(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-12
(45)【発行日】2023-04-20
(54)【発明の名称】画像処理方法及びその装置、機器並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20230413BHJP
【FI】
G06T19/00 600
(21)【出願番号】P 2021564316
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2020100713
(87)【国際公開番号】W WO2021036520
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】201910803981.6
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518209698
【氏名又は名称】シェンチェン センスタイム テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SENSETIME TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー シウユエン
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジエンボー
(72)【発明者】
【氏名】リー ユーフェイ
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-038696(JP,A)
【文献】特開2016-048455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理方法であって、
画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定することと、
前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得することと、
前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定することと、
前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングすることと、を含
み、
前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定することは、
前記位置姿勢情報に基づいて、第1座標系における前記画像収集装置の第1座標情報を決定することであって、第1座標系は、前記第1参考面に基づいて確立される座標系である、ことと、
前記画像収集装置内のカメラの光心を通過し、且つ前記画像収集装置の所在する第2参考面に垂直である直線と前記第1参考面との交点の第2座標情報を取得することと、
前記第1座標情報及び前記第2座標情報に基づいて、前記第1参考面と前記第2参考面との夾角を決定することと、
前記夾角に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定することと、を含むことを特徴とする
画像処理方法。
【請求項2】
前記夾角に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定することは、
表示サイズと角度との対応関係を取得することと、
前記対応関係及び前記夾角に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定することと、を含むことを特徴とする
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記第2座標情報及び前記仮想対象の表示サイズに基づいて、前記第1参考面における前記仮想対象の置く領域を決定することを更に含み、
対応的に、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングすることは、
前記第1参考面における前記仮想対象の置く領域に基づいて、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングすることを含むことを特徴とする
請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記第1参考面の境界を決定することと、
前記第1参考面における前記仮想対象の置く位置が前記第1参考面の境界を越えたと判定した場合、前記仮想対象を予め設定された第1色情報に従って前記画像にレンダリングし、それによって前記仮想対象が前記境界を越えたことを知らせることと、を更に含むことを特徴とする
請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
画像処理装置であって、
画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定するように構成される第1決定モジュールと、
前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定するように構成される第2決定モジュールと、
前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像における第1参考面にレンダリングするように構成される第1レンダリングモジュールと、を備
え、
前記第2決定モジュールは、
前記位置姿勢情報に基づいて、前記画像収集装置の所在する第2参考面と前記第1参考面との夾角を決定するように構成される第1決定部と、
前記夾角に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定するように構成される第2決定部と、を備え、
前記第1決定部は、
前記位置姿勢情報に基づいて、第1座標系における前記画像収集装置の第1座標情報を決定するように構成される第1サブ決定部であって、第1座標系は、前記第1参考面に基づいて確立される座標系である、第1サブ決定部と、
前記画像収集装置内のカメラの光心を通過し、且つ前記第2参考面に垂直である直線と前記第1参考面との交点の第2座標情報を取得するように構成される第1サブ取得部と、
前記第1座標情報及び前記第2座標情報に基づいて、前記第1参考面と前記第2参考面との夾角を決定するように構成される第2サブ決定部と、を備える、
画像処理装置。
【請求項6】
画像処理機器であって、少なくとも、メモリと、通信バスと、プロセッサと、を備え、
前記メモリは、画像処理プログラムを記憶するように構成され、
前記通信バスは、プロセッサとメモリとの接続及び通信を実現するように構成され、
前記プロセッサは、メモリに記憶された画像処理プログラムを実行し、請求項1から
4のうちいずれか一項に記載の画像処理方法の工程を実現するように構成される、画像処理機器。
【請求項7】
記憶媒体であって、前記記憶媒体に画像処理プログラムが記憶されており、前記画像処理プログラムがプロセッサにより実行される時、プロセッサに、請求項1から
4のうちいずれか一項に記載の画像処理方法の工程を実現させる、記憶媒体。
【請求項8】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが電子機器で実行される時、前記電子機器におけるプロセッサに、請求項1から
