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特許7261759移動通信ネットワークにおけるプレーン間の死活監視方法、PGW-C及びプログラム
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  • 特許-移動通信ネットワークにおけるプレーン間の死活監視方法、PGW-C及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】移動通信ネットワークにおけるプレーン間の死活監視方法、PGW-C及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/06 20090101AFI20230413BHJP
   H04W 88/16 20090101ALI20230413BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20230413BHJP
   H04W 80/04 20090101ALI20230413BHJP
【FI】
H04W24/06
H04W88/16
H04W92/24
H04W80/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020035346
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021141374
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】長野 知幸
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-022808(JP,A)
【文献】特開2016-086225(JP,A)
【文献】特開2018-133777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0126618(US,A1)
【文献】Huawei,CUPS restoration procedures[online],3GPP TSG CT WG4 #78 C4-173196,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ct/WG4_protocollars_ex-CN4/TSGCT4_78_Zhangiajie/Docs/C4-173196.zip>,Section20.1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスネットワークを収容するコアネットワークについて、SGW(Serving GateWay)-Cが、PGW(Packet data network Gateway)-Cを死活監視すると共に、複数のPGW-Uを死活監視するシステムの死活監視方法であって、
PGW-Cは、PGW-U毎に、SGW-Cから死活監視メッセージを受信するアドレスを付与しており、
SGW-Cは、PGW-U毎に付与されたPGW-Cのアドレスへ向けて、各PGW-Uに対する死活監視メッセージを送信し、
PGW-Cは、SGW-Cから死活監視メッセージを受信した際に、当該死活監視メッセージを受信したアドレスに対応するPGW-Uへ、死活監視メッセージを送信する
ことを特徴とする死活監視方法。
【請求項2】
SGW-Cが、PGW-Cへ、セッション生成要求を送信する第1のステップと、
PGW-Cが、PGW-Uを選択し、当該PGW-Uとの間でセッションを確立する第2のステップと、
PGW-Cが、セッションを確立した当該PGW-UついてSGW-Cから死活監視メッセージを受信するアドレスを付与する第3のステップと、
PGW-Cが、当該アドレス含むセッション生成応答を、SGW-Cへ返信する第4のステップと、
SGW-Cは、当該セッション生成応答に含まれたPGW-Cのアドレスへ向けて、当該PGW-Uに対する死活監視メッセージを送信する第5のステップと
を有することを特徴とする請求項に記載の死活監視方法。
【請求項3】
第4のステップについて、PGW-Cは、セッション生成応答のF-TEIDに、当該アドレスを含める
ことを特徴とする請求項に記載の死活監視方法。
【請求項4】
クセスネットワークを収容するコアネットワークについて、SGW-Cから死活監視されると共に、複数のPGW-Uを死活監視するPGW-Cにおいて、
PGW-U毎に、SGW-Cから死活監視メッセージを受信するアドレスを付与しており、
SGW-Cから、PGW-U毎に付与されたPGW-Cのアドレスへ向けた、各PGW-Uに対する死活監視メッセージを受信し、
SGW-Cから死活監視メッセージを受信した際に、当該死活監視メッセージを受信したアドレスに対応するPGW-Uへ、死活監視メッセージを送信する
ことを特徴とするPGW-C。
【請求項5】
SGW-Cから死活監視されると共に、複数のPGW-Uを死活監視するPGW-Cに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
PGW-U毎に、SGW-Cから死活監視メッセージを受信するアドレスを付与しており、
SGW-Cから、PGW-U毎に付与されたPGW-Cのアドレスへ向けた、各PGW-Uに対する死活監視メッセージを受信し、
