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  • 特許-部品実装システムおよび部品実装方法 図1
  • 特許-部品実装システムおよび部品実装方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】部品実装システムおよび部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019019330
(22)【出願日】2019-02-06
(65)【公開番号】P2020126950
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】溝上 大輔
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-130886(JP,A)
【文献】特開2007-109778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏の一方の第1面に形成された複数の第1パターンそれぞれと表裏の他方の第2面に形成された複数の第2パターンそれぞれが表裏で対応づけられている基板に対し、前記複数の第1パターンそれぞれに部品を実装する第1の部品実装を行った後、前記複数の第2パターンそれぞれに部品を実装する第2の部品実装を行う部品実装部を備えた部品実装システムであって、
前記部品実装部により前記第1の部品実装が行われる前に、前記複数の第1パターンそれぞれを検査して不良箇所を有する前記第1パターンを第1面側不良パターンとして検出する検査部と、
前記検査部により検出された前記第1面側不良パターンに対応する前記第2パターンを検知して実装不要パターンに設定する実装不要パターン設定部とを備え、
前記部品実装部は、前記第2の部品実装を行うにおいて、前記実装不要パターン設定部により設定された前記実装不要パターンには部品を実装せず、
前記実装不要パターン設定部は、前記複数の第1パターンそれぞれと前記複数の第2パターンそれぞれとの対応関係を示すパターン対応データに基づいて、前記検査部により検出された前記第1面側不良パターンに対応する前記第2パターンを検知する部品実装システム。
【請求項2】
前記部品実装部は、前記第1の部品実装を行うにおいて、前記検査部により検出された前記第1面側不良パターンには部品を実装しない請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記検査部は、前記部品実装部により前記第2の部品実装が行われる前に、前記複数の第2パターンそれぞれを検査して不良箇所を有する前記第2パターンを第2面側不良パターンとして検出するようになっており、前記部品実装部は、前記第2の部品実装を行うにおいて、前記検査部により検出された前記第2面側不良パターンには部品を実装しない請求項1または2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記基板は互いに分離できる複数の個別基板を有して成り、対応する前記第1パターンと前記第2パターンは前記複数の個別基板それぞれの表裏に形成されている請求項1~のいずれかに記載の部品実装システム。
【請求項5】
表裏の一方の第1面に形成された複数の第1パターンそれぞれと表裏の他方の第2面に形成された複数の第2パターンそれぞれが表裏で対応づけられている基板に対し、前記複数の第1パターンそれぞれに部品を実装する第1の部品実装工程を実行した後、前記複数の第2パターンそれぞれに部品を実装する第2の部品実装工程を実行する部品実装方法であって、
前記第1の部品実装工程を実行する前に、前記複数の第1パターンそれぞれを検査して不良箇所を有する前記第1パターンを第1面側不良パターンとして検出する第1の検査工程と、
前記第1の検査工程で検出した前記第1面側不良パターンに対応する前記第2パターンを検知して実装不要パターンに設定する実装不要パターン設定工程とを含み、
前記第2の部品実装工程において、前記実装不要パターン設定工程で設定した前記実装不要パターンには部品を実装せず、
前記実装不要パターン設定工程では、前記複数の第1パターンそれぞれと前記複数の第2パターンそれぞれとの対応関係を示すパターン対応データに基づいて、前記第1の検査工程で検出した前記第1面側不良パターンに対応する前記第2パターンを検知する部品実装方法。
【請求項6】
前記第1の部品実装工程において、前記第1の検査工程で検出した前記不良箇所を有する前記第1パターンには部品を実装しない請求項に記載の部品実装方法。
