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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】音響装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20230413BHJP
   G11B 31/00 20060101ALI20230413BHJP
   G11B 33/10 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
H04R3/00
G11B31/00 Z
G11B33/10 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021528529
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(86)【国際出願番号】 JP2019024257
(87)【国際公開番号】W WO2020255289
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】315017409
【氏名又は名称】AlphaTheta株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健司
(72)【発明者】
【氏名】藤原 秀祐
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼城 七生
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/103904(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0134513(US,A1)
【文献】特開2013-182627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00
G11B 31/00
G11B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響装置であって、
回転操作子と、
前記回転操作子を回転可能に支持するベース部と、を備え、
前記ベース部は、
前記回転操作子に制動力を作用させる制動部と、
前記制動部による前記制動力を調節する1つの調節部と、を備え、
前記制動部は、
前記調節部によって前記回転操作子に対して接離する方向に移動する移動体と、
前記移動体に設けられ、前記移動体とともに前記ベース部から前記回転操作子に向かう第1方向に移動して前記回転操作子と接触することによって前記回転操作子に前記制動力を作用させる複数の接触部材と、を有し、
前記複数の接触部材は、前記移動体の移動方向において前記回転操作子に向かって前記移動体から移動可能な範囲が異なる第1接触部材及び第2接触部材を含み、
前記制動力は、前記調節部による前記移動体の移動量に応じて前記第1接触部材及び前記第2接触部材と前記回転操作子との接触状態が変化することによって変化することを特徴とする音響装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音響装置において、
前記制動部は、前記複数の接触部材のそれぞれに応じて前記移動体に設けられ、前記複数の接触部材を個別に前記第1方向に付勢する複数の付勢部材を有することを特徴とする音響装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の音響装置において、
前記複数の接触部材のそれぞれは、前記第1方向に沿って延出して前記移動体に挿入される軸部を有し、
前記第1接触部材の前記軸部の前記第1方向における寸法と、前記第2接触部材の前記軸部の前記第1方向における寸法とは、異なることを特徴とする音響装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の音響装置において、
第1方向において、前記移動体からの前記第1接触部材の寸法と、前記移動体からの前記第2接触部材の寸法とは、異なることを特徴とする音響装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の音響装置において、
前記調節部は、
回転操作を受け付けるダイヤルと、
前記ベース部と前記移動体との間に配置され、前記ダイヤルの回転に応じて回動されて、前記回転操作子に対して接離する方向に前記移動体を移動させる回動体と、を備えることを特徴とする音響装置。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の音響装置において、
前記制動部は、前記複数の接触部材において前記回転操作子と接触する部位に設けられ、前記回転操作子の回転に対する抵抗となる抵抗部材を有することを特徴とする音響装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の音響装置において、
前記複数の接触部材は、前記回転操作子における外縁側の部位に接触することを特徴とする音響装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の音響装置において、
前記ベース部において前記制動部の設置位置とは異なる位置に設けられる表示部を有することを特徴とする音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作者によって操作されるジョグダイヤルを備えるジョグダイヤルユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のジョグダイヤルユニットは、ジョグダイヤルの他、ジョグダイヤルを回転可能に支持するベース部と、ジョグダイヤルに制動負荷を付与する負荷付与部と、制動負荷を調節する負荷調節部と、を備えている。
【0003】
負荷調節部は、ジョグダイヤルに付与される制動負荷を、操作者の調節操作に応じて調節する。具体的に、負荷調節部は、負荷付与部の右挟持レバーの基端部に回転可能に設けられ、負荷付与部の左挟持レバーの係合片部とばね受けコマとの間に介設されるコイルばねを伸縮させる板カムと、板カムを正逆回転させる調節操作部と、を有する。また、調節操作部は、同軸上において板カムに固定した第1ギヤと、第1ギヤに噛み合う第2ギヤと、同軸上において第2ギヤに軸着した負荷調整つまみと、を有する。
【0004】
ジョグダイヤルユニットでは、左挟持レバー及び右挟持レバーは、コイルばねの均一なばね力により、相互に外側に回動する。一方、各挟持レバーの摺接部は、ジョグダイヤルの回転軸部に接触しており、各挟持レバーの挟持力は、伸長或いは収縮するコイルばねによって調節される。このように、板カムの正逆回転操作により、一対の挟持レバーと回転軸部との間の摩擦力が調整され、ジョグダイヤルに付与される制動負荷が調節される。
なお、負荷調整つまみの右回転(時計回りの回転)は、第2ギヤ及び第1ギヤを介して、板カムを反時計回りに回転させ、負荷調整つまみの左回転(反時計回りの回転)は、第2ギヤ及び第1ギヤを介して、板カムを時計回りに回転させる。従って、負荷調整つまみを、右回転させることにより、ジョグダイヤルに付与される制動負荷が大きくなり、左回転させることにより、ジョグダイヤルに付与される制動負荷が小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-114792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のジョグダイヤルユニットでは、回転体であるジョグダイヤルの中心に位置する回転軸部に摩擦負荷を与える構造であるため、プレーヤーが所望の制動力に調整することが難しいという問題がある。
このため、ジョグダイヤルに対する制動力を調節可能な他の構成が要望されてきた。
