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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】活動情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230413BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230413BHJP
   B65F 5/00 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
G06Q10/083 320
G06Q50/10
B65F5/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018176860
(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2020047155
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518337854
【氏名又は名称】石井 美也紀
(73)【特許権者】
【識別番号】518337865
【氏名又は名称】長島 行人
(74)【代理人】
【識別番号】100115440
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 光子
(72)【発明者】
【氏名】石井 美也紀
(72)【発明者】
【氏名】長島 行人
【審査官】西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-091150(JP,A)
【文献】特開2006-260391(JP,A)
【文献】特開2014-241085(JP,A)
【文献】特開2007-323199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象物の収集から最終処理までの各工程毎の担当者の活動情報を、帳簿を要しないで、一元管理する活動情報管理システムであって、
各工程において、
前記担当者に関する情報を含む二次元コードを有する認証用カードの読み取り情報(担当者情報)と、前記担当者情報に付加された、認証用カードを読み取った日時を示す日時情報、読み取った場所を示す位置情報、及び管理対象物の工程情報を含む管理情報が、活動情報として管理サーバに送信され、
前記管理サーバが受信した、各工程での担当者の作業・行動に関する活動情報が、時系列でサーバに記録されることで、タイムラインが作成されることを特徴とする活動情報管理システム。
【請求項2】
携帯通信端末の撮影機能により取得された、管理対象物の画像情報が、前記担当者に関する読み取り情報及び管理情報と併せて活動情報として扱われる、請求項1に記載の活動情報管理システム。
【請求項3】
管理対象物が、配送品、郵便物、資源物、生産物又は廃棄物である、請求項1又は2に記載の活動情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収集から最終処理までの各工程の活動情報を、タイムラインで一元管理する活動情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物の収集から最終処分に至る処理工程を、各処理工程毎に、廃棄物に関するマニフェストデータや廃棄物の運搬経路、現在位置、時刻、成分分析等のデータをデータ管理部に転送するとともに、前記廃棄物を動画像によって撮影し、撮影した動画像データをデータ管理部に転送して、廃棄物の処理状況を追跡管理する廃棄物処理状況の追跡管理システムが提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1の追跡管理システムは、大量の産業廃棄物を動画像でまとめて撮影して管理する場合には適しているが、産業廃棄物は種類によって搬送先が異なり、複数種類の産業廃棄物を個別管理する場合には不向きである。また、画像データが動画像であるため、送信するデータ容量が大きくなるばかりか、送信に時間がかかり、迅速にデータを送ることができない。さらに、前記画像データの送信に加え、廃棄物に関するマニフェストデータには担当者の署名を添えて、別途転送しなければならず、作業が煩雑である。
【0004】
そこで、廃棄物を収容した廃棄物回収袋毎にICタグを取り付け、当該ICタグを取付けた廃棄物回収袋を撮影した撮影画像と、ICタグのタグ番号、重量その他の情報で管理する廃棄物管理システムが提案されている(特許文献2)。
【0005】
