(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
F03D 80/00 20160101AFI20230414BHJP
F03D 1/06 20060101ALI20230414BHJP
F03D 3/06 20060101ALI20230414BHJP
B29D 7/01 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
F03D80/00
F03D1/06
F03D3/06
B29D7/01
(21)【出願番号】P 2022513909
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2020136608
(87)【国際公開番号】W WO2022011962
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】202011221352.1
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520414480
【氏名又は名称】中国長江三峡集団有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】522044283
【氏名又は名称】中国三峡新能源(集団)股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】522044294
【氏名又は名称】南京浩暉高科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】向 欣
(72)【発明者】
【氏名】劉 建平
(72)【発明者】
【氏名】呉 建華
(72)【発明者】
【氏名】孫 志禹
(72)【発明者】
【氏名】朱 亜偉
(72)【発明者】
【氏名】李 文偉
(72)【発明者】
【氏名】趙 方亮
(72)【発明者】
【氏名】呉 弘
(72)【発明者】
【氏名】趙 景▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲パン▼ 博
(72)【発明者】
【氏名】呉 建平
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-531326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 80/00
F03D 1/06
F03D 3/06
B29D 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルシリコーンオイルでPTFE樹脂を浸潤し、ビニルシリコーンオイルとPTFE樹脂の質量比が(2~3):100であり、常温で混合を行い、PTFEベースの樹脂+ビニルシリコーンオイル単量体の融合重合による混合樹脂粉末材料を製造し、混合樹脂粉末材料を温度が60~90℃であり、圧力が5~8MPaである予圧シリンダに予圧を行い、単量体重合のPTFEベースの単量体融合重合のブランク棒材を製造し、PTFEベースの単量体融合重合のブランク棒材を60~90℃であり、圧力が5~8MPaである熱間押圧シリンダに熱間押圧を行い、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を製造するという混合、予圧、押圧による膜棒材の製造(1)と、
製造されたPTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を熱間圧延機により微量重合熱間圧延を行い、熱間圧延機の上下の二つの油圧圧延ロールの間の隙間距離を、製造するPTFEベースの単量体重合膜の厚さに設定し、圧延ロールの温度が60~90℃であり、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材が圧延ロールの時計回りの回転で、20~30m/minの速度で圧延ロールの間の隙間から押し出し、温度及び熱間圧延の引張作用で、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を圧延ロールの隙間から押圧するとともに両側に均一に延在し、熱間押圧及び延展過程で、膜が割れて層状剥離を生成した後に繊維織物状構造を生成し、所定厚さの同均質PTFEベースの膜を製造し、
水滴と膜表面との接触角が115.89°~125.46°であり、走査型電子顕微鏡の立体イメージングで、膜の表面形態が経緯方向に均一に分布し、平均大きさが10~20umで、高さが8~10umで、間隔が20~30umの微細凹凸として表現されるという熱間圧延による膜の製造(2)と、
を含むことを特徴とする風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子複合材料の技術分野に関し、風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の製造方法及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
