(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】圧縮シールにより電気コネクタのケーブル開口部をシールするためのケーブルシールプラグ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20230413BHJP
【FI】
H01R13/52 301E
H01R13/52 301B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021198203
(22)【出願日】2021-12-07
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】10 2020 133 029.4
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】カルシュテン フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】ローマン ヒルトマン
(72)【発明者】
【氏名】マクシミリアン ファイール
(72)【発明者】
【氏名】マルクス エッケル
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0259291(US,A1)
【文献】特開2001-015205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のケーブル径(10)を有する電気ケーブル(8)を接続するように構成されている電気コネクタ(4)のケーブル開口部(7)をシールするためのケーブルシールプラグ(1)であって、
前記ケーブルシールプラグ(1)は、
- 前記ケーブルシールプラグ(1)を軸方向(A)に貫通する前記電気ケーブル(8)用のケーブル貫通口(12)と、
- 前記ケーブル貫通口(12)の周りに延在し、かつ圧縮シール(14)の内径(18)が前記所定のケーブル径(10)よりも小さくなる圧縮状態(16)に移行可能な圧縮シール(14)と、
- 前記ケーブルシールプラグ(1)を前記電気コネクタ(4)に固定するように構成されているロックシステム(22)を含むロック部分(20)とを備え、
前記ロック部分(20)と前記圧縮シール(14)とは一体化されて1つの部品(26)を形成する
とともに、
圧縮リング(42)が、前記ロック部分(20)と反対側の前記ケーブルシールプラグ(1)の軸端(40)に配置され、
前記圧縮シール(14)は、前記ロック部分(20)と前記圧縮リング(42)との間に位置する、
ケーブルシールプラグ(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの軸方向に突出する肩部(50)が、前記ロック部分(20)と前記圧縮シール(14)とが互いに接続される表面(48)に位置する、
請求項
1に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項3】
前記圧縮シール(14)は、半径方向に突出する少なくとも1つの圧力ビード(56、58)を、前記圧縮シール(14)の外面および/または内面に有する、
請求項1
または2に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項4】
前記ケーブルシールプラグ(1)は、半径方向内方に突出する少なくとも1つの圧力ビード(56)を有し、
前記圧力ビード(56)は、前記軸方向(A)において前記ロック部分(20)に直接当接する、
請求項
3に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項5】
前記ケーブルシールプラグ(1)のシェル表面(70)が、少なくとも部分的に、前記ロック部分(20)と前記圧縮シール(14)とによって形成されている、
請求項1から
4のいずれか一項に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項6】
前記ロックシステム(22)は、前記ロック部分(20)のシェル表面(70)に配置されている、
請求項1から
5のいずれか一項に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項7】
前記ロック部分(20)は、前記圧縮シール(14)から離れる方を向く端面(82)に少なくとも1つのハンドリング領域(84)を備える、
請求項1から
6のいずれか一項に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項8】
前記ハンドリング領域(84)は、周方向に沿って、軸方向および/または半径方向に大きくなる、
請求項
7に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項9】
前記圧縮リング(42)は、導電性材料から形成されている、
請求項
1から
8のいずれか一項に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項10】
前記圧縮リング(42)は、前記圧縮シール(14)および前記ロック部分(20)と一体化されて前記部品(26)を形成する、
請求項
1から
