(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】画像制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20230413BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20230413BHJP
G06F 3/0338 20130101ALI20230413BHJP
G06F 3/0354 20130101ALI20230413BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20230413BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20230413BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230413BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20230413BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/0488
G06F3/0338 413
G06F3/0354 450
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/53
A63F13/52
(21)【出願番号】P 2021152093
(22)【出願日】2021-09-17
(62)【分割の表示】P 2016242139の分割
【原出願日】2016-12-14
【審査請求日】2021-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 公輝
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-229716(JP,A)
【文献】特開2014-208258(JP,A)
【文献】特開2012-008877(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0285636(US,A1)
【文献】特開平11-151376(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1361187(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/04895
A63F 13/2145
A63F 13/426
A63F 13/53
A63F 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景画像が表示される表示領域に対する操作が検出されると、第1画像および当該第1画像の周囲に配置される第2画像を含む操作画像を、前記表示領域のうち当該操作が検出された第1操作位置に応じた初期位置に配置し、
前記第1操作位置から第2操作位置へ移動する操作が検出されると、前記第1操作位置と前記第2操作位置との関係に基づいて、前記第2画像の位置を前記初期位置から変更し、前記関係に基づいて前記表示領域の背景画像を制御すること
、
を含み、
前記表示領域に対して所定の操作が検出されると、前記第1画像と前記第2画像との間の領域において第3画像を表示することをさらに含む、画像制御方法。
【請求項2】
背景画像が表示される表示領域に対する操作が検出されると、第1画像および当該第1画像の周囲に配置される第2画像を含む操作画像を、前記表示領域のうち当該操作が検出された第1操作位置に応じた初期位置に配置し、
前記第1操作位置から第2操作位置へ移動する操作が検出されると、前記第1操作位置と前記第2操作位置との関係に基づいて、前記第2画像の位置を前記初期位置から変更し、前記関係に基づいて前記表示領域の背景画像を制御すること、
を含み、
前記第1画像および前記第2画像は、前記背景画像の一部を透過する半透過画像であり、
前記第1画像の透過率と前記第2画像の透過率とが異なる、画像制御方法。
【請求項3】
背景画像が表示される表示領域に対する操作が検出されると、第1画像および当該第1画像の周囲に配置される第2画像を含む操作画像を、前記表示領域のうち当該操作が検出された第1操作位置に応じた初期位置に配置し、
前記第1操作位置から第2操作位置へ移動する操作が検出されると、前記第1操作位置と前記第2操作位置との関係に基づいて、前記第2画像の位置を前記初期位置から変更し、前記関係に基づいて前記表示領域の背景画像を制御すること、
を含み、
前記第1画像および前記第2画像の一方は、前記背景画像の一部を透過する半透過画像であり、他方が前記背景画像を透過しない、画像制御方法。
【請求項4】
前記第1画像が前記半透過画像であり、前記第2画像が前記背景画像を透過しない、請求項3に記載の画像制御方法。
【請求項5】
背景画像が表示される表示領域に対する操作が検出されると、第1画像および当該第1画像の周囲に配置される第2画像を含む操作画像を、前記表示領域のうち当該操作が検出された第1操作位置に応じた初期位置に配置し、
前記第1操作位置から第2操作位置へ移動する操作が検出されると、前記第1操作位置と前記第2操作位置との関係に基づいて、前記第2画像の位置を前記初期位置から変更し、前記関係に基づいて前記表示領域の背景画像を制御すること、
を含み、
前記第2画像には、所定の位置にマーカが配置され、
前記第2画像の位置を前記初期位置から変更するとともに前記第2画像の一部領域の表示態様を変更し、
前記第2画像の前記一部領域と前記マーカの位置とが所定の関係を満たす場合に、第2処理を実行することをさらに含む、画像制御方法。
【請求項6】
背景画像が表示される表示領域に対する操作が検出されると、第1画像および当該第1画像の周囲に配置される第2画像を含む操作画像を、前記表示領域のうち当該操作が検出された第1操作位置に応じた初期位置に配置し、
前記第1操作位置から第2操作位置へ移動する操作が検出されると、前記第1操作位置と前記第2操作位置との関係に基づいて、前記第2画像の位置を前記初期位置から変更し、前記関係に基づいて前記表示領域の背景画像を制御すること、
を含み、
前記表示領域に表示されている前記背景画像は、全体背景画像の一部領域であり、
前記全体背景画像における予め決められた到達目標位置を取得し、前記操作画像に対して前記到達目標位置に対応する目標指示画像を追加することをさらに含む、画像制御方法。
【請求項7】
前記目標指示画像は、前記第2画像の表示態様を変更して表現される、請求項
6に記載の画像制御方法。
