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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/18 20210101AFI20230414BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20230414BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20230414BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20230414BHJP
【FI】
G03B17/18
G03B17/02
G03B17/56 Z
G03B17/56 A
H04N23/63
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019075559
(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公開番号】P2020173354
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100199314
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 寛
(72)【発明者】
【氏名】大塚 泰雄
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-276128(JP,A)
【文献】国際公開第2019/017282(WO,A1)
【文献】特開2013-115670(JP,A)
【文献】特開2018-113535(JP,A)
【文献】特開2008-288943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/18
G03B 17/02
G03B 17/56
H04N 23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのバッテリが装着され、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像装置であって、
ユーザの操作を入力する操作部と、
前記撮像装置の設定に関する情報を表示する表示部と、
前記操作部に入力されたユーザ操作に基づき、前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記撮像装置は、撮影モードにおいて前記バッテリによる電力を用いて実行される複数の撮影機能を有し、
前記制御部は、前記撮影モードの撮影実施前に前記複数の撮影機能を実行していない状態で所定のユーザ操作が前記操作部に入力されたとき、前記複数の撮影機能において前記バッテリの残量が不足していることから実行できない撮影機能があるか否かを示す確認情報を前記表示部に表示させる
撮像装置。
【請求項2】
前記確認情報は、前記ユーザ操作が入力されたときの前記バッテリの残量では実行できない撮影機能を列挙する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記確認情報は、前記バッテリの残量では実行できない撮影機能の代わりに、当該残量において実行できる撮影機能を提示する
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記バッテリの残量では実行できない撮影機能の代わりに、提示された撮影機能を使用するか否かを選択するユーザの選択操作を入力し、
前記制御部は、前記ユーザの選択操作に従って前記撮像装置の設定を制御する
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記確認情報は、前記ユーザ操作が入力されたときの前記バッテリの残量では実行できない撮影機能の代わりに、当該残量において実行できる撮影機能を使用するか否かを確認する情報であり、
前記制御部は、前記確認情報において前記実行できる撮影機能を使用するか否かを選択するユーザの操作に従って、前記撮像装置の設定を制御する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記所定のユーザ操作は、前記バッテリの残量に関する情報を確認するための操作である
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記確認情報は、前記少なくとも1つのバッテリにおける個別のバッテリの残量を含む
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバッテリは、第1のバッテリと、第2のバッテリとを含み、
前記表示部は、前記被写体像を表示する際に、前記第2のバッテリの残量を表示せずに、前記第1のバッテリの残量を示すアイコンを表示する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1のバッテリは、前記撮像装置の内部に設けられ、
前記第2のバッテリは、前記撮像装置に取り付けられる外部装置に設けられる
請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記撮影モードの撮影実施前に前記複数の撮影機能を実行していない状態で前記所定のユーザ操作が前記操作部に入力されたとき、事前に設定された撮影機能に対して前記バッテリの残量が不足していることから実行できない撮影機能があるか否かを示す確認情報を前記表示部に表示させる
請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも1つのバッテリからの電力を用いて動作可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、デジタルカメラのような携帯型の電子機器において、複数の電池から1個の電池を自動的に選択して使用する際の技術を開示している。特許文献1の撮像装置は、背面モニタと、例えば2個の電池を収納可能な電池収納室とを備える。この撮像装置は、電池収納室に収納されている2個の電池それぞれに関する残量の状態を検出し、電源として使用する1個の電池を自動的に選択する。そして、この自動選択された電池を識別させる表示として背面モニタにおいて、選択されていない電池の残量情報をグレイアウト表示させる一方、使用中の電池の残量情報を通常形態で表示させる。これにより、複数の電池(バッテリ)から自動的に抽出された使用中のバッテリを容易に特定できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-288943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、バッテリの残量に応じて制限される撮像装置の機能を、ユーザにとって把握し易くすることができる撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る撮像装置は、少なくとも1つのバッテリが装着され、被写体像を撮像して画像データを生成する。撮像装置は、操作部と、表示部と、制御部とを備える。操作部は、ユーザの操作を入力する。表示部は、撮像装置の設定に関する情報を表示する。制御部は、操作部に入力されたユーザ操作に基づき、表示部を制御する。撮像装置は、バッテリによる電力を用いて実行される複数の機能を有する。制御部は、上記複数の機能を実行していない状態で所定のユーザ操作が操作部に入力されたとき、上記複数の機能においてバッテリの残量が不足していることから実行できない機能があるか否かを示す確認情報を表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0006】
