(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】パッケージ構造
(51)【国際特許分類】
H05B 33/04 20060101AFI20230413BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230413BHJP
H05B 33/06 20060101ALI20230413BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230413BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230413BHJP
【FI】
H05B33/04
G09F9/30 309
H05B33/06
H05B33/14 A
H10K59/00
(21)【出願番号】P 2020523482
(86)(22)【出願日】2018-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2018107599
(87)【国際公開番号】W WO2019140948
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-01-15
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】201820093096.4
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】陳兆礼
(72)【発明者】
【氏名】張金方
(72)【発明者】
【氏名】張露
【合議体】
【審判長】松波 由美子
【審判官】川口 聖司
【審判官】清水 康司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014- 112666(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0098797(US,A1)
【文献】特開2007-200835(JP,A)
【文献】特開2006-286393(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0003006(US,A1)
【文献】特開平11-109370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50 - 51/56
H01L 27/32
H05B 33/00 - 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側に電源端子を有する第1の基板と、
第2の基板と、
前記電源端子に接続され、且つ、前記一方側の長手方向において前記電源端子から前記一方側における両端まで延在する金属延在層と、
前記第1の基板と前記第2の基板の間に設けられ、前記第1の基板と前記第2の基板とを固定するパッケージ層と、を備え、
前記金属延在層は、前記パッケージ層の、前記第1の基板における正投影の内部に位置し、
前記第1の基板は多角形を呈し、前記電源端子は前記多角形の1つの辺に位置し、
前記多角形の他の辺にさらに第1の金属層を有し、且つ、前記パッケージ層は前記第1の金属層上に位置
し、
前記第1の金属層は、前記電源端子に接続されていない、
ことを特徴とするパッケージ構造。
【請求項2】
前記第2の基板は、パッケージカバープレートである
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項3】
前記金属延在層は、複数の第1の通し穴を有し、前記複数の第1の通し穴の配列位置が均等である
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項4】
前記電源端子には、複数の第2の通し穴が設けられ、前記第2の通し穴は、四角形を呈する
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項5】
前記金属延在層の延在方向に垂直な方向において、
前記金属延在層の長さは、前記パッケージ層の長さと同じであり、或いは、
前記金属延在層の長さは、前記パッケージ層の長さの1/4~1/3であり、且つ、前記金属延在層は、前記パッケージ層の中間位置に位置する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のパッケージ構造。
【請求項6】
前記電源端子は、作動電圧端子及び共通アース端子を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項7】
前記金属延在層は、それぞれ前記作動電圧端子と前記共通アース端子から前記一方側における両端に延在し、かつ前記作動電圧端子と前記共通アース端子から対向して延在する部分が接触しない