【0007】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、回転操作子に対する制動力を調整できる音響装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る音響装置は、回転操作子と、前記回転操作子を回転可能に支持するベース部と、を備え、前記ベース部は、前記回転操作子に接触して制動力を作用させる制動部と、前記制動部による前記制動力を調節する調節部と、を備え、前記制動部は、前記回転操作子と接触して、前記回転操作子に前記制動力を作用させる複数の接触部材を有し、前記複数の接触部材は、前記調節部の調整量に応じて、異なる前記制動力を作用させることを特徴とする。
【0009】
上記一態様に係る音響装置によれば、調節部の調整量に応じて、回転操作子に対する制動力を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態における再生システムを示す図。
図2】一実施形態におけるジョグコントローラーを示す斜視図。
図3】一実施形態におけるジョグダイヤルを示す分解斜視図。
図4】一実施形態におけるジョグダイヤルを示す分解斜視図。
図5】一実施形態における天板部を外したジョグコントローラーを示す平面図。
図6】一実施形態におけるベース部を示す斜視図。
図7】一実施形態におけるベース部の本体部を示す斜視図。
図8】一実施形態におけるベース部の本体部を示す平面図。
図9】一実施形態における本体部から離間させた制動部を示す斜視図。
図10】一実施形態における制動部を示す斜視図。
図11】一実施形態における制動部を示す斜視図。
図12】一実施形態における制動部を示す断面図。
図13】一実施形態における支持ベースから分離された制動パッドを示す斜視図。
図14】一実施形態における支持ベースに配置された制動パッドを示す断面図。
図15】一実施形態における制動部を示す側面図。
図16】一実施形態における調節部を示す図。
図17】一実施形態における制動部及び回動ベースを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[再生システムの概略構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る再生システム1を示す図である。
本実施形態に係る再生システム1は、図1に示すように、情報処理装置2と、情報処理装置2に接続されるDJコントローラー4と、情報処理装置2及びDJコントローラー4を接続するケーブル3と、を備える。
【0012】
[情報処理装置の構成]
情報処理装置2は、楽曲データ等の音声データを再生し、所定のケーブル3を介して音声データをDJコントローラー4に出力する。情報処理装置2には、ケーブル3を介して、DJコントローラー4から再生制御信号が入力される。情報処理装置2は、入力された再生制御信号に基づいて、再生中の楽曲データに種々の音響効果を付与する。
このような情報処理装置2は、例えばPC(Personal Computer)によって構成できる。具体的に、情報処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置とを備える構成を例示できる。
【0013】
[DJコントローラーの概略構成]
DJコントローラー4は、音響装置に相当する。DJコントローラー4は、筐体41と、筐体41にそれぞれ設けられるミキサー部42、左側デッキ部43L及び右側デッキ部43Rと、を備える。
なお、本実施形態では、音響装置は、音響再生制御装置だけでなく、楽曲データを再生する音響再生装置も含む概念である。
【0014】
[筐体の構成]
筐体41は、天面部41Aと、上面部41T、下面部41B、左側面部41L及び右側面部41Rと、図示しない底面部とを有し、全体として略直方体形状に形成されている。
天面部41Aは、DJコントローラー4が設置面上に載置された際に上方を向き、操作者に対向する部位である。
底面部は、筐体41において天面部41Aとは反対側の部位である。図示を省略するが、底面部は、設置面に当接する複数の脚部を有する。
【0015】
上面部41Tと下面部41Bとは、筐体41の短手方向において互いに反対側の部位である。詳述すると、天面部41Aに対向する位置から筐体41を見た場合、上面部41Tは、筐体41において操作者側とは反対側に位置する部位であり、下面部41Bは、筐体41において操作者側に位置する部位である。
左側面部41L及び右側面部41Rとは、筐体41の長手方向において互いに反対側の部位である。詳述すると、天面部41Aに対向し、かつ、上面部41Tが上方を向くように筐体41を見た場合、左側面部41Lは、筐体41において左側に位置する部位であり、右側面部41Rは、筐体41において右側に位置する部位である。
【0016】
ミキサー部42は、天面部41Aの中央に配置されている。ミキサー部42は、情報処理装置2から入力される音声データの切替、各チャンネルの音量調整、及び、音響効果の付与を実行する。ミキサー部42は、4つのチャンネル調整部421~424と、マイク調整部425と、エフェクト部426と、を備える。
エフェクト部426は、ミキサー部42における右下の部位に設けられており、再生楽曲に対して楽音効果を付与する。エフェクト部426は、エフェクト選択スイッチ4261、チャンネル選択スイッチ4262、エフェクト量調整スイッチ4263、エフェクト付与スイッチ4264及びビート変更ボタン4265を有する。
【0017】
左側デッキ部43Lは、天面部41Aにおいてミキサー部42に対する左側に配置され、右側デッキ部43Rは、天面部41Aにおいてミキサー部42に対する右側に配置されている。左側デッキ部43L及び右側デッキ部43Rは、操作者による操作に応じて、情報処理装置2から入力される音声データに様々な効果を付与する。
左側デッキ部43L及び右側デッキ部43Rは、それぞれ、ジョグコントローラー5、テンポスライダー431、パフォーマンスパッド432、キューボタン433、プレイ/ポーズボタン434、ループボタン435、デッキセレクトボタン436、ロードボタン437、及び、キュー/ループコールスイッチ438を備える。
【0018】
ジョグコントローラー5は、+Z方向に沿う回転軸Rxを中心として回転可能なジョグダイヤル6を有する。そして、操作者がジョグダイヤル6に対して回転操作を実施することによって、再生される音声データの早送り再生又は逆転再生が行われる。
ジョグコントローラー5は、+Z方向から見て中央に表示部7を有する。表示部7は、再生中の音声データのBPM(Beats Per Minute)値、再生経過時間、進行状況、拍位置、及び、再生中の音声データの進行に合わせたLPレコードの33RPMによる回転状態等を表示する。
なお、ジョグコントローラー5の構成については、後に詳述する。
【0019】
テンポスライダー431は、再生される音声データのテンポを調整する。
パフォーマンスパッド432は、再生中の音声データへの効果を切り替える。パフォーマンスパッド432は、複数のボタンを有する。複数のボタンのうち1つのボタンが操作者によって押下されると、再生中の楽曲データに対して、瞬間的にループ、キュー、キーシフト及びサンプラー等の効果が付与される。
キューボタン433は、再生する楽曲の頭出しを行うボタンである。
プレイ/ポーズボタン434は、音声データの再生開始、又は、再生中の音声データのポーズを行うボタンである。
ループボタン435は、再生中の音声データのループ再生を行うボタンである。
【0020】
デッキセレクトボタン436は、ミキサー部42のチャンネル調整部421~424のうち、再生される音声データのチャンネルを選択するボタンである。本実施形態では、左側デッキ部43Lにてチャンネル調整部421,422の切替を実施でき、右側デッキ部43Rにてチャンネル調整部423,424の切替を実施できる。
