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特許7261353データ構造体、情報処理装置、記憶媒体、プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】データ構造体、情報処理装置、記憶媒体、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20230412BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022509720
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 JP2021045333
(87)【国際公開番号】W WO2022131125
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】P 2020208561
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021090641
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 謙太朗
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-124476(JP,A)
【文献】特開2018-132890(JP,A)
【文献】特開2020-102250(JP,A)
【文献】国際公開第2020/179448(WO,A1)
【文献】特開2007-310652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
G06Q 10/00 - 99/00
A45D 44/00
A61N 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の皮膚に付与可能な1つ以上の成分を含む対象物である使用物に関する情報をユーザから受け付けるように構成される受付部と、
記憶部に記憶される参照情報と、前記使用物に関する情報に基づいて、前記使用物に対して推奨される所定処理方法を決定するように構成される判定部とを備え
前記参照情報は、人の皮膚に付与可能な1つ以上の成分を含む対象物に係る対象物情報と、人の皮膚に付与された前記対象物に係る処理方法を表す処理方法情報とを含み、前記対象物情報と前記処理方法情報とが、前記対象物情報と前記処理方法情報のうちの一方の入力に応じて対応する他方が抽出可能となる態様で、複数組、対応付けられており、かつ、前記処理方法が、対応する前記対象物情報に係る前記対象物の性質であって溶媒への溶けやすさに関する性質と、対応する前記対象物情報に係る前記対象物の分子量とのうちの少なくとも一方に基づき対応付けられており、
前記判定部は、前記使用物に対応する前記対象物情報が前記記憶部に存在する場合に、前記使用物に対応する前記対象物情報に対応付けられている前記処理方法情報を前記記憶部から抽出し、抽出した前記処理方法情報の表す前記処理方法を、前記所定処理方法として決定する、情報処理システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記対象物に係る1つ以上の成分を表す第1情報又は該成分を特定可能な第1情報を前記対象物情報として、前記処理方法情報を抽出するように構成され、
前記使用物に対応する前記第1情報は、前記使用物に関する情報に基づいて、外部装置から取得される、請求項に記載の情報処理システム。
【請求項3】
記処理方法は、利用する肌処理装置の種類、肌処理装置の設定方法、肌処理装置の制御パラメータ、及び肌処理装置の動作モード、のうちの少なくともいずれか1つに関する、請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
送信部をさらに備え、
前記送信部は、前記所定処理方法に応じた処理を前記肌処理装置に実行させるための情報を、前記肌処理装置に送信するように構成される、請求項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
記憶部に記憶される参照情報に基づいて、人の皮膚に付与可能な1つ以上の成分を含むユーザの使用物に対して推奨される所定処理方法を決定するように構成される判定部を備え、
前記参照情報は、人の皮膚に付与可能な1つ以上の成分を含む対象物に係る対象物情報と、人の皮膚に付与された前記対象物に係る処理方法を表す処理方法情報とを含み、前記対象物情報と前記処理方法情報とが、前記対象物情報と前記処理方法情報のうちの一方の入力に応じて対応する他方が抽出可能となる態様で、複数組、対応付けられており、かつ、前記処理方法が、対応する前記対象物情報に係る前記対象物の性質であって溶媒への溶けやすさに関する性質と、対応する前記対象物情報に係る前記対象物の分子量とのうちの少なくとも一方に基づき対応付けられており、
前記判定部は、前記使用物に対応する第1情報であって、前記対象物に係る1つ以上の成分を表す第1情報又は該成分を特定可能な第1情報、肌処理装置に備わる測定部の測定結果に基づいて取得し、取得した前記第1情報に対応する前記対象物情報が前記記憶部に存在する場合に、前記第1情報に対応する前記対象物情報に対応付けられている前記処理方法情報を前記記憶部から抽出し、抽出した前記処理方法情報の表す前記処理方法を、前記所定処理方法として決定するように構成される、情報処理システム。
【請求項6】
記処理方法は、複数の成分の組み合わせに対応付けられた方法を含む、請求項~請求項の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項7】
生成部をさらに備え、
前記生成部は、前記所定処理方法を前記ユーザに提示する視覚情報を生成する、請求項~請求項の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータを請求項~請求項の何れか1つに記載の情報処理システムとして機能させる、プログラム。
【請求項9】
人の皮膚に付与可能な対象物である使用物に関する情報をユーザから受け付ける受付ステップと、
記憶部に記憶される参照情報と、前記使用物に関する情報に基づいて、前記使用物に対して推奨される所定処理方法を決定する判定ステップとを含み、
前記参照情報は、人の皮膚に付与可能な1つ以上の成分を含む対象物に係る対象物情報と、人の皮膚に付与された前記対象物に係る処理方法を表す処理方法情報とを含み、前記対象物情報と前記処理方法情報とが、前記対象物情報と前記処理方法情報のうちの一方の入力に応じて対応する他方が抽出可能となる態様で、複数組、対応付けられており、かつ、前記処理方法が、対応する前記対象物情報に係る前記対象物の性質であって溶媒への溶けやすさに関する性質と、対応する前記対象物情報に係る前記対象物の分子量とのうちの少なくとも一方に基づき対応付けられており、
前記判定ステップは、前記使用物に対応する前記対象物情報が前記記憶部に存在する場合に、前記使用物に対応する前記対象物情報に対応付けられている前記処理方法情報を前記記憶部から抽出し、抽出した前記処理方法情報の表す前記処理方法を、前記所定処理方法として決定する、コンピュータにより実行される情報処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ構造体、情報処理装置、記憶媒体、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、使用する化粧品配合成分に関する情報の入手を容易とし、使用者の要求に合った化粧品の選択、化粧品レシピの作成を可能とする技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開第2001-357140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、使用者の肌の状態や嗜好に合った化粧品の提案が可能となっているものの、化粧品中の成分をいかに効率よく皮膚へ浸透させ、その効果効能を発揮させるかについての情報を提供することは実現できていない。