本開示の撮像装置によると、確認情報の表示により、バッテリの残量に応じて制限される撮像装置の機能を、ユーザにとって把握し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1のデジタルカメラの正面側から見た斜視図
図2】実施の形態1のデジタルカメラの背面側から見た斜視図
図3】実施の形態1のデジタルカメラの電気的構成を示すブロック図
図4】デジタルカメラにおけるライブビュー機能の表示例を示す図
図5】実施の形態1に係るデジタルカメラにおける機能制限の確認時の処理を説明するためのフローチャート
図6】デジタルカメラの機能制限の状態を説明するための図
図7】デジタルカメラの全機能が使用できる状態における表示例を示す図
図8】デジタルカメラの一部の機能が使用できない状態における表示例を示す図
図9】デジタルカメラの代替機能が選択された場合の表示例を示す図
図10】デジタルカメラの代替機能が選択されなかった場合の表示例を示す図
図11】デジタルカメラの全機能が使用できない状態における表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0009】
以下、図面を用いて実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
以下図面を用いて、一実施の形態であるデジタルカメラについて説明する。
【0011】
1.構成
以下、図面を用いてデジタルカメラの構成を説明する。
【0012】
1-1.デジタルカメラの構成
図1は、実施の形態1に係るデジタルカメラ100の正面側から見た斜視図である。図2は、実施の形態1に係るデジタルカメラ100の背面側から見た斜視図である。デジタルカメラ100は、カメラ本体102と、交換レンズ101とを含む。さらに、デジタルカメラ100において、カメラ本体102の下面に、例えば外部のバッテリ装置であるバッテリグリップ103が装着される。
【0013】
図3は、実施の形態1に係るデジタルカメラ100の電気的構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、カメラ本体102と、カメラ本体102に装着可能な交換レンズ101とから構成される。カメラ本体102には、着脱自在のバッテリグリップ103が装着されている。交換レンズ101は、ズームレンズ駆動部113により駆動されるズームレンズ112を有している。カメラ本体102は、レンズ制御部120を介してズームレンズ112を電気的に駆動することができる。すなわち、交換レンズ101は、電動ズームレンズである。
【0014】
カメラ本体102は、着脱自在にバッテリ201を装着可能であり(以下「本体バッテリ201」という)、電源選択回路300aを有している。バッテリグリップ103は、バッテリ202を装着可能であり(以下「BGバッテリ202」という)、電源選択回路300bを有している。電源選択回路300aおよび電源選択回路300bは、電源選択回路300を構成する。カメラ本体102は、カメラ制御部153により、電源選択回路300を制御できる。すなわち、カメラ本体102は、本体バッテリ201とBGバッテリ202のどちらを使用するか、あるいは両方を使用するかを選択することができる。デジタルカメラ100の各部は、それぞれ本実施形態における負荷部の一例である。
【0015】
1-2.カメラ本体の構成
図3に示すように、カメラ本体102は、CMOSイメージセンサ150と、液晶モニタ163と、画像処理部172と、タイミング発生器(TG)151と、カメラ制御部153と、ボディマウント140と、操作部170と、本体バッテリ201と、電源選択回路300aと、電源スイッチ152と、電圧生成回路154と、DRAM155と、フラッシュメモリ156と、カードスロット165と、シャッタ180とを備える。
【0016】
カメラ制御部153は、操作部170等の操作部材からの操作信号等の指示に応じて、CMOSイメージセンサ150等のデジタルカメラ100の各部を制御することにより、デジタルカメラ100全体の動作を制御する。
【0017】
例えば、カメラ制御部153は垂直同期信号をタイミング発生器151に送信する。垂直同期信号の送信と並行して、カメラ制御部153は、垂直同期信号に基づいて露光同期信号を生成する。カメラ制御部153は、生成した露光同期信号を、ボディマウント140及びレンズマウント130を介して、レンズ制御部120に周期的に繰り返して送信する。これにより、カメラ制御部153は、露光のタイミングに同期するように、交換レンズ101内のフォーカスレンズ110等のレンズを制御することが可能となる。
【0018】
カメラ制御部153は、制御動作や画像処理動作の際に、DRAM155をワークメモリとして使用する。カメラ制御部153は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、カメラ制御部153は、画像処理部172やDRAM155と共に1つの半導体チップで構成してもよく、あるいは、別個の半導体チップで構成してもよい。
【0019】
CMOSイメージセンサ150は、受光素子と、AGC(ゲイン・コントロール・アンプ)と、ADコンバータとを含んで構成される。受光素子は、交換レンズ101によって集光された光学的信号を電気信号に変換し、画像情報を生成する。またAGCは、受光素子から出力された電気信号を増幅する。ADコンバータは、AGCから出力された電気信号をデジタル信号に変換する。
【0020】
CMOSイメージセンサ150は、タイミング発生器151により制御されるタイミングで動作する。タイミング発生器151により制御されるCMOSイメージセンサ150の動作には、静止画像の撮像動作、スルー画像の撮像動作、データ転送動作、電子シャッタ動作等がある。スルー画像は主に動画像であり、ユーザが静止画像の撮像のための構図を決めるために液晶モニタ163に表示される。CMOSイメージセンサ150は、生成した画像情報を画像処理部172に出力する。なお、CMOSイメージセンサ150に代えて、NMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の他の撮像素子を用いてもよい。
