(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-11
(45)【発行日】2023-04-19
(54)【発明の名称】水力機械的穴あけ装置、使用方法及び穴あけプロセス
(51)【国際特許分類】
E21F 7/00 20060101AFI20230412BHJP
E21B 7/28 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
E21F7/00
E21B7/28
(21)【出願番号】P 2022510805
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2021106985
(87)【国際公開番号】W WO2022142275
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】202011643380.2
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522061811
【氏名又は名称】中煤科工集団沈陽研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】CCTEG SHENYANG RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.11,Binhe Road,Shenfu Demonstration Zone,Shenyang,Liaoning 113122,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】仇 海生
(72)【発明者】
【氏名】趙 洪瑞
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲ヤオ▼林
(72)【発明者】
【氏名】徐 成
(72)【発明者】
【氏名】王 貝
(72)【発明者】
【氏名】曲 暁明
(72)【発明者】
【氏名】石 磊
(72)【発明者】
【氏名】楊 春麗
(72)【発明者】
【氏名】李 向前
(72)【発明者】
【氏名】王 立東
(72)【発明者】
【氏名】賈 艶武
(72)【発明者】
【氏名】倪 ▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】董 全
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209195258(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111622675(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111255381(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104278952(CN,A)
【文献】特開平06-346676(JP,A)
【文献】特開2010-043404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21F 1/00-17/18
E21B 1/00-49/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水力機械的穴あけ装置であって、
切断体、移動ブロック、ピストンロッド、ピストン、シームレス鋼管、ガイド切替弁、第1シリンダ胴、第2シリンダ胴及びリターンスプリングを備え、切断体はガイドヒンジ軸、
中空円筒を備える切断体ケーシング、切断体コネクタ、並びに2組の前切断アーム及び後切断アームを備え、前記移動ブロックは切断体ケーシング内の末端に取り付けられ、移動ブロックは切断体ケーシング
の中空円筒の中心線に沿って直線に移動することができ、2組の前切断アーム及び後切断アームはそれぞれ切断体ケーシングの対向両側に位置し、移動ブロックは後切断アームの末端にヒンジで連結され、前記後切断アームの前端と前切断アームの後端はガイドヒンジ軸によりヒンジで連結され
、前記第2シリンダ胴は固定スリーブ、支持エンドカバー及び第2シリンダ胴ケーシングを備え、第2シリンダ胴ケーシングの前端は切断体ケーシングの後端に突合せ接続され、支持エンドカバーは第2シリンダ胴ケーシング内の前段に固定して取り付けられ、固定スリーブは第2シリンダ胴ケーシング内の後端に設置され、前記ピストンロッドは第2シリンダ胴ケーシング内に置かれ、ピストンロッドの末端はピストンに固定して接続され、ピストンロッドの前段は支持エンドカバーを通って移動ブロックに固定して接続され、前記シームレス鋼管はピストンロッド及び切断体の内部に挿着され、且つシームレス鋼管の前端は切断体の前端に延在し、シームレス鋼管の後端は第2シリンダ胴の後端に延在し、前記リターンスプリングはピストンロッドの外部に套設され、リターンスプリングの前段は支持エンドカバーの後端面に当接され、リターンスプリングの後端はピストンの前端面に当接され、ガイド切替弁は第1シリンダ胴内に取り付けられ、第1シリンダ胴の前端は第2シリンダ胴の末端に突合せ接続され、ガイド切替弁の2つの排水口はそれぞれシームレス鋼管の末端及びピストンの後端と空間的に連通し、
第1状態において
、外部圧力水はガイド切替弁によりシームレス鋼管に水の流れを送り出し、外部圧力水の圧力が閾値に達した後、第2状態となり、第2状態において、ガイド切替弁から送り出された圧力水はピストン、ピストンロッド及び移動ブロックを推進して前へ同期して移動させ、前切断アーム及び後切断アームをそのヒンジ連結箇所に沿って折り畳んで切断体ケーシングから突出させることを特徴とする水力機械的穴あけ装置。
【請求項2】
前記前切断アーム及び後切断アームの外表面に合金ビットが取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の水力機械的穴あけ装置。
【請求項3】
