特許 7261959 洗濯機の梱包装置、及び梱包装置により梱包された状態の洗濯機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-04-13

(45)【発行日】2023-04-21

(54)【発明の名称】洗濯機の梱包装置、及び梱包装置により梱包された状態の洗濯機

(51)【国際特許分類】

   B65D 85/68 20060101AFI20230414BHJP

【ＦＩ】

B65D85/68 H

【請求項の数】 2

(21)【出願番号】P 2019082370

(22)【出願日】2019-04-24

(65)【公開番号】P2020179869

(43)【公開日】2020-11-05

【審査請求日】2021-05-10

(73)【特許権者】

【識別番号】314012076

【氏名又は名称】パナソニックＩＰマネジメント株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100106116

【弁理士】

【氏名又は名称】鎌田 健司

(74)【代理人】

【識別番号】100131495

【弁理士】

【氏名又は名称】前田 健児

(72)【発明者】

【氏名】土屋 法宏

【審査官】家城 雅美

(56)【参考文献】

【文献】実開昭５６－１３９４８３（ＪＰ，Ｕ）

【文献】実開昭５１－１３４５７４（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６５Ｄ ８５／６８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

洗濯機の下部を保護する下サポーターと、前記洗濯機の上部を保護する上サポーターと、前記洗濯機を前記下サポーター及び上サポーターとともに覆う外装上ケースとを備え、
前記下サポーターには、前記洗濯機の水槽下部を支持する水槽受け部と前記水槽受け部を通過する溝部と、を設け、
前記水槽受け部には、前記洗濯機の水槽下部の嵌合部品と嵌合する嵌合部が設けられ、前記嵌合部は、形状凹部に構成され、
前記溝部は、前記嵌合部と交差し、前記嵌合部より深く形成され、前記下サポーターの一方の辺から対向する辺まで設けられている洗濯機の梱包装置。

【請求項2】

梱包装置により梱包された状態の洗濯機であって、
前記洗濯機は、サスペンションにより弾性支持される水槽と、前記水槽下部に設けられている嵌合部品と、を備え、
前記梱包装置は、前記洗濯機の下部を保護する下サポーターと、前記洗濯機の上部を保護する上サポーターと、前記洗濯機を前記下サポーター及び上サポーターとともに覆う外装上ケースとを備え、
前記下サポーターには、前記洗濯機の水槽下部を支持する水槽受け部と前記水槽受け部を通過する溝部と、を設け、
前記水槽受け部には、前記嵌合部品と嵌合する嵌合部が設けられ、前記嵌合部は、形状凹部に構成され、
前記溝部は、前記嵌合部と交差し、前記嵌合部より深く形成され、前記下サポーターの一方の辺から対向する辺まで設けられている、梱包装置により梱包された状態の洗濯機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、衣類等を洗濯する洗濯機の梱包装置、及び梱包装置により梱包された状態の洗濯機に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、この種の洗濯機の梱包装置は、製品を外的な衝撃から保護することを主として構成され、その形状については、保護強度の維持を第一に優先した構成になっている。

【0003】

従来の洗濯機の梱包構成を図面にて説明する。

【0004】

図７は、従来の洗濯機の梱包装置の分解斜視図、図８は、同洗濯機の梱包装置の斜視図、図９は、同下サポーターの斜視図である。

【0005】

洗濯機２１は、下サポーター２５を介して外装下ケース２９に載置され、上部の蓋体２３及び操作表示部２４に上サポーター２２Ｒ、２２Ｌを装着している。洗濯機２１の左右コーナー部には、角サポーター３０Ｒ、３０Ｌを配置しており、角サポーター３０Ｒ、３０Ｌは、上サポーター２２と下サポーター２５に狭持される。角サポーター３０Ｒ、３０Ｌは、洗濯機２１の前面コーナー部の保護に加え、上下方向の支柱的役割を果たしている。各緩衝部品の装着後に外装上ケース２８により洗濯機１を上方より覆っている。

【0006】

下サポーター２５には、主に洗濯機２１の脚部２６（４箇所）近傍を当接部とした脚受け部２７を設けると共に、洗濯機１内に弾性支持された水槽２４を固定する水槽受け部８を設け、４箇所の脚受け部２７と水槽受け部２８の計５箇所の当接部により支持する構成としている。

【0007】

そのため、下サポーター２５は、洗濯機２１の底面全体を覆う大きさになり、大型化している。また、水槽受け部２８は、水槽２４の下部を支持するために、水槽２４の底部まで延設させており、中央が厚い形状となっていた。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0008】

【文献】特開２０１４－２１３８９０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0009】

しかしながら、従来の構成では、下サポーターが大きく、特に中央部分の厚みが厚いため、破断しにくく、商品納入時の開梱作業性、廃棄作業性が悪いといった課題があった。

【0010】

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、廃棄時に下サポーターの小型化を図ることのできる洗濯機の梱包装置、及び梱包装置により梱包された状態の洗濯機を提供するものである。

【課題を解決するための手段】

【0011】

本開示の洗濯機の梱包装置は、洗濯機の下部を保護する下サポーターと、前記洗濯機の上部を保護する上サポーターと、前記洗濯機を前記下サポーター及び上サポーターとともに覆う外装上ケースとを備え、前記下サポーターには、前記洗濯機の水槽下部を支持する水槽受け部と前記水槽受け部を通過する溝部と、を設け、前記水槽受け部には、前記洗濯機の水槽下部の嵌合部品と嵌合する嵌合部が設けられ、前記嵌合部は、形状凹部に構成され、前記溝部は、前記嵌合部と交差し、前記嵌合部より深く形成され、前記下サポーターの一方の辺から対向する辺まで設けられている。

