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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】スピーカ用スタンド
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/00 20060101AFI20230413BHJP
【FI】
H04R1/00 318A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019026474
(22)【出願日】2019-02-18
(65)【公開番号】P2020136852
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】506314863
【氏名又は名称】KRYNA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】伊奈 良華
【審査官】菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-031487(JP,U)
【文献】実開平02-053685(JP,U)
【文献】国際公開第2011/088238(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-1/46
F16B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に水平状態に載置されるベース部及び該ベース部に立設された支柱を有するスタンド本体と、このスタンド本体の上端部に固定される天板部材とを備えるスピーカ用スタンドに於いて、
前記天板部材は、前記スタンド本体に対して前記支柱の周方向に微調整可能に嵌合するアダプターと、このアダプターの上面に固着された天板本体とから成前記天板本体の中央部には取付け孔(23a)が形成されており、一方、前記アダプターの上壁部に形成され、かつ前記取付け孔と位置が一致する第1螺合小孔(26)が形成され、前記天板本体は前記取付け孔を貫通して前記第1螺合小孔に螺合する固着手段(24)を介して前記アダプターに対して取り外し可能に固着されているスピーカ用スタンド。
【請求項2】
請求項1のスピーカ用スタンドに於いて、前記アダプターは、前記支柱の上端部に外嵌合可能であり、また、前記アダプターの周壁部に半径方向に第2螺合小孔が形成されており、前記第2螺合小孔に調整ネジを螺合させることで、前記アダプターを前記支柱の上端部に固定することができることを特徴とするスピーカ用スタンド。
【請求項3】
請求項1のスピーカ用スタンドに於いて、ユーザは、前記固着手段を外して現に使用中の前記天板本体を取り外し、しかも前記天板本体とは別個の天板本体に交換することができることを特徴とするスピーカ用スタンド。
【請求項4】
床面に水平状態に載置されるベース部及び該ベース部に立設された支柱を有するスタンド本体と、このスタンド本体の上端部に固定される天板部材とを備え、前記支柱は、少なくとも上端部の周壁に、その上端から下端部に向かって、かつ、周方向に沿って多数の突条熱放出フィンを有するスピーカ用スタンドであって、
前記天板部材は、前記スタンド本体に対して前記支柱の周方向に微調整可能に嵌合するアダプターと、このアダプターの上面に固着された天板本体とから成り前記天板本体の中央部には取付け孔(23a)が形成されており、一方、前記アダプターの上壁部に形成され、かつ前記取付け孔と位置が一致する第1螺合小孔(26)が形成され、前記天板本体は前記取付け孔を貫通して前記第1螺合小孔に螺合する固着手段(24)を介して前記アダプターに対して取り外し可能に固着され、さらに、前記アダプターと前記支柱の上端部との間に、スペーサとしての取付けベース板を介在させ、該取付けベース板に前記アダプターを外嵌合させたスピーカ用スタンド。
【請求項5】
請求項4のスピーカ用スタンドに於いて、前記取付けベース板の周壁には周方向の係合溝が形成され、前記取付けベース板に前記アダプターを外嵌合させた時、該アダプターの周壁部に形成された螺合小孔に調整ネジを螺合させ、かつ、該調整ネジを前記係合溝に係止させることで、該アダプターを取付けベース板に一体化することを特徴とするスピーカ用スタンド。