【請求項8】
請求項1から請求項
7のいずれかに記載の画像制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの操作に対応する画像を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の携帯端末においてゲームをする場合には、タッチパネルを利用してユーザの操作が入力される。このとき、入力された操作の内容をユーザに認識させるために、操作に応じた画像(以下、操作画像という場合がある)がディスプレイ上に表示される場合がある。操作画像には、ゲームの内容に応じて様々な種類が考えられている。例えば、ユーザの操作によってゲーム中のキャラクタを移動させるゲームの場合には、ディスプレイに事前に仮想的な操作キーが、操作画像として表示される。しかしながら、予め操作画像が表示されているとゲーム画面の一部を占有してしまう。
【0003】
そこで、ユーザの操作があった場合に、その操作があった位置を起点として操作画像を表示させる技術が開発されている。例えば、特許文献1には、ユーザの操作に応じて伸縮するような弾性体を想定した操作画像が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作画像は、ゲーム画面での占有率を少なくしつつも、入力された操作をユーザに対してわかりやすく提示することができることが望ましい。
【0006】
本発明の目的の一つは、入力された操作をユーザに対してわかりやすく提示することができる操作画像を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、背景画像が表示される表示領域に対する操作を検出する検出部と、前記操作が検出されると、第1画像および当該第1画像の周囲に配置される第2画像を含む操作画像を、前記背景画像のうち当該操作が検出された第1操作位置に応じた初期位置に配置する操作画像配置部と、前記第1操作位置から第2操作位置へ移動する操作が検出されると、前記第1操作位置と前記第2操作位置との関係に基づいて、前記第2画像に対応する移動範囲内で前記第1画像の位置を前記初期位置から変更するとともに前記第2画像の一部領域の表示態様を変更する操作画像変更部と、前記関係に基づいて、前記表示領域の背景画像を制御する背景画像制御部としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【0008】
前記移動範囲内は、前記第2画像に囲まれた範囲であってもよい。
【0009】
前記第2画像は、前記初期位置からの位置が変更されなくてもよい。
【0010】
前記第2画像の前記一部領域は、当該第2画像のうち前記第1画像の位置が最も近い部分を含んでもよい。
【0011】
前記第2画像は、前記初期位置における前記第1画像に含まれる所定の位置を中心として、回転対称性を有してもよい。
【0012】
前記第1画像および前記第2画像は、前記背景画像の一部を透過する半透過画像であり、前記第2画像の透過率は、前記第1画像の透過率よりも高くてもよい。
【0013】
前記操作画像配置部は、前記操作が検出されなくなった後に予め決められた時間が経過するまで前記操作の検出がされない場合に、前記操作画像を消去してもよい。
【0014】
前記操作画像変更部は、前記検出部によって所定の操作が検出されると、前記第1画像と前記第2画像との間の領域において第3画像を表示させてもよい。
【0015】
前記操作画像変更部は、前記第3画像が表示されている状態において所定の操作が検出されると、前記第3画像を消去してもよい。
【0016】
前記第3画像の消去に連動して、第1処理を実行する第1処理部をさらに機能させてもよい。
【0017】
前記第2画像には、所定の位置にマーカが配置され、前記第2画像の前記一部領域と前記マーカの位置とが所定の関係を満たす場合に、第2処理を実行する第2処理部をさらに機能させてもよい。
【0018】
前記操作画像配置部は、所定の条件を満たすと前記操作画像のうち第2画像のみを予め決められた位置に配置し、その後に前記操作が検出されると前記初期位置に前記操作画像が配置されるように前記第2画像を移動し、前記背景画像と前記第1操作位置との関係に応じた第3処理を実行する第3処理部をさらに機能させてもよい。
【0019】
前記表示領域に表示されている前記背景画像は、全体背景画像の一部領域であり、前記操作画像変更部は、前記全体背景画像における予め決められた到達目標位置を取得し、前記操作画像に対して前記到達目標位置に対応する目標指示画像を追加してもよい。
【0020】
前記目標指示画像は、前記第2画像の表示態様を変更して表現されてもよい。
【0021】
また、本発明の一実施形態によれば、背景画像が表示される表示領域に対する操作を検出する検出部と、前記操作が検出されると、第1画像および当該第1画像の周囲に配置される第2画像を含む操作画像を、前記背景画像のうち当該操作が検出された第1操作位置に応じた初期位置に配置する操作画像配置部と、前記第1操作位置から第2操作位置へ移動する操作が検出されると、前記第1操作位置と前記第2操作位置との関係に基づいて、前記第2画像に対応する移動範囲内で前記第1画像の位置を前記初期位置から変更するとともに前記第2画像の一部領域の表示態様を変更する操作画像変更部と、前記関係に基づいて、前記表示領域の背景画像を制御する背景画像制御部と、を含むことを特徴とする画像制御装置が提供される。
【0022】
また、本発明の一実施形態によれば、背景画像が表示される表示領域に対する操作を検出する検出部によって前記操作が検出されると、第1画像および当該第1画像の周囲に配置される第2画像を含む操作画像を、前記背景画像のうち当該操作が検出された第1操作位置に応じた初期位置に配置し、前記第1操作位置から第2操作位置へ移動する操作が検出されると、前記第1操作位置と前記第2操作位置との関係に基づいて、前記第2画像に対応する移動範囲内で前記第1画像の位置を前記初期位置から変更するとともに前記第2画像の一部領域の表示態様を変更しつつ、前記関係に基づいて前記表示領域の背景画像を制御することを特徴とする画像制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施形態によれば、入力された操作をユーザに対してわかりやすく提示することができる操作画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における通信装置の外観を示す概略図である。
【
