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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】折り畳み可能なコンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20230413BHJP
   B65D 6/26 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
B65D6/18 C
B65D6/26 D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021506519
(86)(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CN2019099794
(87)【国際公開番号】W WO2020030045
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201810894182.X
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海箱箱智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HOREN CORTP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】28th Floor, Building A, NO.1520 Gumei Road, Caohejing High-Tech Park, Xuhui District, Shanghai, 200233, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】簡 園力
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-040129(JP,U)
【文献】特表2003-518471(JP,A)
【文献】特開2006-051966(JP,A)
【文献】中国実用新案第201284040(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
B65D 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、2対の対向する側板とを有し、前記側板は、前記ベースにヒンジ結合され、隣接する側板同士は、噛合構造により順次互いに噛合されることができ、ロック機構により順次互いにロックされて箱体を形成することができる折り畳み可能なコンテナであって、少なくとも一つの側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に、前記ベースに対して箱体の内側に反転可能であるとともに、前記ベースに対して箱体の外側に反転可能に設けられ、
前記ロック機構は、一つの側板の天部に設けられたハンドルと、リンクロッドと、ロックボルトと、隣接する側板に設けられたロック孔とを含み、前記ハンドルは前記リンクロッドに連結され、前記ロックボルトの運動を駆動するように前記リンクロッドは前記ロックボルトに繋がることによって、前記ロックボルトが前記ロック孔に出入りし、
前記ロック機構は、前記側板の内に間隔をおいて設けられた複数の前記ロックボルトを有し、前記リンクロッドは、互いに間隔をおいて設けられた複数の駆動ピンを備え、各前記駆動ピンは、前記ロックボルトの運動を駆動するように対応する前記一つのロックボルトに嵌合することを特徴とする折り畳み可能なコンテナ。
【請求項2】
前記噛合構造は、一つの側板に設けられた第1の噛合構造と、隣接する側板に設けられた第2の噛合構造とを含み、前記第1の噛合構造と前記第2の噛合構造とが互いに噛合可能に設けられ、且つ前記第1の噛合構造は、前記第2の噛合構造との噛合を解除するように箱体の内側に移動可能であるとともに、前記第2の噛合構造との噛合を解除するように箱体の外側に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項3】
少なくとも一つの側板の底部にヒンジピンが設けられ、前記ベースの外縁に対応するヒンジ部が設けられ、前記ヒンジ部に前記ヒンジ部に対して回動可能な前記ヒンジピンが設けられ、前記ヒンジ部は、前記ヒンジピンが設けられた側板と隣接する側板との噛合が解除された後、前記ヒンジピンが設けられた側板が前記ベースから取り外されることができるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項4】
前記ヒンジ部は、上方に向かって開口する開口部と、前記開口部の両側に位置する上方に向かって開口するヒンジ溝とを有することを特徴とする請求項3に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項5】
