(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】防犯システム
(51)【国際特許分類】
E05B 65/08 20060101AFI20230413BHJP
E05B 41/00 20060101ALI20230413BHJP
E06B 7/28 20060101ALI20230413BHJP
E05B 45/14 20060101ALI20230413BHJP
G08B 13/06 20060101ALI20230413BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
E05B65/08 P
E05B41/00 G
E06B7/28 A
E05B45/14
G08B13/06
G08B25/04 E
(21)【出願番号】P 2020096823
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2022-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】松本 健規
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-232293(JP,A)
【文献】特開2013-44217(JP,A)
【文献】特開2014-62890(JP,A)
【文献】特開2016-66340(JP,A)
【文献】特開平07-134790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 65/08
E05B 41/00
E06B 7/28
E05B 45/14
G08B 13/06
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部を開閉するとともに、引き違いに設けられた一対の開閉体と、
前記各開閉体を閉状態で施錠するクレセント錠とを備え、
前記クレセント錠は、前記各開閉体のうち屋内側の内側開閉体に回動可能に取り付けられたクレセントと、前記各開閉体のうち屋外側の外側開閉体に取り付けられたクレセント受けとを有しており、
前記クレセントは回動操作を行うためのハンドルを有し、そのハンドルが施錠位置まで回動されると前記クレセント受けに係合され、その係合により前記クレセント錠が施錠状態とされる建物に適用され、
前記ハンドルの外面と前記内側開閉体の外面とのうちいずれか一方には第1被検知部が取り付けられ、他方には前記第1被検知部を検知する第1検知部が取り付けられ、
前記第1検知部と前記第1被検知部とは、前記ハンドルが前記施錠位置に位置する場合に前記第1被検知部が前記第1検知部により検知される所定の位置関係で配置され、
前記ハンドルの外面と前記外側開閉体の外面とのうちいずれか一方には第2被検知部が取り付けられ、他方には前記第2被検知部を検知する第2検知部が取り付けられ、
前記第2検知部と前記第2被検知部とは、前記各開閉体の前記閉状態において前記ハンドルが前記施錠位置に位置する場合に前記第2被検知部が前記第2検知部により検知される所定の位置関係で配置され、
前記第1検知部により前記第1被検知部が検知されかつ前記第2検知部により前記第2被検知部が検知されている状態から、前記第1検知部により前記第1被検知部が検知されかつ前記第2検知部により前記第2被検知部が検知されない状態に移行した場合に、所定の警戒処理を実行する制御手段を備えることを特徴とする防犯システム。
【請求項2】
前記ハンドルが前記施錠位置にある場合には前記ハンドルと前記内側開閉体とが当該内側開閉体の開閉方向に対向し、それら対向する両者の各対向面のうちいずれか一方に前記第1検知部が取り付けられ、他方に前記第1被検知部が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の防犯システム。
【請求項3】
前記ハンドルが前記施錠位置にある場合には前記ハンドルと前記外側開閉体とが屋内外方向に対向し、それら対向する両者の各対向面のうちいずれか一方に前記第2検知部が取り付けられ、他方に前記第2被検知部が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防犯システム。
【請求項4】
前記内側開閉体の外面には前記第1検知部が取り付けられ、
前記外側開閉体の外面には前記第2検知部が取り付けられ、
前記ハンドルの外面には、前記第1被検知部及び前記第2被検知部のそれぞれに相当し、前記第1検知部及び前記第2検知部の両方により検知される共通の第3被検知部が取り付けられ、
