(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 14/00 20060101AFI20230413BHJP
F24C 7/02 20060101ALI20230413BHJP
B05B 1/22 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
F24C14/00 A
F24C7/02 511P
B05B1/22
(21)【出願番号】P 2019115086
(22)【出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】P 2018168951
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【氏名又は名称】永井 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 克幸
(72)【発明者】
【氏名】畑田 康治
(72)【発明者】
【氏名】杉田 敦
(72)【発明者】
【氏名】杉本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】藤田 晃央
(72)【発明者】
【氏名】足立 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】米倉 祐志
(72)【発明者】
【氏名】小野 啓太
(72)【発明者】
【氏名】大矢 敏史
(72)【発明者】
【氏名】坪内 俊志
【審査官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0159721(US,A1)
【文献】実開平03-011444(JP,U)
【文献】特表2002-523723(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0223357(US,A1)
【文献】特開2005-238030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00- 1/16
F24C 7/00- 7/10
F24C 9/00-15/14
B05B 1/00- 3/18
B05B 7/00- 9/08
B08B 3/00- 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を加熱調理するための調理庫と、
前記調理庫内の一方の側部に配置されて、前記調理庫内を加熱するヒータと、
前記調理庫内の前記一方の側部に配置されて、前記調理庫内の空気を対流させる対流ファンと、
前記調理庫の前記一方の側部と他の部分とを通風可能に仕切るファンカバーとを備え、
前記対流ファンによって前記調理庫内の他方の側部から前記一方の側部に空気を吸い込んだ空気を前記調理庫の周壁に沿って前記一方の側部から前記他方の側部に送出して前記調理庫内の空気を循環させ、循環させた空気を前記ヒータによって加熱した熱風によって食材を加熱調理する加熱調理器であって、
前記調理庫の天井壁には上下に延びる洗浄水通路を有する筒形をした洗浄ノズルを設け、
前記洗浄ノズルは前記調理庫の天井壁に取り付けられた第1構成部と、前記第1構成部の下側に
上下に分割可能に配置される第2構成部と、
前記第2構成部の上面に当接して前記第1構成部との間に間隔を保持するスペーサとを有し、前記スペーサによって前記第1構成部の下面と前記第2構成部の上面との間に形成される第1隙間部によって前記洗浄水通路と連通した第1噴射口を形成し、
前記スペーサは前記第1構成部に固定されて内側に雌ねじ部を有する筒形状をし、
前記第2構成部は下側から挿通される取付ねじを前記スペーサの雌ねじ部に螺着させることによって前記第1構成部に着脱可能に取り付けられたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項
1に記載の加熱調理器において、
前記第2構成部の下面には前記取付ねじの頭部を収納する凹部を形成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
食材を加熱調理するための調理庫と、
前記調理庫内の一方の側部に配置されて、前記調理庫内を加熱するヒータと、
前記調理庫内の前記一方の側部に配置されて、前記調理庫内の空気を対流させる対流ファンと、
前記調理庫の前記一方の側部と他の部分とを通風可能に仕切るファンカバーとを備え、
前記対流ファンによって前記調理庫内の他方の側部から前記一方の側部に空気を吸い込んだ空気を前記調理庫の周壁に沿って前記一方の側部から前記他方の側部に送出して前記調理庫内の空気を循環させ、循環させた空気を前記ヒータによって加熱した熱風によって食材を加熱調理する加熱調理器であって、
前記調理庫の天井壁には上下に延びる洗浄水通路を有する筒形をした洗浄ノズルを設け、
前記洗浄ノズルは前記調理庫の天井壁に取り付けられた第1構成部と、前記第1構成部の下側に配置される第2構成部とを上下に分割可能に有し、前記第1構成部の下面と前記第2構成部の上面との間に形成される第1隙間部によって前記洗浄水通路と連通した第1噴射口を形成し、
前記第2構成部は前記第1構成部に上側から挿通される第1固定ねじを用いて着脱可能に固定され、前記第1固定ねじの長さを前記調理庫の天井壁と前記第1構成部の上面との間隔よりも長くしたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
請求項
3に記載の加熱調理器において、
前記洗浄ノズルは前記第2構成部の下側から挿通される取付ねじによって前記調理庫の天井壁に着脱可能に取り付けられており、
前記第2構成部の下面には前記取付ねじの頭部を収納する凹部を形成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項5】
請求項
3に記載の加熱調理器において、
前記洗浄ノズルは前記第2構成部の下側に配置される第3構成部を分割可能にさらに備え、
前記第2構成部の下面と前記第3構成部の上面との間に形成される第2隙間部によって前記第1噴射口が形成された位置と前記洗浄水通路を挟んだ反対側に前記洗浄水通路と連通した第2噴射口を形成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項6】
請求項
5に記載の加熱調理器において、
前記第3構成部は前記第1隙間部が形成されている位置で前記第2構成部に上側から挿通される第2固定ねじを用いて着脱可能に固定され、前記第2固定ねじの長さを前記第1隙間部の間隔よりも長くしたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項7】
請求項
5または6に記載の加熱調理器において、
前記洗浄ノズルは前記第3構成部の下側から挿通される取付ねじによって前記調理庫の天井壁に着脱可能に取り付けられており、
前記第3構成部の下面には前記取付ねじの頭部を収納する凹部を形成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項8】
請求項
7に記載の加熱調理器において、
前記取付ねじは前記第1隙間部または前記第2隙間部を通る位置に配置され、前記取付ねじが貫通する前記第1隙間部または第2隙間部には間隔を保持する間隔保持突部を設けたことを特徴する加熱調理器。
【請求項9】
請求項
5~8の何れか1項に記載の加熱調理器において、
