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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/10 20150101AFI20230414BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20230414BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230414BHJP
【FI】
F21V29/10
F21S8/02 430
F21Y115:10 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018240719
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020102391
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】江原 毅
(72)【発明者】
【氏名】山口 俊治
(72)【発明者】
【氏名】平崎 琢也
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-181709(JP,A)
【文献】特開2018-056015(JP,A)
【文献】特開2011-134501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/10
F21S 8/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を含む光源を有し、造営材に設けられた貫通孔に取り付けられる灯具ユニットと、
前記灯具ユニットに電力を供給する電源部を有する電源ユニットとを備え、
前記貫通孔の貫通方向から見たときに、前記発光部は、前記貫通孔の中心からずれて配置されており、
前記貫通孔の貫通方向から見たときに、前記発光部の中心と前記貫通孔の中心とを通る直線を第1直線とし、前記貫通孔の中心を通り且つ前記第1直線に直交する直線を第2直線とし、前記第2直線を境界にして分けられた2つの領域を第1領域及び第2領域とすると、
前記灯具ユニットが前記貫通孔に取り付けられたときに、前記発光部は、前記第1領域に存在し、
前記灯具ユニットは、前記灯具ユニットを前記貫通孔に取り付けるための取付バネを有し、
前記取付バネは、前記第2直線と重なる位置に配置されており、
前記電源ユニットを前記光源側方向に可動させたときに、前記電源ユニットが前記取付バネに当接することになり、前記電源ユニットの可動範囲を前記取付バネによって規制することができ、前記電源ユニットの前記電源部を前記発光部に近づかないようにすることができる、
照明装置。
【請求項2】
前記発光部は、複数の発光素子と、前記複数の発光素子を一括封止する封止部材とを有する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記電源ユニットは、灯具ユニットに対して相対的に移動可能な状態で接続されている、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記灯具ユニットは、固定端を備え、
前記電源ユニットは、前記固定端を基点に相対的に移動可能であり、
前記貫通孔の貫通方向から見たときに、前記固定端は、前記第2領域に位置し且つ前記貫通孔と重ならない領域に位置する
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記電源ユニットは、前記灯具ユニットに対して固定して接続されており、
前記電源部は、前記第1直線と重なる位置に配置されている、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に天井等の造営材に埋め込み配設される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置として、ダウンライト等の天井に埋め込み配設された天井埋込型の照明器具が知られている。天井埋込型の照明器具は、天井の貫通孔に取り付けられた灯具ユニットと、天井裏に配置された電源ユニットと、灯具ユニットと電源ユニットとを電気的に接続する電力線とを備える(例えば特許文献1参照)。灯具ユニットは、発光部を有する光源と、光源を保持する器具本体と、器具本体を天井の貫通孔に保持させるための枠体とを有する。また、電源ユニットは、発光部を発光させるための電力を生成する電源部と、電源部を収納する電源ボックスとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-050146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダウンライト等の照明装置は、点灯させることによって光源の発光部で熱が発生するとともに電源部で熱が発生する。このため、発光部で発生した熱と電源部で発生した熱とが互いに煽り合って光源及び電源部を所定の温度以下に収めることができずに、照明装置の高出力化を図ることが難しい場合がある。
【0005】
