IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社メディアコンテンツファクトリーの特許一覧

<>
  • 特許-患者管理システム及びプログラム 図1
  • 特許-患者管理システム及びプログラム 図2
  • 特許-患者管理システム及びプログラム 図3
  • 特許-患者管理システム及びプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】患者管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20230414BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022189079
(22)【出願日】2022-11-28
【審査請求日】2022-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506368349
【氏名又は名称】株式会社レイヤード
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】毛塚 牧人
(72)【発明者】
【氏名】小倉 佳浩
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特許第7132556(JP,B2)
【文献】特開2019-101834(JP,A)
【文献】特開2016-181049(JP,A)
【文献】特表2002-543534(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0262604(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を管理する患者管理サーバを有する患者管理システムであって、
前記患者管理サーバは、連絡先を含む患者の情報を患者識別子で管理して記憶し、前記患者識別子に関連する問診情報とレセプト情報を取得し、前記取得した問診情報とレセプト情報から患者毎に疾患を抽出し、当該抽出された疾患が当該患者において複数ある場合に、当該複数ある疾患の組合せをグループとして患者をセグメントに分類して前記患者識別子にセグメント情報を付与するセグメント化の処理を行うと共に設定された複数の条件を組合せてセグメント化の更新を行い、前記セグメント情報に応じて予め定められたフォローアップの問合せを前記連絡先に通知し、前記問診情報又は前記レセプトが更新されて疾患の状態を変更する事項が発生すると前記セグメント化の処理及び前記セグメント化の更新を繰り返すことを特徴とする患者管理システム。
【請求項2】
前記患者管理サーバは、患者毎に抽出した疾患が1つである場合も当該疾患をグループとして患者をセグメントに分類し、セグメント化の更新に際して論理積条件と論理和条件とを組合せて調整可能にすることを特徴とする請求項1記載の患者管理システム。
【請求項3】
前記患者管理サーバは、問合せに対する患者からの返信内容をフィードバック情報として患者識別子に関連付けて記憶し、当該フィードバック情報をセグメント化に用いることを特徴とする請求項1又は2記載の患者管理システム。
【請求項4】
前記患者管理サーバは、カルテ情報をセグメント化に用いることを特徴とする請求項3記載の患者管理システム。
【請求項5】
患者を管理する患者管理サーバで動作するコンピュータプログラムであって、
前記患者管理サーバを、連絡先を含む患者の情報を患者識別子で管理して記憶し、前記患者識別子に関連する問診情報とレセプト情報を取得し、前記取得した問診情報とレセプト情報から患者毎に疾患を抽出し、当該抽出された疾患が当該患者において複数ある場合に、当該複数ある疾患の組合せをグループとして患者をセグメントに分類して前記患者識別子にセグメント情報を付与するセグメント化の処理を行うと共に設定された複数の条件を組合せてセグメント化の更新を行い、前記セグメント情報に応じて予め定められたフォローアップの問合せを前記連絡先に通知し、前記問診情報又は前記レセプトが更新されて疾患の状態を変更する事項が発生すると前記セグメント化の処理及び前記セグメント化の更新を繰り返すよう機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
前記患者管理サーバを、患者毎に抽出した疾患が1つである場合も当該疾患をグループとして患者をセグメントに分類し、セグメント化の更新に際して論理積条件と論理和条件とを組合せて調整可能にするよう機能させることを特徴とする請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
前記患者管理サーバを、問合せに対する患者からの返信内容をフィードバック情報として患者識別子に関連付けて記憶し、当該フィードバック情報をセグメント化に用いるよう機能させることを特徴とする請求項5又は6記載のプログラム。
【請求項8】
