(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】光射出装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230413BHJP
F21V 7/30 20180101ALI20230413BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20230413BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20230413BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20230413BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20230413BHJP
F21V 29/67 20150101ALI20230413BHJP
F21V 29/71 20150101ALI20230413BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20230413BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230413BHJP
【FI】
F21S2/00 100
F21V7/30
F21V7/28 240
F21V5/04 200
F21V15/01 310
F21V29/503
F21V29/67 200
F21V29/71
F21V29/76
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019226598
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】戸川 拓三
(72)【発明者】
【氏名】岡島 亜希子
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/098125(WO,A1)
【文献】特開2012-013897(JP,A)
【文献】特開2012-181431(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154048(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 7/30
F21V 7/28
F21V 5/04
F21V 15/01
F21V 29/503
F21V 29/67
F21V 29/71
F21V 29/76
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光が照射されて発光する蛍光体と、
前記蛍光体が設けられた基板と、
前記蛍光体が発した光を光射出口に導く光学系と、
前記光源、前記蛍光体、及び前記光学系を収容する筐体と、
前記筐体の外部に連通するとともに、前記光学系を避けて前記蛍光体を通る排気流路とを具備する、光射出装置
であって、
前記基板の前記蛍光体が設けられている表側から、前記基板の裏側に空気が流れることを特徴とする、光射出装置。
【請求項2】
前記排気流路に配置された排気手段をさらに具備し、
前記筐体内の気体が、前記排気手段を介して前記筐体の外部に排気される、請求項1記載の光射出装置。
【請求項3】
前記筐体内において、前記光学系が光学系用ケーシングに収容されるとともに、前記蛍光体が前記光学系用ケーシングとは別の蛍光体用ケーシングに収容されており、
前記蛍光体用ケーシングの内部空間が、前記排気流路の少なくとも一部として形成されている、請求項1又は2記載の光射出装置。
【請求項4】
前記光源を冷却するための放熱フィンをさらに備えており、
前記放熱フィンが、前記排気流路に配置されている、請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の光射出装置。
【請求項5】
前記蛍光体が、回転する基板上に設けられて、当該基板とともに蛍光体ホイールを構成するものであり、
前記蛍光体ホイールと一体的に設けられて前記排気流路に配置されたブロワをさらに具備する、請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の光射出装置。
【請求項6】
前記ブロワが、軸方向から吸引した気体を径方向外側に排気するものであり、
前記排気手段が、前記ブロワの径方向外側に配置されている、請求項2を引用する請求項5記載の光射出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光射出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光射出装置としては、特許文献1に示すように、回転する基板上に蛍光体を設けてなる蛍光体ホイールにレーザ光を照射して、これにより蛍光体ホイールが発する光を外部に射出するように構成されたものがある。
【0003】
この光射出装置は、レーザ光を蛍光体ホイールに導くための光学系や、蛍光体ホイールが発した蛍光を外部に導くための光学系を備えており、これらの光学系が筐体内に収容されている。
【0004】
