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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/60 20060101AFI20230413BHJP
   A01D 67/00 20060101ALI20230413BHJP
   A01D 69/00 20060101ALI20230413BHJP
   A01D 41/12 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
A01F12/60
A01D67/00 G
A01D69/00 301
A01D41/12 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019130097
(22)【出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2021013330
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(74)【代理人】
【識別番号】100206106
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】木村 敦
(72)【発明者】
【氏名】石橋 俊之
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-289712(JP,A)
【文献】特開2019-010075(JP,A)
【文献】特開2016-042835(JP,A)
【文献】特開2017-038543(JP,A)
【文献】特開2005-168324(JP,A)
【文献】特開2019-122338(JP,A)
【文献】特開2021-013331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/60
A01D 67/00
A01D 69/00
A01D 41/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒を貯留する穀粒タンクと、
前記穀粒タンクの上部に設置され、前記穀粒タンク内に堆積した穀粒の表層を撮影するカメラと、
前記カメラの撮像を表示するモニタと、を備えるコンバインであって、
前記カメラが備えるズーム調整手段を制御する制御部と、
前記穀粒タンク内に堆積した穀粒の高さを検出する穀粒高さ検出手段と、を備え、
前記制御部は、堆積した穀粒の表層のうち所定面積の撮像が前記モニタに継続的に表示されるように、前記穀粒高さ検出手段の検出高さに基づいて前記ズーム調整手段を制御するものであって、
前記カメラおよび穀粒高さ検出手段は、穀粒タンクの上部に設置されていて、穀粒タンクに貯留した穀粒の表層に対するカメラの撮影方向および穀粒高さ検出手段の検出方向が穀粒の貯留高さに拘わらず何れも鉛直下方向となるように構成され、
前記撮像される所定面積は、穀粒の検出高さの変化に拘わらず前記モニタに表示される穀粒の大きさが略一定になるよう表示される面積であることを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒タンク内を撮影するカメラを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、穀粒タンクにカメラを備え、穀粒タンク内を撮影した映像をモニタに表示させるコンバインが開示されている。また、特許文献2には、穀粒タンク内の穀粒を撮像し、撮像した画像を処理して穀粒の状態や異物の混入を検査する検査装置を備えるコンバインが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-335742号公報
【文献】特開2013-27341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のコンバインでは、穀粒タンク内の所定範囲を撮影するに過ぎないので、穀粒タンク内の穀粒の堆積状態は把握できるものの、穀粒の詳細な状態(例えば、穀粒の色、汚れ、病気、損傷、夾雑物の割合など)を把握することは困難であった。