9のいずれか一項に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項11】
前記圧縮リング(42)は、前記圧縮シール(14)から前記軸方向(A)に離れて突出する延長部(94)を有する、
請求項
1から
10のいずれか一項に記載のケーブルシールプラグ(1)。
【請求項12】
ケーブル開口部(7)を有するハウジング(6)と、
請求項1から
11のいずれか一項に記載のケーブルシールプラグ(1)とを備える電気コネクタ(4)であって、
前記ハウジング(6)は、ブロック位置(24)で前記ケーブルシールプラグ(1)を前記ハウジング(6)内に固定するための、前記ケーブルシールプラグ(1)の前記ロックシステム(22)に相補的なロックシステム(78)を備え、
前記ブロック位置(24)では、前記圧縮シール(14)は前記ハウジング(6)の内壁(92)に押し付けられる、
電気コネクタ(4)。
【請求項13】
前記ブロック位置(24)では、前記ケーブルシールプラグ(1)は完全に前記ハウジング(6)内に位置する、
請求項
12に記載の電気コネクタ(4)。
【請求項14】
前記ハウジング(6)は環状ポケット(90)を有し、
前記ブロック位置(24)では、前記圧縮リング(42)または前記圧縮シール(14)は少なくとも部分的に前記環状ポケット(90)の中に突出する、
請求項
12または
13に記載の電気コネクタ(4)。
【請求項15】
所定のケーブル径(10)を有する電気ケーブル(8)を接続するように構成されている電気コネクタ(4)のケーブル開口部(7)をシールするためのケーブルシールプラグ(1)であって、
前記ケーブルシールプラグ(1)は、
- 前記ケーブルシールプラグ(1)を軸方向(A)に貫通する前記電気ケーブル(8)用のケーブル貫通口(12)と、
- 前記ケーブル貫通口(12)の周りに延在し、かつ圧縮シール(14)の内径(18)が前記所定のケーブル径(10)よりも小さくなる圧縮状態(16)に移行可能な圧縮シール(14)と、
- 前記ケーブルシールプラグ(1)を前記電気コネクタ(4)に固定するように構成されているロックシステム(22)を含むロック部分(20)とを備え、
前記ロック部分(20)と前記圧縮シール(14)とは一体化されて1つの部品(26)を形成するとともに、
前記ロック部分(20)は、前記圧縮シール(14)から離れる方を向く端面(82)に少なくとも1つのハンドリング領域(84)を備える、
ケーブルシールプラグ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のケーブル径を有する電気ケーブルを接続するように構成されている電気コネクタのケーブル開口部をシールするためのケーブルシールプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
電気ケーブルは、電流を伝導するために低電圧範囲から高電圧範囲まで様々な用途で使用されている。このような電気ケーブルによって、電力および/または情報を2つの電気部品間で伝送することができる。電気ケーブルを電気部品のうちの一方に接続するために、電気ケーブルをコネクタのハウジング内で終端させることができる。望ましくない媒体がハウジング内部に入って、例えば短絡または接触不良を引き起こし得ることを防止するためには、ケーブル開口部をシールしなければならない。従来技術では、電気ケーブルがハウジングに挿入される前に、シール要素が電気ケーブルに取り付けられる。しかしながら、シール要素を電気ケーブルに沿って移動させることは、望ましいシール効果を実現するためにシール要素が高いシール力で電気ケーブルのシェル表面を押し付けるので、特に大きいケーブル径を有する電気ケーブルの場合に非常に労力を要することがわかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、組立ての労力をほとんどかけずに確実なシール効果を実現できる解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この目的は、ケーブルシールプラグを軸方向に貫通する電気ケーブル用のケーブル貫通口を有するという点で、上記のケーブルシールプラグによって達成される。ケーブルシールプラグは、ケーブル貫通口の周りに延在し、かつ圧縮シールの内径が所定のケーブル径よりも小さくなる圧縮状態に移行可能な圧縮シールと、ケーブルシールプラグをプラグに固定するように構成されているロックシステムを含むロック部分とをさらに備える。本発明によれば、圧縮シールとロック部分とは1つの部品に一体化される。
【0005】
ケーブルシールプラグは、その内径が大きいことにより、組立て中にケーブルに沿って容易に移動して必要な位置を実現することができる。緩んだ初期状態では、圧縮シールは、低いシール力のみでケーブルのシェル表面を押し付けるか、またはさらにはシェル表面から離間している。その結果、普通なら圧縮シールを損傷させる、相対移動中のケーブルと圧縮シールとの間の静摩擦が、まったくないか、またはわずかしかない。圧縮シールが圧縮されると、その内径は縮小する。これにより、圧縮シールはケーブルのシェル表面に密着し、高いシール力でこのシェル表面を押し付ける。ケーブルシールプラグは、圧縮シールが圧縮される前に電気ケーブルに沿って位置決めされるので、従来技術の解決策と比較してより高いシール力が実現されるように圧縮シールを構成することができる。
