(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】動力式荷物入アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B64D 11/00 20060101AFI20230413BHJP
B60R 7/06 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
B64D11/00
B60R7/06 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019034029
(22)【出願日】2019-02-27
【審査請求日】2022-02-04
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】マーク エル.クラウド
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エル.シュウィッタース
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0078871(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2492194(EP,A1)
【文献】特表2016-513037(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0152044(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0073462(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/00
B60R 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすように構成されており、
前記容器駆動システムは、前記ストロングバックの形状にほぼ一致するように寸法及び形状が設定されており、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器の一部と係合することができるように前記ストロングバックを貫通している、荷物入アセンブリ。
【請求項2】
前記容器駆動システムは、前記ストロングバックに固定されている、請求項1に記載の荷物入アセンブリ。
【請求項3】
ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすように構成されており、
前記作動リンクは、アーチ状経路に延在している
、荷物入アセンブリ。
【請求項4】
前記枢動容器を前記閉位置で固定保持するラッチをさらに含む、請求項1、2、又は、3に記載の荷物入アセンブリ。
【請求項5】
前記枢動容器に固定された操作ボタンをさらに含み、前記操作ボタンは、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように操作可能に構成されている、請求項1~4のいずれか1つに記載の荷物入アセンブリ。
【請求項6】
ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすように構成されており、
前記閉位置に向かう前記枢動容器の動きを停止させるセンサ警告信号を出力するように構成された1つ以上のセンサをさらに含む
、荷物入アセンブリ。
【請求項7】
前記1つ以上のセンサは、前記モータに対する入力電流、或いは出力電流を検出するように構成された電流センサを含む、請求項6に記載の荷物入アセンブリ。
【請求項8】
前記1つ以上のセンサは、物体の存在を検出するように構成された近接又は動きセンサを含む、請求項6又は7に記載の荷物入アセンブリ。
【請求項9】
前記容器駆動システムと通信する駆動制御ユニットをさらに含み、前記駆動制御ユニットは、前記容器駆動システムの動作を制御するように構成されている、請求項1~8のいずれか1つに記載の荷物入アセンブリ。
【請求項10】
ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすように構成されており、
前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記枢動容器の一部から離れてホーム位置に移動するように構成されている
、荷物入アセンブリ。
【請求項11】
ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすように構成されており、
前記作動リンクは、ベルトを含み、前記容器用アクチュエータは、キャリッジを介して前記ベルトに機能接続しており、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器の背面から延びる突起を押して、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるプッシャを含み、前記プッシャは、前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記突起から分離するように構成されている
、荷物入アセンブリ。
【請求項12】
ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすように構成されており、
前記枢動容器が前記開位置と前記閉位置との間を移動する際、前記容器用アクチュエー
タは、前記枢動容器の枢動点の後方に位置している
、荷物入アセンブリ。
【請求項13】
ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすように構成されており、
前記容器用アクチュエータは、下方に移動して前記枢動容器を前記閉位置に押し動かす
、荷物入アセンブリ。
【請求項14】
ビークルの内部キャビンにおいて荷物入アセンブリを動作させる方法であって、
前記内部キャビンにおいて、枢動容器をストロングバックに変位可能に接続することと、
作動リンクを介して、容器駆動システムのモータを容器用アクチュエータに機能接続することと、
前記枢動容器を開けて開位置に配置することと、
前記容器駆動システムによって前記枢動容器を前記開位置から閉位置に移動させることと、を含み、前記移動は、前記モータを動作させ、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させることにより、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすこと
と、
前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記枢動容器の一部から離れてホーム位置に移動させることと、を含む、方法。
【請求項15】
前記容器駆動システムを前記ストロングバックに確実に固定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、民間航空機などのビークルにおける内部キャビンに関し、特に、ビークルの内部キャビンにおける動力式荷物入アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空機は、典型的には、多くのセクションに分割可能な内部キャビンを含む。一般に、コックピットは客室キャビンとは分割されており、当該キャビンは、ファーストクラスセクションと、ビジネスクラスセクションと、コーチセクションとを含みうる。客室キャビンはまた、飲食物を貯蔵する構造体を含むギャレーなどの、客室乗務員のための1つ以上の作業領域を含みうる。1つ以上の通路がこの客室キャビンを通過しており、各客室セクションを、航空機の1つ以上の経路、及び/又は、1つ以上のドアと繋いでいる。