【0021】
画像処理部172は、CMOSイメージセンサ150内のADコンバータによってデジタル信号に変換された画像データに、所定の画像処理を施す。所定の画像処理としては、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、デジタルズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が考えられるが、これに限られるものではない。
【0022】
液晶モニタ163は、カメラ本体102の背面に配置される表示部である。液晶モニタ163は、画像処理部172で処理された表示用の画像情報が示す画像を表示する。液晶モニタ163は、動画像および静止画を選択的に表示可能である。液晶モニタ163はまた、デジタルカメラ100の設定条件等の情報をユーザに通知するための画像を表示可能である。本実施形態では、カメラ本体102は表示部の一例として液晶モニタ163を備えるが、表示部はこれに限らない。例えば、カメラ本体102は、表示部として有機ELディスプレイを備えてもよい。
【0023】
フラッシュメモリ156は、カメラ制御部153が制御を行う際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
【0024】
カードスロット165は、メモリカード164をカメラ本体102に装着可能な接続手段である。カードスロット165は、メモリカード164を電気的及び機械的に接続可能である。カードスロット165はメモリカード164を制御する機能を備えてもよい。
【0025】
メモリカード164は、内部にフラッシュメモリ等の記憶素子を備えた外部メモリである。メモリカード164は、カメラ制御部153で処理された画像情報等のデータを記憶可能である。また、メモリカード164は、内部に記憶する画像情報等のデータを出力可能である。メモリカード164から読み出された画像データは、カメラ制御部153や画像処理部172で処理され、例えば液晶モニタ163で表示される。本実施形態では、外部メモリの一例としてメモリカード164を示すが、外部メモリはこれには限らない。例えば、光ディスクのような記録媒体を外部メモリとして使用することもできる。
【0026】
ボディマウント140は、交換レンズ101のレンズマウント130(後述)と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント140は、レンズマウント130を介して、カメラ本体102と交換レンズ101との間でデータを送受信可能である。ボディマウント140は、カメラ制御部153から受信した露光同期信号やその他制御信号を、レンズマウント130を介してレンズ制御部120に送信する。また、ボディマウント140は、レンズマウント130を介してレンズ制御部120から受信した信号をカメラ制御部153に送信する。
【0027】
本体バッテリ201は、デジタルカメラ100を駆動するための電力を供給する。本体バッテリ201は、例えば乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電池の代わりとして、電源コードにより外部から供給される電力をデジタルカメラ100に供給されるものであってもよい。デジタルカメラ100の電源は電源スイッチ152がユーザによって操作されることよって、オンおよびオフの間で切り替えられる。電源がオンされると、カメラ制御部153は、カメラ本体102内の各部に電力を供給する。また、カメラ制御部153は、ボディマウント140およびレンズマウント130を介して交換レンズ101にも電力を供給する。そして、交換レンズ101内では、レンズ制御部120により交換レンズ101の各部に電力が供給される。
【0028】
カメラ本体102の電源選択回路300aは、電源選択回路300の一部を構成する。電源選択回路300は、カメラ本体102が有する本体バッテリ201と、バッテリグリップ103が有するBGバッテリ202とのうちの一方又は両方からデジタルカメラ100に電源電力を供給する電源を選択する。電源選択回路300は、選択した電源からの電力を電圧生成回路154に出力する。電源選択回路300は、カメラ制御部153により制御される。
【0029】
カメラ本体102側の電源選択回路300aは、例えば本体バッテリ201の残量を検出する検出回路を備える。当該検出回路は、例えば本体バッテリ201の正極と負極間に接続される分圧抵抗回路で構成される。電源選択回路300aは、例えば分圧された電圧など、本体バッテリ201の残量の検出結果を示す検出信号を生成して、カメラ制御部153に出力する。
【0030】
電圧生成回路154は、DC/DCコンバータ及びレギュレータ等を含み、電源選択回路300からの電力を、デジタルカメラ100の各部(負荷部)へ供給する。電圧生成回路154は、各部への電力供給にあたり、電源から供給される電圧を各部に適した電圧に変換する。
【0031】
操作部170は、デジタルカメラ100の外装に設けられた操作釦や操作レバー等のハードキーの総称であり、ユーザによる操作を受け付ける。また、操作部170は、例えば液晶モニタ163の表示に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネルを含む。操作部170はユーザによる操作を受け付けると、ユーザ操作に対応した操作信号をカメラ制御部153に送信する。
【0032】
例えば図2に示すように、操作部170は、上下左右方向の操作指示が可能な十字釦170aを含む。カメラ本体102に電動ズーム機能を有する交換レンズ101が装着されると、カメラ制御部153は、十字釦170aの左釦および右釦のそれぞれにズーム操作釦としての機能を割り当てる。例えば、カメラ制御部153は、左釦にワイド端側方向のズーム操作釦としての機能を割り当て、右釦にテレ端側方向のズーム操作釦としての機能を割り当てる。なお、カメラ本体102に装着される電動ズーム機能を有する交換レンズ101が、ユーザがズーム操作を行うためのズームレバーを有する場合、カメラ制御部153は、必ずしも操作部170にズーム操作釦としての機能を割り当てる必要はない。
【0033】
操作部170は、液晶モニタ163に、各種設定メニューを表示させるための、メニュー釦170bを含む。このメニュー釦170bには、各種の設定メニューにおいて設定を決定するための決定釦としての機能が、カメラ制御部153によって割り当てられる場合がある。操作部170は、各種の設定を実施する手段として、十字釦170aの他に、回転ダイアル170cを含む。ユーザは、操作部170の十字釦170aまたは回転ダイアル170cを用いて、液晶モニタ163に表示された設定メニュー画面上の各種の設定項目、設定値等を選択および設定することができる。
【0034】