【0005】
本開示では上記事情を鑑み、化粧品等の対象物と、人の皮膚への処理方法とを体系的に管理することができる技術を提供することとした。
【0006】
本開示の一態様によれば、人の皮膚に付与可能な1つ以上の成分を含む対象物に係る対象物情報と、人の皮膚に付与された対象物に係る処理方法を表す処理方法情報とをデータとして備え、
前記対象物情報と前記処理方法情報とは、前記対象物情報と前記処理方法情報のうちの一方の情報の入力に応じて対応する他方の情報が抽出可能となる態様で、複数組、対応付けられている、データ構造体が提供される。
【0007】
このような態様によれば、化粧品等の対象物と、人の皮膚への処理方法とを体系的に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成概要を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】美容デバイスの外観を示す図である。
図4】本実施形態に係る情報処理装置における制御部等によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】ユーザ端末に表示される画面であって、美容デバイスの登録を開始するための登録開始画面の一例である。
図6】ユーザ端末に表示される画面であって、ラベル読取結果画面の一例である。
図7】ユーザ端末に表示される画面であって、美容デバイスの登録を完了させるための登録完了画面の一例である。
図8】ユーザ端末に表示される画面であって、化粧品の登録を開始するための登録開始画面8の一例である。
図9】ユーザ端末に表示される画面であって、バーコード読取結果画面の一例である。
図10】ユーザ端末に表示される画面であって、浸透方法の判定を開始させるための判定開始画面の一例である。
図11】記憶部に予め記憶されたデータセットの一例である。
図12】記憶部に予め記憶されたデータセットの一例である。
図13】ユーザ端末に表示される画面であって、所定の浸透方法をユーザに提示する視覚情報の一例である。
図14】情報処理システムによって実行される情報処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成概要を示す図である。
【0014】
[1.1 情報処理システム1]
情報処理システム1は、ユーザ端末2と、情報処理装置3と、美容デバイス4とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。換言すると、情報処理装置3は、ユーザ端末2及び美容デバイス4とネットワークを介して通信可能に構成される。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。
【0015】
[1.2 ユーザ端末2]
ユーザ端末2は、通信部と、記憶部と、制御部と、表示部と、入力部と、撮像部とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。通信部、記憶部および制御部の説明は、情報処理装置3における通信部31、記憶部32および制御部33と略同様のため、省略する。
【0016】
表示部は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0017】
入力部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0018】
撮像部は、外界の情報を撮像可能に構成される、いわゆるビジョンセンサ(カメラ)である。撮像部は、撮影対象を撮影することで画像データを生成するように構成される。撮像部は、後述の情報処理装置3における通信部31とネットワークを介して接続され、撮像した画像データを情報処理装置3に転送可能に構成される。
【0019】
[1.3 情報処理装置3]
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、これらの構成要素が、情報処理装置3の内部において、通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素について、さらに説明する。
【0020】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、通信部31は、これら複数の通信手段の集合として実施されることがより好ましい。すなわち、情報処理装置3は、通信部31を介して、ユーザ端末2および美容デバイス4とネットワークを介して、種々の情報を通信する。
【0021】
記憶部32は、任意の記憶媒体により形成されてよく、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。記憶部32は、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施され得る。また、記憶部32は、これらの組み合わせであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0022】
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行され得る。各機能部については、次節において、更に詳述する。なお、制御部33は、単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施されてもよい。また、制御部33は、複数の制御部の組み合わせであってもよい。
【0023】
[1.4 美容デバイス4]
図3は、美容デバイス4の外観を示す図である。美容デバイス4は、動作部4aと、グリップ部4bとを備える。各構成要素についてさらに説明する。
【0024】
(動作部4a)
美容デバイス4は、動作部4aとその支持体であるグリップ部4bとで構成される。動作部4aは、ユーザの皮膚に接触して動作するように構成され、グリップ部4bの長手方向の一方の端部に設けられている。動作部4aを接触させる皮膚とは、例えば、上半身の皮膚を含むものである。ここで上半身は、顔周辺と、首周辺と、胸元周辺とのうち少なくとも一つを含む。すなわち、上半身のうち、デコルテよりも上部の皮膚をいう。例えば、顔、顎、頸部、鎖骨部分、胸元、頭部等をいう。なお、必ずしも前述した部位に限らず、後頚部、腹部、背部、腰、腕を含んでもよく、臀部、脚等の下半身を含んでもよい。
【0025】
動作部4aには、複数の電極が設けられてもよい。この場合、複数の電極のうちの、任意又は所定の1つ以上の対の電極を介して各種出力波形を肌に付与することができる。
【0026】
(グリップ部4b)
グリップ部4bは、ユーザによって把握される棒状の部分である。グリップ部4bには、美容デバイス4の動作開始若しくは終了の際、又は動作モードを変更する際に、ユーザによって操作される操作ボタンが備え付けられてもよい。
【0027】
[2.機能構成]
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行され得る。
【0028】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、制御部33は、受付部331と、判定部332と、生成部333と、送信部334とを備える。
【0029】
受付部331は、種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、受付部331は、化粧品Cに関する情報をユーザから受け付ける。詳細については、後述する。
【0030】
判定部332は、化粧品C中の成分Iの浸透方法を判定するように構成される。詳細については、後述する。
【0031】
生成部333は、ユーザ端末2の表示部に表示させるための種々の視覚情報を生成するように構成される。視覚情報とは、画面、画像、アイコン、メッセージ等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えば、ユーザ端末2の表示部に画面、画像、アイコン、メッセージ等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。詳細については、後述する。
【0032】