前記患者管理サーバを、カルテ情報をセグメント化に用いるよう機能させることを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者を管理するシステムに係り、特に、問診とレセプトにより患者をセグメント管理し、当該セグメントに応じて患者を適切にフォローアップできる患者管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の患者管理システムは、電子カルテと連携して患者を管理するものがあった。
また、従来、調剤された薬についてフォローアップする仕組みがあった。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術文献として、特開2003-248722号公報「診療記録簿管理方法およびシステム」(特許文献1)、特開2004-038633号公報「在宅医療指導支援システム」(特許文献2)、特許第7132556号公報「情報処理装置、及び、プログラム」(特許文献3)がある。
【0004】
特許文献1には、カルテから特定項目の内容のみを抽出し、抽出した内容を時系列に表示して、必要のない情報参照を削減できる診療記録簿管理方法が示されている。
【0005】
特許文献2には、慢性呼吸疾患患者への呼吸リハビリテーションの指導を、病診連携で実行する在宅医療指導支援システムが示されている。
【0006】
特許文献3には、特定の薬がこれまでとは異なる条件で調剤された場合に、フォローアップの候補の日付を提示する情報処理装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-248722号公報
【文献】特開2004-038633号公報
【文献】特許第7132556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の患者管理システムでは、複数の病気になっている患者に対して適切なタイミングできめ細かいフォローアップを実現することができないという問題点があった。
【0009】
尚、特許文献1~3には、複数の疾患を有する患者に対して医療機関からそれら複数の疾患について適切なタイミングできめ細かいフォローアップを行うための構成が記載されていない。
【0010】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、複数の疾患を有する患者に対して医療機関からそれら複数の疾患について適切なタイミングできめ細かいフォローアップを行うことができる患者管理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、患者を管理する患者管理サーバを有する患者管理システムであって、患者管理サーバが、連絡先を含む患者の情報を患者識別子で管理して記憶し、患者識別子に関連する問診情報とレセプト情報を取得し、取得した問診情報とレセプト情報から患者毎に疾患を抽出し、当該抽出された疾患が当該患者において複数ある場合に、当該複数ある疾患の組合せをグループとして患者をセグメントに分類して患者識別子にセグメント情報を付与するセグメント化の処理を行うと共に設定された複数の条件を組合せてセグメント化の更新を行い、セグメント情報に応じて予め定められたフォローアップの問合せを連絡先に通知し、問診情報又はレセプトが更新されて疾患の状態を変更する事項が発生するとセグメント化の処理及びセグメント化の更新を繰り返すことを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記患者管理システムにおいて、患者管理サーバが、患者毎に抽出した疾患が1つである場合も当該疾患をグループとして患者をセグメントに分類し、セグメント化の更新に際して論理積条件と論理和条件とを組合せて調整可能にすることを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記患者管理システムにおいて、患者管理サーバが、問合せに対する患者からの返信内容をフィードバック情報として患者識別子に関連付けて記憶し、当該フィードバック情報をセグメント化に用いることを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記患者管理システムにおいて、患者管理サーバが、カルテ情報をセグメント化に用いることを特徴とする。
【0015】
本発明は、患者を管理する患者管理サーバで動作するコンピュータプログラムであって、患者管理サーバを、連絡先を含む患者の情報を患者識別子で管理して記憶し、患者識別子に関連する問診情報とレセプト情報を取得し、取得した問診情報とレセプト情報から患者毎に疾患を抽出し、当該抽出された疾患が当該患者において複数ある場合に、当該複数ある疾患の組合せをグループとして患者をセグメントに分類して患者識別子にセグメント情報を付与するセグメント化の処理を行うと共に設定された複数の条件を組合せてセグメント化の更新を行い、セグメント情報に応じて予め定められたフォローアップの問合せを連絡先に通知し、問診情報又はレセプトが更新されて疾患の状態を変更する事項が発生するとセグメント化の処理及びセグメント化の更新を繰り返すよう機能させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