【0003】
頭上荷物入は、典型的には、民間航空機内の座席列の上に配置されている。各頭上荷物入は、開位置と閉位置との間で変位可能に構成されている。開位置においては、乗客は、変位可能な容器又は箱に機内持ち込み手荷物を入れることができる。航空機がターミナルを離れる前に、客室乗務員は、各荷物入が確実に閉まっているかを確認する。
【0004】
荷物入を開けるために、動作主(例えば、乗客や客室乗務員)は、ラッチに接続するボタンなどの、荷物入の一部に物理的に接触する。例えば、動作主は、荷物入を開位置に移動させるために、最初にボタンを押下する。
【0005】
航空機がある1つの場所から離陸する前、内部キャビンにおける荷物入は閉じられている。典型的には、客室乗務員などの動作主は、荷物入を手動で閉じる。荷物が満載された荷物入アセンブリは、重い可能性がある。お分かりのように、内部キャビンにおける複数の荷物入を手動で閉じることは、肉体的な負担がかかりうる。
【発明の概要】
【0006】
したがって、容易に閉じることが可能な荷物入アセンブリが必要とされている。さらに、自動で効率的に閉じることが可能な荷物入アセンブリが必要とされている。
【0007】
これらの必要性を念頭におき、本開示のいくつかの実施形態においては、ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリが提供される。前記荷物入アセンブリは、ストロングバックと、前記ストロングバックに変位可能に接続された枢動容器とを含む。前記枢動容器は、開位置と閉位置との間で変位可能に構成されている。容器駆動システムは、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成されている。前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含む。前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすように構成されている。
【0008】
少なくとも1つの実施形態においては、前記容器駆動システムは、前記ストロングバックに確実に固定されている。前記作動リンクは、アーチ状経路に延在していてもよい。
【0009】
前記荷物入アセンブリは、前記枢動容器を前記閉位置で固定保持するラッチを含みうる。前記荷物入アセンブリは、前記枢動容器に固定された操作ボタンを含みうる。前記操作ボタンは、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように操作可能に構成されている。
【0010】
前記荷物入アセンブリは、前記閉位置に向かう前記枢動容器の動きを停止させるセンサ警告信号を出力するように構成された1つ以上のセンサを含みうる。前記センサは、前記モータに対する入力電流、又は出力電流を検出するように構成された電流センサであってもよい。前記センサは、物体の存在を検出するように構成された近接センサ又は動きセンサを含みうる。
【0011】
少なくとも1つの実施形態においては、駆動制御ユニットは、前記容器駆動システムと通信する。前記駆動制御ユニットは、前記容器駆動システムの動作を制御するように構成されている。
【0012】
少なくとも1つの実施形態においては、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記枢動容器の一部から離れてホーム位置に移動するように構成されている。
【0013】
前記作動リンクはベルトを含みうる。前記容器用アクチュエータは、キャリッジを介して前記ベルトに機能接続されていてもよい。前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器の背面から延びる突起を押して、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるプッシャを含みうる。前記プッシャは、前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記突起から分離するように構成されてもよい。
【0014】
前記枢動容器が前記開位置と前記閉位置との間を移動する際、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器の枢動点の後方に位置していてもよい。前記容器用アクチュエータは、下方に移動して前記枢動容器を前記閉位置に押し動かすように構成されてもよい。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態においては、ビークルの内部キャビンにおいて荷物入アセンブリを動作させる方法が提供される。上記方法は、前記内部キャビンにおいて、枢動容器をストロングバックに変位可能に接続することと、作動リンクを介して、容器駆動システムのモータを容器用アクチュエータに機能接続することと、前記枢動容器を開けて開位置に配置することと、前記容器駆動システムによって前記枢動容器を前記開位置から閉位置に移動させることと、を含む。前記移動は、前記モータを動作させ、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させることにより、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の実施形態による、航空機の正面斜視図である。
【
図2A】本開示の実施形態による、航空機の内部キャビンを示す上面図である。
【
図2B】本開示の実施形態による、航空機の内部キャビンを示す上面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、航空機の内部キャビンを示す内部斜視図である。
【
図4】本開示の実施形態による、荷物入アセンブリを示す概略ボックス図である。
【
図5】本開示の実施形態による、容器駆動システムを示す正面斜視図である。
【
図6】本開示の実施形態による、容器駆動システムを示す背面斜視図である。
【
図7】本開示の実施形態による、荷物入アセンブリを示す斜視後方上面図である。
【
図8】本開示の実施形態による、容器駆動システムが固定されたストロングバックを示す内部斜視図である。
【
図9】本開示の実施形態による、開位置における荷物入アセンブリを示す正面斜視図である。
【
図10】本開示の実施形態による、枢動容器が開位置にある荷物入アセンブリを示す側面図である。
【
図11】本開示の実施形態による、枢動容器の一部に係合する容器用アクチュエータを示す側面図である。
【
図12】本開示の実施形態による、枢動容器が閉位置にある荷物入アセンブリを示す側面図である。
【
図13】本開示の実施形態による、枢動容器が閉位置にある状態において、枢動容器の一部と係合する容器用アクチュエータを示す側面図である。
【
図14】本開示の実施形態による、枢動容器が閉位置にあり、且つ、容器用アクチュエータがホーム位置にある荷物入アセンブリを示す側面図である。
【
図15】本開示の実施形態による、ホーム位置における容器用アクチュエータを示す側面図である。
【