図3】本発明の第1実施形態におけるゲーム画面の概要を説明する図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における通信装置で実現されるゲーム進行機能を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1実施形態における操作画像(初期表示)を説明する図である。
【
図6】本発明の第1実施形態における操作画像(変更後表示)を説明する図である。
【
図7】本発明の第1実施形態における操作画像制御部において実行される処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第1実施形態における操作画像(ガード処理時)を説明する図である。
【
図9】本発明の第1実施形態における操作画像(チャージ処理時)を説明する図である。
【
図10】本発明の第1実施形態における操作画像(回避処理時)を説明する図である。
【
図11】本発明の第1実施形態における操作画像(ダッシュ処理時)を説明する図である。
【
図12】本発明の第1実施形態における操作画像(スキル処理時)の第1ステップを説明する図である。
【
図13】本発明の第1実施形態における操作画像(スキル処理時)の第2ステップを説明する図である。
【
図14】本発明の第1実施形態における操作画像(目標指示処理時)を説明する図である。
【
図15】本発明の第2実施形態における操作画像を説明する図である。
【
図16】本発明の第3実施形態における操作画像を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態におけるゲームシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0026】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態におけるゲームシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
[概要]
図1は、本発明の第1実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。ゲームシステム1000は、通信装置10とサーバ80とを有する。通信装置10およびサーバ80は、インターネット、通信回線などのネットワークNWに接続される。この例では、通信装置10はスマートフォンであり、ネットワークNWに接続して他の装置と通信することができる。なお、通信装置10は、スマートフォンに限らず、タブレット型端末、携帯ゲーム機等の携帯装置であってもよいし、据え置き型のゲーム機、パーソナルコンピュータ等の装置であってもよい。また、ネットワークNWに接続可能な通信装置10に代えて、ネットワークNWに接続ができない装置が単独で用いられてもよい。
【0028】
サーバ80は、
図1においては、1つの装置として記載しているが、複数の装置で構成されていてもよい。サーバ80は、通信装置10にアプリケーションプログラムを提供したり、各種のサービスを提供したりする。アプリケーションプログラムは、サーバ80に含まれる記録媒体(記憶装置)またはサーバ80が読み出し可能な記録媒体に記録されている。アプリケーションプログラムには、例えば、以下に説明するゲームを実行するためのプログラムなどが含まれる。各種のサービスには、例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が含まれていてもよい。
【0029】
通信装置10は、ゲームを実行するためのアプリケーションプログラム(以下、単にプログラムという)がインストールされる。このプログラムによれば、ユーザの操作によってキャラクタ等のオブジェクトを移動させることのできるゲームが提供される。キャラクタを移動させるためのユーザの操作が入力されると、所定の操作画像が表示される。以下、通信装置10の構成について説明する。
【0030】
[通信装置10のハードウエア構成]
図2は、本発明の第1実施形態における通信装置の外観を示す概略図である。通信装置10は、制御部11、記憶部12、表示部14、タッチセンサ15および通信モジュール18が設けられている。タッチセンサ15は、表示部14およびその表面に設けられている。表示部14とタッチセンサ15とによってタッチパネルが構成されている。なお、通信装置10には、スピーカ、マイクロフォン、加速度センサ、操作ボタン、ヘッドフォン端子、メモリカードスロットなど、別の構成が備えられていてもよい。
【0031】
制御部11は、CPUなどの演算処理回路(制御装置)およびRAM等の記憶装置を備える。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能を通信装置10において実現させる。実現される機能によって、通信装置10の各構成から出力される信号などが使用される。プログラムの実行により実現される機能には、後述するゲーム進行機能を含む。このゲーム進行機能においては、後述する操作画像制御機能も含まれている。このように、この通信装置10は、このプログラムによって画像制御装置としても機能する。
【0032】
このプログラムは、上記の通りサーバ80からネットワークNW経由でダウンロードされてもよいし、予め記憶部12にインストールされていてもよい。なお、このプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合には、通信装置10は、記録媒体を読み取る装置を備えたコンピュータであればよい。記憶部12も記録媒体の一例となり得る。
【0033】
表示部14は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置であって、制御部11の制御に基づいて、各種の画面(例えば、ゲーム画面等)を表示する表示領域を有する。タッチセンサ15は、ユーザの操作を受け付けて、操作に応じた信号を制御部11に出力する操作装置である。ユーザの操作は、例えば、表示部14に表示されるゲーム画面に対して、ユーザの指やスタイラスペン等で接触することによって、通信装置10へ入力される。通信モジュール18は、制御部11の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続されたサーバ80など、他の装置と情報の送受信を行う。
【0034】
[ゲーム画面]
図3は、本発明の第1実施形態におけるゲーム画面の概要を説明する図である。表示領域DAに表示されるゲーム画面には、操作画像50および背景画像が表示されている。操作画像50は、ユーザの入力操作に応じて、背景画像に対して手前側(前景側)に見えるように表示される画像である。この例では操作画像50は、背景画像の一部を透過する半透過画像である。なお、操作画像50は、透過性を有しない画像であってもよい。