前記切断体内部のシームレス鋼管の外壁にはスラグを排出し、炭壁を弱体化し、切断アームを洗浄するためのジェットホールが開設されることを特徴とする請求項1に記載の水力機械的穴あけ装置。
【請求項4】
前記ガイド切替弁は弁スプール、スプリング、弁カバー及び弁カバー導水孔を備え、弁カバーと第1シリンダ胴との間に隙間が形成され、弁スプールは弁カバー内に位置し且つ弁カバーに沿って軸方向に摺動することができ、弁スプールに弁カバー低圧孔及び弁カバー高圧孔が設けられ、スプリングの両端はそれぞれ弁スプールの前段及び弁カバー内に当接され、弁カバー内に弁キャビティを有し、弁カバー導水孔は弁カバーの前端に位置し、第1状態において、前記弁スプールは移動せず、弁カバー高圧孔は閉じ状態にあり、弁カバー低圧孔は弁キャビティ、弁カバー導水孔を介してシームレス鋼管と連通し、第2状態において、弁スプールは軸方向に移動し、弁カバー低圧孔と弁カバー高圧孔は同時に導通し、弁カバー高圧孔は弁キャビティ、弁カバー及び第1シリンダ胴の間の隙間を通過してピストン末端の空きキャビティと連通することを特徴とする請求項1に記載の水力機械的穴あけ装置。
【請求項5】
前記ガイド切替弁は弁スプール、スプリング、弁カバー及び弁カバー導水孔を備え、弁カバーと第1シリンダ胴との間に隙間が形成され、弁スプールは弁カバー内に位置し且つ弁カバーに沿って軸方向に摺動することができ、弁スプールに弁カバー低圧孔及び弁カバー高圧孔が設けられ、スプリングの両端はそれぞれ弁スプールの前段及び弁カバー内に当接され、弁カバー内に弁キャビティを有し、弁カバー導水孔は弁カバーの前端に位置し、固定スリーブに固定スリーブ一方向弁孔が設けられ、第1状態において、前記弁スプールは移動せず、弁カバー高圧孔は閉じ状態にあり、弁カバー低圧孔は弁キャビティ、弁カバー導水孔を介してシームレス鋼管と連通し、第2状態において、弁スプールは軸方向に移動し、弁カバー低圧孔は閉じられ、弁カバー高圧孔は導通し、弁キャビティ、弁カバー及び第1シリンダ胴の間の隙間を通過してピストン末端の空きキャビティと連通し、且つ弁カバー高圧孔は固定スリーブ一方向弁孔を介してシームレス鋼管の末端と連通することを特徴とする請求項1に記載の水力機械的穴あけ装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水力機械的穴あけ装置を使用する水力機械的穴あけ装置の使用方法であって、
ステップ11において、所定寸法の合金ビットを切断体の前端に接続し、第1シリンダ胴の後端をドリルパイプに接続し、末段ドリルパイプを高圧ゴム管により除濁水ポンプ場に接続し
ステップ12において、除濁水ポンプ場を起動して注水し、水圧を切断体の開き閾値より小さく制御し、高圧ゴム管、水の末端、ドリルパイプ、ガイド切替弁、固定スリーブ、シームレス鋼管により合金ビットに注水し、更に掘削システムを利用して石炭内に施工して所定寸法でボーリングし、
ステップ13において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を所定の穴あけ位置に押し込み、掘削システムを利用して水力機械装置を駆動して回転させるとともに、除濁水ポンプ場の注水圧力を上げて切断体の開き閾値を超えさせ、合金ビットに注水してスラグを排出するとともに、高圧ゴム管、水の末端、ドリルパイプ、ガイド切替弁、固定スリーブにより第2シリンダ胴内に高圧水を注入してピストンに作用し、ピストンロッドを駆動して第2シリンダ胴に沿って軸方向に移動させ、移動ブロックを駆動して切断体ケーシングに沿って軸方向に移動させ、更に前切断アーム、後切断アームを駆動して開かせ、切断体を徐々に開かせて炭壁を回転して切断し、
ステップ14において、所定位置の穴あけを完了した後、除濁水ポンプ場の注水圧力を下げて切断体の開き閾値より小さくし、ピストンがリターンスプリングの作用によって初期位置に戻って、切断体を駆動して戻させ、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を次の所定の穴あけ位置に押し込み、上記ステップを繰り返し、炭層の複数セグメントの穴あけ・浸透率向上を完了することを特徴とする水力機械的穴あけ装置の使用方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水力機械的穴あけ装置を使用する水力機械的穴あけプロセスであって、
ステップ21において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して合金ビット及び水力機械的穴あけ装置を駆動して炭層又は岩層において所定深さまで掘削させ、
ステップ22において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より大きくし、孔底での切断体の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ23において、石炭の硬度に基づいてセグメントの穴あけ長さL1、炭柱の予約長さL2を予め設定し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔底から孔口方向へL1移動させ、切断体が後退過程において炭壁を切削し、後退式長距離穴あけ孔洞を形成し、
ステップ24において、ポンプ場の注水圧力を低圧状態に調節し、切断体をリターンスプリングの作用によって戻し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔口方向へL2移動させて次の連続穴あけ位置に到達し、
ステップ25において、ステップ22、ステップ23、ステップ24を繰り返し、後退式セグメント化長距離穴あけを完了することを特徴とする水力機械的穴あけプロセス。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水力機械的穴あけ装置を使用する水力機械的穴あけプロセスであって、