特許文献2によれば、現場担当者が、廃棄物を収容した廃棄物回収袋にICタグを取り付け、前記ICタグ付き廃棄物回収袋を撮影した撮影画像を基幹サーバに送信する。回収時には、運搬担当者が、前記ICタグからタグ番号を読み取り、現場に持ち込んだ電子秤を用いて廃棄物回収袋の重量を測定し、さらに回収日時等の情報を付加して、所持するハンディーターミナルに一旦記憶し、荷降時には、タグ番号、重量をハンディーターミナルに記憶する。そして、産廃業者が、前記ハンディーターミナルに記憶した情報を、産廃業者の端末に接続されたクレイドルを介して基幹サーバに送信することにより、何時、誰がどんな車で運搬し、荷降ろしたかがわかるとともに、撮影画像によって廃棄物の種類、容量等が適切かどうかを判断できるとしている。
【0006】
特許文献2の廃棄物管理システムは、回収袋ごとにICタグが取り付けられているため、多種多様な廃棄物を個別に管理することができるが、管理するために行う手順が多く煩雑である。また、運搬担当者が電子秤を持ち込まなければならないため手間である。加えて、運搬担当者が記憶したデータは、産廃業者が所有するクレイドルを介して基幹サーバに送信するため、わざわざクレイドルが接続された端末までハンディーターミナルを持っていかなければならない。そのため、管理サーバへの送信を完了するまでに煩雑な手順を経なければならず、これによって必要以上に作業に時間がかかってしまい、非経済的である。さらに、ICタグは大容量のデータを含めるのに適しているが、専用のリーダが必要であり、またICタグ1個当たりの費用が高額であるため、管理にコストが掛かり過ぎてしまう。
【0007】
そこで、高額なリーダやICタグが不要で、収集運搬業者が、中間処分場又は最終処分場に到着した際に、前記処分場の端末装置のディスプレイ画面に表示された二次元バーコードをカメラ付き携帯電話で撮影することにより、撮影した資源物等の位置情報と時間情報が決定され、該位置情報と時間情報が電子マニフェストの一部としてデータ管理部に転送されることで、簡便且つ正確に照合・管理でき、経済性に優れた資源物等の監視・管理システムが提案されている(特許文献3)。
【0008】
しかし、特許文献3の監視・管理システムは、資源物・廃棄物又は生産物等に関する情報を含む二次元バーコードを、中間処分場等に到着した際に撮影することで、資源物等の位置情報、時間情報が決定されデータ管理部に送信されるものであるため、管理対象は資源物等であって、データ管理部に転送される位置情報、時間情報で担当者の作業を管理しているわけではない。そのため、収集運搬業者がどの工程での作業を開始するのか、あるいは作業を終えて報告したのかを正確に把握することができず、活動情報の管理システムとしては不十分である。また、撮影する二次元バーコードが処理場の端末装置のディスプレイに表示されているため、収集運搬業者は、わざわざ二次元バーコードを読み取りに行かなければならず、移動に時間や手間がかかり非経済的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開WO2001-058609号公報
【文献】特開2010-191906号公報
【文献】特開2005-182502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、管理対象物の収集から最終処理までの各工程での担当者の作業を活動情報として記録し、前記活動情報を時系列で管理することにより作成されるタイムラインで一元管理することにより、誰が、いつ、どこで、どの管理対象物について、どの作業を完了したかを簡単に把握、確認することができ、これにより、管理のための帳簿等を別途作成する必要がない、活動情報管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、収集から最終処理までの各工程において、認証用カードの二次元コードを読み取り、読み取った情報に日時情報、位置情報、工程情報を付加し、これらを活動情報として管理サーバに送信して一元管理することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
【0012】
(1)管理対象物の収集から最終処理までの各工程毎の担当者の活動情報を、帳簿を要しないで、一元管理する活動情報管理システムであって、
各工程において、
前記担当者に関する情報を含む二次元コードを有する認証用カードの読み取り情報(担当者情報)と、前記担当者情報に付加された、認証用カードを読み取った日時を示す日時情報、読み取った場所を示す位置情報、及び管理対象物の工程情報を含む管理情報が、活動情報として管理サーバに送信され、
前記管理サーバが受信した、各工程での担当者の作業・行動に関する活動情報が、時系列でサーバに記録されることで、タイムラインが作成されることを特徴とする活動情報管理システム。
(2)携帯通信端末の撮影機能により取得された、管理対象物の画像情報が、前記担当者に関する読み取り情報及び管理情報と併せて活動情報として扱われる、前記(1)に記載の活動情報管理システム。