特に、光源を保持する器具本体は発光部で発生した熱を放熱するためのヒートシンクとしても機能するために器具本体には放熱フィン等が設けられているが、断熱施工により天井裏に配置された断熱材によって器具本体が覆われてしまう場合や天井懐が狭い場合には、発光部で発生した熱を所望に放熱させることができなくなる。この場合、照明装置の高出力化を図ることが一層困難になる。このように、断熱施工対応と高出力化とを両立させる照明装置を実現することが難しい。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、発光部と電源部とが互いの発熱の煽りを受けにくくすることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置の一態様は、発光部を含む光源を有し、造営材に設けられた貫通孔に取り付けられる灯具ユニットと、前記灯具ユニットに電力を供給する電源部を有する電源ユニットとを備え、前記貫通孔の貫通方向から見たときに、前記発光部は、前記貫通孔の中心からずれて配置されており、前記貫通孔の貫通方向から見たときに、前記発光部の中心と前記貫通孔の中心とを通る直線を第1直線とし、前記貫通孔の中心を通り且つ前記第1直線に直交する直線を第2直線とし、前記第2直線を境界にして分けられた2つの領域を第1領域及び第2領域とすると、前記灯具ユニットが前記貫通孔に取り付けられたときに、前記発光部は、前記第1領域に存在し、前記電源部は、前記第2領域に存在する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、発光部と電源部とが互いの発熱の煽りを受けにくくして発光部及び電源部を所定の温度以下に容易に収めることができるので、断熱施工対応と高出力化とを両立した照明装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る照明装置の外観斜視図である。
図2】実施の形態に係る照明装置の上面図である。
図3】実施の形態に係る照明装置の断面図である。
図4】実施の形態に係る照明装置における光源(発光部)と電源部との位置関係を示す図である。
図5】実施の形態に係る照明装置において、電源ユニットを可動させたときの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る照明装置1の概略構成について、図1図3を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明装置の外観斜視図である。図2は、同照明装置1の上面図である。図3は、同照明装置1の断面図である。なお、図3では、照明装置1を天井に設置したときの状態を示している。また、図3は、照明装置1の断面部分のみを図示している。ただし、図3において、電力線300は、便宜上、断面視ではなく側面視の状態で示されている。
【0013】
図1図3に示すように、照明装置1は、例えば建物の天井等の造営材に埋め込み配設されることにより下方(床や壁等)に光を照射するダウンライト等の埋込型照明器具である。本実施の形態において、照明装置1は、天井2に埋め込み配設されたダウンライトであり、主に壁に向けて照明光を照射する。なお、照明装置1は、例えば室内に設置されるが、屋外に設置されてもよい。
【0014】
照明装置1は、発光部112を含む光源110を有する灯具ユニット100と、電源部210を有する電源ユニット200とを備える。本実施の形態において、灯具ユニット100と電源ユニット200とは、構造上分離されており、天井2の異なる箇所に設置される。
【0015】
具体的には、図3に示すように、灯具ユニット100は、天井2に設けられた貫通孔2aに対して、灯具ユニット100に備え付けられた取付バネ180によって取り付けられている。つまり、灯具ユニット100は、貫通孔2aに埋め込み配設される。一方、電源ユニット200は、天井2の裏面(天井裏)に配置される。貫通孔2aは、灯具ユニット100を天井2に取り付けるための開口部であり、天井2を貫通している。貫通孔2aは、灯具ユニット100が埋め込み配設される埋込穴であり、例えば円形開口の円形孔である。また、図3に示すように、貫通孔2aの孔軸J1の方向(貫通方向)は、鉛直方向である。つまり、貫通孔2aの孔軸J1は、天井2の天井面2bに垂直である。
【0016】
灯具ユニット100は、光源110を有する灯体であり、照明光を出射する。例えば、灯具ユニット100は、照明光として白色光を照射する。本実施の形態において、灯具ユニット100の光軸J2は、天井面2bに対して傾斜している。したがって、灯具ユニット100は、天井2から斜め方向に向かって照明光を照射する。
【0017】
電源ユニット200は、光源110を発光させるための電力を生成する電源機能を有する。具体的には、電源ユニット200は、電源部210によって、電源端子台230から供給される商用電源からの交流電力を直流電力に変換する。
【0018】
灯具ユニット100と電源ユニット200とは、電力線300によって電気的に接続されており、電源ユニット200で生成された直流電力は、電力線300を介して灯具ユニット100の光源110に供給される。電力線300は、電源ケーブル等の電力供給線である。
【0019】
電源ユニット200は、灯具ユニット100と別置されている。つまり、電源ユニット200は、灯具ユニット100の外部に設置される。本実施の形態において、電源ユニット200は、灯具ユニット100に対して相対的に移動可能な状態で、灯具ユニット100に接続されている。これにより、電源ユニット200を設置する位置を調整することができる。具体的には、灯具ユニット100と電源ユニット200とは電力線300によって接続されているので、電源ユニット200は、電力線300の長さの範囲内で動かすことができる。
【0020】
以下、照明装置1の各構成部材の具体的な構成について、図1図3を参照して詳細に説明する。なお、詳細は図示も説明もされていないが、照明装置1には、各構成部材同士を連結固定するためのネジが適宜設けられている。
