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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】固液分離装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/46 20060101AFI20230413BHJP
   B01D 37/04 20060101ALI20230413BHJP
   C02F 11/121 20190101ALI20230413BHJP
【FI】
B01D29/46 A
B01D37/04
C02F11/121
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022162434
(22)【出願日】2022-10-07
【審査請求日】2022-10-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502141393
【氏名又は名称】ジャステック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100204456
【弁理士】
【氏名又は名称】調 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】室田 佳昭
【審査官】谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】特許第6967814(JP,B2)
【文献】特開2021-178306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-37/04
B01J 20/00-20/28
B01J 20/30-20/34
C02F 11/121
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレートがその厚み方向に一定の間隔で配置され一体的に構成された固定側プレート群と、
前記固定側プレート群を構成するプレートとは異なる複数のプレートがその厚み方向に一定の間隔で配置され一体的に構成された可動側プレート群と、
前記可動側プレート群を平行運動させる駆動手段とを有し、
前記固定側プレート群の各プレートと前記可動側プレート群の各プレートとが互いの前記間隔に入り込んで、前記固定側プレート群の各プレートと前記可動側プレート群の各プレートとの間にギャップを形成し、前記平行運動により前記ギャップから処理対象物の水分を落下させつつ、前記処理対象物から水分が落下した固形物を搬送方向下流側に向けて搬送する濾過部を備えた固液分離装置であって、
前記濾過部に堆積される前記処理対象物の量を制御する堆積量制御手段を有し、
前記堆積量制御手段は、前記平行運動を行っている前記可動側プレート群が前記固定側プレート群に対して重なり量が最も大きい態様を占めたときに前記駆動手段を停止させる第1の工程と、前記駆動手段の停止後に前記濾過部に前記処理対象物を供給する第2の工程と、前記濾過部に供給された前記処理対象物の量が第1の量に達したときに前記駆動手段を作動させる第3の工程と、前記可動側プレート群の前記平行運動により前記濾過部に供給された前記処理対象物の量が減少してその量が第2の量以下となった後に前記固定側プレート群に対して前記可動側プレート群が前記重なり量が最も大きい態様を占めたときに前記駆動手段を停止させる第4の工程と、前記第4の工程後に前記第2の工程に戻してこの動作を繰り返して行う固液分離装置。
【請求項2】
請求項1記載の固液分離装置において、
前記堆積量制御手段は、前記第1の量及び前記第2の量を検知する堆積量検知手段と、前記可動側プレート群に前記平行運動を行わせて前記濾過部に堆積された前記処理対象物の量を調整する堆積量調整手段と、を有することを特徴とする固液分離装置。
【請求項3】
請求項2記載の固液分離装置において、
前記堆積量検知手段は前記濾過部に供給される前記処理対象物の位置を検知する水位検知センサであることを特徴とする固液分離装置。
【請求項4】
請求項2記載の固液分離装置において、
前記堆積量調整手段は前記固定側プレート群に対する前記可動側プレート群の位置を検知する位置検知センサを有することを特徴とする固液分離装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一つに記載の固液分離装置において、
前記可動側プレート群と前記固定側プレート群とは、前記複数のプレートの上面がそれぞれ前記搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうように傾斜していることを特徴とする固液分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜産糞尿から発生する畜産汚水、食品工場等の排水処理から発生する含油汚泥、下水処理から発生する余剰汚泥、金属加工、メッキ、建設系、食肉加工場、弁当製造等の食品加工等の現場から発生する汚泥等の、処理対象物中に含まれる固形物と水分とを分離する固液分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的多くの水分を含んだ処理対象物、例えば汚泥水を濾過して脱水処理を行う濾過部を備えた固液分離装置が知られている。この固液分離装置として、それぞれ複数のプレートを有する固定側プレート群と可動側プレート群とを備え、固定側プレート群と可動側プレート群はそれぞれのプレートが互い違いとなるように配置され、可動側プレート群に平行運動を行わせて処理対象物から水分を落下させる濾過部を備えたものが提案されている(例えば「特許文献1」「特許文献2」参照)。
【0003】
この固液分離装置では、各プレート群を構成する各プレートの上面がそれぞれ同一の平面を形成しており、可動側プレート群の平行運動により各プレート群の各プレート間に形成されたギャップから処理対象物の水分を落下させつつ、処理対象物から水分が落下した固形物(夾雑物)を搬送方向下流側に向けて搬送している。ここでいう平行運動とは、固定側プレート群を構成する各プレートの上面に対して、可動側プレート群を構成する各プレートの上面が平行な状態を保ったまま、可動側プレート群を構成する各プレートが一体的に前後及び上下方向に変位する運動を示している。
【0004】
上述した従来の構成では、可動側プレート群に平行運動を行わせる構成として、駆動軸及び従動軸、各軸に取り付けられたそれぞれ複数の偏芯カム、可動側プレート群を一体的に支持する一対の側板等を備えたものが開示されている。この構成では、一対の側板に複数の偏芯カムにそれぞれ対応した偏芯カム軸受を取り付け、各偏芯カムを各偏芯カム軸受によってそれぞれ回転自在に支持し、駆動軸をモータによって回転駆動することにより一対の側板を前後及び上下方向に変位させ、可動プレート群に正確な平行運動を行わせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3894366号公報
【文献】特許第6967814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の処理対象物である、汚泥や汚泥水を含む汚水である原水の負荷、すなわち汚染濃度を小さくすることにより、水処理のコストダウンを図ることができる。そして、原水の負荷を小さくする際に、上述の固液分離装置を用いて原水中のSS(懸濁物質)を除去する脱水処理が行われる。