送信部334は、種々の情報を送信するように構成される。例えば、送信部334は、美容デバイス4の設定を反映させるための情報を、美容デバイス4に送信する。詳細については、後述する。
【0033】
[3.データ構造体]
本節では、本実施態様であるデータ構造体について説明する。
【0034】
また、本節で参照する各図は、以下の通りである。図11は、記憶部32に予め記憶されたデータセット11の一例である。図12は、記憶部32に予め記憶されたデータセット12の一例である。
【0035】
[3.1 概要]
データ構造体は、化粧品Cに含まれる成分Iと、人への効果効能IEまたは化粧品C中における機能と、人の皮膚への浸透方法とをデータとして備える。データ構造体において、これら複数組がそれぞれ関連付けられている。また、人の皮膚への浸透方法は、対応する成分Iに基づいて設定されている。このような態様によれば、化粧品C中の成分と、その性質と、人の皮膚への浸透方法とを体系的に把握し、管理することができる。
【0036】
ここで、化粧品Cには、例えば、化粧水、乳液、美容液、スキンケアオイル、フェイスクリーム等の顔用化粧品、スカルプローション、スカルプセラム、スカルプオイル等の頭皮用化粧品、ボディローション、ボディクリーム、ボディオイル等のボディケア化粧品等が含まれる。これらのうち、特に、化粧品Cは、美容液であることが好ましい。
【0037】
また、成分Iは、配合成分および基材を含む。なお、配合成分には、厚生労働省により効果効能IEが認められている有効成分が含まれる。また、配合成分は、人への効果効能IEを有し、基材は、化粧品C中における機能を有する。
【0038】
なお、人への効果効能IEまたは化粧品C中における機能は、大カテゴリと小カテゴリとに分類されることが好ましい。このような態様によれば、効果効能IEまたは機能について、小カテゴリを設けることにより、より詳細な情報の管理を可能にするとともに、大カテゴリを設けることにより、データの検索および管理の簡便性も保つことができる。なお、変形例では、人への効果効能IEまたは化粧品C中における機能は、より細分化された3種類以上のカテゴリに分類されてもよい。
【0039】
特に、人への効果効能IEが大カテゴリと小カテゴリとに分類されることが好ましい。人への効果効能IEの大カテゴリとしては、例えば、美白、肌荒れ防止、ニキビ予防、活性酸素に対する防御、しわ予防、たるみ予防、乾燥防止等が挙げられる。美白という効果効能IEに対する小カテゴリとしては、チロシンキナーゼ活性阻害、メラニン生成抑制、メラニン色素性生成誘導因子抑制、メラニン還元、チロシナーゼ活性阻害、濃色メラニン還元、メラニン排出促進、ターンオーバー促進等の作用IAが挙げられる。肌荒れ防止という効果効能IEに対する小カテゴリとしては、ビタミン補給等の作用IAが挙げられる。ニキビ予防という効果効能IEに対する小カテゴリとしては、収れん、角質溶解、殺菌、抗菌等の作用IAが挙げられる。活性酸素に対する防御という効果効能IEに対する小カテゴリとしては、活性酸素消去、SOD様作用等の作用IAが挙げられる。しわ予防、またはたるみ予防という効果効能IEに対する小カテゴリとしては、細胞増殖、コラーゲン繊維合成、ボトックス様作用等の作用IAが挙げられる。乾燥防止という効果効能IEに対する小カテゴリとしては、保湿、エモリエント等の作用IAが挙げられる。
【0040】
基材が有する化粧品C中における機能としては、例えば、分散剤、可溶化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、粘稠剤、乳化剤、界面活性剤、安定化剤、保存剤、緩衝剤等としての機能が挙げられる。
【0041】
人の皮膚への浸透方法は、電気的方法と、光を用いる方法と、超音波を用いる方法と、磁気的方法と、電磁波を用いる方法と、プラズマを用いる方法と、その他の物理的方法とを含む。
【0042】
電気的方法としては、例えば、イオントフォレシス、エレクトロポレーション、電気浸透流、ラジオ波(Radio Frequency:RF)、高周波筋電気刺激(Electrical Muscle Stimulation:EMS)、プラズマ導入等が挙げられる。人の皮膚への浸透方法が電気的である場合、浸透方法には、電流密度、印加時間等の設定が含まれるが、電流波形の設定が含まれることが好ましい。なお、電流波形の設定には、周波数の設定が含まれる。
【0043】
光を用いる浸透方法としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)、フォト、フラッシュ、キセノンフラッシュ、ハロゲン、赤外線(infrared:IR)等が挙げられる。超音波を用いる浸透方法としては、例えば、ソノフォレシス等が挙げられる。磁気的方法としては、例えば、交流磁気、HIFEM(登録商標)等の高密度焦点式磁気等が挙げられる。その他の物理的な浸透方法としては、振動、ヒーター、冷却、マイクロニードル、タッピング等が挙げられる。
【0044】
これらの人の皮膚への浸透方法は、対応する成分Iの、特定溶媒(例えば水や油)へ溶けやすさ(溶け難くさも同義)に関する性質IS(例えば、水溶性であるか脂溶性であるかという性質ISや、皮膚外用剤を使用する温度と溶液のpH(Potential Hydrogen)において水溶性であるか、脂溶性(油溶性)であるか、あるいは、両親媒性であるかという性質IS)と、その分子量IWとのうちの少なくとも一方に基づいて設定されていることが好ましい。このような態様によれば、人の皮膚への浸透方法が、浸透に最も影響を与える因子に基づいて設定されているため、データ構造体により提供される情報が、より信頼性のある情報となる。なお、図11に示す例では、分子量IWは、数値情報であるが、これに代えて又は加えて、低分子か高分子かなどの区分(属性)を示す情報であってもよい。
【0045】
より好ましくは、人の皮膚への浸透方法は、対応する成分Iの荷電、例えば荷電数ICにさらに基づいて設定されている。このような態様によれば、人の皮膚への浸透方法が、浸透に影響を与えるさらなる因子に基づいて設定されているため、データ構造体により提供される情報が、さらにより信頼性のある情報となる。なお、図11に示す例では、荷電数ICは、2,1,0,-1、などの数値情報であるが、これに代えて又は加えて、帯電の+、-や、荷電を有しない区分(解離しないないしは両性電解質)を示す情報であってもよい。例えば、荷電数ICは、水溶液中での解離態様とその酸又は塩基の強度を示す指標値を含んでもよい。
【0046】
さらに、人の皮膚への浸透方法は、対応する成分Iを溶かした溶媒ないし基剤の種類、溶液の濃度、配合濃度、pH値、等の浸透性に影響を与えるその他の因子にさらに基づいて設定されていてもよい。
【0047】
また、人の皮膚への浸透方法は、美容デバイス4の種類と、美容デバイス4の設定方法とを含むことが好ましい。このような態様によれば、化粧品C中の成分Iの性質や特徴に適合した美容デバイス4について、情報の提供が可能になる。
【0048】
なお、人の皮膚への浸透方法は、配合成分と基材とを組み合わせた場合に、配合成分単体に適した浸透方法とは異なるときがある。これは、配合成分と基材とを組み合わせることにより、性質および浸透性が変化することに起因している。例えば、配合成分がトラネキサム酸の場合、基材として水またはエタノールを使用すると、化粧水の性状をとるのに対し、基材としてワセリンまたはスクワランを使用すると、クリーム状となる。したがって、同じ配合成分を有する化粧品Cであっても、使用している基材が異なる場合には、適した浸透方法が異なる場合がある。よって、化粧品Cに含まれる全成分Iを考慮して、配合成分に適した浸透方法を体系的に把握し、管理するために、データ構造体は、化粧品Cの名称、例えば化粧品名CNをさらにデータとして備えることが好ましい。なお、化粧品名CNとは、商品名または販売名を指す。また、このような態様によれば、化粧品Cの名称さえ分かっていれば、たとえ成分Iの情報を予め入手していなくとも、化粧品Cに適した浸透方法が分かるため、データの検索および管理が簡便になるという利点も得られる。
【0049】
また、データ構造体は、成分Iが厚生労働省により効果効能IEが認められている有効成分に該当するか否かに関するデータや、化粧品Cが医薬品または医薬部外品に該当するか否かに関するデータを備えていてもよい。