ロードボタン437は、情報処理装置2から音声データをロードするボタンであり、情報処理装置2上で再生する音声データが選択された後、ロードボタン437が押下されると、音声データがチャンネル調整部421~424のいずれかのチャンネルにロードされる。
キュー/ループコールスイッチ438は、記憶されたキューポイントを呼び出すスイッチである。
【0021】
以下の説明では、互いに直交する三方向を、+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。これらのうち、+Z方向を底面部から天面部41Aに向かう方向とし、+X方向を左側面部41Lから右側面部41Rに向かう方向とし、+Y方向を下面部41Bから上面部41Tに向かう方向とする。また、図示を省略するが、説明の便宜上、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。
【0022】
[ジョグコントローラーの構成]
図2は、ジョグコントローラー5を+Z方向から見た平面図である。
ジョグコントローラー5は、上記のように、再生される音声データの早送り再生又は逆転再生を実施する操作信号を出力する回転操作装置である。ジョグコントローラー5は、左側デッキ部43L及び右側デッキ部43Rのそれぞれに設けられている。このようなジョグコントローラー5は、図2に示すように、ジョグダイヤル6と、表示部7と、ベース部8と、を備える。
【0023】
[ジョグダイヤルの構成]
図3及び図4は、ジョグダイヤル6を示す分解斜視図である。詳述すると、図3は、ジョグダイヤル6を+Z方向から見た分解斜視図であり、図4は、ジョグダイヤル6を-Z方向から見た分解斜視図である。
ジョグダイヤル6は、ベース部8に配置される回転操作子である。ジョグダイヤル6は、図1に示したように、+Z方向から見て円形状に形成されており、筐体41の天面部41Aに露出して設けられ、操作者によって回転操作される。ジョグダイヤル6は、図3及び図4に示すように、回転体61と、回転体61にそれぞれ取り付けられる天板部64、弾性部材65,66及び押圧検出部67と、を有する。
【0024】
[回転体の構成]
回転体61は、ジョグダイヤル6の本体である。回転体61は、上記回転軸Rxを中心として回転可能にベース部8に配置される。回転体61は、支持部62及び本体部63を有する。
支持部62は、-Z方向から見て円板状に形成されており、後述するベース部8のガイドリブ811内に配置される。支持部62において-Z方向の面である底面62Aには、後述する複数の制動パッド837が-Z方向から+Z方向に当接され、これにより、ジョグダイヤル6の回転時に制動力が作用される。
支持部62は、+Z方向から見て中央に円形状の開口部621を有する。開口部621には、ベース部8の円筒部8141が挿入される。これにより、ジョグダイヤル6は、上記回転軸Rxを中心として回動可能となる。なお、開口部621の周囲には、図4に示すように、ジョグダイヤル6の回転を検出する回転検出部RDを構成する円板部RD1が設けられている他、図示を省略するが、ジョグダイヤル6の押圧操作をベース部8側に伝達する無線通信手段が配置されている。
【0025】
本体部63は、図3及び図4に示すように、+Z方向に直交する方向である+X方向又は+Y方向から見て偏平な円錐台形状に形成されており、+Z方向から見て支持部62を囲む。本体部63は、側面部631、リブ632、段差部633、開口部634及び接続部635を有する。
側面部631は、+Z方向から見て円環状に形成され、+Z方向に向かうに従って側面部631の外径が小さくなる傾斜部である。側面部631の外面631Aには、操作者の指を挿入可能に構成され、ジョグダイヤル6の回転操作を補助する複数の凹部6311が設けられている。複数の凹部6311は、外面631Aの周方向において等間隔に設けられている。
【0026】
リブ632は、図4に示すように、側面部631の内面631Bから-Z方向に突出しており、-Z方向から見て略円環状に形成されている。リブ632は、ベース部8において後述する回転支持部82を構成する複数のローラー821(図3)と当接する。これにより、ジョグダイヤル6は、回転軸Rxを中心として回転可能に支持される。
【0027】
段差部633は、図3に示すように、側面部631における+Z方向の端部から-Z方向に一段下がった部位である。詳述すると、段差部633は、本体部63における+Z方向の端部から-Z方向に位置し、XY平面に沿う環状部である。段差部633には、天板部64が嵌合される。
開口部634は、+Y方向から見て段差部633の内側の端縁によって円形状に形成されている。開口部634内には、表示部7が配置される。
接続部635は、図3及び図4に示すように、段差部633における-Z方向の面633Bから-Z方向に突出して、支持部62の外縁部分と本体部63とを接続する。本実施形態では、接続部635の数は9であるが、接続部635の数は問わない。
【0028】
[天板部の構成]
天板部64は、ジョグダイヤル6において操作者によって押圧操作が行われる被押圧部である。天板部64は、枠部641と、円形状の透光性部材642と、を備える。
枠部641は、+Z方向から見て透光性部材642を囲む円環状の枠体である。枠部641における+Z方向の面には、透光性部材642が貼着される。枠部641が段差部633に固定されることによって、天板部64は、回転体61に取り付けられる。なお、枠部641は、図4に示すように、-Z方向の面641Aに位置し、+Z方向に凹んで弾性部材65の一部が配置される凹部6411と、面641Aから-Z方向に突出する複数のボス6412と、が形成されている。
透光性部材642は、図3に示すように、表示部7を+Z方向にて覆う円板状部材である。透光性部材642は、表示部7によって表示された画像を透過可能な材料によって構成されており、表示部7を保護する。このような透光性部材642を介して、表示部7によって表示された画像は観察される。
【0029】
[弾性部材及び押圧検出部の構成]
弾性部材65,66及び押圧検出部67は、図3に示すように、天板部64と回転体61との間に設けられる。詳述すると、弾性部材65,66及び押圧検出部67は、枠部641と段差部633との間に設けられる。
弾性部材65は、押圧検出部67と枠部641との間に設けられている。弾性部材65は、+Z方向から見てジョグダイヤル6の中央を中心とする周方向に沿って等間隔に複数設けられている。本実施形態では、弾性部材65は、円柱状のゴムによって構成されており、ジョグダイヤル6の中央を中心とする60°毎に合計8つ設けられている。弾性部材65は、弾性部材66とともに、枠部641を押圧検出部67から浮かせた状態とする。
【0030】
弾性部材66は、+Z方向から見てジョグダイヤル6の中央を中心とする周方向に沿って略等間隔に複数設けられている。具体的に、弾性部材66は、当該周方向に沿って略等間隔に4つ設けられている。弾性部材66は、+Z方向から見て、枠部641の面641Aから-Z方向に突出するボス6412が挿通可能な環状に形成されている。なお、弾性部材66は、ゴムやスポンジ等の弾性材料によって形成されている。
弾性部材66における+Z方向の面及び-Z方向の面のそれぞれは、接着面になっており、弾性部材66は、弾性部材66に対して+Z方向に位置する枠部641と、-Z方向に位置する押圧検出部67とに貼着される。すなわち、弾性部材66は、押圧検出部67から浮かせた状態で、押圧検出部67による検出領域の外部に枠部641を固定する。このように枠部641が配置されることによって、押圧検出部67に対する押圧操作力が調整される。
【0031】
押圧検出部67は、段差部633における+Z方向の面の略全面に環状に設けられている。押圧検出部67は、例えば抵抗膜式のシートスイッチによって構成できる他、感圧センサーやタクトスイッチ等の他の圧力検出手段によっても構成できる。