【0021】
[灯具ユニット]
図1図3に示すように、灯具ユニット100は、光源110と、器具本体120と、反射板130と、透光カバー140と、枠体150と、取付バネ180とを有する。
【0022】
[光源]
図3に示すように、光源110は、例えば照明光として白色光を照射する光源モジュールである。本実施の形態において、光源110は、LEDによって構成されたLEDモジュール(LED光源)である。
【0023】
光源110は、基板111と、発光部112とを備える。本実施の形態において、光源110は、LEDが基板111に直接実装されたCOB(Chip On Board)構造である。
【0024】
基板111は、LEDを実装するための実装基板であって、例えば、セラミックス基板、樹脂基板又はメタルベース基板等である。なお、基板111には、LEDを発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の電極端子と、LED同士を電気的に接続するための所定のパターンの金属配線とが形成されている。一対の電極端子には、電力線300が接続されている。
【0025】
発光部112は、基板111に実装された複数のLEDと、複数のLEDを封止する封止部材とを有する。
【0026】
LEDは、発光素子の一例であり、本実施の形態では、単色の可視光を発するベアチップである。LEDは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。LEDは、例えば基板にマトリクス状に複数個配置されている。なお、LEDは、少なくとも1つ配置されていればよい。
【0027】
封止部材としては、例えば透光性樹脂が用いられる。本実施の形態における封止部材は、LEDからの光を波長変換する波長変換材として蛍光体を含んでいる。封止部材は、例えば、シリコーン樹脂に蛍光体を分散させた蛍光体含有樹脂である。蛍光体としては、LEDが青色光を発光する青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体を用いることができる。この場合、黄色蛍光体が、青色LEDチップが発した青色光の一部を吸収して励起されて黄色光を放出する。そして、この黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざって白色光となって光源110から出射する。
【0028】
本実施の形態において、封止部材は、全てのLEDを一括封止するように平面視形状が円形となるように形成されている。封止部材の外形は、発光部112の外形を規定する。なお、封止部材は、円形以外の形状(例えば矩形状)となるようにLEDを一括封止してもよい。また、封止部材は、全てのLEDを一括封止するのではなく、複数のLEDを列ごとにライン状に封止してもよいし、各LEDを1つずつ個別に封止してもよい。
【0029】
このように構成される光源110は、器具本体120に取り付けられている。本実施の形態では、反射板130によって光源110を器具本体120に押さえつけ、反射板130と器具本体120とをネジ等によって固定することで、光源110を器具本体120の所定の位置に固定することができる。なお、反射板130とは別に設けたホルダによって光源110を器具本体120に固定してもよい。
【0030】
光源110は、電源ユニット200の電源部210から供給される電力によって発光する。光源110(発光部112)が発した光は、透光カバー140を透過して照明装置1の外部に出射される。
【0031】
また、本実施の形態において、光源110は、天井面2bに対して傾斜した状態で器具本体120に取り付けられている。つまり、光源110の発光部112の発光面は、鉛直方向を法線とする水平面に対して傾斜している。したがって、灯具ユニット100が貫通孔2aに取り付けられたときに、光源110の発光部112の光軸は、天井面2bの法線と平行ではなく、天井面2bに対して傾斜している。すなわち、光源110(発光部112)の光軸は、天井2の貫通孔2aの開口面に対して傾斜している。なお、光源110(発光部112)の光軸は、灯具ユニット100の光軸J2と同じである。
【0032】
また、光源110の発光部112は、貫通孔2aの孔軸J1からずれて配置されている。つまり、貫通孔2aの孔軸J1は、光源110の発光部112と交差していない。
【0033】
[器具本体]
図3に示すように、器具本体120は、光源110が取り付けられる基台である。本実施の形態において、器具本体120は、灯具ユニット100の外郭を構成する外郭部材である。
【0034】
器具本体120は、光源110を保持する保持部材として機能するとともに、光源110で発生した熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。したがって、器具本体120は、アルミニウム等の金属材料又は高熱伝導樹脂等の熱伝導率の高い材料によって作製されているとよい。本実施の形態において、器具本体120は、アルミダイカスト製である。
【0035】
器具本体120は、光源110が収納される凹部121を有する。具体的には、器具本体120は、円盤状の底部122と、内面が略円筒面状の側壁部123とを有しており、凹部121は、底部122と側壁部123とによって囲まれる領域である。なお、凹部121には、光源110だけではなく、反射板130の一部も収納される。
【0036】