記プログラムにおいて、患者管理サーバを、患者毎に抽出した疾患が1つである場合も当該疾患をグループとして患者をセグメントに分類し、セグメント化の更新に際して論理積条件と論理和条件とを組合せて調整可能にするよう機能させることを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記プログラムにおいて、患者管理サーバを、問合せに対する患者からの返信内容をフィードバック情報として患者識別子に関連付けて記憶し、当該フィードバック情報をセグメント化に用いるよう機能させることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記プログラムにおいて、患者管理サーバを、カルテ情報をセグメント化に用いるよう機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、患者管理サーバが、連絡先を含む患者の情報を患者識別子で管理して記憶し、患者識別子に関連する問診情報とレセプト情報を取得し、取得した問診情報とレセプト情報から患者毎に疾患を抽出し、当該抽出された疾患が当該患者において複数ある場合に、当該複数ある疾患の組合せをグループとして患者をセグメントに分類して患者識別子にセグメント情報を付与するセグメント化の処理を行うと共に設定された複数の条件を組合せてセグメント化の更新を行い、セグメント情報に応じて予め定められたフォローアップの問合せを連絡先に通知し、問診情報又はレセプトが更新されて疾患の状態を変更する事項が発生するとセグメント化の処理及びセグメント化の更新を繰り返す患者管理システム及びプログラムとしているので、複数の疾患を有する患者に適切なタイミングできめ細かいフォローアップを実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本システムの概略構成図である。
図2】患者詳細画面の表示例を示す説明図である。
図3】患者セグメント設定画面の表示例を示す説明図である。
図4】セグメント処理フローの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る患者管理システム(本システム)は、患者情報を患者識別子で管理するもので、患者の問診情報、レセプト情報、カルテ情報及びフィードバック情報から複数の疾患を有する患者を、疾患、処方薬、年齢、任意に設定した条件でセグメント化し、そのセグメント化された内容に応じて予め定められたフォローアップの問合せを患者に通知するものであり、複数の疾患を有する患者に適切なタイミングできめ細かいフォローアップを実現できるものである。
【0022】
[本システム:図1
本システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本システムの概略構成図である。
本システムは、図1に示すように、患者管理サーバ1と、医院端末2と、患者端末3と、ネットワーク4とから構成されている。
尚、医院端末2と患者端末3は、図1では、各々1台だけ記載しているが、実際は複数台がネットワーク4に接続している。
【0023】
[患者管理サーバ1]
患者管理サーバ1は、患者の情報を患者識別子(患者ID)で管理し、医院端末2で得られた問診情報、レセプト情報及びカルテ情報、更にフィードバック情報から患者をセグメント化し、セグメント化されたセグメント情報に基づいて患者端末3にフォローアップの問合せ(経過観察)の通知を行うものである。
【0024】
尚、患者管理サーバ1が、電子カルテと連動していない場合は、問診情報、レセプト情報、フィードバック情報からセグメント化を行うものである。
更に、患者管理サーバ1におけるセグメント化は、時間経過により患者の状況が変化するので、定期的又は患者の問診等のイベントのタイミングでやり直すものである。
患者管理サーバ1における処理の詳細は後述する。
【0025】
患者管理サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とを備えている。
記憶部12は、患者IDに対応して患者情報、問診情報、レセプト情報、カルテ情報、フィードバック情報を記憶し、本実施の形態の特徴的な処理を行う処理プログラムを記憶している。
【0026】
患者IDは、患者を識別するための番号であり、保険証番号が用いられる。尚、患者IDとしてマイナンバーを用いてもよい。
患者情報は、患者IDに対応して、患者の氏名、生年月日、住所、電話番号、電子的連絡先としてのメールアドレス、ショートメッセージの携帯電話番号、SNS(Social Network Service)の連絡先である。
患者管理サーバ1は、上記連絡先に当該連絡方法でフォローアップの通知を行う。
【0027】
問診情報は、医院での問診の結果、得られた情報であり、患者IDに対応して、疾患の情報と患者が受診した日時の情報も含まれる。
レセプト情報は、医院でのレセプトについての情報であり、患者IDに対応して、疾患の情報が含まれる。
カルテ情報は、電子カルテに登録された患者の疾患に関する情報である。カルテ情報も患者IDに対応して記憶部12に記憶する。
