監視対象エリアにおいて集音された音に基づいて複数の音源の位置と各音源の音圧との関係を示す音響マップを生成し、音響マップ上における診断対象機器の位置に関連付けて、該音響マップ、及び、診断対象機器の異常診断結果を重ねた監視画像データを生成する。したがって、このように生成された監視画像データを表示することで複数の機器からの音の状況及び診断結果を視認することができ、これにより、監視対象エリア内の複数の機器の監視を効率的に行うことができる。
【0091】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記データ生成部は、
前記複数の機器の構成を視覚的に示す機器構成視覚データを取得し、
前記機器構成視覚データに、前記複数の機器の各々の位置に対応する前記音響マップの情報を重ねた機器構成音響マップに、前記診断結果を重ねた前記監視画像データを生成する
ように構成される。
【0092】
上記(2)の構成によれば、機器構成視覚データに、複数の機器の各々の位置に対応する音響マップの情報を重ねた機器構成音響マップに、診断対象機器の診断結果を重ねた監視画像データを生成する。よって、この監視画像データを用いることにより、監視対象エリア内の複数の機器の音の状況及び診断結果をより容易に視認することができ、これにより複数の機器を含む設備の監視をより効率的に行うことができる。
【0093】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記機器構成視覚データは、前記監視対象エリアをカメラで撮影して得られる動画データ又は静止画データを含む。
【0094】
上記(3)の構成によれば、機器構成視覚データとして、監視対象エリアをカメラで撮影して得られる動画データ又は静止画データを取得するようにしたので、該動画データ又は静止画データに基づく監視画像データが生成される。よって、この監視画像データを用いることにより、監視対象エリア内の複数の機器の音の状況及び診断結果を容易に視認することができ、これにより複数の機器を含む設備の監視を効率的に行うことができる。
【0095】
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記機器構成視覚データは、前記複数の機器の外形、及び、前記監視対象エリアにおける前記複数の機器の配置を示す図像データを含む。
【0096】
上記(4)の構成によれば、機器構成視覚データとして、複数の機器の外形、及び、監視対象エリアにおける複数の機器の配置を示す図像データを取得するようにしたので、該図像データに基づく監視画像データが生成される。よって、この監視画像データを用いることにより、監視対象エリア内の複数の機器の音の状況及び診断結果を容易に視認することができ、これにより複数の機器を含む設備の監視を効率的に行うことができる。
【0097】
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記機器構成視覚データは、前記複数の機器の構成を示す文字情報を含む。
【0098】
上記(5)の構成によれば、機器構成視覚データとして、複数の機器の構成を示す文字情報を取得するようにしたので、該文字情報に基づく監視画像データが生成される。よって、この監視画像データを用いることにより、監視対象エリア内の複数の機器の音の状況及び診断結果を容易に視認することができ、これにより複数の機器を含む設備の監視を効率的に行うことができる。
【0099】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記複数の機器は回転機械を含み、
前記監視装置は、
前記複数の音源の各々で発生した音のうち、前記回転機械の回転数に応じて周波数が変化する音、又は、前記回転数に応じて周波数が変化しない音を抽出するように構成された抽出部、を備え、
前記音響マップ生成部は、抽出部によって抽出された音の音源についての前記音響マップを生成するように構成される。
【0100】
上記(6)の構成によれば、複数の音源(機器)で発生した音のうち、回転機械の回転数に応じて周波数が変化する音、又は、回転数に応じて周波数が変化しない音の何れかを抽出し、このように抽出された音源(機器)について音響マップを生成する。この音響マップを用いることで、回転機械の回転数に応じて発生する音の周波数が変化する機器又は変化しない機器の何れかに関する情報のみを含む監視画像データが生成される。よって、監視画像データにより表示される監視対象機器が限定されるので、オペレータが、監視対象の機器からの音の状況及び診断結果を速やかに把握することができる。
【0101】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記異常診断部は、前記診断対象機器が発生する音に基づいて、前記診断対象機器の異常を診断するように構成される。
【0102】
上記(7)の構成によれば、診断対象機器が発生する音に基づいて、診断対象機器の異常を適切に診断することができる。
【0103】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記異常診断部は、前記集音部で集音された音に基づいて、前記診断対象機器の異常を診断するように構成される。
【0104】
上記(8)の構成によれば、音響マップの生成に用いられる集音部で集音された音に基づいて診断対象機器の異常を診断するようにしたので、機器の異常診断のために、上述の集音部とは別の集音手段(マイクロホン等)を設ける必要がない。よって、簡素な構成で監視画像データを生成することができ、監視対象エリア内の複数の機器の監視を効率的に行うことができる。
【0105】
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)又は(8)の構成において、
前記異常診断部は、前記診断対象機器が発生する音圧レベルに基づいて、前記診断対象機器の異常を診断するように構成される。
【0106】
上記(9)の構成によれば、診断対象機器が発生する音圧レベルに基づいて、診断対象機器の異常を適切に診断することができる。
【0107】
(10)幾つかの実施形態では、上記(7)又は(8)の構成において、
前記診断対象機器は回転機械であり、