すなわち、ケーブルシールプラグが位置決めされるときにシール要素が既に十分なシール力で電気ケーブルのシェル表面に押し付けられている場合には、ケーブルシールプラグをケーブルに沿って変位させることができるようにシール力を十分に低くする必要がある。
【0006】
したがって、本発明によるケーブルシールプラグを使用することにより、組立てを容易にすることができるだけでなく、シール効果も向上させることができる。圧縮シールは発生する振動を減衰させるので、シール力が高いほど、耐振性も向上する。
【0007】
ロック部分と圧縮シールとを一体部品として構成することにより、特に半径方向における圧縮シールとロック部分との相対位置の望ましくない変位を防止する。したがって、圧縮シールとロック部分との接触面を、組立て中だけでなく製造中に既に正確に確定することができる。圧縮状態における圧縮シールの、特に変位方向への変形を予め規定することができるので、接触面の変位が回避されて、圧縮シールの最適な構成が可能になる。
【0008】
圧縮シールがロック部分と構造的に一体化されていない場合には、ロック部分が圧縮シールを押し付けて圧縮状態に移行させる前に、この圧縮シールをハウジング内に正確に位置決めする必要がある。圧縮シールの位置決めだけでも多くの慎重さが必要となり、圧縮シールの位置は、単純な振動によって、例えばロック部分の移動によって変位するおそれがある。したがって、圧縮シールの圧縮とそれによるシール効果とは、それを組み立てる人の技能に依存する。ケーブルシールプラグの一体部品としての本発明による構成によれば、圧縮シールとロック部分との相対位置は既に予め決められており、圧縮シールをロック部分と共に1つのステップで簡単にハウジングに挿入することができる。したがって、本発明によるケーブルシールプラグのシール効果は、それを組み立てる人の技術とは無関係である。
【0009】
デバイスおよび方法のさらなる好ましい構成について、以下で例示的に説明する。個々の構成は、互いに独立して組み合わせることができ、互いに独立して入れ換え可能である。
【0010】
例示的な構成によれば、圧縮シールとロック部分とを、例えば形状嵌合接続(form-fit connection)を介して互いに取り外し可能に接続することができる。ここでは、取り外し可能とは、圧縮シールとロック部分とを、これらの部品の一方を損傷することなく互いに分離できることを意味する。あるいは、圧縮シールとロック部分とを、例えば材料閉鎖(material closure)によって、互いに取り外し不能に接続することができる。材料閉鎖により、圧縮シールとロック部分との間に弾性接続を実現することができ、圧縮シールが突然脱落すること、またはロック部分から引き離されることを防止することができる。
【0011】
一体部品において、圧縮シールとロック部分とを、運動伝達方式(movement-transmitting manner)で少なくとも一方向に互いに接続することができ、例えば、ロック部分の回転運動により、圧縮シールの同期および同時回転運動が生じるようになっている。特に、圧縮シールとロック部分とを、運動伝達方式ですべての運動方向に互いに接続することができる。
【0012】
圧縮シールとロック部分との接続を向上させるために、材料閉鎖に加えて、例えば、さねはぎ接続(tongue-and-groove connection)の形態で、圧縮シールとロック部分との間に形状嵌合接続を形成することができる。
【0013】
一体部品は射出成形部品であってよく、これは、この部品を費用効率よく高精度で特に大量に形成することができることを意味する。圧縮シールおよびロック部分の要件は異なっていることがある。したがって、圧縮シールとロック部分とを異なる材料から形成することが特に好ましい。例えば、圧縮シールを弾性材料またはさらにはゴム弾性材料から形成することができ、ロック部分を比較的硬質な材料から形成することができる。したがって、圧縮状態で、圧縮シールはケーブルのシェル表面に密着することができ、ケーブル径および/または振動の変化をより良好に補償することができる。一方、ロック部分は圧縮シールに対して高い押圧力を発生させることができ、衝撃および/または衝撃荷重などの高い機械的負荷に耐えることができる。
【0014】
ロック部分を、例えば金属から形成することができる。しかしながら、好ましい構成によれば、ロック部分はプラスチック、例えば熱可塑性物質から形成される。一体部品を、多成分射出成形部品として1つのプロセスで成形することができると好ましい。
【0015】
圧縮シールを圧縮状態で固定しようとする場合、この場合にはロック部分がブロック位置(blocking position)にあると特に好ましい。これにより、ロック部分がハウジングから押し出されることなく、使用期間にわたって一定の押圧力をロック部分により発生させることができる。
【0016】
ロック部分はケーブルシールプラグの軸端(axial end)を形成することができ、ケーブルシールプラグの取扱いを容易にする。圧縮状態で、ロック部分は、軸端から圧縮シールに向かう方向に押圧力を発生させることができ、これにより、例えば、ロック部分から離れる方を向く端部で圧縮シールがハウジング壁に押し付けられる。その結果、圧縮シールは軸方向に圧縮され、圧縮シールは半径方向に膨張する。