底部122は、凹部121の底面をなす第1面122aと、第1面122aに背向する第2面122bとを有する。第1面122aは、器具本体120の内面である。第2面122bは、器具本体120の外面であって、外部に露出する露出面である。また、第2面122bは、器具本体120の上面である。
【0037】
底部122には、光源110が載置される載置部124が設けられている。具体的には、載置部124は、底部122の第1面122a(凹部121の底面)から透光カバー140に向かって突出するように形成されている。光源110は、この突出した載置部124の頂面に載置されている。
【0038】
光源110と載置部124との間には熱伝導シート又は熱伝導板等の熱伝導部材160が挿入されている。熱伝導部材160を設けることで、光源110で発生する熱を効率良く器具本体120に伝導させることができる。なお、熱伝導部材160は、グリース等であってもよい。
【0039】
器具本体120における凹部121に背向する外面には、鉛直方向を法線とする水平面に対して傾斜する傾斜面が含まれている。具体的には、器具本体120における底部122の第2面122bに傾斜面が含まれており、この傾斜面は、天井面2bに対して傾斜している。つまり、第2面122bの傾斜面は、天井2の貫通孔2aの開口面に対して傾斜している。なお、本実施の形態では、底部122の第2面122bの全体が傾斜しており、第2面122b全体が傾斜面になっている。
【0040】
また、本実施の形態では、底部122そのものが天井面2bに対して傾斜した状態で設けられている。このため、第2面122bが天井面2bに対して傾斜しているだけではなく、載置部124が形成された第1面122aも天井面2bに対して傾斜している。
【0041】
器具本体120は、電力線300が挿通される挿通孔125を有する。挿通孔125は、電力線300を配線する配線口であり、器具本体120を貫通している。本実施の形態において、挿通孔125は、器具本体120の底部122を貫通している。具体的には、挿通孔125は、底部122の第2面122bから第1面122aまでを貫通するように形成されている。なお、挿通孔125は、平面視形状が矩形状の開口となるように形成されているが、挿通孔125の開口形状は、矩形状に限るものではなく、例えば円形状であってもよい。
【0042】
挿通孔125は、第2面122bの傾斜面に設けられている。したがって、挿通孔125の第2面122bにおける開口面は、傾斜している。
【0043】
また、挿通孔125には、シール部材170が配置されている。シール部材170は、挿通孔125を塞ぐ蓋として機能する。シール部材170を挿通孔125に配置することで、挿通孔125を封止することができる。シール部材170には、電力線300が挿通する貫通孔を有する。本実施の形態において、電力線300は2本であるので、シール部材170には2つの貫通孔が設けられている。電力線300は、シール部材170と隙間を空けることなく貫通孔に挿通される。
【0044】
シール部材170は、例えばシリコーンやエラストマー等の弾性を有する絶縁樹脂材料によって形成されている。したがって、シール部材170の貫通孔に挿通される電力線300は、シール部材170の弾性による押圧によってシール部材170と隙間なく密着している。
【0045】
このように、シール部材170を設けることで、挿通孔125に蓋をすることができるので、器具本体120の第2面122bに水が存在していても挿通孔125から器具本体120の内部に水が浸入することを抑制することができる。本実施の形態では、シール部材170には外方に向かって突出部が設けられているので、挿通孔125とシール部材170の上面との間に水が溜まることを抑制できるとともに、挿通孔125から器具本体120内に水が浸入することを抑制できる。
【0046】
さらに、本実施の形態では、器具本体120の第2面122b(上面)が傾斜面になっているので、雨漏りや結露等によって第2面122bに水が付着したとしても、水を傾斜面に沿って下方に流すことができるので、第2面122bに水が溜まって挿通孔125から器具本体120内に水が浸入したり、第2面122bなどが腐食したりすることを抑制できる。
【0047】
また、器具本体120には、器具本体120の一部から横方向に突出する放熱部126が設けられている。つまり、器具本体120は、上端部が折れ曲がるように形成されており、この器具本体120の折れ曲がった部分が放熱部126となっている。具体的には、放熱部126は、側壁部123から横方向に突出して水平面と略平行に延在するように形成されている。つまり、放熱部126は、天井面2bに沿って延在している。本実施の形態において、光源110の発光部112は貫通孔2aの孔軸J1からずれて配置されており、放熱部126は、光源110が位置する方向とは反対方向に延在している。
【0048】
このように、器具本体120の一部から横方向に突出する放熱部126を設けることによって、断熱施工により天井裏に配置された断熱材によって器具本体120が覆われてしまう場合や天井懐が狭い場合であっても、器具本体120の放熱容量(包絡体積)を稼ぐことができるので光源110で発生した熱を効率良く放熱させることができる。
【0049】
本実施の形態において、底部122が水平面(天井面2b)に対して傾斜しているので、水平面と略平行に延在する放熱部126は、底部122に対して傾斜している。したがって、底部122の外面(第2面122b)は、放熱部126の外面から折れ曲がるように傾斜している。
【0050】
