(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05F 1/44 20060101AFI20230414BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20230414BHJP
H02M 7/06 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
G05F1/44
H02M3/00 K
H02M7/06 A
(21)【出願番号】P 2019099541
(22)【出願日】2019-05-28
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 周作
(72)【発明者】
【氏名】宮本 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】小熊 勇佑
(72)【発明者】
【氏名】栗田 昌典
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-106564(JP,A)
【文献】特開2010-156519(JP,A)
【文献】特開2006-269407(JP,A)
【文献】特開2014-067207(JP,A)
【文献】特開2006-288053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/44
H02M 3/00
H02M 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源と負荷との間を導通及び遮断することで、前記交流電源から前記負荷への電力の供給を制御して前記負荷を動作及び停止させるスイッチング部と、
前記スイッチング部を制御するスイッチ制御部と、
前記交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換部と、
前記変換部で変換された前記直流電力を用いて動作する付加機能部と、
前記変換部で変換された前記直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を前記直流電力として前記付加機能部に放電可能なバッファ部と、
前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記付加機能部
の動作を
制限する制御部と、を備える、
負荷制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記バッファ部の前記出力電圧が低下するに連れて前記付加機能部の消費電力を低減するように、前記付加機能部を制御する、
請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項3】
前記付加機能部に供給される前記直流電力の電流を定電流化する定電流回路を備える、
請求項1又は2に記載の負荷制御装置。
【請求項4】
前記付加機能部は、外部の通信装置と無線通信を行う無線部である、
請求項1~3の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項5】
前記付加機能部は、複数備えられ、
前記制御部は、前記バッファ部の出力電圧に応じて、前記複数の付加機能部のうち、直近に通信を行っていた一の付加機能部の動作を制限せず、他の付加機能部の動作を制限する、
請求項1~4の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項6】
前記付加機能部に供給される前記直流電力の電圧を定電圧化する定電圧回路を備える、
請求項1~5の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項7】
前記付加機能部は、前記負荷に関する情報を表示部を含む、
請求項1~6の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記バッファ部の出力電圧が閾値電圧以下である場合は、前記付加機能部の動作を制限する、
請求項1~7の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項9】
前記付加機能部は、供給される前記直流電力の電圧がリセット電圧以下になると再起動し、
前記閾値電圧は、前記リセット電圧よりも大きい、
請求項8に記載の負荷制御装置。
【請求項10】
前記付加機能部は、複数備えられ、
前記閾値電圧は、前記複数の付加機能部の各々毎に設定されている、
請求項8又は9に記載の負荷制御装置。
【請求項11】
前記付加機能部は、複数備えられ、
前記制御部は、前記バッファ部の出力電圧が閾値電圧以下になると、前記複数の付加機
能部のうち、消費電力が一番の大きい付加機能部の動作を制限する、
請求項1~10の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項12】
前記付加機能部は、複数備えられ、
前記制御部は、前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記複数の付加機能部を互いに異なる制御内容で制御する、
請求項1~11の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記バッファ部の出力電圧に応じて、前記付加機能部の動作を段階的に制限する、
請求項1~12に記載の負荷制御装置。
【請求項14】
交流電源と負荷との間を導通及び遮断することで、前記交流電源から前記負荷への電力の供給を制御して前記負荷を動作及び停止させるスイッチング部と、
前記スイッチング部を制御するスイッチ制御部と、
前記交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換部と、
前記変換部で変換された前記直流電力を用いて動作する付加機能部と、
前記変換部で変換された前記直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を前記直流電力として前記付加機能部に放電可能なバッファ部と、
を備えた負荷制御装置を制御する負荷制御方法であって、
前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記付加機能部
の動作を
制限する制御処理を含む、
負荷制御方法。
【請求項15】
コンピュータシステムに、
請求項14に記載の負荷制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラムに関し、より詳細には、交流電源から負荷への給電を制御する負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、照明負荷を制御する2線式調光装置(負荷制御装置)を開示する。この2線式調光装置は、交流電源から照明負荷への給電路を開閉する2つのFETと、交流電源から供給された交流電力から直流電力を生成するダイオード(変換部)と、前記直流電力を平滑化するコンデンサ(バッファ部)と、コンデンサで平滑化された直流電力で動作し、FETをオンオフ制御する制御回路と、を備えている。この2線式調光装置では、コンデンサの出力電圧によって電源電圧が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の2線式調光装置では、コンデンサの出力電圧によって供給される電源電圧が規定電圧を下回ると、制御回路がリセットされる場合がある。制御回路がリセットされると、制御回路が再起動するまでの間、制御回路、したがって負荷制御装置が使用不可能になる。