【請求項7】
前記第2の部品実装工程を実行する前に、前記複数の第2パターンそれぞれを検査して不良箇所を有する前記第2パターンを第2面側不良パターンとして検出する第2の検査工程を実行し、前記第2の部品実装工程では、前記第2の検査工程で検出した前記第2面側不良パターンには部品を実装しない請求項5または6に記載の部品実装方法。
【請求項8】
前記基板は互いに分離できる複数の個別基板を有して成り、対応する前記第1パターンと前記第2パターンは前記複数の個別基板それぞれの表裏に形成されている請求項のいずれかに記載の部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表裏それぞれに形成されたパターンに部品を実装する部品実装システムおよび部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に形成されたパターン(電極パターン)に部品を実装して実装基板を生産する部品実装システムが知られている。部品実装システムは通常、半田印刷部、検査部および部品実装部がこの順で並んで配置されており、半田印刷部によって基板のパターンに半田を塗布した後、検査部によって各パターンにおける半田の塗布状態の不良箇所の有無を検査する。そして、部品実装部は、検査部によって半田の塗布状態が不良と判断されたパターンを除く各パターンに部品を実装する。
【0003】
このような部品実装システムによって生産される実装基板の中には、多面取り基板と称される基板がある。多面取り基板は、部品実装後に分離されることとなる複数の基板(個別基板と称する)が互いに連結されたものであり、複数の個別基板をまとめて効率よく生産することができる。また、実装基板の中には、基板の表裏の一方の第1面と他方の第2面との双方にパターンが形成されており、これら両面にそれぞれ部品が実装される基板が、いわゆる両面実装タイプの基板として知られている。このような両面実装タイプの基板を生産する場合には、基板は部品実装システムに2回通され、1回目で第1面に部品が実装された後に表裏が反転され、2回目で第2面に部品が実装される(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-124329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、上記の多面取り基板の生産においては、一部の個別基板のパターンに不良箇所が検出されたとしても、その不良箇所を有する個別基板を廃棄対象として部品を実装しないようにすれば、生産効率を上げることができる。しかしながら、その多面取り基板が両面実装タイプであった場合であって、第1面側のパターンに不良箇所が発見されて部品が実装されなかった個別基板であっても、基板の表裏反転後、その個別基板の第2面側のパターンが良好であった場合には、その個別基板に部品が実装されることなる。このため廃棄処分となる個別基板に部品が無駄に実装されてしまい、生産コストの増大に繋がるおそれがあった。
【0006】
そこで本発明は、部品が無駄に実装される事態を防止できる部品実装システムおよび部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品実装システムは、表裏の一方の第1面に形成された複数の第1パターンそれぞれと表裏の他方の第2面に形成された複数の第2パターンそれぞれが表裏で対応づけられている基板に対し、前記複数の第1パターンそれぞれに部品を実装する第1の部品実装を行った後、前記複数の第2パターンそれぞれに部品を実装する第2の部品実装を行う部品実装部を備えた部品実装システムであって、前記部品実装部により前記第1の部品実装が行われる前に、前記複数の第1パターンそれぞれを検査して不良箇所を有する前記第1パターンを第1面側不良パターンとして検出する検査部と、前記検査部により検出された前記第1面側不良パターンに対応する前記第2パターンを検知して実装不要パターンに設定する実装不要パターン設定部とを備え、前記部品実装部は、前記第2の部品実装を行うにおいて、前記実装不要パターン設定部により設定された前記実装不要パターンには部品を実装せず、前記実装不要パターン設定部は、前記複数の第1パターンそれぞれと前記複数の第2パターンそれぞれとの対応関係を示すパターン対応データに基づいて、前記検査部により検出された前記第1面側不良パターンに対応する前記第2パターンを検知する
【0008】