ところが、かかる光射出装置は、レーザ光の出力が非常に強いため、レーザ光が蛍光体ホイールに照射されると、例えば蛍光体と基板との間に介在する接着剤等の有機物質が分解したり蒸発したりして、それらが光学系を構成する種々の光学部材(例えばレンズ等)に付着してしまう。そうすると、レンズ等の光学部材の表面が白濁するなどの現象が起こり、射出光の照度の低下を招来する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、有機物質が光学部材に付着することを抑制することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本願発明にかかる光射出装置は、光源と、前記光源からの光が照射されて発光する蛍光体と、前記蛍光体が発した光を光射出口に導く光学系と、前記光源、前記蛍光体、及び前記光学系を収容する筐体と、前記筐体の外部に連通するとともに、前記光学系を避けて前記蛍光体を通る排気流路とを具備することを特徴とするものである。
【0008】
このように構成された光射出装置であれば、蛍光体を通る排気流路を備えているので、蛍光体の温度上昇を抑えることができ、有機物質の分解や蒸発を抑制することができる。
しかも、その排気流路が光学系を避けて設けられているので、仮に有機物質が分解したり蒸発したとしても、それらを光学系に付着させることなく外部に排出することができ、有機物質が光学系を構成する種々の光学部材に付着することをより確実に抑制することができる。
【0009】
前記排気流路に配置された排気手段をさらに具備し、前記筐体内の気体が、前記排気手段を介して前記筐体の外部に排気されることが好ましい。
このような構成であれば、例えば光源などから生じる熱を筐体の外部に排熱するための排気手段を利用して排気流路を形成することができ、排気流路を形成するための専用のファン等を不要にすることができる。
【0010】
前記筐体内において、前記光学系が光学系用ケーシングに収容されるとともに、前記蛍光体が前記光学系用ケーシングとは別の蛍光体用ケーシングに収容されており、前記蛍光体用ケーシングの内部空間が、前記排気流路の少なくとも一部として形成されていることが好ましい。
このような構成であれば、接着剤等に由来する有機物質を光学系用ケーシングに通すことなく排出することで、光学部材に有機物質が付着してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0011】
前記光源を冷却するための放熱フィンをさらに備えており、前記放熱フィンが、前記排気流路に配置されていることが好ましい。
このような構成であれば、排気流路を流れる気流により放熱フィンを冷却することができ、光源を効率良く冷却することができる。
【0012】
前記蛍光体が、回転する基板上に設けられて、当該基板とともに蛍光体ホイールを構成するものであり、前記蛍光体ホイールと一体的に設けられて前記排気流路に配置されたブロワをさらに具備することが好ましい。
このような構成であれば、ブロワを蛍光体ホイールに一体的に設けてあるので、ブロワによる排気流が蛍光体ホイールに流れ込み、接着剤等に由来する有機物質をより確実に排出することができる。
【0013】
前記ブロワが、軸方向から吸引した気体を径方向外側に排気するものであり、前記排気手段が、前記ブロワの径方向外側に配置されていることが好ましい。
このような配置であれば、有機物質をより確実に筐体の外部に排出することができる。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本願発明によれば、接着剤等に由来する有機物質が光学系を構成する種々の光学部材に付着することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態の光射出装置の全体構成を示す模式図。
【
図2】本実施形態の蛍光体ホイールの構成を示す模式図。
【
図3】本実施形態の蛍光体用ケーシング内の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本願発明に係る光射出装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
<装置構成>
本実施形態に係る光射出装置100は、例えばLD光源モジュールとして用いられるものであり、
図1に示すように、光源L、蛍光体11、光学系20、及びこれらを収容する筐体30を具備し、光源Lから射出された光を光学系20を介して蛍光体11に照射し、これにより蛍光体11が発する光を光学系20を介して筐体30に形成された光射出口30aから射出するものである。
以下、各構成要素について詳述する。
【0018】
光源Lは、高出力な光を射出するものであり、ここでは青色のレーザ光を射出するレーザダイオード(LD)である。ここでは、
図1に示すように、ヒートシンクH1を介して複数の光源Lを筐体30の例えば底面に設けてある。ただし、光源Lの数は図示したものに限られず、例えば1つでも良いし、図示した数よりも多くても少なくても良いし、配置も例えば筐体30の内側面に設けるなど適宜変更して構わない。
【0019】
蛍光体11は、例えば無機物質からなる蛍光物質であり、具体的には
図2に示すように、モータ13(
図1参照)により回転する基板12上に設けられて、当該基板12とともに蛍光体ホイール10を構成するものである。なお、ここでの蛍光体ホイール10は、
図1に示すように、光源Lに対向させて配置しているが、蛍光体ホイール10の配置は適宜変更して構わない。また、本実施形態の蛍光体12は、光源Lからの青色レーザ光を白色の光に変換する。
【0020】