この脱水処理において、養豚場や牛舎等から排出される原水には、SS濃度が3000~30000mg/リットル程度であるSS濃度が高い高濃度原水が排出される場合がある。このような原水を濾過すると、固形物の大きさが各プレート間の隙間よりも小さい場合であっても固形物に他の固形物が堆積して、濾過部の各プレート上面がすぐに固形物で覆われてしまう。プレート上面が固形物で覆われると、原水中の水分が各プレート間の隙間から落下しなくなり良好な脱水処理が行われなくなるため、可動プレート群に平行運動を行わせている。平行運動により、各プレート間に隙間を生じさせて水分を落下させると共に、固形物を搬送して固形物のない新たな濾過面を再生している。従って、高濃度原水の処理中は濾過部の可動プレート群が常時平行運動を行っている。
【0007】
これに対して、食品工場や食品加工工場等から排出される原水には、SS濃度が100~800mg/リットル程度であるSS濃度が低い低濃度原水が排出される場合がある。このような原水の場合には、各プレート間より落下する水分の量が多く、濾過部のプレート上にほとんど固形物が堆積せず、可動プレート群が常時平行運動を行っても固形物を効果的に除去することができなかった。
また、含まれる固形物として、根菜類(ゴボウやにんじん等)のひげ根や犬や猿等の動物の体毛等の、細くかつ柔らかい物質を含む原水の場合には、流速が高まるに連れて流れ方向に整列し易い傾向、すなわち各プレートの厚み方向に抜け易い傾向がある。このような原水の場合にも、各プレート間より水分と共に固形物が落下してしまい、濾過部のプレート上にほとんど固形物が堆積せず、可動プレート群が常時平行運動を行っても固形物を効果的に除去することができなかった。
本発明は、上述の問題点を解決し、原水中の固形物を効果的に除去することが可能な固液分離装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、複数のプレートがその厚み方向に一定の間隔で配置され一体的に構成された固定側プレート群と、前記固定側プレート群を構成するプレートとは異なる複数のプレートがその厚み方向に一定の間隔で配置され一体的に構成された可動側プレート群と、前記可動側プレート群を平行運動させる駆動手段とを有し、前記固定側プレート群の各プレートと前記可動側プレート群の各プレートとが互いの前記間隔に入り込んで、前記固定側プレート群の各プレートと前記可動側プレート群の各プレートとの間にギャップを形成し、前記平行運動により前記ギャップから処理対象物の水分を落下させつつ、前記処理対象物から水分が落下した固形物を搬送方向下流側に向けて搬送する濾過部を備えた固液分離装置であって、前記濾過部に堆積される前記処理対象物の量を制御する堆積量制御手段を有し、前記堆積量制御手段は、前記平行運動を行っている前記可動側プレート群が前記固定側プレート群に対して重なり量が最も大きい態様を占めたときに前記駆動手段を停止させる第1の工程と、前記駆動手段の停止後に前記濾過部に前記処理対象物を供給する第2の工程と、前記濾過部に供給された前記処理対象物の量が第1の量に達したときに前記駆動手段を作動させる第3の工程と、前記可動側プレート群の前記平行運動により前記濾過部に供給された前記処理対象物の量が減少してその量が第2の量以下となった後に前記固定側プレート群に対して前記可動側プレート群が前記重なり量が最も大きい態様を占めたときに前記駆動手段を停止させる第4の工程と、前記第4の工程後に前記第2の工程に戻してこの動作を繰り返して行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、処理対象物の流下する流速を抑えた状態で、濾過部上に従来の構成よりも多量の処理対象物を堆積できる。これにより、処理対象物のSS濃度が低い場合や処理対象物が細くかつ柔らかい物質を含む場合であっても、処理対象物中の固形物の量が従来に比して増加するため、濾過部の平行運動により処理対象物中の固形物を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態を適用可能な従来の固液分離装置の(a)概略平面図(b)概略正面図(c)概略側面図である。
図2】本発明の一実施形態に用いられる(a)濾過部の概略平面図(b)濾過部を構成する各プレートの概略図である。
図3】本発明の一実施形態に用いられる濾過部を搬送方向上流側から見た概略側面図である。
図4】本発明の一実施形態に用いられる第2プレートユニット及び固定プレート及び偏芯カム軸受及び筐体を説明する概略斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に用いられる駆動力伝達機構を説明する概略斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に用いられるプレート移動手段を説明する概略平面図である。
図7】本発明の一実施形態に用いられる位置確認用部材を説明する概略図である。
図8】本発明の一実施形態に用いられる駆動軸と偏芯カムとの位相関係を説明する概略図である。
図9】本発明の一実施形態に用いられる第2プレートユニットの平行運動を説明する概略図である。
図10】本発明の一実施形態に用いられる濾過部を構成する各プレートの平行運動における状態を説明する概略図である。
図11】本発明の一実施形態に係る固液分離装置の概略正面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る濾過部に供給された原水が上限位置を占めた状態を示す固液分離装置の概略正面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る濾過部に供給された原水が下限位置を占めた状態を示す固液分離装置の概略正面図である。
図14】本発明の一実施形態に用いられる堆積量調整手段を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
先ず、本発明が適用可能な固液分離装置の基本的な構成について説明する。
図1(a)は本発明の第1の実施形態を適用可能な固液分離装置の概略平面図を、図1(b)は同概略正面図を、図1(c)は同概略側面図をそれぞれ示している。同図において固液分離装置1は、本体架台部2、整流箱3、原水戻りトレイ4、水位調整パイプ5、水位調整ゲート6、ガイド板7、濾過部8、モータ9、排出口10、原水供給管11、送出口12A,12B、ドレン13等を有している。
図1(b)において左右方向を示す矢印Xは固液分離装置1の長さ方向を、図1(b)において奥行き方向を示す矢印Yは固液分離装置1の幅方向を、図1(b)において上下方向を示す矢印Zは固液分離装置1の高さ方向をそれぞれ示している。以下、装置長さ方向X、装置幅方向Y、装置高さ方向Zという。
【0012】
箱形状を呈する本体架台部2内には、図1(b)において右側に箱形を呈する整流箱3が配置され、整流箱3の底部のさらに下方には原水戻りトレイ4が配置されている。整流箱3の底部には、原水戻りトレイ4に貫通した管状の水位調整パイプ5が固定されており、水位調整パイプ5の上部外側には、水位調整パイプ5の外周部に対して摺接する内周部を有する筒状の水位調整ゲート6が、水位調整パイプ5に対して上下動自在に取り付けられている。水位調整ゲート6には、本体架台部2よりも外部上方に向けて突出した取っ手部6aが一体的に設けられており、取っ手部6aを把持して水位調整ゲート6の上下動が行われる。水位調整ゲート6は、その上端と水位調整パイプ5の上端とが一致する位置を下限として上方に向けて移動自在であり、取っ手部6aが図示しない固定手段によって本体架台部2に固定されることにより所定の高さに固定される。
