IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナブテスコ株式会社の特許一覧

特許7261689圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ
<>
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図1
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図2
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図3
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図4
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図5
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図6
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図7
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図8
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図9
  • 特許-圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/00 20060101AFI20230413BHJP
   G01L 23/24 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
G01L19/00 101
G01L23/24
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019145607
(22)【出願日】2019-08-07
(65)【公開番号】P2021025944
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】川谷 聖
(72)【発明者】
【氏名】久保山 豊
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 貴章
(72)【発明者】
【氏名】赤瀬 広至
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-512519(JP,A)
【文献】実開昭47-031773(JP,U)
【文献】特開2016-033334(JP,A)
【文献】特開2018-185202(JP,A)
【文献】特開2008-128753(JP,A)
【文献】特開2009-097926(JP,A)
【文献】特表2002-542864(JP,A)
【文献】実開昭62-163741(JP,U)
【文献】特開2005-207946(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0122580(US,A1)
【文献】米国特許第6539786(US,B1)
【文献】欧州特許出願公開第1189050(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32,27/00-27/02,
G01F 1/34-1/50,
G01D 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力センサを固定し当該圧力センサの検出部を露出させるための開口を有する取付け部と、
気体の流路を形成し前記圧力センサが取り付けられたとき前記流路の延びる方向から見て前記検出部の側面側の方が正面側より露出が多くなるような輪郭を有する流路壁を備えたハウジングと
を備える圧力センサ取付け用アダプタ。
【請求項2】
前記流路の延びる方向と直交する断面の形状は湾曲形状を有し、前記開口は前記流路壁の膨らんだ側の面に形成される請求項1に記載の圧力センサ取付け用アダプタ。
【請求項3】
前記流路の延びる方向と直交する断面の形状はV字形状を有し、前記開口は前記流路壁の山側の頂点に形成される請求項1に記載の圧力センサ取付け用アダプタ。
【請求項4】
前記流路の延びる方向と直交する断面の形状は角ばったU字形状を有し、前記開口の幅は膨らんだ側の内壁の幅より広い請求項1に記載の圧力センサ取付け用アダプタ。
【請求項5】
前記取付け部は、前記圧力センサの挿入深さを予め定められた深さ以上とならないように規制する規制部を備える請求項1から4のいずれかに記載の圧力センサ取付け用アダプタ。
【請求項6】
前記開口は円形である請求項1から5のいずれかに記載の圧力センサ取付け用アダプタ。
【請求項7】
検出部を備えた圧力センサと、
前記圧力センサを固定し当該圧力センサの検出部を露出させるための開口を有する取付け部と、気体の流路を形成し前記圧力センサが取り付けられたとき前記流路の延びる方向から見て前記検出部の側面側の方が正面側より露出が多くなるような輪郭を有する流路壁を備えたハウジングとを有する圧力センサ取付け用アダプタと