一方、特許文献2のコンバインでは、穀粒の詳細な状態を把握可能と思われるが、穀粒タンクに大掛かりな検査装置を設置する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、穀粒を貯留する穀粒タンクと、前記穀粒タンクの上部に設置され、前記穀粒タンク内に堆積した穀粒の表層を撮影するカメラと、前記カメラの撮像を表示するモニタと、を備えるコンバインであって、前記カメラが備えるズーム調整手段を制御する制御部と、前記穀粒タンク内に堆積した穀粒の高さを検出する穀粒高さ検出手段と、を備え、前記制御部は、堆積した穀粒の表層のうち所定面積の撮像が前記モニタに継続的に表示されるように、前記穀粒高さ検出手段の検出高さに基づいて前記ズーム調整手段を制御するものであって、前記カメラおよび穀粒高さ検出手段は、穀粒タンクの上部に設置されていて、穀粒タンクに貯留した穀粒の表層に対するカメラの撮影方向および穀粒高さ検出手段の検出方向が穀粒の貯留高さに拘わらず何れも鉛直下方向となるように構成され、前記撮像される所定面積は、穀粒の検出高さの変化に拘わらず前記モニタに表示される穀粒の大きさが略一定になるよう表示される面積であることを特徴とするコンバインである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、堆積した穀粒の表層のうち所定面積の撮像がモニタに継続的に表示されるので、穀粒の詳細な状態を把握できる。また、穀粒タンクに大掛かりな検査装置を設置する必要がないので、部品点数の増加やコストアップも抑制できる。また、制御部は、穀粒高さ検出手段の検出高さに基づいてカメラのズーム調整手段を制御するので、カメラ自体を昇降させない簡単な構成とできる。しかも所定面積は、モニタに穀粒が所定の大きさで表示される面積なので、モニタ表示に基づいて穀粒の詳細な状態を高精度に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係るコンバインの側面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るコンバインの平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るコンバインの穀粒タンクを示す正面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るコンバインの操縦部を示す平面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るコンバインのモニタ表示画面を示す図であり、(a)は全体表示モードのモニタ表示画面を示す図、(b)は所定表示モードのモニタ表示画面を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るコンバインの制御構成を示すブロック図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るコンバインの撮像切換え制御を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態に係るコンバインの穀粒タンクを示す正面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係るコンバインの穀粒タンクを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1及び図2において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、穀稈を刈り取る刈取部2と、刈り取った穀稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀部3と、選別済みの穀粒を貯留する穀粒タンク4と、穀粒タンク4内の穀粒を機外に搬出する排出オーガ5と、脱穀済みの排稈を後処理する後処理部6と、作業者が乗車する操縦部7と、クローラ式の走行部8と、を備える。
【0009】
図3に示すように、穀粒タンク4の一側部(脱穀部3側)には、揚穀筒9が立設されている。揚穀筒9は、脱穀部3で選別された穀粒を揚上搬送し、穀粒タンク4内に放出する。穀粒タンク4の底部左右中央位置には、前後方向に沿って螺旋搬送体10が配置されている。穀粒タンク4内に貯留される穀粒は、穀粒タンク4の底部に設けられるガイド傾斜面4aに沿って螺旋搬送体10に集められ、螺旋搬送体10の回転駆動に応じて穀粒タンク4外に排出される。螺旋搬送体10によって穀粒タンク4外に排出された穀粒は、螺旋搬送体10と連動する排出オーガ5に引き継がれ、排出オーガ5の先端部に設けられる穀粒排出口5aまで搬送される。
【0010】