【0013】
モータ9によって駆動される濾過部8は第1のプレート群と第2のプレート群とを有しており、一方のプレート群に平行運動を行わせることにより原水の脱水を行って原水中から固形物を除去する。濾過部8の作動による脱水工程によって濾過部8上に残存した固形物は、ガイド板7によって所定の廃棄箇所に廃棄される。濾過部8の構成については後述する。
原水戻りトレイ4の側面には排出口10が設けられており、排出口10には図示しない配管が接続され、排出口10から排出された原水はこの配管を通り図示しない原水槽に戻される。原水戻りトレイ4の上方には原水槽から原水を供給する原水供給管11が、濾過部8の下方に位置する本体架台部2には濾過された濾過水を排出する送出口12A,12Bが、整流箱3の底部にはドレン13がそれぞれ設けられている。
【0014】
ここで、濾過部8の構成について説明する。
図2に示すように濾過部8は、図1(b)において右側である、原水及び固形物の搬送方向である搬送方向上流側に配置される前段プレート部8Aと、搬送方向下流側に配置される後段プレート部8Bとを有している。前段プレート部8Aと後段プレート部8Bとは、搬送方向において互いに分断されて設けられている。
前段プレート部8Aは、複数のプレートAを一体化した第1プレート群15と、プレートAよりも搬送方向長さが短い複数のプレートBを一体化した第2プレート群16とを有している。後段プレート部8Bは、プレートBよりも搬送方向長さが短い複数のCプレートを一体化した第3プレート群17と、Cプレートと同じ搬送方向長さを有する複数のプレートDを一体化した第4プレート群18とを有している。
ここで、各プレート群15,16,17,18のうち、第1プレート群15と第3プレート群17とが互いに一体的に構成され、第2プレート群16と第4プレート群18とが互いに一体的に構成されている。一体的に構成されたプレート群を区別するため、図2において、第1プレート群15と第3プレート群17とを白抜きで、第2プレート群16と第4プレート群18とをハッチングでそれぞれ示している。
【0015】
図3は、前段プレート部8Aの搬送方向上流側から濾過部8を見た概略図を示している。なお、図2及び図3において、本来であれば図1に示すように濾過部8は搬送方向下流側に向かうに連れて上面が上方に向かうように傾斜して設けられるが、図の複雑化を避けるため、濾過部8はその上面が搬送方向に向けて平行となるように示している。
図3において、第1プレート群15を構成する各プレートAと第2プレート群16を構成する各プレートBとは互いに噛み合うように構成されている。また、図示はしていないが同様に、第3プレート群17を構成する各プレートCと第4プレート群18を構成する各プレートDとは互いに噛み合うように構成されている。
【0016】
図2に示すように第1プレート群15は、その厚み方向にスペーサ19を介して一定の間隔となるように多数枚のプレートAを積層配置し、各プレートAの搬送方向上流側及び搬送方向下流側の両端部に長尺ボルト21をそれぞれ挿通して、長尺ボルト21及び図示しないナットにより各プレートAを一体的に保持することにより構成されている。各プレートAの搬送方向下流側端部には、下方に向けて延出形成された脚部A1が設けられている。長尺ボルト21は、プレートAの搬送方向上流側端部及び脚部A1にそれぞれ挿通されている。
【0017】
第2プレート群16は、プレートAと同じ厚みで搬送方向長さがプレートAよりも短いプレートBを、その厚み方向にスペーサ19を介して一定の間隔となるように、かつ各プレートA間に位置するように多数枚積層配置している。そして第2プレート群16は、各プレートBの搬送方向上流側及び搬送方向下流側の両端部に長尺ボルト22をそれぞれ挿通して、長尺ボルト22及び図示しないナットにより各プレートBを一体的に保持することにより構成されている。各プレートBの搬送方向上流側端部及び搬送方向下流側端部には、それぞれ下方に向けて延出形成された脚部B1,B2が設けられており、長尺ボルト22は各脚部B1,B2に挿通されている。各脚部B1,B2は、装置長さ方向Xにおいて脚部A1と干渉しない位置にそれぞれ設けられている。
【0018】
第3プレート群17は、プレートAと同じ厚みで搬送方向長さがプレートBよりも短いプレートCを、その厚み方向にスペーサ20を介して一定の間隔となるように多数枚積層配置している。そして第3プレート群17は、各プレートCの搬送方向上流側及び搬送方向下流側の両端部に長尺ボルト23をそれぞれ挿通して、長尺ボルト23及び図示しないナットにより各プレートCを一体的に保持することにより構成されている。各プレートCの搬送方向上流側端部及び搬送方向下流側端部には、それぞれ下方に向けて延出形成された脚部C1,C2が設けられており、長尺ボルト23は各脚部C1,C2に挿通されている。
【0019】
第4プレート群18は、その厚み方向にスペーサ20を介して一定の間隔となるように、プレートCと同じ厚み及び同じ搬送方向長さを有する多数枚のプレートDを積層配置している。そして第4プレート群18は、各プレートDの搬送方向上流側及び搬送方向下流側の両端部に長尺ボルト24をそれぞれ挿通して、長尺ボルト24及び図示しないナットにより各プレートDを一体的に保持することにより構成されている。各プレートDの搬送方向上流側端部及び搬送方向下流側端部には、それぞれ下方に向けて延出形成された脚部D1,D2が設けられており、長尺ボルト24は各脚部D1,D2に挿通されている。各脚部D1,D2は、装置長さ方向Xにおいて各脚部C1,C2と干渉しない位置にそれぞれ設けられている。
【0020】
本実施形態において、プレートAの厚みt1、プレートBの厚みt2、プレートCの厚みt3、プレートDの厚みt4は、それぞれ同じ厚みである1.5mmに設定されており、スペーサ19の長さw1、スペーサ20の長さw2は、それぞれ2.5mm,2.0mmに設定されている。また、プレートAとプレートBとの間のギャップg1は0.5mm、プレートCとプレートDとの間のギャップg2は0.25mmとなるようにそれぞれ設定されている。
上述したように、前段プレート部8Aと後段プレート部8Bとはそれぞれ独立して構成されている。このため、本実施形態で示すように各プレート部8A,8Bで用いられる各ギャップg1,g2に差異を持たせる場合には、前段プレート部8Aで用いられるスペーサ19の長さと後段プレート部8Bで用いられるスペーサ20の長さとを異ならせることにより、容易に各ギャップg1,g2を設定することができる。
【0021】
また、各プレートC,D及びスペーサ20の製造精度に誤差が生じた場合でも、各プレートC,Dと各プレートA,Bとの間に連続性がないため、前段プレート部8Aの構成に影響を及ぼすことなく後段プレート部8Bにおける脱水効率を高めるためのギャップg1よりも狭小のギャップg2を得ることができる。従って、製造誤差の積み重ねにより後述する平行運動が阻害されることがなく、すなわちプレートC,Dの製造精度にかかわらず狭小のギャップg2を容易に実現することができる。
本実施形態では、前段プレート部8Aのギャップg1に対して後段プレート部8Bのギャップg2が半分となるように構成されている。また、各プレート部8A,8B間の間隔Sは、処理対象物である原水の搬送が搬送方向において滑らかに進行するように、できる限り小さく設定される。