前記2対の対向する側板のうちの1対の対向する側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に、前記ベースに対して前記箱体の内側にのみ反転可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項6】
前記2対の対向する側板のうちの1対の対向する側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に、前記ベースに対して箱体の内側に反転可能であると同時に、前記ベースに対して箱体の外側にも反転可能に設けられ、他の一対の対向する側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に前記ベースに対して前記箱体の内側にのみ反転可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項7】
前記2対の対向する側板のうちの少なくとも一つの側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に前記ベースから離脱可能に設けられ、前記2対の対向する側板のうちの残りの側板は、隣接する側板とのロックが解除された後も前記ベースに連結されたままにするように設置されることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項8】
前記ロックボルトには駆動溝が設けられ、前記駆動溝には前記駆動ピンが配置され、前記駆動溝の形状は、前記リンクロッドが上下移動する際に、前記駆動ピンが前記駆動溝に嵌合して前記ロックボルトが前記ロック孔に出入りする伸縮運動を駆動するように設置されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項9】
前記ハンドルには回転軸と駆動孔が設けられ、前記側板にはハンドル取付孔が設けられ、前記リンクロッドにはハンガーピンが設けられ、前記回転軸は前記ハンドル取付孔に回動可能に取り付けられ、前記ハンガーピンは前記駆動孔に可動に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項10】
前記ハンドルにはさらに位置決め突起が設けられ、前記側板にはハンドル位置決め溝が設けられ、前記位置決め突起は前記ハンドルを所定の角度に保持するように前記ハンドル位置決め溝に嵌合することを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項11】
前記ハンドルには更にハンガー溝が設けられ、ハンドルが設けられた側板に隣接する側板にはハンガー台が設けられ、前記ロック機構がロック状態にあるときに前記ハンドルにおける前記ハンガー溝の内外壁が前記ハンガー台に密着するように前記ハンガー溝は前記ハンガー台に嵌合することを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項12】
ベースと、2対の対向する側板とを備え、前記側板は、前記ベースにヒンジ結合され、隣接する側板同士が噛合構造により互いに噛合可能であり、かつロック機構により互いにロックして箱体を形成することができる折り畳み可能なコンテナであって、
前記噛合構造は、一つの側板に設けられた第1の噛合構造と、隣接する側板に設けられた第2の噛合構造とを含み、前記第1の噛合構造と前記第2の噛合構造とが互いに噛合可能に設けられ、且つ前記第1の噛合構造は、前記第2の噛合構造との噛合を解除するように箱体の内側に移動可能であるとともに、前記第2の噛合構造との噛合を解除するように箱体の外側に移動可能であり、
少なくとも一つの側板の底部にヒンジピンが設けられ、前記ベースの外縁に対応するヒンジ部が設けられ、前記ヒンジ部に前記ヒンジ部に対して回動可能な前記ヒンジピンが設けられ、前記ヒンジ部は、前記ヒンジピンが設けられた側板と隣接する側板との噛合が解除された後、前記ヒンジピンが設けられた側板がベースから取り外されることができるように設置され、
前記ロック機構は、一つの側板の天部に設けられたハンドルと、リンクロッドと、ロックボルトと、隣接する側板に設けられたロック孔とを含み、前記ハンドルは前記リンクロッドに連結され、前記ロックボルトの運動を駆動するように前記リンクロッドは前記ロックボルトに繋がることによって、前記ロックボルトが前記ロック孔に出入りし、
前記ロック機構は、前記側板の内に間隔をおいて設けられた複数のロックボルトを有し、前記リンクロッドは、互いに間隔をおいて設けられた複数の駆動ピンを備え、各前記駆動ピンは、前記ロックボルトの運動を駆動するように、対応する一つのロックボルトに嵌合することを特徴とする折り畳み可能なコンテナ。
【請求項13】