基板12は、例えば有機物質を含む接着剤(不図示)によって蛍光体11が接着されるものであり、ここでは円板状をなし、その外縁部の全周に蛍光体11が設けられている。この基板12において、少なくとも蛍光体11が接着される面は鏡面に形成されている。ここでは基板12の全面が鏡面に形成されており、光源Lから射出された光の一部又は全部をこの鏡面によって反射する。
【0021】
光学系20は、
図1に示すように、光源Lと蛍光体11との間に介在してレーザ光を蛍光体11に導く第1光学部材21と、蛍光体11と筐体30の光射出口30aとの間に介在して蛍光を光射出口30aに導く第2光学部材22とを備えている。
【0022】
第1光学部材21は、複数の光源Lから射出されたレーザ光を蛍光体11に集光させるものであり、レーザ光の光路上に設けられた例えば集光レンズや平行化レンズなどを挙げることができ、この実施形態ではレーザ光を透過させつつ蛍光を反射させるダイクロイックミラーも第1光学部材21として用いている。なお、光源Lから射出されたレーザ光の一部は、ダイクロイックミラーを透過せずに反射するが、その反射したレーザ光は、ダイクロイックミラーに対面して設けられた反射部材23で反射し、ダイクロイックミラーを透過して光射出口30aに導かれる。
【0023】
第2光学部材22は、蛍光体11が発した蛍光を光射出口30aに集光させるものであり、蛍光の光路上に設けられた例えば集光レンズや平行化レンズなどを挙げることができ、この実施形態では上述したダイクロイックミラーも第2光学部材22として用いている。
【0024】
筐体30は、
図1に示すように、一側面に光射出口30aが形成された例えば概略直方体形状のものであり、この筐体30には、上述した光源Lの熱を外部に放出するための排気手段たる冷却ファンFが設けられている。
【0025】
この冷却ファンFには、ヒートシンクH2が設けられている。このヒートシンクH2は、光源Lを冷却するための放熱フィンを複数並び設けてなるものであり、これらの放熱フィンの間を筐体内の気体が通過して冷却ファンFを介して外部に排出される。このヒートシンクH2と上述した光源Lに設けられたヒートシンクH1との間にヒートパイプHPが介在している。これにより、光源Lの熱が、ヒートパイプHPを介して冷却ファンF側に伝達されて、冷却ファンFにより外部に放出される。なお、本実施形態の冷却ファンFは、光射出口30aが形成された側面と対向する側面に設けられているが、配置はこれに限らず、例えば光射出口30aが形成された側面と直交する側面や上面に設けるなど適宜変更して構わない。また、この実施形態では2つの冷却ファンFを設けてあるが、その数はこれに限らず、例えば1つ又は3つ以上など適宜変更して構わない。
【0026】
然して、本実施形態の光射出装置100は、
図1に示すように、レーザ光が蛍光体ホイール10に照射されることにより生じる有機物質、具体的には例えば蛍光体11を基板12に接着させるための接着剤が分解されて生じる有機物質を筐体30の外部に排出する排気流路ELをさらに備えている。
【0027】
この排気流路ELは、筐体30に形成された1又は複数の吸入口30bと1又は複数の排気口30cとの間に設けられ、筐体30の外部に連通するとともに、光学系20を避けて蛍光体11を通るように設けられたものであり、筐体30内の空気とともに上述した有機物質(例えば気体)を外部に排出するものである。
【0028】
より詳細に説明すると、本実施形態では、
図1に示すように、筐体30内において光学系20と蛍光体11とを互いに別々のケーシング50、60に収容しており、排気流路ELが、光学系20を収容する光学系用ケーシング50の内部を通過することなく、蛍光体11を収容する蛍光体用ケーシング60の内部を通過するようにしてある。これにより、排気流路ELにより生じる気流は、光学系20を構成する種々の光学部材21、22に導かれることなく、蛍光体11に導かれる。
【0029】
より具体的に説明すると、光学系用ケーシング50は、
図1に示すように、上述した第1光学部材21及び第2光学部材22たるレンズやダイクロイックミラーなどの種々の光学部材を収容するものであり、光源Lからの光と蛍光体11からの蛍光が行き来する光通過孔50aが形成されている。すなわち、光源Lから射出されたレーザ光は、第1光学部材21を介して光通過孔50aを通過し、蛍光体11に照射される。一方、発光体が発した蛍光は、光通過孔50aを通過し、第2光学部材22を介して光射出口30aに導かれる。なお、ここでの光通過孔50aは、光源Lと対向する位置に設けられているが、その配置は適宜変更して構わない。
【0030】
蛍光体用ケーシング60は、
図1に示すように、光源Lからの光が照射される位置、すなわち上述した光通過孔50aに臨む位置で蛍光体11を収容するものであり、本実施形態では、蛍光体ホイール10及び蛍光体ホイール10を回転駆動させるモータ13を収容するとともに、上述した光通過孔50aを塞ぐカバーケースである。
【0031】
そして、この蛍光体用ケーシング60には、
図1及び
図3に示すように、ブロワBが収容されるとともに、周囲の空気を吸入する吸気口60aと、吸入した空気を排出する排気口60bとが形成されている。これにより、蛍光体用ケーシング60の内部空間Xが、上述した排気流路ELの少なくとも一部として形成されている。
【0032】