前記異常診断部は、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベル、又は、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルの少なくとも一方に基づき、前記診断対象機器の異常を診断するように構成される。
【0108】
回転機械の回転数が増加又は減少する過程の特定の回転数において、当該回転機械の固有振動数に関連して音圧レベルが急激に大きくなることがある。この点、上記(10)の構成によれば、回転機械の回転数が増加又は減少する過程で音が急激に大きくなる特定回転数での音圧レベルに基づいて機器の異常の有無を判定するようにしたので、診断対象機器の診断を精度良く行うことができる。また、運転中に回転数が増加又は減少する機器について、特定回転数における音の大きさに基づいて容易に異常診断をすることができる。
【0109】
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記診断対象機器は回転機械であり、
前記異常診断部は、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、前記回転機械の回転数減少時における前記特定回転数での音圧レベルとの差が閾値以下である場合に、前記診断対象機器に異常があると判定するように構成される。
【0110】
回転機器に異常が生じている場合には、回転数の増加時のみならず、回転数減少時においても特定回転数で音が大きくなる傾向がある。この点、上記(11)の構成によれば、回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、回転数減少時における同じ特定回転数での音圧レベルとの差が閾値以下である場合に、前記診断対象機器に異常があると判定するようにしたので、診断対象機器の診断を精度良く行うことができる。また、運転中に回転数の増加及び減少が繰り返される回転機械について、効果的に異常診断を行うことができる。
【0111】
(12)幾つかの実施形態では、上記(7)又は(8)の構成において、
前記診断対象機器は回転機械であり、
前記異常診断部は、前記回転機械の回転数増加時における特定回転数での音圧レベルと、閾値との比較に基づき、前記診断対象機器の異常を診断するように構成される。
【0112】
上記(12)の構成によれば、回転機械の回転数が増加又は減少する過程で音が急激に大きくなる特定回転数での音圧レベルと、比較値との比較に基づいて機器の異常の有無を判定するようにしたので、診断対象機器の診断を簡便にかつ精度良く行うことができる。
【0113】
(13)幾つかの実施形態では、上記(9)又は(12)の構成において、
前記回転機械はモータによって駆動されるように構成され、
前記異常診断部は、前記診断対象機器の音を示す音圧レベルデータを、音圧レベルに関して前記モータのトルクで正規化し、正規化された音圧レベルデータを用いて、前記診断対象機器の異常を診断するように構成される。
【0114】
上記(13)の構成によれば、診断対象機器の音を示す音圧レベルデータを、音圧レベルに関してモータのトルクで正規化することで、モータのトルクの増減による音圧レベルへの影響が低減された音圧レベルデータに変換することができる。よって、このように正規化された音圧レベルデータに基づいて診断対象機器を診断することで、診断の精度を向上させることができる。
【0115】
(14)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(13)の何れかの構成において、
前記複数の機器は、モータ及び前記モータによって駆動される圧延機を含む。
【0116】
上記(14)の構成によれば、モータ、及び、モータによって駆動される機器(例えば、ギア、スピンドル、又は圧延ロール等)を含む圧延機について、上記(1)で述べたように監視を効率的に行うことができる。
【0117】
(15)本発明の少なくとも一実施形態に係る監視方法は、
監視対象エリアに配置された複数の機器の監視方法であって、
前記監視対象エリアにおける音を集音するステップと、
前記集音するステップで集音された音に基づいて、前記監視対象エリアに含まれる複数の音源の位置と各音源の音圧との関係を示す音響マップを生成するステップと、
前記複数の機器のうち少なくとも1つの診断対象機器の異常を診断するステップと、
前記診断対象機器の診断結果を、前記音響マップ上における前記診断対象機器の位置に関連付けて、前記音響マップに重ねて表示するステップと、
を備える。
【0118】
上記(15)の方法によれば、監視対象エリアにおいて集音された音に基づいて複数の音源の位置と各音源の音圧との関係を示す音響マップを生成し、音響マップ上における診断対象機器の位置に関連付けて、該音響マップ、及び、診断対象機器の異常診断結果を重ねた監視画像データを生成する。したがって、このように生成された監視画像データを表示することで複数の機器からの音の状況及び診断結果を視認することができ、これにより、監視対象エリア内の複数の機器の監視を効率的に行うことができる。
【0119】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0120】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0121】
1 設備
2 監視対象エリア
4 機器
6 診断対象機器
9 金属帯板
10 圧延機
12 モータ
12A ワークロール
12B ワークロール
14 ギア
16 スピンドル
18 圧延ロール
22A ワークロール
22B ワークロール
24A 中間ロール
24B 中間ロール
26A バックアップロール
26B バックアップロール
30 監視装置
32 第1集音部
34 抽出部
36 音響マップ生成部
38 異常診断部
40 記憶部
42 視覚データ取得部
44 データ生成部
46 表示部
48 第2集音部
50 監視画像データ
52 機器構成視覚データ
54 機器構成視覚データ
56 機器構成視覚データ
60 情報
62 情報
72 圧延ロール
74 ギア
76 モータ
78 第1ポンプ
80 ファン
82 第2ポンプ
84 ポンプ
86 ポンプ
88 ファン
90 モータ
92 ギア
94 圧延ロール
101 モータ
102 テンションリール
103 コイルカー
104 モータ
105 スピンドル
106 モータ
107 テンションリール
108 コイルカー
109 ペイオフリール
110 ポンプ