(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】手すりおよび浴室ユニット
(51)【国際特許分類】
A47K 3/12 20060101AFI20230413BHJP
E04F 11/18 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
A47K3/12
E04F11/18
(21)【出願番号】P 2018162537
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】成海 晶子
(72)【発明者】
【氏名】澤崎 美紀子
(72)【発明者】
【氏名】白石 明遠
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-086458(JP,A)
【文献】意匠登録第1298351(JP,S)
【文献】意匠登録第1511473(JP,S)
【文献】特開2000-237269(JP,A)
【文献】特開2007-277846(JP,A)
【文献】特開2016-094726(JP,A)
【文献】特開2001-079059(JP,A)
【文献】特開2003-278197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00-4/00
A47K 17/02
E04F 11/18
日本意匠分類 L3-2020
L3-2029
L3-5300
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室壁部に設けられる手すりであって、
浴槽側から洗い場側にかけて横向きに延在し、一部の高さが異なるように設けられ、
前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部と、
前記手すりの前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部と、を有し、
前記洗い場と前記浴槽の底部の高さに応じて、前記浴槽側手すり部および前記洗い場側手すり部の高さが異な
り、
前記浴槽の底部から前記浴槽側手すり部までの高さと、前記洗い場の底部から前記洗い場側手すり部までの高さが同じであることを特徴とする手すり。
【請求項2】
浴室壁部に設けられる手すりであって、
浴槽側から洗い場側にかけて横向きに延在し、一部の高さが異なるように設けられ、
前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部と、
前記手すりの前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部と、
前記浴槽側手すり部および前記洗い場側手すり部を連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記浴槽側手すり部より高くなるように設けら
れ、
前記連結部は、前記浴槽および前記洗い場の境界に位置して前記浴槽の一部を構成するまたぎ箇所に位置することを特徴とする手すり。
【請求項3】
浴室壁部に設けられる手すりであって、
浴槽側から洗い場側にかけて横向きに延在し、一部の高さが異なるように設けられ、
前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部は、
前記手すりの前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部より低
く、
前記浴槽側手すり部は、前記洗い場側手すり部と上下に分離し、
前記洗い場側手すり部は、前記浴槽および前記洗い場の境界に位置して前記浴槽の一部を構成するまたぎ箇所に、上下方向に見て交差していることを特徴とする手すり。
【請求項4】
浴室壁部に設けられる手すりを備え、
前記手すりは、浴槽側から洗い場側にかけて横向きに延在し、一部の高さが異なるように設けられ、
前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部と、
前記手すりの前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部と、を有し、
前記洗い場と前記浴槽の底部の高さに応じて、前記浴槽側手すり部および前記洗い場側手すり部の高さが異な
り、
前記浴槽の底部から前記浴槽側手すり部までの高さと、前記洗い場の底部から前記洗い場側手すり部までの高さが同じであることを特徴とする浴室ユニット。
【請求項5】
浴室壁部に設けられる手すりを備え、
前記手すりは、浴槽側から洗い場側にかけて横向きに延在し、一部の高さが異なるように設けられ、
前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部と、
