(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】音声発話装置、音声発話システム、及び、音声発話方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20230414BHJP
G10L 13/00 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
G06F3/16 680
G06F3/16 620
G06F3/16 690
G10L13/00 100Z
(21)【出願番号】P 2021568762
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 JP2021025763
(87)【国際公開番号】W WO2022176226
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2021026023
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】池田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】黒山 和宏
(72)【発明者】
【氏名】松永 悟
(72)【発明者】
【氏名】大橋 由暉
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-151838(JP,A)
【文献】特開2013-074511(JP,A)
【文献】特開2012-133764(JP,A)
【文献】特開2020-188404(JP,A)
【文献】特開2020-121013(JP,A)
【文献】特開2016-134038(JP,A)
【文献】特開2016-057770(JP,A)
【文献】特開2009-027567(JP,A)
【文献】特開2020-043471(JP,A)
【文献】特開2020-190626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G10L 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
対象機器に付与する1以上の名称の候補を前記表示部に表示させ、前記1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付ける選択部と、
前記対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信するための受信部と、
前記受信部が受信した前記第1状態情報に基づいて、前記選択部が受け付けた前記1つの名称を含む発話文であって、前記対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成部と、
前記発話文を音声で出力する音声出力部と、
前記対象機器の動作履歴を示す動作情報を記憶する動作履歴記憶部と、
前記対象機器の性能を示す機器情報を記憶する機器情報記憶部と、
前記動作情報及び前記機器情報に基づいて、前記対象機器の設置場所を推定する設置場所推定部と、を備え、
前記選択部は、前記対象機器の設置場所を示す情報を含む名称を、前記1以上の名称の候補のうちの少なくとも1つの候補として作成して、作成した前記少なくとも1つの候補を含む前記1以上の名称の候補を前記表示部に表示させる
音声発話装置。
【請求項2】
前記発話文作成部は、
前記選択部が前記1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付けた場合、前記選択部が受け付けた前記1つの名称を含む発話文を作成し、
前記選択部が前記1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付けていない場合、前記設置場所推定部が推定した前記対象機器の設置場所を示す情報を含む発話文を作成する
請求項
1に記載の音声発話装置。
【請求項3】
前記対象機器は、自律走行型掃除機であり、
前記動作履歴は、前記対象機器から取得した、前記対象機器の走行経路を示す走行経路情報を含み、
前記設置場所推定部は、前記走行経路情報に基づいて、前記対象機器が走行した空間に配置された家具の脚の数、及び、家具のレイアウトの少なくとも一方を推定し、推定結果に基づいて前記対象機器の設置場所を推定する
請求項
1又は2に記載の音声発話装置。
【請求項4】
前記機器情報は、さらに、前記対象機器を含む複数の機器のそれぞれの種類を示し、
前記選択部は、
前記複数の機器のうち、前記対象機器と同種の機器の数を算出し、
算出した前記同種の機器の数に基づいて、前記対象機器の名称の候補の文字数を決定し、決定した文字数となるように、前記少なくとも1つの候補を作成する
請求項
1~3のいずれか1項に記載の音声発話装置。
【請求項5】
表示装置と、
ユーザからの選択を受け付ける受付装置と、
対象機器に付与する1以上の名称の候補を前記表示装置に表示させ、前記1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を、前記受付装置を介して受け付ける選択部、前記対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信するための受信部、及び、前記受信部が受信した前記第1状態情報に基づいて、前記受付装置が受け付けた前記1つの名称を含む発話文であって、前記対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成部を有するサーバ装置と、
前記発話文を音声で出力する音声出力装置と、を備え
、
前記サーバ装置は、さらに、
前記対象機器の動作履歴を示す動作情報を記憶する動作履歴記憶部と、
前記対象機器の性能を示す機器情報を記憶する機器情報記憶部と、
前記動作情報及び前記機器情報に基づいて、前記対象機器の設置場所を推定する設置場所推定部と、を備え、
前記選択部は、前記対象機器の設置場所を示す情報を含む名称を、前記1以上の名称の候補のうちの少なくとも1つの候補として作成して、作成した前記少なくとも1つの候補を含む前記1以上の名称の候補を前記表示装置に表示させる
音声発話システム。
【請求項6】
対象機器に付与する1以上の名称の候補を表示部に表示させ、前記1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付ける選択ステップと、