【0022】
図4に示すように、第2プレート群16を構成する複数個のプレートBと第4プレート群18を構成する複数個のプレートDとは、L字形状を呈する一対の側板25,26間に保持されている。各プレートBは各長尺ボルト22を、各プレートDは各長尺ボルト24を各側板25,26にそれぞれ取り付けられており、これらによって可動側プレート群としての第2プレートユニット28が構成されている。符号25a,26aは各長尺ボルト22,24が挿通されるボルト挿通孔を、符号29は各長尺ボルト22,24を固定するナットをそれぞれ示している。第2プレートユニット28の搬送方向上流側端部及び搬送方向下流側端部は、共に図示しない側板で塞がれている。
各側板25,26には、下端部を互いに内方に向けて曲折して形成した底面25b,26bが形成されており、底面25,26b間には隙間31が設けられている。隙間31は、各プレート群16,18によって原水から分離された水分が落下する空間として用いられる。また底面25b,26bには、第2プレートユニット28を後述する固定プレート51に対して固定するための取付穴25c,26cがそれぞれ4個ずつ形成されている。
【0023】
図3に示すように第1プレート群15は、側板25,26よりも外側に位置するL字形の一対の側板35,36間に各長尺ボルト21が支持されることにより位置決めされている。また第3プレート群17は、図示してはいないが側板35,36間に各長尺ボルト23が支持されることにより位置決めされている。これ等第1プレート群15及び第3プレート群17によって、固定側プレート群としての第1プレートユニット27を構成している。なお、第2プレートユニット28と同様に、第1プレートユニット27の搬送方向上流側端部及び搬送方向下流側端部も、共に図示しない側板で塞がれている。
各側板35,36には、下端部を互いに外方に向けて曲折して形成した底面35a,36aが形成されており、底面35a,36aには、第1プレートユニット27を筐体7に対して固定するための図示しない取付穴がそれぞれ2個ずつ形成されている。
【0024】
上述した各構成において、第1プレート群15を構成する各プレートA、第2プレート群16を構成する各プレートB、第3プレート群17を構成する各プレートC、第4プレート群18を構成する各プレートDは、それぞれの上面が一つの面をなすように同じプレート同士が揃えられて配置されている。
また、第1プレートユニット27を構成する、第1プレート群15を構成する各プレートAと第3プレート群17を構成する各プレートCとは、それぞれの上面が一つの面をなすように側板35,36間に支持されている。同様に、第2プレートユニット28を構成する、第2プレート群16を構成する各プレートBと第4プレート群18を構成する各プレートDとは、それぞれの上面が一つの面をなすように側板25,26間に支持されている。
【0025】
第2プレートユニット28における第2プレート群16と第4プレート群18との境界には、第2プレート群16と第4プレート群18とを仕切る仕切板30が固定されている。仕切板30の作用により第2プレートユニット28は、第2プレート群16の処理水と第4プレート群18の処理水とを分離して回収可能に構成されている。
仕切板30によって区画される第2プレートユニット28の領域に対応して、第2プレートユニット28の下方に配置される本体架台部2の底面2aも仕切板32によって二つの領域に区画されている。底面2aに区画形成された各領域には、前段プレート部8Aから落下して本体架台部2内に収容された処理水を送出する送出口12A、及び後段プレート部8Bから落下して本体架台部2内に収容された処理水を送出する送出口12Bがそれぞれ設けられている。
【0026】
図3に示すように、本体架台部2の図1(b)において手前側であって搬送方向下流側の側面には、第2プレートユニット28を平行運動させる駆動手段としてのモータ9が配置されている。モータ9の出力軸には駆動軸38が接続されており、駆動軸38は本体架台部2の側板の外側に固定された軸受39,40によって回転自在に支持される。
図5に示すように、駆動軸38よりも搬送方向上流側には、駆動軸38と平行に配置された従動軸41が設けられている。従動軸41は駆動軸38と同様に、本体架台部2の側板の外側に固定された軸受42,43によって回転自在に支持される。
駆動軸38及び従動軸41のモータ9側端部にはそれぞれタイミングプーリ44,45が固定されており、各プーリ44,45間にはタイミングベルト46が掛け回されていて、モータ9の駆動力が従動軸41に伝達されるように構成されている。
【0027】
図5に示すように駆動軸38には、駆動軸38の回転中心に対して偏芯された回転中心を有する偏芯カム47が2個設けられている。同様に従動軸41には、偏芯カム47と同様に構成された偏芯カム48が2個設けられている。各偏芯カム47は図4に示す2個の偏芯カム軸受49(図4には1個のみ図示)にそれぞれ回転自在に支持され、各偏芯カム48は各偏芯カム軸受49よりも搬送方向上流側に設けられた2個の偏芯カム軸受50(図4には1個のみ図示)にそれぞれ回転自在に支持される。各偏芯カム47は、それぞれの周面にイモネジ等の目印となる部材を取り付け、互いの位相が合致する態様でそれぞれ駆動軸38に対して回転不可となるように固定される。各偏芯カム48も各偏芯カム47と同様に、それぞれ従動軸41に対して回転不可となるように固定される。
【0028】
各偏芯カム軸受49,50は、第2プレートユニット28と本体架台部2に支持された各軸38,41との間に設けられた固定プレート51に取り付けられる。固定プレート51には、各偏芯カム軸受49,50を固定するためのタップ51aが1個の軸受に対して2個、計8個設けられている。各偏芯カム軸受49,50は、それぞれ2本ずつのボルト52を各タップ51aに螺合させることにより固定プレート51に対して固定される。この固定時において各偏芯カム軸受49,50は、それぞれが回転自在に支持する駆動軸38と従動軸41とが互いに平行となるように、ノックピン等の周知の構成を用いる手法により固定プレート51に対してそれぞれ取り付けられる。
用いられるボルト52としては、固定プレート51の厚みよりも大きい長さのものが用いられる。固定プレート51は各偏芯カム49,50の回転に伴い上下動するため、回転駆動力を発生させるモータ9の負荷を小さくするために、その厚みは本実施形態において5~10mm程度に抑えられている。従って、用いられるボルト52の長さは15~25mm程度が望ましい。なお、固定プレート51の厚み及びボルト52の長さは上述した値に限定されず、固液分離装置1の仕様に応じてそれぞれ変更可能である。
【0029】
上述の構成より、各偏芯カム47が固定された駆動軸38は、各偏芯カム47をそれぞれ各偏芯カム軸受49に回転自在に支持された後、各ボルト52で各偏芯カム軸受49が固定プレート51に取り付けられることにより、固定プレート51に回転自在に支持される。同様に各偏芯カム48が固定された従動軸41も、各偏芯カム48をそれぞれ各偏芯カム軸受50に回転自在に支持された後、各ボルト52で各偏芯カム軸受50が固定プレート51に取り付けられることにより、固定プレート51に回転自在に支持される。この各偏芯カム軸受49,50の取り付け時において、駆動軸38と従動軸41とは互いに平行を保った状態で固定プレート51に取り付けられる。各偏芯カム軸受49,50を固定プレート51に固定した8本のボルト52は、その先端部を固定プレート51から上方に向けて突出させている。