【請求項6】
請求項4のスピーカ用スタンドに於いて、前記支柱は、少なくとも上端開口の長筒状であり、前記上端開口に蓋体が略面一状に嵌め込まれ、この蓋体の上面に取付けベース板が一体的に固定されていることを特徴とするスピーカ用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板にスピーカボックスを載置することができるスピーカ用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図5(a)、(b)には、本願発明の構造に関係がある「スピーカスタンド」の一例が開示されている。この図5の実施形態は特許文献1の従来技術である。この従来技術のスピーカスタンドは、底面視蝶ネクタイ形状の天板15と、この天板の下面中央部に一体に設けられた下端開口の嵌合筒とから成り、前記嵌合筒は、三脚状支持部材2のポール3の上端部に嵌合する。そして、前記嵌合筒を前記ポール3の上端部に嵌合した場合には、前記嵌合筒を周方向に適宜に回して、所望する所で、前記嵌合筒のねじ穴19に1本の固定ネジ16をねじ込む。なお、前記蝶ネクタイ形状の天板15には、該天板の前後一対の長孔18,18及び固着手段を介してスピーカボックス1の下面が固定的に取り付けられる(符号は特許文献1のもの)。
【0003】
上記構成のスピーカスタンドは、スピーカボックス1の向きを水平方向に変えることができる利点を有するものの、(a)蝶ネクタイ形状の天板15と下端開口の嵌合筒は、一体に設けられていることから、天板15を嵌合筒から分離して、ユーザが好きな大きさ、好きな形状、好きな材質等の天板に交換をすることができない、(b)支持部材2が、カメラの三脚と略同一構成のものなので、それなりの設置スペースが必要である。付言すると、支持部材2の複数本の脚片を広げるにしたがって、設置スペースが広くなる。(c)また支持部材2そのものが高価である等の問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平5-31487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主たる目的は、特許文献1の問題点に鑑み、ユーザが現に使用中の天板本体を、所望する別個の天板本体(例えば新しく購入したもの)を簡単に交換することができると共に、天板本体を交換する際、該天板本体をスタンド本体の支柱に対して周方向に容易に微調整して固定することができることである。第2の目的は、所定長の支柱が、少なくとも上端部の周壁に、その上端から下端部に向かって突条熱放出フィンを複数個有する場合であって、これらの突条熱放出フィンの形状が直線、曲線、波状等の如何を問わず、第1の課題を十分に達成することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスピーカ用スタンドは、床面に水平状態に載置されるベース部及び該ベース部に立設された支柱を有するスタンド本体と、このスタンド本体の上端部に固定される天板部材とを備えるスピーカ用スタンドに於いて、
前記天板部材は、前記スタンド本体に対して前記支柱の周方向に微調整可能に嵌合するアダプターと、このアダプターの上面に固着された天板本体とから成前記天板本体の中央部には取付け孔(23a)が形成されており、一方、前記アダプターの上壁部に形成され、かつ前記取付け孔と位置が一致する第1螺合小孔(26)が形成され、前記天板本体は前記取付け孔を貫通して前記第1螺合小孔に螺合する固着手段(24)を介して前記アダプターに対して取り外し可能に固着されていることを特徴とする。
【0007】
上記構成に於いて、前記アダプターは、前記支柱の上端部に外嵌合可能であり、また、前記アダプターの周壁部に半径方向に第2螺合小孔が形成されており、前記第2螺合小孔に調整ネジを螺合させることで、前記アダプターを前記支柱の上端部に固定することができる。またユーザは、前記固着手段を外してG現に使用中の前記天板本体を取り外し、しかも前記天板本体とは別個の天板本体に交換することができることを特徴とする。
【0008】