ステップ31において、炭層の埋蔵特徴に基づいてセグメントの穴あけ長さL1、炭柱の予約長さL2を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、水力機械的穴あけ装置を駆動して炭層又は岩層において孔底から孔口方向へL1移動させ、
ステップ32において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より大きくし、切断体の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ33において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔口から孔底方向へL1移動させ、切断体が前進過程において炭壁を切削し、前進式長距離穴あけ孔洞を形成し、
ステップ34において、ポンプ場の注水圧力を低圧状態に調節し、切断体をリターンスプリングの作用によって戻し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔口方向へ2L1+L2長さ移動させて次の連続穴あけ位置に到達し、
ステップ35において、ステップ32、ステップ33、ステップ34を繰り返し、前進式セグメント化長距離穴あけを完了することを特徴とする水力機械的穴あけプロセス。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水力機械的穴あけ装置を使用する水力機械的穴あけプロセスであって、
ステップ41において、炭層の埋蔵特徴に基づいて連続穴あけ長さL3を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、掘削システムを利用して合金ビット及び水力機械的穴あけ装置を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より大きくし、切断体の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ42において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔口から孔底方向へL3移動させ、切断体が前進過程において炭壁を切削し、前進式連続穴あけ孔洞を形成し、
ステップ43において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、切断アームをリターンスプリングの作用によって戻し、前進式連続長距離穴あけを完了することを特徴とする水力機械的穴あけプロセス。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水力機械的穴あけ装置を使用する水力機械的穴あけプロセスであって、
ステップ51において、炭層の埋蔵特徴に基づいて連続穴あけ長さL3を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より大きくし、切断体の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけする、
ステップ52において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔底から孔口方向へL3移動させ、切断体が後退過程において炭壁を切削し、後退式連続穴あけ孔洞を形成する、
ステップ53において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、切断体をリターンスプリングの作用によって戻し、後退式連続穴あけを完了することを特徴とする水力機械的穴あけプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炭層の浸透率向上の技術分野に属し、特に水力機械的穴あけ装置、使用方法及び穴あけプロセスである。
【背景技術】
【0002】
我が中国のほとんどの鉱区の炭層は高ガス低浸透率炭層に属し、炭質が柔らかく且つ浸透率が低く、炭層の浸透率は炭鉱ガス抜き及び利用の効率を直接決めるため、低浸透率炭層の炭層ガス抜きが困難であるという問題を解決することは、炭鉱の安全生産を確保し、炭層ガスの生産性及び利用率を高める重要な一環となっている。低浸透率炭層の浸透率を高め、炭層ガスを増産する技術及び設備の研究開発は、非常に困難で緊急の課題となっており、従って、ガス抜きが困難な炭層の坑内浸透率向上の重要な技術及び設備の研究開発は解決を急ぐ重要な課題となっている。
【0003】
炭層の機械的穴あけとは、炭層ボーリング又は炭層間ボーリングによって石炭の内部に入って、機械ビットの可変径拡孔方式を用いて大量の石炭を切断して排出し、若干の直径のより大きな洞室を形成し、石炭に一定の圧力解放・ガス排出領域を形成することを意味する。該措置は、穴あけ過程において大量の柔らかい石炭を粉砕して排出し、石炭の地核の応力を低減する役割を果たす一方、炭層に形成された洞穴によって炭層の露出面積を増加させ、且つ洞室の周囲に巨大なスリット網を形成し、ガス輸送及び抜きに広い空間を提供し、炭層の浸透率を改善し、ガス抜き効率及びガス抜き量を効果的に向上させることができる。
【0004】
水力穿孔穴あけに比べて、機械的穴あけ技術は穴あけ速度が速く、寸法が安定化し、管理しやすいという利点を有し、低浸透率炭層を圧力解放して浸透率を高める有効方式である。現在の機械的穴あけ装置技術はボーリングマシンの推力によりビットの径変更を実現する場合が多く、一部の装置は水力の作用によってビットの径変更を実現できるが、伝動構造及び切断アームの安定性が比較的低く、且つ伝動構造により制限されて孔口から孔底への一方向拡孔穴あけしか実現できず、拡孔効率が比較的低く、刃が引っ掛かりやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明に係る水力機械的穴あけ装置は上記背景で言及した問題を解決することができ、該装置は1回で孔を形成し、穴あけ寸法を管理しやすく、構造の安定性が高く、ビットが引っ掛かりにくく、切断アームを容易に取り替えることができ、効率が高いという利点を有し、且つ前進式及び後退式の2種類の穴あけニーズを同時に満たすことができる。本発明は更に該機械的穴あけ装置の使用方法及び該水力機械的穴あけ装置を用いる穴あけプロセスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明が用いる技術案は以下のとおりである。