そのような設定メニュー画面の表示時、カメラ制御部153は、十字釦170a、メニュー釦170b、回転ダイアル170c等に対するユーザによる操作を検出すると、カメラ制御部153は画面を遷移させる。例えば、カメラ制御部153は、液晶モニタ163に表示される画面を、表示中の設定メニュー画面からより深い階層の設定メニュー画面に遷移させる。ユーザは、遷移後の設定メニュー画面上に表示される各種の設定項目に対して所望の設定を行うことができる。
【0035】
カメラ本体102の上面には、モード切替スイッチ166が設けられている。モード切替スイッチ166は、CMOSイメージセンサ150から出力される映像信号を、画像処理部172を介して液晶モニタ163に表示する撮影待機モードか、または、メモリカード164に記録されている静止画または動画の再生をするための再生モードか、どちらかを選択し切り替えるためのスイッチである。
【0036】
操作部170は、静止画の記録を開始するための静止画レリーズ釦170d(図1)を含む。静止画レリーズ釦170dは、ユーザによる撮像指示またはオートフォーカス指示の操作を受け付ける。静止画レリーズ釦170dは、半押しと全押しの二段階操作可能な構成を有する。例えば、ユーザによる静止画レリーズ釦170dに対する半押し操作により、カメラ制御部153はオートフォーカス動作を実行する。また、ユーザによる静止画レリーズ釦170dに対する全押し操作により、カメラ制御部153は全押し操作のタイミングで生成された画像データをメモリカード164に記録する。
【0037】
操作部170は、動画の記録を開始および終了するための動画レリーズ釦170e(図2)を含む。動画を記録していないときに動画レリーズ釦170eが押下されると、デジタルカメラ100は動画の記録動作を開始する。動画を記録しているときに動画レリーズ釦170eが押下されると、デジタルカメラ100は動画の記録動作を終了する。
【0038】
さらに、操作部170は、例えば図2に示すように液晶モニタ163に併設されたファンクション釦170fを含む(以下「Fn釦170f」という)。Fn釦170fには、例えば、各バッテリ201,202における容量のうちで残存する残量を確認するための機能が割り当てられる。
【0039】
図3に戻り、シャッタ180は、CMOSイメージセンサ150に入射する光の露出時間(露光時間)を調節する。シャッタ180は、例えばDCモータ又はステッピングモータ等の駆動系により、カメラ制御部153から発行される制御信号に従って駆動される。例えば、カメラ制御部153は、シャッタ180が駆動する駆動速度(シャッタスピード或いは連写速度)を制御できる。
【0040】
1-3.交換レンズの構成
図3に示すように、交換レンズ101は、フォーカスレンズ110と、フォーカスレンズ駆動部111と、フォーカスリング114と、ズームレンズ112と、ズームレンズ駆動部113と、ズームリング115と、レンズ制御部120と、DRAM121と、フラッシュメモリ122と、レンズマウント130とを備える。交換レンズ101は、図3に示すレンズに加えて手振れ補正用レンズをさらに備えてもよい。
【0041】
レンズ制御部120は交換レンズ101全体の動作を制御する。レンズ制御部120は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで構成してもよい。
【0042】
DRAM121は、レンズ制御部120が制御の際に用いるワークメモリとして機能する。フラッシュメモリ122は、レンズ制御部120の制御の際に使用するプログラムやパラメータ、レンズデータ等を格納する。ここで、レンズデータは、レンズ名称、レンズID、シリアル番号、Fナンバー、焦点距離、など、交換レンズ101特有の特性値を含む。後述するように、レンズ制御部120は、レンズデータをカメラ制御部153に通知し、カメラ制御部153はレンズデータに従って各種制御動作を実行することが可能となる。
【0043】
ズームレンズ112は、交換レンズ101の光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ112のレンズ構成は何枚でも何群でもよい。
【0044】
ズームレンズ駆動部113は、ユーザによるズームリング115の操作に基づいて、ズームレンズ112を光学系の光軸に沿って移動させる機械的な機構である。ズームレンズ112の位置は随時ズームレンズ位置検出部113bにより検出され、レンズ制御部120に通知される。
【0045】
フォーカスレンズ110は、光学系から入射されCMOSイメージセンサ150上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ110のレンズ構成は何枚でも何群でもよい。
【0046】
フォーカスリング114は交換レンズ101の外装に設けられている。フォーカスリング114がユーザによって操作されると、フォーカスリング114の操作量に関する情報がレンズ制御部120に通知される。レンズ制御部120は、通知されたフォーカスリング114の操作量に関する情報に基づいて、フォーカスレンズ駆動部111を制御して、フォーカスレンズ110を駆動する。このため、レンズ制御部120はフォーカスレンズ110の位置を認識している。
【0047】
フォーカスレンズ駆動部111は、レンズ制御部120の制御に基づいてフォーカスレンズ110を光学系の光軸に沿って進退するように駆動する。フォーカスレンズ駆動部111は、例えばステッピングモータ、DCモータ、超音波モータ等により実現できる。
【0048】
1-4.バッテリグリップの構成
図3に示すように、バッテリグリップ103は、BGバッテリ202と、電源選択回路300bと、操作部204とを備える。
【0049】
BGバッテリ202は、デジタルカメラ100を駆動するための電力を供給する。電池202は、例えば乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電池の代わりとして、電源コードにより外部から供給される電力をデジタルカメラ100に供給されるものであってもよい。
【0050】
バッテリグリップ103側の電源選択回路300bは、電源選択回路300において、バッテリグリップ103側からカメラ本体102側にBGバッテリ202を接続するための部分を構成する。また、電源選択回路300bは、カメラ制御部153により制御される。電源選択回路300bは、例えばBGバッテリ202の残量を検出する検出回路を本体バッテリ201の残量の検出回路と同様に備える。電源選択回路300bは、BGバッテリ202の残量の検出結果を示す検出信号を生成して、カメラ制御部153に出力する。
【0051】
操作部204は、図2に示すように、上下左右方向の操作指示が可能な十字釦204aと、時計回りおよび反時計回りに回転させる操作が可能な回転ダイアル204cとを含む。カメラ本体102に電動ズーム機能を有する交換レンズ101が装着されると、カメラ制御部153は、十字釦204aの左釦および右釦のそれぞれにズーム操作釦としての機能を割り当てる。例えば、カメラ制御部153は、左釦に、ワイド端側方向のズーム操作釦としての機能を割り当て、右釦に、テレ端側方向のズーム操作釦としての機能を割り当てる。なお、カメラ本体102に装着される電動ズーム機能を有する交換レンズ101が、ユーザがズーム操作を行うためのズームレバーを有する場合、カメラ制御部153は、必ずしも操作部204にズーム操作釦としての機能を割り当てる必要はない。