(3)管理対象物が、配送品、郵便物、資源物、生産物又は廃棄物である、前記(1)又は(2)に記載の活動情報管理システム。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、収集から最終処理までの各工程を、担当者に関する情報を含む二次元コードを有する認証用カードを読み取り、読み取った担当者に関する情報に日時情報、位置情報、工程情報を含む管理情報を付加して、活動情報として管理サーバに送信するだけで一元管理できるため、管理のために煩雑な手順や操作を行う必要がない。
また、前記活動情報は、各工程で管理サーバに送信された順に時系列で記録されるため、管理対象物についてのタイムラインを容易に作成することができる。加えて、タイムラインによって、担当者が日頃作成する業務日報や管理伝票等の帳簿を作成する必要がなくなるため、帳簿作成の時間の短縮、人件費の削減が可能となる。
さらに、前記管理サーバへの送信を、二次元コードを有する認証用カードを読み取ることで送信可能な状態にできるようにすることにより、活動情報を送信した者を確実かつ容易に確認することができ、また担当者が誤って管理サーバに送信する心配がなくなるため、安心安全に活動情報を管理することができる。
【0014】
本発明によれば、さらに、携帯通信端末の撮影機能により管理対象物の画像を撮影し、撮影した画像情報を活動情報に含めることにより、管理対象物の現在の状況を画像情報を通じても得ることができるため、管理サーバにアクセスした者が一見して正確な情報を得ることができる。
【0015】
本発明によれば、管理対象物が配送品、郵便物、資源物、生産物である場合には、発送から受け渡しまでの各工程をタイムラインで一元管理ができるため、発送伝票が不要となり、伝票作成の作業時間や人件費を削減することができる。
管理対象物が廃棄物である場合には、現場での排出から最終処理場での処理完了までの各工程を一元管理することができるため、廃棄物の排出者が管理サーバにアクセスすることにより、現在の廃棄物の処理状況を容易に確認でき、また確実に処理されたことを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の廃棄物処理における活動情報管理システムを示す概略構成図である。
図2】本発明のタイムラインの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の活動情報管理システムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は後述する態様の管理システムに限定されず、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0018】
[活動情報管理システム]
図1は、本発明の廃棄物処理における活動情報管理システムを示した概略構成図である。
本発明の活動情報管理システムは、各工程毎の担当者の活動情報を管理サーバで記録するとともに、前記活動情報によりタイムラインを作成して一元管理することにより、管理対象物についての現在の状況を正確に把握して管理できるものである。
【0019】
本発明の活動情報管理システムは、各工程の担当者が所持する携帯通信端末と、活動情報を管理する管理サーバを、インターネットのネットワークを介して接続している。活動情報は、収集から最終処理までの各工程毎の担当者から管理サーバに送信され、管理サーバは受信した順に活動情報を記録してタイムラインを作成する。担当者は、携帯通信端末から管理サーバにアクセスすることにより、作成されたタイムラインを確認でき、現在の作業状況を把握することができる。
【0020】
本発明において、管理対象物とは、配送品、郵便物、資源物、生産物又は廃棄物である。
前記配送品とは、店舗等で購入した商品や、オンラインショップ、インターネットオークション等で購入した商品などである。
前記郵便物とは、国内郵便、国際郵便の通常郵便物(手紙、はがき、定期刊行物、通信教育・学術刊行物等)又は小包郵便物である。
前記資源物とは、自然界から得られる鉱物や土地、水などの天然資源、海洋資源、水産資源、これらから生み出される動植物資源、エネルギー資源、食糧資源等である。
前記生産物とは、前記資源物に人間の労働力を加えて生み出された財である。財とは、有形の生産物のことであり、例えば、家電製品、家財道具、食料品、衣類、雑貨等である。これに対し、無形の生産物はサービスと呼ばれ、例えば、通信、医療、教育等がある。