前記第1噴射口と前記第2噴射口の一方を前記調理庫内の一方の側部に向けて開口させ、前記第1噴射口と前記第2噴射口の他方を前記調理庫内の他方の側部に向けて開口させたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項10】
請求項
9に記載の加熱調理器において、
前記調理庫内の一方の側部に向けて開口させた前記第1噴射口と前記第2噴射口の一方を斜め下方に開口させ、前記調理庫内の他方の側部に向けて開口させた前記第1噴射口と前記第2噴射口の他方を斜め上方に開口させたことを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチームコンベクションオーブン等の熱風によって食材を加熱調理する加熱調理器に関し、特に、調理庫内を洗浄する洗浄機能付きの加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、熱風により食材を加熱調理する加熱調理器が開示されており、この加熱調理器は、ハウジング内に設けた調理庫と、調理庫内を加熱するヒータと、調理庫内の空気を対流させる対流ファンと、調理庫内に蒸気を供給する蒸気発生装置とを備えている。また、この加熱調理器は、調理庫の天井壁に洗浄水を噴射する洗浄ノズルを備え、洗浄ノズルは、調理庫の天井壁に固定される取付ヘッドと、取付ヘッドに回転可能に遊嵌されるスリーブと、スリーブから径方向に延びる噴射管とを備えている。
【0003】
この加熱調理器で調理庫内を洗浄するときに洗浄ノズルに洗浄水を供給すると、洗浄水は噴射管の先端の噴射口から噴射されるため、噴射管は噴射口から噴射される洗浄水によってスリーブとともに回転し、洗浄水は回転する噴射管から噴射されることで調理庫内の周壁の全体に噴射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の加熱調理器では、洗浄ノズルは調理庫の天井壁に固定される取付ヘッドと、取付ヘッドに回転可能に遊嵌されるスリーブと、スリーブから径方向に延びる噴射管とを備え、噴射管を噴射口から噴射される洗浄水によってスリーブとともに回転させることで、洗浄水を調理庫の周壁の全体に噴射するようにしている。しかし、この種の加熱調理器では、調理庫内には食材の加熱調理の際に油が多く飛散して、飛散した油が洗浄ノズルの取付ヘッドとスリーブとの間で固化することで、スリーブが取付ヘッドに固着し、噴射管がスリーブとともに回転しなくなるおそれがある。このため、特許文献1の加熱調理器では、調理庫を洗浄するたびに洗浄ノズルを調理庫の天井壁に取り付ける必要があり、調理庫の洗浄作業が面倒である問題があった。
【0006】
また、この特許出願人は、この出願より前に提出の特願2018-023028にて、上下に洗浄水を通す洗浄水通路を有した金属製の円筒部材よりなる洗浄水ノズルを開発している。円筒形をした洗浄水ノズルの周面にはスリットよりなる洗浄水の噴射口が形成されており、洗浄水通路から供給される洗浄水はスリットよりなる噴射口から噴射される。また、スリットよりなる噴射口は斜め上方に向けて開口しており、スリットよりなる噴射口から噴射される洗浄水は調理庫の天井壁に向けて噴射される。
【0007】
この洗浄ノズルの噴射口には調理庫内で加熱調理をしたときの油分等が付着し、付着した油分等は高温の調理庫内で噴射口に強固に固着するため、洗浄ノズルの噴射口に強固に固着した油分を洗浄するのが困難であった。また、スリットよりなる噴射口は円筒形の洗浄ノズルの軸方向に斜めに傾斜して形成されており、円筒形の洗浄ノズルにスリットを斜めに形成するのは技術的に面倒であった。本発明は、調理庫の洗浄作業が面倒とならない加熱調理器を提供し、さらに、洗浄ノズルの加工を容易にするとともに洗浄の作業性を高めるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、食材を加熱調理するための調理庫と、調理庫内の一方の側部に配置されて、調理庫内を加熱するヒータと、調理庫内の一方の側部に配置されて、調理庫内の空気を対流させる対流ファンと、調理庫の一方の側部と他の部分とを通風可能に仕切るファンカバーとを備え、対流ファンによって調理庫内の他方の側部から一方の側部に空気を吸い込んだ空気を調理庫の周壁に沿って一方の側部から他方の側部に送出して調理庫内の空気を循環させ、循環させた空気をヒータによって加熱した熱風によって食材を加熱調理する加熱調理器であって、調理庫の天井壁には上下に延びる洗浄水通路を有する筒形をした洗浄ノズルを設け、洗浄ノズルは調理庫の天井壁に取り付けられた第1構成部と、第1構成部の下側に上下に分割可能に配置される第2構成部と、第2構成部の上面に当接して第1構成部との間に間隔を保持するスペーサとを有し、スペーサによって第1構成部の下面と第2構成部の上面との間に形成される第1隙間部によって洗浄水通路と連通した第1噴射口を形成し、スペーサは第1構成部に固定されて内側に雌ねじ部を有する筒形状をし、第2構成部は下側から挿通される取付ねじをスペーサの雌ねじ部に螺着させることによって第1構成部に着脱可能に取り付けられたことを特徴とする加熱調理器を提供するものである。
【0009】
上記のように構成した加熱調理器においては、調理庫の天井壁には上下に延びる洗浄水通路を有する筒形をした洗浄ノズルを設け、洗浄ノズルは調理庫の天井壁に取り付けられた第1構成部と、第1構成部の下側に上下に分割可能に配置される第2構成部と、第2構成部の上面に当接して第1構成部との間に間隔を保持するスペーサとを有し、スペーサによって第1構成部の下面と第2構成部の上面との間に形成される第1隙間部によって洗浄水通路と連通した第1噴射口を形成し、スペーサは第1構成部に固定されて内側に雌ねじ部を有する筒形状をし、第2構成部は下側から挿通される取付ねじをスペーサの雌ねじ部に螺着させることによって第1構成部に着脱可能に取り付けられている。洗浄ノズルは回転等する可動部品を備えたものでないので、調理庫内で加熱調理をしているときに洗浄ノズルを調理庫の天井壁に取り付けた状態としても、洗浄ノズルが油汚れで固着して動かなくなるような不具合を生じないようにすることができた。また、第1構成部の下面と第2構成部の上面との間に形成される第1隙間部によって洗浄水通路と連通した第1噴射口を形成させたので、第2構成部を第1構成部から分解することで第1噴射口に固着した汚れを容易に洗浄することができるようになった。さらに、第2構成部の上面に当接して第1構成部との間に間隔を保持するスペーサとを有しているので、第1構成部と第2構成部との間に形成される第1隙間部の間隔を適切に保持できるようになった。
【0010】