【0052】
上述したように、バッテリグリップ103の操作部204の十字釦204aおよび回転ダイアル204cその他の釦の配置は、カメラ本体102の操作部170に対して、デジタルカメラ100の交換レンズ101の光軸を中心に、背面から見て時計回りに90度回転した配置になっている。これにより、静止画を横位置(図1のZ軸が上方を向くデジタルカメラ100の位置)で撮影する際にユーザがカメラ本体102を把持して操作する場合の操作の所作と、静止画を縦位置(図1のX軸が上方を向くデジタルカメラ100の位置)で撮影する際にユーザがバッテリグリップ103を把持して操作する場合の操作の所作とが、ほぼ同じ所作になる。したがって、カメラ本体102を把持する場合とバッテリグリップ103を把持する場合とで互いに類似の操作を提供し、ユーザの使い易さを向上させることができる。
【0053】
例えば、バッテリグリップ103の操作部204は、カメラ本体102の操作部170と同様のメニュー釦204b、回転ダイアル204c、及び静止画レリーズ釦204eをさらに含む。また、バッテリグリップ103の操作部204は、モード切替スイッチ等と同様の操作部材を含んでもよい。
【0054】
2.動作
以上のように構成されるデジタルカメラ100の動作を以下説明する。
【0055】
2-1.動作の概要
本実施形態のデジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像データを生成する機能すなわち撮影機能を複数、有する。デジタルカメラ100の各種撮影機能は、顕著に大きい電力(例えば15W以上)を用いて実行される高負荷の撮影機能や、より小さい電力で実行可能な低負荷の撮影機能もある。
【0056】
高負荷の撮影機能としては、例えば、4K又は8K等の高画質で動画を撮影する高画質動画の撮影機能、及び所定値(例えば10枚/秒)以上の連写速度で静止画を連続的に撮影する高速連写の撮影機能等が挙げられる。低負荷の撮影機能としては、例えば、高画質動画よりも低い画質(例えばFHD又はHD)による動画の撮影機能、上記所定値よりも低い連写速度で連写する中速又は低速連写の撮影機能、及び特に連写されない静止画の撮影機能等が挙げられる。又、特に撮影結果の画像データが記録されないライブビュー機能も、比較的小さい電力によって実行可能である。
【0057】
デジタルカメラ100においては、ユーザ所望の撮影機能を開始/終了する操作を操作部170等の各部に割り当てるような設定が、液晶モニタ163のメニュー画面を利用したユーザ操作によって行える。例えば、動画レリーズ釦170e(図2)に関して、4K動画又はFHD動画といった動画の撮影機能が設定される。また、静止画レリーズ釦170d(図1)に関して、高速連写又は低速連写といった撮影機能を設定可能である。
【0058】
図4は、デジタルカメラ100におけるライブビュー機能の表示例を示す。ライブビュー機能において、液晶モニタ163は、表示画面163aにスルー画像60を表示する。例えば、デジタルカメラ100のユーザは、液晶モニタ163のスルー画像60を見ながら、上記のように設定された手段を用いて撮影機能を実行する撮影機会を伺うこととなる。
【0059】
本実施形態のデジタルカメラ100は、図4に例示するように、ライブビュー時の表示画面163a上に、バッテリアイコン61を表示する。本例のバッテリアイコン61は、本体バッテリ201の残量を示す。本実施形態では、BGバッテリ202の残量を示すようなアイコンは、ライブビューの表示画面163aには敢えて表示していない。これにより、表示されるアイコンの個数を低減して、表示画面163aの煩雑化を回避することができる。
【0060】
本実施形態のデジタルカメラ100は、本体バッテリ201とBGバッテリ202とから電力を供給可能である。これにより、高負荷の撮影機能等が実行可能な期間の長期化、或いは各バッテリ201,202の小型化を図れる。ここで、上記のようなアイコン表示によると、例えばBGバッテリ202の残量が不足したことによって特定の撮影機能が実行できない機能制限が生じたとしても、ユーザが機能制限を把握できない事態を招くことが考えられる。このような事態によると、例えばユーザが待ち望んだ撮影機会の到来時に各種レリーズ釦170d,170eを押下した時点で、所望の撮影機能が実行不可と判明し、ユーザは撮影機会を逸してしまう。
【0061】
そこで、本実施形態のデジタルカメラ100は、各バッテリ201,202の残量に応じた機能制限の有無についてユーザが撮影の事前に確認できるユーザインタフェースを提供する。以下、本実施形態のデジタルカメラ100の動作の詳細を説明する。
【0062】
2-2.動作の詳細
図5図11を用いて、デジタルカメラ100の動作の詳細を説明する。図5は、本実施形態に係るデジタルカメラ100における機能制限の確認時の処理を説明するためのフローチャートである。
【0063】
図5に示すフローチャートは、例えばデジタルカメラ100がライブビュー機能の実行中に開始される。本フローチャートに示す各処理は、例えばカメラ制御部153によって実行される。以下では、事前に動画レリーズ釦170eに関して4K動画の撮影機能が設定され、静止画レリーズ釦170dに関して高速連写の撮影機能が設定されていた場合における処理例を説明する。
【0064】
まず、カメラ制御部153は、例えば操作部170において、両方のバッテリ201,202の残量を確認するためのユーザの操作が入力されたか否かを検知する(S1)。残量確認のユーザ操作は、例えばFn釦170f(図2)の押下によって行われる。残量確認のユーザ操作を行っていないとき(S1でNO)、ユーザは、バッテリアイコン61(図4)により、本体バッテリ201の残量は把握できる。
【0065】
カメラ制御部153は、残量確認のユーザ操作の入力を検知したとき(S1でYES)、例えば電源選択回路300からの検出信号により現在の各バッテリ201,202の残量を取得し(S2)、例えば両バッテリ201,202の残量表示を行うように液晶モニタ163を制御する(図7など参照)。
【0066】
また、カメラ制御部153は、現在の各バッテリ201,202の残量に基づいて、デジタルカメラ100の撮影機能の全てが使用できる状態か、使用できない状態か、或いは一部のみが使用できない状態かの判断を行う(S3,S4)。デジタルカメラ100の機能制限の状態について、図6を用いて説明する。
【0067】
図6は、デジタルカメラ100における各バッテリ201,202の残量の組み合わせを、3つの状態A,B,Cに分類するテーブルを例示している。状態Aは、デジタルカメラ100における全ての撮影機能が使用可能な残量がある状態である。状態Bは、一部の撮影機能を実行するためには残量が不足しており、当該一部の撮影機能のみが使用できない状態である。状態Cは、さらに残量が不足し、全ての撮影機能が使用できない状態である。例えば、上記のようなテーブルを示す情報が、予めフラッシュメモリ156に格納されている。