また本発明のスピーカ用スタンドは、床面に水平状態に載置されるベース部及び該ベース部に立設された支柱を有するスタンド本体と、このスタンド本体の上端部に固定される天板部材とを備え、前記支柱は、少なくとも上端部の周壁に、その上端から下端部に向かって、かつ、周方向に沿って多数の突条熱放出フィンを有するスピーカ用スタンドであって、前記天板部材は、前記スタンド本体に対して前記支柱の周方向に微調整可能に嵌合するアダプターと、このアダプターの上面に固着された天板本体とから成り前記天板本体の中央部には取付け孔(23a)が形成されており、一方、前記アダプターの上壁部に形成され、かつ前記取付け孔と位置が一致する第1螺合小孔(26)が形成され、前記天板本体は前記取付け孔を貫通して前記第1螺合小孔に螺合する固着手段(24)を介して前記アダプターに対して取り外し可能に固着され、さらに、前記アダプターと前記支柱の上端部との間に、スペーサとしての取付けベース板を介在させ、該取付けベース板に前記アダプターを外嵌合させたことを特徴とする。
【0009】
上記構成に於いて、前記取付けベース板の周壁には周方向の係合溝が形成され、前記取付けベース板に前記アダプターを外嵌合させた時、該アダプターの周壁部に形成された螺合小孔に調整ネジを螺合させ、かつ、該調整ネジを前記係合溝に係止させることで、該アダプターを取付けベース板に一体化することを特徴とする。また前記支柱は、少なくとも上端開口の長筒状であり、前記上端開口に蓋体が略面一状に嵌め込まれ、この蓋体の上面に取付けベース板が一体的に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、スペーサとしての取付けベース板を介在させているか否かを問わず、ユーザが現に使用中の天板本体を、所望する別個の天板本体(例えば新しく購入したもの)を簡単に交換することができると共に、天板本体を交換する際、該天板本体をスタンド本体に対して周方向に容易に微調整して固定することができる。
【0011】
なお、天板部材と支柱の上端部の間にスペーサとしての取付けベース板を介在させる実施形態の場合には、所定長の支柱が、少なくとも上端部の周壁に、その上端から下端部に向かって突条熱放出フィンを複数個有する場合であって、これらの突条熱放出フィンの形状が直線、曲線、波状等の如何を問わず、本発明の第1の課題を十分に達成することができると共に、天板部材の位置を取付けベース板の厚みに対応してその分スピーカの位置を高くすることができる。
【0012】
また支柱が少なくとも上端開口の長筒状であり、前記上端開口に蓋体が略面一状に嵌め込まれ、この蓋体の上面に取付けベース板が一体的に固定されている実施形態の場合には、該支柱の内部に粉状又は粒状の物質が充填することができる。よって、該支柱の重量を増大させて支柱の安定化を図ることができる。その他、ベース部が三脚構成ではなく、床面に水平状態に載置されるので、安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1乃至図8は本発明の第1実施形態を示す各説明図。図9乃至図14は本発明の第2実施形態を示す各説明図。
図1】第1実施形態の正面視からの概略説明図。
図2】スタンド本体と天板部材とを分離した概略説明図。
図3】スタンド本体の平面図。
図4図3の4-4線断面図。
図5】天板部材の分解斜視図。
図6図5の6-6線断面に基づく説明図。
図7】アダプターを支柱の上端部に外嵌合した概略断面説明図。
図8】天板本体とアダプターを、固着手段を介してねじ止めした状態の概略説明図。
図9】第2実施形態の正面視からの概略説明図。
図10】スタンド本体、天板部材、取付けベース板、蓋板を分離した概略説明図。
図11】スタンド本体の平面図。
図12図11の12-12線断面に基づく概略説明図(取付けベース板、蓋板も図示)。
図13】要部の分解斜視図。
図14】天板部材を、取付けベース板を介して取付けた状態の概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至図8は本発明の第1実施形態の各説明図である。図1は、スピーカ用スタンドX(以下、「スタンドX」という)の正面視からの概略説明図である。まず、この図1に於いて、Xは床面Fに水平状態に載置されるスタンド(実線)で、このスタンドXの後述する天板には、箱状のスピーカY(仮想線)が持ち上げ自在に、又は好ましくは図示しない接着層、両面接着テープ、ネジなどの固定手段を介して固定的に設置さている。スピーカYの全体の外観形状は、普通一般に市販されている箱体(例えば直方体)であるが、その底面は天板からはみ出ない大きさであり、また天板と略同一形状である(相似形も含む)。