4のうちいずれか一項に記載の画像処理方法の工程を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年08月28日に出願された、出願番号が201910803981.6である中国特許出願に基づく優先権を主張し、該中国特許出願の全内容が参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、コンピュータビジョン技術分野に関し、画像処理方法及びその装置、機器並びに記憶媒体に関するが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
拡張現実(Augmented Reality:AR)は、カメラの撮影対象の位置及び角度をリアルタイムで算出して、対応する画像と組み合わせるという技術である。仮想対象と現実世界を融合させることで、AR技術は、臨場感を有するインタラクティブ体験を提供し、ユーザと周辺世界との交流及び対話を補強する。AR技術は、教育、ショッピング、芸術及びゲームなどの様々な分野に広く用いられている。
【0004】
拡張現実シーンに仮想対象を置く時に、関連技術において一般的には、物体を手動で拡大又は縮小した後、置き位置を選択するという方法を利用している。これにより、ユーザによる操作が増加するだけでなく、インタラクティブなAR体験プロセスを行うこともできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、本願の実施例は、画像処理方法及びその装置、機器並びに記憶媒体を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例は、画像処理方法を提供する。前記方法は、
画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定することと、
前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得することと、
前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定することと、
前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングすることと、を含む。
【0007】
これにより、画像収集装置と仮想対象の置く平面との位置姿勢情報を調整することで、仮想対象の表示サイズを自動的に調整することを実現させることができる。手動調整を必要とせず、操作を簡略化できるだけでなく、拡張現実アプリケーションの対話性及び娯楽性を向上させることもできる。
【0008】
上記技術的解決手段において、前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定することは、
前記位置姿勢情報に基づいて、前記画像収集装置の所在する第2参考面と前記第1参考面との夾角を決定することと、
前記夾角に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定することと、を含む。
【0009】
これにより、画像収集装置の所在する第2参考面と第1参考面との夾角に基づいて、表示サイズを決定することができる。従って、仮想対象の表示サイズの自動調整を実現させ、端末の知能性を向上させる。
【0010】
上記技術的解決手段において、前記位置姿勢情報に基づいて、前記画像収集装置の所在する第2参考面と前記第1参考面との夾角を決定することは、
前記位置姿勢情報に基づいて、第1座標系における前記画像収集装置の第1座標情報を決定することであって、第1座標系は、前記第1参考面に基づいて確立される座標系である、ことと、
前記画像収集装置内のカメラの光心を通過し、且つ前記第2参考面に垂直している直線と前記第1参考面との交点の第2座標情報を取得することと、
前記第1座標情報及び前記第2座標情報に基づいて、前記第1参考面と前記第2参考面との夾角を決定することと、を含む。
【0011】
従って、上記技術的解決手段により、第1参考面と第2参考面との夾角を決定し、後続で夾角に基づいて表示サイズを決定するために必要なデータ根拠を提供することができる。
【0012】
上記技術的解決手段において、前記夾角に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定することは、
表示サイズと角度との対応関係を取得することと、
前記対応関係及び前記夾角に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定することと、を含む。
【0013】
これにより、表示サイズと角度との対応関係により、第1参考面と第2参考面との夾角に対応する表示サイズを決定することができる。従って、画像処理装置は、該表示サイズに基づいて仮想対象をレンダリングし、ARの対話性及び娯楽性を向上させることができる。
【0014】
上記技術的解決手段において、前記方法は、
前記第2座標情報及び前記仮想対象の表示サイズに基づいて、前記第1参考面における前記仮想対象の置く領域を決定することを更に含み、
対応的に、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングすることは、
前記第1参考面における前記仮想対象の置く領域に基づいて、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングすることを含む。
【0015】
これにより、画像収集装置が異なる位置にフォーカスする時、仮想対象の置く領域も変動する。従って、仮想対象を常に第1機器の表示画面に位置させることを確保し、ユーザ体験を向上させる。
【0016】
上記技術的解決手段において、前記方法は、
前記第1参考面の境界を決定することと、
前記第1参考面における前記仮想対象の置く位置が前記第1参考面の境界を越えたと判定した場合、前記仮想対象を予め設定された第1色情報に従って前記画像にレンダリングし、それによって前記仮想対象が前記境界を越えたことを知らせることと、を更に含む。
【0017】
これにより、仮想対象の置く領域が第1参考面の境界を越えた場合、仮想対象の元の色情報と異なる第1色情報で仮想対象をレンダリングする。従って、ユーザは、仮想対象が境界を越えたことを見たら了解でき、仮想対象の置く領域を調整できる。
【0018】
本願の実施例は、画像処理装置を提供する。前記装置は、
画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定するように構成される第1決定モジュールと、
前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定するように構成される第2決定モジュールと、
前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像における第1参考面にレンダリングするように構成される第1レンダリングモジュールと、を備える。
【0019】
これにより、画像収集装置と仮想対象の置く平面との位置姿勢情報を調整することで、仮想対象の表示サイズを自動的に調整することを実現させることができる。手動調整を必要とせず、操作を簡略化できるだけでなく、拡張現実アプリケーションの対話性及び娯楽性を向上させることもできる。
【0020】
本願の実施例は、画像処理機器を提供する。前記画像処理機器は少なくとも、メモリと、通信バスと、プロセッサと、を備え、前記メモリは、画像処理プログラムを記憶するように構成され、前記通信バスは、プロセッサとメモリとの接続及び通信を実現するように構成され、前記プロセッサは、メモリに記憶された画像処理プログラムを実行し、上記技術的解決手段に記載の画像処理方法の工程を実現するように構成される。
【0021】
本願の実施例は、記憶媒体を提供する。前記記憶媒体に画像処理プログラムが記憶されており、前記画像処理プログラムがプロセッサにより実行される時、プロセッサに上記技術的解決手段に記載の画像処理方法の工程を実現させる。
