(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】配線器具
(51)【国際特許分類】
H05B 45/10 20200101AFI20230414BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20230414BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230414BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20230414BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230414BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20230414BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B45/20
F21V23/00 140
F21V8/00 310
F21V8/00 330
F21V8/00 320
F21Y115:10
F21Y113:13
(21)【出願番号】P 2022052192
(22)【出願日】2022-03-28
(62)【分割の表示】P 2016131046の分割
【原出願日】2016-06-30
【審査請求日】2022-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 将之
(72)【発明者】
【氏名】三宅 智裕
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 博俊
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-122949(JP,A)
【文献】実公昭52-006028(JP,Y2)
【文献】国際公開第2011/108196(WO,A1)
【文献】特開2006-260943(JP,A)
【文献】特開昭61-102191(JP,A)
【文献】特開2007-174095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
F21V 8/00,23/00-99/00
F21S 2/00
H01C 8/00-10/50
H02P 4/00,21/00-31/00
H02M 6/00-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具の調光または電動機の速度調節を行う配線器具であって、
ユーザからの操作を受け付ける操作部と、
前記操作部に対する操作に応じて、前記照明器具の調光または前記電動機の速度調節を行う制御部と、
光を出力する表示部と、
筐体と、
ロータリーボリュームと、を備え、
前記制御部は、
前記照明器具の調光または前記電動機の速度調節
に応じて前記表示部から出力される光の明るさ及び色度の少なくとも一方を変化させ、
前記操作部は、前記筐体に対して回転する回転式のつまみであり、前記筐体の一の面に突出して設けられており、
前記ロータリーボリュームは、前記操作部の回転に応じて回転し、透光性を有する部材で形成された軸部を有し
、
前記表示部は、
光を発する光源と、
導光部とを有しており、
前記光源は、前記ロータリーボリュームの内部に設けられており、
前記ロータリーボリュームの前記軸部の先端部は、前記光源が発した前記光を出力し、
前記導光部は、前記光源で発せられ、かつ前記軸部の先端部を介して出力された光が入射される入射面、及び前記入射面で入射された光を
反射する反射面、前記反射面で反射された光を前記表示部の外部へ出射する出射面を有し、
前記入射面の法線方向、前記反射面の法線方向、及び前記出射面の法線方向がそれぞれ交差する
ことを特徴とする配線器具。
【請求項2】
前記光源は、前記筐体内に設けられており、
前記導光部は、前記光源から発せられる光
を照射領域に照射する
ことを特徴とする請求項1に記載の配線器具。
【請求項3】
前記制御部は、前記照明器具の光が明るくなるように調光を行うにつれ、または前記電動機の速度が速くなるように速度調節を行うにつれて、前記表示部が出力する光が明るくまたは暗くなるように前記表示部を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線器具。
【請求項4】
前記制御部は、前記照明器具の光が明るくなるように調光を行うにつれ、または前記電動機の速度が速くなるように速度調節を行うにつれて、前記表示部が出力する光の色度が変化するように前記表示部を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線器具。
【請求項5】