より具体的に説明すると、ブロワBは、排気流路ELに設けられて例えば軸方向から吸引した気体を径方向外側に排気する送風ファンである。具体的にこのものは、蛍光体ホイール10と一体的に設けられて、蛍光体ホイール10とともに回転する複数の羽根B1と、これらの羽根B1を回転させるモータ13とを備えている。より詳細には、複数の羽根B1は、蛍光体ホイール10を構成する基板12の蛍光体11とは反対側に取り付けられており、モータ13は、上述した蛍光体ホイール10を回転駆動させるモータ13と兼用されている。この構成において、基板12には、ブロワBにより吸い込まれる空気を通過させるための貫通孔12hが形成されている(
図2参照)。これにより、蛍光体11を通った空気が基板12の貫通孔12hを通過して、ブロワBに軸方向から吸い込まれて径方向外側へ排出される。
【0033】
かかる構成おいて、蛍光体用ケーシング60の内部空間Xは、
図3に示すように、ブロワBを収容する上段スペースX1と、上段スペースX1に連通するとともに蛍光体11や基板12を収容する下段スペースX2とを備えている。そして、上述した吸気口60aが下段スペースX2に連通するように形成されており、上述した排気口60bが上段スペースX1に連通するように形成されている。ここでは、排気口60bが、上述した冷却ファンFを向くようにブロワBの径方向外側に形成されており、吸気口60aは、排気口60bとは反対側を向くように形成されている。これにより、冷却ファンFがブロワBの径方向外側に配置されることになり、ブロワBから排出された空気は冷却ファンFを通って筐体30の外部に排気される。
【0034】
このように、本実施形態の排気流路ELは、筐体30内の空気を吸気口60aから吸気して、その空気を蛍光体11に流すことで、その空気とともに接着剤等起因の有機物質を取り込み、それらを排気口60bから排出して、上述した冷却ファンFに導くように構成されている。
【0035】
<作用効果>
上述したように構成された光射出装置100によれば、蛍光体11を通る排気流路ELを備えているので、蛍光体11の温度上昇を抑えることができ、接着剤等に含まれる有機物質の分解や蒸発を抑制することができる。
しかも、その排気流路ELが光学系20を避けて設けられているので、仮に有機物質が分解したり蒸発したとしても、それらを光学系20に付着させることなく外部に排出することができ、有機物質が光学系20を構成する種々の光学部材に付着することを抑制することができる。
これにより、射出する蛍光の光量が、有機物質が光学系20に付着することによって低下してしまうことを抑制することができる。
【0036】
また、ブロワBを蛍光体ホイール10に一体的に設けてあるので、ブロワBにより生じる気流が蛍光体ホイール10に流れ込み、有機物質をより確実に排出することができる。
【0037】
さらに、ブロワBの径方向外側に冷却ファンFが設けられており、ブロワBから排気された気体が冷却ファンFを通って筐体30の外部に排気されるので、有機物質をより確実に筐体30の外部に排出することができる。
【0038】
<その他の実施形態>
なお、本願発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0039】
例えば、前記実施形態では、排気流路ELに設けられたブロワBを、軸方向から吸引した気体を径方向外側に排出するものとして説明したが、ブロワBの具体的な態様はこれに限らず、例えば軸方向一方側から吸引して軸方向他方側に排出するものなどであっても良い。
【0040】
また、前記実施形態では、蛍光体11が蛍光体ホイール10を構成するものとして説明したが、蛍光体11は必ずしも回転されている必要はなく、静止状態で筐体30内に配置されたものであっても良いし、筐体30内で水平方向や鉛直方向に沿って並進移動するものであっても良い。なお、この場合の排気流路ELは、排気手段たる冷却ファンFにより形成されることになる。
【0041】
光源Lとしては、前記実施形態ではレーザ光源であったが、高出力な光を射出するものであれば例えばLEDなどであっても良い。
【0042】
また、前記実施形態では光源Lと蛍光体11とが対向配置されていたが、第1光学部材21や第2光学部材22の配置によっては、光源Lと蛍光体11とを対向させる必要はない。
【0043】
前記実施形態の蛍光体11は、無機物質からなる蛍光物質であったが、シリコーンなどの有機物質や溶媒成分などからなる蛍光物質であっても良い。
この場合、光源Lからの光が蛍光体ホイール10に照射されることにより、蛍光体11を構成する有機物質が分解したり溶媒成分が蒸発したりして有機物質が生じ、その有機物質がレンズ等の光学部材の汚染源となり得るが、本発明に係る光射出装置であれば、このような有機物質をも排気流路ELにより排出することができるので、上述した有機物質が光学部材に付着することを防ぐことができる。
【0044】
また、前記実施形態では、光射出装置100としては、筐体30を備えていないものであっても良い。この場合、請求項でいう「筐体」は、光学系用ケーシング50及び蛍光体用ケーシング60から構成されたものである。
【0045】
その他、本願発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
100・・・光射出装置
L ・・・光源
10 ・・・蛍光体ホイール
11 ・・・蛍光体
12 ・・・基板
20 ・・・光学系
30 ・・・筐体
EL ・・・排気流路
50 ・・・光学系用ケーシング
60 ・・・蛍光体用ケーシング
B ・・・ブロワ
F ・・・冷却ファン