【0035】
背景画像は、表示領域DAのうち操作画像50に対して奥側(背景側)に存在する画像(操作画像50以外の画像)を示している。この例では、背景画像には、背景マップ画像BM、プレイヤキャラクタ画像PC、敵キャラクタ画像ECおよびダメージゲージDGが含まれている。
【0036】
背景マップ画像BMは、データ上として存在する全体背景画像(
図14における全体背景画像AM)のうち、表示領域DAに表示される部分の画像を示している。プレイヤキャラクタ画像PCは、ユーザの操作によって背景マップ画像BM上を移動するプレイヤキャラクタを示す画像である。この例では、プレイヤキャラクタ画像PCは表示領域DAの中央部分に位置が固定されている。そのため、背景マップ画像BMをスクロールすることによって、相対的にプレイヤキャラクタ画像PCが背景マップ画像BM上を移動している状況を表示する。なお、表示領域DAに全体背景画像の端部が到達した場合には、さらなるスクロールを停止して表示領域DAに全体背景画像の外側が表示されないようにしてもよい。この状態においては、プレイヤキャラクタ画像PCが表示領域DAにおいて移動するようにしてもよい。
【0037】
敵キャラクタ画像ECは、背景マップ画像BM上を移動する敵キャラクタを示す画像である。ダメージゲージDGは、プレイヤキャラクタに対する敵キャラクタ等からのダメージの量を示す画像であって、表示領域DAの所定の位置に配置される。プレイヤキャラクタが敵キャラクタからの攻撃を受けると、ダメージを受けてダメージゲージDGが示すダメージの量が変化する。閾値以上のダメージを受けるとゲームが終了する。以上が、ゲーム画面の概要についての説明である。
【0038】
[ゲーム進行機能]
通信装置10の制御部11がプログラムを実行することによって実現されるゲーム進行機能について説明する。なお、以下に説明するゲーム進行機能を実現する構成の一部または全部は、ハードウエアによって実現されてもよいし、サーバ80等の外部装置によって実現されてもよい。一部の構成が外部装置によって実現される場合には、その外部装置と通信装置10とが協働してシステムとして以下のゲーム進行機能を実現する。
【0039】
図4は、本発明の第1実施形態における通信装置で実現されるゲーム進行機能を示すブロック図である。ゲーム進行機能を実現するゲーム進行部100は、検出部200、背景画像制御部300、操作画像制御部500、キャラクタ制御部700および目標位置特定部800を含む。
【0040】
[検出部]
検出部200は、タッチセンサ15から出力される信号に基づいて、表示領域DAに対するユーザの操作を検出する。検出されたユーザの操作は、背景画像制御部300、操作画像制御部500およびキャラクタ制御部700等の制御に用いられる。
【0041】
[背景画像制御部]
背景画像制御部300は、検出部200によって検出された操作の位置(以下、操作位置という場合がある)に応じて、表示領域DAにおける背景画像を制御する。例えば、第1操作位置(最初に検出された操作位置)と第2操作位置(現在検出されている操作位置)との関係に基づいて、表示領域DAにおける背景画像が制御される。第1操作位置と第2操作位置との間は、検出部200による操作の検出が連続的に行われている。これは、いわゆるスライド操作(例えば、ユーザが表示領域DAの一部に接触し、接触を維持したまま接触する位置を連続的に移動させる操作)をしている状態を示している。そのため、ユーザが指定する位置の変化に伴って、第2操作位置も変化する。
【0042】
この例では、第1操作位置に対する第2操作位置の方向にプレイヤキャラクタが移動する。このとき、背景画像制御部300は、上述したように、表示領域DAにおいて背景マップ画像BMをスクロールさせるようにして、背景画像を制御する。これによって、背景マップ画像BMをプレイヤキャラクタ画像PCが移動しているようにユーザに対して視認させる。このように背景画像に含まれる各画像を変更したり、移動させたりすることが、背景画像制御部300による制御の一例である。
【0043】
[操作画像制御部]
操作画像制御部500は、操作画像配置部510および操作画像変更部530を含み、操作画像制御機能を実現する。操作画像配置部510は、検出部200によって操作が検出されると、表示領域DAに操作画像50を表示する。操作画像50が表示される位置は、検出された操作位置(第1操作位置)に応じた位置である。以下、最初に表示される位置を初期位置という。この例では、第1操作位置と操作画像50の中心と対応するように、操作画像50が表示領域DAに表示される。なお、操作画像50の初期位置は一例であって、第1操作位置に関連して規定されている位置であれば、表示領域DAにおけるどの位置を初期位置としてもよい。
【0044】
図5は、本発明の第1実施形態における操作画像(初期表示)を説明する図である。操作画像50は、第1画像51および第2画像52を含む。第1画像51は、操作画像50の中央部分に配置された円形状の画像である。この例では、第1画像51の中心は、操作画像50の中心Cと一致している。第2画像52は、第1画像51の周囲に配置されている。この例では、第2画像52は、第1画像51を囲むように配置された環形状の画像である。第2画像52は、第1画像51を中心にした複数の方向を示すマーカとして、複数の領域(52-1、52-2、・・・、52-8)に区分されている。以下、これらの各領域を区分領域という場合がある。この例では、それぞれの区分領域は同じ画像で向きが異なるだけである。そして、第2画像52の全体としては、第1画像51の中心(第1画像51に含まれる所定の位置であればよい)に対して、回転対称性を有している。この例では、8回対称であるが、これに限られない。
【0045】
上述したように、操作画像50は、背景画像の一部を透過する半透過画像であってもよい。この例では、第2画像52の透過率は、第1画像51の透過率よりも高い。なお、この関係は逆でもよい。また、第1画像51と第2画像52とは、同じ透過率を有していてもよいし、上述したように、操作画像50が透過性を有していなくてもよく、その場合には第1画像51と第2画像52との少なくとも一方または双方が透過性を有していなくてもよい。
【0046】
図4に戻って説明を続ける。操作画像変更部530は、検出部200によって検出された操作位置(ユーザの操作)が第1操作位置から第2操作位置に移動すると、操作画像50の表示態様を変更する。操作画像変更部530は、第1操作位置と第2操作位置との関係に基づいて、第1画像51の位置を初期位置から変更する。この例では、第1画像51の移動範囲は、第2画像52に囲まれた範囲内に制限される。