前記照明器具または前記電動機への電力の供給を停止する第1動作モードと、前記照明器具または前記電動機へ電力を供給する第2動作モードとを切り替えるスイッチ部を、さらに備え、
前記制御部は、
前記スイッチ部で切り替えられた動作モードに応じて前記表示部が発する光の色度を変更するように、前記表示部を制御する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の配線器具。
【請求項6】
前記導光部は、複数の前記反射面を有し、
前記複数の反射面のうち少なくとも2つの反射面の法線方向、前記入射面の法線方向、及び前記出射面の法線方向はそれぞれ交差する
請求項1~5のいずれか一項に記載の配線器具。
【請求項7】
前記表示部は、前記操作部の周囲であって前記一の面に含まれる照射領域に前記光を照射する
請求項1~6のいずれか一項に記載の配線器具。
【請求項8】
前記出射面は、前記操作部と前記筐体の前記一の面との間で露出しており、照射領域に前記光を照射する
請求項1~7のいずれか一項に記載の配線器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線器具に関し、より詳細には、照明器具の調光または電動機の速度調節を行う配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具を調光する調光器がある(特許文献1,2)。特許文献1で記載された調光器では、プッシュオンスイッチ付のロータリーボリュームに装着されたつまみを回すことで照明負荷を調光している。特許文献2で記載された調光器では、照明負荷の調光率を設定する回転式のボリュームを操作するために、回転操作部材がボリュームに取り付けられている。回転操作部材が回転することでボリュームが回転し、照明負荷の調光率が調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-307891号公報
【文献】特開2011-154870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2の双方の調光器(配線器具)においては、上述したように、ユーザが調光器のつまみを回すことで照明負荷(照明器具)を調光している。調光率を調節する際に、ユーザが回転するつまみを見ても照明負荷の調光の状態を感覚的に知ることができない。また、電動機の速度を、ユーザがつまみを回すことで調節する場合も同様に、回転するつまみを見ても電動機の速度がどの程度に調節されているかを感覚的に知ることができない。
【0005】
本発明は上記事由に鑑みてなされており、照明器具の調光または電動機の速度調節の操作を行う際に、調光の状態または速度の設定度合をユーザが感覚的に知ることができる配線器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る一配線器具は、照明器具の調光または電動機の速度調節を行う。前記配線器具は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対する操作に応じて、前記照明器具の調光または前記電動機の速度調節を行う制御部と、光を出力する表示部と、筐体と、ロータリーボリュームと、を備える。前記制御部は、前記照明器具の調光または前記電動機の速度調節に応じて前記表示部から出力される光の明るさ及び色度の少なくとも一方を変化させる。前記操作部は、前記筐体に対して回転する回転式のつまみであり、前記筐体の一の面に突出して設けられている。前記ロータリーボリュームは、前記操作部の回転に応じて回転し、透光性を有する部材で形成された軸部を有している。前記表示部は、光を発する光源と、導光部とを有する。前記光源は、前記ロータリーボリュームの内部に設けられている。前記ロータリーボリュームの前記軸部の先端部は、前記光源が発した前記光を出力する。前記導光部は、前記光源で発せられ、かつ前記軸部の先端部を介して出力された光が入射される入射面、及び前記入射面で入射された光を反射する反射面、前記反射面で反射された光を前記表示部の外部へ出射する出射面を有する。前記入射面の法線方向、前記反射面の法線方向、及び前記出射面の法線方向がそれぞれ交差する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によると、ユーザは、照明器具の調光または電動機の速度調節の操作を行う際に、調光の状態または速度の設定度合を感覚的に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1Aは、本発明に係る一実施形態における配線器具の斜視図であり、
図1Bは、同上の配線器具の断面図である。
【
図2】
図2は、同上の配線器具の主要構成の分解図である。
【
図3】
図3は、同上の配線器具の構成を示す模式的なブロック図である。
【
図4】
図4は、同上の配線器具が有する導光部における光の光路を説明するための説明図である。
【