【0022】
本願の実施例は、コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムを提供する。前記コンピュータ可読コードが電子機器で実行される時、前記電子機器におけるプロセッサは、上記技術的解決手段に記載の画像処理方法の工程を実行する。
【発明の効果】
【0023】
本願の実施例は、画像処理方法及びその装置、機器並びに記憶媒体を提供する。前記方法は、以下を含む。まず、画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定する。続いて、前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得し、前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定する。位置姿勢情報が、画像収集装置が第1参考面から離れることを示す場合、仮想対象の表示サイズを減少させ、位置姿勢情報が、画像収集装置が第1参考面に近接することを示す場合、仮想対象の表示サイズを増大させる。最後に、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングする。これにより、画像収集装置と仮想対象の置く平面との位置姿勢情報を調整することで、仮想対象の表示サイズを自動的に調整することを実現させることができる。手動調整を必要とせず、操作を簡略化できるだけでなく、拡張現実アプリケーションの対話性及び娯楽性を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】本願の実施例による画像処理方法のネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【
図1B】本願の実施例による画像処理方法のもう1つのネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【
図2A】本願の実施例による画像処理方法の実現フローを示す概略図である。
【
図2B】本願の実施例による画像処理方法の適用シーンを示す概略図である。
【
図3】本願の実施例による画像処理方法のもう1つの実現フローを示す概略図である。
【
図4】本願の実施例による画像処理方法のまた1つの実現フローを示す概略図である。
【
図5】本願の実施例による画像処理方法の適用シーンを示す概略図である。
【
図6】本願の実施例による画像処理装置の構造を示す概略図である。
【
図7】本願の実施例による画像処理装置の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら、本願を更に詳しく説明する。説明される実施例は、本願を限定するものと見なすべきではない。当業者が創造的な労働を経ずに得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
【0026】
下記記述において、「幾つかの実施例」という用語に係わる。これは、全ての考えられる実施例のサブセットを説明するが、「幾つかの実施例」は、全ての考えられる実施例の同一のサブセット又は種々のサブセットであってもよく、また、矛盾しない限り、互いに組み合わせることが可能であることが理解されるべきである。。
【0027】
下記技術において、用語「第1/第2/第3」は、類似した対象を区別するためのものに過ぎず、対象に対する特定の順番を表すものではない。許容されるのならば、「第1/第2/第3」の特定の順番又は優先順位を変更し、説明される本願の実施例をここで図示又は記述される順番以外の順番で実行することが理解されるべきである。
【0028】
図1Aは、本願の実施例による画像処理方法のネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
図1Aに示すように、前記ネットワークアーキテクチャにおいて、第1機器101、サーバ102及びネットワーク103を備える。ここで、第1機器101は、ネットワーク103を介してサーバ102に接続される。ネットワーク103は、広域ネットワーク又はローカルエリアネットワークであってもよく、又は両者の組み合わせであってもよい。これは、無線リンクを利用してデータ伝送を実現させる。第1機器101は、携帯端末である。例えば、スマートフォンであってもよく、ARメガネであってもよい。
図1Aにおいて、第1機器101をスマートフォンの形態で例示的に示す。第1機器101は、画像収集装置1011を含んでもよい。サーバ102は、1台のサーバであってもよく、複数台のサーバからなるサーバクラスタ、クラウドコンピューティングセンタなどであってもよく、ここで、これを限定しない。
【0029】
図1Aに示すネットワークアーキテクチャにおいて、第1機器101における画像収集装置は、現実画像データを収集することができる。続いて、第1機器101は、画像収集装置により収集された現実画像データ、追加しようとする仮想対象及び画像収集装置の内部パラメータをネットワーク103によりサーバ102に送信する。サーバ102により、現実画像データにおける平面及び該平面に対する画像収集装置の位置姿勢情報を決定する。続いて、サーバ102は、位置姿勢情報に基づいて仮想対象の表示サイズを決定し、仮想対象を該表示サイズに従って、決定した平面にレンダリングし、レンダリング後の拡張現実画像データを第1機器101に送信する。第1機器101は、拡張現実画像データを出力する。
【0030】
図1Bは、本願の実施例による画像処理方法のもう1つのネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
図1Bに示すように、該ネットワークアーキテクチャに第1機器101のみが含まれる。第1機器101は、スマートフォンであってもよく、ARメガネ等であってもよい。
図1Bにおいて、同様に、第1機器101をスマートフォンの形態で例示的に示す。第1機器101は少なくとも画像収集装置及びプロセッサを含む。画像収集装置は、現実画像データを収集することができる。続いて、第1機器101におけるプロセッサは、画像収集装置により収集された現実画像データ及び画像収集装置の内部パラメータに基づいて、現実画像データにおける平面及び該平面に対する画像収集装置の位置姿勢情報を決定する。続いて、位置姿勢情報に基づいて、仮想対象の表示サイズを決定し、仮想対象を該表示サイズに従って、決定した平面にレンダリングし、拡張現実画像データを得る。第1101は、拡張現実画像データを出力する。
【0031】
図1A及び
図1Bに示すネットワークアーキテクチャを参照しながら、以下、画像処理方法及び画像処理装置、機器の各実施例を説明する。
【0032】
図2A及び
図2Bを参照すると、
図2Aは、本願の実施例による画像処理方法の実現フローを示す概略図であり、
図2Bは、本願の実施例による画像処理方法の適用シーンを示す概略図である。
図2Aに示す工程を参照しながら、説明する。本願の各実施例において、画像処理機器は、
図1Aに示すサーバであってもよく、
図1Bに示す第1機器であってもよい。
【0033】
ステップS201において、画像処理機器は、画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定する。
【0034】
ここで、第1参考面は、平面であってもよい。幾つかの実施例において、第1参考面は、斜面であってもよい。第1参考面が平面である場合、第1参考面は、水平面であってもよい。画像収集装置は、拡張現実の目的を実現させるために、現在の現実シーンの画像を取得するためのカメラ又は撮像機器である。従って、画像収集装置により収集された画像は、現実世界の画像であると考えられる。ステップS201を実現する時、まず、画像処理機器は、画像における各参考面を識別し、各参考面から第1参考面を決定する。