前記ロックボルトには駆動溝が設けられ、前記駆動溝には前記駆動ピンが配置され、前記駆動溝の形状は、前記リンクロッドが上下移動する際に、前記駆動ピンが前記駆動溝に嵌合して前記ロックボルトが前記ロック孔に出入りする伸縮運動を駆動するように設置されていることを特徴とする請求項12に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項14】
前記ハンドルには回転軸と駆動孔が設けられ、前記側板にはハンドル取付孔が設けられ、前記リンクロッドにはハンガーピンが設けられ、前記回転軸は前記ハンドル取付孔に回動可能に取り付けられ、前記ハンガーピンは前記駆動孔に可動に連結されていることを特徴とする請求項12に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【請求項15】
前記ハンドルには更にハンガー溝が設けられ、ハンドルが設けられた側板に隣接する側板にはハンガー台が設けられ、前記ロック機構がロック状態にあるときに前記ハンドルにおける前記ハンガー溝の内外壁が前記ハンガー台に密着するように前記ハンガー溝は前記ハンガー台に嵌合することを特徴とする請求項12に記載の折り畳み可能なコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は2018年08月08日に提出された、出願番号201810894182X、発明名称が「折り畳み可能なコンテナ」である中国特許出願の優先権を主張しており、上記出願の全文は引用により本文に含まれる。
【0002】
本発明は、物流輸送器具に関し、具体的には容器に関する。
【背景技術】
【0003】
折り畳み可能な容器、特にプラスチック類の折り畳み可能な容器は、その核心的な特徴は不活動期間に折り畳み可能に保管することであり、空箱で倉庫に蓄える空間を大幅に減らし、復路輸送のコストパフォーマンスを高めたので、次第に市場の既存の一体箱、IBC タンク(IBC Tank)などに取って代わっている。これらの箱は一般的にベースと、2対の対向して配置された側板とからなり、使用者がコンテナから貨物を取り出したり、コンテナ内に貨物を入れたりするのを容易にするために、側板には外方に開くことができる小さなドアが設けられてもいい。
【0004】
これらの小ドアの高さは一般的に側板の高さの半分以下であり、中型複合型バルクコンテナ(従来のIBCの高さは500~1300mmである)の小ドアの高さは一般的に400mm以下に設計されており、一部の軽投げ貨物の手作業による積み下ろしに対する要求を満足できる。しかし、一部の体積が比較的大きく、重量が比較的重い貨物は、小さいサイズのドアは積卸しの面で便利ではない。
【0005】
既存の折り畳み可能なコンテナは、側板を内側に回転させてから折り畳むものであり、箱体を展開して使用する際には、内部の貨物から側板への衝撃力によりよく抵抗する強みを持ち、外部からの衝撃には抵抗する能力がやや弱く、貨物を積み下ろしする際には側板を取り外したり折り畳んだりすることができない。そのため、現在の市場では大型、重い貨物の積み下ろしに便利な箱が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は少なくとも一つの側板を箱体の内外側に反転させることができる折り畳み可能なコンテナを提供することである。
【0007】
上記目的を実現するために、本発明は、ベースと、2対の対向する側板とを有し、前記側板は、前記ベースにヒンジ結合され、隣接する側板同士は、噛合構造により順次互いに噛合されることができ、ロック機構により順次互いにロックして箱体を形成することができ、少なくとも一つの側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に、前記ベースに対して箱体の内側に反転可能であるとともに、前記ベースに対して箱体の外側に反転可能に設けられている折り畳み可能なコンテナを提供する。
【0008】
一実施例では、前記噛合構造は、一つの側板に設けられた第1の噛合構造と、隣接する側板に設けられた第2の噛合構造とを含み、前記第1の噛合構造と前記第2の噛合構造とが互いに噛合可能に設けられ、且つ前記第1の噛合構造は、前記第2の噛合構造との噛合を解除するように箱体の内側に移動可能であるとともに、前記第2の噛合構造との噛合を解除するように箱体の外側に移動可能である。
【0009】
一実施例では、少なくとも一つの側板の底部にヒンジピンが設けられ、前記ベースの外縁に対応するヒンジ部が設けられ、前記ヒンジ部に前記ヒンジ部に対して回動可能な前記ヒンジピンが設けられ、前記ヒンジ部は、前記ヒンジピンが設けられた側板と隣接する側板との噛合が解除された後、前記ヒンジピンが設けられた側板が前記ベースから取り外されるよう設けられる。
【0010】
一実施例では、前記ヒンジ部は、上方に向かって開口する開口部と、前記開口部の両側に位置する上方に向かって開口するヒンジ溝とを有する。