中国は、全世界の風力発電の発展速度が最も速く、設備容量が最も大きい国であるが、風車用ブレードの氷結地域が最も広く、氷結による風力発電ユニットの動作停止イベントが最も多く発生する国の一つである。風車用ブレードの冬季氷結ウィンドファームへの調査研究や一部のウィンドファームが提供したブレード冬節氷結による損失発電量の統計データ及び関連資料への分析により、中国の高標が高い地域、山間部や低温、凍結などの地域に取り付けられた風力発電ユニットは、気候の影響を受け、冬になるとブレードが異なる程度で氷結し、標高の高さ1000~1800mの高い標高の山間部や林間部に位置する風車用ブレードは、冬節の氷結状況がより深刻である。特に、湖南省、湖北省、広東省や広東省、江西省、浙江省、安徽省、雲貴高原、内モンゴル、河北省北部の山間部、山西省北西部などの地域のブレードは、新疆ウイグル自治区の北部、東北地域に位置するウィンドファームのブレードに比べて、氷結時間及び氷結程度の両方の点で、より深刻である。ブレード氷結のユニット容量は、中国の累積総設備容量の約27%を占めている。冬は、ちょうど風資源に富むタイミングであり、これらの氷結程度が相対的に深刻な地域は、基本的に風力発電のローカル消費の圧力問題が存在しない。したがって、ブレードの氷結による風力発電ユニットの動作異常や、風力発電ユニットの出力電力が保障電力に達することができずに強制的に停止されて損失した電気料金収益が非常に多く、さらに氷結によるブレードの破断イベントが発生する。
【0003】
ブレード表面の氷結及び氷の防除の技術的方法と効果の不足は、風力発電の電気料金収益に直接影響を与える以外に、さらに風力発電ユニット動作の安全リスクをもたらすため、風車用ブレードの冬節氷結防除は、風力発電業界の世界範囲内の重要な課題である。
【0004】
風車用ブレードは、風力発電ユニットの重要な部品であり、ブレードが氷結すると冬に風力発電ユニットの停止イベントが頻繁に発生し、大量の発電量及びその電気料金収益を損失する。ブレードの空気圧性能が変化し、風力発電ユニットの電力損失を引き起こす。氷の担持は風力発電ユニットの負荷に悪影響を与え、氷負荷の分布が不均一でユニットの電力低下を引き起こす。ブレードの翼型流線を破壊し、不平衡氷負荷がブレードの耐疲労性の低下を引き起こす。氷結断面の厚さの差異は、ブレードの元の翼型を変更し、ユニットの耐用年数に悪影響を与える。ブレードの表面粗さを増加させ、ブレードの翼型空気圧性能に深刻な影響を与える。ひどく氷結するとブレードの断裂を引き起こし、ユニットの安全運転リスクをもたらす。氷結状態でユニットが運転し続けるとユニットのオフラインを引き起こし、電網の安全に影響を与える。氷結が自然温度又は融解時にブレードから離脱する時、回転中のブレードがいるでも氷塊を百メートル以上の距離に投げることができ、風力発電ユニットの周辺に住んでいる人々の生命財産に安全上の潜在的な危険をもたらす。
【0005】
中国内外の氷防除技術方法は、様々なタイプがあり、全体的に受動的氷防除技術方法(例えば、機械除氷、液体氷防除、コーティング氷防除など)及び能動的除氷技術方法(熱気除氷、マイクロ波除氷、電熱除氷、超音波除氷など)の二種類がある。例えば、金風科技は、電熱除氷技術を開発し、ブレードコーティング内に炭素繊維電熱膜又は抵抗線等の加熱素子を埋設して金属加熱網を構成し、ブレードハブ内に除氷加熱キャビネット及び測定制御キャビネット、電源、過熱保護コンバータ等を増設して電熱氷防除システムを構成し、電気加熱温度によりブレード表面の氷結を融解し、ブレード表面の氷結を防止する作用を達成する。運達風電は、風車用ブレードハブ内に取り付けられた電気加熱熱風装置を開発し、ブレードキャビティ内に熱気通気管路を配置することにより、熱気が通気管路内を循環し、ブレードキャビティ内に熱気を入力することにより、熱気がブレードケースにより熱量をブレードの外表面に伝達し、それによりブレードが一定の温度を有し、熱気の作用でブレードを間接的に加熱し、過冷却水滴の凍結を阻止し、氷防除の目的を達成する。武漢疎能は、SiO2を、マイクロ-ナノ構造を有し、低表面エネルギー物質及び修飾表面粗さ構造を有し、凍雨や氷雪などの災害天気を能動的に抵抗する擬似カヨウ表面エネルギーを有する多段階、多孔質、多層生体ビオニック氷結コーティングを形成することができ、風車用ブレード及び高圧電網の高湿環境での疎水、非氷結か又は凍結量の減少に用いられる。
【0006】
上記いくつかの技術的方法は、現在中国内外の多くの風車用ブレード氷防除技術的方法における典型的な代表であるが、実践により、いずれも理想的な氷結防除効果を達成できないという問題が存在し、さらに風力発電ユニット及びそのブレードに対して安全上の潜在的なリスクをもたらすものもある。
【0007】
例えば、電熱膜又は抵抗線を採用する電気加熱除氷システムにおいて、氷防除効果が明らかではないことに加えて、各ブレードに200kgの重量を増加させ、風力発電ユニットブレード全体の重量が600kgに達し、風車用ブレードの重量荷重を大幅に増加させ、使用中に大量の電気エネルギーを消費する必要があり、工場の電気消費率を8~10%以上増加させる。それと同時に、落雷されやすい安全上の潜在的な危険が存在し、監視システム又は特殊な避雷設計を増設しても、落雷が回避されず、中国国内では既に電気加熱除氷システムを増設することによりブレードが落雷されて廃棄されるというイベントが多い。自然環境において、熱空気の密度が小さく、冷空気の密度が大きく、密度が小さいのが上昇し、密度が大きいのが下降し、熱空気は、外力の作用がなければ上向きにしか上昇せず、横方向に拡散せず、冷空気の下に移動しない。電気加熱熱量がブレードの表面に伝導した後、上向きにしか上昇せず、横方向に拡散せず、熱量がブレードの上表面に横方向に伝導せず、抵抗線又は電熱膜部位がないブレードは、依然として氷結することを引き起こす。熱気除氷システムは、ブレードケース材料により熱量をブレードの外表面に伝達することにより、ブレードの表面が一定の温度を有し、熱力の作用でブレードを間接的に加熱し、過冷却水滴の凍結を阻止し、氷を防除するという目的を達成する。しかしながら、風車用ブレードの主な材料として、熱硬化性ポリエステル樹脂の熱伝導性能が低く、ブレードキャビティ内の熱量が短時間内にブレード表面に伝導しにくく、ブレードキャビティ内に熱気を連続的に輸送しても、除氷効率が低い。大型風車用ブレードに対して、ブレードケースの熱抵抗がブレードの質量厚さの増加に伴って明らかに増加し、これは、高出力ブレードがブレード表面の除氷を実現するためにより高い内部温度を必要とすることを意味し、除氷効率もブレードのサイズの増大のため徐々に低下する。