【0017】
圧縮シールに対する可能な限り均一な押圧力を実現するために、ケーブルシールプラグは、ロック部分と反対側のケーブルシールプラグの軸端に圧縮リングを有することができ、圧縮シールは圧縮リングとロック部分との間に位置する。特に、圧縮シールは、ロック部分と圧縮リングとの間に直接位置することができる。圧縮リングは、ケーブル開口部に挿入されると、ハウジング壁に当たり、圧縮リングに沿って均一に分散された押圧力で圧縮シールを押し付ける。反対側では、ロック部分が圧縮シールを押し付けて、圧縮シールが軸方向に圧縮され、圧縮シールの変位した材料が半径方向内方または外方に逃げるようにする。
【0018】
さらに好ましい構成によれば、少なくとも1つの軸方向に突出する肩部が、ロック部分と圧縮シールとが互いに接続される表面に位置することができる。例えば、肩部が圧縮シール内に軸方向に突出し、押圧力がロック部分から圧縮シールに伝わる圧縮面を形成する状態で、肩部をロック部分に形成することができる。
【0019】
ロック部分から離れる方を向く圧縮シールの端部で、圧縮リングを少なくとも部分的に圧縮シールに軸方向に受け入れることができ、圧縮シールが脱落することを防止するようになっている。
【0020】
圧縮リングは、例えば、ロック部分から離れる方を向く圧縮シールの軸端に配置された別個の部品であってよい。この場合、押圧リングを、形状嵌合によって脱落しないように固定することができる。これにより、押圧リングを簡単に交換することができ、さらには異なる軸方向長さを有する異なるタイプの押圧リングをセットで提供することもでき、異なるタイプの押圧リングは、用途によってはより適切である場合があり、相互交換可能となっている。
【0021】
押圧リングを、例えば、導電性材料、特に金属から形成することができる。この構成において、圧縮リングは、ロック部分と相互作用して圧縮シールを圧縮するように機能するだけでなく、例えば少なくともブロック位置で電気ケーブルのケーブルシールドに接触できる追加のシールド要素としても機能する。
【0022】
あるいは、押圧リングを電気絶縁材料から形成してもよい。この構成において、特にハウジングを導電性材料から形成して、ハウジングがシールド要素として機能し、押圧リングがハウジングとケーブルシールドとのシールド接触を保証するようにすることができる。
【0023】
特に好ましい構成において、圧縮リングは圧縮シールおよびロック部分と共に、一体部品の一部であってよい。特に、圧縮リングを圧縮シールに取り外し不能に結合することができ、圧縮リングの押圧力が圧縮シールに作用する圧縮面を、製造中に変位不能かつ高精度に固定することができる。このために、一体部品は、例えば、多成分射出成形法の製品であってよい。
【0024】
圧縮状態への移行中の圧縮シールの傾きを防止しようとする場合、圧縮リングの圧縮面とロック部分の圧縮面とが圧縮シールに対して互いに正反対であると特に好ましい。したがって、上面図で、これらの圧縮面は、少なくとも部分的に、軸方向に基本的に平行に重なることができ、押圧力は圧縮状態で互いに基本的に逆平行(antiparallel)に配置される。
【0025】
圧縮状態に移行するときに圧縮シールの内径および/または外径を緩んだ状態よりも大きく変化させるために、圧縮シールは、半径方向に突出する少なくとも1つの圧力ビードを、圧縮シールの半径方向内面および/または外面に有することができる。
【0026】
したがって、例えば、ロック部分、特にロック部分の圧縮面に軸方向に直接隣接する、半径方向内方に突出する圧力ビードを設けることができる。圧縮リングがある場合、半径方向内方に突出する圧力ビードは、ロック部分および圧縮リングの圧縮面間に軸方向に直接配置されることが好ましい。
【0027】
代替としてまたは追加として、圧縮シールは、半径方向外方に突出する圧力ビードを有することができ、その外径は少なくとも圧縮状態で拡大する。したがって、圧縮状態で、半径方向外方に突出する圧力ビードを、半径方向にシールレセプタクルを画定するハウジングの内壁に押し付けることができる。緩んだ非圧縮状態で、半径方向外方に突出する圧力ビードは、シールレセプタクルの内径よりも小さい外径を有することができ、圧縮シールがシールレセプタクルに挿入されたときに、半径方向にシールレセプタクルを画定する内壁に圧縮シールが引っ掛からないようになっている。半径方向外方に突出する圧力ビードの別の利点は、単一の圧縮シールが、電気ケーブルとケーブルシールプラグとの間の領域だけでなく、ケーブルシールプラグとハウジングとの間の領域もシールすることにより、特にコンパクトな設計を可能にすることである。
【0028】
圧力ビードは、例えば、圧縮状態でケーブルのシェル表面を押し付ける少なくとも1つのシールリップを有することができる。圧力ビードは、軸方向に互いに隣接するいくつかのシールリップを有することができ、圧縮状態で、圧力ビードが、軸方向に互いに離間したいくつかの点で、ケーブルのシェル表面またはハウジングの内壁を押し付けるようになっていることが好ましい。
【0029】
さらなる好ましい構成によれば、ケーブルシールプラグのシェル表面を、少なくとも部分的に、ロック部分と圧縮シールとによって形成することができる。ケーブルシールプラグが圧縮リングを有する場合、好ましい構成において、圧縮リングはシェル表面の一部を形成することもできる。これにより、コンパクトな設計が可能になり、個々の部品のシェル表面を個々の作業に使用することができる。例えば、圧縮シールは、領域を半径方向外方にシールすることもできる。