また、器具本体120は、複数の放熱フィン127を有する。複数の放熱フィン127も放熱部として機能する。複数の放熱フィン127の各々は、平板状であり、器具本体120の外面に立設されている。複数の放熱フィン127は、器具本体120と一体的に設けられている。このように、器具本体120に複数の放熱フィン127を設けることによって、光源110で発生する熱を効率よく放熱させることができる。
【0051】
本実施の形態において、複数の放熱フィン127の各々の少なくとも一部は、第2面122bの傾斜面に位置している。複数の放熱フィン127の各々は、第2面122bの傾斜面の傾斜方向に延在する部分を有する。具体的には、複数の放熱フィン127の各々は、凹部121に背向する外面(つまり、光源110に対向する部分の第2面122b)から放熱部126にわたって延在している。つまり、複数の放熱フィン127は、器具本体120における凹部121に背向する部分と放熱部126とに設けられている。このように、放熱フィン127を光源110に対向する部分から放熱部126にわたって設けることで、光源110で発生する熱を効率良く放熱フィン127に伝導させて放熱させることができる。本実施の形態では、3つの放熱フィン127が設けられている。
【0052】
図1図3に示すように、複数の放熱フィン127のうち隣り合う2つの放熱フィン127の間には、電力線300が配置されている。つまり、電源ユニット200から導出された電力線300は、隣り合う2つの放熱フィン127の間を通って挿通孔125に挿通されて光源110に接続されている。
【0053】
また、放熱部126の先端部には、電力線300を保持するための保持部128(電力線保持部)が設けられている。本実施の形態において、保持部128は、放熱部126の先端部から突出させた突出部に設けられた貫通孔である。この貫通孔に電力線300を通すことで、電力線300の動きを規制して電力線300を保持することができる。
【0054】
保持部128は、灯具ユニット100の固定端であり、電源ユニット200は、この固定端(保持部128)を基点に相対的に移動可能となっている。これにより、保持部128を支点にして、保持部128から電源ユニット200までの電力線300の長さの範囲内で電源ユニット200を自由に可動させることができる。具体的には、保持部128を支点にして電源ユニット200を天井裏面(水平面)に沿って可動させることができる。なお、貫通孔である保持部128に電力線300を単に挿通させるだけではなく、保持部128で電力線300を固定してもよい。このように、保持部128で電力線300を固定することで、電源ユニット200の移動により、電力線300に接続される光源110にストレスがかかることを抑制できる。更に、電力線300は、保護チューブに挿入されて、挿通孔125から電源ユニット200まで接続し、電力線300が挿入された保護チューブを保持部128で固定してもよい。
【0055】
[反射板]
図3に示される反射板130は、光源110から出射した光を反射する反射部材である。具体的には、反射板130の内面は、光源110からの光を反射させる反射面となっており、反射板130は、反射面によって光源110から出射した光を所望の方向に向くように制御している。一例として、反射板130は、内面形状が円錐台形状であり、内径が光入射側(光源側)の開口部から光出射側の開口部に向かって漸次大きくなるように構成されている。
【0056】
反射板130は、例えば樹脂材料又は金属材料によって形成することができる。具体的には、反射板130は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂材料を用いた作製された白色の樹脂成型品であってもよいし、樹脂成型品の内面にアルミニウム等の金属膜が形成されたものであってもよいし、アルミニウム等の金属材料によって形成された金属部品であってもよい。
【0057】
このように構成される反射板130は、器具本体120に取り付けられている。具体的には、反射板130は、光源110を押さえつけた状態で器具本体120に固定されている。
【0058】
[透光カバー]
図3に示される透光カバー140は、透光性を有する材料によって形成された透光部材である。具体的には、透光カバー140は、アクリル(PMMA)又はポリカーボネート(PC)等の透明樹脂材料又はガラス材料によって形成することができる。
【0059】
透光カバー140は、光源110を覆うように配置される。具体的には、透光カバー140は、反射板130の光出射側の開口部を覆うように、枠体150に取り付けられている。言い換えると、透光カバー140の背面側に光源110が配置されている。透光カバー140を設けることによって光源110を保護することができる。なお、透光カバー140は、反射板130も覆っている。
【0060】
本実施の形態において、透光カバー140は、厚みが略一定で平板状の透光板であり、枠体150の光源110側の開口部を覆うように枠体150に取り付けられている。なお、透光カバー140は、平板状の透光板に限るものではない。例えば、透光カバー140は、ドーム状に湾曲していてもよい。
【0061】
また、透光カバー140は、透明であってもよいが、光拡散性(光散乱性)を有していてもよい。例えば、透光性樹脂材料に光反射微粒子等の光拡散材を分散させて透光カバー140を作製することで、透光カバー140として光拡散性を有する乳白の拡散カバーを得ることができる。このように、透光カバー140に光拡散性を持たせることで、光源110を直接視認されることを抑制したり、反射板130で集めた光を照射する壁や床に向かって柔らかく拡散したりできる。本実施の形態において、透光カバー140は、拡散カバーである。