図5】
図5は、同上の配線器具が有する表示部が光を発している状態を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、実施形態及び変形例に限定されることなく、この実施形態及び変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(実施形態)
本実施形態の配線器具1について、
図1A~
図5を用いて説明する。
【0011】
配線器具1は、例えばロータリーボリューム(可変抵抗器)を有する器具(ディマー)であり、壁等に設けられる。配線器具1は、接続された照明器具200のオンオフの切り替え、及び照明器具200の調光を行う。配線器具1は、
図1A~
図3に示すように、つまみ2(操作部)、表示部3、つまみベース部6、ロータリーボリューム7、筐体100及び制御部101を備える。なお、
図1B、
図2において、電子部品を備える基板等は、図示を省略している。
【0012】
つまみ2は、照明器具200のオンオフの切り替え、及び照明器具200の調光の操作に用いられる。つまみ2は、内部空間21を有する円柱状に形成され、筐体100の一の面8aから突出して設けられている。つまみ2は、光を透過させない非透光性の部材で形成されている。つまみ2が押されると、接続された照明器具200のオンオフが切り替えられる。また、つまみ2が時計回りまたは反時計回りに回されると、照明器具200の調光率が変化する。例えば、つまみ2が時計回りに回されると照明器具200が明るくなり、反時計回りに回されると照明器具200が暗くなる。本実施形態では、照明器具200の調光率が最大値(例えば、調光率97%)となるとそれ以降はつまみ2は時計回りに回らず、調光率が最小値(例えば、調光率0%)になるとそれ以降はつまみ2は反時計回りに回らない。つまり、ユーザは、つまみ2を時計回り、または反時計回りに回すことで、照明器具200の調光率を最小値~最大値の間で調節することができる。
【0013】
表示部3は、導光部4と光源5とを有し、光を出力する。表示部3は、つまみ2の周囲であって筐体100の面8aに含まれる領域に光を照射する。以下、表示部3からの光が照射される領域を照射領域という。
【0014】
光源5は、例えばLED(Light Emitting Diode)であり、光を発する。光源5は、オレンジ色の光を発するLEDチップ(オレンジ色LEDチップ)と、青色の光を発するLEDチップ(青色LEDチップ)とを含んでいる。
【0015】
導光部4は、透光性を有する部材であって、例えばアクリルで形成されている。導光部4は、つまみ2の内部空間21に収納される。導光部4は、
図1Bに示すように、外壁に爪部4aを有している。爪部4aをつまみ2の内壁に設けられた凹部22に嵌めることで、つまみ2が導光部4に固定される(
図1B、
図4参照)。導光部4は、
図1B、
図3に示すように、つまみベース部6、ロータリーボリューム7の軸部71を収納する内部空間42を有し、径が異なる2つの円柱形状から形成されている。導光部4の構成について、
図4を用いて説明する。
図4は、
図1Bの領域Xの要部拡大図である。導光部4は、先端部41の表面4bに対向する面であって光源5で発せられた光が入射される入射面44を有している。導光部4は、先端部41の表面4bの中央に円錐形の凹部43を有している。凹部43の側面は、第1反射面45であり、入射面44で入射された光を反射する。導光部4の先端部41の表面4bの外周縁には、入射面44から表面4bに向うにつれて径が小さくなるテーパー形状の第2反射面46が設けられている。導光部4の内周面には、表面4bに向うにつれて径が小さくなるテーパー形状の第3反射面47が設けられている。ここで、第1反射面45の表面4bに対する角度と、第2反射面46の表面4bに対する角度とは等しいことが好ましい。例えば、第1反射面45及び第2反射面46の表面4bに対する角度は、45度である。また、第3反射面47の表面4bに対する角度は、第1反射面45及び第2反射面46の表面4bに対する角度と等しいことが好ましい。さらに、導光部4は、入射面44から入射された光を、つまみ2の周囲に出射する出射面48を有している。導光部4が入射面44、第1反射面45、第2反射面46、第3反射面47及び出射面48を有することで、入射面44に入射された光を出射面48から取り出すことができる。
【0016】
つまみベース部6は、第1開口部61を有している。第1開口部61には、ロータリーボリューム7の軸部71が挿通される。導光部4は、接着、圧着等によりつまみベース部6に固定される。
【0017】
ロータリーボリューム7の軸部71は、透光性を有する部材で形成される。ロータリーボリューム7は、軸部71が筐体100の面8aから突出した状態で筐体100に収納される。軸部71は、つまみベース部6の第1開口部61に挿通される。軸部71が第1開口部61に挿通されることで、つまみベース部6は軸部71に固定される。つまみベース部6が軸部71に固定されることで、つまみ2の回転に応じてロータリーボリューム7の軸部71を回転させることができる。ロータリーボリューム7は、軸部71の回転角に応じて抵抗値が変化する。