図16】本開示の実施形態による、荷物入アセンブリを動作させる方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述した発明の概要、及び、下記のいくつかの実施形態の詳細な説明は、添付の図面を参照することによって、より明確に理解されよう。本明細書において、単数形で記載されている要素或いは工程は、複数の要素或いはステップを必ずしも排除するものではない。さらに、「一実施形態」に言及することは、その実施形態に記載した特徴を盛り込んだ別の実施形態の存在を排除することを意図するものではない。加えて、特に明記されていない限り、特定の性質を有する1つの要素又は複数の要素を「含む(comprising)」又は「有する(having)」実施形態は、その性質を有さない別の要素を追加的に含んでいてもよい。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態においては、ストロングバック(strongback)に対して枢動容器を自動的に閉じるように構成された動力式荷物入アセンブリが提供される。荷物入アセンブリは、枢動容器を開位置から閉位置に押し動かすように構成されている。
【0019】
ストロングバックは、枢動容器の枢動点を形成する構造体であってもよい。ストロングバックは、内部キャビンにおける頭上構造体であってもよい。ストロングバックは、金属、プラスチック、及び/又は、複合材料で形成することができる。ストロングバックは、様々な形状及び寸法を有しうる。少なくとも1つの実施形態においては、ストロングバックは、金属製及び/又は複合材のブラケット(bracketry)や支材(struts)などを含みうる。
【0020】
少なくとも1つの実施形態においては、枢動容器の枢動点は、枢動容器の質量中心の近傍に位置する。容器駆動システムは、枢動容器を(引っ張ったり持ち上げたりするのではなく)閉位置に効率的に押し動かすために、当該枢動容器に機能接続している。容器駆動システムは、枢動容器の質量中心に対する枢動点の位置により、枢動容器を閉じるのに消費するエネルギーの量が低減されている。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態においては、ビークルのための荷物入アセンブリが提供される。荷物入アセンブリは、固定ビークル構造体(例えば、ストロングバック)に枢動可能に取り付けられた枢動容器と、前記固定ビークル構造体に接続されるとともに、前記枢動容器に選択的に取り付け可能な容器駆動システムとを含む。容器駆動システムは、枢動容器に対して一枢動方向(例えば、閉じ方向)に力を加えるように、前記枢動容器に選択的に取り付けることができる。荷物入アセンブリは、さらに、電流センサ、静電容量式タッチセンサ、ラッチ状態センサなどの、1つ以上のセンサを含みうる。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態においては、枢動荷物入を動作させる方法が提供される。この方法は、電子ラッチを有する枢動容器を閉位置から解放して、(重力やばね力などにより)枢動容器を所定位置に移動させることと、前記枢動容器の内容物の荷積み又は荷下ろしのうちの少なくとも一方を行うことと、容器駆動システムを作動させて、前記枢動容器において枢動点とは反対側に位置する側部に力を加えることにより、前記枢動容器の開口を、力を加えている方向とは反対側に動かすか、或いは、前記枢動容器を手動で閉じるか、のいずれかを行うことにより、前記容器を閉じることと、を含む。
【0023】
本明細書に記載のシステム及び方法は、軽量で、信頼性があり、安価で、さらに、高品質な荷物入アセンブリを提供する。さらに、本システム及び方法は、容易且つ迅速に閉じることが可能な荷物入アセンブリを提供することにより、乗客の満足度を向上させることができる。さらに、容器駆動システムは、枢動容器を閉位置に押し動かすことによって梃子の作用を有利に利用することができるが、これは、例えば、当該容器駆動システムが、枢動容器の枢動点に対して相対配置されているからである。
【0024】
図1は、本開示の実施形態による、航空機10などのビークルを示す正面斜視図である。航空機10は、2つのターボファンエンジン14を備える推進システム12を含みうる。任意ではあるが、推進システム12は、図示例よりも多い数のエンジン14を含んでもよい。エンジン14は、航空機10の翼16に搭載される。他の実施形態においては、エンジン14は、胴体18及び/又は尾部20に搭載されてもよい。尾部20はまた、水平安定板22及び垂直安定板24を支持することができる。
【0025】
航空機10の胴体18は、内部キャビンを画定しており、当該内部キャビンは、コックピットと、1つ以上の作業セクション(例えば、ギャレーや乗務員の機内持ち込み手荷物用の領域など)と、1つ以上の乗客セクション(例えば、ファーストクラス用、ビジネスクラス用、及び、コーチ用のセクション)と、後方セクションとを含みうる。セクションの各々は、キャビン移行領域によって分割されてもよい。頭上荷物入アセンブリは、内部キャビンの全体に設けられている。
【0026】
なお、本開示の実施形態は、航空機に代えて、自動車、バス、機関車や電車の車両、船舶、宇宙船などの様々な他のビークルと共に使用することもできる。
【0027】
図2Aは、本開示の実施形態による、航空機の内部キャビン30を示す上面図である。内部キャビン30は、航空機の胴体32内に設けられる。例えば、内部キャビン30は、1つ以上の胴体壁部材によって画定されている。内部キャビン30は、複数のセクションを含み、これらには、前方セクション33と、ファーストクラスセクション34と、ビジネスクラスセクション36と、前方ギャレーステーション38と、拡張エコノミー/コーチセクション40と、標準エコノミー/コーチセクション42と、複数の化粧室及びギャレーステーションを含みうる後方セクション44と、が含まれる。なお、内部キャビン30は、図示例より多いか、或いは少ない数のセクションを含みうる。例えば、内部キャビン30は、ファーストクラスセクションを含まず、図示例よりも多いか、或いは少ない数のギャレーステーションを含んでもよい。各セクションは、キャビン移行エリア46によって分割されており、当該エリアは、通路48間にクラス仕切りアセンブリを含みうる。
【0028】
図2Aに示すように、内部キャビン30は、後方セクション44に続く2つの通路50及び52を含む。任意ではあるが、内部キャビン30は、図示例よりも少ないか、或いは多い数の通路を有していてもよい。例えば、内部キャビン30は、当該内部キャビン30の中心を貫通するとともに、後方セクション44に続く1本の通路を含んでいてもよい。
【0029】
図2Bは、本開示の実施形態による、航空機の内部キャビン80を示す上面図である。内部キャビン80は、航空機の胴体81内に設けられている。例えば、内部キャビン30は、1つ以上の胴体壁部材によって画定することができる。内部キャビン80は、複数のセクションを含み、これらのセクションには、乗客席83を有するメインキャビン82と、当該メインキャビン82の後方に位置する後方セクション85とが含まれる。なお、内部キャビン80は、図示例より多いか、或いは少ない数のセクションを含みうる。
【0030】
内部キャビン80は、後方セクション85に続く1本の通路84を含みうる。1本の通路84は、内部キャビン80の中心を貫通するとともに、後方セクション85に続いている。例えば、1本の通路84は、内部キャビン80の中央長手面86と同軸上に並んでいる。
【0031】
図3は、本開示の実施形態による、航空機の内部キャビン100を示す内部斜視図である。内部キャビン100は、外側壁部材102と、複数の天井パネルを有しうる天井104と、を含む。外側壁部材102には、窓106が形成されている。フロア部材108は、座席110の列を支持する。