【0035】
画像における参考面を識別する時、拡張現実アプリケーションプログラムを構築するためのソフトウェアプラットフォームを利用して画像における特徴点を抽出し、続いて、平面をこれらの点にフィッティングし、比例、方向及び位置等において最適なマッチングを得て、各特徴点を継続的に分析することで、画像における各平面を検出することができる。複数の平面を検出した場合、平面の可視化を利用して、ユーザが仮想対象を置く第1参考面を決定するのを支援することもできる。例えば、検出された、仮想対象を置くことができる平面を強調表示することができる。また、仮想対象を置く時に、区別しやすくするために、異なる平面間の視覚的差異を持たせることもできる。又は、一回で複数の平面を強調表示せず、ユーザが観察又は指向している平面のみを強調表示することもできる。
【0036】
ユーザが第1参考面を選択する操作命令に基づいて、決定した参考面から、仮想対象を置く第1参考面を決定する。
【0037】
ステップS201が
図1Aに示すサーバにより実現する時、画像収集装置は、第1機器内の装置であってもよい。この場合、前記方法は、第1機器が、画像収集装置により収集された画像及び画像収集装置の内部パラメータをサーバに送信することを更に含む。
【0038】
ステップS202において、画像処理機器は、前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得する。
【0039】
ここで、ステップS202を実現する時、まず、第1参考面における各頂点の座標を取得する。続いて、各頂点の座標に基づいて第1参考面に対する画像収集装置の位置姿勢情報を算出する。例えば、位置姿勢情報を算出する時に、各頂点の相対的座標に基づいて、透視N点(Perspective N Point:PNP)問題を求めることができる。これにより、第1参考面に対する画像収集装置の位置姿勢情報を得る。つまり、第1参考面の所在するワールド座標系に対する、該画像収集装置の平行移動量及び回転量を得る。また、自己位置推定とマッピングの同時実行(Simultaneous Localization And Mapping:SLAM)アルゴリズムと慣性測定ユニット(Inertial Measurement Unit:IMU)を組み合わせる方法で、位置姿勢情報を算出することもできる。
【0040】
ステップS203において、画像処理機器は、前記位置姿勢情報に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定する。
【0041】
ここで、第1参考面に対する画像収集装置の位置姿勢情報を決定した後、位置姿勢における回転量、即ち、回転行列に基づいて、前記画像収集装置の所在する第2参考面と前記第1参考面との夾角を決定し、続いて、前記夾角に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定することができる。
【0042】
本実施例において、第2参考面と第1参考面との夾角が小さくなってくる時に、第1機器が第1参考面に近接していると考えられ、この場合、仮想対象の表示サイズを拡大する。第2参考面と第1参考面との夾角が大きくなる場合、第1機器が第1参考面から離れていると考えられ、この場合、仮想対象の表示サイズを縮小する。これにより、仮想対象の表示サイズを手動で調整する必要がなく、操作を簡略化し、ARの対話性を向上させる。
【0043】
ステップS204において、画像処理機器は、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングする。
【0044】
ここで、ステップS204を実現する時に、画像処理機器は、位置姿勢情報に基づいて、決定した表示サイズに従って仮想対象と該画像に対して、仮想と現実の重ね合わせ処理を行い、拡張現実画像を得ることができる。
【0045】
ステップS204は、現実画像を表示する第1機器の表示インタフェースで、表示サイズに従って該仮想対象をレンダリングするステップであってもよい。例えば、該仮想対象は、仮想物品、仮想人物等であってもよい。また、ユーザによりタッチパネル又はハンドルを操作することで仮想ターゲットの移動を制御し、拡張現実効果を実現させる。
【0046】
本願の実施例で提供される画像処理方法において、まず、画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定する。続いて、前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得し、前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定する。位置姿勢情報が、画像収集装置が第1参考面から離れることを示す場合、仮想対象の表示サイズを減少させ、位置姿勢情報が、画像収集装置が第1参考面に近接することを示す場合、仮想対象の表示サイズを増大させる。最後に、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングする。これにより、画像収集装置と仮想対象の置く平面との位置姿勢情報を調整することで、仮想対象の表示サイズを自動的に調整することを実現させることができる。手動調整を必要とせず、操作を簡略化できるだけでなく、拡張現実アプリケーションの対話性及び娯楽性を向上させることもできる。
【0047】
幾つかの実施例において、前記ステップS203は、下記ステップにより実現されてもよい。
【0048】
ステップS2031において、前記位置姿勢情報に基づいて、前記画像収集装置の所在する第2参考面と前記第1参考面との夾角を決定する。ここで、画像処理機器がスマートフォンである場合、画像収集装置の所在する第2参考面は、スマートフォンにおけるディスプレイが所在する面であってもよい。
【0049】
本実施例において、ステップS2031は、下記ステップにより実現されてもよい。
【0050】
ステップ11において、前記位置姿勢情報に基づいて、前記第1座標系における前記画像収集装置の第1座標情報を決定する。ここで、第1座標系は、前記第1参考面に基づいて確立される座標系である。
【0051】
一実施形態において、第1座標系としてワールド座標系を用いることができる。この場合、第2参考面と第1参考面との夾角を算出する場合、ワールド座標系における第1参考面と第2参考面との空間的位置関係に基づいて両者の夾角を算出する。もう1つの実施形態において、第1座標系は、第1参考面における所定の点を原点として垂直し合う3つの座標軸で形成された座標系であってもよい。
【0052】
位置姿勢情報に、第1参考面自体が所在する座標系における画像収集装置の平行移動量及び回転量が含まれるため、該平行移動量及び回転量に基づいて、第1座標系における画像収集装置の第1座標情報を決定することができる。
【0053】
ステップ12において、前記画像収集装置内のカメラの光心を通過し、且つ前記第2参考面に垂直している直線と前記第1参考面との交点の第2座標情報を取得する。
【0054】
ここで、画像収集装置内のレンズの光心を通過する直線は、画像収集装置の所在する第2参考面に垂直している。従って、画像収集装置の回転行列を決定した場合、画像収集装置内のレンズの光心を通過する直線と第1参考面との夾角を決定することができる。画像収集装置の第1座標情報及び該直線と第1参考面との夾角が分かれば、第2座標情報を決定することができる。
【0055】