そして、押圧検出部67は、被押圧部である天板部64が操作者によって押圧された際に弾性部材65,66を介して伝わる圧力を検出し、ユーザーによって天板部64が押圧されたことを示す信号を出力する。換言すると、押圧検出部67は、ユーザーによって天板部64が押圧されたことを示す信号を出力する。
【0032】
[表示部の構成]
図5は、ジョグダイヤル6の天板部64を取り外したジョグコントローラー5を+Z方向から見た平面図である。
表示部7は、図3及び図5に示すように、+Z方向から見てジョグダイヤル6の開口部634内で、かつ、ジョグダイヤル6の内部に配置される。具体的に、表示部7は、支持部62と天板部64との間に配置され、表示部7の周囲は、本体部63によって囲まれる。そして、表示部7は、+Z方向から見て、後述するガイドリブ811(図6図8参照)の内側の空間における中央に配置される。
表示部7は、図3図5に示すように、表示パネルを有する表示部本体71を備える他、図4に示すように、表示部本体71から-Z方向に突出する嵌合部72と、を有する。
【0033】
表示部本体71は、フレキシブルプリント基板FPC(図4)を介して入力される画像情報に応じた画像を表示する。フレキシブルプリント基板FPCは、嵌合部72を挿通して-Z方向に延出している。
嵌合部72は、ベース部8の後述する貫通孔8142(図6図8参照)に嵌合される。嵌合部72は、外面に凸部を有し、凸部は、貫通孔8142の凹部8143に嵌まり込む。これにより、表示部7は、回転されない状態にてベース部8に固定される。
【0034】
[ベース部の構成]
図6は、ベース部8を+Z方向から見た斜視図である。
ベース部8は、筐体41に固定されるとともに、上記のように、ジョグダイヤル6及び表示部7を支持する。
ベース部8は、図6に示すように、本体部81と、本体部81にそれぞれ設けられる回転支持部82、制動部83及び調節部84と、を有する。
【0035】
[本体部の構成]
図7及び図8は、本体部81を+Z方向から見た斜視図及び平面図である。詳述すると、図7及び図8は、制動部83と調節部84の回動ベース847との図示を省略したベース部8を+Z方向から見た斜視図及び平面図である。
本体部81は、図6図8に示すように、+Z方向から見て略矩形の平板状に形成されており、筐体41に取り付けられる。本体部81は、ジョグダイヤル6を回転可能に支持する他、表示部7が固定される部材である。
本体部81は、図6図8に示すように、ガイドリブ811~813、固定部814、ガイドピン815、規制リブ816、規制ピン817及び配置部818を有する。
【0036】
ガイドリブ811~813は、本体部81における+Z方向の面81Aから+Z方向に突出するように、それぞれ同心円状に設けられている。すなわち、+Z方向から見てガイドリブ811の中心C1(図8)から外側に向かって順に、ガイドリブ811、812、813が配置されている。
【0037】
ガイドリブ811は、ガイドリブ812,813より+Z方向に突出している。ガイドリブ811の内側には、ジョグダイヤル6の支持部62が配置される。ガイドリブ811は、後述する調節部84のギヤ846が露出する開口部8111を有する。
ガイドリブ811と、最も外側に位置するガイドリブ813との間に設けられたガイドリブ812には、中心C1を中心とする所定角度毎に切欠8121が形成され、各切欠8121には、回転支持部82を構成するローラー821が設けられている。本実施形態では、切欠8121は、中心C1に対して45°ずつ、合計8つ設けられている。ガイドリブ812及びガイドリブ813は、ジョグダイヤル6の回転を案内する他、ベース部8からジョグダイヤル6が-Z方向に変位することを抑制する。
【0038】
固定部814、ガイドピン815、規制リブ816、規制ピン817及び配置部818は、+Z方向から見てガイドリブ811の内側に設けられている。
固定部814は、表示部7が固定される他、ジョグダイヤル6を回転可能に支持する部位である。固定部814は、ガイドリブ811によって囲まれる空間の中央に位置する。固定部814は、+Z方向に突出する円筒部8141と、貫通孔8142と、凹部8143と、を有する。
円筒部8141は、開口部621に挿入されることによって、ジョグダイヤル6の回転軸Rxを構成する部位である。
貫通孔8142は、円筒部8141を+Z方向に沿って貫通している。
凹部8143は、貫通孔8142の内側端縁から径方向外側に凹んで形成されている。円筒部8141がジョグダイヤル6に挿入された状態にて、表示部7の嵌合部72が貫通孔8142に挿入されると、嵌合部72の一部が凹部8143に嵌合する。これにより、+Z方向に沿う回動軸を中心とする回動が規制された状態にて、表示部7が固定部814に取り付けられる。
【0039】
ガイドピン815は、面81Aから+Z方向に突出している。ガイドピン815は、後述する回動ベース847に挿入され、回動ベース847の回動を案内する。
規制リブ816は、+Z方向から見て中心C1を中心とする円形状に形成されている。規制リブ816は、3つの切欠8161を有し、各切欠8161には、後述する支持ベース831の規制部833が挿入される。
【0040】
規制ピン817及び配置部818は、中心C1を中心とする所定角度毎に設けられ、本実施形態では、120°毎に、それぞれ3つずつ設けられている。
規制ピン817は、面81Aから+Z方向に突出している。規制ピン817は、支持ベース831に挿入されて、+Z方向に沿う回動軸を中心とする支持ベース831の回動を規制する。
配置部818は、圧縮コイルばねである付勢部材BM1(図9参照)と、付勢部材BM1を挿通して支持ベース831に一端が固定されるねじである固定部材FM1(図9参照)とが配置される部位である。配置部818は、面81Aから+Z方向に突出するボス8181を有し、ボス8181は、+Z方向に沿って本体部81を貫通する貫通孔8182を有する。
【0041】
[回転支持部の構成]
回転支持部82は、ジョグダイヤル6を回転可能に支持する。回転支持部82は、複数の切欠8121に回転可能に設けられ、リブ632が当接する複数のローラー821を有する。
各ローラー821の回転軸は、ガイドリブ811の中心に向かう方向に沿うように設定されている。ジョグダイヤル6が回転操作されて、リブ632がローラー821上を摺動する際に、ローラー821が回転することによって、ジョグダイヤル6が円滑に回転される。
【0042】
[制動部の構成]
図9は、本体部81から制動部83を離間させた状態を示す斜視図である。
制動部83は、ジョグダイヤル6に回転負荷を加えることによって、ジョグダイヤル6に制動力を作用させる。詳述すると、制動部83は、ジョグダイヤル6の支持部62に接触して、支持部62に制動力を作用させる。制動部83は、ガイドリブ811の内側の空間において、外周側の部位に設けられている。
このような制動部83は、図9に示すように、円環状の支持ベース831と、複数の制動パッド837(837A~837C)と、を有する。
【0043】
[支持ベースの構成]
図10及び図11は、制動部83を-Z方向及び+Z方向から見た斜視図である。
支持ベース831は、図9に示すように、ガイドリブ811の内側に配置された回動ベース847と+Z方向にて重なるように配置される。支持ベース831は、複数の制動パッド837を-Z方向に没入可能に支持する円環状の支持部材である。支持ベース831は、固定部材FM1及び付勢部材BM1によって±Z方向に変位可能に、本体部81に取り付けられる。
支持ベース831は、図10及び図11に示すように、取付部832、規制部833、外側突出部834及び内側突出部835をそれぞれ複数有する。
【0044】
取付部832は、図11に示すように、支持ベース831の周方向に沿って等間隔に3つ設けられている。各取付部832は、支持ベース831における-Z方向の面から-Z方向に突出するボス8321と、ボス8321に設けられ、支持ベース831を+Z方向に沿って貫通するねじ孔8322と、支持ベース831を+Z方向に沿って貫通する貫通孔8323と、を有する。
