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特許7261819改善された人間工学に基づいてサンプリングピペットの先端をエジェクトするためのシステム
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  • 特許-改善された人間工学に基づいてサンプリングピペットの先端をエジェクトするためのシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】改善された人間工学に基づいてサンプリングピペットの先端をエジェクトするためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B01L 3/02 20060101AFI20230413BHJP
【FI】
B01L3/02 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020560992
(86)(22)【出願日】2019-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 FR2019051023
(87)【国際公開番号】W WO2019215405
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】1853943
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513310243
【氏名又は名称】ジルソン エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルヴォワザン,エルベ
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-530211(JP,A)
【文献】特表2018-532588(JP,A)
【文献】特表2014-530090(JP,A)
【文献】特表2006-528546(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0074988(US,A1)
【文献】特開平06-023283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 1/00-99/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 35/00-37/00
G01F 11/00-11/46
G01F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-操作者の親指(4)により並進移動されるためのコーンエジェクション(押し外し)ノブ(25)と、
-コーンエジェクション装置(24)と、
-前記コーンエジェクション装置(24)を高位置に戻すことができる弾性戻し手段(32)と、を備えた、収集ピペット用のコーンエジェクションシステム(2)であって、
前記コーンエジェクションシステム(2)が、さらに、前記コーンエジェクション装置(24)を制御するための制御レバー(40)を備え、前記制御レバーが、
-前記収集ピペットの部品(46)上に取り付けられるための第1端部(40a)と、
-前記コーンエジェクションノブ(25)により付勢されるように前記コーンエジェクションノブ(25)と協働する第2端部(40b)と、
-前記コーンエジェクション装置(24)を作動させるための中間部分(40c)と、を含むことを特徴とする、コーンエジェクションシステム(2)。
【請求項2】
-前記制御レバー(40)の前記第1端部(40a)が前記収集ピペットの前記部品(46)上にヒンジ連結により取り付けられており、
-前記コーンエジェクションノブ(25)が前記制御レバー(40)の前記第2端部(40b)に支承されており、
-前記制御レバー(40)を作動させるための前記中間部分(40c)が前記コーンエジェクション装置(24)に支承されていることを特徴とする、請求項1に記載のエジェクションシステム。
【請求項3】
前記制御レバー(40)を作動させるための前記中間部分(40c)と前記コーンエジェクション装置(24)との間の接続が球面点接続(50)であることを特徴とする、請求項1に記載のコーンエジェクションシステム。
【請求項4】
前記コーンエジェクション装置(24)が、前記弾性戻し手段(32)により付勢されている上方部分(21)を有し、前記上方部分(21)が、前記収集ピペットのハンドル(6)を形成している固定された本体に収容されるためにあり、前記コーンエジェクション装置(24)が、また、前記上方部分と一体的な下方部分(20)を有し、且つ、前記下方部分(20)がコーンエジェクション端(22)を画成していることを特徴とする、請求項1に記載のコーンエジェクションシステム。
【請求項5】