SGW-Cから死活監視メッセージを受信した際に、当該死活監視メッセージを受信したアドレスに対応するPGW-Uへ、死活監視メッセージを送信する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とするPGW-Cのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信ネットワークにおけるC(Control)プレーン及びU(User)プレーン間の死活監視の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信ネットワークは、EPC(Evolved Packet Core)及びIMS(IP Multimedia Subsystem)(又はAF(Application Function))によって仮想化基盤上に構築されている。UE(User Equipment、移動携帯端末)は、無線を介して複数のeNB(evolved Node B、基地局)と通信する。UEは、eNBを介してEPCに接続し、IMS及びトランスポートネットワーク(インターネット)と通信する。
IMSは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化されたサービス制御方式であり、次世代携帯電話ネットワーク又はNGN(Next Generation Network)を実現する。これによって、固定網及び移動網が統合され、全ての端末に対してオールIP化を提供する。
【0003】
図1は、従来技術における移動通信ネットワークのシステム構成図である。
【0004】
図1によれば、EPCは、複数のeNBを収容するべく、MME(Mobility Management Entity)4、SGW(Serving-Gateway)2、PGW(Proxy-Gateway)1、PCRF(Policy and Charging Rules Function)3及びHSS(Home Subscriber Server、加入者サーバ)5によって構成される。
MME4は、コアネットワーク制御装置であって、UEの移動管理と、HSSと連携したUEの認証と、IP(Internet Protocol)伝達経路の設定制御とを実行する。
SGW2は、MME4からの制御に基づいてIPパケットの伝達制御を実行する。
PGW1は、インターネットやIMSなどのPDN(外部ネットワーク)との接続点となり、PDNからUE宛のIPパケットを全て受信する。
PCRF3は、PGW1及びSGW2での伝達品質制御を実行するための、QoS(Quality of Service)、課金方法などのIPパケット伝達ポリシを決定する。
これによって、UEは、eNB、SGW2及びPGW1を介して、IMS及びトランスポートネットワークと通信する。
【0005】
図1によれば、PGW1及びSGW2は、CプレーンとUプレーンとに分離した「CUPS(Control and User Plane Separation)」アーキテクチャを採用している。Cプレーンには、PGW-C12及びSGW-C22が配置され、Uプレーンには、PGW-U11a~c及びSGW-U21が配置されている。1台のSGW-C22は、複数のPGW-C12と接続し、各PGW-C12も複数のPGW-U11と接続する。
【0006】
図2は、従来技術におけるPGW-CのIPアドレスの管理を表す説明図である。
【0007】
SGW-C22は、ユーザID毎に、IPアドレスと、転送先となるPGW-Cアドレスとを対応付けたセッション情報を保持する。
PGW-C12は、ユーザID毎に、IPアドレスと、PGW-Uアドレス及びSGW-Cアドレスとを対応付けたセッション情報を保持する。
尚、PGW-U11は、ユーザID毎に、IPアドレスと、転送先となるSGW-Uアドレスとを対応付けたセッション情報を保持する。
【0008】
図2からも明らかなとおり、SGW-C22は、複数のPGW-U11a~cに対して、1つのPGW-C12のIPアドレス#11しか見えていない。これは、PGW-C12が、PGW-U11a~cを全て管理していることに基づく。
【0009】
図3は、従来技術におけるPGW-Uの障害発生を表すシステム構成図である。
【0010】
図3によれば、SGW-C22は、PGW-C12へ「死活監視メッセージ」を定期的に送信し、PGW-C12から応答を受信することによって、障害発生無しを確認する。
また、PGW-C12も、管理下にある複数のPGW-U11a~cへ、「死活監視メッセージ」を定期的に送信し、各PGW-U11a~cから応答を受信することによって、障害発生無しを確認する。
【0011】
ここで、例えばPGW-U11aに障害が発生した場合、PGW-C12は、死活監視によってPGW-U11aの障害を検知する。
このとき、PGW-C12は、障害を発生したPGW-U11aに収容されている全てのUEについて、UE毎の再接続要求を、SGW-C22へ送信する。SGW-C22は、これら再接続要求をそれぞれ、MME4を介して、各UEへ送信する。これによって、PGW-U11aに収容されていた全てのUEへ、正常なPGW-Uに収容するように再接続要求が送信される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【文献】3GPP TS 23.007 Restoration procedures
【文献】3GPP TS 23.401 General Packet Radio Service (GPRS) enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN) access
【文献】3GPP TS 23.214 Architecture enhancements for control and user plane separation of EPC nodes
【文献】3GPP TS 29.244 Interface between the Control Plane and the User Plane Nodes