本発明の部品実装方法は、表裏の一方の第1面に形成された複数の第1パターンそれぞれと表裏の他方の第2面に形成された複数の第2パターンそれぞれが表裏で対応づけられている基板に対し、前記複数の第1パターンそれぞれに部品を実装する第1の部品実装工程を実行した後、前記複数の第2パターンそれぞれに部品を実装する第2の部品実装工程を実行する部品実装方法であって、前記第1の部品実装工程を実行する前に、前記複数の第1パターンそれぞれを検査して不良箇所を有する前記第1パターンを第1面側不良パターンとして検出する第1の検査工程と、前記第1の検査工程で検出した前記第1面側不良パターンに対応する前記第2パターンを検知して実装不要パターンに設定する実装不要パターン設定工程とを含み、前記第2の部品実装工程において、前記実装不要パターン設定工程で設定した前記実装不要パターンには部品を実装せず、前記実装不要パターン設定工程では、前記複数の第1パターンそれぞれと前記複数の第2パターンそれぞれとの対応関係を示すパターン対応データに基づいて、前記第1の検査工程で検出した前記第1面側不良パターンに対応する前記第2パターンを検知する
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部品が無駄に実装される事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態における部品実装システムの構成図
図2】本発明の一実施の形態における部品実装システムにより部品実装が行われる基板の(a)第1面を上から見た平面図(b)第2面を上から見た平面図
図3】本発明の一実施の形態における部品実装システムによる基板に対する両面実装の流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態における部品実装システム1を示している。部品実装システム1は、基板KBに部品BHを実装して実装基板を生産するものであり、基板KBの搬送方向(図1の左側から右側へ向く方向)の上流側から順に並べられた半田塗布部としての半田印刷装置11、検査部としての検査装置12、部品実装部としての部品実装装置13および管理部としての管理装置14を備えている。
【0012】
部品実装システム1において部品実装がなされる基板KBは、図2(a),(b)に示すように、互いに分離できる複数の個別基板KKから成る、いわゆる多面取り基板である。この基板KBが有する複数の個別基板KKはそれぞれ両面実装タイプであり、表裏の一方の第1面S1と表裏の他方の第2面S2の双方にパターン(電極パターン)を有している。本実施の形態では、各個別基板KKの第1面S1側のパターンを第1パターンP1と称し、第2面S2側のパターンを第2パターンP2と称する。
【0013】
本実施の形態では、図2(a),(b)に示すように、6つの個別基板KK(KK1,KK2,KK3,KK4,KK5,KK6)を有しており、これら6つの個別基板KK(KK1,KK2,KK3,KK4,KK5,KK6)のそれぞれの第1面S1側に第1パターンP1が形成され、第2面S2側に第2パターンP2が形成されている。但し、これは一例であり、基板KBが備える個別基板KKの枚数や配列は特に問わない。
【0014】
図2(a),(b)において、基板KBの第1面S1と第2面S2のそれぞれには、その基板KBを他の基板KBと識別するための識別コードマークKCが付されている。これ
ら基板KBの表裏両面に設けられた識別コードマークKCは、基板KBの第1面S1に付されたもの(符号をKC1として示す)と第2面S2に付されたもの(符号をKC2として示す)とは互いに異なっており、これら識別コードマークKCを上方から読み取ることで、その基板KBが上を向いている面が第1面S1であるか第2面S2であるかを識別することができる。
【0015】
図1において、半田印刷装置11は、印刷装置搬送部21、マスク22、基板昇降部23およびスキージ24を備えている。印刷装置搬送部21は、上流側から投入された基板KBを受け取り、所定の位置に位置させる。マスク22は基板KBに形成されたパターンに対応したパターン孔(図示せず)を有している。本実施の形態では、マスク22は、第1パターンP1に対応したパターン孔を有する第1マスクと、第2パターンP2に対応したパターン孔を有する第2マスクとが用意されている。そして、第1パターンP1に半田を塗布する場合には第1マスクが設置され、第2パターンP2に半田を塗布する場合には第2マスクが設置される。基板昇降部23は、印刷装置搬送部21によって所定の位置に位置された基板KBを持ち上げて、基板KBの上面をマスク22の下面に接触させる。スキージ24は、基板KBを接触させたマスク22上で摺動され、ペースト状の半田(図示せず)をマスク22上で掻き均す。これにより半田(図示せず)がパターン孔を通じてマスク22の下面側に押し出され、パターンの表面に塗布される。