前記コーンエジェクション装置(24)が、前記収集ピペットの前記固定された本体に対して並進移動可能になっていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のコーンエジェクションシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のコーンエジェクションシステム(2)を備えている収集ピペット(1)。
【請求項7】
前記制御レバー(40)の前記第1端部(40a)がその上に取り付けられている前記部品(46)が、前記収集ピペットのハンドル(6)を形成している前記固定された本体に固定されているか、又は、この固定された本体と共に単一部品として作られていることを特徴とする、請求項6に記載の収集ピペット。
【請求項8】
前記制御レバー(40)の前記第1端部(40a)がその上に取り付けられている前記部品(46)が、前記収集ピペットの長手方向中心軸(8)を中心とし、且つ前記収集ピペットの制御ロッド(10)を通過させていることを特徴とする、請求項6に記載の収集ピペット。
【請求項9】
前記制御レバー(40)の前記第1端部(40a)の枢動軸(48)が、前記収集ピペットの長手方向中心軸(8)と交差していることを特徴とする、請求項6に記載の収集ピペット。
【請求項10】
前記コーンエジェクションノブ(25)のためのリミットストップ(60)を有し、前記リミットストップ(60)が、前記収集ピペットのハンドル(6)を形成している前記固定された本体に固定されているか、又は、この固定された本体と共に単一部品として作られていることを特徴とする、請求項6に記載の収集ピペット。
【請求項11】
前記リミットストップ(60)がエラストマー材料から作られていることを特徴とする、請求項10に記載の収集ピペット。
【請求項12】
前記コーンエジェクションノブ(25)が、前記収集ピペットのハンドル(6)を形成している前記固定された本体から上方に突出していることを特徴とする、請求項6に記載の収集ピペット。
【請求項13】
前記エジェクションノブ(25)が、前記収集ピペットのハンドル(6)を形成している前記固定された本体に対して並進移動可能であることを特徴とする、請求項6に記載の収集ピペット。
【請求項14】
機械的ピペットであることを特徴とする、請求項6に記載の収集ピペット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器などに入っている液体を採取及び分注するためのサンプリングピペット(ラボラトリピペットとも、また、液体移送ピペットとも称する)の分野に関する。
【0002】
本発明は、シングルチャネル又はマルチチャネルタイプの、機械的、電子的、又はハイブリッド型の任意のタイプのピペットに関する。
【0003】
本発明が、より優先的に関連するピペットは、手動作動による機械的ピペットである。これらのピペットは、液体の収集及び分注操作中に操作者より把持されるようになっている。これらの操作は、操作者の親指を介して制御ノブに作動圧力を加えることで制御ノブを動かすことにより行われる。先に述べたように、本発明は、ハイブリッド型ピペットにも、また、いわゆる電子ピペットにも関連している。電子ピペットの内部では、ピストンの運動が、制御ノブに加えられた圧力の結果としての、操作者からの命令を受信したモータにより発生する。
【背景技術】
【0004】
ピペットにより提供される機能の1つは、収集コーンをエジェクトする(押し外す)ことにある。このエジェクションは、通常、操作者が彼/彼女の親指でピペットの上方部分の、制御ノブ付近に位置するエジェクションノブを押すことにより引き起こされる。
【0005】
エジェクションノブを下方移動させると、エジェクションノブと共にエジェクションシステム全体が移動する。エジェクションシステムはその下端にて、ピペット先端に圧入されているコーンの周囲を押圧し、これによりコーンをエジェクトする。このエジェクション(押し外し)は、コーンとピペット先端との間の摩擦力を克服することを必要とする。従って、操作者は、収集コーンを取り外すためにエジェクションノブにかなりの力を加えなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このやり方が、従来技術において知られているピペットでは普及していても、なお、収集コーンのエジェクション機能に関するエルゴノミクスを最適化する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の必要性を少なくとも部分的に満たすために、本発明の目的の1つは、収集ピペット用のコーンエジェクションシステムであり、このシステムは、
-操作者の親指により並進移動されるためのコーンエジェクションノブと、
-コーンエジェクション装置と、
-前記コーンエジェクション装置を高位置に戻すことができる弾性戻し手段と、を備えている。
【0008】
本発明によれば、前記システムは、さらに、前記エジェクション装置を制御するための制御レバーを備え、当該制御レバーは、
-前記ピペットの部品上に取り付けられるための第1端部と、