【0050】
また、データ構造体において、データの生成または更新は、AI(人工知能)による機械学習によることが好ましい。例えば、化粧品名CNと成分名INとが対応付けられたデータセットと、成分名INと、効果効能IEと、作用IAと、性質ISと、分子量IWと、荷電数ICと、美容デバイス情報PDと、美容デバイス4の設定方法PSとが対応付けられたデータセットとから、機械学習により、化粧品を特定する情報と、美容デバイス情報PDと、美容デバイス4の設定方法PSとが少なくとも対応付けられたデータ構造体を生成してもよい。当該データ構造体により、それぞれの化粧品に最適な美容デバイス4とその設定方法について、情報の提供が可能になる。したがって、このような態様によれば、膨大なデータを活用し、管理することが可能になる。
【0051】
また、データ構造体において、データの生成または更新は、実際の試験結果や、多数のユーザからの実際の使用実績に基づいて実現されてもよい。この場合、例えば、ある一の成分(あるいは、複数の成分の一の組み合わせ)に関して、多様な浸透方法のうちの、どの浸透方法が効果的であるかを、実際の試験結果や、多数のユーザからの実際の使用実績に基づいて判定してもよい。この場合、多数のユーザからの実際の使用実績は、効果などの各種結果を示す画像データや、口コミ情報(例えば、各ユーザから提供される評価情報であって、化粧品と浸透方法との相性に関する評価情報)等に基づいて評価されてもよい。この場合、同じ成分であっても、ユーザの属性(例えば性別や年齢、人種等)に応じて、最も効果的な浸透方法が異なりうるため、一の成分(あるいは、複数の成分の一の組み合わせ)に対して、ユーザの属性ごとに、好適な浸透方法を対応付けてもよい。また、各ユーザから提供される評価情報は、特定のユーザからの評価情報に対しては他のユーザからの評価情報よりも大きい重み付けが付与される態様で、利用されてもよい。この場合、ユーザの属性等は、ユーザ情報データベースに管理されてもよい。この場合、ユーザ情報データベースには、ユーザごとに、年齢/性別/住所、所有している美容デバイス情報、所有している化粧品情報(例えば肌処理を使用した際に使用した以外にも保有している化粧品情報)、美容デバイスの使用状況、ユーザの悩み情報、肌質などアンケート情報等が記憶されてもよい。これらのユーザ情報は、適宜、浸透方法を決定する際に利用されてもよい。
【0052】
また、同じ成分であっても、利用時の外部環境(例えば紫外線の強さや、湿度等)に応じて、最も効果的な浸透方法が異なりうるため、一の成分(あるいは、複数の成分の一の組み合わせ)に対して、外部環境パラメータ(例えば、紫外線の強さや、湿度等を表す気象情報等)ごとに、好適な浸透方法を対応付けてもよい。
【0053】
また、同じ一の成分であっても、他の成分との組み合わせに応じて、最も効果的な浸透方法が異なりうるため、複数の成分からなる組み合わせごとに、好適な浸透方法を対応付けてもよい。この場合、成分比率の相違等も考慮されてもよい。
【0054】
[3.2 具体例]
以上で説明してきたデータ構造体の具体例として、図11に示されるデータセット11と図12に示されるデータセット12とを組み合わせたものが挙げられる。以下では、図11に示されるデータセット11および図12に示されるデータセット12について説明することとする。
【0055】
図11に示されるデータセット11は、例えば、化粧品名CNと、効果効能IEと、作用IAと、成分名INと、水溶性であるか脂溶性であるかという性質ISと、分子量IWと、荷電数ICと、美容デバイス情報PDとしての美容デバイス4の名称PD1と、美容デバイス4の設定方法PSを表す方法名PS1とが対応付けられた情報である。
【0056】
ここで、成分名INは、日本化粧品工業連合会が作成し運用を行っている、化粧品に配合されている成分Iの統一的名称である成分表示名称であることが好ましい。また、図示はされていないが、成分Iは、成分表示名称とともに、成分表示名称以外の別名、慣用名、化学式、構造式等を用いて表されていることがより好ましい。
【0057】
図11のデータセット11に示されているように、荷電数ICは、成分Iがアニオン性であるのか、カチオン性であるのかが分かるように、アニオン性の場合には負の符号が付けられて示されていることが好ましい。
【0058】
図11のデータセット11に示されているように、美容デバイス4の名称PD1は、美容デバイス4の商品名でもよいが、機種名、型名、型番、モデル名等であってもよく、これらのうち複数が組み合わされて名称PD1のデータとしてデータセット11に含まれていてもよい。美容デバイス4の設定方法PSを表す方法名PS1は、図11のデータセット11に示されているように、数字や記号を組み合わせた簡略なものが好ましい。
【0059】
図12に示されるデータセット12は、例えば、美容デバイス情報PDとして、美容デバイス4の名称PD1および機能PD2と、美容デバイス4の設定方法PSの情報として、方法名PS1および詳細PS2とが対応付けられた情報である。
【0060】
ここで、美容デバイス4の機能PD2とは、美容デバイス4によりユーザの皮膚に施しうる浸透方法を表す。美容デバイス4の設定方法PSの詳細PS2は、機能PD2に応じた設定内容を表す。例えば、図12のデータセット12に示されているように、機能PD2が電気的浸透方法であるイオントフォレシスの場合、設定方法PSの詳細PS2は、陽極側からのイオントフォレシス(Anodal IP)と陰極側からのイオントフォレシス(Cathodal IP)とのうちどちらであるかの情報と、電流波形の設定に関する情報として、ヘルツ(Hz)で表された周波数の情報とを含む。また、機能PD2が電気的浸透方法であるエレクトロポレーションの場合、設定方法PSの詳細PS2は、電流波形の設定に関する情報として、減衰波形と矩形波形とのうちどちらであるかの情報を含む。さらに、機能PD2が上記で述べたその他の物理的な浸透方法である高速タッピングの場合、設定方法PSの詳細PS2は、タッピング速度の情報を含む。
【0061】
次に、図11に示されるデータセット11と図12に示されるデータセット12とを組み合わせてなるデータ構造体から得られる情報について、具体例を挙げて説明することとする。
【0062】
例えば、化粧品名CNが「Aエッセンス」であることが分かっている化粧品Cの場合、図11のデータセット11から、効果効能IEが「美白」、作用IAが「メラニン色素性生成誘導因子抑制」、成分名INが「トラキネム酸」、性質ISが「水溶性」、分子量IWが「157.21」、荷電数が「1」、美容デバイス4の名称PD1が「X美顔器」、設定方法PSの方法名PS1が「X101」であることが分かる。
【0063】
図11のデータセット11から得られたこれらの情報のうち、美容デバイス4の名称PD1と、設定方法PSの方法名PS1とを、図12のデータセット12と突合すると、美容デバイス4の機能PD2は、「イオントフォレシス」であり、設定方法PSの詳細PS2は、「Anodal IP」で周波数が「1.0kHz」であることが分かる。
【0064】
したがって、化粧品名CNが「Aエッセンス」の化粧品Cである場合、美容デバイス4として「X美顔器」を用い、「X101」に設定することにより、周波数が「1.0kHz」である「Anodal IP」により、成分I「トラネキサム酸」を「イオントフォレシス」で浸透させることが推奨されるという情報が、データ構造体から得られる。
【0065】
なお、図12に示す例では、美容デバイス4の対の電極を介して印加される出力波形の周波数だけが制御パラメータであるが、他の制御パラメータが利用されてもよいし、複数の制御パラメータの設定値の組み合わせが設定内容として対応付けられてもよい。この場合、他の制御パラメータは、印加する電流の大きさ、持続時間、出力波形の特性、動作モード等であってよい。出力波形の特性は、交流波形又はパルス状の直流波形といった波形に関する特性、及び/又は、出力レベルを示す電圧やデューティに関する特性を含んでもよい。また、複数の電極を有する美容デバイス4の場合、複数の電極のうちの出力波形を発生する対の電極のパターンが、制御パラメータとして規定されてもよい。