【0030】
ケーブルシールプラグのサイズを縮小するために、ロック部分は、そのシェル表面にロックシステムを有することができる。これにより、ロック部分の不要な軸方向伸長が防止される。特に、ケーブル開口部の内壁に配置された相補ロックシステムに係合するロックシステムにより、ロック部分をケーブル開口部に挿入することができる。ロック部分をケーブル開口部に挿入することにより、少なくともブロック位置で、ロック部分がケーブル開口部からあまり遠くに突出しないか、さらにはまったく突出しない。したがって、組立て状態でプラグに必要なスペースが減少する。
【0031】
ケーブル径が小さい場合、非常に大きいシール力は必要ない。したがって、そのような使用では、ラッチおよび/またはスナップ機構によって、ロックシステムと相補ロックシステムとを互いに係合させることができる。例えば、ロックシステムは、ブロック位置で相補ロックシステムに係合する少なくとも1つのラッチタブを有することができる。
【0032】
しかしながら、例えば高電圧用途において一般的な大きいケーブル径に起因して、使用に際して高いシール力を必要とする場合には、圧縮シールをブロック位置に移行し、ロック部分をブロック位置で固定するために必要な労力を可能な限り最小限に抑えることが特に好ましい。このために、ロックシステムは、ケーブルシールプラグの回転運動が軸方向運動に変換されるリンクガイドを有することができる。ロックシステムを、例えば、相補ロックシステムとのねじ接続を形成する雄ねじとして構成することができる。
【0033】
ロックシステムおよび相補ロックシステムは、差込ロックを形成することができると好ましい。このために、2つのロックシステムのうちの一方はスライドガイドを備えることができ、他方のロックシステムは、スライドガイドに受け入れ可能な、半径方向に突出するスライドブロックを備えることができる。ねじ接続とは対照的に、差込ロックのブロック位置は予め正確に決められる。したがって、差込ロックにより、実現されるシール力を組立てとは無関係に指定することができる。これは、最小のシール力を保証しようとする使用の際に特に好ましい。例えば、簡単なねじ接続の場合、最小のシール力に必要な圧縮に達する前に、このために意図されたねじ接続の閾値点に既に達していると想定される。
【0034】
ケーブルシールプラグの取扱いをより良好にするために、ロック部分は、圧縮シールから離れる方を向く端面に少なくとも1つのハンドリング領域(handling area)を備えることができる。このハンドリング領域は、手または工具による係合を容易にするように構成されてよい。例えば、ハンドリング領域は、凹みまたは隆起として構成されてよい。
【0035】
ハンドリング領域は、方向を示すように機能し、例えば、ハンドリング領域をロック方向に沿って軸方向および/または半径方向に大きくすることにより、ロック方向を示すこともできる。これは、ロックが容易になるが、偶発的なロック解除を避けることができるというさらなる利点を有する。ロック方向と反対方向では、ハンドリング領域の面積が縮小し、これは、例えば、ハンドリング領域に加わる外部物体の衝撃が、ケーブルシールプラグの回転位置にまったく、または少なくともほとんど影響を与えないことを意味する。
【0036】
圧縮リングを、電気ケーブルのケーブルシールドをハウジング内に固定するように特に構成することができる。このために、圧縮リングは、圧縮シールから軸方向に離れて突出する延長部を有することができる。少なくともブロック位置で、延長部は、ケーブルシールドをハウジング壁またはシールド板に押し付けて、延長部とハウジング壁またはシールド板との間にケーブルシールドがクランプされるようにすることができる。これにより、延長部は、シールドコンタクトの耐振性を向上させる。
【0037】
別の例において、少なくとも延長部またはさらには圧縮リング全体は、シールド要素として機能し、導電性材料から形成することができる。
【0038】
特にコンパクトなケーブルシールプラグにおいて、ケーブルシールプラグの外径が、ロック部分から圧縮シールに向かう方向に縮小してもよい。例えば、ロック部分は、圧縮シールの外径よりも大きい外径を有することができる。圧縮リングがある場合、その外径は、特に圧縮シールの外径よりも小さくてよい。
【0039】
本発明はさらに、ケーブル開口部を有するハウジングと、上記構成のうちの1つによるケーブルシールプラグとを備える電気コネクタに関する。ハウジングは、ブロック位置でケーブルシールプラグをハウジング内に固定するための、ケーブルシールプラグのロックシステムに相補的なロックシステムを備えることができ、ブロック位置で、圧縮シールはシールレセプタクルの内壁に押し付けられる。
【0040】
この場合、圧縮シールを、押圧リングを介してシールレセプタクルの内壁に、特に圧縮シールに関してロックシステムと反対側の内壁に、直接または間接的に押し付けることができる。
【0041】
圧縮シールは、ブロック位置で圧縮状態にあり、圧縮シールがこの圧縮状態で固定され、圧縮シールの緩みが防止されるようになっていることが好ましい。
【0042】
