(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】移動する衣類物品を折り畳むための装置、方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
D06F 89/02 20060101AFI20230413BHJP
【FI】
D06F89/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180285
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2020511744の分割
【原出願日】2018-08-16
【審査請求日】2021-12-02
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522492222
【氏名又は名称】ミーレ アンド シエ. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ロゾフ ギャル
(72)【発明者】
【氏名】ナイム アロン
(72)【発明者】
【氏名】ナオール イザック
(72)【発明者】
【氏名】ガバイ ニール
(72)【発明者】
【氏名】マタラッソ ハスディ
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-252295(JP,A)
【文献】特開2009-254674(JP,A)
【文献】米国特許第6062444(US,A)
【文献】米国特許第8973792(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 89/00-89/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類コンベヤ(18)上を運動方向(MD)に移動する衣類を係合し、折り畳むように構成された衣類折り畳み装置(14”)であって、前記折り畳み装置(14”)は、
衣類折り畳み
システムに装着されるように構成された支持アーム(54)と、
前記支持アーム(54)に取り付けられた接触装置(15”)であって、前記支持アーム(54)が前記折り畳み
システムに装着されるとき、前記接触装置(15”)が前記衣類コンベヤ(18)上に配置されるようになり、前記接触装置(15”)は、
前記接触装置(15”)の伸長軸(L)に沿って互いに離間し、それぞれ第一および第二の回転軸(R1,R2)を有する第一および第二のプーリ(52a,52b)と、
離間したプーリ(52a,52b)の周りに巻かれ、前記伸長軸(L)に沿ってベルト回転方向(RD)に回転するように構成されたベルト(46)であって、前記ベルトは外側に突出する複数の細長いフィンガ(44)を備える外側ベルト表面(50)を有する、ベルト(46)と、
接触部材(15)に動作可能に接続され、第一および第二のプーリの少なくとも一方を駆動し、それによってベルトを回転させるように構成された駆動モータ(56)と、
を備える、接触装置(15”)と、
を備える、衣類折り畳み装置(14”)。
【請求項2】
前記接触装置(15)は、前記回転軸(Rl、R2)の1つに沿って測定された接触装置幅(MW)と、前記伸長軸(L)に沿った前記接触装置幅(MW)に垂直な接触装置長さ(ML)とを有し、
前記接触装置幅(MW)に対する前記接触装置長さ(ML)の比は、10より大きい、請求項1に記載の衣類折り畳み装置(14”)。
【請求項3】
衣類物品(12)を折り畳むように構成された衣類折り畳みシステム(10)であって、
コンベヤ平面(P)を規定し、長手方向軸(X)を有する衣類コンベヤ(18)であって、前記長手方向軸(X)に沿った運動方向(MD)に前記
衣類物品(12)を支持し、輸送するように構成された衣類コンベヤ(18)と、
保持部材縁部(30)を有し、前記運動方向(MD)に沿って前記衣類コンベヤ(18)上で輸送される前記
衣類物品(12)を
、前記運動方向(MD)に直角な方向に保持するように構成された保持部材(16)と、
前記衣類コンベヤ(18)上に配置された、請求項1に記載の折り畳み装置(14”)と、
を備え、
前記衣類コンベヤ(18)の上面図では、前記保持部材(16)と前記折り畳み装置(14”)が少なくとも部分的に重なり合い、
動作折り畳みモードの間、前記
衣類物品(12)が前記衣類コンベヤ(18)上を前記運動方向(MD)に輸送されるとき、前記ベルト(46)の周面(48)に設けられた前記複数の細長いフィンガ(44)は、前記衣類物品の縁部(28)を前記保持部材縁部(30)上に係合させて付勢し、それによって前記
衣類物品(12)に折り畳み線(20)を形成するように構成される、衣類折り畳みシステム(10)。
【請求項4】
第一および第二の折り畳み装置(14”)を備え、そのそれぞれが前記長手方向軸(X)の各側に少なくとも部分的に配置される、請求項3に記載の衣類折り畳みシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、自動化された布地/物品折り畳みマシンに関する。特に、本発明は、物品が移動する際に物品を折り畳む自動または半自動折り畳みマシンための折り畳み機構に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を折り畳むように設計された自動物品折り畳みマシンは、前世紀の初めから存在してきた。いくつかの折り畳み機構は、他のものよりも複雑であり得るが、多くの自動折り畳み機構は、人々が衣料品を手動で折り畳むために使用してきた単純な折り畳み方法を模倣している。換言すれば、折り畳み動作中に、物品は、平坦な表面上に置かれて静止し、段階的に、例えば、次々にスリーブごとに折り畳まれる。具体的には、最初に、折り畳み線が画定されるか、または物品内に保持され、次いで、物品の一部分が、それぞれの縁部によって引きずられるか、または折り畳み線を横切って旋回される。これは、単純であるが、時間のかかる方法である。これらの非連続的な自動折り畳み機構は、多くの場合、機械的に複雑で、遅く、騒々しく、エネルギー消費に関しても保守に関しても非効率的である。これらの機構のさらなる欠点は、狭い範囲の物品または物品の種類しか折り畳むことができないことである。具体的には、これらの折り畳み機構は、異なる幅の物品を取り扱うようには設計されておらず、場合によっては、可変幅を有する単一の物品を取り扱うようにも設計されていない。この欠点の主な理由は、折り畳み機構がサイズ調節性(例えば、可変幅または厚さに適応する)を有すると、通常、機械的にも電気的にも、さらに複雑になることを意味し、このため、通常、折り畳みの信頼性、品質、およびロバスト性に妥協をもたらすことになる。