【0066】
また、美容デバイス4が、図12に機能PD2で示す複数種類の浸透方法を実現できる仕様である場合、設定内容は、複数種類の浸透方法のうちの1つ又は複数の組み合わせを含んでもよい。
【0067】
[4.情報処理方法]
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。
【0068】
また、本節で参照する各図は、以下の通りである。図5は、ユーザ端末2に表示される画面であって、美容デバイス4の登録を開始するための登録開始画面5の一例である。図6は、ユーザ端末2に表示される画面であって、ラベル読取結果画面6の一例である。図7は、ユーザ端末2に表示される画面であって、美容デバイス4の登録を完了させるための登録完了画面7の一例である。図8は、ユーザ端末2に表示される画面であって、化粧品Cの登録を開始するための登録開始画面8の一例である。図9は、ユーザ端末2に表示される画面であって、バーコード読取結果画面9の一例である。図10は、ユーザ端末2に表示される画面であって、浸透方法の判定を開始させるための判定開始画面10の一例である。図11は、記憶部32に予め記憶されたデータセット11の一例である。図12は、記憶部32に予め記憶されたデータセット12の一例である。図13は、ユーザ端末2に表示される画面であって、所定の浸透方法をユーザに提示する視覚情報13の一例である。図14は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
【0069】
[4.1 概要]
以下では、図14のタイミングチャートに沿って、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを説明するものとする。ここで、説明の都合上、ユーザが美容デバイス4を使い始める場合を想定して、説明を進めることとする。
【0070】
ユーザは、ユーザ端末2を用いて、情報処理システム1によって提案されるサービスのURLにブラウザを用いてアクセスする。なお、情報処理システム1によって提案されるサービスは、専用のモバイルアプリケーションにより提供されてもよく、この場合、ユーザは、当該アプリケーションを起動する。その後、情報処理装置3における制御部33は、図5に示される登録開始画面5を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末2に送信する(ステップS001)。
【0071】
図5に示される登録開始画面5は、美容デバイス4の登録方法に関する説明51と、製品ラベルの読み取り開始を可能とするボタン52と、美容デバイス4の型番の入力画面への遷移を可能とするボタン53とを含む(ステップS001)。
【0072】
ここで、ユーザは、図5の登録開始画面5において、美容デバイス4の登録を簡便に済ませるために、ボタン52を押下することにより、ユーザ端末2の撮像部を起動させる。撮像部の起動後、ユーザは、美容デバイス4本体に付されている製品ラベルを撮像する。その後、ユーザ端末2の通信部が、ネットワークを介して情報処理装置3に撮像画像を送信する。(ステップS001)。
【0073】
撮像画像を通信部31が受信したあと、情報処理装置3の制御部33が、撮像画像の解析を行い、図6に示されるラベル読取結果画面6を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末2に送信する(ステップS002)。
【0074】
図6に示されるラベル読取結果画面6は、撮像画像が表示される読取領域61と、撮像画像から解析された結果を示す読取結果62と、読み取りの完了を可能とするボタン63とを含む(ステップS002)。
【0075】
図6のラベル読取結果画面6において、ユーザは、読取結果62に問題がないことを確認したあと、製品ラベルの読み取りを完了するために、ボタン63を押下する。ユーザにより図6のボタン63が押下されると、ユーザ端末2の通信部が、ネットワークを介して、読取結果に示された型番から美容デバイス4を特定するように情報処理装置3に要求を送信する。(ステップS003)。
【0076】
次いで、情報処理装置3の通信部31が、美容デバイス4を特定するよう求める要求を、ネットワークを介して受信する。その後、情報処理装置3の制御部33が、型番を、記憶部32に予め記憶されている参照情報と突合することにより、美容デバイス4を特定する(ステップS004)。
【0077】
次いで、制御部33は、美容デバイス4を特定したあと、図7に示される登録完了画面7を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末2に送信する(ステップS005)。
【0078】
図7に示される登録完了画面7は、特定された美容デバイス4の情報を示す特定結果71と、美容デバイス4の登録完了を可能とするボタン72と、製品ラベルの再読み取りを可能とするボタン73とを含む(ステップS005)。
【0079】
図7の登録完了画面7において、ユーザは、特定結果71に示されている美容デバイス4が所有しているものと同一であることを確認したあと、特定された美容デバイス4の登録を完了するために、ボタン72を押下する。ユーザにより図7のボタン72が押下されると、ユーザ端末2の通信部が、ネットワークを介して、特定された美容デバイス4を登録するように情報処理装置3に要求を送信する。(ステップS006)。
【0080】
情報処理装置3の通信部31が、美容デバイス4を登録するよう求める要求を、ネットワークを介して受信し、制御部33の受付部331が受け付ける。次いで、情報処理装置3において、特定された美容デバイス4の情報は、アカウント情報等のユーザ情報と関連づけられて、記憶部32に記憶され管理される(ステップS007)。
【0081】
その後、情報処理装置3における制御部33は、図8に示される化粧品Cの登録開始画面8を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末2に送信する(ステップS008)。
【0082】
図8に示される登録開始画面8は、化粧品Cの登録方法に関する説明81と、バーコードの読み取り開始を可能とするボタン82と、商品検索画面への遷移を可能とするボタン83とを含む(ステップS008)。
【0083】
ここで、ユーザは、図8の登録開始画面8において、自身が使用中または使用予定の化粧品Cの登録を簡便に済ませるために、ボタン82を押下することにより、ユーザ端末2の撮像部を起動させる。撮像部の起動後、ユーザは、化粧品Cの包装等に付されているバーコードを撮像する。なお、バーコードには、例えば、JANコード、EANコード、UPCコード、ITFコード、CODE39、CODE128、NW-7等が含まれる。その後、ユーザ端末2の通信部が、ネットワークを介して情報処理装置3に撮像画像を送信する(ステップS009)。
【0084】
撮像画像を通信部31が受信したあと、情報処理装置3の制御部33が、撮像画像の解析を行い、図9に示されるバーコード読取結果画面9を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末2に送信する(ステップS010)。
【0085】
図9に示されるは、バーコード読取結果画面9は、撮像画像が表示される読取領域91と、撮像画像から解析された結果を示す読取数値92と、読み取りの完了を可能とするボタン93とを含む(ステップS010)。
【0086】
図9のバーコード読取結果画面9において、ユーザは、読取数値92に問題がないことを確認したあと、バーコードの読み取りを完了するために、ボタン93を押下する。ユーザにより図9のボタン93が押下されると、ユーザ端末2の通信部が、ネットワークを介して、バーコードの数値から化粧品Cを特定するように情報処理装置3に要求を送信する。(ステップS011)。
【0087】
情報処理装置3の通信部31が、化粧品Cを特定するよう求める要求を、ネットワークを介して受信する。その後、情報処理装置3の制御部33が、バーコードの数値を、記憶部32に予め記憶されている参照情報と突合することにより、化粧品Cを特定する。なお、この参照情報は、商品コードと商品情報とが関連づけられた情報である(ステップS012)。