【0062】
なお、透光カバー140に光拡散性を持たせる場合、光拡散材を透光部材の内部に分散させた構成に限らない。例えば、透光部材の表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成したり、光拡散材を用いるのではなくシボ加工処理等によって透光部材の表面に複数の微小凹凸(ドット、プリズム)を形成したりしてもよい。
【0063】
また、透光カバー140は、レンズ機能を有していてもよい。例えば、透光カバー140に集束機能を持たせることで光源110からの光を集光することができ、狭配光角の照明光(スポット光)を実現できる。この場合、透光カバー140としては、フレネルレンズ等のレンズ部品とすることができる。また、透光カバー140に発散機能を持たせることで、光源110からの光を拡大することができ、広配光角の照明光を実現できる。
【0064】
光源110から出射した光は、透光カバー140を透過して外部に出射する。このとき、透光カバー140は、光源110からの光によって疑似発光する面発光部として機能する。つまり、透光カバー140の外面は、発光面(疑似発光面)となる。
【0065】
このように構成される透光カバー140は、天井面2bに対して傾斜して配置されている。具体的には、透光カバー140は、天井面2bに対して傾斜した状態で枠体150に取り付けられている。つまり、透光カバー140の発光面は、天井2の貫通孔2aの開口面に対して傾斜しており、鉛直方向を法線とする水平面に対して傾斜している。このように、透光カバー140の発光面を傾斜させることで、灯具ユニット100の照明光の照射方向を傾斜させることができる。
【0066】
本実施の形態において、透光カバー140と光源110とは同じ傾斜角で傾斜している。具体的には、透光カバー140は、光源110の発光部112の発光面と略平行となるように配置されている。したがって、透光カバー140の発光面と光源110(発光部112)の発光面とは略平行であり、透光カバー140の光軸(中心軸)と光源110(発光部112)の光軸とは一致している。つまり、透光カバー140の光軸は、灯具ユニット100の光軸J2と同じになっている。
【0067】
[枠体]
図3に示すように、枠体150は、光源110から出射した光が通過する筒状体である。本実施の形態において、枠体150は、灯具ユニット100の外郭を構成する外枠である。
【0068】
枠体150の光源110側の開口部には透光カバー140が配置されている。したがって、枠体150には、光源110から出射して透光カバー140を透過した光が入射し、枠体150に入射した光は、枠体150内を通過して枠体150から外部に出射される。なお、枠体150は、補助反射板としても機能し、枠体150の内面に入射した光は枠体150の内面で反射して枠体150の外部に出射する。
【0069】
枠体150には、灯具ユニット100を天井2の貫通孔2aに取り付けるための取付部材である取付バネ180が接続されている。取付バネ180は、例えば金属板からなる板バネである。本実施の形態では、3つの取付バネ180が枠体150の外周面に取り付けられている。具体的には、3つの取付バネ180は、180度間隔で配置された一対の取付バネ180と、これらの一対の取付バネ180の各々と90度間隔で配置された1つの取付バネ180とによって構成されている。つまり、枠体150の周方向に沿って、0度、90度及び180度の3ヵ所に取付バネ180が設けられている。なお、取付バネ180の内、前述の90度の方向に配置された取付バネ180は、貫通孔2aの貫通方向から見たときに、放熱部126と重なる位置に配置されている。つまり、この取付バネ180の1つは、放熱部126の下方に位置している。
【0070】
これにより、器具本体120の横方向に放熱部126が突出することで偏荷重となった灯具ユニット100であっても、灯具ユニット100が傾くことなく貫通孔2aに灯具ユニット100を保持させることができる。しかも、照明装置1を天井裏に設置する際に貫通孔2aに放熱部126を挿入する過程で、必要以上に取付バネ180を屈曲させることがなくなるので、取付バネ180が予定外の形状に変形してしまうことを抑制することができる。更には、天井2が床面に対して傾斜し、灯具ユニット100が床面を照射する方向に配置された場合にも、安定して灯具ユニット100を保持することができる。
【0071】
枠体150は、アルミニウム等の金属材料によって構成されている。本実施の形態において、枠体150は、アルミダイカスト製である。本実施の形態では、枠体150には、白塗装が施されている。枠体150は、貫通孔2a取り付けられたときに外部に露出するため、天井2の色に合わせた塗装(黒塗装など)が施されていてもよい。なお、枠体150の材質は、金属材料に限るものではなく、樹脂材料であってもよい。
【0072】
また、枠体150は、径方向の外向きに突出するフランジ部(鍔部)151を有する。フランジ部151は、枠体150の光出射側の縁部に設けられている。具体的には、フランジ部151は、枠体150の光出射側の端部から枠体150の外方に突出するように環状に設けられている。
【0073】
灯具ユニット100を天井2の貫通孔2aに取り付ける際、枠体150のフランジ部151を天井2の天井面2bに係止させて枠体150の外周面に設けられた3つの取付バネ180の弾性変形させた状態で灯具ユニット100を貫通孔2aに挿入し、取付バネ180の弾性復元することで、枠体150が取付バネ180の付勢力で天井2に固定される。具体的には、バネ復元力によって天井2の貫通孔2aの内側面を取付バネ180が押圧することで、灯具ユニット100を貫通孔2aに保持させることができる。