【0045】
図12は、本体部81に取り付けられた制動部83を示す断面図である。詳述すると、図12は、3つの取付部832のうちの1つの取付部832と、当該1つの取付部832に対応する配置部818とのXZ平面に沿う断面を示す図である。
ボス8321は、図12に示すように、貫通孔8182を-Z方向に沿って挿通する。ボス8321における-Z方向の端部は、貫通孔8182内にて-Z方向に露出する。貫通孔8182内において、ボス8321の周囲には、付勢部材BM1が設けられる。付勢部材BM1における+Z方向の端部は、ボス8181の内面のうち、+Z方向の内面に当接する。
【0046】
-Z方向に開口するねじ孔8322には、図9及び図12に示すように、ねじである固定部材FM1が固定される。図12に示すように、固定部材FM1の頭部FM11の外径は、ボス8321の外径より大きく、付勢部材BM1の外径より大きい。このため、付勢部材BM1における-Z方向の端部は、頭部FM11における+Z方向の面に当接する。
貫通孔8323には、規制ピン817が挿入される。
【0047】
ここで、固定部材FM1には、+Z方向の端部がボス8181の内面に当接する付勢部材BM1によって-Z方向への付勢力が作用されることから、支持ベース831は、-Z方向、すなわち、面81Aに近接する方向に付勢される。これにより、支持ベース831と、支持ベース831が載置される回動ベース847との間、及び、回動ベース847と面81Aとの間に、がたつきが生じることが抑制される。
【0048】
複数の規制部833は、円環状の支持ベース831の中心に向かってそれぞれ延出している。複数の規制部833は、それぞれ対応する切欠8161に挿入される。
複数の外側突出部834は、支持ベース831の外縁部分に等間隔に設けられ、外縁部分から支持ベース831の径方向外側に向かって突出している。複数の内側突出部835は、支持ベース831の内縁部分に等間隔に設けられ、内縁部分から支持ベース831の径方向内側に向かって突出している。なお、複数の内側突出部835は、それぞれの外側突出部834から支持ベース831の中心に向かう方向に位置している。
詳しくは後述するが、回動ベース847が回動されたときに、複数の外側突出部834及び複数の内側突出部835が回動ベース847に沿って±Z方向に変位することによって、支持ベース831は±Z方向に移動する。
【0049】
図13は、配置部836から分離された制動パッド837を示す斜視図である。図14は、配置部836に配置された制動パッド837を示す断面図である。
配置部836は、支持ベース831の周方向に沿って等間隔に3つ設けられている。各配置部836には、制動パッド837、付勢部材BM2及び固定部材FM2が設けられる。配置部836は、図13及び図14に示すように、支持ベース831における+Z方向の面831Aから-Z方向に凹む凹部8361と、凹部8361の底から+Z方向に起立するボス8362と、ボス8362を+Z方向に貫通する貫通孔8363と、を有する。
凹部8361内でボス8362の外側には、図14に示すように、付勢部材BM2が配置される。本実施形態では、付勢部材BM2には圧縮コイルばねが採用されている。
貫通孔8363には、+Z方向から制動パッド837の軸部8372が挿入される。
【0050】
[制動パッドの構成]
複数の制動パッド837(837A~837C)は、ジョグダイヤル6の支持部62に接触する複数の接触部材に相当するものであり、支持部62に制動力を作用させて、ジョグダイヤル6の回転力を減衰させる。複数の制動パッド837のそれぞれは、対応する配置部836に配置される。すなわち、制動パッド837は、円環状の支持ベース831の周方向において等間隔に合計3つ設けられている。換言すると、制動パッド837は、+Y方向に位置する制動パッド837Aと、-Y方向で+X方向に位置する制動パッド837Bと、-Y方向で-X方向に位置する制動パッド837Cと、を含む。
制動パッド837は、図13及び図14に示すように、支持ベース831に対して±Z方向に移動可能なパッド本体8371と、パッド本体8371に設けられる抵抗部材8375と、を有する。
【0051】
パッド本体8371は、+Z方向に沿って延出する軸部8372と、軸部8372における+Z方向の端部に位置する対向部8374と、を有し、略T字状に形成されている。
軸部8372は、図14に示したように、貫通孔8363に挿入される。軸部8372における-Z方向の端部には、ねじ孔8373が形成されている。ねじ孔8373には、ねじである固定部材FM2が取り付けられる。
対向部8374は、制動パッド837においてジョグダイヤル6の支持部62と対向する。対向部8374における+Z方向の面には、抵抗部材8375が設けられる。
抵抗部材8375は、支持部62における外縁側の部位に接触して、ジョグダイヤル6に制動力を作用させる。すなわち、抵抗部材8375は、ジョグダイヤル6の回転に対する抵抗となる部材である。抵抗部材8375は、本実施形態ではフェルトによって構成されているが、他の材料によって構成されていてもよい。
【0052】
図14に示すように、制動パッド837は、付勢部材BM2の付勢力に抗して-Z方向に変位可能である。一方、制動パッド837のねじ孔8373に-Z方向から挿入されるねじである固定部材FM2の頭部FM21は、貫通孔8363の内径より大きい。このため、頭部FM21が配置部836に接触しない範囲において、制動パッド837は、+Z方向に移動可能である。換言すると、付勢部材BM2によって+Z方向に付勢される制動パッド837の+Z方向への移動は、頭部FM21が配置部836に当接することによって規制される。
【0053】
図15は、-Y方向から制動部83を見た側面図である。
図15に示すように、3つの制動パッド837のうち、支持ベース831から1つの制動パッド837を構成する軸部8372の+Z方向の端部までの間の+Z方向における寸法は、支持ベース831から他の制動パッド837を構成する軸部8372の+Z方向の端部までの間の+Z方向における寸法と異なる。換言すると、3つの制動パッド837は、第1接触部材である第1制動パッドと、第2接触部材である第2制動パッドとを含み、+Z方向における支持ベース831からの第1制動パッドの寸法と、支持ベース831からの第2制動パッドの寸法とは異なる。すなわち、第1制動パッドを構成する軸部8372の+Z方向における寸法は、第2制動パッドを構成する軸部8372の+Z方向における寸法とは異なる。
【0054】
本実施形態では、3つの制動パッド837のうち、制動パッド837Aは、第1接触部材に相当し、制動パッド837B,837Cは、第2接触部材に相当する。そして、制動パッド837Aの軸部8372の+Z方向における寸法は、制動パッド837Bの軸部8372の+Z方向における寸法、及び、制動パッド837Cの軸部8372の+Z方向における寸法より小さい。そして、各制動パッド837において、軸部8372における-Z方向の端部の位置は、+Z方向において同じである。すなわち、支持ベース831から制動パッド837B,837Cの+Z方向の端部までの間の+Z方向における寸法は、支持ベース831から制動パッド837Aの+Z方向の端部までの間の+Z方向における寸法より大きい。そして、制動パッド837B,837Cにおける+Z方向の端部は、制動パッド837Aにおける+Z方向の端部より+Z方向に位置する。
【0055】
このため、図15に示す状態において、制動パッド837B,837Cが支持部62と接触している場合、制動パッド837B,837Cは、ジョグダイヤル6に対して制動力を作用させる。一方、制動パッド837Aは、支持部62に接触していないため、制動力を作用させない。この状態から、支持ベース831が+Z方向、すなわち、支持部62に近接する方向に移動されると、付勢部材BM2による制動パッド837B,837Cの支持部62への押圧力が高まることから、ジョグダイヤル6の回転抵抗が大きくなり、ジョグダイヤル6に作用する制動力は大きくなる。