-前記エジェクションノブにより付勢されるように前記エジェクションノブと協働する第2端部と、
-前記エジェクション装置を作動させるための中間部分と、を含む。
【0009】
従って、本発明は、シンプルで効率的で且つ安価な応答を提供し、収集コーンのエジェクションエルゴノミクスを向上させる。実際、前記制御レバーの特定的な使用により、ノブに加えられるべきエジェクション力が、先行技術の解決方法において必要なエジェクション力よりも有利に小さくなることが分かった。その結果、前記制御レバーを介してのエジェクション力の低減というこの特殊性が、操作者による使用を快適にする。
【0010】
加えて、本発明により提供される解決方法は、前記制御ノブを移動させる線形運動を維持し、これが、コーンエジェクション機能に関するエルゴノミクスの全体的な改善に寄与するという利点を有する。このタイプの線形運動は、さらに、エジェクションノブが破損又は損傷される危険性を極めて低くするため、ピペットの堅牢性を保証する。
【0011】
さらに、本発明は、以下の任意選択的な特徴の少なくともいずれかを、単独で又は組み合わせて含む。
【0012】
好ましくは、前記エジェクションシステムは、以下のように設計される。すなわち、
-前記制御レバーの前記第1端部が前記ピペットの前記部品上にヒンジ連結により取り付けられ、
-前記エジェクションノブが、前記制御レバーの前記第2端部に支承され、
-前記制御レバーを作動させるための前記中間部分が前記コーンエジェクション装置に支承される。
【0013】
この好ましい実施形態において、このように前記制御レバーはその第1端部にてヒンジ連結され、且つ前記エジェクションノブを支承し、且つ、前記エジェクション装置に支承されている。その結果、コーンエジェクション動作中、前記レバーは枢動し、一方、単なる支承ポイントが、前記ノブ及び前記エジェクション装置との接触部にて観察される。
【0014】
別の設計は、例えば、前記制御レバーの前記第2端部と前記エジェクションノブとの間に枢動接続部を設けることであり得る。本発明によりカバーされるこのような場合、前記レバーの前記第1端部が、このレバーと協働するための前記ピペット部品のレールに、スライド可能で且つ枢動可能に取り付けられ得る。同様に、前記中間部分は前記コーンエジェクション装置にヒンジ連結されることができ、前記レバーの両端が単純に前記ピペット部品及び前記エジェクションノブに支承される。
【0015】
好ましくは、前記制御レバーを作動させるための前記中間部分と前記コーンエジェクション装置との間の接続は球面点接続である。このタイプの接続は、前記制御レバーの枢動時の摩擦を可能な限り抑制することを可能にする。これにより、関連する前記部品の摩耗が有利に低減される。さらに、このタイプの接続は、常に軸方向に向けられている力が前記エジェクション装置に伝達され、優れた効率を提供することを可能にする。
【0016】
前記エジェクション装置は、上方部分と下方部分とを有し、前記上方部分は、前記弾性戻し手段により付勢され、且つ、前記ピペットのハンドルを形成している固定された本体に収容されるためにあり、前記下方部分は、前記上方部分と一体的で、且つ、コーンエジェクション端を画成している。
【0017】
前記エジェクション装置は、前記ピペットの前記固定された本体に対して並進移動可能になっている。
【0018】
本発明の別の目的は、上述のようなコーンエジェクションシステムを備えた収集ピペットである。
【0019】
好ましくは、前記制御レバーの前記第1端部がその上に取り付けられている前記部品は、前記ピペットの前記ハンドルを形成している前記固定された本体に固定されているか、又は、この固定された本体と共に単一部品として作られている。
【0020】
好ましくは、前記制御レバー前記第1端部がその上に取り付けられている前記部品は、前記ピペットの長手方向中心軸を中心とし、且つ、前記部品を前記ピペットの制御ロッドが通過している。
【0021】
好ましくは、前記制御レバーの前記第1端部の枢動軸は、前記ピペットの長手方向中心軸と交差し、好ましくは、ほぼ直交して交差している。
【0022】
前記ピペットは、エジェクションノブのためのストロークエンドストップを有し、当該ストップは、前記ピペットの前記ハンドルを形成している前記固定された本体に固定されているか、又は、この固定された本体と共に単一部品として作られている。このストップは、優先的には、エラストマー材料から作られる。
【0023】
好ましくは、前記エジェクションノブが、前記ピペットの前記ハンドルを形成している前記固定された本体から上方に突出している。
【0024】
優先的には、前記エジェクションノブは、前記ピペットの前記ハンドルを形成している前記固定された本体に対して並進移動可能であり、好ましくは、前記ピペットの長手方向中心軸に対して平行に並進移動可能である。
【0025】
最後に、前記ピペットは、好ましくは機械的ピペットであるが、このような手動式収集コーンエジェクションシステムを備えた電子的ピペット又はハイブリッド型ピペットであってもよい。
【0026】