【0011】
一実施例では、前記2対の対向する側板のうちの1対の対向する側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に、前記ベースに対して前記箱体の内側にのみ反転可能に設けられている。
【0012】
一実施例では、前記2対の対向する側板のうちの1対の対向する側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に、前記ベースに対して箱体の内側に反転可能であると同時に、前記ベースに対して箱体の外側にも反転可能に設けられ、他の一対の対向する側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に前記ベースに対して箱体の内側にのみ反転可能に設けられている。
【0013】
一実施例では、前記2対の対向する側板の少なくとも一つの側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に前記ベースから離脱可能に設けられ、前記2対の対向する側板の残りの側板は、隣接する側板とのロックが解除された後も前記ベースに連結されたままにするように設置される。
【0014】
一実施例では、前記ロック機構は、一つの側板の天部に設けられたハンドルと、リンクロッドと、ロックボルトと、隣接する側板に設けられたロック孔とを含み、前記ハンドルは前記リンクロッドに連結され、前記ロックボルトの運動を駆動するように、前記リンクロッドは前記ロックボルトに繋がることによって、前記ロックボルトが前記ロック孔に出入りする。好ましくは、前記リンクロッドは前記側板の内に取り付けられる。
【0015】
一実施例では、前記ロック機構は、前記側板の内に間隔をおいて設けられた複数のロックボルトを有し、前記リンクロッドは、互いに間隔をおいて設けられた複数の駆動ピンを備え、各前記駆動ピンは、前記ロックボルトの運動を駆動するように、対応する一つのロックボルトに嵌合する。
【0016】
一実施例では、前記ロックボルトには駆動溝が設けられ、前記駆動溝には前記駆動ピンが配置され、前記駆動溝の形状は、前記リンクロッドが上下移動する際に、前記駆動ピンが前記駆動溝に嵌合して前記ロックボルトの伸縮運動を駆動するように設置されている。
【0017】
一実施例では、前記ハンドルには回転軸と駆動孔が設けられ、前記側板にはハンドル取付孔が設けられ、前記リンクロッドにはハンガーピンが設けられ、前記回転軸は前記ハンドル取付孔に回動可能に取り付けられ、前記ハンガーピンは前記駆動孔に可動に連結されている。
【0018】
一実施例では、前記ハンドルにはさらに位置決め突起が設けられ、前記側板にはハンドル位置決め溝が設けられ、前記位置決め突起は、前記ハンドルを所定の角度に保持するように前記ハンドル位置決め溝に嵌合する。
【0019】
一実施例では、前記ハンドルには更にハンガー溝が設けられ、ハンドルが設けられた側板に隣接する側板にはハンガー台が設けられ、前記ロック機構がロック状態にあるときに前記ハンドルにおける前記ハンガー溝の内外壁が前記ハンガー台に密着するように前記ハンガー溝は前記ハンガー台に嵌合する。
【0020】
一実施例では、1対の対向する側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に、前記ベースに対して箱体の内側に反転可能であると同時に、前記ベースに対して箱体の外側にも反転可能に設けられる。
【0021】
一実施例では、少なくとも1つの側板には、当該側板に対して開閉可能な小ドアが設けられている。
【0022】
本願はさらに、ベースと、2対の対向する側板とを備え、前記側板は、前記ベースにヒンジ結合され、隣接する側板同士が噛合構造により互いに噛合可能であり、かつロック機構により互いにロックして箱体を形成することができる折り畳み可能なコンテナであって、
【0023】
前記噛合構造は、一つの側板に設けられた第1の噛合構造と、隣接する側板に設けられた第2の噛合構造とを含み、前記第1の噛合構造と前記第2の噛合構造とが互いに噛合可能に設けられ、且つ前記第1の噛合構造は、前記第2の噛合構造との噛合を解除するように箱体の内側に移動可能であるとともに、前記第2の噛合構造との噛合を解除するように箱体の外側に移動可能であり、
【0024】
少なくとも一つの側板の底部にヒンジピンが設けられ、前記ベースの外縁に対応するヒンジ部が設けられ、前記ヒンジ部に前記ヒンジ部に対して回動可能な前記ヒンジピンが設けられ、前記ヒンジ部は、前記ヒンジピンが設けられた側板と隣接する側板との噛合が解除された後、前記ヒンジピンが設けられた側板が前記ベースから取り外されるよう設けられ、
【0025】
前記ロック機構は、一つの側板の天部に設けられたハンドルと、リンクロッドと、ロックボルトと、隣接する側板に設けられたロック孔とを含み、前記ハンドルは前記リンクロッドに連結され、前記ロックボルトの運動を駆動するように、前記リンクロッドは前記ロックボルトに繋がることによって、前記ロックボルトが前記ロック孔に出入りする折り畳み可能なコンテナを提供する。