【0007】
1番目の技術案においては、水力機械的穴あけ装置であって、切断体、移動ブロック、ピストンロッド、ピストン、シームレス鋼管、ガイド切替弁、第1シリンダ胴、第2シリンダ胴及びリターンスプリングを備え、切断体はガイドヒンジ軸、切断体ケーシング、切断体コネクタ、並びに2組の前切断アーム及び後切断アームを備え、前記移動ブロックは切断体ケーシング内の末端に取り付けられ、移動ブロックは切断体ケーシングに直線に移動することができ、2組の前切断アーム及び後切断アームはそれぞれ切断体ケーシングの対向両側に位置し、移動ブロックは後切断アームの末端にヒンジで連結され、前記後切断アームの前端と前切断アームの後端はガイドヒンジ軸によりヒンジで連結され、前切断アームの後端は切断体ケーシングの前部にヒンジで連結され、前記第2シリンダ胴は固定スリーブ、支持エンドカバー及び第2シリンダ胴ケーシングを備え、第2シリンダ胴ケーシングの前端は切断体ケーシングの後端に突合せ接続され、支持エンドカバーは第2シリンダ胴ケーシング内の前段に固定して取り付けられ、固定スリーブは第2シリンダ胴ケーシング内の後端に設置され、前記ピストンロッドは第2シリンダ胴ケーシング内に置かれ、ピストンロッドの末端はピストンに固定して接続され、ピストンロッドの前段は支持エンドカバーを通って移動ブロックに固定して接続され、前記シームレス鋼管はピストンロッド及び切断体の内部に挿着され、且つシームレス鋼管の前端は切断体の前端に延在し、シームレス鋼管の後端は第2シリンダ胴の後端に延在し、前記リターンスプリングはピストンロッドの外部に套設され、リターンスプリングの前段は支持エンドカバーの後端面に当接され、リターンスプリングの後端はピストンの前端面に当接され、ガイド切替弁は第1シリンダ胴内に取り付けられ、第1シリンダ胴の前端は第2シリンダ胴の末端に突合せ接続され、ガイド切替弁の2つの排水口はそれぞれシームレス鋼管の末端及びピストンの後端と空間的に連通し、
第1状態において、前記外部圧力水はガイド切替弁によりシームレス鋼管に水の流れを送り出し、外部圧力水の圧力が閾値に達した後、第2状態となり、第2状態において、ガイド切替弁から送り出された圧力水はピストン、ピストンロッド及び移動ブロックを推進して前へ同期して移動させ、前切断アーム及び後切断アームをそのヒンジ連結箇所に沿って折り畳んで切断体ケーシングから突出させる。
【0008】
1番目の技術案においては、好ましくは、前記前切断アーム及び後切断アームの外表面に合金ビットが取り付けられる。
【0009】
1番目の技術案においては、好ましくは、前記切断体内部のシームレス鋼管の外壁にはスラグを排出し、炭壁を弱体化し、切断アームを洗浄するためのジェットホールが開設される。
【0010】
1番目の技術案においては、好ましくは、前記ガイド切替弁は弁スプール、スプリング、弁カバー及び弁カバー導水孔を備え、弁カバーと第1シリンダ胴との間に隙間が形成され、弁スプールは弁カバー内に位置し且つ弁カバーに沿って軸方向に摺動することができ、弁スプールに弁カバー低圧孔及び弁カバー高圧孔が設けられ、スプリングの両端はそれぞれ弁スプールの前段及び弁カバー内に当接され、弁カバー内に弁キャビティを有し、弁カバー導水孔は弁カバーの前端に位置し、第1状態において、前記弁スプールは移動せず、弁カバー高圧孔は閉じ状態にあり、弁カバー低圧孔は弁キャビティ、弁カバー導水孔を介してシームレス鋼管と連通し、第2状態において、弁スプールは軸方向に移動し、弁カバー低圧孔と弁カバー高圧孔は同時に導通し、弁カバー高圧孔は弁キャビティ、弁カバー及び第1シリンダ胴の間の隙間を通過してピストン末端の空きキャビティと連通する。
【0011】
1番目の技術案においては、好ましくは、前記ガイド切替弁は弁スプール、スプリング、弁カバー及び弁カバー導水孔を備え、弁カバーと第1シリンダ胴との間に隙間が形成され、弁スプールは弁カバー内に位置し且つ弁カバーに沿って軸方向に摺動することができ、弁スプールに弁カバー低圧孔及び弁カバー高圧孔が設けられ、スプリングの両端はそれぞれ弁スプールの前段及び弁カバー内に当接され、弁カバー内に弁キャビティを有し、弁カバー導水孔は弁カバーの前端に位置し、固定スリーブに固定スリーブ一方向弁孔が設けられ、第1状態において、前記弁スプールは移動せず、弁カバー高圧孔は閉じ状態にあり、弁カバー低圧孔は弁キャビティ、弁カバー導水孔を介してシームレス鋼管と連通し、第2状態において、弁スプールは軸方向に移動し、弁カバー低圧孔は閉じられ、弁カバー高圧孔は導通し、弁キャビティ、弁カバー及び第1シリンダ胴の間の隙間を通過してピストン末端の空きキャビティと連通し、且つ弁カバー高圧孔は固定スリーブ一方向弁孔を介してシームレス鋼管の末端と連通する。
【0012】
2番目の技術案においては、水力機械的穴あけ装置の使用方法であって、1番目の技術案における水力機械的穴あけ装置を使用し、
ステップ11において、所定寸法の合金ビットを切断体の前端に接続し、第1シリンダ胴の後端をドリルパイプに接続し、末段ドリルパイプを高圧ゴム管により除濁水ポンプ場に接続し、
ステップ12において、除濁水ポンプ場を起動して注水し、水圧を切断体の開き閾値より小さく制御し、高圧ゴム管、水の末端、ドリルパイプ、ガイド切替弁、固定スリーブ、シームレス鋼管により合金ビットに注水し、更に掘削システムを利用して石炭内に施工して所定寸法でボーリングし、