【0008】
電熱膜又は抵抗線電気加熱を採用する除氷システムであっても熱気除氷システムであっても、それらは、さらに以下の共通の欠点を有し、すなわち、
その一.一枚のブレードが除氷に失敗すれば、除氷システム全体が運転を停止する必要があり、そうでなければブレードの氷結で質量が異なるためカウンタウエイトの不均衡、ひどい重心ずれを引き起こして故障又は事故を引き起こす。
その二.各風車用ブレードの加熱電力が150~200kw以上であり、設備が運転過程において大量の電気エネルギー消費を消費する必要があり、風力発電ユニットの発電に8%~10%以上の電力消費量を追加的に増加させる。
その三.ブレードの改造又は設備システムのメンテナンス難度が大きい。
その四.設備故障率が高く、毎年電気機器のメンテナンスを行う必要があり、設備の耐用年数が一般的に10年を超えない。
その五.最も主要なのは、風車用ブレードがポリエステル樹脂等の熱硬化性基材で構成されたガラス繊維強化複合材料であり、-40~50℃の使用温度範囲の制限が存在し、電気加熱除氷又は熱気除氷にかかわらず、加熱温度がブレード材料の所定の使用温度範囲を超えることができず、一旦温度が所定のブレードの使用温度範囲を超えて長時間加熱すると、ブレード材料の疲労を加速し、全体強度に影響を与えるか又はブレードの破壊を引き起こし、所定の使用温度範囲内で加熱すると、これだけの熱量は、ブレードの氷結の防止又は除去に必要な熱量に遥かに達しない。
【0009】
液体氷防除、コーティング氷防除技術を採用する方法は、以下の技術的特徴を有する。例えば、
その一.氷防除液体が低表面エネルギー疎水性を有するか又はコーティングが防水、汚染防止、抗酸化、腐食防止等の性能を有するが、氷防除液体の有効作用時間が短く、短期防氷方法に属し、かつ毎年一回さらに複数回塗布する必要があり、常にメンテナンスする必要があり、毎回塗布する前にブレードを洗浄する必要があり、長期応用要件を満たさず、深刻な氷結状態での除氷効果がより低く、さらに効果的な防着氷効果を達成できない場合もある。
その二.フッ素系氷防除材料又はバイオニックコーティング材料に添加されたワックス、フッ素含有樹脂等の材料は、風車用ブレード基材の耐用年数を短縮し、コーティング接着力及び耐摩耗性能に影響を与えかつ低下させる。フッ素系氷防除材料におけるPTFEは、水溶性が低く、水溶性PTFEポリマーを実現しにくく、開始剤、増粘剤等の助剤を添加してこそ膜を形成することができ、助剤の疎水効果が低く、疎水膜の表面効果を達成することができず、ブレードSS面(後縁、風下側面)に一定の効果を有するが、ブレードPS面(前縁、風上側面)での氷防除効果が低く、氷結質量が最大20%程度しか減少できず、かつ氷防除の時効が短く、性能劣化又は老化が明らかであり、有効期間が一般的に2年を超えない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の技術的問題を解決するために、本発明は、風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の製造方法を提供し、
ビニルシリコーンオイルでPTFE樹脂を浸潤し、ビニルシリコーンオイルとPTFE樹脂の質量比が(2~3):100であり、常温で混合を行い、PTFEベースの樹脂+ビニルシリコーンオイル単量体の融合重合による混合樹脂粉末材料を製造し、混合樹脂粉末材料を温度が60~90℃であり、圧力が5~8MPaである予圧シリンダに予圧を行い、単量体重合のPTFEベースの単量体融合重合のブランク棒材を製造し、PTFEベースの単量体融合重合のブランク棒材を60~90℃であり、圧力が5~8MPaである熱間押圧シリンダに熱間押圧を行い、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を製造するという混合、予圧、押圧による膜棒材の製造(1)と、
製造されたPTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を熱間圧延機により微量重合熱間圧延を行い、熱間圧延機の上下の二つの油圧圧延ロールの間の隙間距離を、製造するPTFEベースの単量体重合膜の厚さに設定し、圧延ロールの温度が60~90℃であり、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材が圧延ロールの時計回りの回転で、20~30m/minの速度で圧延ロールの間の隙間から押し出し、温度及び熱間圧延の引張作用で、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を圧延ロールの隙間から押圧するとともに両側に均一に延在し、熱間押圧及び延展過程で、膜が割れて層状剥離を生成した後に繊維織物状構造を生成し、所定厚さの同均質PTFEベースの膜を製造し、
水滴と膜表面との接触角が115.89°~125.46°であり、走査型電子顕微鏡の立体イメージングで、膜の表面形態が経緯方向に均一に分布し、平均大きさが10~20umで、高さが8~10umで、間隔が20~30umの微細凹凸として表現されるという熱間圧延による膜の製造(2)と、を含む。
【0011】
発明の効果