を備えるセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサ取付け用アダプタおよびセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、舶用エンジンでは燃料噴射制御の電子化が進展している。電子化されたエンジンでは、筒内の圧力(以下、「筒内圧」と呼ぶ)をセンサで検知することにより、燃料噴射の気筒間ばらつきを補正することが行われている。さらに今後は、検知した筒内圧のフィードバックによるエンジン制御の最適化や、筒内圧検知によるエンジン状態の検知なども進むことが予想される。こうした背景から、筒内圧を精度よく検知することはますます重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2008/071022号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の筒内圧を検知する圧力センサは、先端に圧力を検出する検出部が設けられている。圧力センサは、圧力センサ取付けアダプタ(以下、「アダプタ」と略称する)を介してエンジンに取付けられる。アダプタの内部には、エンジンの筒内から延びた気体の流路が設けられている。圧力センサがアダプタに取付けられると、検出部はこの流路に露出する。流路内の圧力と筒内圧とは等しいため、圧力センサによって流路内の圧力を検知することにより筒内圧の値を得ることができる。
【0005】
圧力センサの流路に露出した部分は、エンジンから排出される気体にさらされる。このためこの部分には、ススや潤滑油残留物などのデポジットが堆積する。圧力センサの検出部へのデポジットの堆積は、検知精度を低下させる原因となる。
【0006】
流路に堆積したデポジットを除去するために、アダプタは、エンジンと反対側の端部にインジケーターコックを備える。エンジンが動作中にこのインジケーターコックを開くと、エンジンから排出された気体は高速で流路を通過してインジケーターコックから排出される。この高速の気体の流れにより、流路に堆積したデポジットは除去される。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、デポジットの堆積を抑制するために、圧力センサのガス流路への接続開口部と流路の壁面とを同一平面内でなめらかに接続させている。しかしながらこの技術では、一旦堆積したデポジットを効率的に剥離することはできない。
【0008】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧力センサの先端に堆積したデポジットを効率的に剥離することのできる圧力センサ取付け用アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の用アダプタは、圧力センサを固定し当該圧力センサの検出部を露出させるための開口を有する取付け部と、気体の流路を形成し圧力センサが取り付けられたとき流路の延びる方向から見て検出部の側面側の方が正面側より露出が多くなるような輪郭を有する流路壁を備えたハウジングとを備える。
【0010】
本発明の別の態様は、センサである。このセンサは、検出部を備えた圧力センサと、圧力センサを固定し当該圧力センサの検出部を露出させるための開口を有する取付け部と、気体の流路を形成し圧力センサが取り付けられたとき流路の延びる方向から見て検出部の側面側の方が正面側より露出が多くなるような輪郭を有する流路壁を備えたハウジングとを有する圧力センサ取付け用アダプタとを備える。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、圧力センサの先端に堆積したデポジットを効率的に剥離することのできる圧力センサ取付け用アダプタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタを示す斜視図である。
図2図1の圧力センサ取付け用アダプタの断面図である。
図3図2の一部を拡大した図である。
図4図1の圧力センサ取付け用アダプタの断面図である。
図5】比較例に係る圧力センサ取付け用アダプタを示す断面図である。
図6図5の一部を拡大した図である。
図7図5の圧力センサ取付け用アダプタの別の方向から見た断面図である。
図8】第2実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタを示す断面図である。
図9】第3実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタを示す断面図である。
図10】変形例に係る圧力センサ取付け用アダプタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を好適な実施の形態を基に図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタ1を示す斜視図である。
【0016】
図1では、先端に検出部16が設けられた圧力センサ15が、圧力センサ取付け用アダプタ1に取付けられている。また圧力センサ取付け用アダプタ1の下方にはエンジン(図示せず)が位置し、上方にはインジケーターコック(図示せず)が位置する。気体が通過する流路12は、エンジンの筒内からインジケーターコックまで矢印Xの方向に延びている。
【0017】
圧力センサ取付け用アダプタ1は、圧力センサ15を固定し、圧力センサ15の検出部16を露出させるための開口13を有する取付け部10と、ハウジング11とを備える。 ハウジング11は、 気体の流路12を形成し圧力センサ15が取り付けられたとき流路12の延びる方向から見て検出部16の側面側の方が正面側より露出が多くなるような輪郭を有する流路壁14を備える。
【0018】
圧力センサ15は、図の左方から取付け部10に挿入され、矢印Yの方向に押し込まれることによって取付けられる。圧力センサ15が取付けられると、圧力センサ15の検出部16は流路12に露出する。
【0019】
ハウジング11内の流路壁14には、圧力センサ15の検出部16を流路12に露出するための開口13が形成される。前述のように圧力センサ15が取付け部10に取付けられると、検出部16はこの開口13から流路12に露出する。
【0020】
図2は、図1の圧力センサ取付け用アダプタ1を下から見たときのA-A’線断面図である。流路12は、X方向、すなわち紙面を手前から奥に覗き込む方向に延びる。
【0021】
図2に示されるように、流路壁14の流路12の延びる方向と直交する断面の形状は、湾曲形状を有する。開口13は、流路壁14の膨らんだ側の面20、すなわち流路壁14の凸面側に形成される。