ステップ13において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を所定の穴あけ位置に押し込み、掘削システムを利用して水力機械装置を駆動して回転させるとともに、除濁水ポンプ場の注水圧力を上げて切断体の開き閾値を超えさせ、合金ビットに注水してスラグを排出するとともに、高圧ゴム管、水の末端、ドリルパイプ、ガイド切替弁、固定スリーブにより第2シリンダ胴内に高圧水を注入してピストンに作用し、ピストンロッドを駆動して第2シリンダ胴に沿って軸方向に移動させ、移動ブロックを駆動して切断体ケーシングに沿って軸方向に移動させ、更に前切断アーム、後切断アームを駆動して開かせ、切断体を徐々に開かせて炭壁を回転して切断し、
ステップ14において、所定位置の穴あけを完了した後、除濁水ポンプ場の注水圧力を下げて切断体の開き閾値より小さくし、ピストンがリターンスプリングの作用によって初期位置に戻って、切断体を駆動して戻させ、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を次の所定の穴あけ位置に押し込み、上記ステップを繰り返し、炭層の複数セグメントの穴あけ・浸透率向上を完了する。
【0013】
3番目の技術案においては、水力機械的穴あけプロセスであって、1番目の技術案における水力機械的穴あけ装置を使用し、
ステップ21において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して合金ビット及び水力機械的穴あけ装置を駆動して炭層又は岩層において所定深さまで掘削させる、
ステップ22において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より大きくし、孔底での切断体の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ23において、石炭の硬度に基づいてセグメントの穴あけ長さL1、炭柱の予約長さL2を予め設定し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔底から孔口方向へL1移動させ、切断体が後退過程において炭壁を切削し、後退式長距離穴あけ孔洞を形成し、
ステップ24において、ポンプ場の注水圧力を低圧状態に調節し、切断体をリターンスプリングの作用によって戻し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔口方向へL2移動させて次の連続穴あけ位置に到達し、
ステップ25において、ステップ22、ステップ23、ステップ24を繰り返し、後退式セグメント化長距離穴あけを完了する。
【0014】
4番目の技術案においては、水力機械的穴あけプロセスであって、1番目の技術案における水力機械的穴あけ装置を使用し、
ステップ31において、炭層の埋蔵特徴に基づいてセグメントの穴あけ長さL1、炭柱の予約長さL2を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、水力機械的穴あけ装置を駆動して炭層又は岩層において孔底から孔口方向へL1移動させ、
ステップ32において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より大きくし、切断体の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ33において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔口から孔底方向へL1移動させ、切断体が前進過程において炭壁を切削し、前進式長距離穴あけ孔洞を形成し、
ステップ34において、ポンプ場の注水圧力を低圧状態に調節し、切断体をリターンスプリングの作用によって戻し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔口方向へ2L1+L2長さ移動させて次の連続穴あけ位置に到達し、
ステップ35において、ステップ32、ステップ33、ステップ34を繰り返し、前進式セグメント化長距離穴あけを完了する。
【0015】
5番目の技術案においては、水力機械的穴あけプロセスであって、1番目の技術案における水力機械的穴あけ装置を使用し、
ステップ41において、炭層の埋蔵特徴に基づいて連続穴あけ長さL3を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、掘削システムを利用して合金ビット及び水力機械的穴あけ装置を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より大きくし、切断体の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ42において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔口から孔底方向へL3移動させ、切断体が前進過程において炭壁を切削し、前進式連続穴あけ孔洞を形成し、
ステップ43において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、切断体をリターンスプリングの作用によって戻し、前進式連続長距離穴あけを完了する。
【0016】
6番目の技術案においては、水力機械的穴あけプロセスであって、1番目の技術案における水力機械的穴あけ装置を使用し、
ステップ51において、炭層の埋蔵特徴に基づいて連続穴あけ長さL3を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より大きくし、切断体の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ52において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置を駆動して孔底から孔口方向へL3移動させ、切断体が後退過程において炭壁を切削し、後退式連続穴あけ孔洞を形成し、
ステップ53において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置の切断体の開き閾値より小さくし、切断体をリターンスプリングの作用によって戻し、後退式連続穴あけを完了する。
【発明の効果】
【0017】