【0016】
図1において、検査装置12は、検査装置搬送部31、検査ヘッド32および検査ヘッド移動機構33を備えている。検査装置搬送部31は半田印刷装置11から基板KBを受け取り、所定の検査位置に位置させる。検査ヘッド32は撮像視野を下方に向けた撮像部を備えている。検査ヘッド移動機構33は検査ヘッド32を基板KBの上方で移動させ、検査ヘッド32は撮像部によって基板KBの上面(上側を向いている面)の各パターンを検査する。具体的には、検査ヘッド32の撮像部によって基板KBの上面の各パターンを撮像し、不良箇所があるパターンを検出する。
【0017】
図1において、部品実装装置13は、実装装置搬送部41、部品供給部42、実装ヘッド43、カメラ44および実装ヘッド移動機構45を備えている。実装装置搬送部41は検査装置12から送られてきた基板KBを受け取り、所定の位置に位置させる。部品供給部42は例えば複数のテープフィーダから構成されており、それぞれ所定の部品供給位置に部品BHを供給する。実装ヘッド43は下方に延びたノズル(図示せず)を備えており、カメラ44は実装ヘッド43に取り付けられて撮像視野を下方に向けている。実装ヘッド移動機構45は実装ヘッド43を水平面内で移動させる。部品実装装置13は、部品供給部42から部品BHを供給させつつ、実装ヘッド移動機構45によって実装ヘッド43を移動させて、部品供給部42が供給する部品BHをノズルに吸着(ピックアップ)させて各パターンに装着する一連の動作(実装ターン)を繰り返し実行する。
【0018】
図1において、管理装置14は半田印刷装置11、検査装置12および部品実装装置13の各動作を統合的に管理する装置である。半田印刷装置11、検査装置12および部品実装装置13は管理装置14を通じて互いにデータ伝送を行うことができる。管理装置14は図1に示すように、記憶部14Mと実装不要パターン設定部14Jを備えている。
【0019】
管理装置14の記憶部14Mには、部品実装システム1が取り扱う基板KBの詳細データ(基板データ)が基板KBの種類ごとに記憶されている。基板データには、第1面S1と第2面S2との対応、すなわち複数の第1パターンP1それぞれと複数の第2パターンP2との対応を示すパターン対応データのほか、第1パターンP1及び第2パターンP2それぞれの基板KBを基準とした座標データが含まれている。
【0020】
次に、このような構成の部品実装システム1により基板KBに両面実装を施す手順(部
品実装方法)を説明する。本実施の形態では、基板KBの第1面S1側の第1パターンP1と第2面S2側の第2パターンP2の双方に部品BHを実装するため、基板KBは部品実装システム1に2回通される。具体的には、先ず、第1面S1を上に向けた状態で基板KBが部品実装システム1に投入される。これにより基板KBの第1面S1に部品BHが実装されたら、基板KBは表裏が反転され、第2面S2を上に向けた状態で、改めて部品実装システム1に投入される。これにより基板KBの第2面S2に部品BHが実装されたら、基板KBに対する両面実装が完了する。
【0021】
以下、順を追って1枚の基板KBに対する部品実装システム1の動作を説明する。作業者は先ず、第1面S1に対応したマスク22(第1マスク)を半田印刷装置11に設置する。そして、第1面S1を上に向けた状態で基板KBを半田印刷装置11に投入する。
【0022】
半田印刷装置11は、第1面S1を上に向けた状態の基板KBが投入されたら、その基板KBをマスク22(第1マスク)に接触させ、半田が供給されたマスク22上でスキージ24を摺動させることによって、基板KBの第1面S1(すなわち、複数の個別基板KKそれぞれの第1パターンP1)に半田を塗布する(第1の半田塗布工程)。半田印刷装置11は、基板KBの第1面S1への半田の塗布が終了したら、その基板KBを検査装置12に送り出す。
【0023】
検査装置12は、基板KBを半田印刷装置11から受け取ったら、基板KBの上を向いている側の面(ここでは第1面S1)に設けられている識別コードマークKCを検査ヘッド32の撮像部によって撮像する。これにより検査装置12は、上を向いている面が第1面S1であることを把握したうえで、その第1面S1側の各パターン(複数の個別基板KKそれぞれの第1パターンP1)を検査する(第1の検査工程)。この第1の検査工程では、検査装置12は、検査ヘッド32を基板KBの上方で移動させ、基板KBの第1面S1の各パターン(第1パターンP1)を撮像部で上方から撮像することによって、不良箇所を有する第1パターンP1があるか否かを調べる。