穀粒タンク4には、カメラ11と穀粒貯留高さセンサ12(穀粒高さ検出手段の一例)が設けられている。カメラ11は、穀粒タンク4の上部に設置され、穀粒タンク4の底部や、穀粒タンク4内に堆積した穀粒の表層を撮影する。カメラ11は、広角と望遠との間で撮像を無段階又は段階的にズーム調整するズーム調整機能(ズーム調整手段の一例)を備える。ズーム調整機能としては、レンズを機械的に移動させて焦点距離を変化させる光学ズーム機能と、撮像の一部を切り出して拡大するデジタルズーム機能とが知られているが、撮像の解像度を重視するのであれば、光学ズーム機能を選択することが好ましく、コストを重視するのであれば、デジタルズーム機能を選択することが好ましい。また、光学ズーム機能及びデジタルズーム機能を備え、可能な限り光学ズーム機能でズーム調整を行い、光学ズーム機能によるズーム調整範囲を越えたら、デジタルズーム機能でズーム調整を行うようにしてもよい。
【0011】
穀粒貯留高さセンサ12は、穀粒タンク4内に貯留(堆積)した穀粒の高さを検出する。本実施形態の穀粒貯留高さセンサ12は、例えば、穀粒タンク4の上部から底部に向けて検出波を出射し、その反射波に基づいて穀粒の貯留高さを検出するミリ波レーダ、赤外線センサ、超音波センサなどを用いて構成される。
そしてカメラ11、穀粒貯留高さ検知センサ12が、図3に示すように穀粒タンク4の上部に隣接する状態で設置されることで、該カメラ11および穀粒高さ検出手段12は、穀粒タンク4に貯留した穀粒の表層に対するカメラの撮影方向および穀粒高さ検出手段の検出方向が穀粒の貯留高さに拘わらず何れも鉛直下方向となるように構成されている。
【0012】
図4に示すように、操縦部7は、作業者が座る座席13と、座席13を囲むように配置される各種の操作具及び表示具を備える。操作具には、メイン電源スイッチ及びエンジン始動具を兼ねるキースイッチ14(図6参照)と、操向操作具及び刈取部昇降操作具を兼ねるマルチステアリングレバー15と、走行動力を無断階に変速操作する主変速レバー16と、主変速レバー16の変速レンジを段階的に切換える副変速レバー17と、が含まれる。また、表示具には、タッチパネル付きの液晶表示パネルからなるモニタ18が含まれる。
【0013】
モニタ18は、後述する映像コントローラ19(制御部の一例)及びモニタECU20(図6参照)により制御され、各種の情報を表示する。具体的には、図5の(a)及び(b)に示すように、モニタ18の左側に表示される4つの表示選択ボタン18a~18dのタッチ操作に応じて、設定画面、カメラ画面、シンプル画面及び通常画面のいずれかを表示する。設定画面は、各種の設定を確認又は変更するための画面であり、カメラ画面は、カメラ11の撮像を表示する画面であり、シンプル画面は、作業走行中に必要最低限の情報を表示する画面であり、通常画面は、シンプル画面よりも多くの情報を表示する画面である。
【0014】
図5の(a)及び(b)に示すように、カメラ画面には、モニタ18の左側に表示される4つの表示選択ボタン18a~18dの他、モニタ18の中央部に表示されるカメラ画像18eや、モニタ18の右側に表示される書換ボタン18f、遠ボタン18g(望遠側)、近ボタン18h(広角側)、モード切換えボタン18i及び満杯警報18jが含まれる。
【0015】
映像コントローラ19は、カメラ画像18eの表示モードとして、全体表示モードと所定表示モードを備える。図5の(a)に示すように、全体表示モードは、モニタ18に穀粒タンク4内の所定範囲が表示されるようにカメラ11のズーム調整機能(ズーム倍率)を制御する。具体的には、カメラ11のズーム調整機能を広角側に調整し、穀粒タンク4内の底部全体をモニタ18に表示させる。このような全体表示モードによれば、モニタ18の表示画像に基づいて穀粒タンク4内の穀粒の貯留状況を把握できる。
【0016】
図5の(b)に示すように、所定表示モードは、堆積した穀粒の表層のうち所定面積(所定幅)の撮像がモニタ18に継続的に表示されるように、穀粒貯留高さセンサ12の検出高さに基づいてカメラ11のズーム調整機能を制御する。言い換えると、穀粒タンク4内に堆積した穀粒の高さ変化に拘わらず、モニタ18に表示される穀粒の大きさが略一定になるようにカメラ11のズーム調整機能を制御する。
【0017】
例えば、図3に示すように、所定表示モードにおけるカメラ11の撮像対象範囲(撮像対象幅)をαとし、穀粒タンク4内の穀粒貯留高さをiとすると、穀粒貯留高さが初期値i0のときの撮像対象範囲α0と、穀粒貯留高さが第1中間値i1(i1>i0)のときの撮像対象範囲α1と、穀粒貯留高さが第2中間値i2(i2>i1)のときの撮像対象範囲α2とは略等しい。このような所定表示モードによれば、モニタ18の表示画像に基づいて穀粒の詳細な状態(例えば、穀粒の色、汚れ、病気、損傷、夾雑物の割合など)を高精度に把握できる。
【0018】