ステップ13において、前記第1座標情報及び前記第2座標情報に基づいて、前記第1参考面と前記第2参考面との夾角を決定する。
【0056】
ここで、
図2Bに示すように、第1参考面は、
図2Bにおける211であり、第2参考面は、
図2Bにおける212である。前記画像収集装置内のレンズの光心Oを通過し、且つ第2参考面212に垂直している直線213と第1参考面211との交点は、
図2Bにおける点Aである。第1座標情報は、第1座標系における光心Oの座標であってもよい。点Oの第1座標情報が
であり、点Aの第2座標情報が
であるとすれば、第1座標情報及び第2座標情報に基づいて、式(1)により、OA間の距離
を決定することができる。
(1)
【0057】
第1参考面211は、第1座標系における2つの座標軸で形成された平面である。本願の実施例において、第1参考面がxoyで形成された平面であるとすれば、
図2Bにおいて、OP間の距離は、
である。
(2)
【0058】
式(2)において、cosは、余弦関数である。
は、式(3)により求められる。
(3)
【0059】
式(3)において、arccosは、逆余弦関数である。
であるため、
であり、つまり、
である。
は、第1参考面と第2参考面との夾角である。
【0060】
ステップS2032において、前記夾角に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定する。
【0061】
ここで、ステップS2032は、下記ステップにより実現されてもよい。
【0062】
ステップ21において、表示サイズと角度との対応関係を取得する。
【0063】
ここで、該対応関係は、1つの参考角度及び該参考角度に対応する1つの参考サイズを含んでもよい。例えば、該参考角度は、45度であってもよく、これは、1つの参考サイズに対応する。幾つかの実施例において、該対応関係は、複数の参考角度を含んでもよく、各参考角度は、1つの参考サイズに対応する。
【0064】
ステップ22において、前記対応関係及び前記夾角に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定する。
【0065】
ここで、対応関係に1つの参考角度及び該参考角度に対応する1つの参考サイズが含まれる場合、ステップ22を実現する時、前記夾角と該参考角度との比例関係を決定し、該比例関係及び参考角度に対応する参考サイズに基づいて、仮想対象の表示サイズを決定する。
【0066】
例えば、参考角度は、45度であり、参考サイズは、20*20であり、第1参考面と第2参考面との夾角が30度であり、夾角が、参考角度に対して小さくなってくる場合、画像収集装置が近いところにフォーカスすると考えられる。この場合、寸法を拡大する。該夾角と参考角度との比例関係は、30:45=2:3である。この場合、表示サイズを、参考サイズの3/2に調整し、つまり、表示サイズは、30*30である。第1参考面と第2参考面との夾角が60度であり、夾角が、参考角度に対して大きくなってくる場合、画像収集装置が遠いところにフォーカスすると考えられる。この場合、寸法を縮小する。該夾角と参考角度との比例関係は、60:45=4:3である。この場合、表示サイズは、参考サイズの3/4に調整され、つまり、表示サイズは、15*15である。
【0067】
対応関係に複数の参考角度が含まれ、各参考角度が1つの表示サイズに対応する場合、ステップ22を実現する時、夾角に最も近い参考角度を決定し、該参考角度に対応する参考サイズを仮想対象の表示サイズとして決定することができる。又は、夾角に最も近い参考角度を決定した後、夾角と該最も近い参考角度との比例関係及び該最も近い参考角度に対応する参考サイズに基づいて、仮想対象の表示サイズを決定することもできる。
【0068】
上記実施例において、画像収集装置の所在する第2参考面と第1参考面との夾角に基づいて、画像収集装置が近いところにフォーカスするか、それとも遠いところにフォーカスするかを判定することができる。近いところにフォーカスする時、表示サイズを増大させ、遠いところにフォーカスする時、表示サイズを縮小する。これにより、仮想対象の表示サイズを自動的に調整することを実現させ、ARの対話性及び娯楽性を向上させる。
【0069】
幾つかの実施例において、第2座標情報を決定した後、前記方法は、以下を更に含む。
【0070】
ステップ14において、前記第2座標情報及び前記仮想対象の表示サイズに基づいて、前記第1参考面における前記仮想対象の置く領域を決定する。
【0071】
ここで、ステップ14を実現する時、該第2座標情報に対応する座標点を中心として、円形領域を決定することができる。該円形領域の半径は、表示サイズに基づいて決定されたものであってもよい。例えば、該半径は、表示サイズに基づいて決定された、第1参考面におけるレンズの外接円の半径であってもよい。勿論、幾つかの実施例において、置く領域は、仮想対象の実際の状況に基づいて決定されたものであってもよい。例えば、正方形、矩形、三角形等であってもよい。
【0072】
仮想対象の置く領域を決定した後、なお、ステップS204を実現する時、前記第1参考面における前記仮想対象の置く領域に基づいて、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングすることができる。これにより、画像収集装置が異なる位置にフォーカスする時、仮想対象の置く領域も対応的に移動することができ、それによって、仮想対象を常に第1機器の表示画面に位置させることを確保し、ユーザ体験を向上させる。
【0073】
前記実施例によれば、本願の実施例は、もう1つの画像そり方法を提供する。
図3は、本願の実施例による画像処理方法のもう1つの実現フローを示す概略図である。
図3に示すように、ステップS203を実行した後、前記方法は以下を更に含む。
【0074】
ステップS204’において、画像処理機器は、前記第1参考面の境界及び前記仮想対象の置く領域を決定する。
【0075】
ここで、第1参考面を決定する時、第1参考面の各頂点の座標が既に決定されたため、第1参考面の各頂点の座標に基づいて第1参考面の境界を決定することができる。そして、仮想対象の置く領域は、ステップ14で決定される。
【0076】
ステップS205において、画像処理機器は、前記置く領域が前記第1参考面の境界を越えるかどうかを判定する。
【0077】
ここで、置く領域が第1参考面の境界を越えた場合、ステップS206へ進む。置く領域が第1参考面の境界を越えていない場合、ステップS207へ進む。
【0078】
ステップS206において、画像処理機器は、前記仮想対象を、予め設定された第1色情報及び表示サイズに従って前記画像にレンダリングし、それによって前記仮想対象が前記境界を越えたことを知らせる。ここで、第1色情報は、仮想対象の元の色情報と異なる。例えば、灰色であってもよく、又は赤色等であってもよい。
【0079】
ステップS207において、画像処理機器は、前記仮想対象を予め設定された第2色情報及び表示サイズに従って前記画像にレンダリングする。ここで、第2色情報は、仮想対象の元の色情報であってもよい。これにより、仮想対象の置く領域が第1参考面の境界を越えた場合、仮想対象の元の色情報と異なる第1色情報で仮想対象をレンダリングする。従って、ユーザは、仮想対象が境界を越えたことを見たら了解でき、仮想対象の置く領域を調整できる。
【0080】
前記実施例によれば、本願の実施例は、もう1つの画像処理方法を提供する。該方法は、
図1Aに示すネットワークアーキテクチャに適用される。
図4は、本願の実施例による画像処理方法のまた1つの実現フローを示す概略図である。
図4に示すように、前記方法は以下を含む。
【0081】