【0022】
図3は、図2の領域30を拡大した図である。
【0023】
図3に示されるように、圧力センサ15の検出部16は、流路壁14に設けられた開口13から流路12に露出する。流路壁14は、流路12の延びる方向と直交する断面の形状が湾曲形状を有し、かつ開口13が流路壁14の膨らんだ側の面20に形成されている。このため、検出部16は側面側31の方が正面側32より多く流路12に露出する。換言すれば流路壁14の形状は、流路12の延びる方向から見て検出部16の側面側の方が正面側より流路12への露出が多くなるように構成されている。
【0024】
図4は、図1の圧力センサ取付け用アダプタ1を右から見たときのB-B’線断面図である。流路12は、X方向、すなわち紙面の下から上に向かう方向に延びる。
【0025】
前述のように流路12は、図4において圧力センサ取付け用アダプタ1の下方に位置するエンジン(図示せず)から延びている。従ってエンジンの筒内から排出される気体は、流路12内を下から上に向かって流れる。従ってこの気体に起因するデポジット17は検出部16の上流側、すなわち図4で検出部16の下側に堆積する。
【0026】
前述のように、流路12の延びる方向(X方向)から見たとき、検出部16は側面側31の方が正面側32より多く流路12に露出する。このためデポジット17は、検出部16の正面側32より側面側31の方により厚く堆積する。
【0027】
前述のように流路12は、図4において圧力センサ取付け用アダプタ1の上方に位置するインジケーターコック(図示せず)まで延びている。エンジンが動作中にこのインジケーターコックを開くと、エンジンから排出された気体は高速で流路12を通過してインジケーターコックから排出される。
【0028】
このとき流路12内の気体の流速は、検出部16の正面側32より側面側31の方が速い。従って側面側31に堆積したデポジット17が気体から受ける力F1は、正面側32に堆積したデポジット17が受ける力F2より強い。力F1は、より厚く堆積した側面側31のデポジット17を剥離するように作用する。
【0029】
前述のようにデポジット17は、正面側32より側面側31の方により厚く堆積する。従ってデポジット17の多くは、側面側31で、高速に流れる気体から剥離する作用を受ける。一方、正面側32では、デポジット17は薄く堆積する。このため、側面側31に堆積したデポジット17が気体から剥離する作用を受けると、正面側32に堆積したデポジット17は容易に分離する。こうして検出部16に堆積したデポジット17は、効率的に剥離されてインジケーターコックから除去される。
【0030】
図5は、比較例に係る圧力センサ取付け用アダプタ2を示す断面図である。図5は、第1実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタ1の断面図(図2)に対応する。圧力センサ取付け用アダプタ2は、流路壁14の形状が圧力センサ取付け用アダプタ1と異なる。圧力センサ取付け用アダプタ2のその他の構成は、圧力センサ取付け用アダプタ1と共通である。
【0031】
図5に示されるように流路壁14は、流路12の延びる方向と直交する断面の形状が長方形状を有する。従って流路壁14に形成される開口13の開口面は、検出部16の検出面と平行である。
【0032】
図6は、図5の領域30を拡大した図である。
【0033】
図6に示されるように、圧力センサ15の検出部16は、流路壁14に設けられた開口13から流路12に露出する。このとき流路壁14は、流路12の延びる方向と直交する断面の形状が長方形状を有し、かつ開口13の開口面と検出部16の検出面が平行である。このため、検出部16は領域33全体で流路12に均一に露出する。
【0034】
図7は、圧力センサ取付け用アダプタ2を図5と直行する方向から見た断面図であり、図4に対応する。
【0035】
図4と同様にデポジット17は検出部16の上流側、すなわち図7で検出部16の下側に堆積する。
【0036】
しかしながら図4とは異なり、流路12の延びる方向(X方向)から見たとき、検出部16は流路12に均一に露出する。このためデポジット17は、側面側31、正面側32を問わず均一の厚さで堆積する。従ってこの圧力センサ取付け用アダプタ2では、エンジンが作動中にインジケーターコックを開いても、圧力センサ取付け用アダプタ1のように効率的にデポジット17を剥離することができない。
【0037】
以上説明したように第1実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタ1によれば、流路壁14が、流路12の延びる方向から見て検出部16の側面側の方が正面側より露出が多くなるような輪郭を有するため、検出部16に堆積したデポジットを効率的に剥離することができる。
【0038】
特に流路壁14は、流路12の延びる方向と直交する断面の形状が湾曲形状を有してよい。そして開口13は、流路壁14の膨らんだ側の面、すなわち凸面側に形成されてよい。この構成によれば、流路12に露出する検出部16の側面側の表面積を大きくすることができるため、より効率的にデポジットを剥離することができる。
【0039】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタ3を示す断面図である。図8は、第1実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタ1の断面図(図2)に対応する。圧力センサ取付け用アダプタ3は、流路壁14の形状が圧力センサ取付け用アダプタ1と異なる。圧力センサ取付け用アダプタ3のその他の構成は、圧力センサ取付け用アダプタ1と共通である。
【0040】
図8に示されるように流路壁14は、流路12の延びる方向と直交する断面の形状がV字形状を有する。開口13は、流路壁14の山側の頂点22に形成される。なおここでいうV字形状は、略V字状の形状も含むものとする。