前記第1検知部、前記第2検知部及び前記第3被検知部は、前記ハンドルが前記施錠位置に位置する場合に前記第3被検知部が前記第1検知部及び前記第2検知部のそれぞれにより検知される所定の位置関係で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の防犯システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記警戒処理として、前記開閉体が開いたことを外部機器に報知する報知処理を実施することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の防犯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物では、窓部において引き違いに設けられたサッシ戸の施錠装置としてクレセント錠が設けられている。クレセント錠は、一方のサッシ戸に取り付けられたクレセントと、他方のサッシ戸に取り付けられたクレセント受けとを有しており、クレセントが回動してクレセント受けに係合されることで施錠状態とされるようになっている。また、クレセント錠には、上記施錠状態でクレセントをロックするスライドボタンが設けられている。スライドボタンは、クレセントをロックするロック位置と、そのロックを解除する解除位置とにスライド可能となっている。
【0003】
特許文献1には、窓部からの不法侵入を防止すべく、クレセント錠に防犯装置を組み込んだクレセント装置が開示されている。特許文献1のクレセント装置には、サッシ戸の開閉状態を検知する第1の検知部と、スライドボタンがロック位置にあることを検知する第2の検知部とが内蔵されている。このクレセント装置では、第2の検知部によりスライドボタンがロック位置にあることが検知されている状態で、つまりクレセント錠が施錠状態となっている状況下で、第1の検知部により検知されるサッシ戸の開閉状態が閉状態から開状態に切り替わった場合に、サッシ戸が何者かにこじ開けられたと判断するようにしている。そして、サッシ戸がこじ開けられたと判断した場合に、その旨を住人に報知するようにしている。これにより、住人は警察に通報を行う等、建物への不法侵入に対して迅速な対応をとることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、防犯装置は、既設の建物に対してリフォームの際等に後付けされる場合が考えられる。ここで、上記特許文献1のクレセント装置では、第1の検知部や第2の検知部を含む防犯装置がクレセント装置の内部に組み込まれているため、防犯装置を後付けする際には既設のクレセント錠を取り外し、その後防犯装置付きの上記クレセント装置を取り付ける必要がある。しかしながら、このような交換作業は作業的に大変であり、困難を伴うと考えられる。
【0006】
また、クレセント錠はサッシ戸の形状等に応じて複数の種類のものが存在するため、クレセント錠に代えて、上記特許文献1のクレセント装置を取り付ける場合にはそれに応じてクレセント装置も複数の種類のものを用意する必要が生じる。しかしながら、複数の種類のクレセント装置を用意するとなると、管理面やコスト面で大きな負担を招くおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、既設の建物に比較的容易に後付けすることができる防犯システムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明の防犯システムは、建物開口部を開閉するとともに、引き違いに設けられた一対の開閉体と、前記各開閉体を閉状態で施錠するクレセント錠とを備え、前記クレセント錠は、前記各開閉体のうち屋内側の内側開閉体に回動可能に取り付けられたクレセントと、前記各開閉体のうち屋外側の外側開閉体に取り付けられたクレセント受けとを有しており、前記クレセントは回動操作を行うためのハンドルを有し、そのハンドルが施錠位置まで回動されると前記クレセント受けに係合され、その係合により前記クレセント錠が施錠状態とされる建物に適用され、前記ハンドルの外面と前記内側開閉体の外面とのうちいずれか一方には第1被検知部が取り付けられ、他方には前記第1被検知部を検知する第1検知部が取り付けられ、前記第1検知部と前記第1被検知部とは、前記ハンドルが前記施錠位置に位置する場合に前記第1被検知部が前記第1検知部により検知される所定の位置関係で配置され、前記ハンドルの外面と前記外側開閉体の外面とのうちいずれか一方には第2被検知部が取り付けられ、他方には前記第2被検知部を検知する第2検知部が取り付けられ、前記第2検知部と前記第2被検知部とは、前記各開閉体の前記閉状態において前記ハンドルが前記施錠位置に位置する場合に前記第2被検知部が前記第2検知部により検知される所定の位置関係で配置され、前記第1検知部により前記第1被検知部が検知されかつ前記第2検知部により前記第2被検知部が検知されている状態から、前記第1検知部により前記第1被検知部が検知されかつ前記第2検知部により前記第2被検知部が検知されない状態に移行した場合に、所定の警戒処理を実行する制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、クレセントのハンドルの外面と、クレセントが取り付けられた内側開閉体の外面とのうちいずれか一方に第1被検知部が取り付けられ、他方に第1検知部が取り付けられている。第1検知部と第1被検知部とは、ハンドルが施錠位置に位置する場合に第1被検知部が第1検知部により検知される所定の位置関係で配置されている。また、ハンドルの外面と外側開閉体の外面とのうちいずれか一方に第2被検知部が取り付けられ、他方に第2検知部が取り付けられている。第2検知部と第2被検知部とは、各開閉体の閉状態においてハンドルが施錠位置に位置する場合に第2被検知部が第2検知部により検知される所定の位置関係で配置されている。