【0005】
本開示は、上記事由に鑑みて、バッファ部の出力電圧によって供給される電源電圧が規定電圧以下に低下することを抑制できる負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る負荷制御装置は、スイッチング部と、スイッチ制御部と、変換部と、付加機能部と、バッファ部と、制御部と、を備える。前記スイッチング部は、交流電源と負荷との間を導通及び遮断することで、前記交流電源から前記負荷への電力の供給を制御して前記負荷を動作及び停止させる。前記スイッチ制御部は、前記スイッチング部を制御する。前記変換部は、前記交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する。前記付加機能部は、前記変換部で変換された前記直流電力を用いて動作する。前記バッファ部は、前記変換部で変換された前記直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を前記直流電力として前記付加機能部に放電可能である。前記制御部は、前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記付加機能部の動作を制限する。
【0007】
本開示の一態様に係る負荷制御方法は、スイッチング部と、スイッチ制御部と、変換部と、付加機能部と、バッファ部と、を備えた負荷制御装置を制御する負荷制御方法である。前記スイッチング部は、交流電源と負荷との間を導通及び遮断することで、前記交流電源から前記負荷への電力の供給を制御して前記負荷を動作及び停止させる。前記スイッチ制御部は、前記スイッチング部を制御する。前記変換部は、前記交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する。前記付加機能部は、前記変換部で変換された前記直流電力を用いて動作する。前記バッファ部は、前記変換部で変換された前記直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を前記直流電力として前記付加機能部に放電可能である。前記負荷制御方法は、前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記付加機能部の動作を制限する制御処理を含む。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、上記の一態様の負荷制御方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、バッファ部の出力電圧によって供給される電源電圧が規定電圧以下に低下することを抑制できる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る負荷制御装置の構成概略図である。
【
図2】
図2は、同上の負荷制御装置の制御部の構成概略図である。
【
図3】
図3Aは、実施形態1の変形例2に係る負荷制御装置の構成概略図である。
図3Bは、変形例2に係る負荷制御装置の変形例の構成概略図である。
【
図4】
図4は、実施形態2に係る負荷制御装置の制御部の動作を説明するフロチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態3,4に係る負荷制御装置の構成概略図である。
【
図6】
図6は、実施形態5に係る負荷制御装置の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る負荷制御装置について説明する。下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の例に過ぎない。また、下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態1)
図1を参照して、実施形態1に係る負荷制御装置1について説明する。
【0013】
図1に示すように、負荷制御装置1は、2線式の負荷制御装置である。負荷制御装置1は、交流電源B1と負荷Q1との間に直列に接続されており、交流電源B1から負荷Q1に供給される電力を制御する。負荷制御装置1は、交流電源B1からの電力で動作する。すなわち、交流電源B1からの電力で、負荷Q1と負荷制御装置1とが動作する。
【0014】
負荷制御装置1は、例えば、リモコン装置20からの無線信号による制御信号によって制御可能である。すなわち、リモコン装置20からの操作によって負荷制御装置1を制御することで、負荷Q1の動作を制御可能である。
【0015】
負荷Q1は、例えば照明器具である。照明器具は、例えば、建物の屋内に設置されて屋内を照明する照明器具である。負荷Q1は、2つの電源端子を有する。2つの電源端子に交流電源B1からの交流電力が入力される。
【0016】
交流電源B1は、例えば、商用の交流電源である。交流電源B1は、2つの出力端を有する。一方の出力端は、電路H1を介して負荷Q1の一方の電源端子に接続され、他方の出力端は、電路H2を介して負荷Q1の他方の電源端子に接続されている。
【0017】
負荷制御装置1は、スイッチング部2と、駆動回路3と、スイッチ制御部4と、無線部5(付加機能部)と、電源部6とを備えている。
【0018】
スイッチング部2は、交流電源B1と負荷Q1との間を導通及び遮断する。これにより、交流電源B1からの負荷Q1への電力の供給を制御して負荷Q1を動作及び停止させる。負荷Q1を動作させるとは、負荷Q1が照明器具である場合、負荷Q1が点灯させることであり、負荷Q1を停止させるとは、負荷Q1が照明器具である場合、負荷Q1を消灯させることである。スイッチング部2は、交流電源B1と負荷Q1との間に直列に接続されている。すなわち、スイッチング部2は、電路H1に直列に接続されている。
【0019】
スイッチング部2は、2つのスイッチング素子M1,M2を有する。2つのスイッチング素子M1,M2は、例えば半導体スイッチング素子であり、より詳細にはエンハンスメント形のNチャンネルのMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)である。一方のスイッチング素子M1のドレインが交流電源B1の一方の出力端と電気的に接続されている。また、他方のスイッチング素子M2のドレインが負荷Q1を介して交流電源B1の他方の出力端と電気的に接続されている。さらに、2つのスイッチング素子M1,M2のソース同士が電気的に接続されている。2つのスイッチング素子M1,M2のソースの接続点NP3は、接地点に接地されている。2つのスイッチング素子M1,M2のゲートは、駆動回路3に電気的に接続されている。駆動回路3は、スイッチ制御部4の制御に応じて、2つのスイッチング素子M1,M2をオン及びオフする。
【0020】
各スイッチング素子M1,M2は、電路H1に直列に接続されており、電路H1を導通及び遮断する。一方のスイッチング素子M1は、交流電源B1の正の半サイクルにおいて導通し、他方のスイッチング素子M2は、交流電源B1の負の半サイクルにおいて導通する。つまり、負荷制御装置1は、各スイッチング素子M1,M2をオンオフすることにより、交流電源B1から負荷Q1である照明器具に供給する交流電圧を位相制御し、照明器具を点灯及び調光する。例えば、各スイッチング素子M1,M2は、スイッチ制御部4の制御に応じて、交流電源B1の各半サイクルの始めにオン(導通)し、負荷Q1の所望の輝度に応じて半サイクルの間の或る時刻にオフ(遮断)する。なお、各スイッチング素子M1,M2は、スイッチ制御部4の制御に応じて、交流電源B1の半サイクル内の所望の位相でオン(導通)し、その半サイクルの終わりでオフ(遮断)してもよい。