風車用ブレードの冬節氷結防除に対しては、PTFEが有する低表面張力及び高潤滑性だけではウィンドファーム環境での氷防除効果を満たすことができず、かつ氷防除効率の要件を達成することができず、本発明は、PTFEベースの材料自体が有する低表面張力及び高潤滑性能を十分に利用する上で、PTFEベースの材料を多重ナノスケール及びミクロンスケールサイズを有する凹凸幾何学的超微細構造形態に製造することにより、膜表面に、より超低表面張力及び非粘着性性能を有させ、氷が膜表面に粘着しにくく、又は粘着しても、粘着力が極めて低くて膜表面から自動的に離脱することができ、さらに風車用ブレード表面の氷結を確実に防除できるという効果及び目的を達成する。
【0012】
本発明の他の目的は、風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の応用を提供することであり、稼働中の風車用ブレードに応用して高空膜貼り付けを行う場合、まず、ブレードの先端を地面に垂直にし、かつ風力発電ユニットの塔体と平行にし、ブレードを高空吊りかごの中間に貫通させ、膜貼り付けが、裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けの二種類の方法を採用し、四人で同時に行い、そのうちの一人は、膜を広げて貼り付け基準線に位置合わせすることを担当し、一人は、膜の貼り付け時の平滑度を整理することを担当し、一人は、膜とブレードのベース層との間の空気を排除し、かつ貼り付けスクレーパで接着することを担当し、一人は、勤務サービスと施工の協力を担当する。膜貼り付けフロー及び方法は、同様に未使用の風車用ブレードに適用され、具体的には、
手持ち式研磨機でブレードの表面に平坦度や平滑度処理を行い、同時にベース層面に貼り付けられた一部の老化したコーティングを除去することにより、PTFEナノ機能に基づく複合膜の接着要件条件を満たすブレード表面の研磨処理ステップ(1)と、
膜の幅に応じて、ブレード先端の前縁部から、膜を横方向に翼型のアタック角、撓み及び曲率に沿って裁断し、各膜を個別に裁断し、翼型、アタック角、撓み、サイズに合致する膜に裁断した後に貼り付けを行い、
膜を貼り付ける時、膜を後縁SS面から前縁PS面に向かって貼り付け、前縁PS面部位の膜は、後縁SS面部位の膜に当接すべきであり、二つの膜の横方向の当接は、ずれて同じ位置に設置しない必要があるブレードの先端部位へ裁断スプライス貼り付けの採用1)と、
ブレードの翼型、弦長、撓み、曲率、アタック角度のサイズが巻き付け貼り付けに適する場合、膜をブレードに横方向に巻き付ける方式で貼り付け接着を行い、
ブレードの翼型、弦長、撓み、曲率、アタック角度のサイズが巻き付け貼り付けに適する場合、膜をブレードに横方向に巻き付ける方式で貼り付け接着を行い、膜に巻き付け貼り付けを行う時、まず膜を広げ、表面の離型紙を引き捨て、膜を膜貼り付け治具のニップロールの間に貫通し、両手で引っ張った後に膜に一定の張力を与え、離型紙を引き捨てながら膜に巻き付け貼り付けを行い、
ブレード先端部位で貼り付けて接着された最後の膜の縦横方向縁部を巻き付け貼り付け基準線とし、かつ基準線に合わせて膜を徐々に広げて巻き付け貼り付け接着を行いし、開始位置から膜貼り付けブレードで膜の幅全体に応じて、貼り付け面の後方すなわち膜の未展開方向に向かって均一に膜とベース層との間の空気を除去しながら、力を入れて膜をブレードの表面に接着し、膜とブレードとの間の空気を徹底的に除去する必要があり、上層の膜の重ね継ぎが次の層の膜の重ね継ぎ部位の表面を押さえ、すなわち巻き付け貼り付けされた膜がブレード部位が接着された後の膜に重ね継ぐ必要があり、膜の全ての横方向重ね継ぎすなわち膜と膜との継手がいずれもブレードの後縁SS面に設置される巻き付け貼り付け2)と、
まず、膜を避雷器の表面から直接被覆して貼り付け、膜全体の貼り付けが終了する前に、避雷器に被覆された膜を一つずつ切断し、避雷器を露出させ、かつ継ぎ目での膜を押し固めて平坦化するブレードの避雷器での膜の処理3)と、
当接箇所の接着が厳密であるか否かを注意深くチャックし、重ね継ぎが不厳密である状況を発見すると、しわ、膨らみ、発泡、凹凸で平坦でない現象が発生しないようにタイムリー押し固めや平坦化処理を行うべきである膜の重ね継ぎ及び巻き取り処理4)と、
施工中に膜が破断される状況が発生した場合、一枚の全体幅の膜を裁断し、破断位置の全部部位の表面に横方向に巻き付けて貼り付けて接着して貼り付け補修を行う膜破損の補修処理5)とを含む膜貼り付けステップ(2)と、を含む。
【0013】
前記風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の応用において、ブレード先端部位に裁断スプライス貼り付けを行う時、膜の横方向重ね継ぎの幅は、150~200mmであり、貼り付けられた第一枚の膜の縁部を基準線とし、第二枚の膜の重ね継ぎは、第一枚の膜の10~40mmの縁部に押圧され、膜の縦方向重ね継ぎは、10~40mmである。
【0014】
前記風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の応用において、膜に巻き付け貼り付けを行う時、膜の横方向重ね継ぎの幅は、10~40mmである。
【0015】
前記風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の応用において、ブレード先端部位裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けを行う時、膜が広げられた後にしわ現象が発生することを回避するように、力を入れて横方向に膜を広げることを禁止し、膜が自然な平滑状態でそのまま貼り付けを行う必要がある。
【0016】
前記風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の応用において、ブレード先端部位に裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けを行う時、皺、中が膨らんだか又は基準線に位置合わせせず膜が滑らかでないか又は変形するという状況が発生することを発見する場合、膜の貼り付け品質に悪影響を与えないように、まだ広げていない膜全体を皺、中が膨らんだ位置に徐々に持ち上げ、その後あらためて貼り付ける。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