【0003】
特許文献1は、連続的なズボン折り畳み方法および装置を開示しており、この方法および装置は、2つの非駆動または受動ブラシローラを含み、このブラシローラは、それぞれのズボン脚部を、運動方向の連続的な運動中に互いに対して内側に転がす。異なる経路間、すなわち運動面間でレベル差があるので、ズボンの中心線に向かって内側へ平行移動して、ズボンの一方の半分を他方の半分の上に落とすことによって、ズボンの2つの半分を折り畳む。この方法は、衣類の種類、幾何学的形状および重量の点で制限される。さらに、レベル差があるので、折り畳み装置に、より多くの空間を必要とするために問題となり得る。別の欠点は、結果として生じる折り目が、同じ物品の上面の2つの部分が、折り畳み線の周りで一方が他方の上に折り畳みられる(かつ互いに対面する)という点で、標準的な「旋回」折り目ではないことである。特許文献1は、平行移動が、折り畳み後に面する表面を同じ方向に維持する折り畳み方法を開示している。さらに別の欠点は、特許文献1によって開示されていないが、折り畳まれた後、ズボンの腰部分は、単純な「旋回」折り目には見えず、おそらく物品から上方に突出する捻じれまたは絡み合いを含むことになるので、理解しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、折り畳みマシンにおいて、連続的な折り畳みと搬送を同時に達成しながら、上述の課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の主題による第一の態様によれば、折り畳み装置の動作折り畳みモード中に移動する物品に折り目を連続的に生成するように構成された被駆動接触装置を備える折り畳み装置が提供され、折り畳み装置の向きは、第一、第二、および第三の軸によって記述される三次元ユークリッド空間に対して規定され、
動作折り畳みモードでは、物品は、前記第一の軸に平行な運動方向に、第一および第二の軸によって規定される基準平面に沿って移動し、
折り畳み装置は、接触装置に接続され、それを支持するように構成された支持構造体を備え、
接触装置は、少なくとも1つの回転軸の周りに少なくとも部分的に延在する周面を備え、周面は、そこから外向きに突出する複数の細長いフィンガ(44)と、
を備え、
折り畳み装置の動作折り畳みモードでは、フィンガは、物品を連続的かつ増分的に係合し、折り畳む。
【0007】
本出願の主題による第二の態様によれば、物品の運動中に、そのそれぞれの折り畳み線に沿って少なくとも1つの折り目を連続的に生成するように構成された折り畳みシステムが提供され、このシステムは、
折り畳み装置と、
物品を運動方向に搬送するように構成されたコンベヤであって、折り畳まれる前に、物品がコンベヤから離れて面する第一の物品表面と、コンベヤに面して接触する第二の物品表面を備える、コンベヤと、
保持部材縁部を備える保持部材であって、保持部材のみが折り畳み時に前記物品の少なくとも一部分を運動方向に直角な方向に保持するように構成され、保持部材縁部に沿って物品の折り畳み線を規定するように構成される、保持部材と、
を備える。
【0008】
本出願の主題による第三の態様によれば、以下のステップを含む連続的な物品折り畳み方法が提供され、この方法は、
a.少なくとも1つの折り畳みシステムを提供するステップと、
b.物品と少なくとも1つの折り畳み装置との間で、運動方向に連続的な相対運動を可能にするステップと、
c.保持部材を用いて物品を保持するステップと、
d.保持部材縁部を使用し、物品内で折り畳み線の位置および向きを確立するステップと、
e.フィンガを使用して、第二の物品表面を連続的に係合し、折り畳み線上で少なくとも運動方向に直角な方向に、物品を収集し、折り畳むステップと、
を含む。
【0009】
本出願の主題による第四の態様によれば、衣類コンベヤ上を運動方向に移動する衣類を係合し、折り畳むように構成された衣類折り畳み装置が提供され、この折り畳み装置は、
衣類折り畳みマシンに装着されるように構成された支持アームと、
支持アームに取り付けられた接触装置であって、支持アームが折り畳みマシンに装着されるとき、接触装置が衣類コンベヤ上に配置されるようになり、接触装置は、
接触装置の伸長軸に沿って互いに離間し、それぞれ第一および第二の回転軸を有する第一および第二のプーリと、
離間したプーリの周りに巻かれ、伸長軸に沿ってベルト回転方向に回転するように構成されたベルトであって、ベルトは外側に突出する複数の細長いフィンガを備える外側ベルト表面を有する、ベルトを備える、接触装置と、
接触部材に動作可能に接続され、第一および第二のプーリの少なくとも一方を駆動し、それによってベルトを回転させるように構成された駆動モータと、
を備える。
【0010】
本出願の主題による第五の態様によれば、衣類物品を折り畳むように構成された衣類折り畳みシステムが提供され、このシステムは、
コンベヤ平面を規定し、長手方向軸を有する衣類コンベヤであって、長手方向軸に沿った運動方向に物品を支持し、輸送するように構成された衣類コンベヤと、
保持部材縁部を有し、運動方向に沿って衣類コンベヤ上で輸送される物品を、少なくとも運動方向に直角な方向に保持するように構成された保持部材と、
衣類コンベヤ上に配置された折り畳み装置と、
を備え、
衣類コンベヤの上面図では、保持部材と折り畳み装置が少なくとも部分的に重なり合い、
動作折り畳みモードの間、物品が衣類コンベヤ上を運動方向(MD)に輸送されるとき、ベルトの周面に設けられた複数の細長いフィンガは、衣類物品の縁部を保持部材縁部上に係合させて付勢し、それによって物品に折り畳み線を形成するように構成される。
【0011】
以下の特徴のいずれも、単独または組み合わせのいずれかで、本出願の主題の上記態様のいずれかに適用可能であり得る。
【0012】
上面図では、物品は、第一および第二の物品表面と、その間に延在し、物品の外形を規定する周辺物品縁部を含み、第一の物品表面が接触装置と面し、第二の物品表面が接触装置から離れた面に向かい、動作折り畳みモードでは、折り目を形成する各フィンガが物品縁部および第二の物品表面を主として係合するように構成される。
【0013】
折り畳み装置は、連続的な折り畳みを可能にする接触装置を駆動する駆動モータを有する。
【0014】