【0018】
また、ロータリーボリューム7は、プッシュスイッチ付のボリュームである。ロータリーボリューム7の軸部71が軸部71の軸方向に押されると、プッシュスイッチがオン状態になる。
【0019】
ロータリーボリューム7は、上述したように、内部に光源5を備えている。ロータリーボリューム7は、軸部71の先端部の面7aから光源5の光を出力する。出力された光は、導光部4の入射面44に入射される。
【0020】
筐体100は、制御部101として機能させるマイクロコンピュータ等が設けられた基板、つまみベース部6及びロータリーボリューム7等を収納する。筐体100は、
図1Bに示すように、第1筐体8と第2筐体9とを有している。第1筐体8と第2筐体9とが組み合われることで、1つの箱状の筐体100が形成される。第1筐体8の面8aは、開口部81を有している。上述したロータリーボリューム7の軸部71は、開口部81から突出している。
【0021】
配線器具1は、
図3に示すように、つまみ2、表示部3、つまみベース部6、ロータリーボリューム7、筐体100及び制御部101の他、電源部102、切替部103及び入力部104を有している。
【0022】
電源部102は、商用電源201から電力を必要に応じて電力変換して制御部101に供給する。制御部101は、電源部102から電力の供給を受けることで、動作可能になる。切替部103は、例えばnチャンネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等の半導体素子であり、制御部101の制御により、照明器具200と商用電源201との間を導通させたり、遮断したりする。ここで、照明器具200と商用電源201との間を導通させる状態をオン状態、遮断する状態をオフ状態という。
【0023】
入力部104は、ユーザによって操作されるロータリーボリューム7の抵抗値を入力値とし、抵抗値に応じた調光率を表す信号を、調光信号として制御部101に出力する。調光率とは、照明器具200の光出力の大きさを指定する数値等である。
【0024】
制御部101は、ユーザによるロータリーボリューム7の操作に応じて、切替部103を制御する。
【0025】
制御部101は、配線器具1の動作モードを記憶している。動作モードには、第1動作モードと第2動作モードとがある。第1動作モードは、切替部103をオフ状態に固定して、照明器具200への電力の供給を停止するモードである。第2動作モードは、ロータリーボリューム7から受け取る調光信号に応じて切替部103のオン状態とオフ状態とを交互に切り替えながら、照明器具200に電力を供給するモードである。制御部101は、動作状態が第1動作モードである場合に、ロータリーボリューム7のプッシュスイッチがオンすると、動作モードを第1動作モードから第2動作モードに切り替え、照明器具200への調光を行う。制御部101は、動作状態が第2動作モードである場合に、ロータリーボリューム7のプッシュスイッチがオンすると、動作モードを第2動作モードから第1動作モードに切り替え、切替部103をオフ状態に固定する。このように、ロータリーボリューム7のプッシュスイッチのオンオフに応じて、制御部101は動作モードを第1動作モードから第2動作モードを切り替えている。そのため、ロータリーボリューム7は、動作モードを第1動作モードから第2動作モードを切り替えるためのスイッチ部としての機能を有している。
【0026】
制御部101は、配線器具1の動作モードが第1動作モードである場合には、オレンジ色LEDチップに電力が供給されるよう光源5を制御する。これにより、表示部3は、オレンジ色の光を出力することができる。制御部101は、配線器具1の動作モードが第2動作モードである場合には、青色LEDチップに電力が供給されるよう光源5を制御する。これにより、表示部3は、青色の光を出力することができる。
【0027】
動作モードが第1動作モードである場合につまみ2が押される、つまりロータリーボリューム7のプッシュスイッチがオンすると、制御部101は、逆位相制御による照明器具200の調光を開始する。逆位相制御とは、調光信号に基づいて、切替部103をオフ状態とする位相角であって商用電源201のゼロクロス時点からの位相角を求めて、ゼロクロス時点では切替部103をオン状態とし、求めた位相角で切替部103をオフ状態にする制御である。つまみ2(ロータリーボリューム7)が時計回りに回されると、位相角は大きくなる。つまみ2(ロータリーボリューム7)が反時計回りに回されると、位相角は小さくなる。位相角が大きくなると切替部103がオン状態となる時間が長くなり、結果として照明器具200の光が明るくなる。逆に位相角が小さくなると切替部103がオン状態となる時間が短くなり、結果として照明器具200の光が暗くなる。