ことを特徴とする請求項6に記載のパッケージ構造。
【請求項8】
前記第1の金属層は、複数の第3の通し穴を有し、
前記金属延在層は、折れ線状を呈する
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のパッケージ構造を採用する
ことを特徴とするOLED表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2018年01月19日に出願した出願番号201820093096.4の中国出願の優先権を主張し、参照によりその内容を全て本願に組み込む。
本開示は、表示技術分野に関し、具体的に、パッケージ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
平面表示装置は、本体が薄く、省電力、無輻射など多くの利点を有するため、広く応用されている。従来の平面表示装置は、主に液晶表示装置(Liquid Crystal Display,LCD)及び有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode,OLED)表示装置が挙げられる。
OLED表示装置の製造過程では、パッケージプロセスが含まれ、例えばガラス接着剤(frit)でパッケージすることが挙げられる。しかしながら、パッケージ過程では、レーザーパッケージ過程における熱の影響により、温度勾配及び応力の大きさの分布が不均一で、かつ材料の熱膨張係数とマッチングしない場合、ガラス接着剤の下の膜層にクラックが発生しやすいため、信号線が断線して表示異常となりうる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、信号線の断線が抑えられるパッケージ構造を提供することを目的とする。
【0004】
上述の技術的問題を解決するため、本開示は、一方側に電源端子を有する第1の基板と、第2の基板と、前記電源端子に接続され、且つ、前記一方側の長手方向において前記電源端子から前記一方側における両端まで延在する金属延在層と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に設けられ、前記第1の基板と前記第2の基板とを固定するパッケージ層と、を備え、前記金属延在層は、前記パッケージ層の、前記第1の基板における正投影の内部に位置し、前記第1の基板は多角形を呈し、前記電源端子は前記多角形の1つの辺に位置し、前記多角形の他の辺にさらに第1の金属層を有し、且つ、前記パッケージ層は前記第1の金属層上に位置し、前記第1の金属層は、前記電源端子に接続されていない、パッケージ構造を提供する。
以上
【0005】
前記第2の基板は、パッケージカバープレートであってもよい。
前記のパッケージ構造は、前記金属延在層が複数の第1の通し穴を有してもよい。
前記のパッケージ構造は、前記複数の第1の通し穴の配列位置が均等であってもよい。
前記電源端子には第2の通し穴が設けられてもよい。
前記第2の通し穴は、四角形を呈してもよい。
前記のパッケージ構造は、前記金属延在層の延在方向に垂直な方向において、前記金属延在層の長さが、前記パッケージ層の長さと同じであってもよい。
前記のパッケージ構造は、前記金属延在層の延在方向に垂直な方向において、前記金属延在層の長さが、前記パッケージ層の長さの1/4~1/3であってもよい。
前記金属延在層は、前記パッケージ層の中間位置に位置してもよい。
前記のパッケージ構造は、前記電源端子が、作動電圧端子及び共通アース端子を含んでもよい。
前記のパッケージ構造は、前記金属延在層が、それぞれ前記作動電圧端子と前記共通アース端子から前記一方側における両端に延在し、前記作動電圧端子と前記共通アース端子から対向して延在する部分が接触しなくてもよい。
前記のパッケージ構造は、前記第1の基板が多角形を呈し、前記電源端子は前記多角形の1つの辺に位置してもよい。
前記のパッケージ構造は、前記多角形の他の辺に更に第1の金属層を有し、前記パッケージ層が前記第1の金属層に位置してもよい。
前記のパッケージ構造は、前記第1の金属層が複数の第3の通し穴を有してもよい。
前記金属延在層は、折れ線状を呈してもよい。
【0006】
本開示のもう1つの様態として、本開示は、上述のパッケージ構造を採用するOLED表示装置を更にに提供する。
【0007】
本開示に係るパッケージ構造は、一方側に電源端子を有する第1の基板と、第2の基板と、前記一方側の長手方向において前記電源端子から前記一方側における両端まで延在する金属延在層と、前記金属延在層を覆い且つ前記第1の基板と前記第2の基板とを固定するパッケージ層と、を備える。それで、金属の延在充填によって、熱の伝導が改善され、信号線の断線が抑えられる。