周面は、回転軸がそれぞれ回転軸と一致する少なくとも1つのプーリの周りに延在するベルトの外側に面する外側ベルト表面とすることができる。
【0015】
折り畳み装置は、第一および第二の回転軸をそれぞれ有する第一および第二のプーリを含むことができ、周面は、第一および第二のプーリの周りに張られたベルトの外側に面する外側ベルト表面である。
【0016】
周面は、ベルト速度を有するベルトの外側に面するベルト表面であり、第三の軸に沿った図では、ベルト速度は、運動方向に向けられ、それと鋭角の速度角aVを形成するか、または運動方向から離れるように向けられ、それと鈍角180-aVを形成する。
【0017】
速度角aVは、30~70°、好ましくは40~60°の範囲とすることができる。
【0018】
少なくとも1つのフィンガは、丸みを帯びた断面または長方形の断面を有することができる。
【0019】
フィンガは、ゴムまたはポリマーで作られる。
【0020】
少なくとも1つのフィンガは、少なくとも部分的に変形可能であってもよい。
【0021】
少なくとも1つのフィンガは、平滑フィンガ周面を有することができる。
【0022】
各フィンガは、フィンガ上面と、そこから周面に向かって延在するフィンガ周面とを有し、フィンガ周面は、そこから外側に突出する複数のリッジを含むことができる。
【0023】
周面は、一列に並べられたフィンガを含むことができる。
【0024】
少なくとも1つのフィンガは、湾曲させること、またはその長手方向に少なくとも1つの屈曲部を含むことができる。
【0025】
フィンガは、周面から測定されたフィンガ長ELを有することができ、フィンガ長ELは少なくとも10mmである。
【0026】
接触装置は、接触装置長MLおよび接触装置幅MWを有し、寸法比LWR=ML/MWは0.5より大きい。
【0027】
保持部材は、それ自体の周りを回転しない。
【0028】
折り畳みシステムの動作折り畳みモードでは、物品はコンベヤと保持部材との間に配置され、接触装置の回転軸は物品の上方かつ保持部材の上方に配置される。
【0029】
折り畳みシステムの動作折り畳みモードでは、折り目は、物品と折り畳み装置との間で運動方向に相対運動中にのみ、物品内に生成される。
【0030】
接触装置の少なくとも1つの回転軸は、運動方向に対して決して垂直ではない。
【0031】
少なくとも1つのフィンガは、コンベヤとの間に物品が配置されていない場合、コンベヤと接触することができる。
【0032】
接触装置は、第一および第二の平行なプーリと、その周囲に張られた少なくとも1つのベルトとを含むことができる。
【0033】
折り畳みシステムは、2つまたは4つの折り畳み装置を含むことができる。
【0034】
折り畳みシステムは、2つまたは4つの細長い折り畳み装置を含むことができ、第三の軸に平行な折り畳みシステムの上面図では、それぞれの回転軸は、運動方向に沿って発散する。
【0035】
接触装置は、並んで配置された2つの異なるベルトを含むことができ、これらのベルトのそれぞれは、異なる折り畳みフィンガを含むことができる。
【0036】
周面は、ベルト速度BVを有するベルトの外側に面する外側ベルト表面とすることができ、第三の軸に沿った図では、ベルト速度BVは、運動方向に向けられ、それと鋭角の速度角aVを形成するか、または運動方向から離れるように向けられ、それと鈍角180-aVを形成する。
【0037】
接触装置カムは、回転軸の1つに沿って測定された接触装置幅と、伸長軸に沿った接触装置幅に垂直な接触装置長さとを有し、接触装置長さの接触装置幅に対する比は10より大きい。
【0038】
本出願の主題をより良く理解し、それが実際にどのように実行され得るかを示すために、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】4つの折り畳み装置を有する折り畳みシステムの等角図であり、各折り畳み装置は、単一の軸受を有する円形の接触装置を有する。
【
図3】2つの折り畳み装置を有する折り畳みシステムの等角図で、各折り畳み装置は、2つの支持バーによって保持された2つのプーリの周囲に張られたベルトを有する細長い接触装置を支持する支持構造体をそれぞれ有する。
【
図4】第三の軸Zに沿った、折り畳みシステムおよび
図3のコンベヤの上面図であり、Tシャツが折り畳まれているのを示す。
【
図5】
図3の折り畳みシステムの運動方向MDに沿った背面図である。
【
図6】第二の軸Y(幅軸Y)に沿った、折り畳みシステムおよび
図4の折り畳まれているTシャツの側面図であり、折り畳み装置のうちの1つのみと、コンベヤを示す。
【
図8】プーリの回転軸Rに沿った、
図5の折り畳み装置の1つの第一の側面図である。
【
図9】
図5の折り畳み装置の1つの詳細図であり、モータを示す。
【
図10】プーリの回転軸Rに垂直に取られた
図5の折り畳み装置の1つの第二の側面図である。
【
図11】細長いフィンガがリッジを含む接触装置の第一の実施形態の等角図である。
【
図12】細長いフィンガが、ベルトから離れるように各フィンガに沿って進むときに幅が狭くなる接触装置の第二の実施形態、または接触装置の周面の詳細な第一の側面図である。
【
図13】2列の細長いフィンガを有する接触装置の第三の実施形態の詳細な等角図であり、各フィンガは丸い断面を有する。
【
図14】2列の細長いフィンガを有する接触装置の第四の実施形態の詳細な等角図であり、各列は異なるフィンガ長ELを有し、各フィンガは丸い断面を有する。
【
図15】回転軸Rに沿った、接触装置の第五の実施形態の第一の側面図であり、屈曲部を含む湾曲した細長いフィンガを示す。
【
図16】運動方向MDに沿った
図3の折り畳みシステムの背面図であり、基準平面Pを有するコンベヤと、支持構造体、支持バーを有し、および保持部材が取り除かれた2つの接触装置のうちの1つのみを示す。
【
図18】第三の軸Zに垂直に取られた
図16の折り畳みシステムの側面図である。
【
図19】
図3の折り畳みシステムの平面図であり、運動方向MDに移動するTシャツと、そのTシャツがコンベヤによって搬送される際の異なる段階(折り畳みシステムによって折り畳まれる前、折り畳まれる間、および折り畳まれた後)のうちの一つを示す。
【
図20】
図3の折り畳みシステムの平面図であり、運動方向MDに移動するTシャツと、そのTシャツがコンベヤによって搬送される際の異なる段階(折り畳みシステムによって折り畳まれる前、折り畳まれる間、および折り畳まれた後)のうちの一つを示す。
【
図21】