前記廃棄物とは、廃棄物処理法で規定された一般廃棄物、産業廃棄物、あるいは、放射線性物質汚染対処特措法に規定された特定一般廃棄物、特定産業廃棄物である。産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された20種をいう。産業廃棄物の中でも、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に害を生じる性状を有するものを特別管理産業廃棄物とし、さらに特別管理産業廃棄物の中でも、廃PCB、PCB汚染物や、重金属、ダイオキシン類、有機塩素化合物等を一定濃度以上含むものを特定有害産業廃棄物としている。一般廃棄物とは、前記産業廃棄物以外のものをいい、事業系一般廃棄物、家庭廃棄物、特別管理一般廃棄物がある。特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物とは、特定廃棄物以外の放射性セシウムによる汚染レベルの低い廃棄物である。特定廃棄物とは、福島第一原子力発電所周辺の汚染廃棄物対策地域内にある廃棄物(対策地域内廃棄物)、放射性セシウムの放射性濃度が8,000ベクレル/kgを超えて環境大臣の指定をうけた廃棄物(指定廃棄物)である。特定廃棄物は、放射性物質汚染対処特措法に基づき国が処理し、特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物は、廃棄物処理法及び放射性物質汚染対処特措法に基づき、市町村、一般廃棄物処理業者、排出事業者、産業廃棄物処理業者等が処理する。
【0021】
本発明において、収集から最終処理までとは、管理対象物が配送品、郵便物、資源物、生産物(以下、纏めて「配送品等」と称することがある。)である場合には、依頼主により発送された配送品等を収集し、前記収集した配送品等を、配送品等が一旦集められる集約場所まで運搬し、前記集約場所にて配送地域ごとに仕分けられ、前記仕分けられた配送品等を配達地域の集約場所まで運搬し、前記集約場所から受取人に届けられるまで、である。管理対象物が廃棄物である場合には、現場又は集積場に集められた廃棄物を収集し、前記収集した廃棄物を中間処理場や最終処理場(以下、纏めて「処理場」と称することがある。)まで運搬し、前記処理場到着後に廃棄物を荷降し、前記荷降ろした廃棄物を処理場内で処理するまで、である。また必要に応じて、廃棄物を保管場に一時保管したのち、前記処理場まで運搬する場合もある。さらに現場において、家屋等の解体を活動情報に含める場合には、家屋等を解体し、前記解体した材を分別し、分別した廃棄物を運搬し、処理場内で処理するまで、となる。
【0022】
[活動情報]
活動情報は、担当者に関する情報を含む二次元コードを有する認証用カードを、携帯通信端末を用いて読み取ることで得られる担当者情報と、前記認証用カードを携帯通信端末で読み取った日時情報、位置情報と、前記携帯通信端末を操作して入力される工程情報とを含む管理情報とからなる。
【0023】
活動情報の送信は、以下の段階を経ることで行われる。
先ず、担当者が所持する携帯通信端末のアプリケーションを起動し、次いで認証用カードの二次元コードを読み取る。二次元コードが読み取られると、二次元コードに含まれる担当者情報が携帯通信端末内の内部メモリに一時的に記憶される。同時に、二次元コードを読み取った日時情報、位置情報が携帯通信端末から取得され、内部メモリに一時的に記憶される。この時、携帯通信端末は、二次元コードが読み取られることによって、管理サーバに送信可能な状態になる。そして、携帯通信端末の画面上から管理対象物の現在の工程情報を選択して送信することにより、前記担当者情報と、前記日時情報、位置情報、工程情報からなる管理情報が、活動情報として管理サーバに送信される。
【0024】
つまり担当者は、所持する携帯通信端末内のアプリケーションを起動し、担当者カードの二次元コードを読み取り、管理対象物の工程情報を選択して、送信操作を行うだけで管理サーバに活動情報を送信できるため、煩雑な操作が不要である。また、その場にいながら活動情報を送信できるため、送信端末が設置された場所までわざわざ移動する手間がない。
【0025】
担当者とは、配送品、郵便物、資源物、生産物、廃棄物に関わる全ての者であり、例えば、配送品等の発送を依頼する依頼者、集荷、運搬を行う運搬業者、仕分け担当者、配送先の受取者や、家屋を解体、分別する現場担当者、荷揚げ、運搬、荷降しを行う運搬業者、保管担当者、中間・最終処理を行う処理業者等である。
【0026】
認証用カードは、各工程の担当者毎に作成され、各担当者に事前に配布される。認証用カードには、担当者に関する情報を含む担当者情報が、二次元コード化されて付与されている。担当者情報は、認証用カードを作成する前に必要事項を事前に登録しておき、登録した情報に基づいて二次元コードを作成する。
【0027】