図3に示すように、列112は、通路113の両側にそれぞれ2つの座席110を含みうる。なお、列112は、図示例より多いか、或いは少ない数の座席110を含んでいてもよい。これに加えて、内部キャビン100は、図示例よりも多い通路を含んでいてもよい。
【0032】
通路113の両側において、外側壁部材102と天井104との間には、PSU(電源ユニット)114などの電気装置が固定されている。複数のPSU114は、内部キャビン100の前方端と後方端との間に散在している。例えば、列112における各座席110の上方に1つのPSU114が設けられていてもよい。各PSU114は、列112内の各座席110(又は、座席グループ)の上方にハウジング116を含み、当該ハウジングは、概して、乗客用通気口と、読書灯と、酸素供給システム(例えば、酸素バッグ投下パネル)と、乗務員呼出ボタンと、他の類似した制御部とを含む。
【0033】
頭上荷物入アセンブリ118は、通路113の両側において、PSU114の上方及び内側であって、且つ、天井104及び/又は外壁部材102の近傍に配置された構造体に、それぞれ固定されている。頭上荷物入アセンブリ118は、座席110の上方に固定されている。頭上荷物入アセンブリ118は、内部キャビン100の前方端と後方端との間に延在している。各荷物入アセンブリ118は、ストロングバック(
図3では視界から隠れている)に枢動可能に固定された枢動容器/箱120を含みうる。頭上荷物入アセンブリ118は、PSU114の下面よりも上方且つ内側に設けられている。頭上荷物入アセンブリ118は、例えば、乗客の手荷物及び私物を受容するために、枢動して開くように構成されている。
【0034】
本明細書において、「外側(outboard)」なる用語は、他のコンポーネントと比較して、内部キャビン100の中央長手面122から遠い位置を意味する。本明細書において、「内側(inboard)」なる用語は、他のコンポーネントと比較して、内部キャビン100の中央長手面122に近い位置を意味する。例えば、PSU114の下面は、荷物入アセンブリ118に対して外側に配置されている。
【0035】
電気装置125は、荷物入アセンブリ118の枢動容器120に取り付けることができる。図示のように、電気装置125は、箱120の外面に固定することができる。これに代えて、電気装置125は、枢動容器120の内面に固定することもできる。少なくとも1つの実施形態においては、電気装置125は、枢動容器120に埋設されている。電気装置125は、電気ラッチ又は電気錠、スピーカ、照明アセンブリ(例えば、1つ以上の発光ダイオード)、モニタ(例えば、ビデオスクリーン及び/又はタッチスクリーン)、ファン、1つ以上のセンサなどのうちの1つ又は複数であってもよい。さらに、電気装置は、例えば、読書灯パネルに隣接するPSUトラフ(PSU trough)内に設けることもできる。
【0036】
電気ラッチの形態の電気装置125は、枢動容器120の様々な領域に配置することができる。例えば、ラッチは、枢動容器120の前面の中央に、或いはこれに近接して設けられてもよいし、上端、下端、側部などに近接して設けられてもよい。少なくとも1つの実施形態においては、ラッチが、枢動容器120に設けられるのではなく、これに代えて、荷物入アセンブリ118が固定されている構造体に設けられてもよい。
【0037】
図4は、本開示の実施形態による、荷物入アセンブリ200を示す概略ボックス図である。
図3に示す荷物入アセンブリ118は、荷物入アセンブリ200の一例である。荷物入アセンブリ200は、ストロングバック204などの固定構造体に対して変位可能に取り付けられた枢動容器202を含む。
図3に示す枢動容器120は、枢動容器202の一例である。枢動容器202は、開位置と閉位置との間でストロングバック204に対して選択的に変位可能に構成されている。
【0038】
容器駆動システム206は、ストロングバック204及び枢動容器202に機能接続されている。例えば、容器駆動システム206は、ストロングバック204に取り付けられており、枢動容器202の一部に係合して、当該枢動容器202を開位置から閉位置に動かすように構成されている。
【0039】
容器駆動システム206は、作動リンク212を介して容器用アクチュエータ210に機能接続されたモータ208を含む。モータ208は、回転モータやブラシレス直流(DC)モータなどであってもよい。容器用アクチュエータ210は、枢動容器202の一部に係合可能に構成されたプッシュロッド、ブロック、又は、足部(foot)などを含みうる。作動リンク210は、駆動ベルト、ボールねじ、ウォームねじ(worm screw)、1つ以上の歯車、1つ以上のプーリ、1つ以上の軌道(tracks)、1つ以上のチェーンなどを含みうる。作動リンク210は、例えば、アーチ状経路に延在している。このため、作動リンク210の少なくとも一部は湾曲している。少なくとも1つの他の実施形態においては、作動リンク210は、直線経路に延在している。この実施形態においては、作動リンク210は、直線状である。作動リンク210は、ストロングバック204及び/又は枢動容器202の形状に一致するように寸法及び形状が決められてもよい。すなわち、ストロングバック204及び/又は枢動容器202の形状により、作動リンク210の寸法及び形状が決まる。
【0040】
ラッチ214は、枢動容器202に接続されている。ラッチ214は、閉位置において、枢動容器202をストロングバック204に対して固定保持するように構成された電子ラッチであってもよい。これに代えて、荷物入アセンブリ200は、ラッチ214を含まなくてもよい。
【0041】
枢動容器202には、操作ボタン216が固定されている。操作ボタン216は、電子膜スイッチ、キー、及び/又は、作動装置などであってもよく、これらを押下すると、ストロングバック204に対して枢動容器202を閉じるための信号が送信される。これに代えて、荷物入アセンブリ200は、操作ボタン216を含まなくてもよい。
【0042】
枢動容器202及び/又はストロングバック204には、1つ以上のセンサ218が固定されている。センサ218は、モータが必要とする電流入力、及び/又は、モータ208が出力する電流を検出するように構成された電流センサ、及び/又は、物体(例えば、手)の存在を検出するように構成された近接又は動きセンサ(例えば、赤外線センサや超音波センサなど)などを含みうる。これに代えて、荷物入アセンブリ200は、センサ218を含まなくてもよい。
【0043】
駆動制御ユニット220は、1つ以上の有線又は無線接続を介して、容器駆動システム206、ラッチ214、操作ボタン216、及び、センサ218と通信している。各荷物入アセンブリ200は、駆動制御ユニット220を含みうる。少なくとも1つの他の実施形態においては、1つの駆動制御ユニット220を、複数の荷物入アセンブリ200に機能接続してもよい。駆動制御ユニット220は、ストロングバック204又は枢動容器202の一部に固定されてもよい。少なくとも1つの他の実施形態においては、駆動制御ユニット220を、枢動容器202及びストロングバック204から離隔して設けてもよい。
【0044】
使用時においては、ストロングバック204に対して枢動容器202を開位置に動かすために、動作主は、操作ボタン216やラッチ214などの、枢動容器202の一部に触れる。その後、枢動容器202は、重力などによって開く。枢動容器202の開放速度を制御するために、枢動容器202及びストロングバック204に1つ以上のダンパを接続してもよい。少なくとも1つの実施形態においては、容器駆動システム206は、枢動容器202の開放も当該容器の開放の援助も行わない。