【0047】
また、操作画像変更部530は、第1操作位置と第2操作位置との関係に基づいて、第2画像52の一部領域の表示態様を変更する。ここで、操作画像50において、ユーザの操作が第1操作位置から第2操作位置に移動したときの第1画像51および第2画像52の変化について説明する。
【0048】
図6は、本発明の第1実施形態における操作画像(変更後表示)を説明する図である。
図6における説明では、ユーザによる操作位置が第1操作位置T1から第2操作位置T2に変化した場合において、操作画像変更部530によって表示態様が変更された操作画像50を示している。第1操作位置T1に配置された第1画像51は、第2操作位置T2に対応して移動していく。上述したように第1画像51は、第2画像52に囲まれた範囲内で移動が制限される。したがって、第2操作位置T2が
図6に示すように、第2画像52の外側に移動しても、第1画像51は第2画像52と接触した位置でそれ以上の移動が制限される。この例では、第2操作位置T2の位置にかかわらず、一旦表示された第2画像52の位置は初期位置から変更されない。
【0049】
ここで、第1画像51と第2画像52とが接触する位置CPは、第1操作位置T1を起点として第2操作位置T2を示す方向ADと、第2画像52の内周とが交差する位置である。したがって、第2操作位置T2が第2画像52の外側において方向ADが変化するように移動すると、第1画像51の位置は、第2画像52の内周に沿って移動する。
【0050】
また、第2画像52の表示態様が変更されることによって、方向特定領域55を示す画像が表示される。この例では、方向特定領域55は、第2画像52における区分領域の1つに対応する画像であって、第2画像52の環に沿って移動する。方向特定領域55の位置は、第2画像52のうち第1画像51の位置が最も近い部分を含むように設定される。この例では、方向特定領域55の中心位置が方向ADに配置される。このとき、方向特定領域55は、第1画像51が第2画像に接触したときに表示されるようにしてもよいし、第1画像52が少しでも初期位置から移動したときに表示されるようにしてもよい。
【0051】
方向特定領域55の位置によっては、区分領域と一致することになるため、この例では、方向特定領域55の画像は、区分領域に比べて変調された画像であり互いに区別可能になっている。変調とは、例えば、区分領域とは異なる色が付加されている、輪郭線が太いなど、方向特定領域55と区分領域とが異なる表示形態であることを示しているが、方向特定領域55が区分領域に対して強調された表示形態であることが望ましい。さらに、方向特定領域55は、当初表示されていた第2画像52の一部が透過する半透過画像の表示形態で配置される。このようにすると、
図6に示すように、方向特定領域55が区分領域52-1と区分領域52-8との間に配置されている場合であっても、区分領域52-1と区分領域52-8との境界およびこれらの指し示す方向をユーザに視認させることもできる。
【0052】
ここで、プレイヤキャラクタを移動させるときには、ユーザは、表示領域DAにおいて操作位置を大きな範囲で移動させる方が、小さな範囲で移動させるよりも容易に行うことができる。逆にいうと、操作に慣れていないユーザは、操作位置を大きな範囲で移動させてしまいやすく、第1操作位置T1と第2操作位置T2とが大きく離れてしまうこともある。その結果、第1操作位置T1に対する第2操作位置T2の相対位置を見失ってしまい、プレイヤキャラクタの移動方向の制御が難しくなることもあった。
【0053】
上記の操作画像50によれば、第2操作位置T2が第1操作位置T1からから離れていったとしても、第1画像51の移動範囲が制限されている。その結果、ユーザは、操作位置を大きな範囲で移動させたとしても、第2画像52に囲まれた移動範囲における第1画像51の位置を認識することにより、第1操作位置T1と第2操作位置T2との関係、すなわち、方向ADを特定しやすくなる。このとき、第2画像52の一部の表示態様を変更することで、ユーザは基準となる方向と比較した方向ADを認識しやすくなる。また、方向特定領域55の存在によっても方向ADを特定しやすくなる。
【0054】
続いて、操作画像制御機能を実現する操作画像制御部500において実行される処理を説明する。
【0055】
図7は、本発明の第1実施形態における操作画像制御部において実行される処理(画像制御方法)を示すフローチャートである。この処理は、ゲームが開始されると実行される。まず、操作画像制御部500は、ユーザによる操作が検出部200によって検出されるまで待機する(ステップS101;No)。ユーザによる操作が検出されると(ステップS101;Yes)、操作画像制御部500は、操作が検出された位置(第1操作位置)に応じた初期位置に操作画像50を配置する(ステップS103)。
【0056】
続いて、操作画像制御部500は、操作が検出された位置が変更されるまで、または操作の検出が終了するまで待機する(ステップS111;No、ステップS121;No)。操作が検出された位置が変更されると(ステップS111;Yes)、変更された位置(第2操作位置)と第1操作位置との関係に応じて操作画像50の表示態様を変更する(ステップS113)。操作画像50の表示態様の変更は、上述したように、第1画像51の位置の変更、第2画像52の一部領域の表示態様の変更を含む。その後、再び、操作画像制御部500は、操作が検出された位置がさらに変更されるまで、または操作の検出が終了するまで待機する(ステップS111;No、ステップS121;No)。
【0057】
操作の検出が終了すると(ステップS121;Yes)、操作画像制御部500は、操作画像50を消去し(ステップS123)、ステップS101の処理に戻る。操作の検出が終了したと判定されるのは、この例では、一定時間にわたって操作が検出されなかった場合、すなわち、操作が検出されなくなった後に予め決められた時間が経過するまで操作が検出されなかった場合である。ここで、操作が検出されなくなった後に予め決められた時間が経過する前に再び操作が検出された場合には、第1操作位置はそのまま維持され、再び操作が検出された位置が第2操作位置となる。すなわち、操作が検出された位置が変更されたものとして判断される(ステップS111;Yes)。なお、操作が検出されなくなった時点で、操作の検出が終了したと判定されてもよい。以上が、操作画像制御部500において実行される処理の説明である。
【0058】
[キャラクタ制御部]