【0028】
制御部101は、照明器具200の調光(逆位相制御)と連動して、光源5が発する光の明るさを調節(変更)する。制御部101は、光源5が発する光の明るさが調光率に応じた明るさとなるように、光源5を制御する。具体的には、制御部101は、位相角と、光の明るさのレベルとを対応付けたテーブルを有している。制御部101は、調光率に基づいて求められた位相角に対応する明るさのレベルをテーブルから取得して、取得した明るさのレベルで光を発するように、光源5に供給される電力量を調節する。なお、制御部101は、光源5の制御を上述したテーブルを用いて行う代わりに、入力として位相角を与えると明るさのレベルを出力する関数を用いて行ってもよい。
【0029】
制御部101は、位相角が大きくなるにつれて、つまり照明器具200の光が明るくなるように調光を行うにつれて、光源5からの光出力を大きくする。制御部101は、位相角が小さくなるにつれて、つまり照明器具200の光が暗くなるように調光を行うにつれて、光源5からの光出力を小さくする。これにより、照明器具200の光が明るくなるにつれて光源5で発せられる光は明るくなり、照明器具200の光が暗くなるにつれて、光源5で発せられる光は暗くなる。したがって、制御部101は、つまみ2の回転に応じて光源5(LED)の明るさを変化させることができる。
【0030】
次に、光源5からの光の光路について、
図4を用いて説明する。
図4では、説明の都合上、ハッチングは省略している。本実施形態では、第1反射面45、第2反射面46及び第3反射面47のそれぞれの表面4bに対する角度を45度とする。
図4に記載している2点鎖線が光の光路を表している。
【0031】
光源5から発せられた光は、入射面44から導光部4に入射される。例えば、光源5からの光は、入射面44に対して垂直に入射される。光は屈折することなく第1反射面45に向う。第1反射面45に向った光は、第1反射面45の法線に対して45度で第1反射面45に入射する。第1反射面45に入射した光は、第1反射面45の法線に対して45度で反射して第2反射面46に向う。このとき、第1反射面45で反射した光(第2反射面46に向う光)は、入射面44に入射される光と垂直の関係にある。第2反射面46に向う光は、第2反射面46の法線に対して45度で第2反射面46に入射する。第2反射面46に入射した光は、第2反射面46の法線に対して45度で反射して第3反射面47に向う。このとき、第2反射面46で反射した光(第3反射面47に向う光)は、入射面44に入射される光と平行の関係にある。第3反射面47に向う光は、第3反射面47の法線に対して45度で第3反射面47に入射する。第3反射面47に入射した光は、第3反射面47の法線に対して45度で反射して出射面48に向う。このとき、第3反射面47で反射した光(出射面48に向う光)は、入射面44に入射される光と垂直の関係にある。出射面48から出射された光は拡散され、出射された光の少なくとも一部が、照射領域110に照射される(
図5参照)。これにより、導光部4は、照射領域110に光源5からの光を照射することができる。
【0032】
光源5から発せられた光が上述した光路を辿ることにより、表示部3は、
図5に示すように、つまみ2を中心としたリング状の領域である照射領域110に、光源5からの光を照射する。ユーザは、正面から配線器具1を見た場合、表示部3から発せられる光を直接見るのではなく、照射領域110で反射した光を見ることになる。このとき、正面から配線器具1を見ると、つまみ2の周囲が光っているように見える。そして、光源5からの光は面8aで拡散反射しているので、間接照明のように柔らかい印象をユーザに与えることができる。また、表示部3からの光を直接見る場合と比較して光のまぶしさは低減される。
【0033】
すなわち、表示部3は、
図5に示すように、つまみ2を中心としたリング状の領域である照射領域110に、光源5からの光を照射している。ユーザは、光源5からの光が照射領域110で反射された光(反射光)を見る。つまり、ユーザは、柔らかい光を見ることができる。そのため、部屋の雰囲気作りに有効である。
【0034】
また、照明器具200の調光率に応じて、光源5から発せられる光の明るさが変更される。そのため、ユーザは、光源5から発せられる光の明るさにより、照明器具200の調光の状態を把握することができる。例えば、配線装置1が廊下に設置されている場合のように、配線器具1と照明器具200とが同一の空間に設置されておらず配線器具1の操作中に照明器具200を見ることができない場合にも有効である。
【0035】
また、照明器具200の調光率と、光源5の明るさとが比例関係にある場合には、照明器具200の調光率が2倍になれば、光源5の明るさも2倍になる。これにより、照明器具200が設けられた空間が明るい中では照射領域110は明るく光り、部屋が暗い中では暗く光るので、反射光の視認性を保つことができる。