遠ボタン18g及び近ボタン18hは、各表示モードの表示画像を手動でズーム調整するための操作手段であり、遠ボタン18gをタッチ操作すると、表示画像が望遠側にズーム調整され、近ボタン18hをタッチ操作すると、表示画像が広角側にズーム調整される。例えば、所定表示モードにおいて、現在の表示画像では穀粒の状態を視認しにくい場合、遠ボタン18gをタッチ操作すると、表示画像が望遠側にズーム調整され、穀粒が拡大表示される。書換ボタン18fは、手動調整されたズーム倍率(撮影距離)を外部記憶装置21(図6参照)に記憶させるための操作具であり、次回の作業時に外部記憶装置21からズーム倍率を読み出すことで、好みのズーム倍率でカメラ画像を表示させることが可能になる。モード切換えボタン18iは、全体表示モードと所定表示モードを切換えるための操作手段であり、満杯警報18jは、穀粒タンク4内の穀粒貯留高さが所定高さ以上となった場合に警報表示を行うための警報手段である。
【0019】
つぎに、上記のような全体表示モード及び所定表示モードを実現する制御構成(ハードウェア)及び制御手順(ソフトウェア)について、図6及び図7を参照して説明する。なお、以下の説明において、iは現在の穀粒貯留高さ、Tは現在の撮影距離(ズーム倍率)、Hは穀粒タンク4内の全体高さ、lは撮影距離補正値とする。
【0020】
図6に示すように、映像コントローラ19は、前述した各種の入力機器及び出力機器に接続され、入力機器からの入力信号に応じて出力機器を制御する。図7に示す撮像切換え制御のフローチャートは、前述した全体表示モード及び所定表示モードを実現するために映像コントローラ19が実行する制御手順であり、映像コントローラ19は、まず、キースイッチ14のオン操作に伴う起動時に、モニタ18の表示モードとして全体表示モードを初期設定する(S1)。つぎに、映像コントローラ19は、穀粒貯留高さセンサ12の検出高さを入力し、現在の穀粒貯留高さiにセットする(S2)。
【0021】
続いて、映像コントローラ19は、各表示モードの切換えを判断する(S3、S4)。映像コントローラ19は、初期設定直後、及び所定表示モードから全体表示モードへの切換え操作時にステップS3をYESと判断し、全体表示モードから所定表示モードへの切換え操作時にステップS4をYESと判断する。そして、映像コントローラ19は、ステップS3をYESと判断すると、撮影距離Tに最広角側の値を設定して全体表示モードの表示を行う一方(S5)、ステップS4をYESと判断すると、撮影距離TにH-iを設定して所定表示モードの表示を行う(S6)。
【0022】
また、映像コントローラ19は、ステップS3、S4の判断結果がいずれもNOの場合、遠ボタン18g及び近ボタン18hによるマニュアルのズーム操作を判断する(S7)。映像コントローラ19は、この判断結果がNOの場合、現状の表示モードを維持するが(S8)、判断結果がYESの場合は、遠ボタン18g及び近ボタン18hのいずれが操作されたかを判断する(S9、S10)。そして、映像コントローラ19は、遠ボタン18gが操作されたと判断した場合、撮影距離TにH-i+lを設定して任意設定表示を行う一方(S11)、近ボタン18hが操作されたと判断した場合、撮影距離TにH-i-lを設定して任意設定表示を行う(S12)。
【0023】
映像コントローラ19は、上記の処理が終わったら、撮影距離Tに基づいてカメラ11のズーム調整を行うとともに(S13)、書換ボタン18fの操作を判断し(S14)、この判断結果がYESの場合は、外部記憶装置21に記憶されている撮影距離Tを今回手動調整された撮影距離Tに書き換える(S15)。そして、映像コントローラ19は、上記のステップS2~ステップS15を繰り返し実行する
【0024】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、穀粒を貯留する穀粒タンク4と、穀粒タンク4の上部に設置され、穀粒タンク4内に堆積した穀粒の表層を撮影するカメラ11と、カメラ11の撮像を表示するモニタ18と、を備えるコンバイン1であって、カメラ11が備えるズーム調整機能を制御する映像コントローラ19と、穀粒タンク4内に堆積した穀粒の高さを検出する穀粒貯留高さセンサ12と、を備え、映像コントローラ19は、堆積した穀粒の表層のうち所定面積の撮像がモニタ18に継続的に表示されるように、穀粒貯留高さセンサ12の検出高さに基づいてカメラ11のズーム調整機能を制御するので、穀粒の詳細な状態を把握できる。また、穀粒タンク4に大掛かりな検査装置を設置する必要がないので、部品点数の増加やコストアップも抑制できる。また、映像コントローラ19は、穀粒貯留高さセンサ12の検出高さに基づいてカメラ11のズーム調整機能を制御するので、カメラ11自体を昇降させない簡単な構成とできる。
【0025】
また、所定面積は、モニタ18に穀粒が所定の大きさで表示される面積なので、モニタ表示に基づいて穀粒の詳細な状態を高精度に把握できる。