【0024】
検査装置12は、第1の検査工程において、第1面S1上に、不良箇所を有する第1パターンP1を発見した場合には、これを「第1面側不良パターン」として検出する。そして、その検出した第1面側不良パターンの基板KB上での位置データを、「第1面側不良パターン位置データDTa」として、管理装置14の記憶部14Mに記憶させる(図3)。検査装置12は、基板KBの第1面S1側のパターン(複数の個別基板KKそれぞれの第1パターンP1)の検査が終了したら、基板KBを部品実装装置13に送り出す。
【0025】
記憶部14Mに第1面側不良パターン位置データDTaが記憶されたら、管理装置14の実装不要パターン設定部14Jは、記憶部14Mに記憶された第1面側不良パターン位置データDTaと、記憶部14Mに記憶されている基板データ(パターン対応データ)とに基づいて、第1面側不良パターンに対応する第2パターンP2を検知し、その検知した第1面側不良パターンに対応する第2パターンP2を部品BHの実装が不要なパターン(実装不要パターン)に設定する(実装不要パターン設定工程)。そして、その設定した実装不要パターンの基板KB上での位置データを「実装不要パターン位置データDTf」として、記憶部14Mに記憶させる(図3)。これにより、例えば、符号KK3の個別基板KKが備える第1パターンP1が第1面側不良パターンとして検出された場合には、符号KK3の個別基板KKの第2パターンP2が実装不要パターンに設定され、その実装不要パターンの位置データが、実装不要パターン位置データDTfとして記憶部14Mに記憶される。
【0026】
部品実装装置13は、検査装置12から基板KBを受け取ったら、基板KBの上を向いている側の面(ここでは第1面S1)に設けられている識別コードマークKCをカメラ4
4によって撮像する。これにより部品実装装置13は、上を向いている面が第1面S1であることを把握したうえで、管理装置14の記憶部14Mに記憶されている基板データから、第1面S1上のパターン、すなわち、複数の個別基板KKそれぞれの第1パターンP1の座標データを読み出す。
【0027】
部品実装装置13は、複数の個別基板KKそれぞれの第1パターンP1の座標データを読み出したら、記憶部14Mに記憶されている第1面側不良パターン位置データDTaを読み出す(図3)。
【0028】
部品実装装置13は、複数の個別基板KKそれぞれの第1パターンP1の座標データと、第1面側不良パターン位置データDTaを読み出したら、第1面S1側の各パターン、すなわち各個別基板KKの第1パターンP1に、部品実装(第1の部品実装)を行う(第1の部品実装工程)。この第1の部品実装(第1の部品実装工程)では、複数の個別基板KKそれぞれの第1パターンP1の座標データに基づいて部品実装を行いつつ、第1面側不良パターン位置データDTaからその位置が求められる第1面側不良パターン(不良箇所を有する第1パターンP1)には、部品実装を行わないようにする。
【0029】
このため、部品実装装置13による第1の部品実装の終了後には、基板KBが有する複数の個別基板KKの第1パターンP1のうち、不良箇所を有する第1パターンP1を除いた第1パターンP1に部品BHが実装された状態となる。部品実装装置13は、基板KBの第1面S1側への部品実装(第1の部品実装)が終了したら、実装装置搬送部41によって基板KBを下流側に搬出する。
【0030】
このように本実施の形態における部品実装システム1では、部品実装部である部品実装装置13により、基板KBの第1面S1側の複数の第1パターンP1それぞれに部品BHを実装する第1の部品実装が行われる前に、複数の第1パターンP1それぞれを検査して不良箇所を有する第1パターンP1を第1面側不良パターンとして検出し、その検出した第1面側不良パターンに対応する第1パターンP1には部品BHを実装しないようになっている。
【0031】
部品実装装置13による、基板KBの第1面S1側(複数の個別基板KKの第1パターンP1)への部品実装(第1の部品実装)が終了したら、作業者は、半田印刷装置11に設置されるマスク22を第2面S2に対応した第2マスクに交換する。そして、部品実装装置13から搬出された基板KBを表裏反転させ、第2面S2が上を向く状態にしたうえで、その基板KBを改めて半田印刷装置11に投入する(図3中に示す矢印P)。