上記のように構成した加熱調理器においては、洗浄ノズルの第2構成部の下面には調理庫内で加熱調理したときの油分等による汚れが付着するが、取付ねじの頭部は第2構成部の下面に形成された凹部に収納されているので、取付ねじの頭部と第2構成部の下面の凹部との接触部分に油分等による汚れが付着しにくくなり、取付ねじの頭部が第2構成部の下面に固着しにくくなった。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態においては、食材を加熱調理するための調理庫と、調理庫内の一方の側部に配置されて、調理庫内を加熱するヒータと、調理庫内の一方の側部に配置されて、調理庫内の空気を対流させる対流ファンと、調理庫の一方の側部と他の部分とを通風可能に仕切るファンカバーとを備え、対流ファンによって調理庫内の他方の側部から一方の側部に空気を吸い込んだ空気を調理庫の周壁に沿って一方の側部から他方の側部に送出して調理庫内の空気を循環させ、循環させた空気をヒータによって加熱した熱風によって食材を加熱調理する加熱調理器であって、調理庫の天井壁には上下に延びる洗浄水通路を有する筒形をした洗浄ノズルを設け、洗浄ノズルは調理庫の天井壁に取り付けられた第1構成部と、第1構成部の下側に配置される第2構成部とを上下に分割可能に有し、第1構成部の下面と第2構成部の上面との間に形成される第1隙間部によって洗浄水通路と連通した第1噴射口を形成し、第2構成部は第1構成部に上側から挿通される第1固定ねじを用いて着脱可能に固定され、第1固定ねじの長さを調理庫の天井壁と第1構成部の上面との間隔よりも長くしたことを特徴とする加熱調理器を提供するものである。上記のように構成した加熱調理器においては、洗浄ノズルは調理庫の天井壁に取り付けられた第1構成部と、第1構成部の下側に配置される第2構成部とを上下に分割可能に有し、第1構成部の下面と第2構成部の上面との間に形成される第1隙間部によって洗浄水通路と連通した第1噴射口を形成し、第2構成部は第1構成部に上側から挿通される第1固定ねじを用いて着脱可能に固定され、第1固定ねじの長さを調理庫の天井壁と第1構成部の上面との間隔よりも長くしたので、第1固定ねじが弛んでも、第1固定ねじは調理庫の天井壁に当たることで上側への移動が規制され、第1固定ねじと第2構成部が調理庫に落下するのを防ぐことができ、第1固定ねじと第2構成部が調理庫内で調理中の食材に混入するのを防ぐことができた。
【0012】
上記のように構成した加熱調理器においては、洗浄ノズルは第2構成部の下側から挿通される取付ねじによって調理庫の天井壁に着脱可能に取り付けられており、第2構成部の下面には取付ねじの頭部を収納する凹部を形成するのが好ましい。洗浄ノズルの第2構成部の下面には調理庫内で加熱調理したときの油分等による汚れが付着するが、取付ねじの頭部は第2構成部の下面に形成された凹部に収納されているので、取付ねじの頭部と第2構成部の下面の凹部との接触部分に油分等による汚れが付着しにくくなり、取付ねじの頭部が第2構成部の下面に固着しにくくなった。
【0013】
上記のように構成した加熱調理器においては、洗浄ノズルは第2構成部の下側に配置される第3構成部を分割可能にさらに備え、第2構成部の下面と第3構成部の上面との間に形成される第2隙間部によって第1噴射口が形成された位置と洗浄水通路を挟んだ反対側に洗浄水通路と連通した第2噴射口を形成するのが好ましい。このようにしたときには、調理庫内を広い範囲で洗浄することができるようになった。また、第2構成部の下面と第3構成部の上面との間に形成される第2隙間部によって洗浄水通路と連通した第2噴射口を形成させたので、第3構成部を第2構成部から分解することで第2噴射口に固着した汚れを容易に洗浄することができるようになった。
【0014】
上記のように構成した加熱調理器においては、第3構成部は第1隙間部が形成されている位置で第2構成部に上側から挿通される第2固定ねじを用いて着脱可能に固定され、第2固定ねじの長さを第1隙間部の間隔よりも長くするのが好ましい。このようにしたときには、第2固定ねじが弛んでも、第2固定ねじは第1構成部の下面に当たることで上側への移動が規制され、第2固定ねじと第3構成部が調理庫に落下するのを防ぐことができ、第2固定ねじと第3構成部が調理庫内で調理中の食材に混入するのを防ぐことができた。
【0015】
上記のように構成した加熱調理器においては、洗浄ノズルは第3構成部の下側から挿通される取付ねじによって調理庫の天井壁に着脱可能に取り付けられており、第3構成部の下面には取付ねじの頭部を収納する凹部を形成するのが好ましい。このようにしたときには、洗浄ノズルの第3構成部の下面には調理庫内で加熱調理したときの油分等による汚れが付着するが、取付ねじの頭部は第3構成部の下面に形成された凹部に収納されているので、取付ねじの頭部と第3構成部の下面の凹部との接触部分に油分等による汚れが付着しにくくなり、取付ねじの頭部が第3構成部の下面に固着しにくくなった。この場合において、取付ねじは第1隙間部または第2隙間部を通る位置に配置され、取付ねじが貫通する第1隙間部または第2隙間部には間隔を保持する間隔保持突部を設けるのが好ましい。このようにしたときには、取付ねじを強く締結しても、取付ねじが貫通する位置の第1隙間部または第2隙間部は間隔保持突部によって間隔が保持され、第1噴射口または第2噴射口の開口部分が狭くなるのを防ぐことができた。
【0016】
上記のように構成した加熱調理器においては、第1噴射口と第2噴射口の一方を調理庫内の一方の側部に向けて開口させ、第1噴射口と第2噴射口の他方を調理庫内の他方の側部に向けて開口させるのが好ましい。また、調理庫内の一方の側部に向けて開口させた第1噴射口と第2噴射口の一方を斜め下方に開口させ、調理庫内の他方の側部に向けて開口させた第1噴射口と第2噴射口の他方を斜め上方に開口させるのが好ましい。第1噴射口と第2噴射口の一方から調理庫内の一方の側部に向けて斜め下方に噴射された洗浄水は対流ファンによって吸い込まれて調理庫の一方の側部から他方の側部に向けて飛散し、第1噴射口と第2噴射口の他方から調理庫内の他方の側部に向けて斜め上方に噴射された洗浄水は調理庫の汚れの付着しやすい天井壁に噴き付けられてから調理庫内を対流する空気によって側壁に飛散するようになり、調理庫内の全体に洗浄水を飛散させて調理庫の全体を洗浄することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の加熱調理器の一実施形態の正面図である。
【
図3】前後方向の中央部における縦方向断面図である。
【
図6】ハウジングの左パネルを取り外して機械室が見えるようにした左側面図である。
【
図7】前後方向の中央部よりも少し後側の縦方向断面図である。
【
図8】排水タンクと洗浄ノズルとの間の洗浄水経路の概略図である。
【
図9】
図3の調理庫内の洗浄ノズルを示す左右方向に沿った縦方向拡大断面図である。
【
図11】洗浄ノズルの第2構成部の下側から見た斜視図(a)、左右方向に沿った縦方向断面図である。
【
図12】洗浄ノズルの左側面図(a)と、右側面図(b)である。
【
図14】第3構成部の凹部を廃した実施形態の
図9に相当する縦方向断面図である。
【
図15】第3構成部を備えないようにした実施形態の
図9に相当する縦方向断面図である。
【
図16】他の実施形態の
図3に相当する縦方向断面図である。
【
図17】
図16の調理庫内の洗浄ノズルを示す左右方向に沿った縦方向拡大断面図である。
【
図18】
図17の洗浄ノズルの左側面図(a)と、右側面図(b)である。
【
図19】
図17の洗浄ノズルの底面図(a)と、(a)から第2構成部を取り外した底面図(b)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の加熱調理器の一実施形態を添付図面を参照して説明する。本発明の加熱調理器は、スチームコンベクションオーブンと呼ばれるもので、蒸気を含んだ熱風を対流させて食材を加熱調理するものである。
図1に示したように、加熱調理器10は、ハウジング11内の左側部に機械室12と、ハウジング11内の機械室12を除いた部分に食材を加熱調理するための調理庫20とを備えている。
図2に示したように、調理庫20の前面部には食材を出し入れする開口部20aが設けられており、開口部20aにはこれを開閉する扉13が設けられている。