本発明のさらなる利点及び特徴は、以下の非限定的な詳細な説明に現れるであろう。
【0027】
この説明を、添付図面を参照しつつ行う。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による収集ピペットの、コーンエジェクションシステムが非作動アイドル状態のときの側面図である。
図2】コーンエジェクションシステムがエジェクション状態のときの、図1と類似の図である。
図3】コーンエジェクションシステムの、システムのノブが非作動アイドル位置のときの、より詳細な図である。
図4】ノブがコーンエジェクション位置にあるときの、図3と類似の図である。
図5】エジェクションノブに関連付けられたストロークエンドストップをより詳細に示した、図4の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1を参照すると、本発明によるコーンエジェクションシステム2を備えた機械的収集ピペット1が示されている。ピペット1は、手動作動設計であり、すなわち、操作者の手により把持され、彼/彼女の親指4を使用してピペットを作動させて、事前に既に吸い込まれている液体を分注させる。
【0030】
より正確には、ピペット1は、上方部分に、ピペットのハンドル6を形成している固定された本体を含み、このハンドルから制御ロッド10が出入りする。ピペットは、このロッド10の高端にピペッティング制御ノブ12を含み、ピペッティング制御ノブ12の上方部分が操作者の親指4により押圧される。
【0031】
ハンドル6の下に、ピペット1は、着脱可能な下方部分14を含む。下方部分14はコーンホルダ先端16を下方終端とし、コーンホルダ先端16が、消耗部品18(収集コーンとも称する)を受け入れる。コーンエジェクションシステム2はエジェクション装置24を含み、エジェクション装置24の下方部分20がハンドル6から突き出てコーンエジェクション端22を画成し、先端16を取り囲んでいる。このエジェクション端22はコーン18の高端に面しており、これにより、コーン18の周囲を押すことによりコーン18が取り外されるようになっている。
【0032】
エジェクション装置24(図1に、その下方部分20のみが見える)が、ハンドル6及び下方部分14(共にピペットの固定部分23を形成している)に対して並進移動可能である様子が示されている。これは、ピペットの長手方向中心軸8に平行な方向に沿った並進移動であり、長手方向中心軸8に沿って、制御ロッド10もまたピペット内で並進移動可能である。さらに、制御ロッド10は、この軸8を中心としている。
【0033】
エジェクションシステム2は、さらにコーンエジェクション(押し外し)ノブ25を含む。エジェクションノブ25もまた、操作者の親指4により制御される。エジェクションノブ25は、ハンドル6の高端に、制御ノブ12から横方向及び軸方向にずらされることにより上方に突出して配置されている。エジェクションノブ25は、ハンドル6に対して並進的に移動可能に、また、ピペットの長手方向中心軸8の方向に対して平行に取り付けられている。
【0034】
従って、図2に示されているようにエジェクションノブ25を操作者の親指により下方に作動させると、このノブがエジェクション装置24を本発明に特有の方法で下方移動させる。これに関しては以下に説明する。デバイス24の下方部分20の移動は、そのエジェクション端22を先端16に沿って並進移動させ、これによりコーン18が押され、そしてコーン18は、この先端から迅速に外れる。この点に関し、図面に記載及び示されている実施形態において、ピペットが、単一の消耗部品18を担持しているモノチャネルピペットであることに留意されたい。しかし、ピペットは、複数のコーンを担持するマルチチャネルピペットであってもよく、それは本発明の範囲から逸脱しない。
【0035】
ここで図3及び図4を参照すると、エジェクションシステム2が、より詳細に示されている。図3は、システムの、非作動のアイドル状態を示している。一方、図4は、同一のシステムの、操作者がエジェクションノブ25を作動させた結果のコーンエジェクション状態を示している。
【0036】
これらの図面において、エジェクションノブ25が、固定された組立体44のガイドレール42上に移動可能に取り付けられており、ガイドレール42は、ハンドル6と一体的な単一部品として形成されるか、又はこのハンドルに固定的に取り付けられていることにより固定されていることに最初に留意されたい。
【0037】
下方部分14に加えて、エジェクション装置24は、ハンドル6に収容されている上方部分21も含む。上方部分の下端は、圧縮ばね32としての弾性戻し手段が押圧する支持プレート30を有する。ばねの他端は、ハンドルと下方部分14との間の接合部(ジャンクション)付近に配置された、ピペットの固定された部品34を押圧し、これにより、デバイス24全体を高位置に戻す。実際、デバイス24の下方部分20と上方部分21とは互いに一体的であり、図4に見られる、固定された部品34を通過しているロッド36により接続されている。