図3の折り畳みシステムの平面図であり、運動方向MDに移動するTシャツと、そのTシャツがコンベヤによって搬送される際の異なる段階(折り畳みシステムによって折り畳まれる前、折り畳まれる間、および折り畳まれた後)のうちの一つを示す。
【
図22】
図3の折り畳みシステムの平面図であり、運動方向MDに移動するTシャツと、そのTシャツがコンベヤによって搬送される際の異なる段階(折り畳みシステムによって折り畳まれる前、折り畳まれる間、および折り畳まれた後)のうちの一つを示す。
【
図23】
図3の折り畳みシステムの平面図であり、運動方向MDに移動するTシャツと、そのTシャツがコンベヤによって搬送される際の異なる段階(折り畳みシステムによって折り畳まれる前、折り畳まれる間、および折り畳まれた後)のうちの一つを示す。
【
図24】
図3の折り畳みシステムの平面図であり、運動方向MDに移動するTシャツと、そのTシャツがコンベヤによって搬送される際の異なる段階(折り畳みシステムによって折り畳まれる前、折り畳まれる間、および折り畳まれた後)のうちの一つを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
さらに適切であると考えられる場合、参照符号は、対応または類似する要素を示すために、図面の間で繰り返されることがある。
【0041】
以下の説明では、本出願の主題の様々な態様を説明する。説明の目的のために、特定の構成および詳細は、本出願の主題の完全な理解を提供するために十分に詳細に記載される。しかしながら、本出願の主題は、本明細書に記載されるいくつかの特定の構成および詳細がなくても実施され得ることも、当業者には明らかであろう。
【0042】
図1および
図3を参照する。折り畳みシステム10は、物品12と折り畳みシステム10の折り畳み装置14との間の連続的な相対運動の間に、物品12内に少なくとも1つの折り目を連続的に生成するように構成された自動モータ駆動機構である。好ましい実施形態では、折り畳み装置14は、衣類物品に少なくとも1つの折り目を形成するように構成された衣類折り畳み部材14である。本実施形態によれば、折り畳みシステム10は、好ましくはコンパクトな布地/物品折り畳みマシンまたはシステム内で動作するように、および/またはこのマシンまたはシステムの一部であるように設計された機構である。相対運動という用語は、物品12、折り畳み装置14、またはその両方の運動を記述するために使用される。相対運動は、本実施形態において、a)内部可動部品を有するが、折り畳みマシンに対して静止している折り畳み装置14と、b)折り畳み装置14の下で搬送される物品12との間の関係に関連する。
【0043】
折り畳みシステム10は、保持部材16と、折り畳み装置14と、相対運動機構18とを含む。保持部材16は、例えば、ローラが回転軸の周りを回転するように、回転しない。しかし、保持部材は、その周りを回転することなく、ある程度軸を中心に旋回することができる。主な目的は、物品を容易に通過させ、物品に折り目を形成するのに十分な反力のみを生成することである。折り畳み装置14は、物品12と係合する接触装置15を有する。本実施形態における相対運動機構18は、複数のミニコンベヤ18aを含むことのできる衣類コンベヤ18であり、これらのミニコンベヤ18aは、一緒になってコンベヤ上面22を形成する。コンベヤ18は、コンベヤ上面22が、静止折り畳み装置14に対して物品12を搬送するように回転し、静止折り畳み装置14は、保持部材16を横切る物品12に折り畳み動作を連続的に実行し、それによって折り畳み線20を画定する。折り畳み中、物品は、保持部材16とコンベヤ18との間を通過する。保持部材16は、物品12をコンベヤ上面22に対して押さえつけるように構成され、接触装置15は、保持部材縁部30を横切る物品12の縁部および部分を増分的かつ連続的に付勢または収集し、それによって物品12に折り目を作成する。
【0044】
図3および
図5に注目する。折り畳みシステム10は、第一、第二、および第三の軸X、Y、およびZによってそれぞれ記述される三次元ユークリッド空間に対して中心に置くことができる。第一の軸Xは、長手方向の相対運動方向MDを規定し、第一の軸Xの負の側から正の側に向けられる。第二の軸Yは、幅方向を規定する。第三の軸Zは、垂直方向を規定し、正の側は、コンベヤ上面22に対して上方に向けられる。第一および第二の軸X、Yは、コンベヤ上面22と一致する基準平面Pを規定する。動作折り畳みモードでは、コンベヤは、上面22が運動方向MDに移動するように回転し、それによって物品を運動方向MDに搬送する。
【0045】
物品12は、コンベヤ上面22上に平らに置かれ得る衣料物品であり得る。一般的に言えば、折り畳まれている物品12の部分のみが、折り畳み中に第三の軸Z方向に移動する。いくつかの実施形態によれば、折り畳み線20は、第三の軸Zに沿った視界において、第一の軸Xまたは運動方向MDに概ね平行に配向される。
【0046】
図4、
図19~
図20に注目する。物品12の少なくとも一部分は、折り畳みシステム10に入る前で、相対運動が可能になる前に、対向する第一および第二の物品表面24、26と、それらの間に延在する外部物品縁部28または輪郭とを有する。物品縁部28は、第一の物品表面24の平面図で見ることができる。物品の外部物品縁部28とは、折り畳まれる前にコンベヤ18または他の表面上に置かれるときの物品12のフットプリントまたは輪郭の縁部を指し、必ずしも物品12を構成する布地の縁部を指すわけではないことが理解される。例えば、表面上に平らに横たわり、折り畳みの準備ができているTシャツは、Tシャツの布地の縁部ではなくても、Tシャツの胴体の長さに沿った縁を有すると考えられる。
【0047】
この説明では、説明を簡単にするために、物品12はコンベヤ上面22上に、きっちりと配置されているものとする。そして、重力は、通常、物品12の形状および/または挙動において役割を果たすので、物品12は、
図6に少なくとも部分的に示されるように、概ね一貫した平面、細長い、または薄い形状を有すると見なされる。実際には、物品の形状、サイズおよび厚さは変化するが、折り畳みシステム10は、以下でさらに説明するように、それらの形状および/またはサイズに適応する折り畳み装置の能力を有するので、信頼性と再現性をもって、多くのタイプの物品を折り畳むことができる。現在の実施形態では、レイアウト位置では、第一の物品表面24は、基準平面Pから離れて、第三の軸Zの正の側に向かって上方に面すると考えられ、第二の物品表面26は、概ね反対方向、例えばコンベヤ18の支持面に向かって面すると考えられる。第二の物品表面26は、コンベヤ18上に載置することができる。