ステップS401において、第1機器は、自体の画像収集装置により現実シーンの画像を収集する。
【0082】
ここで、画像収集装置は、カメラであってもよい。第1機器が自体の画像収集装置により収集したものは、現実シーンの画像である。現実シーンの画像は、画像収集装置により収集された真実の現実世界の画像である。
【0083】
ステップ402において、第1機器は、前記現実シーンの画像をサーバに送信する。ここで、実際の適用プロセスにおいて、第1機器が撮影する時に、第1機器は、収集した各フレームの画像をサーバに送信する。
【0084】
ステップS403において、サーバは現実シーンの画像を受信した後、現実シーンの画像における各参考面を識別する。
【0085】
ここで、サーバは、受信した現実シーンの画像に対して特徴抽出を行い、抽出された特徴点及び所定の平面に基づいてフィッティングを行うことで、現実シーンの画像における各参考面を決定する。
【0086】
ステップS404において、サーバは、識別された各参考面情報を第1機器に送信する。
【0087】
ここで、参考面情報は、参考面の各頂点の座標であってもよい。第1機器は、サーバから送信された各参考面情報を受信した後、表示インタフェースで、異なる参考面を可視的に区分する。例えば、識別された参考面が地面である場合、赤色格子で示し、識別された参考面がテーブル面である場合、黄色格子で示す。
【0088】
ステップS405において、第1機器は、仮想対象を置く第1参考面及び置こうとする仮想対象を決定する。
【0089】
ここで、第1機器は、各参考面を示す。ユーザは、自分の需要に応じて、仮想対象を置く第1参考面を選択する。この場合、第1機器は、ユーザの選択操作に基づいて第1参考面を決定する。
【0090】
幾つかの実施例において、第1機器は、識別された各参考面に基づいて、所定のポリシーに応じて、第1参考面を決定することもできる。例えば、所定のポリシーは、各参考面のうち面積が最も大きい参考面を第1参考面とすることであってもよい。所定のポリシーは、各参考面のうち画像中心に最も近い参考面を第1参考面とすることであってもよい。
【0091】
ステップS406において、第1機器は、決定された第1参考面情報及び置こうとする仮想対象をサーバに送信する。ここで、置こうとする仮想対象は、人物、動物、建築物、物品等であってもよい。
【0092】
ステップS407において、サーバは、前記第1参考面に対する画像収集装置の位置姿勢情報を決定する。
【0093】
ここで、サーバにより決定された第1参考面に対する画像収集装置の位置姿勢情報は、第1参考面に対応する第1機器の位置姿勢情報と見なすことができる。
【0094】
ステップS408において、サーバは、前記位置姿勢情報に基づいて、前記画像収集装置の所在する第2参考面と前記第1参考面との夾角及び前記仮想対象の置く領域を決定する。
【0095】
ステップS409において、サーバは、前記夾角に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定する。
【0096】
ここで、本実施例において、第1参考面は、水平面に平行である平面であってもよい。第1機器と第1参考面との夾角は、0から90度の角度であってもよい。夾角が90度から次第に減少する時、画像収集装置のフォーカス点が次第にユーザに近接していると考えられる。この場合、仮想対象の表示サイズを次第に増大させる。夾角が0度から次第に増大する時、画像収集装置のフォーカス点が次第にユーザから離れていると考えられる。この場合、仮想対象の表示サイズを次第に減少させる。
【0097】
ステップS410において、サーバは、前記置く領域に基づいて、前記仮想対象を表示サイズに従って前記現実シーンの画像にレンダリングし、拡張現実画像データを得る。
【0098】
ここで、サーバは、仮想対象と現実シーンの画像に対して、仮想と現実の重ね合わせ処理を行うことで、仮想対象を現実シーンの画像にレンダリングし、拡張現実画像データを得る。
【0099】
ステップS411において、サーバは、拡張現実画像データを第1機器に送信する。
【0100】
ステップS412において、第1機器は、前記拡張現実画像データに基づいて、対応する拡張現実画像を出力して表示する。
【0101】
本願の実施例で提供される画像処理方法において、第1機器は、現実シーンの画像を収集した後、現実シーンの画像をサーバに送信する。サーバにより、画像における参考面を識別し、参考面情報を第1機器に送信する。第1機器は、識別された参考面を可視的な形態で表示する。これにより、ユーザは、仮想対象を置く第1参考面を決定する。第1参考面を選択した後、サーバは、第1機器と第1参考面との夾角を決定し、該夾角に基づいて仮想対象の表示サイズを決定する。これにより、仮想対象を、決定した表示サイズに従って現実シーンの画像にレンダリングし、拡張現実画像データを得て、第1機器に送信し、それによって第1機器が表示する。従って、サーバにより、仮想対象の表示サイズを決定し、仮想と現実の重ね合わせ処理を行う。第1機器の演算量を低減させることができるだけでなく、表示サイズの自動調整を実現させることもでき、臨場感を有するユーザ体験を向上させることができる。
【0102】
以下、本願の実施例の、実際の適用シーンへの例示的な適用を説明する。
【0103】
本実施例において、ARシーンの平面に仮想物体を置く必要がある場合、携帯電話のカメラが所在する平面と仮想物体を置くための平面との夾角は一般的には90度未満である。夾角が減少し、携帯電話のカメラが近傍に向かう場合、置く物体は、近づくと大きく見えるという原理により大きくなって近傍に置かれる。夾角が増大し、携帯電話のカメラが遠くを見る場合、置く物体は、視線に応じて小さくなり、遠所に置かれる。携帯電話のカメラが回転して他の場所を見る場合、置く物体もカメラの視線に伴って移動し、仮想物体の置く位置もこれに伴って変動する。
【0104】
ARシーンにおいて、携帯電話により、仮想仮想物体を置くための平面を識別した後、仮想物体の置く位置及び仮想物体の置かれる位置の遠近を選択する必要がある。
図5は、本願の実施例による画像処理方法の適用シーンを示す概略図である。携帯電話のカメラ503の平面と物体を置く平面504との夾角が90度未満である。携帯電話のカメラ503の平面と物体を置く平面504との夾角が増大する場合、
図5に示すように、視線は、遠所に向かい、置く物体501は、縮小し、置く位置は、遠所にある。携帯電話のカメラ503の平面と物体を置く平面504との夾角が減少する時、視線は、近所に向かい、置く物体502は、拡大し、置く位置は、近所にある。
【0105】
携帯電話のカメラが回転すると、視線もこれに伴って回転する。置く仮想物体もカメラに伴って回転する。視線と携帯電話のカメラの所在する平面とは、常に直角をなす。
【0106】
本願の実施例において、置く仮想物体が近すぎるか又は遠すぎることによって、置く平面の範囲を超える場合、仮想物体の色を変更することで(例えば、灰色に変更する)、物体を置くことに成功できないことをユーザに知らせる。
【0107】
関連技術において、置こうとする物体を手動で拡大又は縮小し、物体置く位置を選択する必要がある。これにより、手動操作を増加させ、物体の置く効率を低減させる。本願の実施例において、携帯電話のカメラの視線方向及び携帯電話のカメラの所在する平面と物体を置く平面との夾角に基づいて、置く物体の遠近及び大きさを決定することができる。これにより、物体置く位置を自動的に調整し、三次元(3 Dimensions:3D)現実環境における物体の大きさを自動的に調整することを実現させ、ARに更に対話性及び娯楽性を持たせることができる。
【0108】
本実施例において、ゲームシーンを例として説明する。