【0045】
枢動容器202を閉位置に動かすために、動作主は、操作ボタン216を作動させる(例えば、手を触れたり、スワイプしたり、近傍で手を振ったりする)。操作ボタン216が(例えば、指圧や指の検出などにより)作動すると、当該操作ボタン216は、駆動制御ユニット220に閉信号を出力する。駆動制御ユニット220は、操作ボタン216から閉信号を受信し、枢動容器206を閉じるために容器駆動システム206を動作させる。具体的には、駆動制御ユニット220は、作動リンク212を介して容器用アクチュエータ210を動かすためにモータ208を作動させて、枢動容器202を閉位置に押し動かす。容器用アクチュエータ210は、枢動容器202の後部へと移動して、当該枢動容器202を閉位置に押し動かす。
【0046】
閉位置においては、ラッチ214が、ストロングバック204に対して枢動容器202を閉位置で固定保持する。駆動制御ユニット220は、ラッチ214から、枢動容器202が閉位置にあることを示すラッチ信号を受信する。これに応答して、駆動制御ユニット220は、容器駆動システム206を作動させ、これにより、モータ208が、容器用アクチュエータ210を枢動容器202から離れる方向に移動させてホーム位置へと戻るようにする。容器用アクチュエータ210がホーム位置に戻ると、駆動制御ユニット220は、モータ208の駆動を停止させる。
【0047】
駆動制御ユニット220は、センサ218によって出力される信号を監視して、枢動容器202を閉じる動作を停止するか否かを判断してもよい。例えば、モータ208に接続された電流センサ218が、当該モータ208に関する電流信号を検出してもよい。モータ208が、特定の閾値を上回る電流の入力、要求、及び/又は、出力を行っている場合(例えば、動作主が枢動容器202を引き下げている場合)、駆動制御ユニット220は、モータ208の駆動を停止したり、或いは、モータ208を逆方向に動作させたりすることにより、閉じ操作を停止してもよい。他の例としては、近接又は動きセンサ218が、枢動容器202の前縁に接続されていてもよい。動き信号がセンサ218によって出力されると(例えば、閉じ動作中に、手又は指が枢動容器202とストロングバック204との間にある場合)、駆動制御ユニット220は、閉じ動作を停止するか、或いは、モータ208を逆方向に動作させる。
【0048】
少なくとも1つの実施形態においては、電流センサ218は、モータ208に入力された電流を検出する。モータ208は、所定の最大限界値を超えない範囲において設定速度で枢動容器202を持ち上げるのに必要な量の電流を消費する。この最大限界値は、駆動制御ユニット220に接続されたメモリに閾値として保存される。閾値は、枢動容器202の閉じ状態に応じて変更することができる。容器の内容物が枢動点に向かって遷移すると、電流消費量は低下するため、ホームに戻す命令を行うトリップ点(trip point)が変化することもある。少なくとも1つの実施形態においては、電流センサ218自体が、駆動制御ユニット220に出力を供給してもよい。
【0049】
本明細書において、「制御ユニット」、「中央処理ユニット」、「CPU」、「コンピュータ」などの用語で表される要素は、プロセッサベース又はマイクロプロセッサベースのシステムを含みうる。当該システムは、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本明細書に記載の機能を実行可能なハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを有する他の回路やプロセッサを使用するシステムを含む。これらは単なる例示であって、当該用語の定義及び/又は意味を制限するものではない。例えば、駆動制御ユニット220は、本明細書で説明されている動作を制御するように構成された1つ以上のプロセッサを含みうる。
【0050】
駆動制御ユニット220は、データを処理するために、1つ以上のデータ記憶ユニット又は記憶素子(例えば、1つ以上のメモリ)に保存された一組の命令を実行するように構成されている。例えば、駆動制御ユニット220は、1つ以上のメモリを含むか、或いは、これに接続されていてもよい。データ記憶ユニットは、要望又は必要に応じてデータ又は他の情報をさらに記憶していてもよい。データ記憶ユニットは、処理マシン内の情報源又は物理的なメモリ素子の形態であってもよい。
【0051】
一組の命令は、処理マシンとしての駆動制御ユニット220に対して、本明細書に記載された要旨の様々な実施形態における方法及びプロセスなどの、特定の動作を行うように指示する様々なコマンドを含みうる。一組の命令は、ソフトウェアプログラムの形態であってもよい。ソフトウェアは、システムソフトウェア又はアプリケーションソフトウェアなどの様々な形態をとりうる。さらに、ソフトウェアは、個々のプログラムの集まり、より大きいプログラム内におけるプログラムの部分集合、又は、プログラムの一部の形態をとりうる。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形態でのモジュラープログラミングをさらに含みうる。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザコマンドに応答して行ってもよいし、前回の処理結果に応答して行ってもよいし、他の処理マシンの要求に応答して行ってもよい。
【0052】
本明細書における実施形態の図面には、駆動制御ユニット220などの、1つ以上の制御ユニット又は処理ユニットが示されている。なお、処理ユニット又は制御ユニットは、回路、回路系(circuitry)、又は、その一部を表しており、これらは、関連する命令(例えば、コンピュータハードドライブ、ROM、RAMなどの、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体に保存されたソフトウェア)を有するとともに本明細書に記載の動作を行うハードウェアとして実現することができる。ハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するために有線接続された(hardwired)ステートマシン回路系(state machine circuitry)を含みうる。任意ではあるが、ハードウェアは、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどの1つ以上のロジックベースの装置を含むか、これに接続されているか、或いは、その両方である電子回路を含んでもよい。任意ではあるが、駆動制御ユニット220は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサなどのうちの1つ又は複数で構成される、処理回路系を表していてもよい。様々な実施形態における回路は、本明細書に記載の機能を実行するための1つ以上のアルゴリズムを実行するように構成してもよい。1つ以上のアルゴリズムは、フロー図や方法に明示されているか否かに関わらず、本開示の実施形態の態様を含みうる。
【0053】
本明細書において、「ソフトウェア」及び「ファームウェア」なる用語は、同義であり、コンピュータによる実行のためにデータ記憶ユニット(例えば、1つ以上のメモリ)に保存される任意のコンピュータプログラムを含む。このようなメモリには、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び、不揮発性RAM(NVRAM)メモリが含まれる。上記したデータ記憶ユニットの種類は、単なる例示であり、コンピュータプログラムの保存に使用可能なメモリの種類を限定するものではない。