【0068】
図6の例では、各バッテリ201,202の残量が、三段階Sa,Sb,Scで管理されている。残量が最大の段階Saと次の段階Sbとの間には、特定の撮影機能を実行するためには不充分と想定される残量を基準とするしきい値が設定される(例えば7.2V)。当該しきい値は、例えば、例えば4K等の高画質の動画機能が30秒以下しか記録できない残量、或いは高速連写の撮影機能により連写速度で複数回、シャッタ180を駆動することができないに対応する。
【0069】
また、上記の段階Sbと残量が最小の段階Sc間には、実行中の撮影機能を停止させるために用いることが想定される残量を考慮して、段階Sa,Sb間のしきい値よりも小さい値のしきい値が設定される(例えば6.2V)。カメラ制御部153は、各しきい値によるしきい値判定に基づいて、各々のバッテリ201,202の残量の段階Sa~Scをそれぞれ管理する。
【0070】
図5に戻り、カメラ制御部153は、例えばフラッシュメモリ156に格納されたテーブル(図6)を参照して、現在の各バッテリ201,202の残量の段階Sa~Scに対応する状態がいずれの状態A,B,Cであるのかを判断する(S3,S4)。
【0071】
カメラ制御部153は、デジタルカメラ100が、全機能が使用可能な状態Aであると判断すると(S3でYES)、現在使用できない機能はないことを示す情報を液晶モニタ163に表示させる(S5)。図7に、ステップS5の表示例を示す。本例において、液晶モニタ163は、2個のバッテリ201,202のそれぞれの残量を示す残量表示20(S2)と共に「使用NG(No Good)の機能はありません。」というメッセージ21を表示している。
【0072】
一方、デジタルカメラ100が、全機能が使用可能な状態Aではないが(S3でNO)、一部の機能が使用可能な場合(S4でYES)、一部の機能が使用不可の状態Bに該当する。この場合、カメラ制御部153は、使用できない機能があることを示す情報を液晶モニタ163に表示させる(S6)。ステップS6の表示例を図8に示す。
【0073】
図8の例において、液晶モニタ163は、カメラ制御部153の制御により、2個のバッテリ201,202の残量表示20(S2)と共に、使用NGリスト22と、代替機能リスト23と、切替え操作アイコン24とを表示する(S6)。
【0074】
使用NGリスト22は、現在のデジタルカメラ100の状態では使用不可の撮影機能を示すリストである。図8の例の使用NGリスト22は、状態Bで使用不可の撮影機能として「4K動画」と「高速連写」とを列挙している。
【0075】
代替機能リスト23は、使用NGリスト22が示す撮影機能の代わりに使用可能な撮影機能、即ち代替機能を示すリストである。本例の代替機能リスト23は、「4K動画」の代替機能としての「FHD動画」と、「高速連写」の代替機能としての「低速連写」とを列挙している。
【0076】
切替え操作アイコン24は、使用NGリスト22に挙がった撮影機能の代わりに、代替機能リスト23の代替機能を使用するか否かをユーザに選択させるための操作アイコンである。本例の切替え操作アイコン24において、「Yes」又は「No」の選択は、使用NGリスト22中の各機能を一括して、各々の代替機能に切り替えるか否かに対応する。
【0077】
図5のステップS6の処理について、例えば、状態Bでは使用不可の撮影機能と、各々の代替機能とを互いに関連付けた情報を、予めフラッシュメモリ156に格納しておく。ステップS6においてカメラ制御部153は、上記の情報を参照して、使用NGリスト22及び代替機能リスト23等の表示を制御する。
【0078】
カメラ制御部153は、ステップS6で表示された切替え操作アイコン24に対するユーザの操作を、操作部170を介して受け付けて、使用不可の撮影機能の代わりに代替機能を使用することが選択されたか否かを判断する(S7)。例えば、ユーザが図8の例の切替え操作アイコン24において「Yes」を選択すると、カメラ制御部153はステップS7で「YES」に進む。切替え操作アイコン24に対するユーザの選択操作は、例えば十字釦170a等の釦又はタッチパネルにより入力される。
【0079】
カメラ制御部153は、ユーザの選択操作において代替機能を使用することが選択されたと判断すると(S7でYES)、当該操作に従ってデジタルカメラ100の設定を更新する(S8)。ここで、当該操作に従ってデジタルカメラ100の設定を更新する際に、この更新された設定は、DRAM155またはフラッシュメモリ156にデータとして記録される。その記録されたデータは、デジタルカメラ100の電源がOFFされた場合に、保持されても良いし、保持されなくても良い。保持された場合は、デジタルカメラ100の電源が再びONされた場合に、前記ステップS8で更新された設定を保持する。また、カメラ制御部153は、例えば図9に示すように、確認のメッセージ25等を液晶モニタ163に表示させる(S9)。
【0080】
図9は、図8の例の切替え操作アイコン24において「Yes」が選択された場合を例示している。このようなユーザの選択操作に従って、カメラ制御部153は、動画レリーズ釦170eに設定する撮影機能を「4K動画」から「FHD動画」に変更し、静止画レリーズ釦170dに設定する撮影機能を「高速連写」から「低速連写」に変更する(S8)。
【0081】
一方、カメラ制御部153は、ユーザの選択操作において代替機能を使用することが選択されなかったと判断すると(S7でNO)、特にステップS8のような設定変更は行わずに、図10のようなメッセージ26等を表示する(S10)。例えば、図8の切替え操作アイコン24において「No」が選択された場合、或いは特に選択操作が行われず所定期間が経過した場合、カメラ制御部153はステップS7で「NO」に進む。
【0082】
図10の例の表示(S10)後に、例えば動画レリーズ釦170eが押下されたとしても、デジタルカメラ100は、残量が不足した状態Bのままであれば動画の撮影を開始しないこととなる。また、静止画レリーズ釦170dが操作されたとしても、連写せずに1枚の静止画しか撮影しないように、デジタルカメラ100の撮影機能が制限される。
【0083】
また、デジタルカメラ100が、全機能が使用可能な状態Aではなく(S3でNO)、且つ一部の機能が使用可能な状態Bでもない場合(S4でNO)、全ての機能が使用不可の状態Cに該当する。この場合、カメラ制御部153は、例えば図11に示すように、デジタルカメラ100の使用の中断を促す警告のメッセージ27等を液晶モニタ163に表示させる(S11)。
【0084】
カメラ制御部153は、ステップS5,S9~S11の各種表示を行うと、例えばタイムアウトを示す所定期間の経過後、或いはFn釦170fの再押下などにより、本フローチャートによる処理を終了する。その後、カメラ制御部153は、ライブビュー機能の表示に戻り、例えば所定の周期でステップS1を再度行う。