【0030】
駆動軸38及び従動軸41をそれぞれ回転自在に支持する固定プレート51は、各軸受39,40,42,43によって駆動軸38及び従動軸41が本体架台部2にそれぞれ回転自在に取り付けられることにより、本体架台部2に支持される。その後、駆動軸38にタイミングプーリ44が従動軸41にタイミングプーリ45がそれぞれ取り付けられた後に各プーリ44,45間にタイミングベルト46が掛け渡され、図示しないカップリングを介して駆動軸38にモータ9の出力軸が接続される。上述の工程により、上述した各部材、すなわちモータ9、駆動軸38、従動軸41、各軸受39,40,42,43、各プーリ44,45、タイミングベルト46、各偏芯カム47,48、各偏芯カム軸受49,50、固定プレート51、及び各ボルト52がそれぞれ所定の位置に取り付けられる。これ等各部材9,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52によって、第2プレートユニット28を平行運動させるプレート移動手段53が構成される。
【0031】
次に、本体架台部2に対する第1プレートユニット27及び固定プレート51に対する第2プレートユニット28の取り付けについて説明する。
図6は、プレート移動手段53が取り付けられた状態を示す本体架台部2の平面図である。同図において本体架台部2の側壁には、第1プレートユニット27を構成する各側板35,36の各底面35a,36aが取り付けられるブラケット状の取付部2bが4箇所設けられている。各取付部2bの本体架台部2の側壁に対する取付面には、装置長さ方向Xに向けて形成された図示しない長穴が設けられている。各取付部2bは、図示しないボルト及びナットによって、本体架台部2の側壁に対して図示しない長穴の範囲内でそれぞれ装置長さ方向Xに向けて位置調整可能に取り付けられる。また各取付部2bは、本体架台部2の側壁との間に図示しない板状のスペーサを設けることにより、それぞれ装置幅方向Yに向けて位置調整可能に取り付けられる。
各取付部2bには、各底面35a,36aに形成された図示しない取付穴と連通する取付穴2cがそれぞれ形成されており、第1プレートユニット27は各底面35a,36aを各取付部2b上に載置した状態で、図3に示すように、ボルト54及びナット55によって本体架台部2に対して締結固定される。
【0032】
本実施形態で示す構成において、図3に示すように第2プレートユニット28は、本体架台部2に対する取付位置が決定された駆動軸38及び従動軸41によって本体架台部2に対して上下動自在に支持された固定プレート51に、各ボルト52及びこれに対応した各ナット56によって固定される。ここで、第2プレートユニット28を固定する各ボルト52は、本体架台部2に対して取付位置が決定されている駆動軸38及び従動軸41をそれぞれ回転自在に支持する各偏芯カム軸受49,50の取付ボルトであるため、本体架台部2との相対位置が決定している。従って、各ボルト52に対して第2プレートユニット28を固定すれば、駆動軸38及び従動軸41と第2プレートユニット28との相対位置が決定するため、あとは第2プレートユニット28と第1プレートユニット27との相対位置を決定すれば、駆動軸38及び従動軸41と第1プレートユニット27と第2プレートユニット28との相対位置が決定することになる。
【0033】
第1プレートユニット27の本体架台部2への取付時において、図7に示す位置確認用部材57が用いられる。板状の位置確認用部材57には、各ボルト52が貫通可能な8箇所の穴57aと、各ボルト54が貫通可能な4箇所の穴57bとがそれぞれ形成されている。各穴57aの位置は、上述したように各ボルト52と本体架台部2との相対位置が決定しているため、所定の位置に形成される。また、各穴57aと各穴57bとの相対位置は、第1プレートユニット27と第2プレートユニット28とが相対的に位置決めされ、第2プレートユニット28が良好に平行運動を行うことが可能である位置となるように、予め決定されている。
【0034】
先ず、各ボルト52が各穴57aに挿通するように位置確認用部材57を本体架台部2に対して仮止めし、この状態で各ボルト54によって第1プレートユニット27を本体架台部2に対して仮止めする。このとき、各底面35a,36aに形成された取付穴と各取付部2bとの位置が合わない場合には、各取付部2bの位置が調整される。次に、位置確認用部材57を取り外して、本体架台部2に第1プレートユニット27と第2プレートユニット28とを取り付ける。これにより、駆動軸38及び従動軸41と第1プレートユニット27と第2プレートユニット28との相対位置が決定する。
【0035】
図8は、駆動軸38に固定された偏芯カム47が偏芯カム軸受49に支持されている状態を説明する図である。偏芯カム47は円筒状に形成され、その中心O1は駆動軸38の中心O2からδだけ離間している。この偏芯量δは、適宜な値であり例えば5mmに設定されている。また、従動軸41及び偏芯カム48も同様に構成されている。
この構成より、各軸38,41が固定された各偏芯カム47,48が中心O2の周りに図8において反時計回り方向に回転すると、各偏芯カム47,48の回転に伴い固定プレート51が変位し、固定側プレート群である第1プレートユニット27に対して可動側プレート群である第2プレートユニット28が平行運動を行う。ここでいう平行運動とは、第2プレートユニット28が、それぞれ前後方向及び左右方向に倒れ込むことなく水平面に対する上面(図2(b)に示す各プレートB,Dの上面)の角度が一定に維持された状態で、各偏芯カム47,48の回転に伴い第1プレートユニット27に対して前後方向及び上下方向に相対的に移動することをいう。
【0036】
図9(a)は、第1プレートユニット27を構成するプレートAの上面で形成される濾過面に、供給された原水から水分が落下して形成された固形物14が載置されている状態を示している。この状態から平行運動が行われると、第1プレートユニット27により形成される濾過面に対して第2プレートプレートユニット28により形成される濾過面が上下に変位して入れ替わり、固形物14は図9(b)に示すように、第2プレートユニット28の濾過面によって持ち上げられて搬送方向下流側へと移動される。
その後、図9(c)に示すように、第2プレートユニット28上の固形物14は、再び上昇することにより第2プレートユニット28と入れ替わった第1プレートユニット27の濾過面に受け渡される。この動作が繰り返し行われることにより、固形物14は徐々に搬送方向下流側へと搬送される。第1プレートユニット27を構成する各プレートA,Cと第2プレートユニット28を構成する各プレートB,Dとは相対的に上下方向に変位するため、固形物14を搬送する濾過面は駆動軸38及び従動軸41の1回転毎に新たな濾過面として現れることとなる。
【0037】
濾過部8は、図10(a)に示すように第1プレートユニット27が最上位位置を第2プレートユニット28が最下位位置を占める第1の態様と、図10(b)に示すように第1プレートユニット27及び第2プレートユニット28が同一平面を形成する第2の態様とを占める。また濾過部8は、図10(c)に示すように第2プレートユニット28が最上位位置を第1プレートユニット27が最下位位置を占める第3の態様と、図10(d)に示すように第1プレートユニット27及び第2プレートユニット28が同一平面を形成する第4の態様とを占める。これ等第1ないし第4の態様は駆動軸38及び従動軸41が1回転する間に出現し、第1の態様から各軸38,41が1回転すると、第2の態様、第3の態様、第4の態様を経て再び第1の態様が出現する。なお、第2の態様と第4の態様とは実質的に同一である。