【0088】
次いで、制御部33は、化粧品Cを特定したあと、図10に示される判定開始画面10を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末2に送信する(ステップS013)。
【0089】
図10に示される判定開始画面10は、化粧品名CN等の特定された化粧品Cの情報を示す特定結果101と、特定された化粧品Cに基づく浸透方法の判定を開始させることを可能とするボタン102と、化粧品Cの再選択を可能とするボタン103とを含む(ステップS013)。
【0090】
なお、ここで、浸透方法とは、人の皮膚に対する化粧品C中の成分Iの所定の浸透方法であり、詳細には、美容デバイス4の種類、例えば美容デバイス情報PDと、美容デバイス4の設定、例えば設定方法PSとのうちの少なくとも1つを含む。このような態様によれば、化粧品Cに真にマッチングした美容デバイス4とその所定の使用方法とをユーザに提示することができる。
【0091】
図10の判定開始画面10において、ユーザは、特定された化粧品Cに合った設定方法PSを知りたい場合には、化粧品Cに基づく浸透方法の判定を開始させるために、ボタン102を押下する。ユーザにより図10のボタン102が押下されると、ユーザ端末2の通信部が、ネットワークを介して、化粧品Cに基づく浸透方法を判定するように情報処理装置3に要求を送信する(ステップS014)。
【0092】
情報処理装置3の通信部31が、化粧品Cに基づく浸透方法を判定するよう求める要求を、ネットワークを介して受信し、制御部33の受付部331が受け付ける。その後、まず、化粧品名CN等の化粧品Cに関する情報が、記憶部32に少なくとも一時的に記憶され管理される。次いで、制御部33の判定部332が、登録された美容デバイス4に関する情報と、化粧品Cに関する情報とを、記憶部32に予め記憶されている参照情報と突合することにより、人の皮膚に対する化粧品C中の成分Iの所定の浸透方法を判定する。なお、この参照情報は、データ構造体、例えばデータセット11(図11参照)とデータセット12(図12参照)とを組み合わせたデータ構造体である。このような態様によれば、化粧品C中の成分Iの性質に合った所定の浸透方法をユーザに提案することが可能になる(ステップS015)。
【0093】
すなわち、ステップS015において、受付部331は、化粧品Cに関する情報(使用物に関する情報の一例)をユーザから受け付ける。判定部332は、化粧品Cに関する情報と予め記憶された参照情報とに基づいて、人の皮膚に対する化粧品C中の成分Iの所定の浸透方法を判定する(ステップS015)。
【0094】
浸透方法の判定後、生成部333が、所定の浸透方法をユーザに提示する視覚情報13(図13参照)を生成する。その後、制御部33は、図13に示される視覚情報13を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末2に送信する(ステップS016)。
【0095】
図13に示される視覚情報13は、化粧品Cの情報を示す化粧品情報131と、化粧品Cに基づく浸透方法の情報を示す提案内容132とを含む。なお、図13に示されているように、化粧品情報131には、化粧品名CN、効果効能IEおよび成分Iの情報が含まれることが好ましい。また、提案内容132には、ユーザが簡便に美容デバイス4の設定を行えるように、美容デバイス4の設定方法PSが方法名PS1で示されていることが好ましい(ステップS016)。
【0096】
以上をまとめると、本実施形態の情報処理方法は、受付ステップと、判定ステップと、生成ステップとを備える。受付ステップでは、化粧品Cに関する情報をユーザから受け付ける。判定ステップでは、化粧品Cに関する情報と予め記憶された参照情報とに基づいて、人の皮膚に対する化粧品C中の成分Iの所定の浸透方法を判定する。生成ステップでは、所定の浸透方法をユーザに提示する視覚情報13を生成する。
【0097】
本実施形態によれば、化粧品C中の成分Iを皮膚へ浸透させるための方法をユーザに提示することができる。
【0098】
[4.2 詳細]
【0099】
(ステップS001~ステップS002)
上記では、美容デバイス4を特定する方法として、美容デバイス4の本体に付されている製品ラベルの読み取りについて記載したが、バーコード、QRコード(登録商標)等の二次元コードの読み取りを採用してもよい。また、RFID等の電子タグの読み取りにより、美容デバイス4を特定してもよい。さらに、図5の登録開始画面5にボタン53が設けられているように、ユーザ自身により入力された美容デバイス4の型番等の情報から美容デバイス4を特定してもよい。さらに別の例として、美容デバイス4が画像で一覧表示されている画面(不図示)から所有している美容デバイス4をユーザに選択させることにより、美容デバイス4を特定してもよい。
【0100】
(ステップS008~ステップS0012)
化粧品Cの特定は、バーコードに代わって、QRコード(登録商標)等の二次元コードの読み取りにより実施してもよい。また、RFID等の電子タグの読み取りにより、化粧品Cを特定してもよい。さらに、図8の登録開始画面8にボタン83が設けられているように、商品検索画面からユーザ自身に化粧品Cを検索させることより、化粧品Cの特定を実施してもよい。
【0101】
(ステップS001~ステップS007およびステップS015~ステップS016)
上記では、ユーザが既に美容デバイス4を所有している場合について説明したが、以下では、ユーザが美容デバイス4を未だ所有していない場合について説明することとする。
【0102】
かかる場合、美容デバイス4の登録(ステップS001~ステップS007)は、実施されないこととなる。すなわち、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れは、化粧品Cの登録(ステップS008)から始まる。化粧品Cの特定後、判定部332は、化粧品Cに関する情報を、記憶部32に予め記憶されている参照情報、例えばデータセット11(図11参照)とデータセット12(図12参照)とを組み合わせたデータ構造体と突合することにより、人の皮膚に対する化粧品C中の成分Iの所定の浸透方法を判定する(ステップS015)。
【0103】
次いで、浸透方法の判定後、生成部333により、視覚情報13が生成される。この視覚情報13において、所定の浸透方法として、美容デバイス4の種類、例えば美容デバイス情報PDと、美容デバイス4の設定、例えば設定方法PSとが提示される(ステップS016)。
【0104】
ここで、具体例を挙げて説明することとする。化粧品名CNが「Aエッセンス」の化粧品Cをユーザが登録した場合、データセット11(図11参照)とデータセット12(図12参照)とを組み合わせたデータ構造体に基づいて、成分I「トラネキサム酸」に対する浸透方法が判定される。判定結果の浸透方法には、名称PD1「X美顔器」および機能PD2「イオントフォレシス」を含む美容デバイス情報PDと、方法名PS1「X001」および詳細PS2「周波数が1.0kHzのAnodal IP」を含む設定方法PSとが含まれる。なお、この判定結果に基づいて生成される視覚情報13には、推奨される美容デバイス4の情報として少なくとも名称PD1「X美顔器」が表示されるとともに、図13に示されている化粧品情報131も表示されることが好ましい。これにより、ユーザが使用中または使用予定の化粧品Cに適した美容デバイス4をユーザに分かりやすく示すことができる。
【0105】
(ステップS0015)
判定部332が判定する所定の浸透方法は、複数の成分Iに関して最適化された方法であることが好ましい。このような態様によれば、複数の成分Iが含まれる化粧品Cであって、複数の効果効能IEが見込まれる場合に、全ての効果効能IEをバランスよく、または最大限に発揮できる浸透方法を提案することができる。この際、複数の成分Iの各配合量が考慮されてもよい。この場合、配合量が多い成分が必ずしも有効であるとは限らないため、成分特性に基づいて、配合量が多いか少ないかが考慮されてもよい。なお、本態様において、所定の浸透方法は、一つの浸透方法であってもよいし、複数の浸透方法からなってもよい。