【0010】
第1検知部により第1被検知部が検知されかつ第2検知部により第2被検知部が検知されている状態、つまりクレセント錠が施錠状態でありかつ各開閉体が閉状態である状態(通常施錠状態)から、第1検知部により第1被検知部が検知されかつ第2検知部により第2被検知部が検知されない状態、つまりクレセント錠が施錠状態でありかつ各開閉体が開状態である状態に移行した場合には、所定の警戒処理が実行される。つまり、クレセント錠が施錠状態のまま開閉体が開いた場合には所定の警戒処理が実行される。この場合、警戒処理としては、例えば建物に住む住人や警察等の外部機関に報知を行う報知処理や、音や光を発することで不審者を威嚇する威嚇処理等が挙げられる。これにより、クレセント錠が施錠状態であるにもかかわらず開閉体が何者かにこじ開けられた場合には、それに対して迅速な対応をとったり建物内への侵入を未然に防いだりすることができる。そのため、防犯性の向上を図ることができる。
【0011】
また、第1検知部及び第1被検知部はそれぞれクレセントのハンドルの外面(外表面)、内側開閉体の外面(外表面)に取り付けられているため、これら第1検知部及び第1被検知部を既存のクレセント及び内側開閉体に取り付けることができる。また、第2検知部及び第2被検知部はそれぞれクレセントのハンドルの外面(外表面)、外側開閉体の外面(外表面)に取り付けられているため、これら第2検知部及び第2被検知部をそれぞれ既存のクレセント及び外側開閉体に取り付けることができる。
【0012】
また、第1検知部及び第1被検知部のうち一方はクレセントのハンドルに取り付けられているため、ハンドル及び内側開閉体に第1検知部、第1被検知部を取り付ける際には、それらを取り付けし易い位置にハンドルを移動させてから取付作業を行うことができる。これと同様に、第2検知部及び第2被検知部のうちの一方もハンドルに取り付けられているため、これらをハンドル及び外側開閉体に取り付ける際にも、取り付けし易い位置までハンドルを移動させてから取付作業を行うことができる。よって、この場合、既設の建物に比較的容易に後付けすることができる。
【0013】
第2の発明の防犯システムは、第1の発明において、前記ハンドルが前記施錠位置にある場合には前記ハンドルと前記内側開閉体とが当該内側開閉体の開閉方向に対向し、それら対向する両者の各対向面のうちいずれか一方に前記第1検知部が取り付けられ、他方に前記第1被検知部が取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
第2の発明によれば、クレセントのハンドルが施錠位置にある場合に第1検知部及び第1被検知部が互いに対向するハンドルと内側開閉体との間に配置される。これにより、第1検知部及び第1被検知部を目立ちにくくすることができる。
【0015】
第3の発明の防犯システムは、第1又は第2の発明において、前記ハンドルが前記施錠位置にある場合には前記ハンドルと前記外側開閉体とが屋内外方向に対向し、それら対向する両者の各対向面のうちいずれか一方に前記第2検知部が取り付けられ、他方に前記第2被検知部が取り付けられていることを特徴とする。
【0016】
第3の発明によれば、クレセントのハンドルが施錠位置にある場合に第2検知部及び第2被検知部が互いに対向するハンドルと外側開閉体との間に配置される。この場合、第2検知部及び第2被検知部は屋内側から見てハンドルの裏側に配置されるため、それら両者を目立ちにくくすることができる。
【0017】
第4の発明の防犯システムは、第1の発明において、前記内側開閉体の外面には前記第1検知部が取り付けられ、前記外側開閉体の外面には前記第2検知部が取り付けられ、前記ハンドルの外面には、前記第1被検知部及び前記第2被検知部のそれぞれに相当し、前記第1検知部及び前記第2検知部の両方により検知される共通の第3被検知部が取り付けられ、前記第1検知部、前記第2検知部及び前記第3被検知部は、前記ハンドルが前記施錠位置に位置する場合に前記第3被検知部が前記第1検知部及び前記第2検知部のそれぞれにより検知される所定の位置関係で配置されていることを特徴とする。
【0018】
第4の発明によれば、内側開閉体の外面に第1検知部が取り付けられ、外側開閉体の外面に第2検知部が取り付けられ、ハンドルの外面に第1検知部及び第2検知部の両方により検知される共通の第3被検知部が取り付けられている。この場合、ハンドルに被検知部を1つだけ取り付ければよいため、より一層後付けし易くすることができる。