【0038】
上述の平行運動では、プレートが上昇して原水を受け取るときに、プレートが突き上げるように原水を搾り込むことにより原水からの脱水が促される。従って、第1プレートユニット27と第2プレートユニット28とが、各ユニット27,28を構成する各プレートの濾過面の高低差が最も大きくなるとき、すなわち第1の態様または第3の態様を占めたときに、原水から落下する水分量が最も多くなる。逆に各プレートの濾過面の高低差が最も小さいとき、すなわち第2の態様または第4の態様を占めたときには、上述したプレートの搾り込み作用による脱水効果は期待できず、単に重力のみによる脱水作用となる。従って、第2の態様及び第4の態様を維持することで原水中から固形物14を回収し易い濾過面を形成できるが、濾過面が固形物14を含む原水によって覆われることにより、脱水率が低下することとなる。
【0039】
次に、濾過部8による原水の脱水工程について説明する。
原水供給管11から供給された原水は、整流箱3で整流されつつオーバーフローして濾過体8の前段プレート部8A上に到達する。前段プレート部8A上に原水が到達した時点でモータ9が作動しており、駆動軸38が図5において反時計回り方向に回転駆動され、この回転がタイミングベルト46を介して従動軸41に伝達されて、駆動軸38と同期して従動軸41が回転駆動される。この回転により、各偏芯カム47,48が各軸38,41の中心O2を中心として図8において偏芯回転し、第2プレートユニット28が平行運動を行う。
【0040】
第2プレートユニット28の平行運動により前段プレート部8A上に到達した原水は、図1において装置長さ方向Xである搬送方向の右方である上流側から左方である下流側に向けて搬送される。原水が前段プレート部8Aによって搬送方向下流側へと搬送される過程において、原水中の水分は各プレートA,B間のギャップg1から自重により下方へと落下し、残りの水分と固形物14とが搬送方向下流側へと搬送される。この一連の動作により、原水が前段プレート部8Aによって脱水される。前段プレート部8Aによって脱水されて下方へと落下した水分は、図4に示す送出口12Aから排出されて図示しない配管を介して次工程に送られる。
【0041】
前段プレート部8Aにおいて脱水された固形物14を含む原水は、第2プレートユニット28の平行運動により前段プレート部8Aから後段プレート部8Bへと送られ、さらに搬送方向下流側へと搬送される。原水が後段プレート部8Bによって搬送方向下流側へと搬送される過程において、原水が後段プレート部8Bによって脱水される。後段プレート部8Bによって脱水されて下方へと落下した水分は、図4に示す送出口12Bから排出されて図示しない配管を介して次工程に送られる。
脱水工程により濾過体8上に残存した固形物14は、各側板35,36間に固定されたガイド板7によって案内されつつ下方に落下して回収される。
【0042】
脱水工程において濾過部8が第2の態様または第4の態様を占めたときには、各プレート間の隙間g1,g2における原水の流速が低下する傾向にあり、固形物14の回収率は高くなる。そして、この状態において各プレートの濾過面は固形物14を含む原水で覆われていき、濾過面上の原水の水位が次第に上昇していく。その後、平行運動により濾過部8が第1の態様または第3の態様を占めると、隙間g1,g2における原水の流速が上昇すると共に固形物14が下流側へと搬送され、濾過部8の搬送方向上流側から濾過面が再生されることにより、原水の水位が一気に低下する。各軸38,41が90度ずつ回転することにより、この動作が繰り返される。
【0043】
上述の固液分離装置1では、[発明が解決しようとする課題]の欄に記載したように、SS濃度が低い低濃度原水を脱水する場合や、原水に含まれる固形物が細くかつ柔らかい物質である場合には、各プレート間より水分と共に固形物が落下してしまい、濾過部8のプレート上にほとんど固形物14が堆積せず、脱水効率が悪いという問題点があった。
上述の問題点を解決し、原水中の固形物を効果的に除去することが可能な固液分離装置の構成を、本発明の一実施形態として以下に説明する。
【0044】
図11は、本発明の一実施形態に係る固液分離装置を示している。同図において固液分離装置60は、上述した固液分離装置1と比較すると、濾過部8に堆積される処理対象物としての原水の量を制御する堆積量制御手段61を有する点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。堆積量制御手段61は、堆積量検知手段62及び堆積量調整手段63及び制御装置64を備えている。
【0045】
堆積量検知手段62は、原水供給管11から供給され整流箱3から濾過部8に供給された原水の水位を検知する検知手段であり、本実施形態では電極棒からなり水分を検知すると信号を発する水位検知センサ62a,62bが用いられる。水位検知センサ62aは、濾過部8に供給される原水の上限位置を検知するセンサであり、図12に示すように、濾過部8に供給された原水33が固形物排出側である左側端部から流出しない高さに設置されている。水位検知センサ62bは、濾過部8に供給される原水の下限位置を検知するセンサであり、図13に示すように、濾過部8上の原水33の水位が低下して濾過面が十分に露出する高さに設置されている。各センサ62a,62bは、それぞれ検知高さが変更可能となるように本体架台部2に取り付けられており、各センサ62a,62bから出力された信号は後述する制御装置64に入力される。各センサ62a,62bからの信号に基づいて、濾過部8上に堆積される原水33の量が検知される。水位検知センサ62a,62bとして、電極棒に代えて光検知等による近接センサを用いてもよい。
【0046】
堆積量調整手段63は、図14に示すように、モータ9及び位置検知センサ65によって構成されている。駆動軸38には被検知部66が一体的に設けられており、被検知部66は駆動軸38の回転に伴って回転する。近接センサあるいはリミットスイッチ等からなる位置検知センサ65は、被検知部66を検知して制御装置64に信号を出力する。被検知部66は、例えば駆動軸38に螺合されたボルトや溶接固定されたピン等によって構成されており、駆動軸38の周面上における位置は、濾過部8の各プレートが第2の態様(または第4の態様)を占めたときに、位置検知センサ65によって検知される位置に配置されている。モータ9は、制御装置64から信号を受けて駆動及び停止が制御される。
制御装置64は、それぞれ図示しないCPU、ROM、RAM等を有する周知のマイクロコンピュータであり、各センサ62a,62b,65からの信号を受けて駆動モータ9の作動を制御する。
【0047】
次に、固液分離装置60の動作について説明する。
原水供給管11から整流箱3に原水33が供給されるに先立ち、制御装置64からモータ9に動作指令が送られてモータ9が駆動する。モータ9の駆動により濾過部8の第2プレートユニット28が平行運動を開始すると共に駆動軸38が回転を開始し、駆動軸38と共に回転する被検知部66が位置検知センサ65に検知されると、位置検知センサ65から制御装置64に信号が送られて制御装置64からの指令に基づきモータ9の作動が停止される。これにより濾過部8は、第1プレートユニット27と第2プレートユニット28とが同一平面を形成する第2の態様(または第4の態様)を占める。