【0054】
図5は、本開示の実施形態による、容器駆動システム206を示す正面斜視図である。
図6は、容器駆動システム206を示す背面斜視図である。
図5及び6を参照すると、作動リンク212は、アーチ状ブラケット302内に保持されたベルト300であってもよい。ベルト300の前面は、保護カバー304によって覆われていてもよい。ベルト300は、ブラケット302の一端308で駆動歯車306に機能接続されており、ブラケット302の他端310で遊び歯車310に機能接続されている。駆動歯車306は、モータ208(例えば、モータ208の駆動軸)に機能接続されている。モータ208が起動すると、これに応答して駆動歯車306及び遊び歯車310が回転してベルト300を動かす。
【0055】
容器用アクチュエータ210は、キャリッジ(carriage)314を介してベルト300に機能接続されている。例えば、キャリッジ314は、ベルト300の一部に対して、その周囲に固定されている。キャリッジ314は、カバー304に貫通形成された軌道溝孔(track channels)316を通って延びている。容器用アクチュエータ210は、キャリッジ314に接続されたプッシャ318を含む。プッシャ318は、ブラケット302の外側に配置されている。プッシャ318は、ブロック、ピン、又は、ロッドなどであってもよい。モータ208が閉方向に動作すると、(例えば、ベルト300の動きにより)作動リンク212が、容器用アクチュエータ210を、モータ208に向かって弧Aの方向下方に移動させる。
【0056】
容器駆動システム206は、さらに、第1端308の近傍に配置された取付プレート320と、第2端312の近傍に配置された取付プレート322とを含みうる。取付プレート320及び322は、例えば、留め具や接着剤などを介して、容器駆動システム206を固定構造体に確実に取り付けるように構成されている。
【0057】
図7は、本開示の実施形態による、荷物入アセンブリ200を示す斜視後方上面図である。ストロングバック204は、上側パネル402に接続された後側パネル400を含み、当該上側パネルは、前側パネル404に接続している。枢動容器202は、互いに反対側に位置する端パネル406を含み、これらのパネルは、前カバー408に接続されている。端パネル406と前カバー408との間には保持チャンバ410が形成されている。
【0058】
容器駆動システム206は、ストロングバック204に取り付けられている。例えば、取付プレート320及び322(
図5及び6に示す)は、ブラケット302をストロングバック204に確実に固定するために用いられる。
【0059】
図8は、本開示の実施形態による、容器駆動システム206が固定されたストロングバック204を示す内部斜視図である。図示のように、容器用アクチュエータ210は、枢動容器202(
図8には示していない)の一部と係合することができるように、ストロングバック204を貫通する。上述したように、容器駆動システム206は、ストロングバック204の形状にほぼ一致するように寸法及び形状が決められている。ストロングバック204の形状が同図に示す例と異なる場合などには、容器駆動システム206の寸法及び形状は、図示したものとは異なりうる。
【0060】
図9は、本開示の実施形態による、開位置における荷物入アセンブリ200を示す正面斜視図である。図示のように、操作ボタン216は、枢動容器202の露出した前縁411上、或いはその近傍に設けられている。前縁411の近傍には、さらに、近接センサ218(例えば、赤外線センサや超音波センサなど)も固定されている。近接センサ218は、前縁411とストロングバック204との間に存在しうる物体(例えば、バッグや他の荷物の一部)の存在を検出するように構成されている。
【0061】
ラッチ214は、枢動容器202の端パネル406の外面に固定されたラッチ機構420を含みうる。ラッチ機構420は、枢動容器202を閉位置で固定保持するために、ストロングバック404の相補的なラッチ機構に選択的に接続するように構成されている。
【0062】
図10は、本開示の実施形態による、枢動容器202が開位置にある荷物入アセンブリ200を示す側面図である。
図11は、枢動容器202の一部に係合する容器用アクチュエータ210を示す側面図である。
図10及び11を参照すると、容器用アクチュエータ210は、枢動容器202の背面442から延出する突起440に係合している。突起440は、スタッド、フィン(fin)、パネル、又は、ブロックなどであってもよい。
【0063】
容器用アクチュエータ210は、突起440から分離することができる。例えば、容器用アクチュエータ210は、突起440に係合して当該突起を押すことにより、枢動容器202を開位置から閉位置に移動させる。枢動容器202を閉位置に移動させた後、容器用アクチュエータ210を突起440から分離させてもよい。
【0064】
図10に示すように、枢動容器202が開位置にあるとき、容器用アクチュエータ210は、枢動容器202の枢動点450(例えば、枢動軸)の上方且つ後側に位置している。枢動点450は、枢動容器202の質量中心の近傍に位置する。枢動容器202を閉じるために、容器用アクチュエータ210は、枢動点450の側方且つ上方に位置するように、作動リンク212に沿って弧Aの方向下方に移動することにより、梃子の作用を利用して、枢動容器202を閉位置へと効果的に押し動かす。容器用アクチュエータ210は、枢動容器202を引っ張る代わりに、閉位置へと枢動容器202を押し動かすことにより、消費するエネルギーを少なくすることができる。
【0065】
動作主が、枢動容器202を閉位置へ向かって押し動かし、その際の速度が、容器用アクチュエータ210が突起440を下方に押す速度よりも速い場合、突起440が容器用アクチュエータ210から分離するが、当該容器用アクチュエータは、作動リンク212に沿って下方に移動し続ける。これにより、動作主は、容器駆動システム206よりも速い速度で、枢動容器202を手動で閉じることを選択することができる。
【0066】
図12は、本開示の実施形態による、枢動容器202が閉位置にある荷物入アセンブリ200を示す側面図である。
図13は、枢動容器202が閉位置にある状態において、枢動容器202の突起440と係合する容器用アクチュエータ210を示す側面図である。
図4、12、及び、13を参照すると、ラッチ214が枢動容器202を閉位置で保持すると、駆動制御ユニット220は、ラッチ214からラッチ信号を受信する。これに応答して、駆動制御ユニット220は、モータ208を動作させ、弧Bの方向において、容器用アクチュエータ210を突起440から離してホーム位置へと移動させる。
【0067】
図14は、本開示の実施形態による、枢動容器202が閉位置にあり、且つ、容器用アクチュエータ210がホーム位置にある荷物入アセンブリ200を示す側面図である。
図15は、ホーム位置にある容器用アクチュエータ210を示す側面図である。
図14及び15に示すように、枢動容器202が閉まっており、且つ、容器用アクチュエータ210がホーム位置にある状態においては、容器用アクチュエータ210は、突起440から分離している。ホーム位置とは、
図10に示すように、枢動容器202が完全に開いた位置にある場合にのみ、容器用アクチュエータ210が突起440に係合することができる位置であってもよい。
【0068】