【0019】
第5の発明の防犯システムは、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記制御手段は、前記警戒処理として、前記開閉体が開いたことを外部機器に報知する報知処理を実施することを特徴とする。
【0020】
第5の発明によれば、クレセント錠が施錠状態であるにもかかわらず開閉体が開かれた場合にはその旨が外部機器に報知される。外部機器としては、建物の住人が外出する際に携帯する携帯機器や、警察等の外部機関に設けられた外部サーバ等が挙げられる。これにより、建物の住人が外出している際に、開閉体が不審者によりこじ開けられた場合にはそれに対して迅速な対応をとることが可能となる。
【0021】
また、クレセント錠の施錠状態で地震が発生した場合には、開閉体が振動してクレセント錠が破壊されることが想定される。その場合、開閉体が意図せず開いてしまうおそれがある。特に、開閉体が建物開口部としての出入口を開閉する開閉戸である場合や、複層ガラスを有するサッシ戸である場合には、開閉体の重量が大きくなるため、こうした事態が生じ易いと考えられる。その点、上記第5の発明によれば、このような場合にも、開閉体が開いたことが外部機器に報知されるため、住人の外出中に迅速な対応をとることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】(a)が
図3のA-A線断面図であり、(b)が(a)の状態からサッシ戸がこじ開けられた様子を示す断面図である。
【
図7】他の実施形態におけるクレセント錠の周辺を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、
図1は建物の窓部を示す正面図である。
【0024】
図1に示すように、住宅等の建物10には、屋内と屋外とを仕切る外壁部11が設けられている。外壁部11には、屋内と屋外とを連通する建物開口部としての窓部12が設けられている。窓部12は掃き出し窓(出入口)とされており、その窓部12を通じて屋内と屋外との間の出入りが可能となっている。
【0025】
窓部12の周縁部には窓枠14が設けられている。窓枠14の内側には、一対のサッシ戸15が引き違いで設けられている。一対のサッシ戸15には、屋内側に配置されたサッシ戸15aと、屋外側に配置されたサッシ戸15bとが含まれている。これらのサッシ戸15a,15bにより窓部12が開閉されるようになっている。なお、サッシ戸15aが内側開閉体に相当し、サッシ戸15bが外側開閉体に相当する。
【0026】
各サッシ戸15は、矩形枠状のサッシ枠16と、そのサッシ枠16に嵌め込まれたガラス板17とを有している。サッシ枠16は、上下に延びる一対の縦桟21,22と、左右に延びる上桟23及び下桟24とを有している。それら各桟21~24はいずれも断面形状が矩形形状となっている。各縦桟21,22のうち、縦桟21はサッシ戸15の開閉方向における開側に配置され、縦桟22は閉側に配置されている。各サッシ戸15a、15bが閉められた閉状態では、各サッシ戸15a、15bの縦桟21が屋内外方向(換言するとサッシ戸15の厚み方向)に重なる状態で配置される。なお、縦桟21は召し合わせ框とも呼ばれる。また、ガラス板17は複層ガラスとなっており、防犯性が高められている。
【0027】
各サッシ戸15a,15bには、それら両サッシ戸15a,15bを閉状態において施錠するクレセント錠30が設けられている。以下、クレセント錠30について
図2~
図4に基づいて説明する。
図2はクレセント錠30を示す斜視図であり、
図3は正面図である。また、
図4は、(a)が
図3のA-A線断面図であり、(b)が(a)の状態からサッシ戸15がこじ開けられた様子を示す断面図である。なお、
図2~
図4ではいずれもクレセント錠30が施錠された施錠状態を示している。
【0028】
図2、
図3及び
図4(a)に示すように、クレセント錠30は、屋内側のサッシ戸15aに基台33を介して取り付けられたクレセント31と、屋外側のサッシ戸15bに取り付けられたクレセント受け32とを有している。基台33はサッシ戸15aの縦桟21に固定され、その基台33にクレセント31が回動軸35を介して回動可能に取り付けられている。回動軸35はサッシ戸15aの開閉方向に延びる軸であり、クレセント31はその回動軸35を中心として上下に回動可能とされている。
【0029】
クレセント31は、回動操作を行うためのハンドル36と、クレセント受け32に係合される係合爪37とを有している。ハンドル36は直線状に延びており、その横断面が矩形形状とされている。ハンドル36は、上方に突出する向きとなる施錠位置(
図2及びず3参照)と、下方に突出する向きとなる解錠位置との間で回動可能となっている。
【0030】