【0008】
さらに、前記金属延在層の幅と前記パッケージ層の幅を同じように設けることにより、膜層の厚さの均一性を高める。
さらに、前記金属延在層に第1の通し穴を設けることにより、応力を効果的に解消し、信号線が断線するリスクを抑える。
さらに、金属延在層を前記パッケージ層の中間位置に位置させることにより、応力が集中するクラックの開始点を除去し、信号線が断線するリスクを抑える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図2は、本開示一実施例におけるパッケージ構造の模式図である。
【
図4】
図4は、本開示一実施例における金属延在層の模式図である。
【
図5】
図5は、本開示の他の一実施例における金属延在層の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の目的、技術手段及び長所をより明らかにするために、以下、図面を参照しながら、本開示をより詳細に説明する。明らかに、ここで説明する実施例は本開示の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。
以下、模式図に合わせて本開示のパッケージ構造をより詳しく説明する。本開示の好適な実施例が記載されているが、ここで記載された本開示が改良されても依然として本開示の有利な効果を実現することが可能であることを、当業者は理解すべきである。したがって、以下の説明は当業者に広く理解されるためのものであり、本開示に対する制限ではないと理解すべきである。
以下の段落において、図面を参照しながら、例を挙げる形で本開示をより詳しく説明する。以下の説明及び特許請求の範囲により、本開示の長所及び特徴は一層明確になる。説明したいのは、図面はいずれも極簡略化された形式であり、しかも概略縮尺を使用しており、便利で明確に本開示の実施例の目的を補助的に説明するためのものに過ぎない。
以下の説明において、層(又は膜)、領域、パターン又は構造が、基板、層(又は膜)、領域、パッド及び/又はパターンの「上」にあると記載されている場合、それは他の層又は基板に直接配置されてもよいし、及び/又は挿入層がさらに存在してもよいと理解すべきである。また、層が他の層の「下」にあると記載されている場合、それは他の層の下に直接配置されてもよいし、及び/又は1つあるいは複数の挿入層が存在してもよいと理解すべきである。また、各層の「上」及び「下」を図面に基づいて規定することができる。
【0011】
図1を参照すると、発明者は次のようなパッケージ構造を開発した。該パッケージ構造は基板1を含み、基板1は多角形(例えば、矩形)を呈し、1つの辺には電源端子4を有し、他の辺には金属層3を有し、パッケージ層2(例えば、ガラス接着剤)は基板1の周方向全体(例えば、リング状)を囲み、前記パッケージ層2は金属層3と電源端子4の上方に位置し、他の1つの基板(図示せず)は、パッケージ層2を介して、基板1と共にパッケージされる。
しかしながら、基板1には通常、信号線などの膜層が存在する。上述のように、パッケージを行う際に、高温などの原因で、パッケージ層2(例えば、ガラス接着剤)下の膜層にクラックが発生し、信号線が断線して、表示異常になる。発明者は更なる研究によって、クラックが主にパッケージ層2(例えば、ガラス接着剤)の箇所で発生し、さらに延在して他の膜層に影響を与えることを見出した。
そこで、本開示は、一方側に電源端子を有する第1の基板と、第2の基板と、前記一方側の長手方向において前記電源端子から前記一方側における両端まで延在する金属延在層と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に設置され、前記金属延在層を覆い且つ前記第1の基板と前記第2の基板とを固定するパッケージ層と、を備えるパッケージ構造を提供する。
以下は、前記タッチパネル構造及びその製造方法の好適な実施例を挙げ、本開示の内容を明確に説明するためである。理解すべきなのは、本開示の内容は以下の実施例に限っておらず、当業者による慣用手段に基づく改良も本開示の思想範囲内である。
【0012】
図2~
図5に示すように、本開示の実施例のパッケージ構造は、一方側に電源端子41、42を有する第1の基板10と、第2の基板60と、前記一方側の長手方向(例えば、A-A’方向)において前記電源端子41、42から前記一方側における両端まで延在する金属延在層411、421と、前記金属延在層411、421を覆い且つ前記第1の基板10と前記第2の基板60とを固定するパッケージ層20と、を備える。
図2には、便宜のため、第2の基板60を示すことを省略している。