【0015】
次に図2は、図1に於いて、スタンド本体1と天板部材21とを分離した概略説明図で、スピーカは省略している。この図2では、天板部材21を構成するアダプター22は、予め天板本体23の下面中央部に複数本の固着手段24を介して固定されている。
【0016】
図1及び図2で示すように、スタンドXは、床面Fに水平状態に載置される所定形状のベース部2及び該ベース部に立設された所定長の支柱3を有するスタンド本体1と、このスタンド本体の上端部に固定的に嵌合(螺合も含む)する天板部材21とを備え、前記天板部材21は、前記スタンド本体1に対して前記支柱3の周方向に微調整可能に固定されるアダプター22と、このアダプターの上面に固着手段24を介して取り外し可能に固着される所定形状の天板本体23とから成る。
【0017】
次に図3は、スタンド本体1の平面図、図4図3の4-4線断面図である。図3を参照にすると、ベース部2は平面視略正方形又は略矩形であるが、例えば六角形、八角形等の多角形又は、真円、楕円等の円形のいずれであっても良い。実施形態では、図4で示すように、その底面が床面に載置面となる金属製の第1ベース板2aと、金属製の第2ベース板2bとから成る。
【0018】
出願人は長年の研究の結果、スタンド本体1の安定性、音質の向上性、安価性等の視点から、比重が異なる物質の金属板を一体的に重ね合わせた方が良いことを知見した。そこで、前記第1ベース板2aは比重が重い鉄板(Fe)であり、一方、前記第2ベース板2bは鉄板(Fe)よりも比重が軽いアルミニウム板(Al)を採用している。
さて、図4で示すように、支柱3は上下の端部が開口する。またその材質は、ある程度の重量性と強靭性、振動性と熱放出性、そして安価性等を考慮し、金属製微粉末と樹脂の複合材などの高比重樹脂材、マグネシウム(Mg)を含む合金、亜鉛(Zn)を含む合金等の金属が適宜に用いられる。実施形態では、アルミニウム又はマグネシウム合金製パイプ材を採用している。なお、支柱3の材質や形状は本発明の特定事項ではない。
【0019】
付言すると、支柱3は、合金で成形された両端開口の1本のみパイプ(実施形態)又は下端開口の筒状体を1本のみ用いているが、底有筒状体、上壁を有する筒状体、底有及び上壁を有する中空体又は中実体を適宜に用いることができる。支柱3は、好ましくは、図4で示すような長尺状の両端開口の筒状体で、その下端部の基部は、第2ベース板2bの略中央部に固定的に設けられた角形状の支持部4に取り外し可能に密状態に外嵌合する。これにより支柱3はガタガタと揺れないように第2ベース板2bと支持部4によって支持される。
【0020】
ところで、支柱3はベース部2に対して、周方向に回転しないように角形状の支持部4に支持されているが、支持部4が角形状である必要はなく、ベース部に対する支柱3の取付け態様に関して、例えば支柱3の下端部の基部に鍔片を周設し、この鍔片に周方向に沿って複数の固着具用貫通孔を形成し、これらの固着具用貫通孔に支柱3用の固着具をねじ込んで、該支柱3をベース部2に取り外し可能に取付けても良い(図面を省略)。
【0021】
また、実施形態では、支柱3は「1本」であるが、この1本の概念は、支柱3の全体の外観形状が、ベース部の上面に位置する下端部の基部から上端部の取付け部まで略垂直状に起立することを言うので、支柱3が、例えば下部支柱部とこの下部支柱部に嵌合する上部支柱部の二物品からなるもの、又は下部支柱部と上部支柱部の間にスペーサが介在する多数の物品から成るものなどが、実施形態の支柱3の概念に含まれる。しかして、音質の向上性、安価性等を考慮すると、実施形態の如く、支柱3はベース部の上面から天板部材の下面に至るまで「1物品」であることが望ましい。
【0022】
さらに、実施形態では、後述する第2実施形態の支柱3Aとは相違し、少なくとも上端部の周壁に、その上端から下端部に向かって突条の熱放出フィンを複数個有するものではないが、支柱3から物理的に生ずる振動エネルギー(熱)を大気(室温)に放出するために、好ましくは、支柱3の周壁の上端部寄りの部位から下端部の基部に至るまで、周方向に沿って多数の縦溝を筋条に形成することによって、第2実施形態の支柱3Aと同様の突条の熱放出フィンを多数形成しても良い。