【0028】
フィードバック情報は、後述するフォローアップの通知に対して返信された患者の状況を示す情報である。
上記患者情報、問診情報、レセプト情報、カルテ情報は、医院端末2から患者管理サーバ1に送信されるものである。カルテ情報については、患者管理サーバ1が電子カルテシステムと連動して直接取得してもよい。
【0029】
制御部11は、記憶部12に記憶された処理プログラムを実行し、本実施の形態の特徴的な処理を実現するものである。この処理については後述する。
インタフェース部13は、ネットワーク4に接続するインタフェースである。
【0030】
[医院端末2]
医院端末2は、ネットワーク4に接続するコンピュータ等の情報端末であり、患者情報、問診情報、レセプト情報、カルテ情報を患者管理サーバ1に送信する。
【0031】
[患者端末3]
患者端末3は、ネットワーク4に接続するスマートフォン、タブレット等の情報端末であり、患者管理サーバ1からのフォローアップの問合せの通知を受信し、その問合せに応答(返信)する。この応答がフィードバック情報となる。
【0032】
[ネットワーク4]
ネットワーク4は、患者管理サーバ1と、医院端末2と、患者端末3とを接続するもので、インターネットを想定している。尚、ネットワーク4でのデータの送受信は暗号化されている。
【0033】
[処理内容]
患者管理サーバ1で処理プログラムが実行されて実現される処理手段は、患者情報取得手段と、セグメント処理手段と、通知手段と、返信受信手段、レポート手段である。以下、各手段を説明する。
【0034】
[患者情報取得手段]
患者情報取得手段は、医院端末2から送信される患者情報、問診情報、レセプト情報、カルテ情報、フィードバック情報を取得し、患者識別子に関連付けて記憶部12に記憶する。
【0035】
[患者詳細画面:図2
ここで、医院端末2に表示される患者詳細画面について図2を参照しながら説明する。図2は、患者詳細画面の表示例を示す説明図である。
図2において、左側の患者IDに対応する患者情報、患者疾病情報は、カルテ情報から得たものであり、画面中央のアクティビティ情報は、上から下に時系列となっており、右側の受診時情報、受診外情報を反映したイベントが表示される。
受診時情報は、問診情報、レセプト情報、カルテ情報が含まれ、受診外情報は、フィードバック情報として、受診後のフィードバック情報、患者提供のバイタル情報が含まれる。
【0036】
[セグメント処理手段]
セグメント処理手段は、患者を問診情報、レセプト情報、カルテ情報、フィードバック情報に基づいて自動的にセグメント化する。具体的には、問診情報及びレセプト情報に含まれる疾患(病気)を抽出し、当該病気に対応して疾患名、処方薬、年齢、性別、患者の状況に基づきセグメントに分類する。ここで、患者が複数の病気になっている場合には、複数の病気の組合せでセグメント化するものである。
【0037】
セグメント化の処理は、システムの管理者が更に条件を付与して調整することができる。
そして、セグメント処理手段は、複数の病気の組合せに関するセグメント情報を患者IDに関連付けて記憶部12に記憶する。
【0038】
[患者セグメント設定画面:図3
ここで、医院端末2に表示される患者セグメント設定画面について図3を参照しながら説明する。図3は、患者セグメント設定画面の表示例を示す説明図である。
図3において、患者セグメント設定画面では、セグメントの更新を行うための設定画面であり、セグメント名、説明文、カラー(セグメント名の色付け)を設定でき、更に条件付与として「AND条件」(論理積条件)と「OR条件」(論理和条件)の設定が可能となっている。
尚、図3の患者セグメント設定画面で設定された情報が、セグメント情報となるものであり、セグメント名、説明文により、その内容が示されている。
【0039】
図3では、条件Aと条件BがANDで条件グループ1を設定し、条件Cと条件DがANDで条件グループ2を設定し、条件グループ1と条件グループ2がORで設定されるようになっている。
具体的には、条件Aが「診療行為」で条件Bが「運動器のリハビリテーション」であれば、診療行為に運動器のリハビリテーションを含むことが条件(条件グループ1)となり、条件Cが「病名」で条件Dが「鎖骨骨折」であれば、病名に鎖骨骨折を含むことが条件(条件グループ2)となる。
つまり、問診情報、レセプト情報、カルテ情報、フィードバック情報から得られた情報を条件A~条件Dとして設定することで絞り込みを行い、患者の状況に応じたセグメントを実現できるものである。
【0040】
そして、設定された条件でセグメント更新を行うと、右側に対象患者の人数が表示され、更に、具体的な対象患者の患者ID、氏名、性別、生年月日、最終受診日が表示されるようになっている。
【0041】
[セグメント処理フロー:図4
次に、本システムにおけるセグメント処理の流れについて図4を参照しながら説明する。図4は、セグメント処理フローの概略図である。
患者管理サーバ1は、図3で設定された条件に従い、記憶部12に記憶された患者情報、問診情報、レセプト情報、カルテ情報、フィードバック情報を参照し(S1)、疾患名をキーにセグメント化を行う(S2)。