【0048】
第一の物品表面24で、物品12の折り畳み線20に沿って適切な、または所望の折り目が形成され、この折り畳み線の位置は、保持部材16の保持部材縁部30によって規定することができる。そのような折り目を作成する結果、第二の物品表面26の第一の部分は上向きになり、いわゆる境界線、すなわち折り畳み線20が、第二の物品表面26の上向きで折り畳まれた第一の部分を第二の物品表面26の残りの部分から分割する。第一の部分の展開位置と折り畳み位置との間のこの変移は、物品12が運動方向MDに搬送される間に、延々と、または連続的に転回(revolving)または回転(rotating)する接触装置15によって容易になる。接触装置15は、物品12を第二の軸Y方向に徐々に収集して付勢するか、または案内することによって折り畳みを行う。
図19~
図24に注目する。物品12が運動方向MDに沿って進行する間、接触装置15は、物品12を通る道筋を同時に働かせ、さらに、物品縁部28から第一の軸X、または運動方向MDと一致することができる物品12の中心線CLに向かって物品12を折り畳む。この収集運動はまた、掬い運動として説明することができる。保持部材16なしで、折り畳み装置14のみを使用して物品に折り目を作成することが可能であるが、この折り目は、保持部材16の縁部30に対して形成される折り目ほど正確ではないか、または整然としていないことがある。
【0049】
図4、
図5および
図6に注目する。各保持部材16は、薄い細長い板状構造を有することができ、折り畳みシステム10は、第二の軸Yに調整可能な位置を有することができる2つの保持部材16を含むことができる。例えば、保持部材16は、第二の軸Y方向における保持部材16間の距離を調整することによって、異なる折り幅および物品12の幅に対して調整することができる。各保持部材16は、平坦な保持部材底面34と、その反対側の平行で平坦な保持部材上面36と、その間に延在する保持部材縁部30とを有することができる。各保持部材16は、保持部材底面34と上面36との間に規定される保持部材厚さHTを有することができる。保持部材厚さHTは、0.2mm~25mm、好ましくは1mm~5mmの範囲とすることができる。本実施形態において、保持部材厚さHTは、4mmである。上述のように、保持部材縁部30の少なくとも外側縁部分38は、折り畳み線20を規定する。各保持部材16は、物品12を幅方向に保持するのに必要な構造的剛性を提供するのに十分な厚さであるが、物品が妨害されずに確実に通過できるのに十分な薄さであり、正確で反復的で一貫した折り畳み線20を提供するように設計されている。各保持部材の底面34は、物品12がその間を搬送される前に、コンベヤの上面22に接触することができる。好ましくは、保持部材底面34は、コンベヤに接触しない。
【0050】
各保持部材16は、好ましくは、保持部材支持体40を介して折り畳みマシンに恒久的に接続される。各保持部材底面34は、好ましくは、保持部材支持体40によって、特にコンベヤ上面22に対して、第三の軸Z方向にほとんど重量がないように支持される。言い換えれば、保持部材底面34がコンベヤ上面22に接触する場合には、最小限の力を加えて、あるいはほとんど力を加えずに接触する。保持部材支持体40は、好ましくは、保持部材16が1つまたは2つの移動自由度を有することを可能にする。1つの自由度は、垂直方向に線形であることができ、第二の自由度は、好ましくは、保持部材支持体40と保持部材16との間に位置するピボット機構またはヒンジに対して部分的に回転することができる。それにもかかわらず、保持部材16は、それ自体の周りでも、または任意の他の軸の周りでも完全な回転を完了できないという意味で、非回転である。また、本実施形態において、各保持部材支持体40は、第三の軸Z方向および運動方向MDの両方に移動中に、保持部材16がコンベヤ上面に対して平行を保つことができる平行移動機構を含む。保持部材16は、物品12に対する干渉が最小になるように設計されており、すなわち、保持部材16の残部に対して曲げられ、かつ保持部材16とコンベヤ18との間の物品12の円滑な搬入または搬送を可能にするレリーフまたはガイド部分42を含むことができる。各保持部材16は、物品12に適切な折り畳み線20が形成されることを確実にするために、物品12を少なくとも横方向または幅方向(第二の軸Y)に保持するのに十分な反力を加えるように、保持部材支持体40によって適切に重み付けされ、支持される。別の言い方をすれば、折り畳み線20は、第一の軸Xに概ね平行に物品12に形成されるが、その理由は、保持部材16は、物品の少なくとも一部分が第二の軸Y方向に移動するのを、その物品12の残部が保持部材縁部30を横切って増分的に連続的に案内される間は、防止するからである。したがって、保持部材16は、少なくとも折り畳み線20において、物品12に加えられる力に対抗する。コンベヤ18の上面図では、保持部材16と折り畳み装置14”とは少なくとも部分的に重なっていることが好ましい。
【0051】
コンベヤ18は、物品12と折り畳み装置14との間の相対運動を可能にするように構成されている。本実施形態によれば、コンベヤ18は電動コンベヤであり、摩擦を用いて物品12を運び、それを折り畳み装置14に対して、または折り畳み装置14を通過して移動させる。図に示される実施形態では、折り畳み動作中、折り畳み装置14の位置は、例えば、折り畳みシステム10の構造部材または折り畳みマシン自体に、堅固に取り付けられることによって、コンベヤ18に対して固定される。折り畳み装置14の位置は、折り畳み動作中に固定されるが、少なくとも折り畳み装置14の接触装置15は、以下でさらに説明されるように、動いていなければならない。
【0052】
本実施形態によれば、コンベヤ18は、複数の並んだより小さいコンベヤ18aを指し、これらのコンベヤ18aが物品12の置かれるコンベヤ上面22を形成または規定する。コンベヤ18の第三の軸Z方向の平面図(
図17参照)において、コンベヤ18は、第二の軸Y方向に平行なコンベヤ18の両端間で測定されたコンベヤ幅CWを有する。
【0053】
図7~
図10および
図16~
図18に注目すると、単一の接触装置15が示されている。接触装置15は、物品12に接触し、その物品縁部28から始まる物品12を連続的に折り畳むように構成されている。