【0021】
駆動回路3は、スイッチ制御部4の制御に応じて、スイッチング部2を駆動する。より詳細には、駆動回路3は、スイッチング部2の2つのスイッチング素子M1,M2のゲート・ソース間に駆動電圧を印加することで、2つのスイッチング素子M1,M2をオン(導通状態)とオフ(遮断状態)とに切り替える。
【0022】
無線部5は、リモコン装置20(外部の通信装置)との間で無線信号による通信(無線通信)を行う。無線部5は、リモコン装置20から無線信号による制御信号を受信する。無線部5は、受信した制御信号をスイッチ制御部4に出力する。この出力により、無線部5は、スイッチ制御部4を制御する。なお、無線信号の信号媒体は、赤外線又は電波である。無線部5は、後述の制御部17によって制御される。無線部5は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、特定小電力無線の何れかであってもよい。
【0023】
スイッチ制御部4は、無線部5の制御に応じて、駆動回路3を介してスイッチング部2をオンオフ制御する。これにより、負荷Q1の点灯、消灯及び調光が制御される。
【0024】
より詳細には、スイッチ制御部4は、交流電源B1からの交流電力の各半サイクル内でのオン期間の長さを制御する。オン期間とは、スイッチング部2がオンにされてからオフにされるまでの期間である。例えば、スイッチ制御部4は、交流電源B1からの交流電力の各半サイクルの始め(交流電力のゼロ交点)でスイッチング部2をオンに制御し、半サイクル内の所望の時点でスイッチング部2をオフにする。すなわち、スイッチ制御部4は、スイッチング部2をオフにするタイミングを制御することで、スイッチング部2のオン時間の長さを制御する。オン時間がゼロ又はゼロ以外の所望の長さに制御されることで、負荷Q1が消灯又は点灯に切り替えられる。また、オン時間の長さが制御されることで、負荷Q1が調光される。
【0025】
なお、スイッチ制御部4は、交流電源B1からの交流電力の半サイクルの所望の時点でスイッチング部2をオンに制御し、その半サイクルの終わりでスイッチング部2をオフすることで、オン時間の長さを制御してもよい。
【0026】
電源部6は、交流電源B1から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給する。すなわち、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5は、交流電源B1からの交流電力で動作する。
【0027】
電源部6は、整流回路10(変換部)と、定電圧回路11と、定電流回路12と、DC-DCコンバータ16(降圧回路)と、平滑コンデンサC1,C3と、バッファ部14と、制御部17とを備えている。
【0028】
整流回路10は、交流電源B1から供給される交流電力を直流電力に変換する。すなわち、整流回路10は、交流電力から、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給するための直流電力を生成する。整流回路10は、2つの整流素子D1,D2を有する。各整流素子D1,D2のアノードは、電路H1において、スイッチング部2の両側の分岐点NP1,NP2に接続されている。各整流素子D1,D2のカソードは互いに接続されて、定電圧回路11の入力端に接続されている。
【0029】
整流回路10は、分岐点NP1,NP2において、交流電源B1からの交流電力を入力し、入力した交流電力を直流電力に変換する。より詳細には、整流回路10は、交流電源B1からの交流電力のサイクルが正の半サイクルのときは、分岐点NP1から交流電力を入力し、入力した交流電力を整流素子D1に通して整流して直流電力に変換する。また、整流回路10は、交流電源B1からの交流電力のサイクルが負の半サイクルのときは、分岐点NP2から交流電力を入力し、入力した交流電力を整流素子D2に通して整流して直流電力に変換する。整流回路10は、交流電源B1から供給される交流電圧を全波整流した脈流電圧(直流電圧)を定電圧回路11に出力する。
【0030】
定電圧回路11は、整流回路10から供給される脈流電圧を安定した直流電圧(例えば80Vの直流電圧)に変換して定電圧化する。これにより、定電圧回路11は、駆動回路3,スイッチ制御部4及び無線部5に供給される直流電圧を安定させる。より詳細には、定電圧回路11は、整流回路10からの直流電力の電圧V1の電圧値を所定の電圧値に変換して出力し、その出力電圧V2の電圧値を所定の電圧値に維持する。定電圧回路11は、例えば、ツェナダイード、抵抗及び半導体スイッチ等で構成されている。
【0031】
定電圧回路11の後段には、平滑コンデンサC1が設けられている。より詳細には、平滑コンデンサC1は、定電圧回路11の出力端と定電流回路12の入力端との間の電路の分岐点と接地点との間に接続されている。
【0032】
定電流回路12は、定電圧回路11からの直流電力(すなわち定電圧回路11で制御された直流電力)の電流I2を所定の電流値に制御する。すなわち、定電流回路12は、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される直流電流を定電流化する。より詳細には、定電流回路12は、定電圧回路11からの直流電力の電流I2の電流値を所定の電流値に変換して出力し、その出力電流I3の電流値を上記の所定の電流値に維持する。
【0033】
定電流回路12は、スイッチング部2の動作状態及び停止状態(すなわち負荷Q1の点灯時及び消灯時)に応じて、定電圧回路11の出力電流I2の電流値を、所定の電流値として、第1電流値(例えば0.5mA)と第2電流値(例えば3.0mA)とに切り替える。スイッチング部2の動作状態とは、スイッチング素子M1,M2をオンオフ制御して交流電源B1から負荷Q1に供給される交流電圧を位相制御する状態であり、負荷Q1を動作(点灯)させる状態である。スイッチング部2の停止状態とは、スイッチング素子M1,M2をオフ制御して交流電源B1から負荷Q1への給電を停止する状態であり、負荷Q1を停止(消灯)させる状態である。第2電流値は、第1電流値よりも大きい電流値である。より詳細には、定電流回路12は、スイッチング部2の停止状態(すなわち負荷Q1の消灯時)では、定電圧回路11の出力電流I2の電流値を第1電流値に変換して出力し、その出力電流I3の電圧値を第1電流値に維持する。また、定電流回路12は、スイッチング部の動作状態(すなわち負荷Q1の点灯時)では、定電圧回路11の出力電流I2の電流値を第2電流値に変換して出力し、その出力電流I3の電流値を第2電流値に維持する。定電流回路12は、例えば、半導体スイッチ、バイアス抵抗、シャント抵抗、シャントレギュラータ等で構成されている。
【0034】