【0042】
セグメント化では、疾患が複数ある場合は、複数の疾患を1つのグループとし、更に性別、年齢で細かくセグメント化することが望ましい。セグメント化された患者はそのグループに所属することになる。
セグメント化されたグループは、図3に示したセグメント設定画面で設定されるセグメント情報により特定される。
【0043】
そして、問診情報、レセプト情報、カルテ情報、フィードバック情報が更新されると(S3)、それら情報において、何らかの変化(疾患の状態を変更する事項)が患者に発生したかどうかを判定し(S4)、疾患の状態を変更する事項が発生したなら(Yesの場合)、処理S1に戻る。
ここで、疾患の状態を変更する事項とは、風邪が治ったとか、疾病の状態が軽くなって服用する薬が変わったとかである。
【0044】
判定処理S4で、疾患の状態を変更する事項が発生しなければ(Noの場合)、特定期間経過したか否かを判定し(S5)、特定期間が経過したなら(Yesの場合)、処理S1に戻り、経過していなければ(Noの場合)、判定処理S5を繰り返す。
以上のようにしてセグメント処理が行われる。
【0045】
[通知手段]
通知手段は、セグメント情報に基づき予め定められたフォローアップの問合せ事項を生成し、患者情報に示される連絡先に通知を行う。通知を行う時期は、診察日(受診日)から〇日後、次の来院の〇日前、定期的に毎週〇曜日のように設定され、また、妊婦さんの場合は、妊娠〇ヵ月、乳児の場合は、生後〇ヵ月、更に手術前〇日、手術後〇日のようなタイミングで、それらの状況に応じた内容の定型文で問合せを行うものである。
【0046】
つまり、フォローアップの問い合わせの内容の定型文とタイミングは、セグメント情報によって設定されているものである。
例えば、風邪の症状には、1日後には熱は下がったか、薬は飲み切ったか、を問い合わせ、糖尿病の場合は、体重と食事を定期的に問い合わせる。
また、問い合わせに限らず、次の受診予約を促すメッセージや、在宅での過ごし方等のアドバイスを送信するようにしてもよい。
【0047】
また、患者が複数の病気になっている場合には、複数の病気についての問合せを各々通知するのではなく、一つの通知で複数の病気についての問合せを行う。そのために、問合せ事項で重複する事項は一つにまとめる処理を行う。
【0048】
[返信受信手段]
返信受信手段は、通知手段によって通知された問合せ事項に対して返信された内容(フィードバック情報)を患者IDに対応して記憶部12に記憶する。
返信内容は、医院端末2から問診情報、レセプト情報、カルテ情報と共に閲覧可能となっている。
ここで、得られたフィードバック情報は、患者のセグメント化に利用される。
【0049】
[レポート手段]
レポート手段は、患者情報、問診情報、レセプト情報、カルテ情報、フィードバック情報を基に医師向けにレポートを生成して提供するものである。レポートでは、数値をグラフで表示するようにしてもよい。
また、レポート手段は、上記情報に基づいて患者向けにレポートを生成して提供するものである。
医師向けのレポートは、詳細なものになるが、患者向けのレポートは、単純な確認事項となるものである。
【0050】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、患者管理サーバ1が、患者情報を患者IDで管理し、医院端末2から取得した患者の問診情報、レセプト情報、カルテ情報、更に患者端末3から取得したフィードバック情報に基づいて複数の疾患を有する患者をセグメント化し、セグメント化された内容に応じて予め定められたフォローアップの問合せを患者端末3に通知してフィードバック情報を取得するものであり、複数の疾患を有する患者に適切なタイミングできめ細かいフォローアップを実現できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、複数の疾患を有する患者に対して医療機関からそれら複数の疾患について適切なタイミングできめ細かいフォローアップを行うことができる患者管理システム及びプログラムに好適である。
【符号の説明】
【0052】
1…患者管理サーバ、 2…医院端末、 3…患者端末、 4…ネットワーク、 11…制御部、 12…記憶部、 13…インタフェース部
【要約】
【課題】 複数の疾患を有する患者に対して医療機関からそれら複数の疾患について適切なタイミングできめ細かいフォローアップを行うことができる患者管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 患者管理サーバ1が、患者情報を患者IDで管理し、医院端末2から取得した患者の問診情報、レセプト情報、カルテ情報、更に患者端末3から取得したフィードバック情報を基にして複数の疾患を有する患者をセグメント化し、セグメント化された内容に応じて予め定められた定型文のフォローアップの問合せを患者端末3に通知してフィードバック情報を取得する患者管理システム及びプログラムである。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4