【0036】
以下に、上記実施形態の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0037】
上記実施形態において、制御部101は、逆位相制御により照明器具200の調光を行うとしたが、この制御方法に限定されない。制御部101は、正位相制御により照明器具200の調光を行ってもよい。正位相制御とは、調光信号に基づいて、商用電源201のゼロクロス時点から切替部103をオン状態とする位相角を求めて、ゼロクロス時点では切替部103をオフ状態とし、求めた位相角でオン状態にする制御である。ロータリーボリューム7が時計回りに回されると、切替部103をオン状態とする位相角は小さくなる。つまみ2(ロータリーボリューム7)が反時計回りに回されると、切替部103をオン状態とする位相角は大きくなる。位相角が大きくなると切替部103がオン状態となる時間が短くなり、照明器具200へ供給される電力量が少なくなるので、結果として照明器具200の光が暗くなる。逆に位相角が小さくなると切替部103がオン状態となる時間が長くなり、照明器具200へ供給される電力量が多くなるので、結果として照明器具200の光が明るくなる。この場合、制御部101は、正位相制御と連動して、光源5が発する光の明るさを調節(変更)する。制御部101は、切替部103をオン状態とする位相角が大きくなると、光源5の光出力を小さくする。制御部101は、切替部103をオン状態とする位相角が小さくなると、光源5の光出力を大きくする。
【0038】
上記実施形態において、配線器具1は、ロータリーボリューム7を有する構成としたが、この構成に限定されない。配線器具1は、スライダ式のボリューム(可変抵抗器)を有する構成であってもよい。または、配線器具1はロータリーエンコーダを有する構成であってもよい。配線器具1がロータリーエンコーダを有する場合、つまみ2を操作して照明器具200の調光率が最大値となるとそれ以上、つまみ2を時計回りに回しても照明器具200は明るくならず、調光率が最小値になるとそれ以上、つまみ2を反時計回りに回しても暗くならない。ロータリーエンコーダを用いた場合、必ずしもつまみの位置と調光率とが対応するとは限らない。そのため、照明器具の調光率に応じて光源5からの光の明るさを変化させることで、照明器具200の調光率を感覚的に知ることは特に有用である。
【0039】
上記実施形態では、配線器具1をディマーとして説明した。電動機の速度を調節するレギュレータに上述した配線器具1の機能を適用してもよい。この場合、配線器具1(レギュレータ)は、上記実施形態と同様にロータリーボリュームを有している。レギュレータの制御部101は、ロータリーボリュームの抵抗値に応じた電動機の速度を表す信号(速度信号)を受け付け、受け付けた速度信号に応じて電動機の速度を調節する。レギュレータの制御部101は、電動機の速度調節と連動して、光源5が発する光の明るさを調節(変更)する。レギュレータの制御部101は、光源5が発する光の明るさが速度信号に基づいて求められた速度に応じた明るさとなるように、光源5を制御する。具体的には、レギュレータの制御部101は、速度と、光の明るさのレベルとを対応付けたテーブルを有している。レギュレータの制御部101は、速度信号に基づいて求められた速度に対応する明るさのレベルをテーブルから取得して、取得した明るさのレベルで光を発するように光源5に供給される電力量を調節する。なお、テーブルの代わりに、入力として速度を与えると明るさのレベルを出力する関数を用いてもよい。例えば、レギュレータの制御部101は、電動機の速度が速くなるにつれて光源5が発する光を明るく、遅くなるにつれて光源5が発する光を暗くするように光源5を制御する。または逆に、レギュレータの制御部101は、電動機の速度が速くなるにつれて光源5が発する光を暗く、遅くなるにつれて光源5が発する光を明るくするように光源5を制御する。
【0040】
上記実施形態において、配線器具1は、つまみ2の周囲を含む領域を表示部3によって照らす構成としたが、この構成に限定されない。配線器具1は、つまみ2の周囲を含む領域とは別の領域を表示部3によって照らしてもよい。例えば、配線器具1は、筐体100の側面(つまみ2が配置された面に垂直な面)を照らしてもよい。
【0041】