多くの用途において、スペースの不足が重要な問題である。したがって、電気コネクタをできるだけコンパクトに構成することが特に好ましい。ケーブルシールプラグによる電気コネクタのサイズの増加は、例えば、ケーブルシールプラグが少なくともブロック位置で、または特にブロック位置のみで完全にハウジング内に位置することによって防止することができる。これにより、ケーブルシールプラグは、ブロック位置においてハウジングから軸方向に突出しない。
【0043】
取扱いを容易にするために、ケーブルシールプラグは、ブロック位置においてハウジングの一端で終端することができる。したがって、ケーブルシールプラグ、特にハンドリング領域に容易に手が届き、ケーブルシールプラグを操作するためにケーブル開口部に手が届く必要はない。
【0044】
さらに好ましい構成によれば、ハウジングは、少なくともブロック位置で圧縮シールが受け入れられるシールレセプタクルを含むことができる。シールレセプタクルは、相補ロックシステムを備えるケーブル開口部のブロック領域に軸方向に隣接することができ、ブロック領域はシールレセプタクルの内径よりも大きい内径を有する。
【0045】
緩んだ状態で、圧縮シールはシールレセプタクルの内径よりも小さい外径を有することができ、圧縮シールを摩擦抵抗なしにシールレセプタクルに導入することができるようになっていると好ましい。圧縮状態で、圧縮シールの外径は、特にシールレセプタクルの内径よりも大きくてよい。したがって、圧縮シールは、シールレセプタクルを半径方向に画定する内壁をシール力で押し付け、これにより軸方向のシール効果を実現する。
【0046】
流体がシールレセプタクルに入ることを防止するために、オプションの構成において、圧縮シールは、半径方向外方に突出するカラーを有することができ、このカラーは、ブロック位置において、ブロック領域とシールレセプタクルとの間の移行部を形成する肩部に軸方向に押し付けられる。特に、カラーを、ブロック位置において肩部とロック部分との間で軸方向にクランプすることができる。
【0047】
特に好ましい実施形態において、ハウジングは、ブロック位置で圧縮リングまたは圧縮シールが少なくとも部分的に内部に突出する環状ポケットを有することができる。ポケットは、例えば、ケーブルシールドを受け入れることができ、ポケット内に突出する圧縮リングまたは圧縮シールの一部は、ポケットの壁またはポケットに配置されたシールド板にケーブルシールドを押し付けることができる。これにより、ケーブルシールドをポケットに固定することができる。
【0048】
設置の労力を減らすために、ポケットを半径方向内側に配置することができる。これにより、特にポケットにおけるケーブルシールドの位置決めが容易になる。
【0049】
コネクタ装置は、上記のタイプの電気コネクタと、所定のケーブル径を有する電気ケーブルとを備えることができる。
【0050】
以下で、本発明について実施形態を用いてより詳細に例示的に説明する。上記の説明に従い、実施形態の特徴に関連する技術的効果が特定の用途に重要でない場合、その実施形態の特徴を省略することができる。逆に、さらなる特徴の技術的効果が特定の用途に重要である場合には、さらなる特徴を実施形態に追加することもできる。
【0051】
以下で、機能および/または空間/物理構成に関して互いに対応する特徴について、同じ参照符号を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明によるケーブルシールプラグの例示的な構成の概略斜視図である。
【
図2】
図1に示すケーブルシールプラグを含むコネクタアセンブリの、緩んだ状態における概略断面図である。
【
図3】ブロック位置における
図2のコネクタ装置の概略斜視図である。
【
図4】
図3に示すコネクタ装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下で、
図1~
図4を参照しながら、本発明によるケーブルシールプラグ1の例示的な構成およびコネクタ装置2についてより詳細に説明する。コネクタ装置2は、ケーブル開口部7を備えるハウジング6を有するコネクタ4と、ケーブルシールプラグ1と、所定のケーブル径10を有する電気ケーブル8とを備える。
【0054】
ケーブル貫通口12がケーブルシールプラグ1を軸方向Aに貫通し、ケーブル貫通口12に電気ケーブル8を挿入することができる。さらに、ケーブルシールプラグ1は、ケーブル貫通口12の周りに延在し、かつ圧縮シール14の内径18が所定のケーブル径10よりも小さくなる圧縮状態16(
図4参照)に移行可能な圧縮シール14と、
図3および
図4に示すようなブロック位置(blocking position)24でケーブルシールプラグ1をコネクタ4に固定するように構成されているロックシステム22を有するロック部分(locking part)20とを備える。
【0055】
圧縮シール14およびロック部分20の相対位置の意図しない変位を防止し、組み立てる人の組立技能に対するシール効果の依存を減らすために、圧縮シール14とロック部分20とは1つの構成部品26に一体化される。この構造的組合せにより、製造中に圧縮シール14とロック部分20との接触面を規定することができる。
【0056】