クレセント受け32はサッシ戸15bの縦桟21に固定され、係合爪37が係合される被係合部38を有している。クレセント31のハンドル36を施錠位置まで回動させると、クレセント31の係合爪37がクレセント受け32の被係合部38に係合される。これにより、クレセント錠30が施錠状態とされる。一方、クレセント31のハンドル36を解錠位置まで回動させると、被係合部38に対する係合爪37の係合が解除される。これにより、クレセント錠30が解錠状態とされる。
【0031】
クレセント錠30の基台33にはスライドボタン39が設けられている。スライドボタン39は、クレセント錠30が施錠状態にある場合に、その施錠状態をロックしたりロック解除したりするために用いられる。
【0032】
ここで、本建物10には、窓部12からの不法侵入を防止すべく防犯システムが設けられている。以下では、その防犯システムの構成について説明する。なお、本建物10では、防犯システムが当該建物10のリフォームの際に事後的に導入されたものとなっている。
【0033】
図2、
図3及び
図4(a)に示すように、防犯システムは、クレセント錠30の施解錠の状態を検出するために用いられる第1センサ41と、サッシ戸15a,15bの開閉状態を検出するために用いられる第2センサ42とを備える。
【0034】
第1センサ41は、検知対象としての第1被検知部41aと、その第1被検知部41aを検知する第1検知部41bとを有している。本実施形態では、第1センサ41が検知対象を非接触で検知可能な近接センサからなる。具体的には、第1センサ41は磁気式の近接センサとなっており、第1被検知部41aがマグネットからなり、第1検知部41bがマグネットに近接するとONになる(検知する)リードスイッチからなる。
【0035】
第1被検知部41aはクレセント31のハンドル36に接着剤等により取り付けられ、第1検知部41bは屋内側のサッシ戸15aの縦桟21(以下、縦桟21aという)に接着剤等により取り付けられている。これら第1被検知部41a及び第1検知部41bの取付位置について具体的に説明すると、クレセント31のハンドル36が施錠位置にある場合、つまりクレセント錠30が施錠状態にある場合には、ハンドル36と縦桟21aとがサッシ戸15aの開閉方向に対向している。詳しくは、この場合、ハンドル36の縦桟21a側の側面36bと縦桟21aの開側(ハンドル36側)の側面46とが上記開閉方向に対向している。そして、ハンドル36の側面36bに第1被検知部41aが取り付けられ、縦桟21aの側面46に第1検知部41bが取り付けられている。
【0036】
なお、ハンドル36の側面36bと縦桟21aの側面46とが互いに対向する「対向面」に相当する。また、ハンドル36の側面36bが「ハンドルの外面」に相当し、縦桟21aの側面46が「内側開閉体の外面」に相当する。
【0037】
第1被検知部41aと第1検知部41bとは、クレセント31のハンドル36が施錠位置にある場合に、ハンドル36と縦桟21aとの間にそれぞれ位置し、サッシ戸15aの開閉方向に互いに対向配置される。そして、第1センサ41では、第1被検知部41aと第1検知部41bとがそのように対向配置される位置関係(所定の位置関係に相当)にある場合に、第1被検知部41aが第1検知部41bにより検知されるようになっている。そのため、第1センサ41では、クレセント31のハンドル36が施錠位置にある場合に、つまりクレセント錠30が施錠状態にある場合に、第1検知部41bにより第1被検知部41aが検知されるようになっており、詳しくはハンドル36が施錠位置にある場合にのみ第1検知部41bにより第1被検知部41aが検知されるようになっている。
【0038】
第2センサ42は、第1センサ41と同様、検知対象としての第2被検知部42aと、その第2被検知部42aを検知する第2検知部42bとを有している。本実施形態では、第2センサ42として、第1センサ41と同じ磁気式の近接センサを用いており、第2被検知部42aがマグネットからなり、第2検知部42bがリードスイッチからなる。
【0039】
第2被検知部42aはクレセント31のハンドル36に接着剤等により取り付けられ、第2検知部42bは屋外側のサッシ戸15bのガラス板17(以下、ガラス板17bという)に接着剤等により取り付けられている。これら第2被検知部42a及び第2検知部42bの取付位置について具体的に説明すると、各サッシ戸15a,15bの閉状態においてクレセント31のハンドル36が施錠位置にある場合、つまりクレセント錠30が施錠状態とされている場合には、ハンドル36とガラス板17bとが屋内外方向に対向している。詳しくは、この場合、ハンドル36の屋外側の側面36aとガラス板17bの屋内面44とが屋内外方向に対向している。そして、ハンドル36の側面36aに第2被検知部42aが取り付けられ、ガラス板17bの屋内面44に第2検知部42bが取り付けられている。この場合、第2被検知部42aはハンドル36の長手方向の基端部に取り付けられている。
【0040】
なお、ハンドル36の側面36aとガラス板17bの屋内面44とが互いに対向する「対向面」に相当する。また、ハンドル36の側面36aが「ハンドルの外面」に相当し、ガラス板17bの屋内面44が「外側開閉体の外面」に相当する。