上記実施形態において、配線器具1は、照明器具200の調光率に応じて光源5の明るさを変更する構成としたが、この構成に限定されない。配線器具1は、照明器具200の調光率に応じて光源5の色度(色合い)を変更してもよい。この場合、光源5は、互いに色が異なる複数のLEDチップを有している。複数のLEDチップのうち2つ以上のLEDチップを組み合わせることで、色度を変更することができる。例えば、光源5は、赤色のLEDチップ、緑色のLEDチップ及び青色のLEDチップを有している。配線器具1は、これら3色のうち1つの色または2つ以上の色を組み合わせて、照明器具200が明るくなるにつれて、光源5から発する光の色を青色から黄色に徐々に変化させることができる。逆に、配線器具1は、照明器具200が暗くなるにつれて、光源5から発する光の色を黄色から青色に徐々に変化させることができる。または、光源5は、青色の光を発するLEDチップと黄色蛍光体とを有する白色系LEDモジュールであってもよい。この場合、LEDチップの光出力を調節することで、青色光と黄色光との比率を変化させ、色度を変化させることができる。また、配線器具1は、照明器具200の調光率に応じて光源5の明るさと色度(色合い)との双方を変更してもよい。
【0042】
上記実施形態において、配線器具1は、照明器具200が明るくなるにつれて、光源5が発する光を明るくする構成としたが、この構成に限定されない。配線器具1は、照明器具200が明るくなるにつれて、光源5が発する光を暗くしてもよい。
【0043】
上記実施形態において、照明器具200がオフ状態である場合に光源5が発する光の色をオレンジ色とし、照明器具200がオン状態である場合に光源5が発する光の色を青色とした。上記実施形態における照明器具200のオンオフ状態に応じて光源5が発する光の色は一例であり、他の色であってもよい。照明器具200がオフ状態である場合に光源5が発する光の色と、照明器具200がオン状態である場合に光源5が発する光の色とが、異なる色であることが好ましい。照明器具200のオンオフ状態に応じて光源5が発する光の色を異ならせることで、ユーザは照明器具200がオン状態(点灯状態)であるのかオフ状態(消灯状態)であるのかを識別することができる。
【0044】
上記実施形態では、配線器具1を正面から見た場合には表示部3が発する光を直接見ることができない構成とした。しかしながら、この構成に限定されない。配線器具1を正面から見た場合には表示部3が発する光を直接見る構成であってもよい。ただし、上述したように、部屋の雰囲気作り等のデザインの観点からすると、表示部3が発する光を照射領域110に照射する構成の方がより好ましい。
【0045】
上記実施形態において、導光部4は、アクリルで形成されるとしたが、この構成に限定されない。導光部4は、内部に入射された光を反射させて外部に導く光路を形成することができる部材で形成されていればよい。
【0046】
上記実施形態では、ロータリーボリューム7に、動作モードを第1動作モードから第2動作モードを切り替えるためのスイッチとしての機能を持たせたが、当該機能は、他の構成部品に持たせてもよい。例えば、配線器具1に別途ボタンを設けて、当該ボタンを押すことで、動作モードを第1動作モードから第2動作モードが切り替えられてもよい。
【0047】
上記実施形態において、出射面48は、拡散性を有する面であってもよい。これにより、照射領域110に照射される光源5からの光の量を多くすることができる。
【0048】
上記実施形態において、配線器具1は、導光部4を用いて光源5からの光をつまみ2の周囲に照射する構成であったが、この構成に限定されない。配線器具1は、つまみ2の周囲の領域であって面8aの一部の領域に光を照射する構成であればよい。例えば、リング状の光源を用いてつまみ2の周囲の領域(照射領域)に光を照射してもよい。ただし、コスト面に鑑みると、導光部4を用いて光源5からの光をつまみ2の周囲に照射する構成の方がより好ましい。
【0049】
上記実施形態において、つまみ2の形状は円柱状としたが、形状はこれに限定されない。他の形状(例えば、角柱形状)であってもよい。この場合、配線器具1は、つまみ2の形状の周囲であって面8aの一部の領域に、光源5からの光を照射する。
【0050】
上記実施形態において、導光部4に設けられた第3反射面47の表面4bに対する角度は、第1反射面45及び第2反射面46の表面4bに対する角度と等しい構成とした。しかしながら、この構成に限定されない。第3反射面47の表面4bに対する角度は、第1反射面45及び第2反射面46の表面4bに対する角度と異なってもよい。例えば、第3反射面47の表面4bに対する角度は、第1反射面45及び第2反射面46の表面4bに対する角度よりも大きくてもよい。この場合、第3反射面47の入射角は45度よりも大きくなる。そのため、反射角も45度より大きくなる。つまり、入射角及び反射角が45度の場合(上記実施形態の場合)と比較すると、第3反射面47で反射された光は、面8aの方に傾いている。空気の屈折率は1で、アクリルの屈折率は約1.5である。そのため、面8aの方に傾いた光が出射面48入射されると、出射面48から出力される光は、第3反射面47で反射された光よりもさらに面8aの方に傾く。したがって、照射領域110を照らす光の量は上記実施形態の場合と比較して多くなるので、ユーザが配線器具1を正面から見た場合によりはっきりと光を認識することができる。
【0051】
(まとめ)