図4に戻って説明を続ける。キャラクタ制御部700は、検出部200によって検出された操作に応じて特殊な動作(通常の移動以外の動作)をするように、プレイヤキャラクタを制御する。この例では、キャラクタ制御部700は、ガード処理部710、チャージ処理部730、回避処理部750、ダッシュ処理部770およびスキル処理部790を含む。なお、この例では、キャラクタ制御部700によりプレイヤキャラクタが制御されるときに、特殊な動作をしている状態であること、または特殊な動作を開始するための操作が入力されている状態であることが、ユーザに提示されることが望ましい。ここでは、操作画像制御部500において操作画像50が制御されることによって、ユーザへの提示が行われる。
【0059】
ガード処理部710は、ユーザの操作が検出された後、同じ位置で所定時間(例えば、3秒)以上にわたって、その操作が検出され続けた場合にガード処理を実行する。ガード処理は、プレイヤキャラクタが、敵キャラクタからの攻撃により受けるダメージを低減する処理であって、例えば、キャラクタの防御力のパラメータを所定量(例えば、1.2倍)増加させる処理である。このガード処理は、操作が検出されなくなる、または操作位置が同じ位置と認識されなくなるまで継続される。なお、ガード処理が実行された場合には、その後に操作位置が変更されても、一定期間はガード処理が継続されるようにしてもよい。
【0060】
なお、同じ位置とは、最初に操作が検出された位置(第1操作位置)と完全に同じ位置である場合に限らない。例えば、第1操作位置からの所定量のずれを許容し、すなわち第1操作位置と第2操作位置との距離が所定量以下であれば同じ位置であると認識されてもよい。所定量については、予め決められていればよい。例えば、第1画像51の移動可能な範囲内に第2操作位置が存在している場合、すなわち、第1操作位置と第2操作位置との距離が第2画像52の内周半径以下である場合に、同じ位置であるとして認識されるようにしてもよい。
【0061】
ここで、ガード処理の実行に関連する操作画像50の変化を説明する。ユーザの操作が検出されると、上述した通り、操作画像配置部510は、
図5で説明した操作画像50を配置する。そして、ガード処理が実行されるときに、操作画像変更部530は、
図8に示すようにして、操作画像50の表示態様を変更する。
【0062】
図8は、本発明の第1実施形態における操作画像(ガード処理時)を説明する図である。操作画像変更部530が操作画像50の表示態様を変更すると、第1画像51と第2画像52との間の領域において第3画像53を表示させる。第3画像53は、例えば、第1画像51から第2画像52に向けて拡がっていく波紋54を示す半透過の動画像である。これによって、ユーザは、ガード処理が実行されていることを容易に視認することができる。このとき、ユーザが操作している位置から波紋54が拡がるような動画像とすることで、何らかの特殊な処理が実行されていることが、ユーザに認識されやすくなる。なお、プレイヤキャラクタ画像PCにおいて、ガード処理が実行されていることを示す加工がされてもよい。また、上述したように、ガード処理が実行された後に操作位置が変更されても、一定期間はガード処理が継続される場合には、
図9に示すように、第1画像51の移動に伴って、波紋54の中心が移動するようにしてもよい。また、第3画像53は、第2画像52の外周側にまで拡がっていてもよい。ガード処理が終了すると、第3画像53が消去される。すなわち、第3画像53の消去とガード処理の終了とは連動している。
【0063】
図4に戻って説明を続ける。チャージ処理部730は、ユーザによる特定の操作が検出されると、チャージ処理を実行する。チャージ処理は、プレイヤキャラクタが次に敵キャラクタを攻撃するときに敵に与えるダメージを増加させる処理であって、例えば、キャラクタの攻撃力のパラメータを所定量(例えば、1.2倍)増加させる処理である。この例では、敵キャラクタへの攻撃は、敵キャラクタ画像ECの位置をユーザが指定する操作(例えば、敵キャラクタ画像ECをタップする操作)が検出されたときに実行される。チャージ処理は、敵キャラクタへの攻撃が実行されるまで継続される。なお、敵キャラクタとは関係ない位置を指定する操作が検出された場合においてもチャージ処理が終了されてもよい。この場合には、チャージ処理が敵キャラクタへの攻撃に用いられずに終了(解除)される。
【0064】
チャージ処理を実行するための特定の操作は、プレイヤキャラクタの移動中において、所定時間(例えば、3秒)以上にわたって第2操作位置を第2画像52の領域に維持させるようにすることである。なお、この特定の操作は、所定時間にわたって第2操作位置を第2画像52より外側の領域に維持させることであってもよいし、プレイヤキャラクタの操作とは関係なく特定のコマンドを入力するものであってもよい。
【0065】
図9は、本発明の第1実施形態における操作画像(チャージ処理時)を説明する図である。プレイヤキャラクタの移動中に、第2操作位置を第2画像52の領域に所定時間以上にわたって維持すると、
図8に示す場合と同様に、操作画像変更部530は、第1画像51と第2画像52との間の領域において、第3画像53を表示させる。第3画像53は、例えば、第1画像51から第2画像52に向けて拡がっていく波紋54を示す半透過の動画像である。このとき、方向特定領域55の大きさを変更してもよい。方向特定領域55は、第2画像52に沿って大きさが変更されてもよいし、第2画像52から外側または内側に向けて大きさが変更されてもよい。また、方向特定領域55の大きさが周期的に変化するようにしてもよい。チャージ処理が終了すると、第3画像53が消去される。すなわち、第3画像53の消去とチャージ処理の終了とは連動している。
【0066】
なお、ガード処理とチャージ処理との違いを表すために、第3画像53の色を処理に応じて異なるようにしてもよい。また、波紋54が第1画像51から第2画像52に拡がっていく場合と、波紋54が第2画像52から第1画像に集まってくる場合とで、使い分けてもよい。
【0067】
図4に戻って説明を続ける。回避処理部750は、検出された操作がスワイプ操作として認識されたときに、回避処理を実行する。スライド操作の開始点から終了点まで、すなわち、第1操作位置(最初に操作が検出された位置)から第2操作位置の最終地点(最後に操作が検出された位置)までの距離が所定距離以上であり、かつ所定速度以上での移動である場合に、スワイプ操作として認識される。
【0068】