【0109】
ARゲームシーン(例えば、ブラックシープ)において、ユーザは、物体の置く平台を識別した後、例えば、森、兵営、池、丘のようなゲームの物体を識別した平台に置き、ゲームシーンのカスタマイズ設計を完了する必要がある。この場合、ユーザは、カメラと物体を置く平面との角度を調整してカメラの視線角度を変更することで、ARプラットフォームにおける物体置く位置及び大きさをカメラに伴って自動的に調整することができる。
【0110】
勿論、本実施例で提供されるARシーンにおいて携帯電話のカメラの視線方向及び携帯電話のカメラの所在する平面と物体を置く平面との夾角に基づいて、置く物体の遠近及び大きさを決定する方法は、ゲームに適用可能であるだけでなく、ショッピングシーン、教育シーンなどにも適用可能である。本実施例は、これを限定しない。
【0111】
本願の実施例は、画像処理装置を提供する。
図6は、本願の実施例による画像処理装置の構造を示す概略図である。
図6に示すように、前記装置600は、第1決定モジュール601と、第1取得モジュール602と、第2決定モジュール603と、第1レンダリングモジュール604と、を備え、第1決定モジュール601は、画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定するように構成され、第1取得モジュール602は、前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得するように構成され、第2決定モジュール603は、前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定するように構成され、第1レンダリングモジュール604は、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にける第1参考面にレンダリングするように構成される。
【0112】
上記技術的解決手段において、前記第2決定モジュール603は、前記位置姿勢情報に基づいて、前記画像収集装置の所在する第2参考面と前記第1参考面との夾角を決定するように構成される第1決定部と、前記夾角に基づいて前記仮想対象の表示サイズを決定するように構成される第2決定部と、を備える。
【0113】
上記技術的解決手段において、前記第1決定部は、前記位置姿勢情報に基づいて、第1座標系における前記画像収集装置の第1座標情報を決定するように構成される第1サブ決定部であって、第1座標系は、前記第1参考面に基づいて確立される座標系である、第1サブ決定部と、前記画像収集装置内のレンズの光心を通過して且つ前記第2参考面に垂直している直線と前記第1参考面との交点の第2座標情報を取得するように構成される第1サブ取得部と、前記第1座標情報及び前記第2座標情報に基づいて、前記第1参考面と前記第2参考面との夾角を決定するように構成される第2サブ決定部と、を備える。
【0114】
上記技術的解決手段において、前記第2決定部は、表示サイズと角度との対応関係を取得するように構成される第2サブ取得部と、前記対応関係及び前記夾角に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定するように構成される第3サブ決定部と、を備える。
【0115】
上記技術的解決手段において、前記装置は、前記第2座標情報及び前記仮想対象の表示サイズに基づいて、前記第1参考面における前記仮想対象の置く領域を決定するように構成される第3決定モジュールを更に備え、
対応的に、前記第1レンダリングモジュール604は、前記第1参考面における前記仮想対象の置く領域に基づいて、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングするように構成されるレンダリング部を備える。
【0116】
上記技術的解決手段において、前記装置は、前記第1参考面の境界を決定するように構成される第4決定モジュールと、前記第1参考面における前記仮想対象の置く位置が前記第1参考面の境界を越えたと判定した場合、前記仮想対象を予め設定された第1色情報に従って前記画像にレンダリングし、それによって前記仮想対象が前記境界を越えたことを知らせるように構成される第2レンダリングモジュールと、を更に備える。
【0117】
本実施例及び他の実施例において、「コンポーネント」は、一部の回路、一部のプロセッサ、一部のプログラム又はソフトウェア等であってもよく、勿論、ユニットであってもよく、モジュール又は非モジュール化のものであってもよい。
【0118】
上記装置実施例に関する説明は、上記方法実施例に関する説明と類似しており、方法実施例と類似した有益な効果を有することに留意されたい。本願の装置実施例に開示されていない技術的細部について、本願の方法実施例に関する説明を参照しながら理解する。
【0119】
上記画像処理方法はソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売または使用されるとき、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体内に記憶されてもよいことに留意されたい。このような理解のもと、本願の実施例の技術的解決手段は、本質的に、又は、従来技術に対して貢献をもたらした部分又は該技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形式で具現することができ、このようなコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶しても良く、また、1台のコンピュータ設備(パソコン、サーバ、又はネットワーク装置など)に、本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部を実行させるための若干の命令を含む。前記の記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、磁気ディスク又は光ディスクなどの、プログラムコードを記憶できる種々の媒体を含む。従って、本願の実施例は、如何なる特定のハードウエアとソフトウェアの組み合わせに限定されない。
【0120】
なお、本願の実施例は、コンピュータ記憶媒体を更に提供する。前記コンピュータ記憶媒体にコンピュータによる実行可能な命令が記憶されており、前記該コンピュータによる実行可能な命令がプロセッサにより実行される時、上記実施例で提供される画像処理方法の工程を実現する。
【0121】
なお、本願の実施例は、コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムを更に提供する。前記コンピュータ可読コードが電子機器で実行される時、前記電子機器におけるプロセッサは、本願の実施例で提供される画像処理方法の工程を実行する。
【0122】
本願の実施例は、画像処理機器を提供する。
図7は、本願の実施例による画像処理機器の構造を示す概略図である。
図7に示すように、前記機器700は、プロセッサ701と、少なくとも1つの通信バス702と、ユーザインタフェース703と、少なくとも1つの外部通信インタフェース704と、メモリ705と、を備える。ここで、通信バス702は、これらのコンポーネント間の接続及び通信を実現するように構成される。ここで、ユーザインタフェース703は、ディスプレイを含んでもよい。外部通信インタフェース704は、標準的な有線インタフェース及び無線インタフェースを含んでもよい。前記プロセッサ701は、メモリに記憶された画像処理プログラムを実行し、上記実施例で提供される画像処理方法における工程を実現させるように構成される。
【0123】