前記対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信部が受信した場合、前記第1状態情報に基づいて、前記選択ステップで受け付けた前記1つの名称を含む発話文であって、前記対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成ステップと、
前記発話文を音声で出力する音声出力ステップと、
前記対象機器の動作履歴を示す動作情報及び前記対象機器の性能を示す機器情報に基づいて、前記対象機器の設置場所を推定する設置場所推定ステップと、を含み、
前記選択ステップでは、前記対象機器の設置場所を示す情報を含む名称を、前記1以上の名称の候補のうちの少なくとも1つの候補として作成して、作成した前記少なくとも1つの候補を含む前記1以上の名称の候補を前記表示部に表示させる
音声発話方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音声発話装置、音声発話システム、及び、音声発話方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家電等の電子機器において、音声を出力(発話)する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、電子機器のユーザの属性情報と当該電子機器の属性情報との少なくとも一方に基づいて設定された特性情報に基づいて、当該電子機器が発話するための音声データを作成するサーバ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
音声を出力する機器によっては、自機器に関する情報だけではなく、他の機器に関する情報をユーザに通知するための音声を出力する場合がある。この場合、どの機器に関する情報であるかを適切にユーザに通知する必要がある。
【0006】
そのために、例えば、ユーザに通知する発話文に、該当する機器の名称(機器名)を含ませることが考えられる。そこで、適切な機器名を簡単に設定できることが望まれている。
【0007】
本開示は、適切な機器名を簡単に設定できる音声発話装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る音声発話装置は、表示部と、対象機器に付与する1以上の名称の候補を前記表示部に表示させ、前記1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付ける選択部と、前記対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信するための受信部と、前記受信部が受信した前記第1状態情報に基づいて、前記選択部が受け付けた前記1つの名称を含む発話文であって、前記対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成部と、前記発話文を音声で出力する音声出力部と、を備える。
【0009】
また、本開示の一態様に係る音声発話システムは、表示装置と、ユーザからの選択を受け付ける受付装置と、対象機器に付与する1以上の名称の候補を前記表示装置に表示させ、前記1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を、前記受付装置を介して受け付ける選択部、前記対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信するための受信部、及び、前記受信部が受信した前記第1状態情報に基づいて、前記受付装置が受け付けた前記1つの名称を含む発話文であって、前記対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成部を有するサーバ装置と、前記発話文を音声で出力する音声出力装置と、を備える。
【0010】
また、本開示の一態様に係る音声発話方法は、対象機器に付与する1以上の名称の候補を表示部に表示させ、前記1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付ける選択ステップと、前記対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信部が受信した場合、前記第1状態情報に基づいて、前記選択ステップで受け付けた前記1つの名称を含む発話文であって、前記対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成ステップと、前記発話文を音声で出力する音声出力ステップと、を含む。
【0011】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、適切な機器名を簡単に設定できる音声発話装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る音声発話装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る音声発話装置が機器の設置場所を推定する処理の第1例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る音声発話装置が機器の設置場所を推定する処理の第2例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る音声発話装置が機器の設置場所を推定する処理の第3例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る音声発話装置が機器の設置場所を推定する処理の第4例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る音声発話装置が機器の設置場所を推定する処理の第5例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る音声発話装置が機器の設置場所を推定する処理の第6例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る音声発話装置が機器の設置場所を推定する処理の第7例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る音声発話装置が機器の設置場所を推定する処理の第8例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施の形態に係る音声発話装置が表示装置に表示させる画像の具体例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る音声発話装置の機器名称を設定する処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施の形態に係る音声発話装置が音声出力部に音声を出力させる処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施の形態に係る音声発話システムの具体的な構成を示す模式図である。