回避処理は、プレイヤキャラクタを通常よりも速く移動させる処理である。敵キャラクタに攻撃を受けるタイミングにおいて回避処理が実行されると、プレイヤキャラクタがその攻撃を回避する行動をとる。具体的には、所定時間(例えば、0.2秒)にわたってプレイヤキャラクタを速く移動させて(背景画像を速くスクロールさせて)、その移動期間は敵キャラクタの攻撃を受けない無敵期間として扱う。無敵期間においては、敵キャラクタからプレイヤキャラクタに与えるダメージが無効化(ダメージが0)される。この回避処理を「通常回避」という。
【0069】
この例では、無敵期間、すなわちプレイヤキャラクタが速く移動する時間は、スワイプ操作の方向によって変化する。スワイプ操作の方向が、例えば、第2画像52の各区分領域に対応する方向(表示領域DAの上を0度とし、時計回りを正としたときに、0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度の方向)として認識される場合に、無敵期間が長くなるようにしてもよい。このとき、プレイヤキャラクタは、さらに長い時間(例えば、1.5倍の0.3秒)にわたって速く移動し、その結果、大きく移動することになる。スワイプ操作の方向が第2画像52の各区分領域に対応する方向として認識されるのは、上記の角度に対して所定のマージン(例えば、±5度)を有するようにしてもよい。すなわち、スワイプ操作の方向(第1画像51の位置、方向特定領域55の位置)と各区分領域の位置とが所定の関係を満たす場合に無敵期間が長くなる回避処理が実行される。この回避処理を「超回避」という。
【0070】
回避処理が実行されたときには、プレイヤキャラクタが速く移動する、すなわち、背景画像が速くスクロールすることで、その処理が実行されたことをユーザに認識させているが、「超回避」の場合には、よりユーザにわかりやすく認識させるため、操作画像変更部530は操作画像50の表示態様を変更する。
【0071】
図10は、本発明の第1実施形態における操作画像(回避処理時)を説明する図である。
図10に示す例では、第2画像52の区分領域52-2の方向にスワイプ操作がされた場合を示している。そのため、方向特定領域55が区分領域52-2の位置と一致している。このとき、通常の移動による処理と区別するために、方向特定領域55の大きさを、通常の移動の場合(
図6参照)と異なるようにしてもよい。このとき、第2画像52に沿って大きさが変更されてもよいし、第2画像52から外側または内側に向けて大きさが変更されてもよい。なお、「通常回避」である場合にも、「超回避」の場合と同様に操作画像50の表示態様が変更されてもよいが、ユーザが差異を認識できるようにするため、方向特定領域55の表示態様が異なるようにすることが望ましい。
【0072】
図4に戻って説明を続ける。ダッシュ処理部770は、所定時間(例えば、1秒)にわたって第2画像52より外側の領域で第2操作位置が検出され続けた(第1画像51と第2画像52とが接触し続けた)場合に、ダッシュ処理を実行する。ダッシュ処理は、プレイヤキャラクタの移動速度を通常よりも速くする処理であって、この例では、1.5倍の速さにする。このダッシュ処理は、プレイヤキャラクタの移動が終了するまで、すなわち操作が検出されなくなるまで継続される。
【0073】
図11は、本発明の第1実施形態における操作画像(ダッシュ処理時)を説明する図である。プレイヤキャラクタが移動しているときには、例えば
図6に示す操作画像50が表示されるが、ダッシュ処理が実行されると
図11に示すように方向特定領域55の表示態様が変化するようにしてもよい。この例では、方向特定領域55における一部画像59が拡大されるように変更される。なお、方向特定領域55の大きさを、通常の移動の場合(
図6参照)と異なるようにすればよく、例えば、第2画像52に沿って大きさが変更されてもよいし、第2画像52から外側または内側に向けて大きさが変更されてもよい。
【0074】
図4に戻って説明を続ける。スキル処理部790は、特定のコマンドを入力する操作が検出されると、スキル処理を実行する。スキル処理とは、この例では、ユーザが位置を指定可能なターゲットスコープを表示させ、ターゲットスコープに含まれる範囲の敵キャラクタに対して攻撃をする処理である。ターゲットスコープは、第2画像52に対応する画像として表示される。以下、スキル処理について、2つのステップに分けて説明する。2つのステップは、スキル処理が開始された状態を示す第1ステップ、およびターゲットスコープを移動させて敵キャラクタを攻撃する第2ステップである。
【0075】
図12は、本発明の第1実施形態における操作画像(スキル処理時)の第1ステップを説明する図である。特定コマンドを入力する操作が検出されると、操作画像配置部510は、プレイヤキャラクタ画像PCに対応する位置に、操作画像50のうち第2画像52のみをターゲットスコープとして配置する。この表示によって、ユーザは、スキル処理が開示されたことを認識できる。
【0076】
図13は、本発明の第1実施形態における操作画像(スキル処理時)の第2ステップを説明する図である。
図12の表示がされている状態で、ユーザが表示領域DAにおけるいずれかの位置を操作すると、操作画像配置部510は、その位置(第1操作位置T1)に対応した初期位置(
図13における破線で示した位置)に操作画像50を配置する。ユーザが方向MDに沿って操作位置を移動させていくと、操作画像変更部530は、その操作位置の移動に対応して第1画像51を移動していく。
【0077】
第1画像51と第2画像52とは、スキル処理においては、プレイヤキャラクタの移動のときとは異なる挙動を示す。操作画像変更部530は、操作位置の移動により第1画像51が第2画像52と接触すると、第2画像52も移動させる。このとき、操作位置に対応して移動する第1画像51が第2画像52の内周に接触した状態を維持するように、第2画像52が移動される。ユーザによる操作が検出されなくなると、第2画像52に対応した位置に配置された敵キャラクタに対して、プレイヤキャラクタが攻撃する。なお、第2画像52の外側の敵キャラクタに対しても攻撃されるようにしてもよい。この場合、第2画像52からの距離に応じて、敵キャラクタに対するダメージが異なるようにしてもよい。
【0078】
図13に示す操作画像50の状態において、ユーザの操作が検出されなくなると、そのままスキル処理が終了する。一方、さらに操作画像50を移動させて敵キャラクタ画像ECの少なくとも一部が第2画像52に囲まれた領域に含まれる状態(重畳している状態)、または敵キャラクタ画像ECから一定以内の範囲内で、ユーザの操作が検出されなくなると、その敵キャラクタがプレイヤキャラクタに攻撃されたことになる。複数の敵キャラクタ画像ECが第2画像52と重畳している場合には、複数の敵キャラクタが攻撃の対象となる。
【0079】