バッファ部14は、定電流回路12の後段に設けられている。より詳細には、バッファ部14は、定電流回路12の出力端とDC-DCコンバータ16の入力端との間の電路の分岐点NP4と接地点との間に接続されている。バッファ部14は、バッファ用のコンデンサC2で構成されている。バッファ部14は、定電流回路12の出力電圧V3で充電される。すなわち、バッファ部14は、定電流回路12の出力電力(出力電流I3)を充放電可能なエネルギーとして蓄電する。なお、定電流回路12の出力電力は、整流回路10で変換された直流電力が元になっているので、バッファ部14は、整流回路10で変換された直流電力で放電可能に充電されるといえる。バッファ部14は、定電流回路12の出力電流I3が不足するとき、充電電荷(充電電力)を定電流回路12の出力電流I3として放電可能である。これにより、定電流回路12の出力電流I3の不足分が補われる。なお、バッファ部14の出力電圧V4は、電源電圧として、DC-DCコンバータ16を介して、駆動回路3,スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。バッファ部14の出力電圧V4は、バッファ部14の蓄電電荷(蓄電電力)に比例する。
【0035】
DC-DCコンバータ16は、定電流回路12から出力された直流電力の電圧V3の電圧値を所定の電圧値(例えば3.3V)に降圧し、降圧した直流電力を、スイッチ制御部4、無線部5及び駆動回路3に供給する。すなわち、スイッチ制御部4、無線部5及び駆動回路3は、DC-DCコンバータ16の出力電力を用いて動作する。DC-DCコンバータ16の出力電力は、整流回路10で変換された直流電力が元になっているので、スイッチ制御部4、無線部5及び駆動回路3は、整流回路10で変換された直流電力で動作するといえる。上記の所定の電圧値(例えば3.3V)は、スイッチ制御部4、無線部5及び駆動回路3が要求する要求電圧の一例である。
【0036】
DC-DCコンバータ16の後段には、平滑コンデンサC3が設けられている。より詳細には、平滑コンデンサC3は、DC-DCコンバータ16の出力端と接地点との間に接続されている。
【0037】
制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4に基づいて、無線部5を制御する。すなわち、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4に基づいて、無線部5の動作内容を決定する。なお、バッファ部14の出力電圧V4とは、バッファ部14の2つの電極の間の電圧である。
【0038】
より詳細には、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が低下するに連れて無線部5の消費電力を低減するように、無線部5を制御する。更に詳細には、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧以上であるか否かを検出(すなわち監視)する。なお、バッファ部14の出力電圧V4は、バッファ部14の充電電荷に比例する。このため、バッファ部14の出力電圧V4を検出することは、バッファ部14の蓄電電荷を検出することと等価である。
【0039】
そして、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧を超える場合は、制御部17は、無線部5を通常動作で動作させる。通常動作とは、無線部5の動作を制限せずに送信及び受信の両方が可能に無線部5を動作させることである。また、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧以下である場合は、無線部5の動作を制限する。制御部17は、無線部5の動作の制限の一例として、無線部5を停止させる。
【0040】
上記の閾値電圧は、例えば、スイッチ制御部4及び無線部5の各々のリセット電圧よりも大きい電圧である。スイッチ制御部4のリセット電圧とは、スイッチ制御部4内のマイコン(マイクロコンピュータ)がリセットされて再起動する電圧である。すなわち、スイッチ制御部4内のマイコンは、供給される電圧がリセット電圧以下になると再起動する。同様に、無線部5のリセット電圧とは、無線部5内のマイコンがリセットされて再起動する電圧である。すなわち、無線部5内のマイコンは、供給される電圧がリセット電圧以下になると再起動する。
【0041】
なお、本実施形態では、スイッチ制御部4及び無線部5はそれぞれ、例えばマイコンで構成されている。スイッチ制御部4及び無線部5は、定電流回路12の出力電圧(すなわちバッファ部14の出力電圧V4)が低下して、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される電力の電圧がリセット電圧を下回ると、自動的にリセットして再起動する。
【0042】
制御部17は、
図2に示すように、例えば比較回路として構成されている。比較回路は、2つの入力部17a,17bと、1つの出力部17cとを有する。一方の入力部17aは、バッファ部14の2つの電極のうちの高電位側の電極に電気的に接続されている。これにより、一方の入力部17aには、バッファ部14の出力電圧V4が入力される。他方の入力部17bには、基準電圧として閾値電圧Vrefが入力されている。出力部17cは、無線部5に電気的に接続されている。すなわち、比較回路は、2つの入力部17a,17bに入力された2つの電圧(バッファ部14の出力電圧V4と閾値電圧Vref)を比較する。そして、制御部17は、その比較の結果、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vrefよりも大きい場合は、出力部17cからHレベル信号を出力する。また、制御部17は、上記の比較の結果、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref以下である場合は、出力部17cからLレベル信号を出力する。これに対し、無線部5は、制御部17からHレベル信号を受信する場合は、通常動作で動作し、Lレベル信号を受信する場合は、動作を制限(例えば停止)する。なお、Hレベル信号は、無線部5を通常動作で動作させるための制御信号の一例であり、Lレベル信号は、無線部5を停止させるための制御信号の一例である。本実施形態では、制御部17は、比較回路として構成されることで、バッファ部14の出力電圧V4を検出する電圧検出回路として機能している。
【0043】
次にこの負荷制御装置1の動作を説明する。この負荷制御装置1では、交流電源B1からの交流電力が電源部6に入力される。そして、電源部6に入力された交流電力は、整流回路10で整流されて直流電力に変換される。そして、その変換された直流電力は、定電圧回路11で所定の電圧値(例えば80V)に維持され、定電流回路12で所定の電流値(第1電流値又は第2電流値)に維持され、DC-DCコンバータ16で所定の電圧値(例えば3.3V)に降圧される。そして、DC-DCコンバータ16で降圧された直流電力は、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。この電力供給によって、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5が動作する。また、定電流回路12の出力電圧V3によってバッファ部14が充電される。そして、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電流が増加して、定電流回路12の出力電流I3が不足すると、その不足分を補うように、バッファ部14の充電電荷(充電電力)が、定電流回路12の出力電流I3として放電される。そして、この放電電流が、出力電流I3として、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。これにより、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される電力の不足を抑制できる。