前記手すりの前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部と、
前記浴槽側手すり部および前記洗い場側手すり部を連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記浴槽側手すり部より高くなるように設けられ
、
前記連結部は、前記浴槽および前記洗い場の境界に位置して前記浴槽の一部を構成するまたぎ箇所に位置することを特徴とする浴室ユニット。
【請求項6】
浴室壁部に設けられる手すりを備え、
前記手すりは、浴槽側から洗い場側にかけて横向きに延在し、一部の高さが異なるように設けられ、
前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部は、
前記手すりの前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部より低
く、
前記浴槽側手すり部は、前記洗い場側手すり部と上下に分離し、
前記洗い場側手すり部は、前記浴槽および前記洗い場の境界に位置して前記浴槽の一部を構成するまたぎ箇所に、上下方向に見て交差していることを特徴とする浴室ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室壁部に設けられる手すり、およびその手すりを備える浴室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洗い場と、洗い場に隣接する浴槽と、洗い場および浴槽を囲む外周縁から立設する壁部を備える浴室ユニットが開示されている。この浴室ユニットは、洗い場と浴槽に跨って設置された壁パネルに設けられる手すりをさらに備え、手すりは、壁パネルの水平方向の略全長に渡って設けられ、水平かつ壁パネルに平行に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される手すりは一様に延びており、一般的である。本発明者らは、新たなコンセプトで一様な手すりとは形状の異なる新たな手すりを見出した。
【0005】
本発明の目的は、新規な形状の浴室用の手すりを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の手すりは、浴室壁部に設けられる手すりであって、浴槽側から洗い場側にかけて横向きに延在し、一部の高さが異なるように設けられる。
【0007】
本発明の別の態様は、浴室ユニットである。この浴室ユニットは、浴室壁部に設けられる手すりを備える。手すりは、浴槽側から洗い場側にかけて横向きに延在し、一部の高さが異なるように設けられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規な形状の浴室用の手すりを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】第1壁部を正面に見た浴室ユニットであり、第1実施例の手すりについて説明するための図である。
【
図3】ユーザによる手すりの使用態様について説明するための図である。
【
図4】第2実施例の手すりについて説明するための図である。
【
図5】第3実施例の手すりについて説明するための図である。
【
図6】浴室ユニットの平面図であり、第4実施例の手すりについて説明するための図である。
【
図7】第5実施例の手すりについて説明するための図である。
【
図8】第6実施例の手すりについて説明するための図である。
【
図9】第7実施例の手すりについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施例の浴室ユニット1を示す斜視図である。浴室ユニット1は、浴槽10、洗い場12、エプロン14、浴室壁部15、鏡16、カウンター18、手すり20、棚22、シャワーヘッド24、水栓装置28およびブラケット30を備える。
【0011】
浴槽10は、平面視矩形状であって前後方向に長く、湯を溜めることができる深皿状である。洗い場12は、浴槽10に左右方向に隣り合う位置に設けられる。左右方向は、前後方向に直交する水平な方向である。前後方向は、例えば、ブラケット30が平面視にて延在する方向でもある。また、前方は、浴室内から第1壁部15aに近づく方向であり、後方は、第1壁部15aから離れる方向である。
【0012】
浴室ユニット1は、浴室空間を画定する複数の浴室壁部15を備える。複数の浴室壁部15は、浴室空間を前後左右から取り囲む。複数の浴室壁部15には、浴槽10および洗い場12に渡って左右に延在する第1壁部15aが含まれる。エプロン14は、浴槽10の洗い場12側の側面を覆い、浴槽10の上縁部11の下側に位置し、浴槽10および洗い場12の境界に位置する。