本発明を用いる有益な効果は以下のとおりである。
【0018】
従来技術に比べて、本発明は高圧水を動力源とし、ガイド弁制御及びピストン伝動の方式を用いて、ヒンジ連結構造の機械切断体をボアホールの所定位置で広げ、1回で孔を形成し、連続して穴あけし、ボアホールの内部で複数セグメントの大直径孔洞を形成することが実現され、従来の水力穿孔技術に比べて、穴あけ半径が大きく、寸法が安定化し、穴あけ速度が速いという利点を有し、従来の機械的穴あけに比べて、構造的強度が大きく、前進式及び後退式の2種類の連続又はセグメント化穴あけニーズを同時に満たすことができ、穴あけ効率が高く、切断アームを容易に取り外して取り替えることができるという利点を有する。ボアホールの浸透率向上・圧力解放範囲を広げ、人工作業負荷を低減し、ドリルの機械的損失を低減するのであり、鉱坑ガスの管理レベルを向上させ、炭鉱の安全生産を確保することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明に係る水力機械的穴あけ装置の構造模式図である。
【
図2】
図2は本発明に係る水力機械的穴あけ装置の切断体の構造模式図である。
【
図3】
図3は本発明に係る第1種類のガイド弁本体の構造模式図である。
【
図4】
図4は本発明に係る第2種類のガイド弁本体の構造模式図である。
【
図5】
図5は本発明に係る水力機械後退式セグメント化長距離穴あけプロセスの模式図である。
【
図6】
図6は本発明に係る水力機械前進式セグメント化長距離穴あけプロセスの模式図である。
【
図7】
図7は本発明に係る水力機械前進式連続穴あけプロセスの模式図である。
【
図8】
図8は本発明に係る水力機械後退式連続穴あけプロセスの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本技術案の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に具体的な実施形態を参照しながら本技術案を更に詳しく説明する。これらの説明は例示的なものに過ぎず、本技術案の範囲を制限するものではないと理解されるべきである。
【0021】
実施例1
図1~
図4に示すように、本実施例に係る水力機械的穴あけ装置101は、切断体1、移動ブロック2、ピストンロッド3、ピストン4、シームレス鋼管5、ガイド切替弁6、第1シリンダ胴7、第2シリンダ胴8及びリターンスプリング9を備え、切断体1は2つの前切断アーム11、2つの後切断アーム12、ガイドヒンジ軸13、切断体ケーシング14、切断体コネクタ15を備え、移動ブロック2は切断体ケーシング14内の末端に取り付けられ、移動ブロック2は切断体ケーシング14に直線に移動することができ、移動ブロック2は後切断アーム12の末端にヒンジで連結され、後切断アーム12の前端と前切断アーム11の後端はガイドヒンジ軸13によりヒンジで連結され、前切断アーム11の後端は切断体ケーシング14の前部にヒンジで連結され、第2シリンダ胴8は固定スリーブ81、支持エンドカバー82及び第2シリンダ胴ケーシング83を備え、第2シリンダ胴ケーシング83の前端は切断体ケーシング14の後端に突合せ接続され、支持エンドカバー82は第2シリンダ胴ケーシング83内の前段に固定して取り付けられ、固定スリーブ81は第2シリンダ胴ケーシング83内の後端に設置され、ピストンロッド3は第2シリンダ胴ケーシング83内に置かれ、ピストンロッド3の末端はピストン4に固定して接続され、ピストンロッド3の前段は支持エンドカバー82を通って移動ブロック2に固定して接続され、シームレス鋼管5はピストンロッド3及び切断体1の内部に挿着され、且つシームレス鋼管5の前端は切断体1の前端に延在し、シームレス鋼管5の後端は第2シリンダ胴8の後端に延在し、リターンスプリング9はピストンロッド3の外部に套設され、リターンスプリング9の前段は支持エンドカバー82の後端面に当接され、リターンスプリング9の後端はピストン4の前端面に当接され、ガイド切替弁6は第1シリンダ胴7内に取り付けられ、第1シリンダ胴7の前端は第2シリンダ胴8の末端に突合せ接続され、ガイド切替弁6の2つの排水口はそれぞれシームレス鋼管5の末端及びピストン4の後端と空間的に連通し、第1状態(低圧状態)において、外部圧力水はガイド切替弁6によりシームレス鋼管5に水の流れを送り出し、外部圧力水の圧力が閾値に達した後、第2状態(高圧状態)となり、第2状態において、ガイド切替弁6から送り出された圧力水はピストン4、ピストンロッド3及び移動ブロック2を推進して前へ同期して移動させ、前切断アーム11及び後切断アーム12をそのヒンジ連結箇所に沿って折り畳んで切断体ケーシング14から突出させ、
図5に示される。
【0022】
具体的には、ガイド切替弁6の低圧出口とシームレス鋼管5は固定スリーブ81により連通し、シームレス鋼管5は一端が固定スリーブ81にねじ固定され、他端が固定エンドカバー16により切断体1の中央に固定され、ガイド切替弁6の弁カバー高圧孔68は固定スリーブ81により第2シリンダ胴8と連通し、固定スリーブ81は第2シリンダ胴ケーシング83に密封固定され、前記ピストン4は第2シリンダ胴8内に位置し、且つ第2シリンダ胴8の内壁に沿って摺動することができ、前記ピストンロッド3は一端がピストン4に固定して接続され、且つ第2シリンダ胴8に貫通し、リターンスプリング9に貫通し、支持エンドカバー82を密封貫通し、他端が移動ブロック2にベアリング接続され、前記移動ブロック2は後切断アーム12の末端にヒンジで連結され、前記後切断アーム12の前端と前切断アーム11の後端はガイドヒンジ軸13によりヒンジで連結され、前切断アーム11の後端は切断体ケーシング14にヒンジで連結され、前記第1シリンダ胴7は第2シリンダ胴8に固定して接続され、第2シリンダ胴8は切断体1に固定して接続され、第1シリンダ胴7の末端はテーパー継手71によりドリルパイプに接続される。
【0023】