【0044】
本実施形態では、第1電流値(負荷Q1の消灯時の定電流回路12の出力電流I3の電流値)は、一例として、0.5mAに設定される。この設定は、負荷Q1の消灯時では、負荷Q1への給電を制御するための回路(例えばスイッチ制御部4及び無線部5)の消費電流が0.7mA以下の場合は、負荷Q1は誤点灯しないことを前提する。そして、この場合において少し余裕を持たせて、第1電流値が0.5mAに設定されている。
【0045】
第1電流値が0.5mAである場合は、定電流回路12の出力電圧が50Vとすると、定電流回路12の出力電力は、25mW(=0.5mA×50V)である。そして、DC-DCコンバータ16の効率を80%とすると、DC-DCコンバータ16の出力電力は、20mW(=25mW×80%)である。この場合、スイッチ制御部4及び無線部5で消費可能な消費電流は、約6mAである。この場合、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電流が瞬間的に6mAを超えると、バッファ部14の充電電荷が放電されて、定電流回路12の出力電流I3が第1電流値(0.5mA)に維持される。
【0046】
また、本実施形態では、一例として、第2電流値(負荷Q1の点灯時の定電流回路12の出力電流I3の電流値)は、一例として、比較的低い電流値である5.0mAに設定される。これにより、負荷Q1の点灯時では、負荷Q1から見たインピーダンスが小さくなる。この結果、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電流が大きい場合に、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電流が変動しても、負荷Q1を、ちらつきの無い安定した点灯状態に維持できる。
【0047】
また、この負荷制御装置1では、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vrefを超える場合は、制御部17は、無線部5の動作を制限することなく(すなわち通常動作で)無線部5を動作させる。他方、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref以下である場合は、制御部17は、無線部5の動作を制限(例えば停止)する。これにより、無線部5の消費電力が抑制される。この結果、バッファ部14の出力電圧V4が規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。そして、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vrefを超えると、無線部5を通常動作で動作させる。
【0048】
以上、この実施形態に係る負荷制御装置1によれは、バッファ部14の放電電荷によって、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電力の変動を吸収できる。これにより、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電力の変動による負荷Q1の誤動作を抑制できる。さらに、無線部5がバッファ部14の出力電圧V4に基づいて制御される。このため、バッファ部14の出力電圧V4によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。すなわち、スイッチ制御部4及び無線部5がリセットされて再起動すると、スイッチ制御部4及び無線部5は、リセットされて再起動するまでの一定時間、使用不可能になる。上記のように、バッファ部14の出力電圧V4によって供給される電源電圧が規定電圧以下になることが抑制されることで、スイッチ制御部4及び無線部5が一定時間、使用不可能になることを抑制できる。
【0049】
(実施形態1の変形例、及び他の実施形態)
実施形態1は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。さらに、実施形態1に係る態様は、負荷制御装置1で具現化されることに限らない。例えば、負荷制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記憶した記憶媒体等で、実施形態1に係る態様が具現化されてもよい。以下に説明する実施形態1の変形例及び他の実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0050】
上記の負荷制御方法は、スイッチング部2と、スイッチ制御部4と、整流回路10(変換部)と、付加機能部5,5A,5B,7と、バッファ部14と、制御部4と、を備えた負荷制御装置1を制御する負荷制御方法である。スイッチング部2は、交流電源B1と負荷Q1との間を導通及び遮断することで、交流電源B1から負荷Q1への電力の供給を制御して負荷Q1を動作及び停止させる。スイッチ制御部4は、スイッチング部2を制御する。整流回路10は、交流電源B1から供給される交流電力を直流電力に変換する。付加機能部5,5A,5B,7は、整流回路10で変換された直流電力を用いて動作する。バッファ部14は、整流回路10で変換された直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を直流電力として付加機能部5,5A,5B,7に放電可能である。負荷制御方法は、バッファ部14の出力電圧V4に基づいて付加機能部5,5A,5B,7を制御する制御処理を含む。
【0051】
(変形例1)
実施形態1では、付加機能部が無線部5である場合を例示する。ただし、付加機能部は無線部5に限定されず、整流回路10で電力変換された直流電力で動作する処理部であれば、どのような処理部であってもよい。例えば、付加機能部は、表示部又は音声認識部であってもよいし、スイッチ制御部と異なる動作を行う処理部であってもよい。なお、表示部は、例えば負荷Q1に関する情報を表示可能な装置である。音声認識部は、利用者が負荷Q1に対する操作を音声入力するための装置である。
【0052】
(変形例2)
実施形態1では、定電圧回路11、定電流回路12及びDC-DCコンバータ16を備えるが、
図3Aに示すように、各回路12,13,16の全部を備えなくてもよい。
図3Aの例の場合は、整流回路10の出力電流によって直接、バッファ部14が充放電可能に充電される。そして、バッファ部14の放電電力が直接、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。また、各回路12,13,16の何れか1つ又は何れか2つを備えるだけでもよい。例えば、各回路12,13,16のうち定電流回路12だけを備える場合は、
図3Bに示すように構成される。
図3Bの例の場合は、整流回路の出力電流が直接定電流回路に入力される。そして、
図3Aの場合と同様に、バッファ部14の放電電力が直接、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。
【0053】
(変形例3)