担当者情報としては、配送品等を発送する依頼者、依頼責任者、配送品等を収集、運搬する運搬業者、配送品等を配送地区ごとに仕分けする担当者、配送品等の受取者の氏名、所属部署名、会社名、住所又は所在地、電話番号、会社毎に付与された個別の会社コード、運搬車両の車両番号、運搬車両毎に付与された個別の車両コード、あるいは、家屋等を解体、解体後の廃棄物を分別する現場担当者、廃棄物等を収集、運搬、荷降ろしする運搬業者、廃棄物等を一時保管する保管場担当者、中間処理場担当者、最終処理場担当者の氏名、所属部署名、会社名、住所又は所在地、電話番号、会社毎に付与された個別の会社コード、運搬車両の車両番号、運搬車両毎に付与された個別の車両コード、解体する家屋毎に付与された家屋コード等がある。これらの情報から、それぞれの担当者に必要な情報を種々選択して担当者情報とする。担当者情報は、管理サーバに事前に登録されており、当該登録された情報から二次元コードを作成し、認証用カードに付与される。
【0028】
二次元コードは、特定のアプリケーションまたは暗号解読プログラム(以下、「アプリケーション等」と称する。)がインストールされていない携帯通信端末では読み取れないように暗号化されていることが好ましい。アプリケーション等は、後述する各工程の担当者が所持する携帯通信端末に事前にインストールされていることが好ましい。これにより、アプリケーション等を使用しないで二次元コードを読み取った場合には、文字化けが起こり正常に認識できないため、第三者にバーコードに含まれる担当者情報を読み取られる心配がなく、セキュリティを向上させることができる。また、アプリケーション等をインストールした携帯通信端末で、担当者情報が含まれていない二次元コードが読み取られた場合には、携帯通信端末の画面上にエラーを表示するか、警告音を発するようにすることが好ましい。
【0029】
二次元コードとしては、PDF417、マイクロPDF417、Code49、Code16K、Codablock、Supercode、Ultracode、RSScomposite、AztecMesaなどのスタック式二次元コード;QRコード(登録商標)、マイクロQRコード、SPコード、VeriCode、MaxiCode、CPコード、DataMatrix、DataMatrixECC200、Code1、AztecCode、インタクタコード、カードe、カメレオン・コードなどのマトリクス式二次元コードがある。中でも、読み取りの際の角度を気にすることなくカメラ等で容易に読み取ることができ、万が一、汚れてしまったり欠損してしまった場合でも読み取ることができる点より、QRコードが好ましい。
二次元コードのほかに情報をバーコード化したものとして、一次元コード(バーコード)があるが、バーコードは含めることができる情報量が数十文字程度と少なく、英数字、記号しかバーコード化できないため、本発明には適さない。また、大量の情報を含めることができるものとしてICタグがあるが、ICタグはそれ自体が高価であり、さらに専用のリーダを用意しなければならないため、管理対象物1つ当たりのコストが膨大になり好ましくない。さらにICタグは、データの暗号化に向いておらず、この点においても本発明には適さない。
【0030】
携帯通信端末は、各工程の担当者が日頃から所持しているものを使用できる。例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、ハンディターミナル、バーコードリーダなどが挙げられる。中でも、軽量で嵩張らず、広く一般に普及しており、二次元コードを読み取る読取機能、読み取った情報を管理サーバに送信する送信機能、画像を撮影できる撮影機能等を有している点から、スマートフォンが好ましい。
【0031】
管理情報は、日時情報、位置情報、工程情報が少なくとも含まれる。その他に、配送品等に関する配送先の名称、住所、電話番号、品名、個口数、配送上の注意事項や、廃棄物に関する排出者、運搬業者、保管業者、処理業者(以下、纏めて「排出者等」と称することがある。)の名称、住所又は所在地、電話番号、排出者等毎に個別に付与された管理コード、産業廃棄物、特別管理産業廃棄物、特定産業廃棄物の種類・品目毎に付与された分類コード、特別管理産業廃棄物に分類される有害物質を含む廃棄物に付与された有害物質コード、容量、荷姿、処理方法等の特記事項が記載された備考等を含めてもよい。配送品等においては、品名や割れ物などの注意事項等が管理情報に含まれていることにより、運搬業者に対する注意喚起が容易となる。廃棄物等においては、種類や品目、特記事項が管理情報に含まれていることにより、運搬業者や中間・最終処理業者に便宜が図られる。
【0032】
日時情報は、携帯通信端末で二次元コードを読み取ったときの日時を使用する。
位置情報は、携帯通信端末に備え付けられたグローバル・ポジショニング・システム;GPS(Global Positioning System)により、二次元コードを読み取ったときの位置を使用する。
これにより、正確かつ容易に、日時情報、位置情報を取得することができる。
【0033】
工程情報は、前記収集から最終処理までで述べた通り、配送品等においては、発送、収集、運搬、仕分け、受取り工程の情報である。また廃棄物においては、現場での解体、廃棄物等の分別、収集、運搬、荷降し、保管、処理工程等の情報である。工程情報は、携帯通信端末を操作して入力されるようにする。