【0019】
図2及び
図3に示したように、調理庫20は食材を収容して加熱調理するためのものであり、調理庫20の左側部を除く部分を食材を収容する食材収容室21とし、調理庫20の左側部を食材収容室21に送り出す熱風を生成する熱風生成室22としている。
図3及び
図4に示したように、調理庫20の左右方向の中央部より左側にはファンカバー23が設けられており、ファンカバー23は調理庫20内を食材収容室21と熱風生成室22とに通風可能に仕切っている。ファンカバー23には多数の孔よりなる吸込口23aが設けられており、食材収容室21内の空気は吸込口23aを通って熱風生成室22に送られる。また、ファンカバー23は調理庫20の天井壁、底壁、前壁及び後壁との間に通風路23bが形成されるように調理庫20に取り付けられており、熱風生成室22の空気は通風路23bを通って食材収容室21に送られる。
【0020】
図3及び
図4に示したように、調理庫20の食材収容室21にはホテルパンと呼ばれるトレイを上下に多段状に支持する左右一対の支持フレーム24が設けられている。各支持フレーム24は前後一対の支柱24aと、前後の支柱24aに固定されてトレイの左右の縁部と支持するレール24bとを備えている。
【0021】
図3及び
図5に示したように、調理庫20の左側部(一方の側部)にはヒータ25と対流ファン26が設けられている。ヒータ25は調理庫20を加熱するものであり、対流ファン26は調理庫20内の空気を対流させるものである。ヒータ25は調理庫20の左側壁に環状に巻回されている。また、環状に巻回されたヒータ25の内側には対流ファン26が配置されている。ヒータ25と対流ファン26を作動させると、食材収容室21(調理庫20内の他方の側部)の空気は吸込口23aを通って熱風生成室22(調理庫20内の一方の側部)に送られ、対流ファン26から遠心方向外向きに吹き出された空気は熱風生成室22内にてヒータ25によって加熱されて熱風となり、加熱された熱風はファンカバー23と調理庫20の各壁との間の通風路23bを通って食材収容室21に送られる。
図5に示したように、調理庫20の左側壁には温度センサ27が設けられており、温度センサ27は調理庫20内の温度を検出している。
【0022】
図6に示したように、ハウジング11の機械室12には調理庫20内に蒸気を供給する蒸気発生装置30が設けられている。蒸気発生装置30は、誘導加熱によって水を加熱して蒸気を発生させるものであり、調理庫20から排水を流すための排水タンク14の上側に立設している。蒸気発生装置30は、所定の水位の水を貯えた筒形の蒸気発生容器31と、蒸気発生容器31内の水を加熱する加熱体(図示省略)と、蒸気発生容器31の外周に巻回されて加熱体を発熱させる誘導加熱コイル32と、蒸気発生容器31内で発生した蒸気を調理庫20に送出する蒸気送出筒33とを備えている。蒸気送出筒33は
図5に示した調理庫20の蒸気導入口20bに接続されており、蒸気発生容器31内で発生した蒸気は蒸気送出筒33を通って蒸気導入口20bから調理庫20内に送られる。
【0023】
図3に示したように、調理庫20の天井壁には洗浄ノズル40が設けられており、洗浄ノズル40は調理庫20内に洗浄水を噴射するものである。また、
図7に示したように、調理庫20の底壁には排水口20cが形成されており、排水口20cは第1排水管15によって排水タンク14に接続されている。
図8に示したように、排水タンク14には第2排水管16が接続されており、第2排水管16には排水弁17が介装されている。排水タンク14内の水は排水弁17を開放することで第2排水管16を通ってハウジング11の外側に排出される。また、第2排水管16には排水弁17よりも上流側に洗浄水供給管50の導入端部が接続されており、洗浄水供給管50の導出端部は調理庫20の天井壁に設けた継手部材51を介して洗浄ノズル40に接続されている。洗浄水供給管50にはポンプ52が介装されており、排水タンク14内に貯めた洗浄水はポンプ52によって洗浄ノズル40に送られる。なお、排水タンク14には洗浄用の水(洗浄水)を供給する給水管53が接続されており、給水管53には給水弁54が介装されている。調理庫20内を洗浄するときに給水弁54を開放すると、給水管53から排水タンク14内に洗浄水が供給される。調理庫20内を洗浄するときには、排水タンク14内に洗浄水を貯えるようにするために排水弁17が閉止される。
【0024】
図3及び
図9に示したように、洗浄ノズル40は調理庫20の左右方向の中央部よりも左側にずらした位置に配置されており、具体的には、食材収容室21の左側部でファンカバー23の直ぐ右側に配置されている。洗浄ノズル40は調理庫20の天井壁から鉛直方向下向きに延出して、上下に洗浄水を通す洗浄水通路41a,42aを有した金属製の有底の円筒形部材(筒形部材)よりなる。洗浄ノズル40は、第1構成部41と、第1構成部41の下側に配置される第2構成部42と、第2構成部42の下側に配置される第3構成部43とを上下に分割(分離または着脱)可能に備えている。
【0025】
図9及び
図10に示したように、第1構成部41は径方向の中心部に洗浄水の洗浄水通路41aが形成された略円板形(薄い円筒形)をし、第1構成部41の下面は中心部が下方に膨らむように円錐台面41bが形成されている。第2構成部42も径方向の中心部に洗浄水の洗浄水通路42aが形成され、第1構成部41と同じ径をした略円板形(高さの低い円筒形)をしている。
図10及び
図11に示したように、第2構成部42の上面は中心部が下方に凹むように形成され、第2構成部42の下面は中心部が上方に凹むように形成されている。第2構成部42の上面には上下方向における高さの異なる2つの円錐台の周面の一部が形成されている。第2構成部42の上面の左側部には中心部が下方に凹むように形成された円錐台の周面の一部となる第1周面部42bが形成され、第2構成部42の上面の残る部分には中心部が下方に凹むように形成された円錐台の周面の一部となる第2周面部42cが形成されている。第2周面部42cは第1周面部42bよりも下側に形成されており、第1周面部42bが第1構成部41の下面の円錐台面41bに密着しているときに、第1構成部41の下面の円錐台面41bと第2構成部42の第2周面部42cとの間にスリットよりなる第1隙間部40aが形成されている。
【0026】
図9に示したように、この第1隙間部40aは洗浄ノズル40の洗浄水通路41a,42aと連通している。
図12に示したように、洗浄ノズル40の右側面部にはこの第1隙間部40aによって第1噴射口40bが開口して形成されている。第1噴射口40bは調理庫20の右側の側部(他方の側部)に向けて開口しており、洗浄ノズル40の右側を中心として前後方向に240°で開口している。また、第1隙間部40aは第1構成部41の下面の円錐台面41bと第2構成部42の上面の円錐台の周面の一部となる第2周面部42cとにより形成される隙間であるために斜め上方に傾斜しているので、第1噴射口40bは調理庫20の右斜め上方に向けて開口している。
【0027】
図10に示したように、第2構成部42は第1構成部41に第1固定ねじ44によって着脱可能に固定されている。第1固定ねじ44は第1及び第2構成部41,42の左側部に配置され、第1構成部41の上側から挿通されている。第1固定ねじ44の長さは調理庫20の天井壁と第1構成部41の上面との間隔よりも長くなっており、第1固定ねじ44が第2構成部42の雌ねじ部で弛んでも、第1固定ねじ44が調理庫20の天井壁に当たることで抜け落ちないようになっている。