【
図14】
図14は、実施の形態に係る音声発話システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本開示の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0016】
(実施の形態)
[構成]
図1は、実施の形態に係る音声発話装置500の構成を示すブロック図である。
【0017】
音声発話装置500は、機器600において、処理の状態が変わったことを示す情報、故障を通知する情報、フィルタ等の部品の交換をユーザに促すための情報、機器600が有する機能をユーザに通知(おすすめ通知)するための情報等の情報(通知情報)が出力された場合に、当該情報を音声でユーザに通知する装置である。
【0018】
機器600は、例えば、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、照明装置、ドアホン等の電化製品等であって、機器600の情報を出力可能な機器(情報元機器)である。機器600は、例えば、機器600を示す固有の識別子である識別情報、機器600の性能(スペック)等を示す機器情報、及び、処理(動作)の状態又は故障等の機器600の状態を示す状態情報を音声発話装置500に送信する。
【0019】
機器600は、例えば、音声発話装置500と通信するための通信インターフェースと、冷蔵、洗濯、加熱等の処理を実行する実行部と、機器600の状態を検出するためのセンサ等により実現される検出部と、機器600の各種処理を制御するプロセッサ及びメモリ等により実現される制御部と、を備える。
【0020】
音声発話装置500は、エアコン(エアコンディショナ)、テレビ(テレビジョン)、自律走行型掃除機(いわゆる、ロボット掃除機)等の電化製品(例えば、いわゆる家電)等であって、スピーカ等の音声を出力可能な部品を備える機器(スピーカ搭載家電)である。なお、音声発話装置500は、スマーフォンやタブレット等の端末装置でもよい。音声発話装置500は、例えば、機器600の状態を示す状態情報を受信した場合に、機器600の状態をユーザに説明するための音声を出力する。
【0021】
なお、
図1には、機器600を2つ示しているが、音声発話装置500と通信する機器600の数は、1つでもよいし、複数でもよく、特に限定されない。
【0022】
音声発話装置500は、1以上の機器600のそれぞれと通信可能に接続されている。
【0023】
機器600及び音声発話装置500のそれぞれは、例えば、ユーザが居住する家屋内に配置されている。
【0024】
音声発話装置500は、発話文処理部100と、取得部210と、音声出力部230と、表示部300と、受付部400と、を備える。
【0025】
発話文処理部100は、1以上の機器600から状態情報を取得し、取得した状態情報に基づいて、当該状態情報が取得された機器600の名称を決定し、決定した名称を含む発話文を音声出力部230に出力させる。
【0026】
発話文処理部100は、受信部110と、設置場所推定部120と、選択部130と、発話文作成部140と、動作履歴記憶部151と、機器情報記憶部152と、部屋名記憶部153と、機器名記憶部154と、発話文記憶部155と、を備える。
【0027】
受信部110は、機器600から状態情報を受信するための通信インターフェースである。受信部110は、例えば、音声発話装置500が機器600と有線通信する場合、通信線が接続されるコネクタ等により実現され、無線通信する場合、アンテナ及び無線通信回路等により実現される。
【0028】
設置場所推定部120は、機器600から取得された情報に基づいて、機器600の設置場所を推定(算出)する処理部である。具体的には、設置場所推定部120は、機器600の動作履歴を示す動作情報(履歴情報)及び機器情報に基づいて、機器600の設置場所を推定する。例えば、設置場所推定部120は、動作履歴記憶部151に記憶されている機器600の動作履歴を示す動作情報と、機器情報記憶部152に記憶されている機器600の機器情報とに基づいて、当該機器600の設置場所を推定する。
【0029】
なお、設置場所推定部120が機器600の設置場所を推定するタイミングは、任意でよい。当該タイミングは、例えば、音声発話装置500が機器600から機器情報及び/又は状態情報を受信したタイミングでもよいし、ユーザから機器名を設定する指示を受け付けた場合でもよい。
【0030】
また、例えば、設置場所推定部120は、機器600が自律走行型掃除機である場合、機器600の走行経路(掃除経路)を示す走行経路情報に基づいて、機器600が走行した空間に配置された家具の脚の数、及び、家具のレイアウトの少なくとも一方を推定し、推定結果に基づいて機器600の設置場所を推定する。
【0031】
自律走行型掃除機は、居室等の所定の空間を自律走行して掃除する自律走行型の掃除機である。自律走行型掃除機は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)により、掃除する所定の空間の地図(地図情報)を生成し、生成した地図における自己位置の推定をしながら走行して掃除する。その際に、自律走行型掃除機は、例えば、走行しながら推定した自己位置の軌跡(つまり、走行経路)を記憶する。音声発話装置500は、例えば、自律走行型掃除機が生成した地図(地図情報)及び走行経路を示す情報(走行経路情報)を受信して、自律走行型掃除機の状態情報(動作情報)として動作履歴記憶部151に記憶する。このように、設置場所推定部120は、機器600が自律走行型掃除機であり、機器600の動作履歴に、機器600の走行経路を示す走行経路情報を含む場合、機器600の走行経路を示す走行経路情報に基づいて、機器600が走行した空間に配置された家具の脚の数、及び、家具のレイアウトの少なくとも一方を推定し、推定結果に基づいて機器600の設置場所を推定する。