接触装置15は、物品縁部28を掴んで引きずり、少なくとも物品縁部28を保持部材縁部30を横切って移動させることによって、物品12を折り畳む。
【0054】
本例によれば、接触装置15は、静止または剛性支持構造体またはアーム54に接続され、次いで、支持構造体またはアームが折り畳みマシンに接続される。支持構造体54は、その名前が示唆するように、三次元ユークリッド空間に対して特定の向きで接触装置15を支持し、一方、接触装置15の少なくとも一部分は、以下に説明するように、折り畳み中に連続的に移動する。
【0055】
接触装置15は、
図17に示されるように、移動または回転方向RDを規定する少なくとも1つの回転軸Rの周りに、またはその周囲に、少なくとも部分的に延在する周面48を有する。少なくとも1つの回転軸Rは、運動方向MDに対して垂直ではなく、そうでなければ、接触装置15は、物品をコンベヤに対して運動方向MDに引っ張るか、または物品を反対方向に転がすかのいずれかである。いずれの場合も、運動方向MDに沿って所望の幅の折り目を作成しない。接触装置15は、周面48から離れて外側に延びる複数の延長部またはフィンガ44を有する。フィンガ44は、ポリマーのゴムで作ることができる。少なくとも1つのフィンガ44は、少なくとも部分的に変形可能で、好ましくは弾性的に変形可能であってもよい。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのフィンガ44は、湾曲しているか、またはその長手方向に少なくとも1つの屈曲部を備える。接触装置15は、回転方向RDに延びるベルト46を含むことができる。ベルト46は、外側ベルト表面50を有する。本実施形態では、周面48は外側ベルト表面50である。ベルト46は、少なくとも部分的に変形可能または可撓性であり、一対のローラまたはプーリ52の周りに張られることがある。各ローラ52は、回転軸R1、R2を有し、そのうちの1つは、モータ56の駆動軸と一致してもよい。回転軸R2は、基準平面P(
図18)と第一の角度α1を形成する。この実施形態において、プーリは、第一および第二の支持バー45a、45bを介して互いに一定の距離に保持される。
【0056】
図7~
図10に注目する。接触装置15は、好ましくは、移動する物品12に対して接触装置15を支持し、懸架する支持構造体54上に、堅固に取り付けられる。本実施形態において、支持構造体54は、第二の支持バー45bに、堅固に取り付けられる。本実施形態によれば、支持アーム54は、
図3~
図5に示すように、折り畳みマシンまたはその静止骨格構造体に、堅固かつ恒久的に取り付けられる。
図16~
図18に注目する。コンベヤの上面図では、
図17に見られるように、接触装置15は、運動方向MDに対してある角度で配向される。以下に説明するように、細長い接触装置15は、2つの接触装置15が、協同して動作し、物品12全体のコンベヤ幅CWの大部分、したがって第二の軸Yの幅を覆うように配向される。これは、異なる幅を有する異なる物品12を、接触装置15の位置/向きを移動または調整することなしに折り畳むことができるので、有利である。
【0057】
各接触装置15は、電動モータ56によって駆動させることができる。モータ56は、それぞれのプーリ52に直接取り付けられ、回転方向RDに駆動することができるが、任意の他の直接的または間接的な駆動方法を使用することもできる。
【0058】
ベルト46は、内側ベルト表面49と、反対側の外側ベルト表面50と、全ベルト長BLとを有する。内側ベルト表面は、ベルト46とローラまたはプーリ52との間のトルク伝達を可能にするトルク伝達リッジ49aを有することができる。本実施形態では、コンベヤ幅CWのほぼ全体を覆う2つの折り畳み装置14”があり、BL/2は、コンベヤ幅CWの少なくとも50%であることが好ましい。第三の軸Zに平行な折り畳みシステム10の上面図では、2つの折り畳み装置14”のそれぞれの回転軸Rは、運動方向MDに沿って発散する。この向きが、再現性、信頼性、および物品のばらつきに関して最良の結果を得られることが分かった。
【0059】
折り畳み動作中の任意の所与の瞬間に、ベルト46は、動作および非動作ベルト部分58、60を有し、そのそれぞれは、BL/2よりもわずかに短い長さを有する。動作ベルト部分58は、プーリ52の間に延び、コンベヤ18および物品12に向かって少なくとも部分的に下方に面する。非動作ベルト部分60は、それぞれの回転軸Rよりも物品12から遠くに位置する。
【0060】
ベルト46は、回転方向RDに回転または移動する。回転方向RDは、常に、動作ベルト部分58が少なくとも部分的に運動方向MDに向けられた速度ベクトルVVを有するように向けられる。換言すれば、
図17に示すように、コンベヤ18および物品12の上面図または平面図において、速度ベクトルVVは、運動方向MDに対して鋭角の速度角aVを形成する。速度角aVは、30~70°、好ましくは40~60°の範囲とすることができる。本実施形態によれば、速度角aVは50°に等しい。したがって、動作ベルト部分58は、布地を折り畳むのを支援する第二の軸Y方向の速度成分を有するが、物品12の「流れ」に一致またはアシストし、円滑な搬送を確実にし、物品の詰まりを回避するために、運動方向MDの速度成分も有する。これらの速度成分も、一般に、動作ベルト部分58の細長いフィンガ44によって布地に加えられる力ベクトルの向きを反映する。
【0061】
ベルト46は、ベルト速度BVを有し、このベルト速度BVは、速度角Avに応じて、200mm/s~100mm/sの範囲とすることができる。本実施形態によれば、ベルト速度は540mm/sに等しい。本実施形態によれば、ベルト46は、単一の列に連続的に整列された複数の細長いフィンガ44を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、ベルト46は、例えば、
図13および
図14に示すように、2列の細長いフィンガ44を有する。これらの実施形態では、接触装置15は、並んで配置された2つの異なるベルト46を有することができ、これらのベルトのそれぞれは、異なる列のフィンガ44を備える。細長いフィンガ44は、回転軸R2に垂直なベルト長手方向BLに互いに間隔を置いて配置されている。ベルト46の側面図において、回転軸R2に沿って、間隔空間ISは、単一列で隣接する細長いフィンガ44間の外側ベルト表面50上で回転軸Rに垂直に測定された最小距離として定義される。間隔空間ISは、好ましくは10mm~70mm、より好ましくは40mm~60mmの範囲であり、本実施形態によれば、間隔空間ISは、50mmに等しい。