【0041】
図8に示されるように、圧力センサ15の検出部16は、流路壁14に設けられた開口13から流路12に露出する。このとき、流路壁14が流路12の延びる方向から見たとき略V字形状を有し、かつ開口13が流路壁14の山側の頂点22に形成されているため、検出部16は側面側の方が正面側より多く流路12に露出する。
【0042】
本実施形態によれば、流路12に露出する検出部16の側面側の表面積をさらに大きくすることができるため、より効率的にデポジットを剥離することができる。
【0043】
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタ4を示す断面図である。図9は、第1実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタ1の断面図(図2)に対応する。圧力センサ取付け用アダプタ4は、流路壁14の形状が圧力センサ取付け用アダプタ1と異なる。圧力センサ取付け用アダプタ4のその他の構成は、圧力センサ取付け用アダプタ1と共通である。
【0044】
図9に示されるように流路壁14は、流路12の延びる方向と直交する断面の形状が、角ばったU字形状を有する。開口13は膨らんだ側の内壁23の底に形成される。開口13の幅W1は膨らんだ側の内壁23の幅W2より広い。
【0045】
図9に示されるように、圧力センサ15の検出部16は、流路壁14に設けられた開口13から流路12に露出する。このとき、流路壁14が流路12の延びる方向から見たとき角ばったU字形状を有し、かつ開口13の幅W1が膨らんだ側の内壁23の幅W2より広い。このため検出部16は、側面側の方が正面側より多く流路12に露出する。
【0046】
本実施形態によれば、検出部16の正面部分の流路12への露出をより抑制することができるため、検出部16の正面部分へのデポジットの堆積を防ぐことができる。
【0047】
ある実施形態では、取付け部10は、圧力センサ15の挿入深さを予め定められた深さ以上とならないように規制する規制部(図示せず)を備える。規制部は例えばストッパーを用いて構成されてよい。
【0048】
本構成によれば、圧力センサ15が流路12内に過度に露出することを防ぐことができる。
【0049】
ある実施形態では、開口は円形である。円形ゆえ、検出部16が円筒形の圧力センサ15を流路12内に挿入することができる。開口は円形以外の曲線を主体とする形、例えば楕円でもよい。
【0050】
本構成によれば、検出部16が円筒形の圧力センサ15を用いることができるため、検出部16の正面部分の流路12への露出をより抑制することができる。
【0051】
[第4実施形態]
図1は、本発明の第4実施形態に係るセンサを示す斜視図である。このセンサは、検出部16を備えた圧力センサ15と、圧力センサ取付け用アダプタ1とを備える。圧力センサ取付け用アダプタ1は第1実施形態で説明したものと同じであるため、重複する説明を省略する。すなわち本実施形態のセンサは、第1実施形態の圧力センサ取付け用アダプタに、圧力センサが取り付けられることによって構成される。本実施形態によれば、検出部16に堆積したデポジットを効率的に剥離することができるセンサを実現することができる。
【0052】
以上、本発明をいくつかの実施形態を基に説明した。これらの実施形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【0053】
以下、変形例について説明する。変形例の説明では、実施の形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施の形態と重複する説明を適宜省略し、実施の形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0054】
[変形例1]
図10は、変形例に係る圧力センサ取付け用アダプタ5を示す断面図である。図10は、第1実施形態に係る圧力センサ取付け用アダプタ1の断面図(図2)に対応する。圧力センサ取付け用アダプタ5は、流路壁14の形状が圧力センサ取付け用アダプタ1と異なる。圧力センサ取付け用アダプタ5のその他の構成は、圧力センサ取付け用アダプタ1と共通である。
【0055】
図10に示されるように流路壁14は、流路12の延びる方向から見たときV字形状の凸部24を有する。開口13は、流路壁14の凸部24の頂点25に形成される。
【0056】
図10に示されるように、圧力センサ15の検出部16は、流路壁14に設けられた開口13から流路12に露出する。流路壁14は流路12の延びる方向から見たときV字形状の凸部24を有し、かつ開口13が流路壁14の凸部24の頂点25に形成されている。このため、検出部16は側面側の方が正面側より流路12に多く露出する。
【0057】
本変形例によれば、流路12に露出する検出部16の側面側の表面積を大きくすることができるため、より効率的にデポジットを剥離することができる。
[変形例2]
【0058】
開口はさらにほかの形、例えば長方形でもよい。本変形例によれば、加工が簡単となる。その他正方形その他直線を主体とする場合も、この利点がある。
【0059】
上述した各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる各実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0060】
1・・圧力センサ取付け用アダプタ、 2・・圧力センサ取付け用アダプタ、 3・・圧力センサ取付け用アダプタ、 4・・圧力センサ取付け用アダプタ、 5・・圧力センサ取付け用アダプタ、 10・・取付け部、 11・・ハウジング、 12・・流路、 13・・開口、 14・・流路壁、 15・・圧力センサ、 16・・検出部、 22・・頂点。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10