【0041】
第2被検知部42aと第2検知部42bとは、各サッシ戸15a,15bの閉状態においてクレセント31のハンドル36が施錠位置にある場合に、そのハンドル36とガラス板17bとの間にそれぞれ位置し、屋内外方向に互いに対向配置される。そして、第2センサ42では、第2被検知部42aと第2検知部42bとがそのように対向配置される位置関係(所定の位置関係に相当)にある場合に、第2被検知部42aが第2検知部42bにより検知されるようになっている。そのため、第2センサ42では、各サッシ戸15a,15bが閉状態であってハンドル36が施錠位置にある場合に、つまり各サッシ戸15a,15bが閉状態であってクレセント錠30が施錠状態にある場合に、第2検知部42bにより第2被検知部42aが検知されるようになっており、詳しくは各サッシ戸15a,15bが閉状態であってハンドル36が施錠位置にある場合にのみ第2検知部42bにより第2被検知部42aが検知されるようになっている。
【0042】
続いて、防犯システムの電気的構成について
図5に基づき説明する。
図5は防犯システムの電気的構成を示す図である。
【0043】
図5に示すように、建物10には、モニタ装置51が設けられている。モニタ装置51は、例えば建物10内の壁に取り付けられている。モニタ装置51は、制御手段としての制御部52と、通信部53と、報知部54とを有する。制御部52は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを含んで構成され、通信部53及び報知部54とそれぞれ接続されている。通信部53は、建物10に住む住人が携帯する携帯機器56や各検知部41b,42bとの間で無線通信が可能とされている。報知部54は、音声を出力することで住人に報知を行うものであり、例えばスピーカからなる。
【0044】
第1検知部41b及び第2検知部42bは検知信号をモニタ装置51に無線により送信する通信機能を有している。第1検知部41bにより第1被検知部41aが検知されると、第1検知部41bは検知されたことを示す検知信号をモニタ装置51に送信する。同様に、第2検知部42bにより第2被検知部42aが検知されると、第2検知部42bは検知されたことを示す検知信号をモニタ装置51に送信する。モニタ装置51では、第1検知部41b及び第2検知部42bから送信される検知信号を制御部52が通信部53を通じて受信する。制御部52は、各検知部41b,42bからの検知信号に基づいて、報知部54や住人の携帯機器56に報知を行う報知処理を行う。
【0045】
続いて、モニタ装置51の制御部52により実行される防犯処理について
図6に示すフローチャートに基づき説明する。なお、本処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0046】
図6に示すように、まずステップS11では、第1検知部41bから検知信号を受信したか否かに基づき、第1検知部41bにより第1被検知部41aが検知されているか否かを判定する。つまり、ここでは、クレセント錠30が施錠状態とされているか否かを判定する。第1検知部41bによる検知がされていない場合、つまりクレセント錠30が解錠状態とされている場合にはステップS17に進み、後述する通常施錠フラグをリセットする。その後、本処理を終了する。一方、第1検知部41bによる検知がされている場合、つまりクレセント錠30が施錠状態とされている場合にはステップS12に進む。
【0047】
ステップS12では、第2検知部42bから検知信号を受信したか否かに基づき、第2検知部42bにより第2被検知部42aが検知されているか否かを判定する。つまり、ここでは、クレセント錠30の施錠状態において、各サッシ戸15a,15bが閉状態にあるか否かを判定する。第2検知部42bによる検知がされている場合、つまりクレセント錠30の施錠状態において各サッシ戸15a,15bが閉状態にある場合(
図4(a)参照)には通常施錠状態であるとして、ステップS13に進み、通常施錠フラグをセットする。その後、本処理を終了する。一方、第2検知部42bによる検知がされていない場合、つまりクレセント錠30の施錠状態において各サッシ戸15a、15bが開状態にある場合にはステップS14に進む。
【0048】
ステップS14では、通常施錠フラグがセットされているか否かを判定する。通常施錠フラグがセットされている場合には、第1検知部41bによる検知がされかつ第2検知部42bによる検知がされている状態(つまり
図4(a)に示す通常施錠状態)から、第1検知部41bによる検知がされかつ第2検知部42bによる検知がされていない状態(
図4(b)に示す状態)に移行したと判定することができる。つまり、この場合、クレセント錠30が施錠状態のまま、サッシ戸15a,15bが開けられたと判断することができる。例えば、不審者により屋外側からサッシ戸15a,15bがこじ開けられた場合が想定される。この場合、ステップS15に進む。なお、