前記第1の基板10は、例えば表示基板であってもよい。前記第1の基板10上に、例えば、表示構造を形成し、例えばOLED構造などを形成する。前記第1の基板における表示構造の具体的な選択について、本開示は特に限定せず、実際の必要に応じて設計されてもよい。例えば、前記基板10上には、さらに公知の駆動回路が形成でき、駆動回路の駆動トランジスタのドレインは、ビアを介してOLEDの下部電極に電気的に接続され、駆動回路の具体的な構造及び形成方法はこの分野でよく知られている内容であり、ここでは詳しく紹介しない。前記基板10上に、基板上の駆動回路を保護するためのパッシベーション層をさらに形成できる。好ましくは、前記パッシベーション層は、無機材料であり、例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどが挙げられる。しかしながら、理解すべきなのは、以上はパッシベーション層の実例を取り上げたのに過ぎず、その選択範囲は上記例に限っておらず、既知の公開又は商業化された材料範囲内から選択されてもよい。
前記表示構造の周囲には、例えば、表示構造に電圧を印加する駆動領域があってもよい。例えば、
図2に示す第1の金属層30は、前記駆動領域に位置している。
【0013】
本開示一実施例では、前記第1の基板10は多角形を呈し、電源端子が多角形の1つの辺に位置する。例えば、第1の基板10は矩形を呈し、電源端子が矩形の1つの辺に位置する。
【0014】
更なる一実施例では、前記多角形の他の辺に第1の金属層30をさらに有し、前記パッケージ層20は第1の金属層30上に位置する。
【0015】
更なる一実施例では、第1の金属層30には複数の第3の通し穴が設けられて、応力を効果的に解消し、信号線が断線するリスクを抑える。
【0016】
一実施例では、前記第2の基板60は、例えば、パッケージ基板であってもよい。
本開示一実施例では、前記電源端子41、42の数は1つに限っていない。例えば、作動電圧(VDD)端子及び共通アース(VSS)端子を備えることができる。
図2に示すように、前記電源端子41、42は、2つのVDD端子41及び2つのVSS端子42を含み、2つのVDD端子41が中央に位置し、2つのVSS端子42が2つのVDD端子41の両側に位置する。
理解すべきなのは、VDD端子41とVSS端子42との接触は好ましくないので、VDD端子及びVSS端子から延在する金属延在層411、421も接触しないことが好ましい。即ち、前記金属延在層411、421は、それぞれ前記VDD端子41とVSS端子42から前記両端に延在し、かつ前記VDD端子41とVSS端子42から対向して延在する部分は接触しない。
図2における前記VDD端子41及びVSS端子42から対向して延在する金属延在層411、421は正面対向してもよいが、無論、互い違いに配置されてもよい。この場合、前記VDD端子41とVSS端子42から対向して延在する金属延在層411、421は共に重なる部分を有してもよいが、無論、同様に接触しないほうが好ましい。
【0017】
更なる一実施例では、前記金属延在層411、421の材質はリチウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム、インジウム、銅、金、銀のうちの1種又は合金である。
更なる一実施例では、
図2に示すように、前記金属延在層411、421は、前記電源端子41、42から両側に延在している。具体的には、矩形の第1の基板10を例とすると、電源端子41、42は、該第1の基板10の一方側に位置し、前記金属延在層411、421は、前記電源端子41、42から両側の対向する辺へ延在し、ちょうどパッケージ層20の所在位置まで延在してもよい。
これにより、パッケージ層20を加熱してパッケージを行うとき、発生した熱は金属延在層411、421を通ってうまく転移されて、熱の伝導が改善される。よって、局所的な温度差が過度になることを防ぎ、信号線の断線を抑える。
【0018】
本開示一実施例では、前記金属延在層411、421は、
第1の通し穴50を有する。
図4を参照しながら、そのうちの一部の前記金属延在層421を例として説明する。前記金属延在層421は、電源端子42(具体的には、VSS端子)から延在し、前記
第1の通し穴50は、前記金属延在層421内に配列されてもよい
。また、前記電源端子42
には第2の通し穴50’が配列されてもよい。電源端子42における
第2の通し穴50’は、金属延在層421における
第1の通し穴50と同じ位置(例えば、水平方向の位置)にあってもよいし、前記電源端子42全体に亘って配列されてもよい。
更なる一実施例では、前記
第1の通し穴50は、均等に配列されてもよいし、不均等に配列されてもよい。例えば、断線が発生しやすい箇所には
第1の通し穴50が比較的に多く、断線が発生しにくい箇所には
第1の通し穴
50がないか又は比較的に少なく設置する。
さらに、もう1つの実施例では、前記
第1の通し穴50