なお、第2画像52の大きさは、プレイヤキャラクタの通常の移動において表示される操作画像50に含まれる第2画像52の大きさと異なっていてもよい。第2画像52の大きさは、例えば、ユーザによって入力されるコマンドによって異なるようにしてもよいし、プレイヤキャラクタに付随するパラメータによって異なるようにしてもよい。
【0080】
[目標位置特定部]
図4に戻って説明を続ける。目標位置特定部800は、表示領域DAに表示されている背景マップ画像BMを含む全体背景画像においてプレイヤキャラクタが到達すべき位置(到達目標位置)を特定する。到達目標位置は、予め決められている。操作画像変更部530は、このように特定された到達目標位置を取得して、到達目標位置を指し示すように操作画像50の表示態様を変更する。このような一連の処理を目標指示処理という。なお、目標指示処理は、特定の条件を満たした場合に実行されるようにしてもよい。特手の条件とは、プレイヤキャラクタが特定のアイテムを所持している場合であったり、到達目標位置とプレイヤキャラクタとの距離が一定値より近づいた場合であったりと、様々な条件が設定し得る。
【0081】
図14は、本発明の第1実施形態における操作画像(目標指示処理時)を説明する図である。
図14においては、全体背景画像AMのうち、表示領域DAの部分が背景マップ画像BMとして表示されている状態を示している。全体背景画像AMのうち表示領域DAの外側の領域については、破線で示されている。全体背景画像AMには、到達目標位置TPが設定されている。操作画像変更部530は、プレイヤキャラクタ画像PCから到達目標位置TPへの方向TDを特定し、第2画像52のうち操作画像50の中心Cを起点とした方向TDに位置する部分に目標指示画像57を追加する。そのため、中心Cから目標指示画像57への方向Tdと、方向TDとは同じ向きとなる。
【0082】
目標指示画像57が配置される位置は、中心Cからみた到達目標位置TPへの方向ではなく、中心Cを起点とした方向TD(プレイヤキャラクタ画像PCの位置からみた到達目標位置TPの方向)にしている。したがって、方向特定領域55と目標指示画像57とを合わせるように第2操作位置を決めることで、プレイヤキャラクタを到達目標位置TPに誘導しやすくなる。
【0083】
このようにして、操作画像変更部530は、第2画像52の表示態様を変更して目標指示画像57を表現する。なお、目標指示画像57は、第2画像52以外の場所、例えば、第2画像52の内周に沿った位置または外周に沿った位置に配置されてもよい。
【0084】
以上の通り、本実施形態おいては、ユーザの操作に応じて様々に表示態様を変化させることができる操作画像50を用いて、ユーザに対して入力された操作をわかりやすく提示することができる。なお、上述した様々な表示態様の変更のうち少なくとも一部が、操作画像50に適用されていればよく、全ての表示態様の変更が適用されなくてはならない分けではない。
【0085】
<第2実施形態>
第1実施形態における第2画像52は環形状を有していたが、第2実施形態においては、全体として環形状を有しているものの、各区分領域は互いに分離されている第2画像52Aを含む操作画像50Aについて説明する。
【0086】
図15は、本発明の第2実施形態における操作画像を説明する図である。
図15に示す操作画像50Aは、第1実施形態における操作画像50に対して、各区分領域(52A-1、52A-2、・・・、52A-8、)が互いに分離されている第2画像52Aを含むことが異なっている。このように、第2画像52Aは、複数の分離された領域の画像で形成されていてもよい。
【0087】
<第3実施形態>
第3実施形態では、第2実施形態における第2画像52Aのように各区分領域が互いに分離されているが、別の要素で連結されている第2画像52Bを含む操作画像50Bについて説明する。
【0088】
図16は、本発明の第3実施形態における操作画像を説明する図である。
図16に示す操作画像50Bは、互いに分離された各区分領域(52B-1、52B-2、・・・、52B-8)と、これらの区分領域を連結する連結画像58Bとを含む。このとき、方向特定領域55Bは、連結画像58Bに沿って移動する。このように、第2画像52Bは各区分領域以外の要素を含んでいてもよい。
【0089】
<その他の実施形態>
(1)第1画像51の移動範囲は第2画像52の内周側に限られていたが、これに限られない。第1画像51の移動範囲は、例えば、第2画像52の位置に関連して規定されている範囲であれば、第2画像52の外側が含まれた範囲であってもよいし、第2画像52の内周側のさらに狭い範囲であってもよい。
【0090】
(2)第2画像52は、回転対称性を有するように各区分領域が決められていたが、回転対称性を有しないように各区分領域が決められていてもよい。
【0091】
(3)方向特定領域55の色彩が第1操作位置と第2操作位置との関係によって変化するようになっていてもよい。例えば、第2操作位置が第1操作位置から離れるほど、方向特定領域55の色を薄くしたり、透過率を増加させたりして、表示態様を変化させてもよい。
【0092】
(4)プレイヤキャラクタに対して通常の移動を指示する操作では、第2画像52は、初期位置から移動しないようになっていたが、移動したり、形状が変化したりしてもよい。例えば、第2操作位置が第1操作位置から離れるほど、第2画像52は、中心Cから離れるように拡がってもよいし、第2操作位置の方向に引っ張られるように少し変形したり、第2操作位置の方向に僅かに動いたりしてもよい。
【0093】
(5)操作画像50は、ゲームのプレイヤキャラクタを移動させたりするときの操作をユーザに対して認識させるために表示領域DAに配置されていたが、ゲーム以外において、ユーザの操作が入力されるシステムに用いられてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…通信装置、11…制御部、12…記憶部、14…表示部、15…タッチセンサ、50,50A,50B…操作画像、51…第1画像、52,52A,52B…第2画像、52-1,52-2,・・・,52-8,52A-1,52A-2,・・・,52A-8,52B-1,52B-2,・・・,52B-8…区分領域、53…第3画像、54…波紋、55,55B…方向特定領域、57…目標指示画像、58B…連結画像、59…一部画像、80…サーバ、100…ゲーム進行部、200…検出部、300…背景画像制御部、500…操作画像制御部、510…操作画像配置部、530…操作画像変更部、700…キャラクタ制御部、710…ガード処理部、730…チャージ処理部、750…回避処理部、770…ダッシュ処理部、790…スキル処理部、800…目標位置特定部、1000…ゲームシステム