実施形態1において、制御部17は、例えばプロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されてもよい。つまり、制御部17は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されてもよい。この場合、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部17として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。同様に、スイッチ制御部4及び無線部5(付加機能部)も、例えばプロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されてもよい。
【0054】
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1と比べて、無線部5の動作が、バッファ部14の出力電圧V4に応じて段階的に制限される点が異なる。実施形態2に係る負荷制御装置1は、
図1に示すように実施形態1と同様に構成されている。
【0055】
実施形態2では、制御部17は、互いに異なる電圧である複数(例えば2つ)の閾値電圧Vref1,Vref2(Vref1>Vref2)を有する。制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4と2つの閾値電圧Vref1,Vref2の各々との大小比較を行って、その比較結果を無線部5に出力する。無線部5は、制御部17からの比較結果に応じて段階的に動作を制限する。
【0056】
無線部5は、複数(例えば3つ)の動作モードを有する。複数の動作モードは、通常モード、送信禁止モード、及び受信禁止モードを含む。通常モードは、無線部5の送信及び受信の両方を可能なモード(すなわち無線部5の動作を制限しないモード)である。送信禁止モードは、無線部5の送信及び受信のうち送信を禁止して受信のみ可能なモードである。受信禁止モードは、無線部5の送信及び受信のうち受信を禁止して送信のみ可能なモードである。
【0057】
本実施形態では、無線部5の受信による消費電力は、無線部5の送信による消費電力よりも小さい。このため、通常モード、受信禁止モード、及び送信禁止モードの順に消費電力が小さくなる。
【0058】
無線部5は、
図4に示すように、制御部17からの比較結果に応じて、3つの動作モードの中から段階的に動作を制限する。
図4の例では、無線部5は、バッファ部14の出力電圧V4の低下に応じて段階的に消費電力が小さくなるように、無線部5の動作モードを制限する。すなわち、制御部17の比較結果が、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref1よりも大きいという内容である場合(S1:Yes)は、無線部5は、通常モードで動作する(S2)。すなわち、バッファ部14の出力電圧V4が十分に高いため、無線部5は、制限なしで動作する。そして、処理がステップS1に戻る。また、制御部17の比較結果が、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref1以下で(S1:No)かつ閾値電圧Vref2よりも大きい(S3:Yes)という内容である場合は、バッファ部14の出力電圧V4が少し低下するため、無線部5は、受信禁止モードで動作する(S4)。そして、処理がステップS1に戻る。また、制御部17の比較結果が、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref2以下であるという内容である場合(S3:No)は、バッファ部14の出力電圧V4がかなり低下したため、無線部5は、消費電力が一番小さい送信禁止モードで動作する(S5)。そして、処理がステップS1に戻る。
【0059】
このように、バッファ部14の出力電圧V4に応じて段階的に無線部5の動作を制限することで、無線部5を完全に停止することを回避できる。
【0060】
なお、実施形態2では、3つの動作モードを有する場合を例示するが、動作モードの数は、3つに限定されない。例えば、2つの動作モード(例えば通常モード及び送信禁止モード)を有する場合は、閾値電圧は1つとなる。この場合、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧を超える場合は、無線部5は、通常モードで動作し、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧以下である場合は、無線部5は、送信禁止モードで動作する。すなわち、バッファ部14の出力電力V4が低下したとき、送信を禁止して受信を作動させる。これにより、送信機能よりも消費電力の小さい受信機能をより長い時間動作させることができる。
【0061】
(実施形態3)
図5に示すように、実施形態3に係る負荷制御装置1は、実施形態1において、複数の付加機能部(例えば2つの無線部5A,5B)を備えている。2つの無線部5A,5Bは、例えば、互いに周波数及び通信方式の少なくとも一方が異なっている。2つの無線部5A,5Bは、例えばBluetooth、Zigbee、Wi-Fi及び特定小電力無線のうちの異なる2つの通信方式であってもよい。本実施形態では、無線部5Aは、例えばBluetoothであり、無線部5Bは、例えば特定小電力無線である。
【0062】
本実施形態の制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧を超える場合は、2つの無線部5A,5Bを通常モードで動作させる。なお、通常モードとは、動作を制限せずに送信及び受信の両方が可能なモードである。他方、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧以下である場合は、2つの無線部5A,5Bのうち、一方の無線部(直近に通信を行った無線部)を通常モードで動作させ(すなわち動作を制限せず)、他の無線部の動作を制限(例えば停止)させる。これにより、直近に通信を行っていた方の無線部をより長い期間、通常モードで使用可能である。なお、「直近に通信を行った」とは、時系列的に一番最後に通信を行ったという意味である。また、制御部17は、2つの無線部5A,5Bの各々の通信履歴を保存しており、その通信履歴から、2つの無線部5A,5Bのうち、直近に通信を行った無線部を特定する。
【0063】
(実施形態4)
実施形態3では、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧以下である場合は、複数の無線部5A,5Bのうち、直近に通信を行った無線部を通常モードで動作させ、他の無線部の動作を制限(例えば停止)する。これに対し、本実施形態では、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧以下である場合は、複数の無線部5A,5Bのうち、消費電力の一番大きい無線部5Aの動作を制限(例えば停止)し、他の無線部5Bを通常モードで動作させる。これにより、複数の無線部5A,5Bのうちの他の無線部5Bをより長い期間動作させることができる。なお、本実施形態でも、実施形態3と同様に、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧を超える場合は、制御部17は、複数の無線部5A,5Bを通常モードで動作させる。なお、本実施形態の負荷制御装置1も、
図5に示すように実施形態3と同様に構成されている。
【0064】
(実施形態5)