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述した図3によれば、PGW-C12は、障害を発生したPGW-U11に収容されているUEの数だけ一斉に、例えば数分に渡って、再接続要求をSGW-C22へ送信し続ける場合がある。
また、SGW-C22は、PGW-C12から受信した再接続要求を直ぐに、MME4を介して各UEへ送信しようとする。
更に、再接続要求を受信したUEも直ぐに、再接続要求に基づく再接続シーケンスを実行しようとする。
結果的に、PGW-U11の障害発生は、Cプレーンにおけるネットワークに輻輳を生じさせる恐れがある。
【0014】
このような輻輳回避の解決策の1つとして、MME4が、レート制御機能を搭載する方法が考えられる。これは、MME4が、SGW-C22から一斉に送信される再接続要求を比較的低いレートで少しずつ、UEへ送信するように制御することをいう。しかしながら、PGW-U11の障害発生に対して、MME4によるレート制御機能を活用することができず、Cプレーンのネットワークの輻輳を回避できない。輻輳を回避するには、PGW-C12及びSGW-C22に、レート制御機能を新たに搭載しなければならない。Cプレーンのネットワークにおける輻輳を解決するために、各ノードにレート制御機能を搭載することは、ネットワーク全体のレートを安易に落とすこととなり、適切ではない。
【0015】
また、前述した図3によれば、SGW-C22は、PGW-U11を死活監視するものではない。そのために、PGW-U11に障害が発生した場合、PGW-C12がPGW-U11の障害を検知し、PGW-C12からSGW-C22へ、収容されているユーザの再接続を依頼する必要がある。このような死活監視の重複化が、ネットワークにおける輻輳の一因となる。
【0016】
尚、3GPPのオプション機能として、PGW-C12からSGW-C22に対して、再接続させたいユーザIDを一括で依頼する技術が規定されている。但し、MME、SGW、PGWの全ての設備装置が、このオプション機能をサポートする必要があり、運用管理コストが増大してしまう。
【0017】
そこで、本発明は、移動通信ネットワークにおける被制御装置の障害発生時に、制御プレーンのネットワークに、再接続シーケンスに基づく輻輳を抑制する死活監視方法、PGW-C及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、アクセスネットワークを収容するコアネットワークについて、SGW(Serving GateWay)-Cが、PGW(Packet data network Gateway)-Cを死活監視すると共に、複数のPGW-Uを死活監視するシステムの死活監視方法であって、
PGW-Cは、PGW-U毎に、SGW-Cから死活監視メッセージを受信するアドレスを付与しており、
SGW-Cは、PGW-U毎に付与されたPGW-Cのアドレスへ向けて、各PGW-Uに対する死活監視メッセージを送信し、
PGW-Cは、SGW-Cから死活監視メッセージを受信した際に、当該死活監視メッセージを受信したアドレスに対応するPGW-Uへ、死活監視メッセージを送信する
ことを特徴とする。
【0021】
本発明の死活監視方法における他の実施形態によれば、
SGW-Cが、PGW-Cへ、セッション生成要求を送信する第1のステップと、
PGW-Cが、PGW-Uを選択し、当該PGW-Uとの間でセッションを確立する第2のステップと、
PGW-Cが、セッションを確立した当該PGW-UついてSGW-Cから死活監視メッセージを受信するアドレスを付与する第3のステップと、
PGW-Cが、当該アドレス含むセッション生成応答を、SGW-Cへ返信する第4のステップと、
SGW-Cは、当該セッション生成応答に含まれたPGW-Cのアドレスへ向けて、当該PGW-Uに対する死活監視メッセージを送信する第5のステップと
を有することも好ましい。
【0022】
本発明の死活監視方法における他の実施形態によれば、
第4のステップについて、PGW-Cは、セッション生成応答のF-TEIDに、当該アドレスを含める
ことも好ましい。
【0023】
本発明によれば、アクセスネットワークを収容するコアネットワークについて、SGW-Cから死活監視されると共に、複数のPGW-Uを死活監視するPGW-Cにおいて、
PGW-U毎に、SGW-Cから死活監視メッセージを受信するアドレスを付与しており、
SGW-Cから、PGW-U毎に付与されたPGW-Cのアドレスへ向けた、各PGW-Uに対する死活監視メッセージを受信し、
SGW-Cから死活監視メッセージを受信した際に、当該死活監視メッセージを受信したアドレスに対応するPGW-Uへ、死活監視メッセージを送信する
ことを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、SGW-Cから死活監視されると共に、複数のPGW-Uを死活監視するPGW-Cに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
PGW-U毎に、SGW-Cから死活監視メッセージを受信するアドレスを付与しており、
SGW-Cから、PGW-U毎に付与されたPGW-Cのアドレスへ向けた、各PGW-Uに対する死活監視メッセージを受信し、
SGW-Cから死活監視メッセージを受信した際に、当該死活監視メッセージを受信したアドレスに対応するPGW-Uへ、死活監視メッセージを送信する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の死活監視方法、PGW-C及びプログラムによれば、移動通信ネットワークにおける被制御装置の障害発生時に、制御プレーンのネットワークに、再接続シーケンスに基づく輻輳を抑制することができる。特に、本発明によれば、SGW-CがPGW-Cを死活監視するという既存のシーケンスを変更することなく、SGW-C及びMMEの既存設備に対して、別途の機能を付加する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来技術における移動通信ネットワークのシステム構成図である。