【0013】
鏡16は、浴室壁部15の第1壁部15aに貼り付けられ、浴槽10側から洗い場12側に渡って左右方向に延在する。カウンター18は、第1壁部15aの洗い場12側の部分から水平に張り出すように平板状に設けられる。カウンター18は、エプロン14の上端とほぼ同じ高さに設けられる。
【0014】
手すり20は、複数のブラケット30により第1壁部15aに固定される。手すり20は、浴槽10側および洗い場12側に横たわって左右方向に延在し、鏡16より下方で、エプロン14およびカウンター18より上方に位置する。手すり20により、ユーザが浴槽10と洗い場12を行き来する際に把持してスムーズに移動できる。
【0015】
手すり20と第1壁部15aの間には、網状の棚22が設けられる。棚22は、せっけんやシャンプーなどの風呂用品の置き場として利用される。
【0016】
スライドバー26は、鏡16の右側で、第1壁部15aの右端部に棒状に設けられ、上下方向に延在し、スライドバー26にはシャワーヘッド24を着脱可能に支持するフックが設けられる。水栓装置28は、洗い場12側の第1壁部15aに設けられ、カウンター18の上方で手すり20の下方に位置する。水栓装置28は、シャワーヘッド24から出る吐水流量を調節したり、温度を調節したりできる。
【0017】
図2は、第1壁部15aを正面に見た浴室ユニット1であり、第1実施例の手すり20について説明するための図である。浴槽10の浴槽底部10aと洗い場12の洗い場底部12aとは、高さが異なっており、洗い場底部12aが浴槽底部10aより高くなっている。
【0018】
手すり20は、浴槽10側に位置する浴槽側手すり20aと、洗い場12側に位置する洗い場側手すり20bと、浴槽側手すり20aおよび洗い場側手すり20bを連結する連結部20cとを有する。
【0019】
浴槽側手すり20aは、第1壁部15aの壁面に沿って左右方向に延在し、水平に設けられる。洗い場側手すり20bは、第1壁部15aの壁面に沿って左右方向に延在し、水平に設けられる。洗い場側手すり20bは、浴槽側手すり20aより高くなるように設けられる。洗い場側手すり20bは、カウンター18および水栓装置28より上方に位置しており、洗い場側手すり20bを高く配置することで、カウンター18および水栓装置28を配置する自由度を高めることができる。
【0020】
連結部20cは、第1壁部15aを正面側から見て浴槽10のまたぎ箇所Bに位置し、浴槽側手すり20aの端部32から洗い場側手すり20bの端部34に向かって立ち上がるように傾斜している。浴槽10のまたぎ箇所Bは、浴槽10および洗い場12の間を行き来するときにまたぐ浴槽10の一部をいい、浴槽10の洗い場12側の上縁部11を含み、浴槽10および洗い場12の境界に位置して前後方向に延びる。
【0021】
連結部20cは、左右方向において、浴槽10と上下方向に重なる位置にまで延在してよく、洗い場12と上下方向に重なる位置にまで延在してよい。連結部20cは浴槽側手すり20aより高くなるように設けられる。
【0022】
図3は、ユーザによる手すり20の使用態様について説明するための図である。ユーザが浴槽10から洗い場12へ、または洗い場12から浴槽10へ移動する際、手すり20を把持することでまたぎ箇所Bをスムーズに乗り越えることができる。
【0023】
浴槽底部10aと洗い場底部12aの高さに応じて、浴槽側手すり20aおよび洗い場側手すり20bの高さが異なる。なお、手すり20の高さは、洗い場底部12aからの高さであってよく、洗い場底部12aが排水溝に向かって微少に傾斜する場合には、洗い場底部12aの中央位置からの手すり20の高さや、洗い場底部12aを水平に平均化した位置からの手すり20の高さであってよい。なお、浴槽側手すり部20aの高さも洗い場側手すり部20bの高さも洗い場底部12aを基準とした高さであってよい。
図3に示す例では、洗い場底部12aが浴槽底部10aより高くなっており、洗い場側手すり20bが浴槽側手すり20aより高くなっている。これにより、ユーザが浴槽底部10aまたは洗い場底部12aで立つ場合にそれぞれの底部から同じ高さの手すりに把持でき、浴室内の立ち位置によって手すり20が手や肩の位置から遠ざかることを抑え、浴槽10と洗い場12を移動する際に把持しやすくできる。なお、浴槽底部10aが洗い場底部12aより高くなって、浴槽側手すり20aが洗い場側手すり20bより高くなってもよい。
【0024】
連結部20cが浴槽側手すり20aより高くなっているため、浴槽10から洗い場12へ移動するためまたぎ箇所Bを乗り越える際に、連結部20cをユーザの肩の位置に近づけて把持しやすくできる。
【0025】
傾斜した連結部20cにより浴槽側手すり20aおよび洗い場側手すり20bの高さを異ならせることで、後述する