【0056】
支持ベース831が+Z方向に更に移動されると、制動パッド837B,837Cだけでなく、制動パッド837Aが支持部62に接触してジョグダイヤル6に対して制動力を作用させる。このため、ジョグダイヤル6の回転抵抗が更に大きくなり、ジョグダイヤル6に作用する制動力は更に大きくなる。
そして、支持ベース831が+Z方向に更に移動されると、付勢部材BM2による制動パッド837A,837B,837Cの支持部62への押圧力が高まり、ジョグダイヤル6の回転抵抗がより一層大きくなるため、ジョグダイヤル6に作用する制動力はより一層大きくなる。
【0057】
このように、各制動パッド837によってジョグダイヤル6に作用する制動力は、支持部62に対する各制動パッド837の接触状態によって変化する。各制動パッド837の接触状態は、支持部62に対する支持ベース831の位置、すなわち、+Z方向における支持ベース831の位置によって調整される。
+Z方向における支持ベース831の位置は、調節部84によって調整される。
【0058】
[調節部の構成]
図16は、本体部81における-Z方向の面81Bに設けられた調節部84を-Z方向から見た図である。
調節部84は、上記のように、+Z方向における支持ベース831の位置を調整し、ジョグダイヤル6の底面62Aに接触する制動パッド837の数を調整することによって、ジョグダイヤル6に作用される制動力を調整する。調節部84は、図16に示すように、ダイヤル841、伝達部材842及びギヤ846を有する他、図6及び図9に示したように、回動ベース847を有する。
【0059】
[ダイヤルの構成]
ダイヤル841、伝達部材842及びギヤ846は、本体部81における-Z方向の面81Bに設けられる図示しないカバー部材によって-Z方向にて覆われている。
ダイヤル841は、+Z方向に沿う回動軸を中心として本体部81に回転可能に設けられている。ダイヤル841は、図2に示すように、+Z方向に位置する摘み部8411を有する他、図16に示すように、-Z方向に位置する噛合部8412を有する。
摘み部8411は、図1に示すように、筐体41の天面部41Aに露出する。摘み部8411は、円柱状に構成されており、操作者による回転操作を受け付ける。
噛合部8412は、図16に示すように、ダイヤル841の回動軸を中心とする周方向に形成された複数の歯を有し、伝達部材842と噛合する。
【0060】
[伝達部材の構成]
伝達部材842は、噛合部8412及びギヤ846と噛合して、ダイヤル841の回転をギヤ846に伝達する。具体的に、伝達部材842は、ダイヤル841の回動に応じて、+X方向及び+Y方向のそれぞれに対して傾斜する+D方向、又は、+D方向とは反対方向である-D方向に移動して、ギヤ846を回転させる。
なお、伝達部材842の構成については、後に詳述する。
【0061】
[ギヤの構成]
ギヤ846は、-Z方向に位置する第1ギヤ部8461と、+Z方向に位置する第2ギヤ部8462と、を有する二段ギヤである。
第1ギヤ部8461は、伝達部材842と噛合する複数の歯を有する円筒状に形成されている。
第2ギヤ部8462は、第1ギヤ部8461と同軸で回転する部位であり、回動ベース847と噛合する複数の歯を有する円筒状に形成されている。なお、第2ギヤ部8462は、本体部81のガイドリブ811に形成された開口部8111を介して、ガイドリブ811の内側に露出される。
【0062】
[回動ベースの構成]
図17は、制動部83と回動ベース847とを分離させた状態示す斜視図である。
回動ベース847は、ガイドリブ811の内側に配置され、支持ベース831と本体部81の面81Aとの間に設けられる回動体である。回動ベース847は、ギヤ846の回転に応じて回動されることによって、支持ベース831を±Z方向に移動させる。
回動ベース847は、図17に示すように、円環状の本体部8471と、本体部8471にそれぞれ設けられたガイド8472、突出部8473、貫通口8474、噛合部8475、外側押上部8476及び内側押上部8477を有する。
【0063】
本体部8471は、支持ベース831の外径より僅かに大きな外径を有する円環状に形成されている。詳述すると、回動ベース847及び支持ベース831を+Z方向から見た場合、回動ベース847の外縁は、支持ベース831の外縁より径方向外側に位置し、回動ベース847の内縁は、支持ベース831の内縁より径方向内側に位置する。なお、+Z方向から見て、回動ベース847の中心と支持ベース831の中心とは重なる。
ガイド8472は、本体部8471における内縁に沿う円弧状に形成されている。本実施形態では、ガイド8472は2つ設けられており、それぞれのガイド8472には、ガイドピン815(図7参照)が挿入される。これにより、+Z方向に沿って回動ベース847の中心を通る回動軸を中心とする回動ベース847の回動が案内される。
【0064】
突出部8473は、2つのガイド8472に挟まれる位置に設けられている。突出部8473は、支持ベース831における-Z方向の面に当接する。
貫通口8474は、本体部8471を+Z方向において貫通する開口部であり、本体部8471に6つ形成されている。貫通口8474内には、回動ベース847に支持ベース831が配置されたときに、配置部836が配置されて、-Z方向から固定部材FM2が挿通する。貫通口8474は、回動ベース847が回動された場合でも、貫通口8474の内縁が配置部836に干渉しない程度の大きさに形成されている。
噛合部8475は、本体部8471における外縁に設けられ、ギヤ846の第2ギヤ部8462と噛合する。なお、本実施形態では、噛合部8475は、2つ設けられているが、1つでもよい。
【0065】
外側押上部8476は、本体部8471における外縁側の部位に複数設けられ、内側押上部8477は、本体部8471における内縁側の部位に複数設けられている。本実施形態では、外側押上部8476及び内側押上部8477は、回動ベース847の中心に対する60°毎にそれぞれ設けられている。すなわち、外側押上部8476は、支持ベース831の外側突出部834の数に応じて6つ設けられ、内側押上部8477は、支持ベース831の内側突出部835の数に応じて6つ設けられている。
外側押上部8476及び内側押上部8477は、+Z方向から見て反時計回りに進むに従って+Z方向への突出量が大きくなる突出部である。外側押上部8476は、対応する外側突出部834に当接し、内側押上部8477は、対応する内側突出部835に当接する。
【0066】
ギヤ846が回転されて、回動ベース847が+Z方向から見て時計回りに回動されると、外側押上部8476及び内側押上部8477が、外側突出部834及び内側突出部835を+Z方向に押し上げ、ひいては、支持ベース831を+Z方向に押し上げる。
これにより、上記のように、制動パッド837A~837Cが当接することによるジョグダイヤル6の回転負荷と、制動パッド837A~837Cによる押圧力とが高められ、ジョグダイヤル6に作用する制動力が大きくなる。
【0067】
一方、支持ベース831は付勢部材BM1によって-Z方向に付勢されている。このため、ギヤ846が上記とは逆方向に回転されて、回動ベース847が+Z方向から見て反時計回りに回動されると、外側突出部834及び内側突出部835は、外側押上部8476及び内側押上部8477に沿って-Z方向に移動し、ひいては、支持ベース831が-Z方向に移動する。これにより、制動パッド837A~837Cが当接することによるジョグダイヤル6の回転負荷と、制動パッド837A~837Cによる押圧力とが小さくなり、ジョグダイヤル6に作用する制動力が小さくなる。