【0023】
次に図5は、中央部に複数個の貫通小孔23aを有する天板部材21の分解斜視図である。天板部材21の天板本体23の前記貫通小孔23aは、望ましくは頭部の周面がサラ状の固着手段24なので、逆円錐状の取付け孔である。これにより、前記頭部が前記天板本体23の上面と面一となる。
【0024】
この図5に於いて、アダプター22の外観形状は、全体として円盤状であるが、多角形であっても良い。一方、天板本体23の外観形状は、全体として横長状かつ角形状の板体であるが、円形(楕円も含む)の板体であっても良い。
【0025】
次に図6図5の6-6線断面図である。また図7はアダプター22を支柱3の上端部3aに外嵌合した概略断面説明図である。なお、図7では、アダプター22が天板本体を有しない状態で支柱3の上端部3aの取付け部に外嵌合しているが、予め天板本体23の下面中央部にアダプター22を複数本の固着手段24を介して一体的に取付けた状態で、該アダプター22を支柱3の上端部3aに外嵌合しても良い。つまり、アダプター22の取付け態様は、本発明の本質的事項ではない。
【0026】
さて、上記アダプター22は、図5乃至図7で示すように、円環状の周壁22bと、この周壁に一体成形された上壁22aとから成り、該アダプター22の下向き凹所22cの内径と支柱3の上端部3aの外径との寸法差は、遊嵌合状態にならないように、好ましくは該アダプター22が支柱に略ぴったりと嵌り合うように設定さている。
【0027】
付言すると、アダプター22の「ガタ」が生じないように、その内周壁が支柱3の上端部3aの取付け部の周壁に密に嵌合する。また実施形態では、アダプター22は前記上端部3aの取付け部に外嵌合するが、上端部3aの取付け部の周壁に螺旋状の溝を形成し、一方、アダプター22の内周壁にも同様に対応する螺旋状の溝を形成し、前記アダプター22を支柱3の上端部3aの取付け部に螺着しても良い。したがって、ここでの「嵌合」の用語には、螺合状態で嵌合する構成も含まれる。
【0028】
しかして、実施形態では、アダプター22は、支柱3の上端部3aにそのまま密に嵌め合わせるように外嵌合可能であり、また該アダプター22の上壁部22aには、前記天板本体23に形成された複数の貫通小孔23aとの位置が一致する複数の第1螺合小孔26が形成され、さらに、その周壁部22bに半径方向に1対の貫通状の第2螺合小孔27が形成されている。なお、実施形態では、前記第2螺合小孔27が複数個(例えば左右方向に一対)であるが、1個であっても良い。しかしながら、望ましくはアダプター22の「ガタ」が生じないように、複数個用いられている。
【0029】
上記構成に於いて、例えば図8で示すように、天板本体23とアダプター22を複数の固着手段24を介して一体的にねじ止めした状態で、前記第2螺合小孔27に複数の調整ネジ28をそれぞれ螺合させることで、アダプター22を支柱3の上端部3aの周壁に固定する。
【0030】
であるから、ユーザは、天板本体用の固着手段24を外して所望する別個の天板本体(例えば新しく購入したもの)に交換することができる。また、前記スタンド本体1も、所望する場合には、アダプター22と支柱3は互いに分離可能なので、現在使用している支柱3を、別の長さの支柱を有する別個のスタンド本体に交換することもできる。
【実施例
【0031】
この欄では、第1実施形態の構成を主要部として他の構成要件を加味した第2実施形態について説明する。なお、この実施形態の説明に当って、第1実施形態と同一の部分には同一又は同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
【0032】