(1)本発明は、PTFE自体が有する低表面張力及び高潤滑性という一項の性能を利用して非粘着性の目的を達成するだけでなく、膜をナノスケール及びミクロンスケールサイズを有する凹凸幾何学的超微細構造の表面形態に製造し、膜に、より超低表面固体張力を有させ、疎水性がより高く、非粘着性及び高耐汚染性がより高く、膜表面が同時に自己洗浄機能を有し、これは、他の方法とは比べものにならない。
(2)本発明は、ウィンドファームの応用環境及び風力発電ユニットブレードの特徴に対して、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法及び工事応用の施工プロセスフローを設計することにより、工事応用がより実現可能性及び操作可能性及び利便性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】走査型電子顕微鏡SEMでの膜表面のナノスケール及びミクロンスケールサイズの凹凸幾何学的超微細構造の表面形態である。
【
図2】膜表面のKRUSSDSA-100接触角テスターでの膜表面の水接触角である。
【
図3a】風力発電ユニットブレード工事による応用方法である。
【
図3b】風力発電ユニットブレード工事による応用方法である。
【
図3c】風力発電ユニットブレード工事による応用方法である。
【
図3d】風力発電ユニットブレード工事による応用方法である。
【
図3e】風力発電ユニットブレード工事による応用方法である。
【
図3f】風力発電ユニットブレード工事による応用方法である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施例1]
本実施例が提供する風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の製造方法は、
ビニルシリコーンオイルでPTFE樹脂を浸潤し、ビニルシリコーンオイルとPTFE樹脂の質量比が2.5:100であり、ビニルシリコーンオイルがPTFE分散樹脂と親和性基を生成でき、かつ温度作用でPTFE分散樹脂とポリエステル系接着剤が接着親和性を生成することを促進でき、常温で混合を行い、PTFEベースの樹脂+ビニルシリコーンオイル単量体の融合重合による混合樹脂粉末材料を製造し、混合樹脂粉末材料を温度が60℃であり、圧力が5MPaである予圧シリンダに予圧を行い、単量体重合のPTFEベースの単量体融合重合のブランク棒材を製造し、PTFEベースの単量体融合重合のブランク棒材を60℃であり、圧力が8MPaである熱間押圧シリンダに熱間押圧を行い、Ф17mmのPTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を製造するという混合、予圧、押圧による膜棒材の製造(1)と、
製造されたPTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を熱間圧延機により微量重合熱間圧延を行い、熱間圧延機の上下の二つの油圧圧延ロールの間の隙間距離を、製造するPTFEベースの単量体重合膜の厚さ(例えば、80um、100um又は120umなど)に設定し、圧延ロールの温度が60℃であり、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材が圧延ロールの時計回りの回転で、25m/minの速度で圧延ロールの間の隙間から押し出し、温度及び熱間圧延の引張作用で、Ф17mmのPTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を圧延ロールの隙間から押圧するとともに両側に均一に延在し、熱間押圧及び延展過程で、膜が割れて層状剥離を生成した後に繊維織物状構造を生成し、所定厚さの同均質PTFEベースの膜を製造し、
PTFEベースの膜の密度が2.1kg/m
3であり、
図2に示すとおり、水滴と膜表面との接触角が115.89°~125.46°であり、
図1に示すとおり、走査型電子顕微鏡の立体イメージングで、膜の表面形態が経緯方向に均一に分布し、平均大きさが15umで、高さが9umで、間隔が15umの微細凹凸として表現されるという熱間圧延による膜の製造(2)と、を含む。
【0020】
上記方法で製造して得られたPTFE膜の5つの試料に対して各性能試験を行い、その結果は、以下のとおりである。
一.膜の平均厚さが100umである。
二.膜の平均重量が210g/m
2である。
三.接着剤の接着剥離力が50Nであり、180°接着剥離強度が1000N/mである。
四.14400hのキセノンランプ老化試験、凍結融解サイクル性能試験(温度-60℃~150℃、湿度5~98%)、オゾン老化試験、紫外線老化試験、人工雰囲気腐食及び海塩溶液浸漬試験により、老化前後の引張強度の平均値が25MPaであり、伸び率の平均値>90%であり、いずれも老化現象が発生しない。
五.GB/T9266-2009「建築外壁塗料コーティングの耐洗浄性の測定」方法により、37回/minの循環往復摩擦40000回を経た後、膜表面にきしみ現象が発生せず、底材が露出した程度の破損現象が観察されておらず、強い耐摩耗性を有する。
六.動的風圧試験プラットフォームを用いて36.9m/sの風速(12級台風)をシミュレーションして動的風圧試験を行って耐雨水洗浄性能を試験し、1000hの強い風速で水を吹いて試験し、膜表面にきしみ現象が発生せず、優れた耐雨食性能を有する。
七.