【0032】
半田印刷装置11は、第2面S2を上に向けた状態の基板KBが投入されたら、その基板KBをマスク22(第2マスク)に接触させ、半田が供給されたマスク22上でスキージ24を摺動させることによって、基板KBの第2面S2(すなわち、複数の個別基板KKそれぞれの第2パターンP2)に半田を塗布する(第2の半田塗布工程)。半田印刷装置11は、基板KBの第2面S2への半田の塗布が終了したら、その基板KBを検査装置12に送り出す。
【0033】
検査装置12は、基板KBを半田印刷装置11から受け取ったら、基板KBの上を向いている側の面(ここでは第2面S2)に設けられている識別コードマークKCを検査ヘッド32の撮像部によって撮像する。これにより検査装置12は、上を向いている面が第2面S2であることを把握したうえで、その第2面S2側の各パターン(複数の個別基板KKそれぞれの第2パターンP2)を検査する(第2の検査工程)。この第2の検査工程では、検査装置12は、検査ヘッド32を基板KBの上方で移動させ、基板KBの第2面S2の各パターン(第2パターンP2)を撮像部で上方から撮像することによって、不良箇
所を有する第2パターンP2があるか否かを調べる。
【0034】
検査装置12は、第2の検査工程において、第2面S2上に、不良箇所を有する第2パターンP2を検出した場合には、これを「第2面側不良パターン」として検出し、その検出した第2面側不良パターンの基板KB上での位置データを「第2面側不良パターン位置データDTb」として、管理装置14の記憶部14Mに記憶させる(図3)。検査装置12は、基板KBの第2面S2側のパターン(複数の個別基板KKそれぞれの第2パターンP2)の検査が終了したら、基板KBを部品実装装置13に送り出す。
【0035】
部品実装装置13は、検査装置12から基板KBを受け取ったら、基板KBの上を向いている側の面(ここでは第2面S2)に設けられている識別コードマークKCをカメラ44によって撮像する。これにより部品実装装置13は、上を向いている面が第2面S2であることを把握したうえで、管理装置14の記憶部14Mに記憶されている基板データから、第2面S2上のパターン、すなわち、複数の個別基板KKそれぞれの第2パターンP2の座標データを読み出す。
【0036】
部品実装装置13は、複数の個別基板KKそれぞれの第2パターンP2の座標データを読み出したら、記憶部14Mに記憶されている第2面側不良パターン位置データDTbを読み出すとともに(図3)、実装不要パターン位置データDTfを読み出す(図3)。
【0037】
部品実装装置13は、複数の個別基板KKそれぞれの第2パターンP2の座標データと、第2面側不良パターン位置データDTbと、実装不要パターン位置データDTfを読み出したら、第2面S2側の各パターン、すなわち、各個別基板KKの第2パターンP2に部品実装(第2の部品実装)を行う(第2の部品実装工程)。この第2の部品実装(第2の部品実装工程)では、複数の個別基板KKそれぞれの第2パターンP2の座標データに基づいて部品実装を行いつつ、第2面側不良パターン位置データDTbからその位置が求められる第2面側不良パターン(不良箇所を有する第2パターンP2)と、実装不要パターン位置データDTfからその位置が求められる実装不要パターン(不良箇所を有する第1パターンP1に対応する第2パターンP2)には、部品実装を行わないようにする。
【0038】
このため、部品実装装置13による第2の部品実装の終了後には、基板KBが有する複数の個別基板KKの第2パターンP2のうち、不良箇所を有する第2パターンP2と、不良箇所を有する第1パターンP1に対応する第2パターンP2とを除いた第2パターンP2に部品BHが実装された状態となる。部品実装装置13は、基板KBの第2面S2側への部品実装(第2の部品実装)が終了したら、実装装置搬送部41によって基板KBを下流側に搬出する。
【0039】
このように本実施の形態における部品実装システム1では、部品実装部である部品実装装置13により、基板KBの第2面S2側の複数の第2パターンP2それぞれに部品BHを実装する第2の部品実装が行われる前に、複数の第2パターンP2それぞれを検査して不良箇所を有する第2パターンP2を第2面側不良パターンとして検出するとともに、不良箇所を有する第1パターンP1に対応する第2パターンP2を実装不要パターンに設定する。そして、検出した第2面側不良パターンに対応する第2パターンP2と、設定した実装不要パターンに対応する第2パターンP2には部品BHを実装しないようになっている。