図4(b)の例では、クレセント錠30が施錠状態のまま、屋外側のサッシ戸15bが無理に開けられた結果、クレセント受け32の係合爪37が破壊され、係合爪37に対するクレセント31の係合が解除されている。
【0049】
ステップS15では、サッシ戸15a,15bが開いたことを報知する報知処理を行う。報知処理では、報知部54に報知信号を出力するとともに、住人の携帯機器56に通信部53より報知信号を送信する。これにより、報知部54によりサッシ戸15a,15bが開いたことが音声により報知されるため、建物10内の住人は警察へ連絡する等の対応を迅速にとることができる。また、携帯機器56にはメールでサッシ戸15a,15bが開いた旨のメッセージが表示されるため、住人が外出中であっても迅速に対応することができる。報知処理を行った後、本処理を終了する。なお、携帯機器56が外部機器に相当する。
【0050】
先のステップS14で、通常施錠フラグがセットされていない場合には、サッシ戸15a,15bが開いている状態でクレセント錠30が施錠状態とされたと判断することができる。つまり、この場合、クレセント錠30がいわゆる空錠の状態であると判断することができる。この場合には、ステップS16に進み、報知部54より空錠である旨の報知を行う。その後、本処理を終了する。
【0051】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0052】
第1被検知部41aをクレセント31のハンドル36の側面36bに取り付け、第1検知部41bをサッシ戸15aの縦桟21aの側面46に取り付けたため、これら第1検知部41b及び第1被検知部41aを既存のクレセント31及びサッシ戸15aに取り付けることができる。また、第2被検知部42aをクレセント31のハンドル36の側面36aに取り付け、第2検知部42bをサッシ戸15bのガラス板17bの屋内面44に取り付けたため、これら第2検知部42b及び第2被検知部42aをそれぞれ既存のクレセント31及びサッシ戸15bに取り付けることができる。
【0053】
また、第1被検知部41aをクレセント31のハンドル36に取り付けたため、ハンドル36に第1被検知部41aを取り付けたり、サッシ戸15aに第1検知部41bを取り付けたりする際には、それらを取り付けし易い位置にハンドル36を移動させてから取付作業を行うことができる。また、同様に、第2被検知部42aをハンドル36に取り付けたため、ハンドル36に第2被検知部42aを取り付けたり、サッシ戸15bに第2検知部42bを取り付けたりする際にも、取り付けし易い位置までハンドル36を移動させてから取付作業を行うことができる。よって、この場合、既設の建物10に比較的容易に後付けすることができる。
【0054】
ハンドル36が施錠位置にある場合にはハンドル36とサッシ戸15aとが当該サッシ戸15aの開閉方向に対向し、それら対向する両者15a,36の各対向面、すなわちハンドル36の側面36bとサッシ戸15aの側面46とのうち、ハンドル36の側面36bに第1被検知部41aを取り付け、サッシ戸15aの側面46に第1検知部41bを取り付けた。これにより、ハンドル36が施錠位置にある場合には第1検知部41b及び第1被検知部41aがハンドル36とサッシ戸15aとの間にそれぞれ配置されるため、第1検知部41b及び第1被検知部41aを目立ちにくくすることができる。
【0055】
ハンドル36が施錠位置にある場合にはハンドル36とサッシ戸15bとが屋内外方向に対向し、それら対向する両者15b,36の各対向面、つまりハンドル36の側面36aとサッシ戸15aの屋内面44とのうち、ハンドル36の側面36aに第2被検知部42aを取り付け、サッシ戸15aの屋内面44に第2検知部42bを取り付けた。これにより、ハンドル36が施錠位置にある場合には第2検知部42b及び第2被検知部42aが屋内側から見てハンドル36の裏側に配置されるため、それら両者42a,42bを目立ちにくくすることができる。
【0056】
ところで、クレセント錠30の施錠状態で地震が発生した場合には、サッシ戸15が振動してクレセント錠30が破壊されることが想定され、その場合、サッシ戸15が意図せず開いてしまうおそれがある。特に、サッシ戸15は掃き出し窓用の大型のサッシ戸であり、しかもガラス板17として複層ガラスを用いているため、サッシ戸15の重量が大きくなっている。そのため、このような事態が生じ易いと考えられる。その点、制御部52による防犯処理によれば、地震に伴いサッシ戸15が開いた場合にも、開いた旨が住人の携帯機器56に報知されるため、住人は外出中であっても迅速な対応をとることができる。
【0057】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0058】