【0026】
一実施例では、前記ロック機構は、前記側板の内に間隔をおいて設けられた複数のロックボルトを有し、前記リンクロッドは、互いに間隔をおいて設けられた複数の駆動ピンを備え、各前記駆動ピンは、前記ロックボルトの運動を駆動するように、対応する一つのロックボルトに嵌合する。
【0027】
一実施例では、前記ロックボルトには駆動溝が設けられ、前記駆動溝には前記駆動ピンが配置され、前記駆動溝の形状は、前記リンクロッドが上下移動する際に、前記駆動ピンが前記駆動溝に嵌合して前記ロックボルトの伸縮運動を駆動するように設置されている。
【0028】
一実施例では、前記ハンドルには回転軸と駆動孔が設けられ、前記側板にはハンドル取付孔が設けられ、前記リンクロッドにはハンガーピンが設けられ、前記回転軸は前記ハンドル取付孔に回動可能に取り付けられ、前記ハンガーピンは前記駆動孔に可動に連結されている。
【0029】
一実施例では、前記ハンドルには更にハンガー溝が設けられ、ハンドルが設けられた側板に隣接する側板にはハンガー台が設けられ、前記ロック機構がロック状態にあるときに前記ハンドルにおける前記ハンガー溝の内外壁が前記ハンガー台に密着するように、前記ハンガー溝は前記ハンガー台に嵌合する。
【0030】
本出願の折畳み可能なコンテナは、少なくとも一つの側板を箱体の内側及び外側の両方に反転させることができ、反転した後の側板が取り外されることができるため、箱体内の貨物、特に大型で重い貨物の入手を極めて容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例に係る折り畳み可能なコンテナを示す斜視図である。
図2】一方の側板を箱体の内側に反転する折り畳み可能なコンテナを示す別の斜視図である。
図3】一方の側板を箱体の外側に反転する折り畳み可能なコンテナを示す別の斜視図である。
図4】側板の一部を示す透視図である。
図5】側板の一部を示す斜視図である。
図6】側板の一部を示す斜視図である。
図7】ハンドルを示す斜視図である。
図8】リンクロッドを示す斜視図である。
図9】ロックボルトを示す斜視図である。
図10】ハンドルを開いた状態の側板の一部を示す斜視図である。
図11】他の側板の一部を示す斜視図である。
図12】ハンドルを開いた状態で噛み合う2つの側板の天部の一部を示す斜視図である。
図13】ベースにおけるヒンジ部の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の目的、特徴および利点をよりよく理解するために、図面を参照して本発明の好適な実施例について詳細に説明する。図面に示される実施例は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の技術方案の本質的な精神を説明することを理解するべきである。
【0033】
以下の説明では、開示されたさ各実施例を説明する目的から、開示された各実施例を完全に理解するために、何らかの具体的な詳細を記載する。但し、当業者は実施例がこれらの具体的な詳細のうちの1つまたは複数なしに実施されてもよいことを認識するべきである。他の場合では、実施例の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、本出願に関連する周知のデバイス、構造、および技術は詳細に示されないか、または記載されない可能性がある。
【0034】
文脈で特に必要とされない限り、明細書および請求の範囲を通して、「備える」という言葉とそのバリエーション、例えば「含む」や「有する」などの用語は、オープンで包括的な意味と理解するべきであり、すなわち、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0035】
明細書全体にわたる「一つ実施例」または「一実施形態」への言及は、実施例に説明される特定の特点、構造、または特徴が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。そのため、明細書全体の各箇所での「一つの実施例では」または「一実施形態では」の表現は、必ずしもすべてが同じ実施例を指しているわけではない。また、特定の特点、構造、または特徴が1つまたは複数の実施例で任意の方法で組み合わせることができる。
【0036】
本明細書および添付の請求の範囲で使用されるように、単数形「一」および「前記」は、文脈がそうでないことを明確に記載しない限り、複数の指示対象も含む。「または」という用語は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「および/或いは」を含む意味で一般的に使用されることである。
【0037】