すなわち、ダイヤル841が回転操作されることにより、回動ベース847が回動されて、支持ベース831が±Z方向に移動されることによって、ジョグダイヤル6に作用する制動力が調整される。
【0068】
[伝達部材の詳細構成]
ジョグコントローラー5の工場出荷時等においては、操作者の使いやすさを考慮して、ジョグダイヤル6に所定の制動力が作用する状態に、支持ベース831及び回動ベース847を配置しておく必要がある。例えば、ダイヤル841の回動範囲における中央にダイヤル841が位置し、かつ、回動ベース847の回動範囲における中央に回動ベース847が位置するように、これらの配置をキャリブレーションしておく必要がある。
このような問題に対し、調節部84が備える伝達部材842は、ダイヤル841を回さずにギヤ846を回動させて、回動ベース847の位置、ひいては、支持ベース831の位置をキャリブレーション可能に構成されている。
具体的に、伝達部材842は、図16に示すように、第1噛合部材843、第2噛合部材844及び指針845を有する。
【0069】
[第1噛合部材の構成]
第1噛合部材843は、ダイヤル841の回転に伴って+D方向又は-D方向に移動する。第1噛合部材843は、面81Bに沿う平板状に構成されている。第1噛合部材843は、噛合部8431、ガイドピン8432,8433、ボス8434及び目盛8435を有する。
噛合部8431は、第1噛合部材843における+Y方向の端縁において+D方向に沿う直線状に配列された複数の歯を有し、ダイヤル841の噛合部8412と噛合する。
ガイドピン8432,8433及びボス8434は、第1噛合部材843における-Z方向の面に円柱状に突設されている。ガイドピン8432,8433は、第2噛合部材844に挿入され、ボス8434は、指針845に挿入される。
目盛8435は、指針845の回動範囲を示す。
【0070】
[第2噛合部材の構成]
第2噛合部材844は、ねじ等の固定部材FM3によって第1噛合部材843に固定される。第2噛合部材844は、噛合部8441,8442、ガイド8443及び長孔8444を有する。
噛合部8441及び噛合部8442は、+D方向に沿って直線状に配列された複数の歯を有する。噛合部8441は、指針845と噛合し、噛合部8442は、ギヤ846と噛合する。
ガイド8443及び長孔8444は、+D方向に長径を有する長孔である。ガイド8443にガイドピン8432,8433が挿入されることによって、第2噛合部材844は、±D方向への移動が案内される。長孔8444には、第1噛合部材843に固定されるねじ等の固定部材FM3が挿通する。
【0071】
[指針の構成]
指針845は、孔部8451、操作部8452及び噛合部8453を有する。
孔部8451には、ボス8434が挿入される。これにより、指針845は、+Z方向に沿う回動軸を中心として回動可能に第1噛合部材843に取り付けられる。
操作部8452は、操作者による指針845の回動操作を受け付ける部位である。
噛合部8453は、第2噛合部材844の噛合部8441と噛合する。噛合部8453は、孔部8451に対して操作部8452とは反対側に設けられている。
【0072】
[伝達部材を用いたキャリブレーション]
第2噛合部材844が第1噛合部材843に固定されていない場合には、第2噛合部材844は、第1噛合部材843とは独立して±D方向に移動可能である。このため、指針845を操作することによって、ギヤ846と噛合する第2噛合部材844を、ダイヤル841とは独立して±D方向に移動させることができ、ひいては、ギヤ846を回転させることができる。これにより、回動ベース847及び支持ベース831を、上記した位置に配置できる。
そして、ダイヤル841の回動範囲の中央にダイヤル841を配置した後、固定部材FM3によって第2噛合部材844を第1噛合部材843に固定すると、伝達部材842は、ダイヤル841の回動操作に応じて±D方向に移動される。これにより、ダイヤル841の回動方向及び回動量に応じて、回動ベース847が±Z方向に移動することにより、ジョグダイヤル6に作用する制動力が調整される。
【0073】
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る再生システム1によれば、以下の効果を奏することができる。
音響装置としてのDJコントローラー4は、ジョグコントローラー5を備える。ジョグコントローラー5は、回転操作子としてのジョグダイヤル6と、ジョグダイヤル6を回転可能に支持するベース部8と、を備える。ベース部8は、ジョグダイヤル6に接触して制動力を作用させる制動部83と、制動部83による制動力を調整する調節部84と、を備える。制動部83は、ジョグダイヤル6の支持部62と接触してジョグダイヤル6に制動力を作用させる複数の接触部材としての複数の制動パッド837を有する。複数の制動パッド837は、調節部84の調整量に応じて、異なる制動力を作用させる。
このような構成によれば、調節部84によって、ジョグダイヤル6に作用する制動力を調節できる。例えば、ジョグダイヤル6に接触する制動パッド837が少ない場合には、ジョグダイヤル6の回転負荷は小さく、ジョグダイヤル6に作用する制動力は小さい。一方、ジョグダイヤル6に接触する制動パッド837が多い場合には、ジョグダイヤル6の回転負荷は大きく、ジョグダイヤル6に作用する制動力は大きい。このように、上記構成によれば、ジョグダイヤル6に対する制動力を調節できる。
【0074】
制動部83は、複数の制動パッド837が設けられ、ジョグダイヤル6に対して接離する方向、すなわち、±Z方向に移動する移動体としての支持ベース831を有する。複数の制動パッド837は、付勢部材BM1によってそれぞれ個別にジョグダイヤル6側に付勢されている。
このような構成によれば、付勢部材BM1によって制動パッド837がジョグダイヤル6に接触した状態を維持できる。
また、例えば制動パッド837B,837Cがジョグダイヤル6の支持部62に接触している状態では、支持ベース831が支持部62に近接する方向である+Z方向に移動するに従って、付勢部材BM1による付勢力が高まるので、制動パッド837B,837Cによる支持部62への押圧力を高めることができる。これにより、+Z方向における支持ベース831の位置に応じて、ジョグダイヤル6に対する制動力を細かく調整できる。更に、制動パッド837B,837Cが支持部62に接触している状態から、支持ベース831が+Z方向に移動することによって、制動パッド837Aを支持部62に接触させることができる。これにより、ジョグダイヤル6に対する制動力を更に高めることができる。この状態から、支持ベース831が更に+Z方向に移動することにより、制動パッド837A~837Cによる支持部62への押圧力を高めることができる。これにより、ジョグダイヤル6に対する制動力を細かく調整できる。
【0075】
複数の制動パッド837は、第1接触部材としての制動パッド837Aと、第2接触部材としての制動パッド837B,837Cと、を含む。支持ベース831からジョグダイヤル6に向かう方向である+Z方向において、支持ベース831からの制動パッド837Aの寸法と、支持ベース831からの制動パッド837B,837Cの寸法とは異なる。
このような構成によれば、支持ベース831が+Z方向又は-Z方向に移動することによって、ジョグダイヤル6に接触する制動パッド837の数を変化させることができる。従って、ジョグダイヤル6に作用する制動力を簡易に変更及び調節できる。
【0076】
調節部84は、操作者による回転操作を受け付けるダイヤル841と、ベース部8の面81Aと支持ベース831との間に配置され、ダイヤル841の回転に応じて回転されて、ジョグダイヤル6に対して接離する方向である±Z方向に支持ベース831を移動させる回転体としての回動ベース847と、を備える。
このような構成によれば、ダイヤル841を回動させることにより、回動ベース847によって支持ベース831を±Z方向に移動させることができ、ひいては、ジョグダイヤル6に作用する制動力を調節できる。従って、制動力を簡易に調節できる。