図1に示すように、走査型電子顕微鏡SEMを用いて膜表面の形態を試験し、膜表面の形態が経緯方向に均一に分布した、平均大きさが20~40umで、高さが10~20umで、間隔が30~50μumであるミクロンスケールサイズの微細凹凸表面構造として示される。
八.
図2に示すように、水接触角テスターを用いて測定された膜表面の水滴接触角が115.89°~125.46°である。
九.表面粗さ計を用いて測定された膜表面の粗さの平均値が0.18umである。
【0021】
[実施例2]
本実施例が提供するのは、実施例1の使用中風車用ブレードにおける応用であり、風車用ブレードの翼型の弦長、撓み、曲率の特徴及び工事施工の利便性に応じて、まずブレードの先端を地面に垂直にし、かつ風力発電ユニットの塔体と平行にし、ブレードを高空吊りかごの中間に貫通し、膜貼り付けは、裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けの二種類の方法を採用し、四人で同時に行い、そのうちの一人は、膜を広げて貼り付け基準線に位置合わせすることを担当し、一人は、膜の貼り付け時の平滑度を整理することを担当し、一人は、膜とブレードのベース層との間の空気を排除し、かつ貼り付けスクレーパで接着することを担当し、一人は、勤務サービスと施工の協力を担当する。膜貼り付けフロー及び方法は、同様に未使用のファンブレードに適用される。具体的には、
手持ち式研磨機でブレードの表面に平坦度や平滑度処理を行い、同時にベース層面に貼り付けられた一部の老化したコーティングを除去することにより、PTFEナノ機能に基づく複合膜の接着要件条件を満たすブレード表面の研磨処理ステップ(1)と、
図3aに示すとおり、膜の幅に応じて、ブレード先端の前縁部から、膜を横方向に翼型のアタック角、撓み及び曲率に沿って裁断し、各膜を個別に裁断し、翼型、アタック角、撓み、サイズに合致する膜に裁断した後に貼り付けを行い、
膜を貼り付ける時、膜を後縁SS面(受風面)から前縁PS面(風上側面)に向かって貼り付け、前縁PS面部位の膜は、後縁SS面部位の膜に当接すべきであり、二つの膜の横方向の当接は、15cmずれて同じ位置に設置しない必要があり、膜の横方向の重ね継ぎ幅が150~200mmであり、貼り付けられた第一枚の膜の縁部を基準線とし、第二枚の膜の重ね継ぎを第一枚の膜の縁部から10mm~40mm離れた位置に押圧し、膜と膜の縦方向の重ね継ぎが10mm~40mmであり、これによって類推し、膜のブレードでの逆水が形成されることがないブレードの先端部位へ裁断スプライス貼り付けの採用1)と、
図3b、3cに示すとおり、ブレード先端からブレードの中間に向かって5m離れた位置で、ブレードの翼型、弦長、撓み、曲率、アタック角度のサイズが巻き付け貼り付けに適する場合、膜をブレードに横方向に巻き付ける方式で貼り付け接着を行い、
図3e、3fに示すとおり、膜に巻き付け貼り付けを行う場合、まず膜を長さ200mm広げ、まず膜を広げ、表面の離型紙を引き捨て、膜を膜貼り付け治具のニップロールの間に貫通し、両手で引っ張った後に膜に一定の張力を与え、離型紙を引き捨てながら膜に巻き付け貼り付けを行い、
ブレード先端部位で貼り付けて接着された最後の膜の縦横方向縁部を巻き付け貼り付け基準線とし、かつ基準線に合わせて膜を徐々に広げて巻き付け貼り付け接着を行いし、開始位置から膜貼り付けブレードで膜の幅全体に応じて、貼り付け面の後方すなわち膜の未展開方向に向かって均一に膜とベース層との間の空気を除去しながら、力を入れて膜をブレードの表面に接着し、膜とブレードとの間の空気を徹底的に除去する必要があり、上層の膜の重ね継ぎが次の層の膜の重ね継ぎ部位の表面を押さえ、上下二層の膜重ね継ぎ幅が10mmであり、すなわち巻き付け貼り付けされた膜が、ブレード部位が接着された後の膜に重ね継ぐ必要があり、膜の全ての横方向重ね継ぎすなわち膜と膜との継手がいずれもブレードの後縁SS面に設置される巻き付け貼り付け2)と、
図3dに示すとおり、まず、膜を避雷器の表面から直接被覆して貼り付け、膜全体の貼り付けが終了する前に、避雷器に被覆された膜を一つずつ切断し、避雷器を露出させ、かつ継ぎ目での膜を押し固めて平坦化するブレードの避雷器での膜の処理3)と、
当接箇所の接着が厳密であるか否かを注意深くチャックし、重ね継ぎが不厳密である状況を発見すると、しわ、膨らみ、発泡、凹凸で平坦でない現象が発生しないようにタイムリー押し固めや平坦化処理を行うべきである膜の重ね継ぎ及び巻き取り処理4)と、