【0062】
接触装置15”の第二の実施形態を有する各折り畳みシステム10について、数学的リンクが、例えば、線形ベルト速度BVとコンベヤ速度CVとの間で定義され得ることが分かった。例えば、BV=(CV*SC)/Cos(aV)である。速度比定数SCは、経験的に発見され、0.8~1.4、好ましくは1~1.2の範囲とすることができる。ベルト速度BVがコンベヤ速度CVに対して速すぎる場合、接触装置(15)は、例えば、物品12をコンベヤ18に対して変位させる可能性がある。一方、ベルト速度BVが遅すぎる場合、接触装置は、例えば、布地を張ることがある。いずれの場合も、物品の詰まりが発生する可能性がある。第三の軸Zに沿った図において、ベルト速度BVは、運動方向MDに向けられ、それと鋭角の速度角aVを形成するか、または運動方向MDから離れるように向けられ、それと鈍角180-aVを形成する。
【0063】
図8および
図11~15に注目する。各細長いフィンガは、例えば、多角形または丸みを帯びた断面を有することができる。実験中、各フィンガ44の断面の特定の形状と、一般的な折り畳み品質および/または効率との間に相関関係が見出された。各フィンガ44は、好ましくは、長方形または円形の断面を有し、その両方が最良の結果をもたらすことが見出された。具体的には、長方形の断面は、一般に、円形の断面よりも製造が安価であった。折り畳み用途および/または物品12の属性(例えば、外部測定値、剛性/可撓性、密度、テクスチャーなど)に従って、細長いフィンガ44は、対応する断面または適切な断面を有することができる。
【0064】
本実施形態によれば、各細長いフィンガ44は、対向するベースフィンガ部分62およびメインフィンガ部分64を有する。ベースフィンガ部分62は、好ましくは、周面48または外側ベルト表面50に恒久的に接続される(すなわち、損傷なしに取り外し不可能である)。非動作ベルト部分60上、すなわち、細長いフィンガ44の非係合位置で、細長いフィンガ44は、フィンガ長ELを有し、このフィンガ長ELは、周面48または外側ベルト表面50と、メインフィンガ部分64上の細長いフィンガ44の先端との間で測定される。フィンガ長ELは、10mm~130mm、好ましくは30mm~100mmの範囲とすることができる。本実施形態では、フィンガ長は、50mmに等しい。本実施形態によれば、動作ベルト部分58上で、コンベヤ18に最も近いフィンガ44は、コンベヤ18に接触することができる。好ましくは、非動作モードにおいて、少なくとも1つのフィンガ44は、コンベヤ18と接触しているか、またはコンベヤ18から1mm以下離れて配置されている。利点は、非常に薄い布地でさえも、フィンガ44によって「捕捉」され、最終的に折り畳まれることである。動作折り畳みモードでは、(物品12と係合する)折り目を形成するそれぞれのフィンガ44は、主に物品縁部28および第二の物品表面28と係合するように構成される。
【0065】
各細長いフィンガ44は、フィンガ上面66と、外側ベルト表面50に向かって延びるフィンガ周面68とを有することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのフィンガ44は、平滑フィンガ周面68を有する。言い換えれば、フィンガ周面68は、リッジまたは突出部を有さなくてもよい。いくつかの実施形態によれば、各フィンガ周面68は、
図11に見られるように、そこから突出するリッジ70を含むことができる。これらのリッジ70は、付加的な摩擦を供給することによって、いくつかの素材で物品の取扱いを改善することができる。
【0066】
図5の背面図に見られるように、第三の軸Z方向において、コンベヤ18は保持部材16の下方に位置し、保持部材16は接触装置15の下方に位置している。各接触装置15のプーリ52およびベルト46は、コンベヤ18から離間している。しかしながら、細長いフィンガ44の少なくともいくつかは、コンベヤ18と接触することができる。これによって、最も薄い布地/物品12でさえも細長いフィンガ44によって係合され、確実に正しく折り畳むことができる。
【0067】
本実施形態によれば、折り畳みシステム10の動作折り畳みモードでは、物品12は、折り畳みシステム10を通って移動または搬送される。物品12は、回転するコンベヤ上面22に位置し、保持部材16の下で物品12を搬送する。動作折り畳みモードでは、物品12はコンベヤ18と保持部材16との間に配置され、接触装置15’、15”の回転軸R、R1、R2は物品12の上方かつ保持部材16の上方に配置される。
【0068】
図1および
図2に注目すると、折り畳み装置14’の第一の実施形態を有する折り畳みシステム10が示されている。第一の実施形態の折りシステム14’は、回転軸Rを有する単一のローラ52のみを有し、モータ56は、接触装置の唯一の回転軸Rと一致する出力軸を有してもよい。したがって、
図1および
図2に見られる折り畳みシステム10では、接触装置15’、したがって、周面48は、回転軸Rに沿って見ると、ほぼ円形の形状を有する。周面48は、ローラ52の周りに延びるか、またはその一部であることができ、ローラ52は、回転軸Rの周りで中心に置かれ、その周りを回転することができる。
図1および
図2に見られるように、折り畳みシステム10は、2対の折り畳みシステム14’を有し、各対は、異なる物品幅を取り扱うように構成される。内側の一対の折り畳み装置14’の部材は、他方の外側の一対の部材よりも互いに近接して配置されている。各対の各折り畳み装置14’は、第二の軸Y(幅)方向において、折り畳みシステム10または物品12の反対側に配置されている。
図1および
図2に見られる折り畳み装置14’の場合、第一の角度α1は、1~44°の範囲、好ましくは20~40°の範囲とすることができる。本実施形態によれば、第一の角度は30°に等しい。
【0069】
図3~
図5を注目するとは、折り畳み装置14”の第二の実施形態を有する折り畳みシステム10が示されている。
図3~
図5において、各接触装置15は、第一および第二のプーリ52a、52bと、それらの周りに楕円形に延在するベルト46とを含む。接触装置15”のこの第二の実施形態は、構造の類似性のために、コンベヤタイプまたはベルトタイプの接触装置15”とも呼ばれる。接触装置15は、布地に対して行われる保持、アイロン掛け、または同様の動作のために、構成または意図されていない。折り畳み装置14”のこの第二の実施形態において、周面48は、外側に面する外側ベルト表面50である。ベルト46は、複数の細長いフィンガ44を含む。第一および第二のプーリ52a、52bは、互いに平行であり得るそれぞれの第一および第二の回転軸R1、R2を有する。折り畳み部材14”の場合、