以下の記載では、本発明の構成及び動作形態を明確に示すために、多くの方向性の語を用いて説明するが、「前」、「後」、「左」、「右」、「外」、「内」、「外を向く」、「内を向く」、「上」、「下」などの語は、限定的な語ではなく、便宜上の語として理解されるべきである。
【0038】
本文の折り畳み可能なコンテナは、例えば、IBCのような比較的大きな折り畳み可能なコンテナであり、その容量は通常300L以上である。このような折り畳み可能なコンテナは、通常、ベースと2対の対向する側板とを有する。側板はベースに対して折り畳むことができるようにベースにヒンジ結合されている。隣接する側板同士は、噛合構造により互いに噛合可能である。隣接する側板同士も、ロック機構により互いにロックして箱体を形成することができる。本願は、少なくとも1つの側板は、隣接する側板とのロックが解除された後に、前記ベースに対して箱体の内側に反転可能であるとともに、ベースに対して箱体の外側に反転可能に設けられている。好ましくは、この側板を反転して隣接する側板との噛み合いを解除した後に、この側板をベースから取り外すことができる。好ましくは、2対の対向する側板のうちの1対の側板は、前記ベースに対して箱体の内側に反転可能であるとともに、ベースに対しては箱体の外側に反転可能である。
【0039】
図1~2に示すように、折り畳み可能なコンテナ1は、ベース2と、一対の対向する側板3,5と、他の一対の対向する側板4,6とを有する。各側板はベース2に対して折り畳むことができるようにベース2にヒンジ結合されている。側板3,5は側板4,6よりも短いので、側板3,5は短側板とも呼ばれ、側板4,6は長側板とも呼ばれる。側板6に小ドア7が設けられ、この小ドア7を側板6に対して開閉可能とすることにより、使用者がコンテナの底部の物品を容易に入手することができる。
【0040】
隣接する側板の間、例えば側板4と側板5との間、側板5と側板6との間は、噛合構造により互いに噛み合うことができる。この噛合構造は、一方の側板の他方の側板に対する上方への変位を制限することができる。隣接する側板3,4,5,6同士も、ロック機構により順次互いにロックして箱体を形成することができる。
【0041】
本実施例では、側板3及び側板5は、図2に示すように、隣接する側板とのロックが解除された後に、ベース2に対して箱体の内側に反転可能であるとともに、図3に示すようにベース2に対して箱体の外側に反転可能である。側板3または側板5のみが、ベース2に対して箱体の内側および箱体の外側に同時に反転可能であってもよいことが理解されるべきである。また、4枚の側板をベース2に対して箱体の内側及び箱体の外側に同時に反転可能にしてもよい。ただし、一方の側板又は対向する一対の側板のみをベース2に対して箱体の内側及び箱体の外側に同時に反転可能とし、残りの側板をベース2に対して箱体の内側にのみ反転可能とすることが好ましい。
【0042】
図4図5に示すように、側板5の下方には、下方に延びている複数の突出部8が設けられている。突出部8の左右両側にヒンジピン9が設けられる。ベース2には、側板突出部8に対応して、図13に示すように開口部10が設けられている。開口部10は、上方に開口している。開口部10の両側にヒンジ溝11が設けられる。ヒンジ溝11は上方に向かって開口している。これにより、側板と隣接する側板との噛み合いを解除した後に、この側板5をベースから取り外すことができる。ヒンジピン9とヒンジ溝11とを嵌合させることにより、側板5を箱体に対して内外側に反転させることができる。本実施例では、側板5とベース2との接続構造は、側板5とベース2との接続構造と同じである。側板3及び側板5とベースとの連結構造(即ちヒンジ構造)は、隣接する側板との連結を外した後にベースから取り外すことができれば、他の好適な構造を採用することもできる。側板4,6とベースとの連結構造は、任意の適当なヒンジ構造を採用することができる。好ましくは、側板4,6とベースとの連結構造は、当該側板と隣接する側板とのロックが解除された後も前記ベースに連結されたままにし、すなわちベースから外れないように配置されている。好ましくは、側板4,6とベースとの連結構造は、当該側板と隣接する側板とのロックが解除された後に、側板4,6をベースに対して箱体内にのみ折り畳むことができ、すなわち箱体に対して外に折り畳むことができないように設置されている。
【0043】
ロック機構は、一つの側板の天部に設けられたハンドル12と、リンクロッド13と、ロックボルト14と、隣接する側板に設けられたロック孔31を備える(図11参照)。ハンドル12はリンクロッド13に連結されている。リンクロッド13は、側板5内に取り付けられ、ロックボルト14に繋がってロックボルトの運動を駆動することにより、ロックボルト14がロック孔31内に出入りし、隣接する側板間のロックまたはアンロックを実現する。
【0044】