図2に示すような緩んだ状態28において、内径18は特に所定のケーブル径10よりも大きくてよい。その結果、圧縮シール14を損傷させ得る、圧縮シール14と電気ケーブル8との間の静摩擦力を生じさせることなく、組立て中に、ケーブルシールプラグ1をケーブルに沿って軸方向Aに容易に移動させることができる。
【0057】
圧縮シールが圧縮状態16に圧縮または移行されると、圧縮シール14は軸方向Aに圧縮し、内径18は縮小する。したがって、圧縮シール14は、主に絶縁体32によって形成される電気ケーブル8のシェル表面30に密着し、高いシール力34でこのシェル表面30を押し付ける。
【0058】
一体部品26において、圧縮シール14とロック部分20とを、特に、例えば材料閉鎖によって互いに取り外し不能に接続することができる。したがって、一体部品26は、例えば多成分射出成形プロセスによって形成された射出成形部品36であってよい。多成分射出成形プロセスは、ロック部分20と圧縮シール14とを異なる材料から形成しようとする場合に特に適している。例えば、圧縮シール14を弾性材料またはさらにはゴム弾性材料から成形することができ、ロック部分20を比較的硬質な材料から成形することができる。
【0059】
ロック部分20は、ケーブルシールプラグ1の軸端38を形成することができる。この例示的構成に見られるように、軸端38の反対側にあるケーブルシールプラグ1の軸端40を、圧縮リング42によって形成することができる。圧縮リング42は、ロック部分20から離れた圧縮シール14の側に当接することができ、圧縮シール14に均一な圧縮力を加えることを可能にする。圧縮リング42を介して押圧力44を圧縮シール14に加えることができ、押圧力44を、ロック部分20の押圧力46と反対に向けることができる。したがって、
図4に概略的に示すように、圧縮シール14を軸方向Aに均一に圧縮することができる。
【0060】
圧縮リング42を導電性材料から形成することができ、これにより、圧縮リング42はコネクタ装置2におけるシールド要素としても機能する。特に、圧縮リング42を、圧縮シール14に取り外し可能に接続できる別個の部品として構成することができる。
【0061】
しかしながら、圧縮リング42は、例示的構成に示すように、一体部品26の一部であり得ることが好ましい。例えば、圧縮リング42を、多成分射出成形部品の構成部品として形成することができる。したがって、特に、圧縮リング42を、ロック部分20と同じ材料から形成することができる。
【0062】
特に
図2および
図4の断面図に見られるように、ロック部分20と圧縮シール14とが互いに接続される表面48に、少なくとも1つの突出する肩部50があってもよい。この例示的構成において、肩部50は、ロック部分20に形成され、圧縮シール14内に軸方向Aに突出する。これにより、肩部50は、押圧力46が圧縮シール14に作用する押圧面52を形成する。
【0063】
ロック部分20から離れる方を向く圧縮シール14の端部で、圧縮リング42を少なくとも部分的に圧縮シール14に軸方向Aに受け入れることができ、ここには、圧縮シール14に関して押圧面52の正反対にある押圧面54も形成される。したがって、圧縮シール14は、軸方向Aにおいて押圧面52、54間に直接延在することができ、押圧力44、46が互いに基本的に平行または逆平行に配置されることを保証することができる。
【0064】
例示的構成に見られるように、圧縮シール14は、軸方向Aにおいて押圧面52、54間に直接位置する、半径方向内方に突出する圧力ビード56を含むことができる。内方に突出する圧力ビード56は、圧縮シール14の一部であり、ケーブル貫通口12を囲み、圧縮状態16で軸方向Aに圧縮されることにより半径方向に膨張する。
図4によれば、コネクタ装置2の半径方向内方に突出する圧力ビード56は、圧縮状態で電気ケーブル8のシェル表面30を押し付け、軸方向Aにおけるケーブル8とケーブルシールプラグ1との間の領域に流体が入ることを防止する。
【0065】
加えて、圧縮シール14は、半径方向外方に突出する圧力ビード58を有することができ、この圧力ビード58は、少なくとも圧縮状態16で、ケーブル開口部7を半径方向に画定するハウジング6の内壁60に押し付けられることにより、ハウジング6とケーブルシールプラグ1との間の領域をシールする。このために、ハウジング6は、少なくとも半径方向外方に突出する圧力ビード58がブロック位置24で配置されるシールレセプタクル62を有することができる。
【0066】
外方に突出する圧力ビード58は、内方に突出する圧力ビード56および/または圧縮リング42に、半径方向において少なくとも部分的に重なることができ、半径方向外方に突出する圧力ビード58を、圧縮リング42および/または内方に突出する圧力ビード56によって支持することができる。
【0067】
流体がシールレセプタクル62に入ることを防止しようとする場合、オプションの構成において、圧縮シール14は、半径方向に突出するカラー64を備えることができ、このカラー64は、ブロック位置24において、ロック部分20を受け入れるように構成されているブロック領域68とシールレセプタクル62との間の移行部(transition)66に軸方向Aに押し付けられる。
【0068】
特に、カラー64は、半径方向に押し込まれないように、肩部50に半径方向に重なることができる。
【0069】