本実施例では、ピストンロッド3は中空ロッドであり、シームレス鋼管5の外径はピストンロッド3の内径よりやや小さく、シームレス鋼管5は移動ブロック2、切断体1の中央を貫通し、シームレス鋼管5は一端が固定スリーブ81にねじ密封固定され、他端が切断体1の前端部に固定して接続される。
【0024】
移動ブロック2は切断体ケーシング14の内壁に沿って軸方向に移動することができ、切断体コネクタ15はビットにねじ接続され、リターンスプリング9は第2シリンダ胴8の内部に位置し、その両端がそれぞれピストン4及び支持エンドカバー82に作用し、前切断アーム11及び後切断アーム12の外表面は合金ビットを補強することができ、切断体1の内部に位置するシームレス鋼管5の外壁の一部には、スラグを排出し、炭壁を弱体化し、切断体1を洗浄するためのジェットホールが開設される。
【0025】
図3に示すように、ガイド切替弁6は弁スプール62、スプリング64、弁カバー66及び弁カバー導水孔69を備え、弁カバー66と第1シリンダ胴7との間に隙間が形成され、弁スプール62は弁カバー66内に位置し且つ弁カバー66に沿って軸方向に摺動することができ、弁スプール62に弁カバー低圧孔67及び弁カバー高圧孔68が設けられ、スプリング64の両端はそれぞれ弁スプール62の前段及び弁カバー66内に当接され、弁カバー66内に弁キャビティ61を有し、弁カバー導水孔69は弁カバー66の前端に位置し、第1状態において、弁スプール62は移動せず、弁カバー高圧孔68は閉じ状態にあり、弁カバー低圧孔67は弁キャビティ61、弁カバー導水孔69によりシームレス鋼管5と連通し、第2状態において、弁スプール62は軸方向に移動し、弁カバー低圧孔67と弁カバー高圧孔68は同時に導通し、弁カバー高圧孔68は弁キャビティ61、弁カバー66及び第1シリンダ胴7の間の隙間を通過してピストン4末端の空きキャビティと連通する。
【0026】
図4に示すように、ガイド切替弁6は弁スプール62、サークリップ63、スプリング64、プラグ65、弁カバー66及び弁カバー導水孔69を備え、弁カバー66と第1シリンダ胴7との間に隙間が形成され、弁スプール62は弁カバー66内に位置し且つ弁カバー66に沿って軸方向に摺動することができ、弁スプール62に弁カバー低圧孔67及び弁カバー高圧孔68が設けられ、スプリング64の両端はそれぞれ弁スプール62の前段及び弁カバー66内に当接され、弁カバー66内に弁キャビティ61を有し、弁カバー導水孔69は弁カバー66の前端に位置し、固定スリーブ81に固定スリーブ一方向弁孔84が設けられ、第1状態において、弁スプール62は移動せず、弁カバー高圧孔68は閉じ状態にあり、弁カバー低圧孔67は弁キャビティ61、弁カバー導水孔69によりシームレス鋼管5と連通し、第2状態において、弁スプール62は軸方向に移動し、弁カバー低圧孔67は閉じられ、弁カバー高圧孔68は導通し、弁キャビティ61、弁カバー66及び第1シリンダ胴7の間の隙間を通過してピストン4末端の空きキャビティと連通し、且つ弁カバー高圧孔68は固定スリーブ一方向弁孔84を介してシームレス鋼管5の末端と連通する。サークリップ63は弁スプール62の末端に取り付けられ、それにより弁スプール62が後へ移動し過ぎないように制限し、プラグ65は弁スプール内の空きキャビティの前端に取り付けられ、圧力水がスプリング64に入ることを回避する。
【0027】
実施例2
2番目の技術案においては、水力機械的穴あけ装置の使用方法であって、実施例1における水力機械的穴あけ装置101を使用し、
ステップ11において、所定寸法の合金ビットを切断体1の前端に接続し、第1シリンダ胴7の後端をドリルパイプに接続し、末段ドリルパイプを高圧ゴム管により除濁水ポンプ場に接続し、
ステップ12において、除濁水ポンプ場を起動して注水し、水圧を切断体1の開き閾値より小さく制御し、高圧ゴム管、水の末端、ドリルパイプ、ガイド切替弁6、固定スリーブ81、シームレス鋼管5により合金ビットに注水し、更に掘削システムを利用して石炭内に施工して所定寸法でボーリングし、
ステップ13において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を所定の穴あけ位置に押し込み、掘削システムを利用して水力機械装置を駆動して回転させるとともに、除濁水ポンプ場の注水圧力を上げて切断体1の開き閾値を超えさせ、合金ビットに注水してスラグを排出するとともに、高圧ゴム管、水の末端、ドリルパイプ、ガイド切替弁6、固定スリーブ81により第2シリンダ胴8内に高圧水を注入してピストン4に作用し、ピストンロッド3を駆動して第2シリンダ胴8に沿って軸方向に移動させ、移動ブロック2を駆動して切断体ケーシング14に沿って軸方向に移動させ、更に前切断アーム11、後切断アーム12を駆動して開かせ、切断体1を徐々に開かせて炭壁を回転して切断し、
ステップ14において、所定位置の穴あけを完了した後、除濁水ポンプ場の注水圧力を下げて切断体1の開き閾値より小さくし、ピストン4がリターンスプリング9の作用によって初期位置に戻って、切断体1を駆動して戻させ、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を次の所定の穴あけ位置に押し込み、上記ステップを繰り返し、炭層の複数セグメントの穴あけ・浸透率向上を完了する。
【0028】
実施例3
図5に示すように、3番目の技術案においては、水力機械的穴あけプロセスであって、実施例1における水力機械的穴あけ装置101を使用し、
ステップ21において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して合金ビット及び水力機械的穴あけ装置101を駆動して炭層又は岩層において所定深さまで掘削させ、
ステップ22において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より大きくし、孔底での切断体1の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ23において、石炭の硬度に基づいてセグメントの穴あけ長さL1、炭柱102の予約長さL2を予め設定し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して孔底から孔口方向へL1移動させ、切断体1が後退過程において炭壁を切削し、後退式長距離穴あけ孔洞103を形成し、