図5及び図6に示すように、側板5の天部、すなわちハンドルが取り付けられる領域には、ハンドル取付孔15と、ハンドル位置決め溝16とが設けられている。側板の内部には、リンクロッド溝17と、2つ以上(本実施例では3つ)のロックボルト溝18とがさらに設けられている。
【0045】
図7に示すように、ハンドル12は、横断面略U字状の部材である。ハンドル12の内側には、回転軸19と駆動孔20とが設けられている。回転軸19は、ハンドルの一端に位置し、側板におけるハンドル取付孔15に回動可能に取り付けられている。駆動孔20は、回転軸19から所定の距離だけ離間している。駆動孔20は長尺状の孔である。駆動孔20には、リンクロッドのハンガーピン25が取り付けられている。ハンドル12の他端には、ハンガー溝21が設けられている。(図11に示すように)ロック機構がロック状態にあるとき、ハンドルにおけるハンガー溝の内外壁がハンガー台に密着するように、ハンガー溝21を隣接する側板の天部におけるハンガー台30に嵌合させることにより、ハンドルにも側板の箱体の内外側への反転を規制する機能を持たせることができる。
【0046】
ハンドル12の内側には位置決め突起22が設けられている。位置決め突起22をハンドル位置決め溝16に嵌合させることにより、ハンドル12を所定の角度に保持する。
【0047】
リンクロッド13は、棒状本体23を有する。棒状本体23には、棒状本体23から突出した互いに離間している複数の駆動ピン24が配設されている。棒状本体の先端にはハンガーピン25が設けられている。ハンガーピン25は、ハンドル12の駆動孔20に引っ掛けられており、ハンドル12の移動によりリンクロッド13を移動させることができる。各駆動ピン24は、ロックボトルの運動を駆動するように、対応する1つのロックボルト14に嵌合する。
【0048】
図9に示すように、ロックボルト14は板状本体29を有している。板状本体29に駆動溝26が設けられる。駆動ピン24は、駆動溝26に配置されている。駆動溝26の形状は、リンクロッド13の上下移動の時に、駆動ピン24が駆動溝26に嵌合してロックボルト14の伸縮移動を駆動し、ロックボルト突出部が隣接する側板におけるロック孔に出入りして、隣接する側板に対する側板の内外側への移動を規制したり、規制解除したりすることができるように設定されている。
【0049】
噛合構造は、一つの側板に設けられた第1噛合構造27と、隣接する側板に設けられた第2噛合構造28とを含む。第1の噛合構造27と第2の噛合構造は、隣り合う2つの側板を連結するように互いに噛合可能に設けられている。ロック解除後、第1の噛合構造27は、第2の噛合構造28との噛合を解除するために、箱体の内側に移動可能であるとともに、第2の噛合構造28との噛合を解除するように箱体の外側に移動可能である。これにより、側板は、ベースに対して箱体の内側に反転可能であるとともに、ベースに対して箱体の外側にも反転可能である。
【0050】
上記第1の咬合構造と第2の咬合構造はいずれも内側と外側が貫通した形態である。これは、一側(内側または外側)に補強板を有する従来の形態とは異なり、このような噛合形態は、長側板に対して短側板を内側または外側に反転させることができる。咬合構造の形状はT字型又はダブテール型であり、そのバックル面と鉛直方向とのなす角度Aは15度以下であることが好ましい。噛合構造が互いに嵌合することにより、側板の間の相対的な左右移動が制限される。
【0051】
ロック機構のロックが解除される必要がある場合には、リンクロッドが上方に持ち上げられてロックボルトが左方に移動することを駆動するように、ハンドルを角度Bだけ上方に回動させ、さらに短側板が長側板に対して内方または外方に反転可能となるように、ロックボルト突出部が長側板ロック溝から外れる。この角度Bは30度以下であることが好ましい。
【0052】
本発明の折り畳み可能なコンテナの少なくとも一つの側板は、好ましくは一対の対向する側板が、箱体の内外側にほぼ90度ずつ同時に反転されることができるものであるので、容易に折り畳むことができ、箱体の内部の貨物、特に重い貨物を容易に入手することができる。特に、反転後に分解することができるので、大きな通路を提供し、大型、重い貨物の積み下ろしを非常に便利にすることができる。
【0053】
以上、本発明のより良い実施例について詳細に説明したが、必要に応じて、様々な特許、出願、および出版物の態様、特徴、および概念を使用して追加の実施形態を提供するために、実施例の態様を修正することができることが理解されるべきである。
【0054】
上記の詳細な説明を考慮して、これらおよび他の変更を実施例に加えることができる。一般的に、請求の範囲では、使用される用語は説明および請求の範囲に開示された特定の実施例に限定されると考えられるべきではなく、これらの請求の範囲が享受するすべての同等範囲とともにすべての可能な実施例を含むと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13