図4に示す手すりより手すり20の屈曲箇所を少なくでき、成形を容易にして製造コストを抑えることができる。洗い場側手すり20bが浴槽側手すり20aより高く設定することで、ユーザがシャワー利用等で洗い場12で立ち上がった状態で洗い場側手すり20bを把持しやすくできる。また、洗い場側手すり20bを高く設定することで、水栓装置28の設置するスペースを確保でき、水栓装置28を設ける高さの自由度が高まる。
【0026】
手すり20に浴槽側手すり20aより高くなる部分を設けることで、浴槽側手すり20aを相対的に低い位置に設けることでき、浴槽10に座り込んだユーザが浴槽側手すり20aを把持しやすくなる。このように浴槽10と洗い場12でのユーザの動作に応じて、把持しやすい手すり20の高さを設定できる。
【0027】
このように、手すり20が浴槽側手すり20aと洗い場側手すり20bとで高さが異なるように設けられるため、ユーザが浴槽10側と洗い場12側とで異なる高さで把持でき、浴槽10と洗い場12で異なるユーザの動作に対応でき、手すり20を使いやすくできる。
【0028】
図4は、第2実施例の手すり20について説明するための図である。第2実施例の手すり120は、
図2に示す手すり20と比べて、連結部120cの形状と、浴槽側手すり120aおよび洗い場側手すり120bの高さの関係が異なる。
【0029】
手すり120は、浴槽10側に位置する浴槽側手すり120aと、洗い場12側に位置する洗い場側手すり120bと、浴槽側手すり120aおよび洗い場側手すり120bを連結する連結部120cとを有する。
【0030】
浴槽側手すり120aおよび洗い場側手すり120bは、同じ高さに設定され、水平に延在する。連結部120cは、浴槽側手すり120aおよび洗い場側手すり120bより高くなるように設けられる。連結部120cが高くなるように設けられることで、ユーザがまたぎ箇所Bを乗り越える際に、連結部120cを把持しやすくなる。連結部120cの両側には、傾斜部40がそれぞれ設けられる。なお、傾斜部40が鉛直に立設するように設けられてもよい。
【0031】
連結部120cの一端36は、浴槽10と上下方向に重なる位置に設けられ、連結部120cの他端38は、洗い場12と上下方向に重なる位置に設けられる。連結部120cの他端38は、洗い場12と上下方向に重ならない位置に設けられてよい。なお、手すり120において、浴槽側手すり120aと洗い場側手すり120bは、浴槽底部10aおよび洗い場底部12aの高さに応じて高さが異なるように設けられてよい。また、連結部120cは、略円弧状に湾曲してもよい。
【0032】
図5は、第3実施例の手すり220について説明するための図である。第3実施例の手すり220は、浴槽10側および洗い場12側に横たわって左右方向に延在するものの、一体ではない点で、
図2に示す手すり20と異なる。
【0033】
手すり220は、浴槽側手すり220aと、浴槽側手すり220aより高くなるように設けられた洗い場側手すり220bと、を有する。浴槽側手すり220aおよび洗い場側手すり220bは、上下に分離しており、浴槽側手すり220aの洗い場12側の端部48と、浴槽側手すり220aの浴槽10側の端部46とは、左右方向において同じ位置にある。洗い場側手すり220bは、浴槽10および洗い場12の境界に交差している。
【0034】
洗い場側手すり220bは、浴槽10から遠い位置にある端末部42を有し、洗い場側手すり220bの端末部42は、他の洗い場側手すり220bより高くなるように設けられる。端末部42は、前後方向においてシャワー用のスライドバー26に重なる位置にある。これによりユーザが立ち上がってシャワーを利用する際に把持しやすくできる。
【0035】
なお、洗い場側手すり220bの端末部42は、他の洗い場側手すり220bより低くなるように設けられてよい。これにより、ユーザが洗い場12にて座り込んだ状態から立ち上がろうとする際に端末部42を把持しやすくできる。このように、洗い場側手すり220bの端末部42は、他の洗い場側手すり220bに対して高さが異なるように設けられてよい。これにより、洗い場側手すり220bの高さを端末部42で異ならせて、ユーザの動作に合った高さに洗い場側手すり220bを設けることができる。
【0036】
図6は、浴室ユニット1の平面図であり、第4実施例の手すり320について説明するための図である。手すり320は、浴槽側手すり320aと、浴槽側手すり320aより第1壁部15aからの距離が遠くなるように設けられる洗い場側手すり320bと、浴槽側手すり320aおよび洗い場側手すり320bを連結する連結部320cと、を有する。手すり320の第1壁部15aからの距離に応じてブラケット30の前後方向の長さが適宜設定される。なお、手すり320の第1壁部15aからの距離は、第1壁部15aの基準位置から面直方向(前後方向)の間隔であってよく、第1壁部15aの基準位置は第1壁部15aの中央位置や、手すり320の高さでの第1壁部15aであってよい。