施工中に膜が破断される状況が発生した場合、一枚の全体幅の膜を裁断し、破断位置の全部部位の表面に横方向に巻き付けて貼り付けて接着して貼り付け補修を行う膜破損の補修処理5)とを含む膜貼り付けステップ(2)と、を含む。
【0022】
上記貼り付け過程において、膜が広げられた後にしわ現象が発生することを回避するように、力を入れて横方向に膜を広げることを禁止し、膜が自然な平滑状態でそのまま貼り付けを行う必要がある。皺、中が膨らんだか又は基準線に位置合わせせず膜が滑らかでないか又は変形するという状況が発生することを発見する場合、膜の貼り付け品質に悪影響を与えないように、まだ広げていない膜全体を皺、中が膨らんだ位置に徐々に持ち上げ、その後あらためて貼り付ける。
【0023】
本発明は、PTFEベースの材料の低表面張力及び高潤滑性能を十分に利用する上で、単量体融合重合及び微量重合の技術的方法を採用し、膜を多重ナノスケール及びミクロンスケールサイズを有する凹凸幾何学的超微細構造形態に製造することにより、PTFEは、高潤滑性表面を有する上で超低表面張力、疎水性、非粘着性、高耐汚染性、耐吸湿性及び自己洗浄性などの機能特性を有する。
【0024】
上記実施例のほか、本発明は、さらに他の実施形態を有することができる。同等置換又は等価変換を採用して形成された技術的解決手段は、いずれも本発明の請求項の保護範囲に属する。
【0025】
(付記)
(付記1)
ビニルシリコーンオイルでPTFE樹脂を浸潤し、ビニルシリコーンオイルとPTFE樹脂の質量比が(2~3):100であり、常温で混合を行い、PTFEベースの樹脂+ビニルシリコーンオイル単量体の融合重合による混合樹脂粉末材料を製造し、混合樹脂粉末材料を温度が60~90℃であり、圧力が5~8MPaである予圧シリンダに予圧を行い、単量体重合のPTFEベースの単量体融合重合のブランク棒材を製造し、PTFEベースの単量体融合重合のブランク棒材を60~90℃であり、圧力が5~8MPaである熱間押圧シリンダに熱間押圧を行い、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を製造するという混合、予圧、押圧による膜棒材の製造(1)と、
製造されたPTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を熱間圧延機により微量重合熱間圧延を行い、熱間圧延機の上下の二つの油圧圧延ロールの間の隙間距離を、製造するPTFEベースの単量体重合膜の厚さに設定し、圧延ロールの温度が60~90℃であり、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材が圧延ロールの時計回りの回転で、20~30m/minの速度で圧延ロールの間の隙間から押し出し、温度及び熱間圧延の引張作用で、PTFEベースの単量体融合重合の膜棒材を圧延ロールの隙間から押圧するとともに両側に均一に延在し、熱間押圧及び延展過程で、膜が割れて層状剥離を生成した後に繊維織物状構造を生成し、所定厚さの同均質PTFEベースの膜を製造し、
水滴と膜表面との接触角が115.89°~125.46°であり、走査型電子顕微鏡の立体イメージングで、膜の表面形態が経緯方向に均一に分布し、平均大きさが10~20umで、高さが8~10umで、間隔が20~30umの微細凹凸として表現されるという熱間圧延による膜の製造(2)と、
を含むことを特徴とする風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の製造方法。
【0026】
(付記2)
稼働中の風車用ブレードに応用して高空膜貼り付けを行う場合、まず、ブレードの先端を地面に垂直にし、かつ風力発電ユニットの塔体と平行にし、ブレードを高空吊りかごの中間に貫通させ、膜貼り付けが、裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けの二種類の方法を採用し、四人で同時に行い、そのうちの一人は、膜を広げて貼り付け基準線に位置合わせすることを担当し、一人は、膜の貼り付け時の平滑度を整理することを担当し、一人は、膜とブレードのベース層との間の空気を排除し、かつ貼り付けスクレーパで接着することを担当し、一人は、勤務サービスと施工の協力を担当し、膜貼り付けフロー及び方法は、同様に未使用の風車用ブレードに適用され、具体的には、
手持ち式研磨機でブレードの表面に平坦度や平滑度処理を行い、同時にベース層面に貼り付けられた一部の老化したコーティングを除去することにより、PTFEナノ機能に基づく複合膜の接着要件条件を満たすブレード表面の研磨処理ステップ(1)と、
膜貼り付けステップ(2)であって、