【0077】
制動部83は、複数の制動パッド837においてジョグダイヤル6の支持部62と接触する部位に設けられ、ジョグダイヤル6の回転に対する抵抗となる抵抗部材8375を有する。なお、上記のように、本実施形態では、抵抗部材8375としてフェルトが採用されている。
このような構成によれば、抵抗部材8375によって、ジョグダイヤル6の回転に対して負荷を付与できる。この他、摩擦係数が異なる抵抗部材8375を採用することによって、ジョグダイヤル6に作用する制動力を調節できる。
【0078】
制動部83は、ベース部8からジョグダイヤル6に向かう方向である+Z方向に制動力を作用させる。すなわち、複数の接触部材である複数の制動パッド837は、+Z方向に向かってジョグダイヤル6と接触して、ジョグダイヤル6に制動力を作用させる。
このような構成によれば、例えばジョグダイヤル6の回動軸を挟持することによってジョグダイヤル6に制動力を作用させる構成に比べて、ジョグコントローラー5を小型化できる他、ジョグダイヤル6に対する制動パッド837の静止摩擦力を低減できるので、ジョグダイヤル6の操作性を高めることができる。
【0079】
複数の制動パッド837は、ジョグダイヤル6の支持部62における外縁側の部位に接触する。
このような構成によれば、制動パッド837が支持部62における内周側の部位に接触する場合に比べて、ジョグダイヤル6の回転負荷を小さくできる。このため、ジョグダイヤル6に作用する制動力を細かく設定できる。
【0080】
DJコントローラー4が備えるジョグコントローラー5は、ベース部8において制動部83の設置位置とは異なる位置に設けられる表示部7を有する。詳述すると、+Z方向から見て、表示部7は、ベース部8のガイドリブ811内の空間における中央に配置され、制動部83は、外周側に設けられている。
このような構成によれば、表示部7が干渉することなく、制動部83がジョグダイヤル6に制動力を作用させることができる。
【0081】
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、制動パッド837A~837Cのうち、制動パッド837B,837Cは、ジョグダイヤル6の支持部62に接触しており、回動ベース847が回動されて、支持ベース831が+Z方向に移動されたときに、制動パッド837Aが支持部62に接触するとした。しかしながら、これに限らず、1つの制動パッド837がジョグダイヤル6に接触した状態にて、支持ベース831が+Z方向に移動されると他の制動パッド837がジョグダイヤル6に接触する構成としてもよい。この場合、支持ベース831が+Z方向に移動するに従って、1つずつ制動パッド837がジョグダイヤル6に接触する構成としてもよい。すなわち、支持ベース831が+Z方向に移動するに従って、制動パッド837が1つずつジョグダイヤル6に接触する構成としてもよい。
なお、上記実施形態では、制動パッド837の数は3であったが、2でもよく、4以上でもよい。
【0082】
上記実施形態では、複数の制動パッド837は、+Z方向から見て円環状に形成された移動体である支持ベース831に支持されているとした。しかしながら、これに限らず、ジョグダイヤル6に対する制動パッド837の位置を調節可能であれば、支持ベース831は無くてもよい。また、支持ベース831の形状も環状でなくてもよく、円形状や矩形状等、他の形状であってもよい。
また、各制動パッド837は、付勢部材BM2によってジョグダイヤル6側に付勢されているとした。しかしながら、これに限らず、制動パッド837がジョグダイヤル6に接触した状態を維持できれば、付勢部材BM2は無くてもよい。
更に、付勢部材BM2は、圧縮コイルばねであるとしたが、これに限らず、制動パッド837をジョグダイヤル6側に付勢できれば、他の構成の付勢部材でもよい。
【0083】
上記実施形態では、制動パッド837Aを構成する軸部8372の+Z方向における寸法は、制動パッド837B,837Cを構成する軸部8372の+Z方向における寸法より小さいとした。しかしながら、これに限らず、各制動パッド837を構成する軸部8372の+Z方向における寸法は、同じでもよい。この場合、軸部8372が挿入される貫通孔8363を有するボス8362の+Z方向における寸法が異なっていてもよい。この場合でも、+Z方向における支持ベース831からの制動パッド837の寸法と、+Z方向における支持ベース831からの他の制動パッド837の寸法とを異ならせることができる。すなわち、制動パッド837A,837B,837Cのうち少なくとも1つの制動パッドが、調節部84よる調整量に応じて、他の制動パッドに対して時間差をもってジョグダイヤル6の支持部62に接触し、これにより、ジョグダイヤル6に作用する制動力の大きさが調整されればよい。
【0084】
上記実施形態では、調節部84は、回動ベース847を回動させて、支持ベース831を±Z方向に移動させるダイヤル841を有するとした。しかしながら、これに限らず、回動ベース847を回転させるモーター等の駆動装置が設けられ、ボタン等の入力操作に応じて駆動装置が駆動する構成としてもよい。
この他、調節部84は、回動ベース847を必ずしも備えていなくてもよく、支持ベース831を±Z方向に移動させることができれば、他の構成を備えていてもよい。すなわち、支持ベース831を±Z方向に直接移動させる構成が設けられていてもよい。
【0085】
上記実施形態では、制動パッド837は、ジョグダイヤル6と接触する部位に、フェルトによって構成された抵抗部材8375を有するとした。しかしながら、これに限らず、抵抗部材は無くてもよい。また、抵抗部材8375は、フェルトに限らず、他の材料によって構成されていてもよい。
【0086】
上記実施形態では、制動パッド837は、-Z方向からジョグダイヤル6に接触して、ジョグダイヤル6に対して+Z方向に制動力を作用させるとした。しかしながら、これに限らず、制動部83がジョグダイヤル6に対して制動力を作用させる方向は、他の方向でもよい。例えば、制動部83は、ジョグダイヤル6の支持部62に対して-Z方向に制動力を作用させてもよく、ジョグダイヤル6の径方向外側から内側に向かって制動力を作用させてもよい。
【0087】
上記実施形態では、制動パッド837は、ジョグダイヤル6の支持部62における-Z方向の面である底面62Aにおける外縁側の部位に接触するとした。しかしながら、これに限らず、制動パッド837は、底面62Aにおける中央部に接触してもよく、ジョグダイヤル6における他の部位に接触してもよい。
【0088】
上記実施形態では、表示部7は、+Z方向から見てジョグダイヤル6の中央に設けられているとした。しかしながら、これに限らず、表示部7は、ジョグダイヤル6における他の部位に設けられていてもよく、表示部7は無くてもよい。
【0089】
上記実施形態では、ジョグコントローラー5が設けられる音響装置として、図1に示したDJコントローラー4を例示した。しかしながら、これに限らず、音響装置の構成は、図1に示される構成及びレイアウトに限定されない。例えば、左側デッキ部43L及び右側デッキ部43Rのうち、一方のデッキ部は無くてもよく、ジョグコントローラー5のみを有する音響装置であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
4…DJコントローラー(音響装置)、5…ジョグコントローラー、6…ジョグダイヤル(回転操作子)、7…表示部、8…ベース部、83…制動部、831…支持ベース(移動体)、837…制動パッド(接触部材)、837A…制動パッド(第1接触部材)、837B,837C…制動パッド(第2接触部材)、8375…抵抗部材、84…調節部、841…ダイヤル、847…回動ベース(回動体)。
図1
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