【0037】
洗い場側手すり320bを浴槽側手すり320aより第1壁部15aからの距離が遠くなるように設けることで、浴室内にいるユーザに洗い場側手すり320bを近づけて、ユーザが身体の近くで把持しやすくできる。洗い場側手すり320bは、浴槽側手すり320aより第1壁部15aからの距離が遠くなるが、カウンター18より第1壁部15aから離れる方向に出ないように設けられる。これにより、ユーザがカウンター18の前で動作する際に、洗い場側手すり320bを干渉しにくくできる。なお、洗い場側手すり320bは、第1壁部15aからの距離がカウンター18と同じであってもよい。
【0038】
手すり320と第1壁部15aの間には、第1棚22a、第2棚22bおよび第3棚22cが設けられる。第1棚22a、第2棚22bおよび第3棚22cは、手すり320と第1壁部15aとの間隔に応じて載置面積が異なるように設けられる。洗い場側手すり320b側に位置する第3棚22cは、第1棚22aより載置面積が広くなっている。ユーザがカウンター18前で身体を洗う際に使用する風呂用品を第3棚22cに載置しやすくなる。
【0039】
連結部320cは、浴槽側手すり320aの洗い場12側の端部50から洗い場側手すり320bの浴槽10側の端部52に向かって第1壁部15aからの距離が遠くなり、第1壁部15aを正面側から見て浴槽10のまたぎ箇所Bの上方の位置で浴槽側手すり320aより第1壁部15aからの距離が遠くなっている。これにより、浴槽10から洗い場12に移動する際に、連結部320cが浴槽側手すり320aよりユーザの身体の近くに位置するため把持しやすくなる。
【0040】
浴槽側手すり320aの端部50は前後方向において浴槽10と重なる位置に設けられてよく、洗い場側手すり320bの端部52は、前後方向において洗い場12と重なる位置に設けられてよい。つまり、連結部320cは、浴槽10側から洗い場12側に渡って設けられてよい。
【0041】
連結部320cは、前後方向に平行、すなわち第1壁部15aに垂直な方向に平行に設けられてよい。その場合、洗い場側手すり320bは、第1壁部15aを正面側から見て浴槽10のまたぎ箇所Bの上方を越えて端部52がまたぎ箇所Bより浴槽10側に位置してよい。
【0042】
図7は、第5実施例の手すり420について説明するための図である。第5実施例の手すり420は、
図6に示す手すり320と比べて、浴槽側手すり420aおよび洗い場側手すり420bは第1壁部15aからの距離の関係が逆である。すなわち、浴槽側手すり420aは、洗い場側手すり420bより第1壁部15aからの距離が遠くなるように設けられる。これにより、浴槽10側で浴槽側手すり420aがユーザの近くに設けられるので、浴槽10に座り込んだユーザが把持しやすくなる。
【0043】
連結部420cは、浴槽側手すり420aの洗い場12側の端部54から洗い場側手すり420bの浴槽10側の端部56に向かって第1壁部15aに近づくように設けられる。連結部420cは、洗い場側手すり420bより第1壁部15aからの距離が遠くなるように設けられる。
【0044】
図8は、第6実施例の手すり520について説明するための図である。第6実施例の手すり520は、第1壁部15aから同じ距離の手すり520および洗い場側手すり520bと、浴槽側手すり520aおよび洗い場側手すり520bより第1壁部15aからの距離が遠くなる連結部520cと、を有する。
【0045】
連結部520cは、浴槽側手すり520aの洗い場12側の端部58と洗い場側手すり520bの浴槽10側の端部60に連結し、第1壁部15aを正面側から見て浴槽10のまたぎ箇所Bの上方に位置する。手すり520の中央部分が他の部分より第1壁部15aから離れる方向に張り出すように設けられることで、ユーザがまたぎ箇所Bを乗り越える際に、身体の近くにある連結部520cを把持しやすくできる。
【0046】
連結部520cは、カウンター18の第1壁部15aからの張り出し量と略同じ距離だけ第1壁部15aから遠ざかるように設けられてよく、カウンター18の張り出し量以下に設けられてよい。これにより、連結部520cをユーザに近づけるように設けつつ、洗い場12の空間の障害にならないように設けることができる。
【0047】
なお、浴槽側手すり520aおよび洗い場側手すり520bが第1壁部15aから同じ距離である態様を示したが、この態様に限られず、浴槽側手すり520aおよび洗い場側手すり520bの第1壁部15aからの距離が異なっていてもよい。いずれにしても、連結部520cは、浴槽側手すり520aおよび洗い場側手すり520bより第1壁部15aからの距離が遠くなるように設けられる。