図12及び14に示すように、閉位置においては、突起440は、枢動点450よりも下側には位置していない面452に沿って、枢動点450と並んでいる。
図10~15を参照すると、容器用アクチュエータ210は、閉じ動作中、枢動点450よりも下側に移動したり、枢動容器202の一部を引っ張ったり持ち上げたりすることなく、梃子の作用を利用して、突起440により枢動容器202の背面442を押し動かす。
【0069】
図4~15を参照すると、駆動制御ユニット220は、閉じ動作中、センサ218を監視する。例えば、電流センサが所定閾値(例えば、荷物が満載された枢動容器202に関連付けられた値)を上回る値を示す場合、駆動制御ユニット220は閉じ動作を停止し、容器用アクチュエータ210を突起440から離して後退させる。また、例えば、閉じ動作中に、センサ218が、枢動容器202の前縁411とストロングバック204との間の動き又は物体(例えば、持ち込み手荷物の一部)を検出した場合、駆動制御ユニット220は、閉じ動作を停止して、容器用アクチュエータ210を突起440から離して後退させる。
【0070】
本明細書で説明したように、容器駆動システム206、特に容器用アクチュエータ210は、枢動容器202に剛性的には固定されていない。むしろ、容器用アクチュエータ210は、枢動容器202を閉位置に押し動かすように構成されている。容器駆動システム206が枢動容器202を閉じることができる速度よりも速く手動で枢動容器202が閉じられると、突起440が容器用アクチュエータ210から分離し、その後、ラッチ214が枢動容器202を閉じ位置で保持すると、これに応答して、容器駆動システム206がリセットされる。
【0071】
図16は、本開示の実施形態による、荷物入アセンブリを動作させる方法を示すフロー図である。
図4及び16を参照すると、方法は、500において、荷物入アセンブリ200の枢動容器202を開ける。502において、動作主は、1つ以上の物体(例えば、手荷物やバッグなど)を枢動容器202に選択的に配置する。例えば、動作主は、開いた状態の枢動容器202にバッグを入れる(又は、当該容器からバッグを取り出す)。
【0072】
504において、動作主は、枢動容器202の一部(例えば、操作ボタン216)を操作して枢動容器202を閉じる。これに代えて、(例えば、客室乗務員のワークステーションやコックピットなどにおける)マスタ制御システムから閉信号を出力して、枢動容器202を閉じることもできる。操作ボタン216又はマスタ制御システムにより出力される閉信号は、駆動制御ユニット220で受信され、当該駆動制御ユニットは、506において、容器駆動システム206を操作して枢動容器202を閉じ位置に向かって押し動かす。
【0073】
508において、駆動制御ユニット220は、センサ218を監視して、センサ警告信号(すなわち、駆動制御ユニット220に閉じ動作を停止するように警告する信号)が出力されたか否かを判断する。センサ警告信号が駆動制御ユニット220によって受信されると、510において、当該駆動制御ユニット220は、閉じ動作を停止する。その後、方法は、500に戻る。
【0074】
しかしながら、508において、センサ警告信号が受信されなかった場合、方法は、512に進み、駆動制御ユニット220は、容器駆動システム206を継続して動作させて、枢動容器202を閉位置に向かって移動させる。514において、駆動制御ユニット220は、ラッチ214から受信するラッチ信号を介するなどして、枢動容器202が閉位置で保持されているか否かを判断する。514において、枢動容器202が閉位置で保持されていない場合、方法は、508に戻る。
【0075】
しかしながら、枢動容器202が閉位置で保持されていると駆動制御ユニット220が判断した場合、方法は516に進み、駆動制御ユニット220は、容器駆動システム206を動作させて容器用アクチュエータ210をホーム位置まで戻す。その後、518において、方法を終了する。
【0076】
本明細書で説明したように、本開示の実施形態においては、容易に閉じることが可能な荷物入アセンブリが提供される。具体的には、荷物入アセンブリは、枢動容器を含み、当該枢動容器は、容器駆動システムの動作により、自動で効率的に閉じられる構成を有する。
【0077】
さらに、本開示は、以下の付記による実施形態を含む。
【0078】
付記1.ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かす、荷物入アセンブリ。
【0079】
付記2.前記容器駆動システムは、前記ストロングバックに固定されている、付記1に記載の荷物入アセンブリ。
【0080】
付記3.前記作動リンクは、アーチ状経路に延在している、付記1又は2に記載の荷物入アセンブリ。
【0081】
付記4.前記枢動容器を前記閉位置で固定保持するラッチをさらに含む、付記1、2、又は、3に記載の荷物入アセンブリ。
【0082】
付記5.前記枢動容器に固定された操作ボタンをさらに含み、前記操作ボタンは、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように操作可能に構成されている、付記1~4のいずれか1つに記載の荷物入アセンブリ。
【0083】
付記6.前記閉位置に向かう前記枢動容器の動きを停止させるセンサ警告信号を出力するように構成された1つ以上のセンサをさらに含む、付記1~5のいずれか1つに記載の荷物入アセンブリ。
【0084】
付記7.前記1つ以上のセンサは、前記モータに対する入力電流、或いは出力電流を検出するように構成された電流センサを含む、付記6に記載の荷物入アセンブリ。
【0085】
付記8.前記1つ以上のセンサは、物体の存在を検出するように構成された近接又は動きセンサを含む、付記6又は7に記載の荷物入アセンブリ。
【0086】
付記9.前記容器駆動システムと通信する駆動制御ユニットをさらに含み、前記駆動制御ユニットは、前記容器駆動システムの動作を制御するように構成されている、付記1~8のいずれか1つに記載の荷物入アセンブリ。
【0087】
付記10.前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記枢動容器の一部から離れてホーム位置に移動するように構成されている、付記1~9のいずれか1つに記載の荷物入アセンブリ。
【0088】
付記11.前記作動リンクは、ベルトを含み、前記容器用アクチュエータは、キャリッジを介して前記ベルトに機能接続しており、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器の背面から延びる突起を押して、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるプッシャを含み、前記プッシャは、前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記突起から分離するように構成されている、付記1~10のいずれか1つに記載の荷物入アセンブリ。
【0089】
付記12.前記枢動容器が前記開位置と前記閉位置との間を移動する際、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器の枢動点の後方に位置している、付記1~11のいずれか1つに記載の荷物入アセンブリ。
【0090】
付記13.前記容器用アクチュエータは、下方に移動して前記枢動容器を前記閉位置に押し動かす、付記1~12のいずれかに記載の荷物入アセンブリ。
【0091】
付記14.ビークルの内部キャビンにおいて荷物入アセンブリを動作させる方法であって、