【0028】
図9及び
図11に示したように、第2構成部42の下面は中心部が上方に凹むように形成され、第2構成部42の下面には上下方向における高さの異なる2つの円錐台の周面の一部が形成されている。第2構成部42の下面の左側部には中心部が上方に凹むように形成された円錐台の周面の一部となる第3周面部42dが形成され、第2構成部42の下面の残る部分には中心部が上方に凹むように形成された円錐台の周面の一部となる第4周面部42eが形成されている。第3周面部42dは第4周面部42eよりも上側に形成されている。
図9及び
図10に示したように、第3構成部43は第1及び第2構成部41,42と同じ径をした略円板形をし、第3構成部43の上面には中心部が上方に膨らむように円錐台面43aが形成されている。
図9~
図12に示したように、第3周面部42dは第4周面部42eよりも上側に形成されており、第4周面部42eが第3構成部43の上面の円錐台面43aに密着しているときに、第2構成部42の下面の第3周面部42dと第3構成部43の上面の円錐台面43aとの間にスリットよりなる第2隙間部40cが形成されている。
【0029】
図9及び
図12に示したように、この第2隙間部40cは洗浄ノズル40の洗浄水通路41a,42aと連通している。洗浄ノズル40の左側面部にはこの第2隙間部40cによって第2噴射口40dが開口して形成されている。第2噴射口40dは調理庫20の左側の側部(一方の側部)としてファンカバー23に向けて開口しており、洗浄ノズル40の左側を中心として前後方向の両側に120°で開口している。また、第2隙間部40cは第2構成部42の下面の円錐台の周面の一部となる第3周面部42dと第3構成部43の上面の円錐台面43aとにより形成される隙間であるために斜め下方に傾斜しており、第2噴射口40dは調理庫20の左斜め下方に向けて開口している。
【0030】
図10に示したように、第3構成部43は第2構成部42に第2固定ねじ45によって着脱可能に固定されている。第2固定ねじ45は第2及び第3構成部42,43の左右方向略中央部で前後に配置され、第2構成部42の第2周面部42cが形成された位置で上側から挿通されている。第2固定ねじ45の長さは第1構成部41の下面と第2構成部42の上面と間に形成される第1隙間部40aの間隔よりも長くなっており、第2固定ねじ45が第3構成部43の雌ねじ部で弛んでも、第2固定ねじ45が第1構成部41に当たって抜け落ちないようになっている。
【0031】
図9に示したように、洗浄ノズル40は第3構成部43の下側から挿通される取付ねじ46によって継手部材51を介して調理庫20の天井壁に着脱可能に取り付けられている。この実施形態の取付ねじ46は六角穴付きボルトが採用されている。第1~第3構成部41~43の左側部には貫通孔が形成されており、取付ねじ46は第1~第3構成部41~43の各貫通孔に挿通されている。取付ねじ46の先端部が調理庫20の天井壁に設けた継手部材51に螺着することで、洗浄ノズル40は調理庫20の天井壁に固定されている。第3構成部43の下面にはざぐり穴よりなる凹部43bが形成されており、取付ねじ46の頭部46aは凹部43bに収納されている。取付ねじ46の調理庫20の天井壁に設けた継手部材51に螺合されている部分の長さは約15mmと十分に長くなっており、取付ねじ46が弛んでも取付ねじ46と洗浄ノズル40が調理庫20内に落下しにくくなっている。なお、取付ねじ46が弛んだときには、洗浄ノズル40と洗浄水供給管50の接続部分から洗浄水が漏水するようになり、取付ねじ46が弛んだことを早期に気づくことができる。
【0032】
図9に示したように、取付ねじ46は洗浄ノズル40の左側部に配置されており、第2及び第3構成部42,43の間に形成される第2隙間部40cを通る位置に配置されている。
図11及び
図12に示したように、第2構成部42の第3周面部42dには下側に突出して第3構成部43の円錐台面43aに当接する間隔保持突部42fが形成されており、間隔保持突部42fは第2及び第3構成部42,43の間に形成される第2隙間部40cの間隔を保持する機能を有している。取付ねじ46を締結させて洗浄ノズル40を調理庫20の天井壁に設けた継手部材51に固定したときに、第2及び第3構成部42,43が互いに接近しようして第2隙間部40cの間隔を狭くするおそれがあるが、間隔保持突部42fが第3構成部43の円錐台面43aに当接しているので、第2及び第3構成部42,43の間に形成される第2隙間部40cの間隔が保持され、第2噴射口40dが塞がれないようになっている。
【0033】
図13に示したように、加熱調理器10は制御装置60を備えており、制御装置60は、排水弁17、ヒータ25、対流ファン26、温度センサ27、蒸気発生装置30、ポンプ52及び給水弁54に接続されている。制御装置60はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(いずれも図示省略)を備えている。制御装置60は、ROMに調理庫20内の食材を加熱調理する調理プログラムと、調理庫20内を洗浄する洗浄プログラムを備えている。調理プログラムは、ヒータ25と対流ファン26を作動させて対流する熱風により食材を加熱調理するホットエアーモード調理プログラムと、対流ファン26と蒸気発生装置30を作動させて対流する蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理するスチームモード調理プログラムと、ヒータ25と対流ファン26と蒸気発生装置30を作動させて対流する蒸気を含んだ高温の熱風により食材を加熱調理するコンビモード調理プログラムとの3種類の調理プログラムを備えている。なお、食材の調理に応じた調理庫20内の設定温度、蒸気量及び調理時間を記憶させた上記の各調理プログラムがROMに予め設定されているとともに、ユーザのニーズに応じた調理庫20内の設定温度、蒸気量及び調理時間とした各調理プログラムを設定可能となっている。また、洗浄プログラムは、洗剤を含んだ洗浄水を噴射させながら循環させる1回の洗浄モードと、洗剤を含まない洗浄水を噴射させながら循環させる3回(複数回)の濯ぎモードとを実行するものである。
【0034】
調理プログラムの例えばコンビモード調理プログラムを実行したときには、ヒータ25と対流ファン26との作動により、調理庫20内の空気は熱風になって循環するとともに、蒸気発生装置30から調理庫20内に蒸気が供給されることで、調理庫20内に収容した食材は蒸気を含んだ熱風によって加熱調理される。このとき、食材に含まれる油分が対流する熱風とともに調理庫20内を飛散し、油分が調理庫20の各壁、ファンカバー23及び支持フレーム24等に付着することになる。この種の加熱調理器10では調理庫20内を常に衛生的に管理することが望ましいので、調理庫20を例えば使用した日毎に洗浄することが好ましい。このために、この加熱調理器10では調理庫20内を自動で洗浄する洗浄プログラムを有している。
【0035】
調理庫20内を洗浄するときには、調理庫20の排水口20cに設けたに排水目皿20dの上側にタブレット形の洗剤を置いた状態で洗浄プログラムを実行させる。洗浄プログラムは、洗剤を含んだ洗浄水で洗浄する洗浄モードと、洗剤を含まない洗浄水で濯ぎ洗浄をする3回の濯ぎモードを実行する。なお、洗浄モードを実行する前に、蒸気発生装置30を作動させて調理庫20内に蒸気を供給するようにして、調理庫20の周壁に付着している油分等の汚れを浮かせるようにするのが好ましい。