【0085】
以上の処理によると、デジタルカメラ100のバッテリ201,202の現在の残量に応じた各種情報の表示20~27により(S5,S6,S9~S11)、ユーザは、1つのバッテリアイコン61では把握し難い機能制限の有無といった状況を確認することができる。以上の処理における各種の表示20~27は、それぞれ本実施形態における確認情報の一例である。
【0086】
特に、現在のバッテリ201,202の残量では使用不可の撮影機能がある場合に(S3でNO)、ユーザは、図8の使用NGリスト22等において(S6)、使用不可の撮影機能を具体的に確認することができる。例えば、ユーザの所望の撮影機能が使用NGリスト22に挙がると、残量の不足をユーザに把握させ、いずれかのバッテリ201,202の交換を促すことができる。また、例えばユーザが複数台のデジタルカメラ100を所持している場合に、使用中のデジタルカメラ100が所望の撮影機能で撮影できないことが確認できれば、他のデジタルカメラ100を用いるといったユーザの要望にも、応えることができる。このように、特定の撮影機能が現在、実行できないことを事前に確認可能にすることで、ユーザにとってデジタルカメラ100を使い易くすることができる。
【0087】
また、例えば代替機能リスト23において代替機能をユーザに提示することにより(S6)、ユーザは、現在使用できない撮影機能の代わりに使用できる撮影機能を選択することもできる。例えば、図8の例において切替え操作アイコン24で「Yes」を選択し、その後に動画レリーズ釦170eが押下されると、FHD動画を撮影することができる。ユーザが機能制限を確認する際に切替え操作アイコン24のような選択操作を受け付けて(S7)、設定変更を自動的に更新することにより(S8)、ユーザが別途、設定メニューを掘り下げて設定をし直すような手間を無くして、デジタルカメラ100を使い易くできる。
【0088】
以上の説明では、ステップS1における残量確認のユーザ操作として、Fn釦170fの押下を例示した。残量確認のユーザ操作は特に上記の操作に限定されず、例えばタッチパネルに対するタッチ操作であってもよい。例えば、カメラ制御部153は、図4におけるバッテリアイコン61がタッチされたことを検知して、ステップS1でYESに進んでもよい。
【0089】
以上の説明では、デジタルカメラ100の撮影機能について、機能制限を確認する例を説明した。特に撮影機能に限らず、各バッテリ201,202の残量不足から使用できない状態になった各種の機能について、図5の処理が適用可能である。
【0090】
以上で説明した各種表示20~27は例示であり、特にこれに限定されない。各種メッセージ21,25~27の表示(S5,S9~S11)は、適宜省略されてもよい。例えば、ステップS5のメッセージ21が表示されずに図5の処理が終了したとしても、ユーザは、現在使用できない機能がない状態であることを把握することが可能である。
【0091】
また、以上の説明では、ステップS2において2個のバッテリ201,202の残量の表示を行う例を説明した。上記の表示のタイミングは、例えばステップS5,S6,S11等と同時であってもよい。また、2個のバッテリ201,202の残量表示20は、必ずしも表示されなくてもよい。この場合であっても、例えば使用NGリスト22の表示の有無により、ユーザは機能制限の有無を把握することができる。
【0092】
上記のステップS3,S4の説明では、図6のテーブルを用いたデジタルカメラ100の機能制限の状態の判断方法を例示したが、特にこれに限らず、種々の判断方法を採用可能である。例えば、上記の3つの状態A,B,Cよりも多数の状態が設定されてもよい。例えば一部の機能のみが使用不可の状態Bが、使用不可の機能の種類に応じて細分化されてもよい。また、各バッテリ201,202の残量も特に三段階に限定されない。また、カメラ制御部153は、ステップS2で取得した現在の残量に基づき、使用不可の機能を検索する処理を行ってもよい。
【0093】
上記のステップS7では、代替機能が一括で選択される例を説明したが、代替機能の選択操作は個別に行われてもよい。例えば、切替え操作アイコン24が、十字釦170aの上釦及び下釦等によって移動可能であるなど、使用NGリスト22に挙がった機能毎にユーザの選択操作を受け付けるように構成されてもよい。この場合、カメラ制御部153は、デジタルカメラ100において切替え操作アイコン24で「Yes」が選択された機能の設定を更新する。
【0094】
3.まとめ
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ100は、少なくとも1つのバッテリ201,202が装着され、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像装置の一例である。デジタルカメラ100は、操作部170と、表示部の一例である液晶モニタ163と背制御部の一例であるカメラ制御部153とを備える。操作部170は、ユーザの操作を入力する。液晶モニタ163は、デジタルカメラ100の設定に関する情報を表示する。カメラ制御部153は、操作部170に入力されたユーザ操作に基づき、液晶モニタ163を制御する。デジタルカメラ100は、バッテリによる電力を用いて実行される複数の機能を有する。カメラ制御部153は、上記複数の機能を実行していない状態で所定のユーザ操作が操作部170に入力されたとき(S1でYES)、上記複数の機能において各バッテリ201,202の残量が不足していることから実行できない機能があるか否かを示す確認情報として各種表示20~27を液晶モニタ163に表示させる(S5,S6,S11)。所定のユーザ操作は、例えば各バッテリ201,202の残量に関する情報を確認するための操作である。
【0095】
以上のデジタルカメラ100によると、ユーザがデジタルカメラ100による撮影の実施前などに、各バッテリ201,202の残量に関する情報を確認する操作を行ったときに、残量が不足していることから実行できない機能があるか否かが分かる確認情報が表示される。これにより、各バッテリ201,202の残量に応じて制限されるデジタルカメラ100の機能を、ユーザにとって把握し易くすることができる。
【0096】
本実施形態において、確認情報の一例の使用NGリスト22は、残量確認のユーザ操作が入力されたときの各バッテリ201,202の残量では実行できない機能を列挙する(図8参照)。これにより、ユーザは現在、使用不可の機能を具体的に把握することができる。
【0097】
本実施形態において、確認情報の一例の代替機能リスト23は、使用NGリスト22に挙がった機能、即ち現在の残量では実行できない機能の代わりに、当該残量において実行できる代替機能を提示する(図8参照)。これにより、実行できない機能がある場合には代替機能が提示され、ユーザにとってデジタルカメラ100を使い易くすることができる。
【0098】