図3~
図5に見られ、第一の角度α1は、1°~44°の範囲、好ましくは15°~40°の範囲である。本実施形態によれば、第一の角度は30°に等しい。
【0070】
接触装置15”は、接触装置の伸長軸Lを有し、伸長軸Lは、第一および第二の回転軸R1、R2の間の最短距離が測定される方向に対応する方向に沿って延在するように規定される。接触装置の伸長軸Lは、動作ベルト部分58と非動作ベルト部分60との間の中間に配置されている。また、接点装置の伸長軸Lは、第一および第二の回転軸Rl、R2に直交することができる。接触装置の伸長軸Lは、ベルト長手方向BLに平行である。
【0071】
接触装置の長さMLは、周面48の最も遠い端部の間で、回転軸R、R1、R2のいずれかに直角に規定される。接触装置の第二の実施形態によれば、接触装置の長さMLは、コンベヤ幅CWの20~70%、好ましくはコンベヤ幅CWの30~50%の範囲とすることができる。本実施形態によれば、接触装置の長さMLは、コンベヤ幅CWの40%に等しい。接触装置の長さMLは、190mm~320mmの範囲とすることができる。本実施形態によれば、接触デバイスの長さMLは、270mmに等しい。
【0072】
本実施形態において、接触装置15’、15”は、周面48の最も遠い端部間の回転軸R、R1またはR2のいずれかに平行な方向に規定される接触装置幅MWを有する。接触装置幅MWは、4mm~50mmの範囲とすることができる。本実施形態によれば、接触装置幅MWは、15mmに等しい。長さ対幅比、すなわち寸法比LWR=MW/MLが、接触装置の長さMLと接触装置の幅MWとの間で定義される。本実施形態によれば、寸法比LWRは、0.5~25の範囲、好ましくは10~20の範囲である。本実施形態において、寸法比LWRは、20に等しい。
【0073】
第一の軸X(
図16)に沿った図では、接触装置の伸長軸Lは、基準平面Pと鋭角の第二の角度α2を形成する。第二の角度α2は、0~7°の範囲、好ましくは0~5°の範囲である。第二の実施形態において、第二の角度α2は、3.5°に等しい。第二の角度α2は、逃げ角とみなすことができ、動作ベルト部分58のフィンガ44とコンベヤ18との間で広がっていく隙間を形成する。これによって、様々な厚さおよびタイプの布地を折り畳むにあたって、折り畳みシステムの適応性および信頼性が高まる。
【0074】
第三の軸Z(
図17)に沿ったコンベヤ上面22の平面図では、接触装置の伸長軸Lは、運動方向MDと第三の角度α3を形成し、第三の角度α3は、20~80°の範囲、好ましくは35~75°の範囲とすることができる。第二の実施形態において、第三の角度は、50°である。
【0075】
上記の角度比および測定値はすべて、厳密で一定の最適化および研究開発プロセスの直接的な結果であり、これらの数値を導くことができた。この努力の目的は、折り畳みシステム10の費用対効果と汎用性との間のバランスを見出すことであった。
【0076】
図19~
図24に注目する。本出願の主題によれば、連続折り畳み方法は、以下のステップ、すなわち、
a.少なくとも1つの折り畳みシステム10を提供するステップと、
b.物品12と少なくとも1つの折り畳み装置14’、14”との間で、運動方向MDに連続的な相対運動を可能にするステップと、
c.保持部材(16)を用いて物品12を保持するステップと、
d.保持部材縁部30を使用し、物品12内で折り畳み線20の位置および向きを確立するステップと、
e.フィンガ44を使用して、第二の物品表面26を連続的に係合し、折り畳み線20上で少なくとも運動方向MDに直角な方向に、物品12を収集し、折り畳むステップを含む。
【0077】
図19~
図24に注目する。本出願の主題によれば、さらなる連続的な折り畳み方法は、以下のステップ、すなわち、
a)物品12と少なくとも1つの折り畳み装置14’、14”との間で、運動方向MDに連続的な相対運動を可能にするステップと、
b)保持部材16を用いて物品12を保持するステップと、
c)保持部材縁部30を使用し、物品12内で折り畳み線20の位置および向きを確立するステップと、
d)連続的に回転する接触装置15’、15”を使用して、第二の物品表面26を係合するステップと、
e)フィンガ44を使用して、折り畳み線20上で少なくとも運動方向MDに直角な方向に、物品12を収集し、折り畳むステップと、
を含む。
【0078】
さらに、以下のステップを含む折り畳み方法が提供され、この方法は、
a)物品中心軸CLと一致する運動方向MDに物品12を搬送するステップと、
b)中心軸CLに向かう掬い運動で、物品12の第二の物品表面26を収集し、折り畳むステップと、
c)物品12の側部/側先端部が折り畳まれるまで、前のステップを繰り返すステップと、
d)を含む。
【0079】
さらに、以下のステップを含む折り畳み方法が提供され、この方法は、
a)コンベヤ18を使用して、保持部材16を横切る物品12を、運動方向MDに連続的に搬送するステップと、
b)物品12の上面図では、運動方向MDおよび第一の軸Xに向かう第二の軸Y方向に、物品12に力を連続的かつ断続的に付与するステップと、
c)第二の軸Yに沿った図では、運動方向MDと垂直方向との間の方向、すなわち第三の軸Zの方向に、物品12に力を連続的かつ断続的に付与するステップと、
を含む。
【0080】
対向する第一および第二の物品側縁部28a、28bと、物品側縁部28a、28bの間を通る物品中心線CLとを含む物品(12)を折り畳むための物品折り畳み方法がさらに提供され、この方法は、
(a)物品中心軸CLと一致する運動方向MDに物品12を搬送するステップと、
(b)物品が運動方向MDに移動している間に、物品の第一の側縁部28aの増分部分を、第一の側縁部28aの少なくとも全セクションが第二の物品表面26上に折り畳まれるまで、中心線CLに向かって連続的に収集し、折り畳むステップと、好ましくは、
(c)物品が運動方向MDに移動している間に、物品の反対側の第二の側縁部28bの増分部分を、第二の側縁部28bの少なくとも全セクションが第二の物品表面28上に折り畳まれるまで、中心線CLに向かって連続的に収集し、折り畳むステップと、
を含む。好ましい実施形態において、この折り畳み方法のステップ(b)と(c)は、同時に起こる。