【0036】
洗浄モードを開始すると、排水弁17を閉止するとともに給水弁54を所定時間開放することで、排水タンク14内に洗浄水が貯えられるようになる。排水タンク14内に洗浄水が貯まった後でポンプ52を作動させると、排水タンク14内に貯えられた洗浄水は洗浄水供給管50を通って洗浄ノズル40に送られる。洗浄水は洗浄ノズル40の洗浄水通路41a,42aを通って第1及び第2噴射口40b,40dから噴射される。また、ポンプ52を作動させているときに、ヒータ25と対流ファン26とを作動させているために、洗浄ノズル40の第1及び第2噴射口40b,40dから噴き出された洗浄水は調理庫20内を対流する温風によって温められながら調理庫20を広範囲に飛散している。また、洗浄ノズル40の第1及び第2噴射口40b,40dから噴き出された洗浄水は調理庫20内の天井壁や各側壁等に沿って流れ落ちる。このとき、排水タンク14と調理庫20内を循環する洗浄水は排水口20cを通るときに排水目皿20dの上側に置いた洗剤が溶けるようになっており、調理庫20は洗剤を含む洗浄水により洗浄される。
【0037】
洗浄ノズル40の各噴射口40b,40dから噴射された洗浄水の流れについて詳述する。洗浄ノズル40の第1噴射口40bから噴き出された洗浄水は調理庫20の天井壁及び右側部(他方の側部)に向けて前後方向に広範囲に拡がって噴き付けられる。第1噴射口40bから噴き出された洗浄水は調理庫20内を対流する温風によって食材収容室21内で広範囲に飛散し、洗浄水の一部は調理庫20の側壁に沿って流れ落ち、流れ落ちた洗浄水は再び排水タンク14から洗浄ノズル40に送られて排水タンク14と調理庫20内を循環するとともに、洗浄水の一部はファンカバー23の吸込口23aから熱風生成室22側に吸い込まれ、対流ファン26によって再び食材収容室21側に飛散する。
【0038】
洗浄ノズル40の第2噴射口40dから噴き出された洗浄水は調理庫20の左側部にて食材収容室21と熱風生成室22とを仕切るファンカバー23に向けて噴き出される。噴き出された洗浄水はファンカバー23を流れ落ちるとともにファンカバー23の吸込口23aから熱風生成室22側に吸い込まれ、対流ファン26によって食材収容室21側に飛散する。洗浄水の一部は調理庫20の側壁に沿って流れ落ち、洗浄水の一部はファンカバー23の吸込口23aから熱風生成室22側に吸い込まれ、対流ファン26によって再び食材収容室21側に飛散する。調理庫20の側壁に沿って流れ落ちた洗浄水は再び排水タンク14から洗浄ノズル40に送られ、排水タンク14と調理庫20内とを循環する。このように、各噴射口40b,40dから噴き出された洗浄水は排水タンク14と調理庫20内を循環しながら調理庫20内の隅々まで噴き付けられるようになっている。なお、対流ファン26を正方向と逆方向で交互に回転させるようにして、調理庫20内を対流する空気の流れを変えるようにすれば、洗浄ノズル40の各噴射口40b,40dから噴き出された洗浄水は対流ファン26の正方向で回転させたときと逆方向で回転させたときで変わる空気の流れにより調理庫20内のさらに隅々まで噴き付けられるようになる。洗浄プログラムの洗浄モードを所定時間実行すると、ヒータ25と対流ファン26とポンプ52の作動を停止させ、排水弁17を開放して排水タンク14内の洗剤を含んだ洗浄水を排水する。
【0039】
洗浄プログラムの洗浄モードが終了すると、濯ぎモードを実行する。濯ぎモードでは、排水弁17を閉止するとともに給水弁54を所定時間開放することで、排水タンク14内に濯ぎ用の洗浄水を貯えるようにする。その後、ポンプ52を作動させると、排水タンク14内に貯えられた洗浄水は洗浄水供給管50を通って洗浄ノズル40に送られ、上述した洗浄モードと同様に、洗浄ノズル40の各噴射口40b,40dから噴き出される洗浄水は調理庫20の周壁、ファンカバー23及び支持フレーム24の隅々まで噴き付けられるようになり、洗浄モードに噴き付けられた洗剤を含んだ洗浄水を洗い流すようにすることができる。この濯ぎモードでも、ヒータ25と対流ファン26を作動させるとともに、対流ファン26を正方向と逆方向とで交互に回転させるようにしている。洗浄プログラムの濯ぎモードを所定時間実行すると、ヒータ25と対流ファン26とポンプ52の作動を停止させ、排水弁17を開放して排水タンク14内の濯ぎに用いた洗浄水を排水する。なお、この実施形態では濯ぎモードを複数回として3回実行して洗浄プログラムを終了する。
【0040】
上記のように構成した加熱調理器10においては、調理庫20の天井壁には上下に延びる洗浄水通路41a,42aを有する筒形をした洗浄ノズル40を設け、洗浄ノズル40は第1構成部41と、第1構成部41の下側に配置される第2構成部42と、第2構成部42の下側に配置される第3構成部43とを上下に分割可能に有し、第1構成部41の下面と第2構成部42の上面との間に形成される第1隙間部40aによって洗浄水通路41aと連通した第1噴射口40bを形成させ、第2構成部42の下面と第3構成部43の上面との間に形成される第2隙間部40cによって洗浄水通路41a,42aと連通した第2噴射口40dを形成させた。
【0041】
この洗浄ノズル40は回転等する可動部品を備えたものでないので、調理庫20内で加熱調理をしているときに、洗浄ノズル40を調理庫20の天井壁に取り付けた状態としても、洗浄ノズル40が油汚れで固着して動かなくなるような不具合が生じないようにすることができた。また、洗浄ノズル40は、第1構成部41の下面と第2構成部42の上面との間に形成される第1隙間部40aによって洗浄水通路41aと連通した第1噴射口40bを形成させ、第2構成部42の下面と第3構成部43の上面との間に形成される第2隙間部40cによって洗浄水通路41a,42aと連通した第2噴射口40dを形成させたので、第3構成部43を第2構成部42から分離させる(分解する)とともに、第2構成部42を第1構成部41から分離させる(分解する)ことで第1及び第2噴射口40b,40dに固着した汚れを容易に洗浄することができるようになった。
【0042】
この実施形態の洗浄ノズル40では、第1構成部41の下面を下側に膨らむ円錐台面41bとするとともに、第2構成部42の上面に互いに上下位置を異なるように形成した下側に凹む円錐台の周面の一部よりなる第1周面部42bと第2周面部42cとを形成し、第1構成部41の下面と第2構成部42の上面との間に第1隙間部40aを形成した。本発明は、これに限られるものでなく、第1構成部41の下面に互いに上下位置を異なるように形成した下側に膨らむ円錐台の周面の一部よりなる第1周面部と第2周面部を形成するとともに、第2構成部42の上面を下側に凹む円錐台面とし、第1構成部41の下面と第2構成部42の上面との間に第1隙間部を形成したものであってもよい。同様に、第2構成部42の下面に互いに上下位置を異なるように形成した円錐台の周面の一部よりなる第3周面部42dと第4周面部42eとを形成するとともに、第3構成部43の上面を上側に膨らむ円錐台面43aとし、第2構成部42の下面と第3構成部43の上面との間に第2隙間部40cを形成した。本発明は、これに限られるものでなく、第2構成部42の下面を上側に凹む円錐台面とするとともに、第3構成部43の上面に互いに上下位置を異なるように形成した円錐台の周面の一部よりなる第3周面部と第4周面部を形成し、第2構成部42の下面と第3構成部43の上面との間に第2隙間部を形成したものであってもよい。さらに、第1及び第2構成部41,42の間に形成される第1噴射口40bを調理庫20の左側部(一方の側部)にて斜め下方に向けて開口させ、第2及び第3構成部42,43の間に形成される第2噴射口40dを調理庫20の右側部(他方の側部)にて斜め上方に向けて開口させてもよい。