以上説明したように、本発明に係る第1の態様の配線器具1は、照明器具200の調光または電動機の速度調節を行う。配線器具1は、操作部(つまみ2)と、制御部101と、表示部3とを備える。操作部は、ユーザからの操作を受け付ける。制御部101は、操作部に対する操作に応じて、照明器具200の調光または電動機の速度調節を行う。表示部3は、光を出力する。制御部101は、照明器具200の調光または電動機の速度調節に連動して表示部3から出力される光の明るさ及び色度の少なくとも一方を変化させる。
【0052】
この構成によると、配線器具1は、照明器具200の調光または電動機の速度調節に応じて表示部3が発する光の明るさ及び色度のうち少なくとも一方を変化させる。そのため、ユーザは、照明器具200の調光または電動機の速度調節の度合を表示部3が発する光により確認することができる。つまり、照明器具200の調光または電動機の速度調節の操作を行う際において、ユーザは、照明器具200の調光の状態または電動機の速度の度合を感覚的に知ることができる。
【0053】
本発明に係る第2の態様の配線器具1は、第1の態様において、筐体100を、さらに備える。操作部は、筐体100に対して回転する回転式のつまみ2であり、筐体100の一の面8aに突出して設けられている。表示部3は、操作部の周囲であって当該一の面8aに含まれる照射領域110に光を照射する。この構成によると、配線器具1は、表示部3で発せられる光を間接照明によりつまみ2の周囲を照らすので、まぶしさを低減することができる。
【0054】
本発明に係る第3の態様の配線器具1では、第2の態様において、表示部3は、光を発する光源5と、導光部4とを有している。導光部4は、光源5で発せられた光が入射される入射面44、及び入射面44で入射された光を照射領域110に照射する出射面48を有する。この構成によると、配線器具1は、光源5で発せられた光を効率よく照射領域110へ導光することができる。
【0055】
本発明に係る第4の態様の配線器具1では、第3の態様において、光源5は、筐体100内に設けられている。導光部4は、光源5から発せられる光を照射領域110に照射する。この構成によると、配線器具1は、内部で発光された光を効率よく外部へ導光することができる。
【0056】
本発明に係る第5の態様の配線器具1では、第1~第4のいずれかの態様において、制御部101は、照明器具200の光が明るくなるように調光を行うにつれて、表示部3が出力する光が明るくまたは暗くなるように表示部3を制御する。または、制御部101は、電動機の速度が速くなるように速度調節を行うにつれて、表示部3が出力する光が明るくまたは暗くなるように表示部3を制御する。この構成によると、配線器具1は、照明器具200の調光または電動機の速度調節に応じて、表示部3で出力される光を明るくまたは暗くすることができる。例えば、照明器具200の調光に応じて、表示部3で出力される光を明るくまたは暗くすることで、配線器具1が設けられた空間の雰囲気に調和させることができる。
【0057】
本発明に係る第6の態様の配線器具1では、第1~第4のいずれかの態様において、制御部101は、照明器具200の光が明るくなるように調光を行うにつれて、表示部3が出力する光の色度が変化するように表示部3を制御する。または、制御部101は、電動機の速度が速くなるように速度調節を行うにつれて、表示部3が出力する光の色度が変化するように表示部3を制御する。この構成によると、配線器具1は、照明器具200の調光または電動機の速度の度合に応じて、表示部3で出力される光の色度(色合い)を変更することができる。表示部3で出力される光の色度(色合い)を変更することで、照明器具200の調光により照明器具の明るさが変化していることをユーザに認識させることができる。また、表示部3で出力される光の色度(色合い)を変更することで、電動機の速度調節により電動機の速度が変化していることをユーザに認識させることができる。
【0058】
本発明に係る第7の態様の配線器具1は、第1~第6のいずれかの態様において、第1動作モードと第2動作モードとを切り替えるスイッチ部(ロータリーボリューム7)を、さらに備える。第1動作モードは、照明器具200または電動機への電力の供給を停止するモードである。第2動作モードは、照明器具200または電動機へ電力を供給するモードである。制御部101は、スイッチ部で切り替えられた動作モードに応じて表示部3が発する光の色度を変更するように、表示部3を制御する。この構成によると、配線器具1は、自器の動作状態を、表示部3で出力される光によってユーザに識別させることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 配線器具
2 つまみ(操作部)
3 表示部
4 導光部
5 光源
7 ロータリーボリューム(スイッチ部)
8a 面
44 入射面
48 出射面
100 筐体
101 制御部
110 照射領域
200 照明器具