【0026】
つぎに、本発明の他の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。ただし、前記実施形態と共通の構成については、前記実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する場合がある。
【0027】
図8に示すように、本発明の第2実施形態は、カメラ11Aを昇降させるカメラ昇降機構30(カメラ昇降手段の一例)を備える点と、映像コントローラ(図示せず)がカメラ昇降機構30を制御する点と、穀粒貯留高さセンサ12A(穀粒高さ検出手段の一例)が静電容量センサを用いて構成される点が前記実施形態と相違している。
【0028】
カメラ昇降機構30は、穀粒タンク4内に立設され、カメラ11Aを昇降可能に支持する昇降レール31と、ベルトやチェーンを介して連結されるカメラ11Aを昇降させる昇降モータ(図示せず)とを備える。なお、昇降レール31は、穀粒タンク3の内壁に上下方向に沿って配置してもよいし、穀粒タンク4内に立設したフレームに沿って配置してもよい。
【0029】
穀粒貯留高さセンサ12Aは、穀粒タンク3の内壁に上下方向に沿って配置される電極12aを有し、穀粒の貯留高さに応じて変化する電極12aの静電容量に基づいて穀粒の貯留高さを検出する。なお、第2実施形態の穀粒貯留高さセンサ12Aは、静電容量式に限定されず、前記実施形態のようにミリ波レーダ、赤外線センサ、超音波センサなどを用いてもよい。
【0030】
映像コントローラは、堆積した穀粒の表層のうち所定面積の撮像がモニタ18に継続的に表示されるように、穀粒貯留高さセンサ12Aの検出高さに基づいてカメラ昇降機構30を制御する。具体的には、堆積した穀粒の表層と一定の距離を保つようにカメラ11Aを昇降させる。このような本発明の第2実施形態によれば、前記実施形態と同様に、堆積した穀粒の表層のうち所定面積の撮像がモニタ18に継続的に表示されるので、穀粒の詳細な状態を把握できる。また、カメラ11Aとしては、ズーム調整機能を持たない安価なものを用いることができる。
【0031】
図9に示すように、本発明の第3実施形態は、上下方向に所定の間隔で並ぶ複数のカメラ11Bを備える点と、映像コントローラ(図示せず)が複数のカメラ11Bの撮像をモニタ18に切替表示させる点と、穀粒貯留高さセンサ12B(穀粒高さ検出手段の一例)が上下方向に所定の間隔で並ぶ複数の圧力センサ12bを用いて構成される点が前記実施形態と相違している。
【0032】
複数のカメラ11Bは、穀粒タンク3の内壁に上下方向に並べて配置してもよいし、穀粒タンク4内に立設したフレームに上下方向に並べて配置してもよい。
【0033】
穀粒貯留高さセンサ12Bが備える複数の圧力センサ12bは、カメラ11Bと同様に、穀粒タンク3の内壁に上下方向に並べて配置してもよいし、穀粒タンク4内に立設したフレームに上下方向に並べて配置してもよい。また、圧力センサ12b同士の間隔は、カメラ11B同士の間隔と一致することが望ましい。
なお、第3実施形態の穀粒貯留高さセンサ12Bは、圧力センサ方式に限定されず、前記実施形態のようにミリ波レーダ、赤外線センサ、超音波センサ、静電容量センサなどを用いてもよい。
【0034】
映像コントローラは、堆積した穀粒の表層のうち所定面積の撮像がモニタ18に継続的に表示されるように、穀粒貯留高さセンサ12Bの検出高さに基づいて複数のカメラ11Bの撮像をモニタ18に切替表示させる。例えば、下側から順番に、1番目の圧力センサ12aが穀粒を検出していない状態では、1番目のカメラ11Bの撮像をモニタ18に表示し、1番目の圧力センサ12aが穀粒を検出したら、2番目のカメラ11Bの撮像をモニタ18に表示し、2番目の圧力センサ12aが穀粒を検出したら、3番目のカメラ11Bの撮像をモニタ18に表示し、といった切換えパターンでモニタ18に表示するカメラ画像を切換える。このような本発明の第3実施形態によれば、前記実施形態と同様に、堆積した穀粒の表層のうち所定面積の撮像がモニタ18に継続的に表示されるので、穀粒の詳細な状態を把握できる。また、カメラ11Bとしては、ズーム調整機能を持たない安価なものを用いることができる。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 コンバイン
3 穀粒タンク
11,11A,11B カメラ
12,12A,12B 穀粒貯留高さセンサ
18 モニタ
19 映像コントローラ
30 カメラ昇降機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9