膜の幅に応じて、ブレード先端の前縁部から、膜を横方向に翼型のアタック角、撓み及び曲率に沿って裁断し、各膜を個別に裁断し、翼型、アタック角、撓み、サイズに合致する膜に裁断した後に貼り付けを行い、
膜を貼り付ける時、膜を後縁SS面から前縁PS面に向かって貼り付け、前縁PS面部位の膜は、後縁SS面部位の膜に当接すべきであり、二つの膜の横方向の当接は、ずれて同じ位置に設置しない必要があるブレードの先端部位へ裁断スプライス貼り付けの採用1)と、
ブレードの翼型、弦長、撓み、曲率、アタック角度のサイズが巻き付け貼り付けに適する場合、膜をブレードに横方向に巻き付ける方式で貼り付け接着を行い、
ブレードの翼型、弦長、撓み、曲率、アタック角度のサイズが巻き付け貼り付けに適する場合、膜をブレードに横方向に巻き付ける方式で貼り付け接着を行い、膜に巻き付け貼り付けを行う時、まず膜を広げ、表面の離型紙を引き捨て、膜を膜貼り付け治具のニップロールの間に貫通し、両手で引っ張った後に膜に一定の張力を与え、離型紙を引き捨てながら膜に巻き付け貼り付けを行い、
ブレード先端部位で貼り付けて接着された最後の膜の縦横方向縁部を巻き付け貼り付け基準線とし、かつ基準線に合わせて膜を徐々に広げて巻き付け貼り付け接着を行いし、開始位置から膜貼り付けブレードで膜の幅全体に応じて、貼り付け面の後方すなわち膜の未展開方向に向かって均一に膜とベース層との間の空気を除去しながら、力を入れて膜をブレードの表面に接着し、膜とブレードとの間の空気を徹底的に除去する必要があり、上層の膜の重ね継ぎが次の層の膜の重ね継ぎ部位の表面を押さえ、すなわち巻き付け貼り付けされた膜が、ブレード部位が接着された後の膜に重ね継ぐ必要があり、膜の全ての横方向重ね継ぎすなわち膜と膜との継手がいずれもブレードの後縁SS面に設置される巻き付け貼り付け2)と、
まず、膜を避雷器の表面から直接被覆して貼り付け、膜全体の貼り付けが終了する前に、避雷器に被覆された膜を一つずつ切断し、避雷器を露出させ、かつ継ぎ目での膜を押し固めて平坦化するブレードの避雷器での膜の処理3)と、
当接箇所の接着が厳密であるか否かを注意深くチャックし、重ね継ぎが不厳密である状況を発見すると、しわ、膨らみ、発泡、凹凸で平坦でない現象が発生しないようにタイムリー押し固めや平坦化処理を行うべきである膜の重ね継ぎ及び巻き取り処理4)と、
施工中に膜が破断される状況が発生した場合、一枚の全体幅の膜を裁断し、破断位置の全部部位の表面に横方向に巻き付けて貼り付けて接着して貼り付け補修を行う膜破損の補修処理5)と、を含む膜貼り付けステップ(2)と、
を含むことを特徴とする付記1に記載の風車用ブレード着氷防除用のPTFEベースの膜の応用。
【0027】
(付記3)
ブレード先端部位に裁断スプライス貼り付けを行う場合、膜と膜の継手(膜の横方向の短辺)が150~200mm重ね継ぎ、膜と膜が縦方向(膜の長辺)に10~40mm重ね継ぎ、貼り付けられた第一枚の膜の縁部(縦方向)から8~10mm離れた重ね継ぎ縁部を基準線とし、第二枚の膜の縦方向の重ね継ぎが第一枚の膜の8~10mmの縁部に押し付けられることを特徴とする付記2に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
【0028】
(付記4)
膜に巻き付け貼り付けを行う時、膜と膜の重ね継ぎ幅が10~40mmであることを特徴とする付記2に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
【0029】
(付記5)
ブレード先端部位裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けを行う時、膜が広げられた後にしわ現象が発生することを回避するように、力を入れて横方向に膜を広げることを禁止し、膜が自然な平滑状態でそのまま貼り付けを行う必要があることを特徴とする付記2に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
【0030】
(付記6)
ブレード先端部位に裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けを行う時、皺、中が膨らんだか又は基準線に位置合わせせず膜が滑らかでないか又は変形するという状況が発生することを発見する場合、膜の貼り付け品質に悪影響を与えないように、まだ広げていない膜全体を皺、中が膨らんだ位置に徐々に持ち上げ、その後あらためて貼り付けることを特徴とする付記2に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。