ケーブルシールプラグ1を可能な限りコンパクトに維持するために、ロック部分20および圧縮シール14によって、シェル表面70が少なくとも部分的に形成される。これにより、シェル表面70を、圧縮シール14またはロック部分20の特定の作業に使用することができる。前述したように、ケーブルシールプラグ1とハウジング6との間のシールを、圧縮シール14を介して実現することができ、これにより、この作業のためのさらなる別個のシール要素を省略することができる。
【0070】
ロック部分20の場合、ロック部分20によって形成されたシェル表面70の部分にロックシステム22が位置していると特に好ましい。
【0071】
特に、大きい所定のケーブル径10を有する電気ケーブル8は、圧縮シール14を圧縮状態16に移行することが困難になる高いシール力を必要とし得る。ケーブルシールプラグ1の組立てを容易にするために、ロック部分20はスライドガイド72を備えることができ、このスライドガイド72を介して、ロック部分20の回転運動がケーブルシールプラグ1の軸方向運動に変換される。
【0072】
これは、例えばねじ接続によって実現することができるが、ねじ接続は、最終的なねじ位置が組み立てる人に依存するので、ブロック位置24を正確に規定できないという欠点を有する。ブロック位置24の正確な規定は、例えば、ブロック位置24でのみラッチが行われる差込ロック(バヨネットロック)74により実現することができる。このために、スライドガイド72を差込ガイド(バヨネットガイド)76として構成することができ、相補ロックシステム78を、ケーブル開口部7のブロック領域68に配置された、半径方向に突出するスライドブロック80として構成することができる。
【0073】
ロック部分に均一な応力を与えるために、周方向に離間した複数の差込ガイド76を設けて、ブロック位置24でそれぞれのスライドブロック80を同時に受け入れてロックすることができる。
【0074】
ケーブルシールプラグ1の取扱いをより良好にするために、ロック部分20は、圧縮シール14から離れる方を向く端面82に少なくとも1つのハンドリング領域84を備えることができる。このハンドリング領域は、手または工具による係合を容易にするように構成されてよく、この例示的構成においては、凹みとして構成される。
【0075】
ハンドリング領域84は、方向誘導を提供するようにも機能することができ、ブロック方向に沿って軸方向および/または半径方向に大きくなり得る。
【0076】
電気ケーブル8は、絶縁体32または導体束によって被覆された少なくとも1つの導電体86を有することができる。ケーブルシールド88を絶縁体32と導電体86との間に配置することができ、ケーブルシールド88は、コネクタ4のシールド接触のために露出され、環状ポケット90に挿入される。
【0077】
特に、ケーブル開口部7を軸方向に画定する内壁92に、環状ポケット90を半径方向内向きに配置することができ、これにより、ケーブルシールド88の露出部分の挿入が容易になる。環状ポケット90は、例えばシールド板(図示せず)を含むことができ、または、ハウジングの内壁92をシールド要素として構成することができる。
【0078】
シールドコンタクトの耐振性を向上させるために、圧縮リング42は延長部94を有することができ、この延長部94は、圧縮シール14から離れて軸方向Aに突出し、少なくともブロック位置24で環状ポケット90内に突出して、ケーブルシールド88をハウジング6に押し付ける。
【0079】
図4において、ブロック位置24で、圧縮シール14が圧縮状態にあり、圧縮シール14の圧縮を一定レベルに維持できることが示される。
【0080】
この場合、圧縮リング42は、内壁92に接して支持され、軸方向Aに基本的に平行な押圧力44により圧縮シール14に押し付けられる。
【0081】
さらに、この例示的構成において、ブロック位置24でケーブルシールプラグ1全体がハウジング6内に位置することがわかる。したがって、ケーブルシールプラグ1は、ケーブル開口部7から突出せず、これにより、コネクタ4の寸法を軸方向に増加させないことが好ましい。特に、ケーブルシールプラグ1は、ハウジング6の一端で終端することができ、これにより、ケーブルシールプラグ1を作動させるためにケーブル開口部7に手が届く必要がないようにすることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 ケーブルシールプラグ
2 コネクタ装置
4 コネクタ
6 ハウジング
7 ケーブル開口部
8 電気ケーブル
10 所定のケーブル径
12 ケーブル貫通口
14 圧縮シール
16 圧縮状態
18 内径
20 ロック部分
22 ロックシステム
24 ブロック位置
26 一体部品
28 緩んだ状態
30 シェル表面
32 絶縁体
34 シール力
36 射出成形部品
38 軸端
40 軸端
42 圧縮リング
44 押圧力
46 押圧力
48 表面
50 肩部
52 押圧面
54 押圧面
56 半径方向内方に突出する圧力ビード
58 半径方向外方に突出する圧力ビード
60 内壁
62 シールレセプタクル
64 カラー
66 移行部
68 ブロック領域
70 シェル表面
72 スライドガイド
74 差込ロック
76 差込ガイド
78 相補ロックシステム
80 スライドブロック
82 端面
84 ハンドリング領域
86 導電体
88 ケーブルシールド
90 環状ポケット
92 内壁
94 延長部
A 軸方向