前記内部キャビンにおいて、枢動容器をストロングバックに変位可能に接続することと、
作動リンクを介して、容器駆動システムのモータを容器用アクチュエータに機能接続することと、
前記枢動容器を開けて開位置に配置することと、
前記容器駆動システムによって前記枢動容器を前記開位置から閉位置に移動させることと、を含み、前記移動は、前記モータを動作させ、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させることにより、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かすことを含む、方法。
【0092】
付記15.前記容器駆動システムを前記ストロングバックに固定することをさらに含む、付記14に記載の方法。
【0093】
付記16.ラッチを用いて、前記枢動容器を前記閉位置で固定保持することと、
前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるために、操作ボタンを作動させることと、
1つ以上のセンサから出力されるセンサ警告信号に応答して、前記閉位置に向かう前記枢動容器の動きを停止させることと、をさらに含む、付記14又は15に記載の方法。
【0094】
付記17.前記容器駆動システムに駆動制御ユニットを通信可能に接続することと、
前記駆動制御ユニットを用いて前記容器駆動システムの動作を制御することと、をさらに含む、付記14、15、又は、16に記載の方法。
【0095】
付記18.前記枢動容器を前記閉位置に移動させた後、前記容器用アクチュエータを前記枢動容器の一部から離してホーム位置に移動させることをさらに含む、付記14~17のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
付記19.ビークルの内部キャビンに設けられる荷物入アセンブリであって、
ストロングバックと、
前記ストロングバックに変位可能に接続されており、開位置と閉位置との間で変位可能に構成された枢動容器と、
前記ストロングバックに固定された容器駆動システムと、を含み、前記容器駆動システムは、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように構成されており、前記容器駆動システムは、作動リンクを介して容器用アクチュエータに機能接続されたモータを含み、前記モータは、前記作動リンクを介して前記容器用アクチュエータを移動させて、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に押し動かし、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記枢動容器の一部から離れてホーム位置に移動するように構成されており、前記枢動容器が前記開位置と前記閉位置との間を移動する際、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器の枢動点の後方に位置しており、前記容器用アクチュエータは、下方に移動して前記枢動容器を前記閉位置に押し動かし、
前記荷物入アセンブリはさらに、
前記枢動容器を前記閉位置で固定保持するラッチと、
前記枢動容器に固定されるとともに、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるように操作可能に構成された操作ボタンと、
前記閉位置に向かう前記枢動容器の動きを停止させるセンサ警告信号を出力するように構成された1つ以上のセンサと、
前記容器駆動システム、前記ラッチ、前記操作ボタン、及び、前記1つ以上のセンサと通信するとともに、前記容器駆動システムの動作を制御するように構成された駆動制御ユニットと、を含む、荷物入アセンブリ。
【0097】
付記20.前記作動リンクは、ベルトを含み、前記容器用アクチュエータは、キャリッジを介して前記ベルトに機能接続しており、前記容器用アクチュエータは、前記枢動容器の背面から延びる突起を押して、前記枢動容器を前記開位置から前記閉位置に移動させるプッシャを含み、前記プッシャは、前記枢動容器が前記閉位置に移動した後、前記突起から分離するように構成されている、付記19に記載の荷物入アセンブリ。
【0098】
本開示の実施形態を説明するために、上、底、下側、中央、側方、水平、垂直、前方などの、様々な空間および方角に関する用語を用いたが、これらの用語は図面に示した向きについて用いたに過ぎない。これらの向きは、逆向きにしたり、回転させたり、或いは他の態様で変更してもよい。その場合には、上側部分が下側部分となることも、その逆もありうる。また、水平方向が垂直方向となることもありうる。
【0099】
本開示において、ある処理や操作を実行するように「構成された」構造、限定あるいは要素は、当該処理や操作に適した態様で、特に構造的に形成され、構成され、適合されたものである。明瞭化のため、及び、疑義を避けるために付言すると、単に当該処理や操作を実行するように改変されうるに過ぎないものは、当該処理や操作を実行するように「構成された」ものには該当しない。
【0100】
上述の説明は、すべて例示的であり、限定的に解釈されるべきではない。例えば、上述した実施形態(及び/又は、その態様)は、互いに組み合わせて使用することが可能である。さらに、本開示の様々な実施形態の範囲を逸脱することなく、これらの教示に特定の状況や材料を適合させるために多くの改変が可能である。本明細書で説明した材料の寸法や種類は、本開示の様々な実施形態におけるパラメータを規定するためのものであり、これら実施形態は、限定を課すものではなく、例示的な実施形態に過ぎない。本開示を検討すれば、当業者には多くの他の実施形態が明らかであろう。したがって、本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の請求の範囲を、これら請求の範囲に認められる均等物の全範囲と併せて参照して、決定されるべきである。添付の請求の範囲における「含む」及び「であって」等の用語は、それぞれ、「具備する」及び「において」等と意味を同じくする平易な表現として用いられている。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に標識として用いられており、これらが指す物体に対して数的な要件を課すことを意図するものではない。さらに、以下の請求の範囲における限定事項は、ミーンズプラスファンクション形式で記載されておらず、米国特許法第112条第(f)項に基づいて解釈されることを意図するものではない。ただし、これらの請求項の限定事項において、「means for」なる表現が明記され、これに続いて、機能が記載されるとともに、さらなる構造が定義されていない場合を除く。
【0101】
本明細書の記載は、例を用いてベストモードを含む様々な実施形態を開示するものであり、また、任意の装置又はシステムの作製及び使用、並びに、組み入れられた方法の実行を含む様々な実施形態を当業者にとって実施可能にするものである。本開示の各種実施形態についての特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものであり、当業者が想定しうる他の例を含みうる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構成要素を有する場合、又は、特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない均等の構成要素を含む場合において、特許請求の範囲に含まれることを意図している。