【0034】
管理サーバへの送信は、携帯通信端末を用いて二次元コードが読み取られることによって管理サーバに送信可能な状態としたのち、前記工程情報が、携帯通信端末を用いて入力され、送信操作が行われることによって送られる。
【0035】
管理サーバに送信可能な状態とは、携帯通信端末の画面上において、送信操作を行うことができる状態のことである。二次元コードが読み取られる前では、送信の操作を行っても携帯通信端末から管理サーバに活動情報が送信できない状態になっているが、二次元コードが読み取られることにより、送信の操作を行うことで管理サーバに送信できる状態になる。
【0036】
[画像情報]
さらに、前記認証用カードの二次元コードを読み取り、前記工程情報を入力したのち、担当者の携帯通信端末に備え付けられた撮影機能により管理対象物の画像を撮影し、当該画像情報を担当者情報、管理情報と併せて、管理サーバに送信してもよい。これにより、各工程で送信された活動情報を、管理対象物の実際の画像でも確認することができるため、活動情報の管理精度をさらに高めることができる。
【0037】
撮影される画像情報は、静止画像又は動画像どちらでもよいが、画像データのデータ容量が少なく、また送信時の通信時間が短い点から、静止画像が特に好ましい。画像の撮影枚数は、管理に必要な枚数を適宜撮影して送信すればよい。画像情報は、後述するタイムラインを構成する活動情報の一部として、管理サーバで管理される。
【0038】
また家屋等の解体の現場において、解体前の家屋内外の状態を、決められた方角、あるいは特定の対象物を撮影しなければならいないといったことがある。この場合には、前記方角等の取り決めを項目毎に列記して携帯通信端末の画面上で選択できるようにしておき、当該項目を選択したのち画像を撮影することにより、項目と画像情報とを関連付けるようにすればよい。担当者は、前記工程情報で解体を選択したのち、当該項目を選択して画像を撮影することを繰り返し、撮影が完了したものを管理サーバに送信する。前記送信は項目毎に都度行ってもよいし、全ての項目について撮影が完了したのちに行ってもよい。こうすることにより、必要な画像を撮り漏らす心配が無い。さらに、撮影が完了した項目と撮影が完了していない項目の表示を変えることによって、撮り漏らす危険性をより無くすことができる。
【0039】
[管理サーバ]
図2は、本発明のタイムラインの一例を示す図である。
本発明において、タイムラインとは、管理対象物について、収集から最終処理に至るまでの各工程での担当者の作業や行動を管理サーバで記録し、蓄積したものである。すなわち、タイムラインによって担当者の活動情報を把握することができ、これにより、管理対象物がどういう状況にあるのかを把握することができる。管理サーバは、各工程の担当者から送信された活動情報を、管理サーバが受信した順に時系列で記録する。この時、タイムラインを作成するための作業は特に必要ない。活動情報を管理サーバが記録することがタイムラインの作成に当たる。タイムラインは、管理対象物毎に作成される。これにより、だれが、いつ、どこで、どの管理対象物を、どの工程を完了したかを容易に把握することができる。タイムラインは、管理サーバにアクセスした者が端末上で確認でき、現在の作業状況を容易に把握することができる。したがって、各工程の担当者は別途帳簿を作成する必要がない。
前記帳簿とは、その日の業務内容や輸送内容、建設や解体等の作業内容が記入される日報、報告書、管理伝票、管理資料などである。
【0040】
タイムラインは、後から活動情報を挿入したり、あるいは既に記録された活動情報を削除したりすることができないようにすることが好ましい。これにより、活動情報やタイムラインのエビデンスを確保できるため活動情報管理システムの信頼性が向上し、さらにデータの改ざんを未然に防ぐことができる。
【0041】
タイムラインは、万が一、誤入力などによって修正が必要になった場合のために、修正できるようにすることが好ましい。この場合、修正した箇所の修正ログが残るようにすることにより、管理サーバのアクセス者が修正があったことを容易に確認できるため好ましい。
【0042】
タイムラインは、さらにExcelやPDF等での出力機能や印刷機能を備えていてもよい。これにより、電子媒体での管理のほかに、紙媒体での管理もできるため、管理者側の用途に合わせた管理が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の活動情報管理システムは、配送品、郵便物、資源物、生産物や廃棄物に対して好適に使用できるものであるが、その他に、住宅のリフォーム、リノベーション、或いは身体介護、生活援助、通院介助などの介護サービスにも適用可能である。
図1
図2