図2】従来技術におけるPGW-CのIPアドレスの管理を表す説明図である。
図3】従来技術におけるPGW-Uの障害発生を表すシーケンス図である。
図4】本発明におけるPGW-CのIPアドレスの管理を表す説明図である
図5】本発明におけるPGW-Uの障害発生を表すシーケンス図である。
図6】本発明における死活監視の具体的なシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0028】
図4は、本発明におけるPGW-CのIPアドレスの管理を表す説明図である
【0029】
図4によれば、PGW-C(第2の制御装置)12は、PGW-U(被制御装置)11毎に、SGW-C(第1の制御装置)22に対するアドレスを付与する。
(SGW-CのIPアドレス)(PGW-CのIPアドレス)(PGW-Uの識別子)
IP#00 IP#11 PGW-U11a
IP#12 PGW-U11b
IP#13 PGW-U11c
即ち、PGW-C12は、1台のPGW-C12に対して、当該PGW-C12が収容するPGW-U11の台数分のIPアドレスを保持することとなる。
このようにIPアドレスを付与する方法は、PGW-Cとしての装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0030】
PGW-C12は、SGW-C22から、PGW-U11毎に異なるPGW-C12に見えるようにする。これによって、SGW-C22は、PGW-C12の1つのIPアドレスに対して死活監視を実行することによって、その先に存在する1つのPGW-U11につなげて死活監視することになる。
【0031】
前述した従来技術の図2によれば、SGW-C22からPGW-C12に向けて、同一IPアドレスを共有している。そのために、SGW-C22は、PGW-U11をつなげて見ることは全くできない。
これに対し、本発明の図4によれば、SGW-C22は、1台のPGW-C12に対して、PGW-U11毎にPGW-C12が複数存在しているように見ることができる。即ち、SGW-C22は、PGW-C12を介して各PGW-U11をつなげて見ることができる。
【0032】
図5は、本発明におけるPGW-Uの障害発生を表すシーケンス図である。
【0033】
図5によれば、SGW-C22は、Health Check Serverとして、PGW-C12を死活監視する。それと共に、PGW-C12は、複数のPGW-U11を死活監視する。
PGW-C12は、SGW-C22から死活監視メッセージを受信した際に、その受信したIPアドレスに対応するPGW-U11へ向けて死活監視メッセージを送信する。ここで、PGW-U11に障害が発生しており、応答メッセージを受信できなかったとする。このとき、PGW-C12も、SGW-C22に対して、応答メッセージを返信しない。これによって、SGW-C22は、PGW-C12又はそれにつながるPGW-U11に障害発生有りと認識することができる。
【0034】
図6は、本発明における死活監視の具体的なシーケンス図である。
【0035】
(S1)SGW-C22は、PGW-C12へ、セッション生成要求(Session Create Request)を送信する。セッション生成要求には、シーケンス番号及びユーザIDが含まれる。
(S2)PGW-C12は、PGW-U11aを選択し、当該PGW-U11aとの間でセッションを確立する。PGW-C12は、セッション確立要求(Establish Request)を、選択したPGW-U11aへ送信する。その確立要求には、シーケンス番号及びユーザIDが含まれる。これに対し、PGW-U11aは、セッションIDを生成し、PGW-C12へ確立応答(Establish Response)を返信する。その確立応答には、シーケンス番号及びセッションIDが含まれる。
(S3)PGW-C12は、セッションを確立した当該PGW-U11aに対して、SGW-C22から見たアドレス(IP#11)を付与する。
(S4)PGW-C12は、当該アドレス(IP#11)含むセッション生成応答(Session Create Response)を、SGW-C22へ返信する。セッション生成応答のF-TEIDには、当該アドレス(IP#11)が含まれる。
前述したS1~S4を、PGW-U11b及びPGW-U11cに対しても実行する。
(S5)SGW-C22は、PGW-C12のアドレス(IP#11)を死活監視リストに含めて、死活監視シーケンスを実行する。
また、SGW-C22は、当該セッションに関する処理は全て、PGW-Uに紐づく同じIPアドレスを利用する。その後のセッション削除要求(Session Delete Request)等も、そのIPアドレスを用いる。
【0036】
以上、詳細に説明したように、本発明の死活監視方法、PGW-C及びプログラムによれば、移動通信ネットワークにおける被制御装置の障害発生時に、制御プレーンのネットワークに、再接続シーケンスに基づく輻輳を抑制することができる。特に、本発明によれば、SGW-CがPGW-Cを死活監視するという既存のシーケンスを変更することなく、SGW-C及びMMEの既存設備に対して、別途の機能を付加する必要もない。
【0037】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0038】
1 PGW
11 PGW-U
12 PGW-C
2 SGW
21 SGW-U
22 SGW-C
3 PCRF
4 MME
5 HSS
図1
図2
図3
図4
図5
図6