図6に示すように、本実施形態に係る負荷制御装置1は、実施形態1において、複数(例えば2つ)の付加機能部5,7を備えている。本実施形態では、付加機能部5は、例えば、実施形態1と同様に無線部であり、付加機能部7は、例えば、負荷Q1に関する各種の情報を表示する表示部である。以後、付加機能部5,7をそれぞれ無線部5及び表示部7とも記載する。表示部7は、制御部17の制御に応じて、表示画面の輝度を2段階(高輝度及び低輝度)に切り替え可能である。
【0065】
また、本実施形態の制御部17は、複数(例えば2つ)の閾値電圧Vref3,Vref4を有する。複数の閾値電圧Vref3,Vref4はそれぞれ、複数の付加機能部5,7に対応している。すなわち、複数の付加機能部5,7の各々毎に閾値電圧Vref3,Vref4が設定されている。本実施形態では、2つの閾値電圧Vref3,Vref4は、例えば互いに異なる電圧である。
【0066】
制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4に応じて、複数の付加機能部5,7を互いに異なる制御内容で制御する。より詳細には、制御部17は、無線部5に対しては、例えば、実施形態1と同様に、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref3を超える場合は、通常モードで動作させる。また、制御部17は、無線部5に対して、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref3以下である場合は、動作を制限(例えば停止)する。また、制御部17は、表示部7に対しては、例えば、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref4を超える場合は、表示部7の表示画面の輝度を高輝度で発光させる。また、制御部17は、表示部7に対して、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref4以下である場合は、表示部7の表示画面の輝度を低輝度で発光させる。
【0067】
本実施形態では、制御部17は、複数(例えば2つ)の比較回路17A,17Bを備えている。複数の比較回路17A,17Bはそれぞれ、複数の付加機能部5,7に対応している。各比較回路17A,17Bはそれぞれ、2つの入力部と1つの出力部とを備えている。各比較回路17A,17Bにおいて、一方の入力部は、バッファ部14の2つの電極のうちの高電位側の電極に接続され、他方の入力部には、対応する閾値電圧Vref3,Vref4が入力され、出力部は、対応する付加機能部5,7に電気的に接続されている。
【0068】
本実施形態では、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref3を超える場合は、比較回路17Aは、無線部5にHレベル信号を出力し、この信号によって無線部5を通常モードで動作させる。また、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref3以下である場合は、比較回路17Aは、無線部5にLレベル信号を出力し、この信号によって無線部5を停止させる。
【0069】
また、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref4を超える場合は、比較回路17Bは、表示部7にHレベル信号を出力し、この信号によって表示部7の表示画面を高輝度で発光させる。また、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vref4以下である場合は、比較回路17Bは、表示部7にLレベル信号を出力し、この信号によって表示部7の表示画面を低輝度で発光させる。表示画面の輝度を低輝度で発光させることで、表示部7の電力消費を低電力化している。
【0070】
本実施形態によれば、複数の付加機能部5,7が備えられ、複数の付加機能部5,7の各々毎に閾値電圧Vref1,Vref2が設定されている。このため、複数の付加機能部5,7を備える場合に、各付加機能部5,7の動作を制限する閾値電圧Vref1,Vref2を付加機能部5,7毎に異ならせることができる。これにより、付加機能部5,7の動作に必要な電圧を個別に考慮して、付加機能部5,7の動作を制限できる。
【0071】
また、バッファ部14の出力電圧V4に基づいて複数の付加機能部5,7が互いに異なる制御内容で制御される。このため、複数の付加機能部5,7の各々を最適な制御内容で制御できる。
【0072】
なお、本実施形態では、複数の付加機能部5,7として無線部及び表示部を例示するが、複数の付加機能部5,7は、無線部及び表示部に限定されない。
【0073】
(まとめ)
第1の態様の負荷制御装置(1)は、スイッチング部(2)と、スイッチ制御部(4)と、変換部(10)と、付加機能部(5,5A,5B,7)と、バッファ部(14)と、制御部(17)と、を備える。スイッチング部(2)は、交流電源(B1)と負荷(Q1)との間を導通及び遮断することで、交流電源(B1)から負荷(Q1)への電力の供給を制御して負荷(Q1)を動作及び停止させる。スイッチ制御部(4)は、スイッチング部(2)を制御する。変換部(10)は、交流電源(B1)から供給される交流電力を直流電力に変換する。付加機能部(5,5A,5B,7)は、変換部(10)で変換された直流電力を用いて動作する。バッファ部(14)は、変換部(10)で変換された直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を前記直流電力として付加機能部(5,5A,5B,7)に放電可能である。制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて付加機能部(5,5A,5B,7)を制御する。
【0074】
この構成によれば、付加機能部(5,5A,5B,7)がバッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて制御されるため、バッファ部(14)の出力電圧(V4)によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0075】
第2の態様の負荷制御装置(1)では、第1の態様において、制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が低下するに連れて付加機能部(5,5A,5B,7)の消費電力を低減するように、付加機能部(5,5A,5B,7)を制御する。
【0076】
この構成によれば、バッファ部(14)の出力電圧(V4)によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0077】
第3の態様の負荷制御装置(1)は、第1又は第2の態様において、付加機能部(5,5A,5B,7)に供給される直流電力の電流を定電流化する定電流回路(12)を備える。
【0078】
この構成によれば、定電流回路(12)によって付加機能部(5,5A,5B,7)の消費電流の変動の影響が負荷(Q1)の動作に影響することを抑制できる。これにより、付加機能部(5,5A,5B,7)の消費電流の変動による負荷(Q1)の誤動作を抑制できる。
【0079】
第4の態様の負荷制御装置(1)では、第1~第3の何れか1つの態様において、付加機能部(5,5A,5B,7)は、外部の通信装置(20)と無線通信を行う無線部(5,5A,5B)である。
【0080】