【0106】
ここで、具体例を挙げて説明することとする。成分Iとして「トラネキサム酸」と「アスコルビン酸グルコシド」とを含む化粧品Cをユーザが登録した場合、データセット11(図11参照)とデータセット12(図12参照)とを組み合わせたデータ構造体に基づいて、名称PD1が「X美顔器」の美容デバイス4を、方法名PS1が「X101」である設定方法PSと、方法名PS1が「X203」である設定方法PSとを組み合わせて用いることが、判定部332の判定により浸透方法として示されてもよい。また、別の例として、上記の「X101」や「X203」とは異なる全く別の設定方法PSが浸透方法として示されてもよい。さらに、別の例として、成分Iとして美白有効成分と肌荒れ防止に効く成分とを含む化粧品Cをユーザが登録した場合、美白有効成分を浸透させるための方法を先に皮膚に施し、次いで肌荒れ防止に効く成分を浸透させるための方法を皮膚に施すことを、判定部332により判定された浸透方法としてユーザに提示してもよい。
【0107】
[5.その他]
情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0108】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、コンピュータに、情報処理システム1の各ステップを実行させる。
【0109】
美容デバイス4および化粧品Cの特定として、AIによる画像認識技術を活用した製品識別を行ってもよい。例えば、美容デバイス4を撮像した画像データに対し画像認識処理を行うことによって、美容デバイス4を特定してもよい。同様に、化粧品C又はその包装等を撮像した画像データに対し画像認識処理を行うことによって、化粧品Cを特定してもよい。
【0110】
化粧品C中の成分に関する情報を、化粧品に関する情報に基づいて、外部装置から取得してもよい。本態様において、判定部332は、化粧品C中の成分に関する情報と、参照情報、例えばデータセット11(図11参照)とデータセット12(図12参照)とを組み合わせたデータ構造体とに基づいて、所定の浸透方法を判定する。例えば、化粧品Cの包装等に付されているバーコードや製品ラベル等から化粧品名CN等の化粧品に関する情報を特定したあと、当該化粧品に関する情報に基づいて、化粧品C中の成分に関する情報を外部装置から取得してもよい。また、外部装置は、情報処理システム1に係るサービスのサービス提供者が有するデータベースに限らず、外部の化粧品データベースであってもよい。このような態様によれば、サービス提供者が有する情報量に限界があっても、外部の公開されている情報を有効活用することができる。
【0111】
美容デバイス4が不図示の測定部を備え、これにより化粧品の成分を測定し、測定結果を情報処理装置3に送信するように構成されてもよい。すなわち、化粧品C中の成分に関する情報が、ユーザが美容デバイス4に化粧品Cを適用することにより取得されてもよい。本態様において、判定部332は、化粧品C中の成分に関する情報と、参照情報、例えばデータセット11(図11参照)とデータセット12(図12参照)とを組み合わせたデータ構造体とに基づいて、所定の浸透方法を判定する。このような態様によれば、ユーザが、化粧品Cに合わせて美容デバイス4をより簡便に使いこなすことができるようになる。
【0112】
送信部334が、美容デバイス4の設定を反映させるための情報を、美容デバイス4に送信するように構成されてもよい。このような態様によれば、美容デバイス4の設定を自動化することができ、ユーザビリティを向上させることができる。
【0113】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0114】
前記データ構造体において、化粧品の名称をさらにデータとして備える、もの。
【0115】
前記データ構造体において、前記人の皮膚への浸透方法は、対応する前記成分が水溶性であるか脂溶性であるかと、その分子量とのうちの少なくとも一方に基づいて設定されている、もの。
【0116】
前記データ構造体において、前記人の皮膚への浸透方法は、対応する前記成分の荷電にさらに基づいて設定されている、もの。
【0117】
前記データ構造体において、前記人への効果効能または前記化粧品中における機能は、大カテゴリと小カテゴリとに分類される、もの。
【0118】
前記データ構造体において、前記人の皮膚への浸透方法は、美容デバイスの種類と、前記美容デバイスの設定方法とを含む、もの。
【0119】
前記データ構造体において、前記人の皮膚への浸透方法は、電気的であり、電流波形の設定を含む、もの。
【0120】
前記データ構造体において、前記人の皮膚への浸透方法は、光を用いる方法である、もの。
【0121】
前記データ構造体において、前記人の皮膚への浸透方法は、超音波を用いる方法である、もの。
【0122】
前記データ構造体において、前記人の皮膚への浸透方法は、磁気的である、もの。
【0123】
前記データ構造体において、前記データの生成または更新は、AIによる機械学習による、もの。
【0124】
情報処理システムであって、受付部と、判定部と、生成部とを備え、前記受付部は、化粧品に関する情報をユーザから受け付けるように構成され、前記判定部は、前記化粧品に関する情報と予め記憶された参照情報とに基づいて、人の皮膚に対する前記化粧品中の成分の所定の浸透方法を判定するように構成され、前記生成部は、前記所定の浸透方法を前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、もの。
【0125】
前記情報処理システムにおいて、前記参照情報は、前記データ構造体である、もの。
【0126】
前記情報処理システムにおいて、前記判定部は、前記化粧品中の成分に関する情報と、前記参照情報とに基づいて、前記浸透方法を判定するように構成され、ここで、前記化粧品中の成分に関する情報は、前記化粧品に関する情報に基づいて、外部装置から取得される、もの。
【0127】
前記情報処理システムにおいて、前記所定の浸透方法は、美容デバイスの種類と、前記美容デバイスの設定とのうちの少なくとも1つを含む、もの。
【0128】
前記情報処理システムにおいて、送信部をさらに備え、前記送信部は、前記美容デバイスの設定を反映させるための情報を、前記美容デバイスに送信するように構成される、もの。
【0129】
前記情報処理システムにおいて、前記判定部は、前記化粧品中の成分に関する情報と、前記参照情報とに基づいて、前記浸透方法を判定するように構成され、ここで、前記化粧品中の成分に関する情報は、前記ユーザが美容デバイスに前記化粧品を適用することにより取得される、もの。
【0130】
前記情報処理システムにおいて、前記所定の浸透方法は、複数の成分に関して最適化された方法である、もの。
【0131】
プログラムであって、コンピュータを前記情報処理システムとして機能させる、もの。
【0132】
情報処理方法であって、受付ステップと、判定ステップと、生成ステップとを備え、前記受付ステップは、化粧品に関する情報をユーザから受け付け、前記判定ステップは、前記化粧品に関する情報と予め記憶された参照情報とに基づいて、人の皮膚に対する前記化粧品中の成分の所定の浸透方法を判定し、前記生成ステップは、前記所定の浸透方法を前記ユーザに提示する視覚情報を生成する、方法。
【0133】
以上、各実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施形態の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0134】