本実施形態において、操作部170は、各バッテリ201,202の残量では実行できない機能の代わりに、提示された代替機能を使用するか否かを選択するユーザの選択操作を入力する(S7)。カメラ制御部153は、ユーザの選択操作に従ってデジタルカメラ100の設定を制御する(S8)。これにより、ユーザは代替機能を使用することを選択すると、デジタルカメラ100の設定が自動的に更新され、デジタルカメラ100の使い易さを向上できる。
【0099】
本実施形態において、確認情報の一例の残量表示20は、デジタルカメラ100で用いるバッテリにおける個別のバッテリ201,202の残量を含む(図7図11参照)。これにより、ユーザはいずれのバッテリの残量が不足しているか等を把握でき、デジタルカメラ100を使い易くすることができる。
【0100】
本実施形態において、デジタルカメラ100で用いるバッテリは、本体バッテリ201(第1のバッテリ)と、BGバッテリ202(第2のバッテリ)とを含む。液晶モニタ163は、ライブビュー時等のスルー画像60といった被写体像を表示する際に、BGバッテリ202の残量を表示せずに、本体バッテリ201の残量を示すバッテリアイコン61を表示する(図4)。これにより、液晶モニタ163の表示の煩雑化を回避することができる。
【0101】
本実施形態において、本体バッテリ201は、デジタルカメラ100の内部に設けられる。BGバッテリ202は、デジタルカメラ100に取り付け可能な外部装置の一例であるバッテリグリップ103に設けられる。取り換え易いバッテリグリップ103中のBGバッテリ202を優先的に使用することで、デジタルカメラ100の電力を効率良く用いることができる。
【0102】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0103】
上記の実施の形態1では、確認情報の一例として、各バッテリ201,202の現在の残量では実行できない機能を列挙する使用NGリスト22を例示した。本実施形態の確認情報としては、特に上記に限定されず、種々の態様において、現在の残量では実行できない機能があるか否かを示す情報を採用することができる。例えば、本実施形態の確認情報は、実行できない機能の列挙の代わりに、例えば、現在の残量で実行できる機能を列挙してもよい。列挙される機能の対象は、例えば現在デジタルカメラ100に設定された機能など適宜、限定されてもよい。また、本実施形態の確認情報は、現在の残量において実行できる機能と実行できない機能とを異なる表示態様で表示してもよく、例えば実行できない機能をグレイアウトの表示としてもよい。
【0104】
また、上記の各実施の形態では、確認情報を表示させる際の所定のユーザ操作が、各バッテリ201,202の残量に関する情報を確認するための操作(S1)である例を説明したが、当該ユーザ操作は上記の例に限定されない。例えば、当該ユーザ操作は、ユーザが今から実施したい所望の機能が、使用可能か否かを確認するための操作であってもよい。
【0105】
上記の一例の処理として、カメラ制御部153は、例えば図5のフローチャートにおいてステップS5,S6,S11等を省略した処理において、ステップS1の代わりに上述したユーザ操作を受け付ける。ユーザ操作の入力に応じて、カメラ制御部153は、上述した確認情報を表示し、ステップS7~S10と同様の処理を行って、デジタルカメラ100の設定をユーザの選択操作に従って制御する。例えば、ユーザが代替機能に自動設定することを選択すると(S7でYES)、カメラ制御部153は、デジタルカメラ100の設定を更新する(S8)。
【0106】
また、上記の各実施の形態では、使用不可の機能を代替機能に設定するか否か(ステップS7)は、ステップS6の後ろの段階で実施する形態として示したが、それに限らなくても良い。例えばメニュー画面において、使用不可の機能を代替機能に自動設定するか否かを、ステップS1の前の段階で(つまり、初期設定やプリセットで)、当該ユーザが選択することを可能とする形態であってもよい。この場合、使用不可の機能を代替機能に設定するか否かの設定情報は、デジタルカメラ100の電源がOFFされた場合に、保持される。つまり、デジタルカメラ100の電源が再びONされた場合に、デジタルカメラ100の電源がOFFされる前の、使用不可の機能を代替機能に設定するか否かの設定情報を、保持する。この際の確認情報は、例えば上述した切替え操作アイコン24のように、現在の各バッテリ201,202の残量が減った場合において使用不可となる機能の代わりに、対応する代替機能を使用するか否かを確認する情報である。
【0107】
以上のように、確認情報は、ユーザ操作が入力されたときの各バッテリ201,202の残量では実行できない機能の代わりに、当該残量において実行できる機能を使用するか否かを確認する情報であってもよい。カメラ制御部153は、当該確認情報において実行できる機能を使用するか否かを選択するユーザの操作に従って、デジタルカメラ100の設定を制御してもよい。これによっても、各バッテリ201,202の残量に応じて制限される機能について、ユーザがデジタルカメラ100を使い易くすることができる。
【0108】
また、上記の各実施の形態では、2個のバッテリ201,202が装着されるデジタルカメラ100について説明した。本実施形態のデジタルカメラ100は、3個以上のバッテリが装着される撮像装置であってもよいし、1個のバッテリのみが装着される撮像装置であってもよい。これらの場合であっても、バッテリの残量の不足により実行できない機能が生じることが考えられる。このことから、本実施形態のデジタルカメラ100によっても、実施の形態1と同様に、確認情報の表示によって、バッテリの残量に応じて制限される撮像装置の機能を、ユーザにとって把握し易くすることができる。
【0109】
また、上記の各実施の形態では、撮像装置の一例としてレンズ交換式のデジタルカメラについて説明したが、本実施形態の撮像装置は、特にレンズ交換式ではないデジタルカメラであってもよい。また、本開示の思想は、デジタルカメラのみならず、ムービーカメラ、カメラ付き携帯電話、パーソナルコンピュータのような、複数のバッテリを接続可能な種々の電子機器に適用可能である。
【0110】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0111】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0112】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本開示は、デジタルカメラ、ムービーカメラ、カメラ付き携帯電話等の、複数のバッテリを接続可能な電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
100 デジタルカメラ
103 バッテリグリップ
153 カメラ制御部
163 液晶モニタ
170 操作部
201 本体バッテリ(第1のバッテリ)
202 BGバッテリ(第2のバッテリ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11