【0043】
また、加熱調理器10の洗浄ノズル40においては、第2構成部42は第1構成部41に上側から挿通される第1固定ねじ44を用いて着脱可能に固定され、第1固定ねじ44の長さを調理庫20の天井壁と第1構成部41の上面との間隔よりも長くした。このため、第1固定ねじ44が第2構成部42の雌ねじ部で弛んでも、第1固定ねじ44は調理庫20の天井壁に当たることで上側への移動が規制され、第1固定ねじ44と第3構成部43を含めた第2構成部42が調理庫20内に落下するのを防ぐことができ、第1固定ねじ44と第3構成部43を含めた第2構成部42が調理庫20内で調理中の食材に混入するのを防ぐことができた。同様に、第3構成部43は第1隙間部40aが形成されている位置で第2構成部42に上側から挿通される第2固定ねじ45を用いて着脱可能に固定され、第2固定ねじ45の長さを第1隙間部40aの間隔よりも長くした。このため、第2固定ねじ45が第3構成部43の雌ねじ部で弛んでも、第2固定ねじ45は第1構成部41の下面に当たることで上側への移動が規制され、第2固定ねじ45と第3構成部43が調理庫20に落下するのを防ぐことができ、第2固定ねじ45と第3構成部43が調理庫20内で調理中の食材に混入するのを防ぐことができた。
【0044】
また、洗浄ノズル40は第3構成部43の下側から挿通される取付ねじ46によって調理庫20の天井壁に着脱可能に取り付けられており、第3構成部43の下面には取付ねじ46の頭部46aを収納する凹部43bを形成した。洗浄ノズル40の第3構成部43の下面には調理庫20内で加熱調理したときの油分等による汚れが付着する。第3構成部43の下面に凹部43bを形成していない
図14に示した実施形態では、第3構成部43の下面と取付ねじ46の頭部46aとの間に付着した油分等の汚れ(
図14のAで示した部分)が高温の調理庫20内で固まり、取付ねじ46の頭部46aが第3構成部43の下面に固着して、取付ねじ46を取り外せなくなるおそれがある。
図9に示したこの実施形態では、取付ねじ46の頭部46aは第3構成部43の下面に形成された凹部43bに収納されている。これにより、取付ねじ46の頭部46aと第3構成部43の下面の凹部43bとの接触部分に油分等による汚れが付着しにくくなり、取付ねじ46の頭部46aが第3構成部43の下面に固着しにくくなった。また、加熱調理中に飛散した油が第3構成部43の凹部43b内に流入しても、油は凹部43bの垂直に立つ周壁から流れ落ちるため、凹部43b内に油が残りにくくなった。
【0045】
また、取付ねじ46は第2隙間部40cを通る位置に配置され、第2構成部42の第3周面部42dの下面には取付ねじ46が貫通する第2隙間部40cの間隔を保持する間隔保持突部42fが設けられている。このようにしたことで、取付ねじ46を強く締結しても、取付ねじ46が貫通する位置の第2隙間部40cは間隔保持突部42fによって間隔が保持され、第2噴射口40dの開口部分が狭くなるのを防ぐことができた。なお、第3構成部43の上面に間隔保持突部42fを設けたときにも同様の作用効果を得ることができる。また、取付ねじ46が第1隙間部40aを通る位置に配置されているときには、第1構成部41の下面または第2構成部42の第2周面部42cの上面に第1隙間部40aの間隔を保持する間隔保持突部を設けるようにしてもよく、このようにしたときには、第1隙間部40aは間隔保持突部によって間隔が保持され、第1噴射口40bの開口部分が狭くなるのを防ぐことができる。
【0046】
この加熱調理器10の洗浄ノズル40は、第1噴射口40bを調理庫20内の右側部(他方の側部)に向けて開口させ、第2噴射口40dを調理庫20内の左側部(一方の側部)として食材収容室21と熱風生成室22とを通風可能に仕切るファンカバー23に向けて開口させた。また、第1噴射口40bは調理庫20の天井壁となる斜め上方に開口させ、第2噴射口40dをファンカバー23となる斜め下方に開口させている。第2噴射口40dから噴き出された洗浄水はファンカバー23の汚れを洗い流しながら吸込口23aから対流ファン26に吸い込まれ、吸い込まれた洗浄水は対流ファン26によって対流する空気とともに調理庫20内を飛散し、洗浄水の一部は再び吸込口23aから対流ファン26に吸い込まれ、吸い込まれた洗浄水は対流ファン26によって対流する空気とともに調理庫20内を飛散し、洗浄水の一部は排水口20cを通って排水タンク14に戻されて再び洗浄ノズル40から噴射される。
【0047】
また、第1噴射口40bから左斜め上方に噴き出された洗浄水は汚れの付着しやすい調理庫20の天井壁や、第2噴射口40dから噴射された洗浄水が届きにくい調理庫20の右側部に噴き出される。噴き出された洗浄水は、調理庫20の天井壁及び右側部周辺の側壁の汚れを洗い流し、洗浄水の一部がファンカバー23の吸込口23aを通って対流ファン26に吸い込まれ、吸い込まれた洗浄水は対流ファン26によって対流する空気とともに調理庫20内を飛散し、洗浄水の一部が排水口20cを通って排水タンク14に戻されて再び洗浄ノズル40から噴射される。このように、洗浄ノズル40の第1及び第2噴射口40b,40dから調理庫20の左右の両側に噴射させた洗浄水をヒータ25と対流ファン26とによる温風によって温めた状態で調理庫20の隅々まで飛散させたので、調理庫20内の全体を洗浄水によってきれいに洗浄できるようになった。
【0048】
上記の実施形態の洗浄ノズル40は第1~第3構成部41~43を分割可能に備えたものであるが、これに限られるものでなく、
図15に示したように、第3構成部を備えないようにして、第1構成部41と、第1構成部41の下側に第2構成部42を分割可能に備えたものであってもよい。この場合には、第2構成部42に第2隙間部42gを形成し、第2構成部42の左側面に第2噴射口42hを形成してもよいし、第2構成部42に第2隙間部42gを形成せずに、第2噴射口42hを形成しないようにしたものであってもよい。また、第2構成部42の下面にざぐり穴よりなる凹部42iを形成し、取付ねじ46の頭部46aを第2構成部42の下面の凹部42iに収納すればよい。さらに、この洗浄ノズル40は継手部材51を介して調理庫20の天井壁に取り付けられているが、これに限られるものでなく、洗浄ノズル40の上部に継手部(継手部材)を一体的に設けるようにしたものであってもよい。具体的には、洗浄ノズル40の第1構成部41の上面に継手部材51を一体的に設けたものであってもよい。
【0049】
この実施形態では、調理庫20の一方の側部として左側部にヒータ25と対流ファン26とファンカバー23を設け、洗浄ノズル40の第1噴射口40bを調理庫20の他方の側部として右側部の斜め上方に向け、第2噴射口40dを調理庫20の一方の側部として左側部の斜め下方としてファンカバー23に向けるようにした。本発明はこれに限られるものでなく、調理庫20の一方の側部として右側部にヒータ25と対流ファン26とファンカバー23を設け、洗浄ノズル40の第1噴射口40bを調理庫20の他方の側部として左側部の斜め上方に向け、第2噴射口40dを調理庫20の一方の側部として右側部の斜め下方としてファンカバー23に向けるようにしてもよい。また、調理庫20の一方の側部として後側部にヒータ25と対流ファン26とファンカバー23を設け、洗浄ノズル40の第1噴射口40bを調理庫20の他方の側部として前側部の斜め上方に向け、第2噴射口40dを調理庫20の一方の側部として後側部の斜め下方としてファンカバー23に向けるようにしてもよい。