(1)上記実施形態では、第1センサ41の第1被検知部41aをクレセント31のハンドル36に取り付け、第1検知部41bをサッシ戸15aに取り付けたが、これを逆にして、ハンドル36に第1検知部41bを取り付け、サッシ戸15aに第1被検知部41aを取り付けてもよい。これと同様に、第2センサ42についても、上記実施形態と逆の取付態様にして、ハンドル36に第2検知部42bを取り付け、サッシ戸15bに第2被検知部42aを取り付けるようにしてもよい。
【0059】
(2)上記実施形態では、第1被検知部41aをハンドル36の縦桟21a側の側面36bに取り付けたが、これを変更して、第1被検知部41aをハンドル36が施錠位置にある場合における当該ハンドル36の屋外側の側面36a又は屋内側の側面に取り付けてもよい。この場合にも、第1被検知部41aと第1検知部41bとを、ハンドル36が施錠位置にある場合に第1被検知部41aが第1検知部41bにより検知される所定の位置関係で配置するようにすればよい。
【0060】
(3)上記実施形態では、第2被検知部42aをハンドル36の屋外側の側面36aに取り付けたが、これを変更して、第2被検知部42aをハンドル36の縦桟21a側の側面36b又は反縦桟21a側の側面に取り付けてもよい。その場合にも、第2被検知部42aと第2検知部42bとを、ハンドル36が施錠位置にある場合に第2被検知部42aが第2検知部42bにより検知される所定の位置関係で配置するようにすればよい。
【0061】
(4)第1検知部41bと第2検知部42bとの両方により共通に検知される第3被検知部をクレセント31のハンドル36に取り付けるようにしてもよい。その場合の具体例を
図7に示す。
図7に示す例では、クレセント31のハンドル36に第3被検知部61が取り付けられている。第3被検知部61はマグネットからなり、ハンドル36の先端面(ハンドルの外面に相当)に接着剤等により取り付けられている。つまり、第3被検知部61は、ハンドル36が施錠位置にある場合における当該ハンドル36の上端面に取り付けられている。
【0062】
第1検知部41bは、サッシ戸15aの縦桟21aの側面46に取り付けられ、ハンドル36が施錠位置にある場合には、第1検知部41bと第3被検知部61とがサッシ戸15aの開閉方向に対向配置される。そして、そのように両者41b,61が対向配置される位置関係(所定の位置関係に相当)にある場合に第3被検知部61が第1検知部41bにより検知される。
【0063】
第2検知部42bは、サッシ戸15bのガラス板17bの屋内面44に取り付けられている。サッシ戸15a,15bの閉状態においてハンドル36が施錠位置にある場合には、第2検知部42bと第3被検知部61とが屋内外方向に対向配置される。そして、そのように両者42b,61が対向配置される位置関係(所定の位置関係に相当)にある場合に第3被検知部61が第2検知部42bにより検知される。
【0064】
上記の構成では、ハンドル36に被検知部(つまり第3被検知部61)を1つだけ取り付ければよいため、防犯システムを後付けする上で、より一層後付けし易くすることができる。
【0065】
(5)第1センサ41及び第2センサ42としては、必ずしも磁気式の近接センサを用いる必要はなく、例えば誘導形の近接センサや静電容量形の近接センサを用いてもよい。要するに、検知対象としての被検知部と、その被検知部を検知する検知部とを有するセンサであれば、第1センサ41及び第2センサ42として用いることが可能である。また、近接センサ以外に、検知対象を接触検知するリミットスイッチ等の接触式センサを用いることも可能である。
【0066】
(6)上記実施形態では、警戒処理として、報知処理(ステップS15)を行ったが、報知処理に代えて又は加えて、不審者を威嚇する威嚇処理を行ってもよい。威嚇処理としては、例えば窓部12周辺にブザー等の警報機器を設け、その警報機器より警報音を鳴らす処理を行うことが考えられる。この場合、不審者が窓部12から建物10内に侵入するのを未然に防止することが可能となる。
【0067】
(7)上記実施形態では、報知処理の際、住人に対して報知を行ったが、これに代えて又は加えて、警察等の外部機関に報知を行ってもよい。その場合、外部の者に迅速に助けを求めることが可能となる。
【0068】
(8)上記実施形態では、建物10への出入りが可能な窓部12(出入口)、つまり掃き出し窓に本発明の防犯システムを適用したが、出入口以外の窓部に本発明の防犯システムを適用してもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…建物、12…建物開口部としての窓部、15a…内側開閉体としてのサッシ戸、15b…外側開閉体としてのサッシ戸、30…クレセント錠、31…クレセント、32…クレセント受け、36…ハンドル、36a,36b…外面としての側面、37…係合爪、41a…第1被検知部、41b…第1検知部、42a…第2被検知部、42b…第2検知部、44…外面としての屋内面、46…外面としての側面、52…制御手段としての制御部、56…外部機器としての携帯機器。