第1実施形態に対して第2実施形態が主に異なる事項は、(a)所定長の支柱3Aが、少なくとも上端部の周壁に、その上端から下端部に向かって、かつ、周方向に沿って多数の突条熱放出フィン30を有する点、(b)天板部材21Aを構成するアダプター23Aと支柱3Aの上端部3aとの間に、スペーサとしての取付けベース板31を介在させ、該取付けベース板31にアダプター22Aを外嵌合させた点、(c)取付けベース板31の周壁には周方向に単数又は複数の係合溝32が形成され、前記取付けベース板31に第1実施形態と同様のアダプター22Aを外嵌合させた時、該アダプター22Aの周壁部22bに形成された第2螺合小孔27に調整ネジ28を螺合させ、かつ、該調整ネジ28を前記係合溝32に係止させることで、該アダプター22Aと取付けベース板31を一体化する点、(d)支柱3Aの上端開口に複数の貫通小孔35aを有する蓋体35が略面一状に嵌め込まれ、この蓋体35の上面に複数の貫通小孔31aを有する取付けベース板31が、例えば複数個の固着具36を介して前記支柱3Aに設けられたネジ孔3bに固定されている点、(e)さらに、好ましくは前記取付けベース板31と蓋体35が前記36で支柱3Aの上端部に形成したネジ孔3bに取外し可能に固着されている点(f)加えて、中空の支柱に、例えば粉体、砂、粒状の物質37等を充填した点である。なお、前述した蓋体35は、嵌め易いように弾性部材(好ましくは可撓性部材)を採用している。さらに、特に図示しないが、中空の支柱3Aに図示しない棒状の芯材を内設し、該棒状の芯材の上端にカバー部材としての蓋体35を支持させても良い。
【0033】
したがって、この第2実施形態は、床面に水平状態に載置されるベース部2及び該ベース部に立設された支柱3Aを有するスタンド本体1Aと、このスタンド本体の上端部に固定される天板部材21Aとを備え、前記所定長支柱3Aは、少なくとも上端部3aの周壁に、その上端から下端部に向かって、かつ、周方向に沿って多数の突条熱放出フィン30を有するスピーカ用スタンドX1であって、天板部材21Aは、前記スタンド本体1Aに対して前記支柱3Aの周方向に微調整可能なアダプター22Aと、このアダプターの上面に固着手段24を介して取り外し可能に固着された天板本体23Aとから成る。なお、前記アダプター22Aの取り付け態様に関して、天板部材21A側ではなく、スタンド本体1Aの上端面側に取り付けても良い。したがって、アダプター22Aの取り付け態様は、本発明の特定事項ではない。
【0034】
それ故に、第2実施形態は、「床面に水平状態に載置されるベース部及び該ベース部に立設された支柱3Aを有するスタンド本体1Aと、このスタンド本体の上端部に固定される天板部材(23A又は21A)とを備え、前記定長支柱3Aは、少なくとも上端部の周壁に、その上端から下端部に向かって、かつ、周方向に沿って多数の突条熱放出フィン30を有するスピーカ用スタンドX1であって、前記スピーカ用スタンドは、前記天板部材(23A又は21A)の下面側又は前記スタンド本体の上端面側かのいずれかに設けられ、かつ、前記スタンド本体に対して前記支柱の周方向に微調整可能なアダプターを備え、また、前記天板部材(23A又は21A)は前記アダプターの上面に固着手段を介して取り外し可能に固着され、さらに、前記アダプターと前記支柱の上端部との間に、スペーサとしての取付けベース板31を介在させ、該取付けベース板に前記アダプターを外嵌合させたもの」である。
【0035】
上記のように構成すると、突条熱放出フィン30の形状が直線、曲線、波状等の如何を問わず、本発明の第1の課題を十分に達成することができると共に、天板部材の位置を取付けベース板の厚みに対応してその分スピーカの位置を高くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、スピーカの支持台として利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
X、X1…スピーカ用スタンド、 F…床面、
Y…スピーカ、 1、1A…スタンド本体、
2…ベース部、 2a…第1ベース板、
2b…第2ベース板、 3、3A…支柱、
3a…上端部、 4…支持部、
21、21A…天板部材、 22、22A…アダプター、
22a…上壁部、 22b…周壁部、
22c…下向き凹所、 23、23A…天板本体、
23a…貫通小孔、 24…固着手段、
26…第1螺合小孔、 27…第2螺合小孔、
28…調整ネジ、 30…突条熱放出フィン、
31…取付けベース板、 31a…貫通小孔、
32…係合溝、 35…蓋体、
35a…ネジ孔、 36…固着具、
37…物質。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14