ステップ24において、ポンプ場の注水圧力を低圧状態に調節し、切断体1をリターンスプリング9の作用によって戻し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して孔口方向へL2移動して次の連続穴あけ位置に到達し、
ステップ25において、ステップ22、ステップ23、ステップ24を繰り返し、後退式セグメント化長距離穴あけを完了する。
【0029】
実施例4
図6に示すように、4番目の技術案においては、水力機械的穴あけプロセスであって、実施例1における水力機械的穴あけ装置101を使用し、
ステップ31において、炭層の埋蔵特徴に基づいてセグメントの穴あけ長さL1、炭柱102の予約長さL2を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、水力機械的穴あけ装置101を駆動して炭層又は岩層において孔底から孔口方向へL1移動させ、
ステップ32において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より大きくし、切断体1の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ33において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して孔口から孔底方向へL1移動させ、切断体1が前進過程において炭壁を切削し、前進式長距離穴あけ孔洞104を形成し、
ステップ34において、ポンプ場の注水圧力を低圧状態に調節し、切断体1をリターンスプリング9の作用によって戻し、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して孔口方向へ2L1+L2長さ移動させて次の連続穴あけ位置に到達し、
ステップ35において、ステップ32、ステップ33、ステップ34を繰り返し、前進式セグメント化長距離穴あけを完了する。
【0030】
実施例5
図7に示すように、5番目の技術案においては、水力機械的穴あけプロセスであって、実施例1における水力機械的穴あけ装置101を使用し、
ステップ41において、炭層の埋蔵特徴に基づいて連続穴あけ長さL3を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、掘削システムを利用して合金ビット及び水力機械的穴あけ装置101を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より大きくし、切断体1の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ42において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して孔口から孔底方向へL3移動させ、切断体1が前進過程において炭壁を切削し、前進式連続穴あけ孔洞105を形成し、
ステップ43において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より小さくし、切断体1をリターンスプリング9の作用によって戻し、前進式連続長距離穴あけを完了する。
【0031】
実施例6
図8に示すように、水力機械的穴あけプロセスであって、実施例1における水力機械的穴あけ装置101を使用し、
ステップ51において、炭層の埋蔵特徴に基づいて連続穴あけ長さL3を予め設定し、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より小さくし、掘削システムを利用して所定深さまで掘削した後、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して回転させ、ポンプ場の注水圧力を徐々に上げて、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より大きくし、切断体1の広げを実現し、且つ炭壁を切削して穴あけし、
ステップ52において、掘削システムを利用して水力機械的穴あけ装置101を駆動して孔底から孔口方向へL3移動させ、切断体1が後退過程において炭壁を切削し、後退式連続穴あけ孔洞106を形成し、
ステップ53において、ポンプ場の注水圧力を調節し、水圧を水力機械的穴あけ装置101の切断体1の開き閾値より小さくし、切断体1をリターンスプリング9の作用によって戻し、後退式連続穴あけを完了する。
【0032】
以上の内容は本発明の好適な実施例に過ぎず、当業者であれば、本技術内容の思想に基づいて具体的な実施形態及び適用範囲に対して種々の変更を行うことができ、これらの変更は本発明の構想から逸脱しない限り、いずれも本特許の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0033】
1、切断体;
2、移動ブロック;
3、ピストンロッド;
4、ピストン;
5、シームレス鋼管;
6、ガイド切替弁;
7、第1シリンダ胴;
71、テーパー継手;
8、第2シリンダ胴;
9、リターンスプリング;
11、前切断アーム;
12、後切断アーム;
13、ガイドヒンジ軸;
14、切断体ケーシング;
15、切断体コネクタ;
16、固定エンドカバー;
61、弁キャビティ;
62、弁スプール;
63、サークリップ;
64、スプリング;
65、プラグ;
66、弁カバー;
67、弁カバー低圧孔;
68、弁カバー高圧孔;
69、弁カバー導水孔;
81、固定スリーブ;
82、支持エンドカバー;
83、第2シリンダ胴ケーシング;
84、固定スリーブ一方向弁孔;
101、水力機械的穴あけ装置;
102、炭柱;
103、後退式長距離穴あけ孔洞;
104、前進式長距離穴あけ孔洞;
105、前進式連続穴あけ孔洞;
106、後退式連続穴あけ孔洞。