及び第2の通し穴50’は、例えば四角形を呈し、サイズ(例えば、辺の長さ)は50μm~100μmである。
【0019】
本開示の実施例は、金属延在層411、421に
第1の通し穴50を設けることにより、前記
第1の通し穴50により応力を効果的に解消し、信号線が断線するリスクを抑える。
本開示一実施例では、前記金属延在層421の幅W2は、前記パッケージ層20の幅W1と同じである。これにより、温度差を効果的に改善できるほか、膜層の厚さの均一性を高める作用をさらに果たすことができる。
無論、前記金属延在層411、421は
第1の通し穴50を有しなくてもよい。例えば、
図5に示すように、そのうちの一部の前記金属延在層421を例として説明すると、一枚の金属がそのまま延在してもよい。
第1の通し穴
50を有しないときの応力問題を考慮すると、金属延在層421の幅を適宜狭くすることができる。例えば、前記金属延在層421の幅W3を前記パッケージ層20の幅W1の1/4~1/3とする。さらに、クラックが出現するときは、前記パッケージ層20の中間位置から始まることが一般的である。つまり、それが応力の集中部分と見なすことができる。したがって、前記金属延在層421は前記パッケージ層20の中間位置に位置することができ、これにより応力を良く分散するという作用を果たすことができる。
【0020】
理解すべきなのは、前記金属延在層421は上述の状況に限定されない。例えば、さらに折れ線状などが挙げられる。当業者は、必要に応じて調整することができる。
明らかに、前記金属延在層411は、前記金属延在層421とほぼ一致してもよく、相違点として、延在方向と延在の長さが若干異なってもよい。
前記パッケージ層20は、第1の基板10と第2の基板60を固定して(例えば、粘着方式を採用)パッケージシートを形成することに用いられる。一般的には、微細なガラス粒子を含むガラス接着剤(frit)が挙げられる。ガラス粒子は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カリウム(K2O)、酸化ホウ素(B2O3)、酸化バナジウム(V2O5)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化テルル(TeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化鉛(PbO)、酸化錫(SnO)、酸化リン(P2O5)、酸化ルテニウム(Ru2O)、酸化ルビジウム(Rb2O)、酸化ロジウム(Rh2O)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化銅(CuO)、酸化チタン(TiO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、鉛-ホウ素酸塩ガラス、錫-リン酸塩ガラス、バナジウム酸塩ガラス及びホウ素ケイ素酸塩などの材料のうちの1種又は複数種を含む。
【0021】
封止の信頼性を高めるために、ガラス接着剤が第1の基板10の周方向全体を囲むようにする。一般的には、ガラス接着剤によって被覆される箇所をパッケージ領域と称する。
【0022】
また、前記金属延在層の設計は(例えば、金属延在層が第1の通し穴50を有するか、又は金属延在層の幅が小さい)、パッケージ層20と金属延在層の下方の誘電層との接触に有利であるため、パッケージの効果が高められる。
【0023】
以上をまとめると、本開示の実施例に係るパッケージ構造は、一方側に電源端子を有する第1の基板と、第2の基板と、前記一方側の長手方向において前記電源端子から前記一方側における両端まで延在する金属延在層と、前記金属延在層を覆い且つ前記第1の基板と前記第2の基板とを固定するパッケージ層と、を備える。したがって、金属の延在充填を利用して熱の伝導を改善し、ひいては信号線の断線を抑える。
【0024】
さらに、前記金属延在層と前記パッケージ層の幅を同じにすることにより、膜層の厚さの均一性を高める役割を果たすことができる。
【0025】
さらに、前記金属延在層に第1の通し穴50を設計することにより、応力を効果的に解消し、信号線が断線するリスクを抑える。
【0026】
さらに、金属延在層を前記パッケージ層の中間位置に位置させることにより、応力が集中するクラックの開始点を除去し、信号線が断線するリスクを抑える。
【0027】
本開示の実施例は、上述のパッケージ構造を採用するOLED表示装置をさらに提供する。
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変形をなし得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本開示のそのような修正および変形が本開示請求項およびその均等物の範囲内にある場合、本開示はそのような修正および変形を含むことを意図している。