【0050】
次に、別の実施形態の洗浄ノズル40Aについて説明する。
図16及び
図17に示したように、この実施形態の洗浄ノズル40Aは、調理庫20の天井壁の中央部から鉛直方向下向きに延出して、上下に延びる洗浄水を通す洗浄水通路41Aaを有した金属製の円筒形部材(筒形部材)よりなり、第1構成部41Aと、第1構成部41Aの下側に配置される第2構成部42Aとを上下に分割可能に備えている。洗浄ノズル40Aは第1構成部41Aの下面と第2構成部42Aの上面との間に形成される第1隙間部40Aaによって洗浄水通路41Aaと連通した第1噴射口40Abが形成されている。
【0051】
図17に示したように、この実施形態の洗浄ノズル40Aの第1構成部41Aは径方向の中心部に上下に延びる洗浄水の洗浄水通路41Aaが形成された略円筒形をし、洗浄水供給管50を接続する継手部51Aを上部に一体的に備えている。第1構成部41Aの洗浄水通路41Aaは継手部51Aの接続通路51Aaを介して洗浄水供給管50に接続されている。
図17~
図19に示したように、第1構成部41Aの下面は径方向の中心部が下方に膨らむように円錐台面41Abが形成されている。
【0052】
図18及び
図19に示したように、第1構成部41Aの円錐台面41Abの周面の右側部(一部)には下方に突出する2つの突部41Acが形成されている。2つの突部41Acの間には第1及び第2構成部41A,42Aとの間で第1隙間部40Aaが形成され、2つの突部41Acの間の第1隙間部40Aaは調理庫20の右側に向けて開口している。また、2つの突部41Acは第1及び第2構成部41A,42Aの右側部の間に形成される第1隙間部40Aaの間隔を保持する機能も有している。第1構成部41Aの円錐台面41Abの周面の左側部には下方に突出して第2構成部42Aの上面に当接する間隔保持突部41Adが形成されており、間隔保持突部41Adは第1及び第2構成部41A,42Aの左側部の間に形成される第1隙間部40Aaの間隔を保持する機能を有している。
【0053】
図17に示したように、第1構成部41Aの洗浄水通路41Aaにはスペーサ47Aが設けられている。スペーサ47Aは洗浄水通路41Aaの内径よりも細い外径の円筒形状(筒形状)をし、スペーサ47Aの上端に形成されたフランジ部47Aaが第1構成部41Aの上部に形成された環状溝41Aeの上面に係合して固定されている。スペーサ47Aは第1構成部41Aの円錐台面41Abより少し下側に突出しており、2つの突部41Acと間隔保持突部41Adとともに第1構成部41Aの下面と第2構成部42Aの上面との間に形成される第1隙間部40Aaの間隔を保持する機能を有している。スペーサ47Aの内側には雌ねじ部が形成されており、第2構成部42Aは下側から挿通される取付ねじ46Aをスペーサ47Aの雌ねじ部に螺着させることによって第1構成部41Aに取り付けられる。
【0054】
図18及び
図19に示したように、第2構成部42Aは第1構成部41Aの下部と同じ径をした略円板形をしており、第1構成部41Aの下面との間に洗浄水通路41Aaに連通する第1隙間部40Aaを形成させるものである。洗浄ノズル40Aの周面には第1隙間部40Aaによって第1噴射口40Abが開口して形成されている。第1噴射口40Abは間隔保持突部41Adの前後方向の両側の各々で130°で開口し、2つの突部41Acの間で45°で開口している。
【0055】
図17に示したように、第2構成部42Aの径方向の中央部には取付ねじ46Aを挿通させる貫通孔が形成されており、第2構成部42Aの下面にはこの貫通孔の周囲にざぐり穴よりなる凹部42Aaが形成されている。取付ねじ46Aは第2構成部42Aの下側から貫通孔を通して第1構成部41Aのスペーサ47Aの雌ねじ部に螺着されており、取付ねじ46Aの頭部は第2構成部42Aの凹部42Aaに収納可能となっている。これ以外については上述した実施形態の各洗浄ノズル40と同様である。
【0056】
この洗浄ノズル40Aも上述した実施形態の洗浄ノズル40と同様に回転等する可動部品を備えたものでないので、調理庫20内で加熱調理をしているときに、洗浄ノズル40Aを調理庫20の天井壁に取り付けた状態としても、洗浄ノズル40Aが油汚れで固着して動かなくなるような不具合が生じないようにすることができた。また、洗浄ノズル40Aは、第1構成部41Aの下面と第2構成部42Aの上面との間に形成される第1隙間部40Aaによって洗浄水通路41Aaと連通した第1噴射口40Abを形成させたので、第2構成部42Aを第1構成部41Aから分離させる(分解する)ことで第1噴射口40Abに固着した汚れを容易に洗浄することができるようになった。
【0057】
また、この洗浄ノズル40Aは、第1構成部41の径方向の中央部に配置された洗浄水通路41Aa内に第1隙間部40Aaの間隔を保持するスペーサ47Aを備えている。第2構成部42Aの下側から挿通される取付ねじ46Aをスペーサ47Aの雌ねじ部に強く締め付けるようにしても、第2構成部42Aの上面は2つの突部41Acと間隔保持突部41Adだけでなく径方向の中央部に配置されたスペーサ47Aの下端に当接することになる。これによって、第2構成部42Aはスペーサ47Aによって適切な間隔を保持された第1隙間部40Aaを介して第1構成部41Aに取付られるようになり、第1噴射口40Abから洗浄水を適切に噴射させることができるようになった。
【0058】
また、この洗浄ノズル40Aは第2構成部42Aの下側から挿通される取付ねじ46Aによって第1構成部41Aを介して調理庫20の天井壁に着脱可能に取り付けられており、第2構成部42Aの下面には取付ねじ46Aの頭部46Aaを収納する凹部42Aaを形成した。洗浄ノズル40の第2構成部42Aの下面には調理庫20内で加熱調理したときの油分等による汚れが付着する。これによって、取付ねじ46Aの頭部46Aaと第2構成部42Aの下面の凹部42Aaとの接触部分に油分等による汚れが付着しにくくなり、取付ねじ46Aの頭部46Aaが第2構成部42Aの下面に固着しにくくなった。また、加熱調理中に飛散した油が第2構成部42Aの凹部42Aa内に流入しても、油は凹部42Aaの垂直に立つ周壁から流れ落ちるため、凹部42Aa内に油が残りにくくなった。
【0059】
この実施形態の洗浄ノズル40Aは、第1構成部41Aと、第1構成部41Aの下側に第2構成部42Aとを備えたが、これに限られるものでなく、第2構成部42Aの下側に第2隙間部を介して第3構成部を備えたものであってもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…加熱調理器、20…調理庫、25…ヒータ、26…対流ファン、40…洗浄ノズル、40a…第1隙間部、40b…第1噴射口、40c…第2隙間部、40d…第2噴射口、41、41A…第1構成部、41a,41Aa…洗浄水通路、47A…スペーサ、42,42A…第2構成部、42a…洗浄水通路、42Aa…凹部、42f…間隔保持突部、42i…凹部、43…第3構成部、43b…凹部、44…第1固定ねじ、45…第2固定ねじ、46,46A…取付ねじ。