【0048】
濾過部8が第2の態様を占めると、原水供給管11から整流箱3に原水33が供給され、整流箱3で整流後にオーバーフローした原水が濾過部8上に供給される。そして、図12に示すように原水33が水位検知センサ62aに検知されると制御装置64に向けて信号が出力され、信号を受けた制御装置64はモータ9に指令を送りモータ9が作動を開始する。モータ9の作動に伴い第2プレートユニット28が平行運動を開始すると、濾過部8の各プレート間の隙間g1,g2における原水33の流速が上昇すると共に固形物14が下流側へと搬送され、濾過部8の搬送方向上流側から濾過面が再生されることにより、原水33の水位が一気に低下する。そして、水位検知センサ62bにより原水33が検知されなくなると制御装置64はモータ9に指令を送り、次に被検知部66が位置検知センサ65に検知されるとモータ9の作動が停止される。
その後、原水33が水位検知センサ62aに検知されるとモータ9が再び作動され、以下この動作が繰り返される。第1プレートユニット27と第2プレートユニット28との重なり量が大きければ、換言すると各プレートの高さ方向における高さの差が少ないと(第2の態様または第4の態様)、濾過部8における原水33の流下する流速が抑えられ、原水33からの固形物14の回収率を高くすることができる。
【0049】
本発明の構成によれば、第1プレートユニット27と第2プレートユニット28との重なり量が大きく濾過部8から原水33の流下する流速を抑えた状態で、濾過部8上に従来の構成よりも多量である一定量の原水33を堆積できる。これにより、原水33がSS濃度の低い低濃度原水や細くかつ柔らかい物質を含む原水の場合であっても原水33中の固形物14の量が従来に比して増加するため、濾過部8の平行運動により原水33中の固形物14を効果的に除去することができる。
なお、各センサ62a,62bの取付位置は、原水33の性質によって適宜決定される。例えば、原水33のSS濃度が低いほど水位検知センサ62aの設置位置が高くなり、濾過部8に堆積される原水33の量が増加される。
【0050】
また、本発明の構成によれば、堆積量制御手段61は堆積量検知手段62と堆積量調整手段63を有しているので、濾過部8に堆積されている原水33の量を正確に検知できると共に、濾過部8に堆積されている原水33の量を良好に調整できる。これにより、濾過部8上に堆積された原水33から固形物14を効果的に除去することができる。
また、本発明の構成によれば、堆積量検知手段62が濾過部8に供給される原水33の位置を検知する水位検知センサ62a,62bであるので、濾過部8上の原水33の堆積量を正確に検知できる。
また、本発明の構成によれば、堆積量調整手段63が第2プレートユニット28の位置を検知する位置検知センサ65であるので、第2プレートユニット28の状態を正確に把握でき、濾過部8上の原水33の堆積量を正確に調整できる。
【0051】
本実施形態において、図11に示すように濾過部8を構成する第1プレートユニット27及び第2プレートユニット28は、各プレートA,B,C,Dの濾過面が搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かうに連れて上方へと向かうように傾斜して配置されている。原水33中に含まれる異物の量が極端に多い場合や原水33が粘性を有していて離水性が低い場合には、濾過部8上に多量の固形物14が堆積して原水33からの水分の流下が妨げられる場合がある。このような場合において、濾過部8の濾過面が水平に近い状態であると、原水33から水分が十分に分離されず、含水率が高い状態で固形物14が装置外へ排出される場合がある。本実施形態では濾過部8が傾斜しているため、原水33中の固形物14からの水分の分離が傾斜によって促進され、含水率が高い状態で固形物14が装置外へ排出されることを抑制できる。
【0052】
本実施形態では、第1プレートユニット27及び第2プレートユニット28の重なり量が大きいと濾過部8における原水33の流下の流速が抑えられ固形物14の回収率が高くなるが、固形物14によって濾過面が覆われて次第に脱水率が低下する。しかし、各プレートの濾過面が上述のように傾斜していることから、第2プレートユニット28の平行運動により固形物14を下流側へ搬送させて濾過面を露出させることができ、脱水に必要な濾過面を確保することができる。
さらに、濾過部8上に原水33が徐々に堆積されて脱水率が低下していくが、これに伴い上述の傾斜により濾過部8の原水33の水位が上昇することで搬送方向下流側に新たな濾過面を確保している。つまり、連続的に供給される原水33を脱水するため、濾過部8のプレートの長さを活用して濾過面(濾過量)を確保しつつ固形物14の回収を行っている。そして、濾過部8の水位が上昇して水位が上限に達した時点で第2プレートユニット28が平行運動を行うことにより、濾過部8全体の固形物14が一斉に搬送されると共に水位が一気に下降する。
【0053】
ここで、第2プレートユニット28が平行運動を行う場合の方が脱水量は多くなるように見受けられるが実際の脱水量には変化はなく、各プレートの隙間に対する原水33の流速が上昇しているだけであり、上述のようにプレートの長さが活用されているわけではない。原水33が投入される整流箱3は、原水供給管11から供給される原水33の流速を抑えて、水平方向へと均等にオーバーフローさせて濾過部8上に原水33を供給している。このとき原水33の供給量に変化はなく、原水33の水位が上昇していき上限に達すると第2プレートユニット28が平行運動を行って原水33の水位が標準位置に戻る。単純にこの繰り返しを行っているだけであり、途中で原水供給用のポンプが停止されるわけでもなく、また原水33がオーバーフロー口から戻ることもない。図11には図示していないが、構造上、固形物14の排出口よりも若干低い位置にオーバーフロー口の高さが設定されているため、ガイド板7から原水33が流出することはない。
【0054】
つまり、濾過部8を観察すると、原水33の濾過量(脱水量)の増減があるように視覚的には感じるが、実質的には原水供給量が変化せず、原水33がオーバーフロー口からも流出しない。この条件では、第2プレートユニット28による平行運動の有無にかかわらず、同じ濾過量(脱水量)であるといえる。ただし、この作用は原水33に含まれる固形物14の量や夾雑物を含む量の差がある一定の範囲内であることが前提であり、この現象を保つ範囲で原水供給管11に接続されたバルブの開度を調整する必要がある。
【0055】
上述の構成において、SS濃度の低い低濃度原水の場合には濾過できる原水量が増加するため(固形物14による原水流下の妨げが少ない)水位調整ゲート6を上方に移動させ、逆にSS濃度の高い原水の場合には濾過できる原水量が減少するため水位調整ゲート6を下方に移動させる必要がある。すなわち、各プレートの濾過面が上述のように傾斜している場合には、SS濃度の高い原水の場合に、プレートの搬送方向下流側部分には原水が供給されず、濾過範囲が大幅に減少してしまう。
SS濃度が一定量以上である場合には、濾過量と固形物の回収とが一定の範囲で行われるが、経時的にSS濃度が増減する場合や濃度変動が生じる場合には、SS濃度の高い原水に合わせた位置に水位調整ゲート6を調整する必要がある。SS濃度の変動を観察しながら人手により水位調整ゲート6を調整することは現実的にはできず、また原水の水質を安定化させることもできない。そこで、このような原水を対象として、SS濃度変動や夾雑物の一時混入等が生じても、濾過部の濾過面長さを活用する技術が求められる。