【0074】
枠体150は、器具本体120の凹部121の開口部に取り付けられている。具体的には、枠体150は、器具本体120の側壁部123に取り付けられている。例えば、枠体150は、ねじ等によって器具本体120に固定されている。したがって、枠体150を天井2に取り付けることで、枠体150とともに器具本体120も天井2に固定される。
【0075】
[電源ユニット]
図1図3に示すように、電源ユニット200は、電源部210と、電源部210を収納する筐体220とを有する。上記のように、電源ユニット200は、灯具ユニット100の外部に設置される。したがって、電源部210及び筐体220は、灯具ユニット100の器具本体120の外部に設置される。電源部210は、電力線300を介して光源110と電気的に接続されている。
【0076】
電源部210は、光源110を発光させるための電源装置である。具体的には、電源部210は、光源110の発光部112における発光素子(LED)を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。この場合、電源部210は、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換する。電源部210で生成された直流電力は、電力線300を介して光源110に供給される。なお、電源部210には、調光回路や昇圧回路などが組み合わされていてもよい。
【0077】
電源部210は、例えば、所定形状の金属配線が形成されたプリント回路基板と、プリント回路基板に実装された複数の回路素子とを有する。回路基板に実装される回路素子は、光源110を発光させるための電子部品であり、例えば、容量素子(電解コンデンサ、セラミックコンデンサ等)、抵抗素子(抵抗器等)、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード、集積回路素子(IC)、又は、半導体素子(FET等)等である。
【0078】
筐体220は、金属製又は絶縁樹脂製のケースである。本実施の形態において、筐体220は、金属ケースである。電源部210を収納する筐体220は、電源ボックスとして天井裏に配置される。
【0079】
また、電源ユニット200には、電源端子台230が設けられている。電源端子台230にはVVFケーブル等の電線が接続されており、この電線によって商用電源からの交流電力が電源端子台230に供給される。電源端子台230に供給された交流電力は、電源部210に供給される。
【0080】
[電力線]
図1図3に示すように、電力線300は、光源110と電源部210とを電気的に接続するための導電線である。具体的には、電力線300は、光源110を発光させるための直流電力を、電源部210から光源110に供給するための電源線である。具体的には、電力線300は、器具本体120に設けられた挿通孔125に挿通されており、電力線300の一方端は、器具本体120内に配置された光源110と電気的に接続され、電力線300の他方端は、電源部210と電気的に接続される。
【0081】
本実施の形態おいて、電力線300は、複数である。具体的には、電力線300は、一対設けられている。一対の電力線300の一方は、高電位側の第1電力線であり、一対の電力線300の他方は、低電位側の第2電力線である。一対の電力線300の各々は、例えば、合金銅等の導電材料からなる芯線と当該芯線を被覆する絶縁性の樹脂被膜とによって構成されたリード線である。なお、電力線300には、さらに、器具本体120等に接触するアース用の電線が含まれていてもよい。
【0082】
[照明装置の特徴]
次に、本実施の形態に係る照明装置1の特徴について、図1図3を参照しながら、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態1に係る照明装置1における光源110(発光部112)と電源部210との位置関係を示す図である。図4の(a)は、貫通孔2aの貫通方向から見たときの光源110(発光部112)と電源部210との位置関係を示しており、図4の(b)は、照明装置1を断面視したときの光源110(発光部112)と電源部210との位置関係を示している。なお、図4において、電源ユニット200は、模式的に示している。
【0083】
図4の(a)に示すように、照明装置1では、貫通孔2aの貫通方向から見たとき(つまり、天井2を平面視したときに)に、光源110の発光部112は、貫通孔2aの中心P1からずれて配置されている。
【0084】
本実施の形態では、光源110の発光部112の光軸を貫通孔2aの開口面に対して傾斜させている。これにより、光源110の発光部112を貫通孔2aの中心P1から簡単にずらすことができる。つまり、光源110を傾けることで、発光部112を貫通孔2aの中心P1からずらしている。
【0085】
さらに、照明装置1では、貫通孔2aの貫通方向から見たときに、光源110の発光部112の中心P2と貫通孔2aの中心P1とを通る直線を第1直線L1とし、貫通孔2aの中心P1と通り且つ第1直線L1に直交する直線を第2直線L2とし、この第2直線L2を境界にして分けられた2つの領域を第1領域A1及び第2領域A2とすると、灯具ユニット100が貫通孔2aに取り付けられたときに、光源110の発光部112は、第1領域A1に存在し、電源ユニット200の電源部210は、第2領域A2に存在している。つまり、貫通孔2aの貫通方向から見た場合に貫通孔2aの中心P1を通る直線で2つの領域に分けたときに、光源110の発光部112と電源ユニット200の電源部210とは異なる領域に配置されている。