【0012】

これによって、下サポーターの廃棄作業において、溝部により下サポーターの破断分割
が可能となり、廃棄部品の小型化が図れ、運搬などの荷扱いの際に効率的な作業性向上を作用させるものとなる。

【発明の効果】

【0013】

本開示の洗濯機の梱包装置、及び梱包された状態の洗濯機は、廃棄部品の小型化が図れ、廃棄時の作業性が向上する洗濯機の梱包装置、及び梱包装置により梱包された状態の洗濯機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】実施の形態１における洗濯機の梱包装置の分解斜視図

【図2】同洗濯機の梱包装置の斜視図

【図3】同洗濯機の底面を示す斜視図

【図4】同洗濯機の梱包装置の斜視図

【図5】同下サポーターの斜視図

【図6】同下サポーターの裏面を示す斜視図

【図7】従来の洗濯機の梱包装置の分解斜視図

【図8】同洗濯機の梱包装置の斜視図

【図9】同下サポーターの斜視図

【発明を実施するための形態】

【0015】

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

【0016】

図１は、実施の形態１における洗濯機の梱包装置の分解斜視図、図２は、同洗濯機の梱包装置の斜視図、図３は、同洗濯機の底面を示す斜視図、図４は、同洗濯機の梱包装置の斜視図、図５は、同下サポーターの斜視図、図６は、同下サポーターの裏面を示す斜視図である。

【0017】

これより、本実施の形態について図１から図６を用いて説明する。

【0018】

洗濯機１は、水槽１３をサスペンション１２により弾性支持しており、上部の蓋体３及び操作表示部４上に上サポーター２Ｒ、２Ｌを装着している。

【0019】

洗濯機１の底部には、下サポーター５が装着されて下面全体を覆う形状とし、外装下ケース９と共に、洗濯機１の底面へ装着され、製品下面からの衝撃を防止する。

【0020】

下サポーター５は、外観形状が洗濯機１の底面全面を覆うように四角形に形成して、４隅角部には、洗濯機１を載置する際に、脚部６の周辺に設けられた水平面７と当接する脚受け部１１を形成している。また、下サポーター５は、中央部に、水槽１３の固定部となる水槽受け部１４を形成している。水槽受け部１４は、脚受け部１１よりも上方に延伸した形状に形成され、下サポーター５は、中央部を局部的に高くした構成としている。

【0021】

洗濯機１の水槽１３には、最下部に下サポーター５との嵌合手段となる梱包金具１５を設け、下サポーター５中央の水槽受け部１４の上部には、梱包金具１５の受け部となる金具嵌合部１６を形成している。水槽受け部１４は、梱包時に水槽１３を確実に固定するために、梱包金具１５の先端外郭形状と合致させた形状凹部に構成している。

【0022】

下サポーター５には、下サポーター５の中央部を縦断する溝部１７を設け、局部的に薄肉部を構成している。溝部１７は、下サポーター５の表裏面共に形成してもよい。図６は、裏面に溝部１７を形成した下サポーター５の斜視図である。

【0023】

上サポーター２ならびに下サポーター５の間には、洗濯機１の左右コーナー部に覆い被せて角サポーター１０Ｒ、１０Ｌを装着させており、角サポーター１０Ｒ、１０Ｌは、洗濯機１の前面コーナー部の保護に加え、上下方向の支柱的役割を果たしている。

【0024】

洗濯機１の上方より外装上ケース８を被せ込み梱包作業を終了する。

【0025】

下サポーター５は、水槽受け部１４が水槽１３に嵌合する構成であるから、上方に延長させた構成となり、下サポーター５は、中央部が局部的に高く構成され、部品剛性が高く、大きな形状に形成される。その結果、市場における梱包廃棄時には、発泡スチロール材で構成していても、小型に破断させることも困難であった。

【0026】

本実施の形態では、下サポーター５は、溝部１７による薄肉部を金具嵌合部１６の中央部より形成している。これにより、破断させやすくなり、特に、下サポーター５の中央部を縦断する溝部１７を形成しているので、大きく２分化することが可能となり、廃棄時に部品を小型できる。下サポーター５は、溝部１７により容易に破断させることが可能となる。

【0027】

また、溝部１７は、下サポーター５の表裏両面に形成することにより、破断させる方向性が拡大し、より効率的な廃棄部品とすることができる。

【0028】

本実施の形態では、溝部１７は、一方向に形成しているが、十字型に形成してもよい。

【産業上の利用可能性】

【0029】

以上のように、本発明の洗濯機の梱包装置は、下サポーターに溝部による薄肉部を形成することで、破断させやすくなり、廃棄時に部品を小型化することができるので、縦型洗濯機以外のドラム式洗濯機や、乾燥機などにも有用である。

【符号の説明】

【0030】

１ 洗濯機
２Ｒ 上サポーター
２Ｌ 上サポーター
３ 蓋体
４ 操作表示部
５ 下サポーター
６ 脚部
７ 水平面
８ 外装上ケース
９ 外装下ケース
１０ 角サポーター
１１ 脚受け部
１２ サスペンション
１３ 水槽
１４ 水槽受け部
１５ 梱包金具
１６ 金具嵌合部
１７ 溝部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】