【0040】
前述したように、本実施の形態における部品実装システム1では、基板KBの第1面S1側への部品実装(第1の部品実装)を行う前に第1面S1側のパターン(第1パターンP1)を検査し、不良箇所を有する第1パターンP1を第1面側不良パターンとして検出するようになっている。そして、その検出した第1面側不良パターンには、部品BHを実
装しないようになっている。
【0041】
また、基板KBの第2面S2側への部品実装(第2の部品実)を行う前に第2面S2側のパターン(第2パターンP2)を検査し、不良箇所を有する第2パターンP2を第2面側不良パターンとして検出するようになっている。そして、その検出した第2面側不良パターンには、部品BHを実装しないようになっている。
【0042】
また、検出した第1面側不良パターンの位置データ(第1面側不良パターン位置データDTa)を記憶部14Mに記憶させておき、その記憶させた第1面側不良パターン位置データDTaに基づいて、第1面不良パターンに対応する第2パターンP2を実装不要パターンに設定するようになっている。そして、その設定した実装不要パターンの位置データ(実装不要パターン位置データDTf)を記憶部14Mに記憶させておき、基板KBの第2面S2側への第2の部品実装を行うときに読み出して、第2の部品実装においては、実装不要パターンには部品BHを実装しないようにしている。このため本実施の形態における部品実装システム1(部品実装方法)では、不良箇所を有するパターン(第1パターンP1および第2パターンP2)を備えた個別基板KK、すなわち廃棄されることとなる個別基板KKに部品BHが実装されることはなく、部品BHの無駄が生じない。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態における部品実装システム1(部品実装方法)では、基板KBの第1面S1に形成された複数の第1パターンP1それぞれに部品BHを実装する第1の部品実装を行う前に、複数の第1パターンP1それぞれを検査して不良箇所を有する第1パターンP1を検出し、その検出した不良箇所を有する第1パターンP1に対応する第2パターンP2を検知して実装不要パターンに設定するようになっている。そして、基板KBの第2面S2に形成された複数の第2パターンP2それぞれに部品BHを実装する第2の部品実装を行うにおいて、設定した実装不要パターンに対応する第2パターンP2には部品BHを実装しないようになっている。このため、廃棄処分となる個別基板KKに部品BHが無駄に実装される事態を防止でき、生産コストの増大を抑えることができる。
【0044】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、前述の実施の形態において、部品実装部は1つの部品実装装置13から構成されていたが、これは一例であり、複数の部品実装装置13から構成されていてもよい。
【0045】
また、前述の実施の形態では、1つの部品実装システム1に対して基板KBを2回通すようになっていたが、2つの部品実装システム1(第1の部品実装システム1および第2の部品実装装置1)に対して1回ずつ基板KBを通すようになっていてもよい。この場合、第1の部品実装システム1の検査装置12と第2の部品実装システム1の検査装置12とが検査部に相当し、第1の部品実装システム1の部品実装装置13と第2の部品実装システム1の部品実装装置13とが部品実装部に相当する。
【0046】
また、部品実装装置13の下流側に、部品実装装置13による部品BHの実装状態の良否を判定する実装検査装置を備えた構成とすることもできる。この場合には、実装検査装置により基板KBに実装した部品BHの実装状態が不良であり、その基板KBを廃棄処分とすることになるのであれば、その実装状態が不良であると判定された第1パターンP1に対応する第2パターンP2も実装不要パターンとして取り扱うことで、廃棄処分となる個別基板KKに部品BHが無駄に実装される事態を、より確実に防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
部品が無駄に実装される事態を防止できる部品実装システムおよび部品実装方法を提供
する。
【符号の説明】
【0048】
1 部品実装システム
11 半田印刷装置
12 検査装置(検査部)
13 部品実装装置(部品実装部)
14 管理装置
14J 実装不要パターン設定部
KB 基板
KK 個別基板
S1 第1面
S2 第2面
P1 第1パターン
P2 第2パターン
図1
図2
図3