例えば、上述した実施形態は、データ構造体は、化粧品C中の特定の成分から、当該特定の成分(対象物)を肌に浸透させるのに好適な浸透方法を表す情報(処理方法情報)を抽出(以下、単に「浸透方法を抽出」とも称する)することが可能となるように、化粧品Cに含まれる成分Iと、人の皮膚への浸透方法とをデータとして備えるが、これに限られない。例えば、データ構造体は、化粧品Cの名称や型番又はその類の情報(化粧品Cを特定可能な情報)から、当該化粧品Cに含まれる主要成分(対象物)を肌に浸透させるのに好適な浸透方法を抽出することが可能となるように、化粧品Cに係る情報と、人の皮膚への浸透方法とをデータとして備えてもよい。この場合、化粧品C等の各種化粧品に係る情報と、それぞれに好適な浸透方法とが、互いに対応付けられるデータが構築される。あるいは、同様の観点から、データ構造体は、人への効果効能IEまたは機能と、人の皮膚への浸透方法とをデータとして備えてもよい。この場合、化粧品Cとは別の化粧品についても、効果効能または機能が同じであれば、同様の好適な浸透方法が対応付けられてもよい。この場合、効果効能または機能から、当該効果効能または機能を有する化粧品(対象物)を肌に浸透させるのに好適な浸透方法を抽出することが可能となる。また、一の対象物から得られる情報は、異なりうるため、一の対象物に対する好適な浸透方法に対応付けられる情報(対象物情報の一例)は、多種多様であってよい。例えば、一の浸透対象物に対する好適な浸透方法に対応付けられる情報は、当該一の対象物に係る1つ以上の成分を表す第1情報又は該成分を特定可能な第1情報、当該一の対象物に係る商品を表す第2情報又は該商品を特定可能な第2情報、当該一の対象物に係る1つ以上の成分とその含有量(例えば、化粧品における一定量あたりの含有量)とを表す第3情報、及び、当該一の対象物に係る性質、効果効能又は機能を表す第4情報のうちの少なくともいずれか1つを含んでよい。
【0135】
また、上述した実施形態では、化粧品に含まれる成分に対する浸透方法に関するが、人の皮膚に付与可能な1つ以上の成分を含む対象物は、化粧品に限られない。例えば、対象物は、皮膚外用剤であってもよい。この場合、皮膚外用剤に含まれる有効成分は、美容デバイス4のような肌処理装置を介して、人の皮膚へ浸透させることが有用となりうる。この場合、肌処理装置で実現される浸透方法(例えば、対の電極を介して生成される出力波形)と、皮膚外用剤に含まれる有効成分とが、対応付けられたデータ構造が有用となる。
【0136】
また、上述した実施形態では、送信部334は、美容デバイス4の設定を反映させるための情報を、美容デバイス4に送信されうるが、美容デバイス4の設定を反映させるための情報は、美容デバイス4の各種制御パラメータの値を指示する情報を含んでもよい。あるいは、送信部334は、制御信号自体(情報の一例)を美容デバイス4に送信してもよい。このようにして、上述したように抽出された好適な浸透方法が自動的に美容デバイス4で実現されてもよい。
【0137】
また、上述した実施形態では、図11に示したデータセット11が一例として開示されているが、データセット11は、他の態様で実現されてもよい。例えば、図11に示したデータセット11に代えて、同様に利用できるデータセットは、化粧品の商品データベースと、成分データベースの組み合わせにより管理されてもよい。この場合、化粧品の商品データベースは、化粧品名、全成分リスト、品番、画像、メーカー名、価格、及び販売時期等の情報を含んでよい。また、成分データベースは、化粧品表示名称、成分番号、医薬部外品表示名称、医薬部外品成分コード、別名、簡略名、、性質、分子量、荷電数、配合量、配合目的、CAS登録番号(化学物質に固有の識別番号)、デバイス、デバイス設定、作用、効果、及び抽出条件等の情報を含んでよい。配合目的は、エモリエント剤、抗炎症剤、乳化剤、保湿剤、pH調整剤、溶剤、粘着剤、防腐剤など、何の目的で配合されたかを項目として管理されてもよい。この場合、これらの情報の一部又は全部は、対応する好適な浸透方法(判定部332が判定する所定の浸透方法)を決定する際に利用されてもよい。
【0138】
また、上述した実施形態による情報処理システム1は、ユーザごとの化粧品登録機能を有してもよい。この場合、ユーザは、使用する化粧品を登録するだけで、登録された化粧品に基づいて、当該化粧品に対応する好適な浸透方法(判定部332が判定する所定の浸透方法)に応じた美容デバイス4の設定を自動的に実現できる。また、上述した実施形態による情報処理システム1は、ユーザに特定の1つ以上の化粧品及び/又は特定の美容デバイス4を案内や推奨する案内システムと連携されてもよい。例えば、案内システムが、一のユーザから取得される同ユーザの肌に関するアンケート情報や相談情報(例えばシミ、くすみ、しわ、たるみ、肌あれ、乾燥、テカり、毛穴、ニキビといった肌の悩みの各種項目)等に基づいて、当該一のユーザに特定の1つ以上の化粧品を提案した場合、当該一のユーザに、特定の1つ以上の化粧品を対応付けて登録してもよい。例えば、この場合、当該一のユーザによる購入情報であって、提案された特定の1つ以上の化粧品の購入情報に基づいて、当該一のユーザに、特定の1つ以上の化粧品が自動的に対応付けられる。そして、この場合、当該一のユーザは、提案された特定の1つ以上の化粧品を取得(例えば購入)するだけで、当該特定の化粧品に対応する好適な浸透方法(判定部332が判定する所定の浸透方法)に応じた美容デバイス4の設定を自動的に実現できる。
【0139】
また、このような化粧品登録機能において、一のユーザに対して複数の化粧品を登録可能であってよい。これは、ユーザによっては、美白化粧品とエイジング化粧品、保湿化粧品など、目的の違う化粧品を併用することが想定されるためである。この場合、判定部332が判定する所定の浸透方法は、同時に使用する複数の化粧品に関して最適化された方法であってもよい。これは、使用する一の化粧品が複数の成分を含む場合の所定の浸透方法の抽出方法と同様であってもよい。この際、化粧品又は成分の有効度についてもデータベース化されている場合に、有効度が高いとデータベース上登録されている化粧品又は成分に基づいて、所定の浸透方法が抽出されてもよい。
【0140】
また、上述した実施形態は、人の皮膚へ浸透可能な対象物(化粧品等)に係る浸透方法(処理方法)に関するが、浸透方法以外にも適用可能である。例えば、電気施術においては、浸透以外に電気そのものの効果がでやすい成分や相性があることがわかってきている。すなわち、浸透以外にも、単純に電気の働きかけで、肌が活性化されて、肌のハリや弾力が出る場合もある。LEDや電磁波なども対象物の浸透を促す効果よりは、細胞の活性化や血行促進、殺菌などの効果の方が有意である。具体的には、クエン酸を含む対象物は、電気が流れやすかったり、ゲル状のものよりサラサラしている溶媒の方が熱の伝わりが速かったりといった具合に、対象物に含まれる各種成分の性質によって体感や、電気刺激の伝わりも変わりうる。そこで、浸透を目的としていない有効成分以外の成分等については、その性質やテクスチャー等も考慮して、人の皮膚へ浸透方法以外の処理方法が対応付けられてもよい。この場合、例えば、電気の流れやすい成分を含む対象物に対しては、電気刺激に係る処理方法(例えば高周波筋電気刺激用の出力波形)が対応付けられ、熱の伝わりやすい成分(基剤としての成分を含む)を含む対象物に対しては、加温に係る処理方法(例えばラジオ波による加温用の出力波形)が対応付けられてもよい。
【符号の説明】
【0141】
1 :情報処理システム
2 :ユーザ端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :判定部
333 :生成部
334 :送信部
4 :美容デバイス
4a :動作部
4b :グリップ部
5 :登録開始画面
51 :説明
52 :ボタン
53 :ボタン
6 :ラベル読取結果画面
61 :読取領域
62 :読取結果
63 :ボタン
7 :登録完了画面
71 :特定結果
72 :ボタン
73 :ボタン
8 :登録開始画面
81 :説明
82 :ボタン
83 :ボタン
9 :バーコード読取結果画面
91 :読取領域
92 :読取数値
93 :ボタン
10 :判定開始画面
101 :特定結果
102 :ボタン
103 :ボタン
11 :データセット
12 :データセット
13 :視覚情報
131 :化粧品情報
132 :提案内容
C :化粧品
CN :化粧品名
I :成分
IA :作用
IC :荷電数
IE :効果効能
IN :成分名
IS :性質
IW :分子量
PD :美容デバイス情報
PD1 :名称
PD2 :機能
PS :設定方法
PS1 :方法名
PS2 :詳細
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