【0056】
本発明の構成によれば、固定側プレート群(第1プレートユニット27)と可動側プレート群(第2プレートユニット28)との関係性と脱水効果の特性を生かすため、可動側プレート群の位置を制御して濾過する原水量を多量に維持しつつ固形物14の回収率を高めることができる。具体的には、各プレートの重なり量が最も大きく原水33の流速による影響を受けることが小さくなる第2の態様または第4の態様で原水33を供給することにより、固形物14及び夾雑物の回収性を高めている。そして、次第に濾過部8が夾雑物及び固形物14によって濾過面を覆いながら水位を上昇させ、新たな濾過面の確保に適した水位となった時点で濾過部8が駆動する。その後、水位が所定値以下となり各プレートが再び第2の態様または第4の態様を占めた状態で可動側プレート群を停止させる。この動作を繰り返すことにより、一定の脱水量と固形物14の回収率とを維持できる。
また、経時的に夾雑物の量が変化する場合においては、濾過面が固形物14及び夾雑物によって覆われ脱水量が減少した時点で濾過面を強制的に再生でき、脱水量を確保することができる。
【0057】
固液分離装置60では、原水33中に含まれる固形物14の回収を目的としているため、当然のごとく濾過部8の隙間よりも大きな固形物14は回収可能である。しかし、上述したように、含まれる固形物として、根菜類(ゴボウやにんじん等)のひげ根や犬や猿等の動物の体毛等の、細くかつ柔らかい物質を含む原水の場合には、流速が高まるに連れて流れ方向に整列し易い傾向、すなわち各プレートの厚み方向に抜け易い傾向がある。しかし、逆に流速が抑えられるほど整列しにくくなる。つまり、本構成のように各プレートの濾過面が上述のように傾斜している場合には、固形物14が斜面で大きな抵抗を受け、海辺の流木のように波打ち際へ打ち上げられるがごとく、傾斜面に溜まることとなる。これにより、細くかつ柔らかい物質を含む原水の場合であっても、良好に脱水及び固形物14の回収を行うことができる。
【0058】
上述の固液分離装置60では、水位検知センサ62a,62bによって原水33の水位を検知することにより、モータ9の作動を制御して第2プレートユニット28の平行運動の作動と停止とを行っている。従って、第2プレートユニット28が作動して濾過面8の原水33の水位が低下し、濾過部8の濾過面が再生したことを確認可能な水位から原水33を供給する場合には、濾過部8の濾過面の水位は水位調整ゲート6よりも下がっていくこととなる。従って、本発明の固液分離装置60では、原水33が水位調整パイプ5から原水戻りトレイ4に入ることはなく、排出口10は必ずしも必要ではない。むしろ、不測の事態に備えて原水オーバーフロー管を設け、濾過水側(送出口12A,12B)にバイパスさせることで配管施工を簡略化でき、配管のレベルを気にすることなく機器をレイアウトすることができる。
【0059】
上記実施形態では、固液分離装置60として、濾過部8の下方に駆動手段であるモータ9を備えた構成を示したが、特許第6894127号公報あるいは特許第6967814号公報に開示された技術と同様に、濾過部8の上方に駆動手段を有する構成としてもよい。また、上記実施形態では固定プレート51を有する構成としたが、特許第3894366号公報に開示された技術と同様に、固定プレート51を持たない構成でもよい。
【0060】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
[1]複数のプレートがその厚み方向に一定の間隔で配置され一体的に構成された固定側プレート群と、前記固定側プレート群を構成するプレートとは異なる複数のプレートがその厚み方向に一定の間隔で配置され一体的に構成された可動側プレート群と、前記可動側プレート群を平行運動させる駆動手段とを有し、前記固定側プレート群の各プレートと前記可動側プレート群の各プレートとが互いの前記間隔に入り込んで、固定側プレート群の各プレートと可動側プレート群の各プレートとの間にギャップを形成し、前記平行運動により前記ギャップから処理対象物の水分を落下させつつ、前記処理対象物から水分が落下した固形物を搬送方向下流側に向けて搬送する濾過部を備えた固液分離装置であって、前記濾過部に堆積される前記処理対象物の量を制御する堆積量制御手段を有する固液分離装置である。
[2]前記堆積量制御手段は、前記濾過部に堆積される前記処理対象物の量を検知する堆積量検知手段と、前記濾過部に堆積された前記処理対象物の量を調整する堆積量調整手段とを有することを特徴とする[1]に記載の固液分離装置である。
[3]前記堆積量検知手段は前記濾過部に供給される前記処理対象物の位置を検知する水位検知センサであることを特徴とする[2]に記載の固液分離装置である。
[4]前記堆積量調整手段は前記可動側プレート群の位置を検知する位置検知センサを有することを特徴とする[2]または[3]に記載の固液分離装置である。
[5]前記可動側プレート群と前記固定側プレート群とは、前記複数のプレートの上面がそれぞれ前記搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうように傾斜していることを特徴とする[1]ないし[4]の何れか一つに記載の固液分離装置である。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本実施形態では、処理する処理対象物として、畜産糞尿から発生する畜産汚水、食品工場等の排水処理から発生する含油汚泥、下水処理から発生する余剰汚泥、金属加工、メッキ、建設系、食肉加工場、弁当製造等の食品加工等の現場から発生する汚泥等の原水を示したが、処理対象物としてはこれに限られない。原水としては、各種工場等の排水処理から発生する含油汚泥や下水処理から発生する余剰汚泥等を含んだ、水分あるいは水分と固形物とが混在したものであればどのようなものでもよい。好ましくは、給食廃水や野菜カット工場、食肉工場、水産加工工場等の食品工場廃水に適している。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0062】
9 駆動手段(モータ)
14 固形物
27 固定側プレート群(第1プレートユニット)
28 可動側プレート群(第2プレートユニット)
33 処理対象物(原水)
60 固液分離装置
61 堆積量制御手段
62 堆積量検知手段
62a,62b 水位検知センサ
63 堆積量調整手段
65 位置検知センサ
【要約】
【課題】原水中の固形物を効果的に除去することが可能な固液分離装置を提供する。
【解決手段】固定側プレート群27と、可動側プレート群28と、可動側プレート群28を平行運動させる駆動手段9とを有し、固定側プレート群27の各プレートと可動側プレート群28の各プレートとが互いの間隔に入り込んで、固定側プレート群27の各プレートと可動側プレート群28の各プレートとの間にギャップを形成し、平行運動によりギャップから処理対象物33の水分を落下させつつ、処理対象物33から水分が落下した固形物14を搬送方向下流側に向けて搬送する濾過部8を備え、濾過部8に堆積される処理対象物33の量を制御する堆積量制御手段61を有する固液分離装置60。
【選択図】図11
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