上記画像処理機器及び記憶媒体実施例に関する説明は、上記方法実施例に関する説明と類似しており、方法実施例と類似した有益な効果を有する。本願の画像処理機器及び記憶媒体実施例に開示されていない技術的細部について、本願の方法実施例に関する説明を参照しながら理解する。
【0124】
明細書全文を通じて述べられる「1つの実施例」または「一実施例」は、実施例に関連する特定の特徴、構造または特性が、本願の少なくとも1つの実施例の中に含まれることを意味すると理解されたい。従って、本明細書全体を通して出現する「1つの実施例において」又は「一実施例において」は、同じ実施例を指すとは限らない。また、これらの特定の特徴、構造または特性は、任意かつ適切な方式で1つまたは複数の実施例に組み入れられることができる。本願の各実施例において、上記各プロセスの番号の大きさは、実行順の前後を意味するのではなく、各プロセスの実行順は、その機能および内在的な論理によって確定されるものであり、本発明の実施例の実施プロセスに対しいっさい限定を構成しないと理解すべきである。上記の本発明に係る実施例の番号は、ただ、記述するためのものであり、実施例の優劣を代表しない。
【0125】
本明細書において、用語「含む」、「備える」、またはそれらの他のいずれかの変形は、非排他的包含を包括するように意図される。従って、一連の要素を含むプロセス、方法、品目又は装置は、これらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素も含み、又は、このようなプロセス、方法、品目又は装置に固有の要素も含む。更なる限定が存在しない場合、“・・・を含む”なる文章によって規定される要素は、該要素を有するプロセス、方法、品目又は装置内に、同じ要素が更に存在することを排除しない。
【0126】
本願で提供される幾つかの実施例において、開示される機器及び方法は、他の方式によって実現できることを理解すべきである。例えば、以上に記載した機器の実施例はただ例示的なもので、例えば、前記ユニットの分割はただロジック機能の分割で、実際に実現する時は他の分割方式によってもよい。例えば、複数のユニット又は組立体を組み合わせてもよいし、別のシステムに組み込んでもよい。又は若干の特徴を無視してもよいし、実行しなくてもよい。また、示したか或いは検討した相互間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、幾つかのインターフェイス、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的または他の形態であってもよい。
【0127】
分離部材として説明した上記ユニットは、物理的に別個のものであってもよいし、そうでなくてもよい。ユニットとして示された部材は、物理的ユニットであってもよいし、そうでなくてもよい。即ち、同一の位置に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全てのユニットにより本実施例の方策の目的を実現することができる。
【0128】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは一つの処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットが物理的に別個のものとして存在してもよいし、2つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。上記集積したユニットはハードウェアとして実現してもよく、ハードウェアとソフトウェア機能ユニットとの組み合わせで実現してもよい。
【0129】
当業者であれば、本願の実施例は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されてもよいことを理解すべきである。従って、本願は、ハードウェア実施例、ソフトウェア実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態を用いることができる。また、本願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ及び光学メモリ等を含むが、これらに限定されない)で実行されるコンピュータプログラム製品の形態としてもよい。
【0130】
本願は、本願の実施例に基づく方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明されたものである。コンピュータプログラム命令によりフローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロックの組み合わせを実現することができることが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋め込みプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供することで機器を構成する。それによって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行する命令が、フローチャートにおける1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現させるための装置を構成する。
【0131】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を所定の方式で動作させるように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく。これにより該コンピュータ可読メモリに記憶されている命令により、命令装置を備える製品を構成し、該命令装置は、フローチャートにおける1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現させる。
【0132】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にインストールされてもよい。これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置上で一連の操作を実行してコンピュータにより実行される処理を生成する。これによりコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行される指令により、フローチャートにおける1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現させるための工程を提供する。
【0133】
上記は、本願の具体的な実施形態だけであり、本願の保護範囲はこれに限定されない。当業者が本願に開示された技術範囲内で容易に想到しうる変更や置換はいずれも、本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本願の実施例は、画像処理方法及びその装置、機器並びに記憶媒体を提供する。前記方法は、画像収集装置により収集された画像に基づいて、仮想対象を置く第1参考面を決定することと、前記第1参考面に対する前記画像収集装置の位置姿勢情報、及び置こうとする仮想対象を取得することと、前記位置姿勢情報に基づいて、前記仮想対象の表示サイズを決定することと、前記仮想対象を表示サイズに従って前記画像にレンダリングすることと、を含む。これにより、画像収集装置と仮想対象の置く平面との位置姿勢情報を調整することで、仮想対象の表示サイズを自動的に調整することを実現させることができる。手動調整を必要とせず、操作を簡略化できるだけでなく、拡張現実アプリケーションの対話性及び娯楽性を向上させることもできる。