この構成によれば、無線部(5,5A,5B)の消費電流の変動の影響が負荷(Q1)の動作に影響することを抑制できる。
【0081】
第5の態様の負荷制御装置(1)では、第1~第4の何れか1つの態様において、付加機能部(5,5A,5B,7)は、複数備えられる。制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に応じて、複数の付加機能部(5A,5B)のうち、直近に通信を行った一の付加機能部の動作を制限せず、他の付加機能部の動作を制限する。
【0082】
この構成によれば、直近に通信を行った方の無線部をより長い期間で使用可能である。
【0083】
第6の態様の負荷制御装置(1)は、第1~第5の態様の何れか1つの態様において、付加機能部(5,5A,5B,7)に供給される直流電力の電圧を定電圧化する定電圧回路(11)を備える。
【0084】
この構成によれば、定電圧回路(11)によって付加機能部(5,5A,5B,7)の電圧変動の影響が負荷(Q1)の動作に影響することを抑制できる。これにより、付加機能部(5,5A,5B,7)の電圧変動による負荷(Q1)の誤動作を抑制できる。
【0085】
第7の態様の負荷制御装置(1)では、第1~第6の態様の何れか1つの態様において、付加機能部(7)は、負荷(Q1)に関する情報を表示部である。
【0086】
この構成によれば、表示部(7)の消費電力の変動の影響が負荷(Q1)の動作に影響することを抑制できる。
【0087】
第8の態様の負荷制御装置(1)では、第1~第7の態様の何れか1つの態様において、制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が閾値電圧(Vref,Vref1~Vref4)以下である場合は、付加機能部(5,5A,5B,7)の動作を制限する。
【0088】
この構成によれば、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が閾値電圧(Vref,Vref1~Vref4)以下である場合に付加機能部(5,5A,5B,7)の動作を制限するため、バッファ部(14)の出力電圧(V4)によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0089】
第9の態様の負荷制御装置(1)では、第8の態様において、付加機能部(5,5A,5B,7)は、供給される直流電力の電圧がリセット電圧以下になると再起動する。閾値電圧(Vref,Vref1~Vref4)は、前記リセット電圧よりも大きい。
【0090】
この構成によれば、付加機能部(5,5A,5B,7)の消費電力の変動によってバッファ部(14)の出力電圧(V4)が規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを更に抑制できる。
【0091】
第10の態様の負荷制御装置(1)では、第8又は第9の態様において、付加機能部(5,7)は、複数備えられる。閾値電圧(Vref3,Vref4)は、複数の付加機能部(5,7)の各々毎に設定されている。
【0092】
この構成によれば、複数の付加機能部(5,7)を備える場合に、各付加機能部(5,7)の動作を制限する閾値電圧(Vref3,Vref4)を付加機能部(5,7)毎に異ならせることができる。これにより、付加機能部(5,7)の動作に必要な電圧を個別に考慮して、付加機能部(5,7)の動作を制限できる。
【0093】
第11の態様の負荷制御装置(1)では、第1~第10の態様の何れか1つの態様において、付加機能部(5A,5B)は、複数備えられている。制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が閾値電圧以下である場合、複数の付加機能部(5A,5B)のうち、消費電力が一番の大きい付加機能部(5A,5B)の動作を制限する。
【0094】
この構成によれば、複数の付加機能部(5A,5B)のうち、消費電力が一番大きくない他の付加機能部をより長い期間動作させることができる。
【0095】
第12の態様の負荷制御装置(1)では、第1~第11の態様の何れか1つの態様において、付加機能部(5A,5B)は、複数備えられている。制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて複数の付加機能部(5A,5B)を互いに異なる制御内容で制御する。
【0096】
この構成によれば、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて複数の付加機能部(5A,5B)の各々を最適な制御内容で制御できる。
【0097】
第13の態様の負荷制御装置(1)では、第1~第12の態様の何れか1つの態様において、制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に応じて、付加機能部(5)の動作を段階的に制限する。
【0098】
この構成によれば、付加機能部(5)の動作が息なり完全に停止されることを回避できる。
【0099】
第14の態様の負荷制御方法は、スイッチング部(2)と、スイッチ制御部(4)と、変換部(10)と、変換部(10)と、付加機能部(5,5A,5B,7)と、バッファ部(14)と、制御部(4)と、を備えた負荷制御装置(1)を制御する負荷制御方法である。スイッチング部(2)は、交流電源(B1)と負荷(Q1)との間を導通及び遮断することで、交流電源(B1)から負荷(Q1)への電力の供給を制御して負荷(Q1)を動作及び停止させる。制御部(4)は、スイッチング部(2)を制御する。変換部(10)は、交流電源(B1)から供給される交流電力を直流電力に変換する。付加機能部(5,5A,5B,7)は、変換部(10)で変換された直流電力を用いて動作する。バッファ部(14)は、変換部(10)で変換された直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を直流電力として付加機能部(5,5A,5B,7)に放電可能である。負荷制御方法は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて付加機能部(5,5A,5B,7)を制御する制御処理を含む。
【0100】
この構成によれば、付加機能部(5,5A,5B,7)がバッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて制御されるため、バッファ部(14)の出力電圧(V4)によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0101】
第15の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第14の態様の負荷制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0102】
この構成によれば、上記の負荷制御方法をプロセッサに実行させるためのプログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0103】
1 負荷制御装置
2 スイッチング部
4 スイッチ制御部
5,5A,5B 無線部(付加機能部)
7 表示部(付加機能部)
10 整流回路(変換部)
11 定電圧回路
12 定電流回路
14 バッファ部
17 制御部
B1 交流電源
Q1 負荷
V4 出力電圧
Vref,Vref1~Vref4 閾値電圧