【0048】
図9は、第7実施例の手すり620について説明するための図である。手すり620は、別体の浴槽側手すり620aおよび洗い場側手すり620bを有する。洗い場側手すり620bは、第1壁部15aの壁面に平行に設けられる。
【0049】
浴槽側手すり620aは、浴槽10の前端側に沿って湾曲しており、浴槽側手すり620aの一端部64および他端部66が、浴槽側手すり620aの中央62より、第1壁部15aからの距離が遠くなるように設けられる。浴槽側手すり620aは、中央62から洗い場12側に向かうにつれて第1壁部15aからの距離が遠くなり、中央62から一端部64に向かうにつれて第1壁部15aからの距離が遠くなる。これにより、浴槽10にいるユーザが浴槽側手すり620aを把持しやすくなる。
【0050】
浴槽側手すり620aの洗い場12側の他端部66は、洗い場側手すり620bの浴槽10側の端部68と左右方向において略同じ位置にあり、手すり620は、浴槽10および洗い場12に横たわって延在している。浴槽側手すり620aの他端部66は、第1壁部15aを正面側から見て浴槽10のまたぎ箇所Bの上方に位置する。浴槽側手すり620aは、洗い場12側に向かって第1壁部15aからの距離が遠くなる。これにより、ユーザがまたぎ箇所Bを乗り越える際に浴槽側手すり620aを把持しやすくできる。
【0051】
なお実施例はあくまでも例示であり、各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0052】
例えば、第1実施例から第3実施例に、一部の高さが異なる手すりを示し、第4実施例から第7実施例bに第1壁部15aからの距離が一部で異なる手すりを示したが、これらは適宜組み合わせてもよい。例えば、
図2に示す第1実施例の手すり20と、
図6に示す第4実施例の手すり320を組み合わせて、洗い場側手すりが、浴槽側手すりより高く設けられつつ、浴槽側手すりより第1壁部15aからの距離が遠くなるように設けてよい。
【0053】
また、
図4に示す第2実施例の手すり120と、
図8に示す第6実施例の手すり520を組み合わせて、手すりの連結部を上方に立ち上げるとともに、第1壁部15aからの距離が遠くなるように設けてよい。このように、手すりの一部を高くしつつ、浴室内側に出すことで、ユーザに把持しやすくなるようにできる。
【0054】
第2態様の手すりは第1態様において、前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部と、前記手すりの前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部と、を有し、前記洗い場と前記浴槽の底部の高さに応じて、前記浴槽側手すり部および前記洗い場側手すり部の高さが異なってよい。
これにより、ユーザが浴槽の底部または洗い場の底部で立つ場合にそれぞれの底部から同じ高さの手すりに把持でき、浴室内の立ち位置によって手すりが身体から遠ざかることを抑え、浴槽と洗い場を移動する際に把持しやすくできる。
【0055】
第3態様の手すりは第1態様において、前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部と、前記手すりの前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部と、前記浴槽側手すり部および前記洗い場側手すり部を連結する連結部と、を有し、前記連結部は、前記浴槽側手すり部より高くなるように設けられてよい。
これにより、ユーザが浴槽のまたぎ箇所Bを乗り越える際に、連結部を高い位置に設けて把持しやすくできる。
【0056】
第4態様の手すりは第1態様において、前記手すりの前記浴槽側に位置する浴槽側手すり部は、前記手すりの他の部分より低くてもよい。
これにより、浴槽側手すり部は低くなっているため、ユーザが浴槽に座った状態から浴槽側手すり部を把持しやすくできる。また、洗い場側手すり部や、浴槽と洗い場の境界に位置する手すりの高さを高くすることで、ユーザの動作に合わせて把持しやすい手すりの高さに設定できる。
【0057】
第5態様の手すりは第1態様において、前記洗い場側に位置する洗い場側手すり部において、前記浴槽から遠い位置にある端部の高さが他の前記洗い場側手すり部に対して異なってもよい。
これにより、洗い場側手すり部の端部の高さを異ならせて、ユーザの動作に合った高さに洗い場側手すり部を提供できる。
【符号の説明】
【0058】
10 浴槽、 12 洗い場、 15 浴室壁部、 20 手すり、 20a 浴槽側手すり部、 20b 洗い場側手すり部、 20c 連結部。