【0038】
本発明の特徴の1つは、エジェクションシステム2内で力を低減する要素、すなわち、制御レバー40の存在にある。このレバー40は、エジェクションノブ25と、制御レバー40が制御するデバイス24の上方部分21との間に介在している。制御レバー40は、まず、上述の組立体44の固定された部品46上にヒンジ連結により取り付けられた第1端部40aを含む。この固定された部品46は、長手方向中心軸8を中心として配置されたスリーブの形態を有し、このスリーブを制御ロッド10が通過する。第1端部40aの枢動軸48は長手方向中心軸8に直交交差しており、図3に示されている非作動アイドル位置を占めているときには、エジェクションノブ25から下方にずらされた位置にある。
【0039】
第1端部40aは、単一のヒンジ連結されたブランチにより形成されても、或いは、クレビスの形態を有してもよく、クレビスの2つのラグが、各々、固定された部品46に、同一の軸48に沿ってヒンジ連結される。クレビスの場合、両方のクレビスラグのそれぞれが、両方のラグ間に受け入れられている固定された部品46の各側に配置されることになる。
【0040】
レバー40は、第1端部40aの反対側に第2端部40bを有し、第2端部40bにてエジェクションノブ25の下端を支承している。これは、レバー40が枢動するときに生じる摩擦及び摩耗を抑制するために球面又は円筒面タイプの接続であり得る。
【0041】
最後に、レバー40は、また、作動中間部分40cも含む。作動中間部分40cは、両端40aと40bとの間に、好ましくは、両端40aと40bとのほぼ中央にあるように配置されている。この作動中間部分40cは、デバイス24の上方部分21を、この部分21の高端を押圧することにより並進作動させるように設けられている。これを行うために、球面点接続50が、この中間部分40cと上方部分21との間に、例えば、球状キャップ52を制御レバーの部分40c内に設けることにより設けられている。さらに、このタイプの接続は、常に軸方向に向けられているエジェクション力が上方部分21に伝達されて、優れた効率を提供することを可能にする。
【0042】
或いは、現存の(in presence)部品の摩耗をさらに防ぐために、球状キャップをエジェクション装置24の上方部分21の高端上に設けてもよい。
【0043】
システム2が、図3の作動アイドル状態にあるとき、第2端部40bは第1端部40aよりも高い位置にある。ノブ25が下方に作動されると、ノブ25が押圧する第2端部40bは下方に移動されて、レバー40を、枢動軸48を中心に回転させる。この回転、すなわち、レバー40が中間位置(レバー40が長手方向中心軸8に対してほぼ直交状態に向けられる)を通過する回転において、中間部分40cは上方部分21を押圧し、エジェクション装置24全体を下方に移動させる。レバー40のこの回転は、システム2が、図4に示したそのエジェクション状態になるまで続き、エジェクション状態において、第2端部40bは第1端部40aよりも低い位置になる。
【0044】
このエジェクション位置は、レバーに関連付けられたストロークエンドストップによりマーク付けされる(marked)のではなく、レバー40の損傷のリスクを抑制するために、エジェクションノブ25のストロークエンドストップよりマーク付けされる。この場合、このストップは、図5に示されているように、エラストマー材料から作られた1以上のシール60の形態である。これらのシール60はガイドレール42により、ガイドレール42の高端にて担持されており、これは、操作者用の押圧ゾーンを形成するためのノブの高端62に接触されるためである。こうして、エジェクション操作の最後に、彼/彼女の親指で押圧ゾーン62を押す操作者は、彼/彼女の動作を、押圧ゾーン62のエラストマー材料60から成るシール上のストップにより停止させられる。
【0045】
2つの端部位置の間のエジェクションノブ25のストロークの距離は、例えば約10mm~20mmであり、一方、エジェクション装置24の差し込み(incident)ストロークは、ノブ25のストロークの約半分である。
【0046】
単に非限定的な例として以上に記載した本発明に種々の改変が当業者により提供されることは当然である。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により定義される。
【符号の説明】
【0047】
1 収集ピペット
2 コーンエジェクションシステム
6 ハンドル
8 長手方向中心軸
10 ピペット制御ロッド
14 ピペットの下方部分
16 コーンホルダ先端
18 コーン(消耗部品)
20 コーンエジェクション装置の下方部分
21 コーンエジェクション装置の上方部分
22 コーンエジェクション端
24 コーンエジェクション装置
25 コーンエジェクションノブ
32 弾性戻し手段
40 制御レバー
40a 制御レバーの第1端部
40b 制御レバーの第2端部
40c 制御レバーの中間部分
48 枢動軸
50 球面点接続
60 シール
図1
図2
図3
図4
図5