【0086】
これにより、発光部112と電源部210とを離間させることができるので、発光部112と電源部210とが互いの発熱の煽りを受けにくくすることができる。したがって、発光部112及び電源部210を所定の温度以下に容易に収めることができるので、断熱施工対応と高出力化とを両立した照明装置1を実現することができる。
【0087】
なお、光源110の発光部112の中心P2は、発光部112と発光部112の光軸(最大光強度)との交差部である。
【0088】
また、本実施の形態において、電源部210は、第1直線L1と重なる位置に配置されている。
【0089】
これにより、電源部210を発光部112から最も遠ざけることができるので、発光部112と電源部210とが互いの発熱の煽りを一層受けにくくすることができる。また、本実施の形態においては、電源ユニット200が灯具ユニット100に対して移動可能に接続されているが、電源ユニット200が灯具ユニット100に対して固定接続されることで、電源部210を第1直線L1と重なる位置に配置することができる。
【0090】
また、本実施の形態において、発光部112は、複数の発光素子と、複数の発光素子を一括封止する封止部材とを有する。具体的には、発光部112は、COB構造である。
【0091】
COB構造の発光部112は熱がこもりやすいため、発光部112で発生する熱を効率よく放熱させることが望ましい。そこで、本実施の形態における照明装置1のように、電源部210を発光部112から遠ざけることで、発光部112が電源部210の熱の煽りを受けることを軽減できる。したがって、COB構造の発光部112であっても、発光部112で発生する熱を効率よく放熱させることができる。
【0092】
また、本実施の形態における照明装置1において、取付バネ180は、第2直線L2と重なる位置に配置されている。具体的には、3つの取付バネ180のうち一対の取付バネ180が第2直線L2と重なる位置に配置されている。
【0093】
これにより、図5に示すように、電源ユニット200を光源110側方向に可動させたときに、電源ユニット200が取付バネ180に当接することになる。つまり、電源ユニット200の可動範囲を取付バネ180によって規制することができ、電源ユニット200の電源部210を発光部112に近づかないようにすることができる。したがって、発光部112と電源部210との距離を一定以上に容易に維持することができるので、発光部112と電源部210とが互いの発熱の煽りを受けにくくすることができる。
【0094】
また、本実施の形態における照明装置1において、電源ユニット200は、灯具ユニット100の固定端を基点に相対的に移動可能となっており、貫通孔2aの貫通方向から見たときに、灯具ユニット100の固定端は、第2領域A2に位置し且つ貫通孔2aと重ならない領域に位置しているとよい。
【0095】
これにより、灯具ユニット100の固定端を基点として電源ユニット200を容易に移動させることができる。なお、灯具ユニット100の固定端は、例えば、保持部128である。
【0096】
(変形例)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0097】
例えば、上記の実施の形態において、光源110(LED光源)は基板上にLEDチップを直接実装したCOB構造としたが、これに限らない。例えば、COB構造のLEDモジュールに代えて、SMD(Surface Mount Device)構造のLEDモジュールを用いても構わない。SMD構造のLEDモジュールは、樹脂製のパッケージ(容器)の凹部の中にLEDチップ(発光素子)を実装して当該凹部内に封止部材(蛍光体含有樹脂)を封入したパッケージ型のLED素子(SMD型LED素子)を、1個又は複数個、基板111に実装した構成である。光源110としてSMD構造のLEDモジュールを用いる場合、光源110の発光部の中心は、基板111と光源110の光軸(最大光強度)との交差部とすればよい。
【0098】
また、上記の実施の形態において、発光部112は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることによりに白色光を放出するように構成しても構わない。
【0099】
また、上記の実施の形態において、LEDとして、青色LEDチップを用いたが、これに限らない。例えば、LEDとしては、青色以外の色を発光するLEDチップを用いても構わない。この場合、蛍光体としては、LEDの発光波長に応じて適宜選択すればよい。
【0100】
また、上記の各実施の形態では、発光素子としてLEDを例示したが、発光素子としては、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のその他の固体発光素子を用いてもよい。
【0101】
また、上記の各実施の形態における照明装置は、天井以外の造営材(被取付部)に設置されていてもよい。また、本発明は、ダウンライト以外の照明器具にも適用することができる。
【0102】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1 照明装置
2a 貫通孔
100 灯具ユニット
110 光源
112 発光部
120 器具本体
126 放熱部
128 保持部
180 取付バネ
200 電源ユニット
210 電源部
300 電力線
図1
図2
図3
図4
図5