【0032】
設置場所推定部120が実行する機器600の設置場所の推定の処理の具体的な説明は、後述する。
【0033】
設置場所推定部120は、推定した機器600の設置場所を示す情報(設置場所情報)を選択部130に出力する。
【0034】
選択部130は、機器600に付与する1以上の名称の候補を表示部300に表示させ、1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付ける処理部である。具体的には、選択部130は、設置場所推定部120が推定した設置場所である部屋の部屋名を含む機器600の機器名の候補をユーザに表示部300によって提示し、受付部400を介してユーザから選択(指定)された機器名を示す情報を機器名情報として機器名記憶部154に記憶させる。例えば、選択部130は、設置場所推定部120が推定した設置場所に基づいて、部屋名記憶部153から当該設置場所に応じた部屋名を示す部屋名情報を取得する。また、例えば、選択部130は、取得した部屋名情報が示す部屋名を含む機器600の機器名の候補を決定(生成)し、決定した機器名の候補を表示部300に表示させる。このように、選択部130は、機器600の設置場所を示す情報を含む名称を、1以上の名称の候補のうちの少なくとも1つの候補として作成して、作成した少なくとも1つの候補を含む1以上の候補を表示部300に表示させる。
【0035】
選択部130が生成する機器名は、任意でよい。例えば、選択部130は、設置場所情報が示す設置場所が「寝室」であり、機器情報が示す機器の種類(分類)が「エアコン」である場合、「寝室のエアコン」を機器名の候補として決定する。この場合、例えば、選択部130は、「寝室のエアコン」の文字列を表示部300に表示させる。ユーザは、表示部300に表示された機器名の候補を確認し、受付部400を操作することで機器名を指示する。選択部130は、ユーザから受け付けた指示に基づいて機器名を決定し、決定した機器名を示す情報(機器名情報)を機器名記憶部154に記憶させる。
【0036】
なお、選択部130は、複数の機器名の候補を表示部300に表示させてもよい。例えば、音声発話装置500は、予め任意に設定された1以上の機器名の候補を示す候補情報を記憶する記憶部(候補情報記憶部)をさらに備えてもよい。選択部130は、決定した記憶部の候補と、候補情報記憶部に記憶された1以上の機器名の候補とを、表示部300に表示させてもよい。
【0037】
また、選択部130は、複数の機器名の候補を決定してもよい。例えば、選択部130は、設置場所情報が示す設置場所が「寝室」であり、機器情報が示す機器の種類が「エアコン」である場合、「寝室のエアコン」と、「寝室のエアコンディショナ」とを機器名の候補として決定してもよい。
【0038】
例えば、選択部130は、複数の機器600のうち、名称を付与する対象となる機器600(対象機器)と同種の機器600の数を算出し、算出した同種の機器600の数に基づいて、対象機器の名称の候補の文字数を決定し、決定した文字数となるように、少なくとも1つの候補を作成する。
【0039】
例えば、選択部130は、対象機器の名称の候補を作成する場合、機器情報記憶部152に記憶されている機器情報における、対象機器と同じ種類の機器の数が2台であるとき、部屋名を「リビング、寝室、キッチン、和室」等から採用する。一方、選択部130は、対象機器の名称の候補を作成する場合、機器情報記憶部152に記憶されている機器情報における、対象機器と同じ種類の機器の数が3台であるとき、部屋名をリビング、ベッドルーム、台所、お座敷」等から採用する。このように、選択部130は、例えば、対象機器と同じ種類の機器の数が2台であるとき、部屋名を寝室とし、3台であるとき、部屋名をベッドルームとして部屋名を長くする。或いは、選択部130は、例えば、対象機器と同じ種類の機器の数が2台であるとき、部屋名をキッチンとし、3台であるとき、部屋名を台所として部屋名を長くする。或いは、例えば、選択部130は、例えば、対象機器と同じ種類の機器の数が2台であるとき、部屋名を和室とし、3台であるとき、部屋名をお座敷として部屋名を長くする。部屋名を長くするとは、例えば、ひらがな又はカタカナで示した場合の文字数、音節数、又は、母音の数を増やすことである。
【0040】
なお、選択部130がタッチパネル等のユーザの入力を受け付ける受付部を有し、当該受付部を介してユーザから機器名の選択等を受け付けてもよい。
【0041】
発話文作成部140は、音声出力部230に出力させる音声の文章(発話文)を作成する処理部である。具体的には、発話文作成部140は、受信部110が受信した機器600の状態情報(第1状態情報)に基づいて、例えば受付部400等を介して選択部130が受け付けた1つの名称を含む発話文であって、機器600の状態を通知するための発話文を作成する。発話文作成部140は、例えば、受信部110を介して機器600から状態情報を受信した場合、機器600の機器名を含む発話文を作成する。発話文作成部140は、所得した状態情報に基づいて、機器名記憶部154から機器名情報を取得し、状態情報及び機器名情報に基づいて、発話文を作成する。
【0042】
例えば、発話文作成部140は、機器600がエアコンであり、機器600の機器名が「寝室のエアコン」であり、エアコンが動作を停止したことを示す状態情報を取得した場合、「寝室のエアコンが動作を停止しました」という発話文を作成する。このように、例えば、発話文作成部140は、機器600の機器名情報及び状態情報に基づいて、「リビングのエアコンが冷房を開始しました」、「ベッドルームのエアコンが停止しました」等の発話文を作成する。発話文作成部140は、作成した発話文に応じた音声の音声ファイルを発話文記憶部155から取得し、取得した音声ファイルを音声出力部230に出力する。
【0043】
発話文記憶部155には、例えば、部屋名を示す発話文(文字列)及び当該部屋名の音声ファイルと、機器名を示す文字列及び当該文字列に応じた音声ファイルと、状態情報に応じた文字列及び当該文字列の音声ファイルとが、それぞれ紐付けられて記憶されている。発話文作成部140は、所得した状態情報に基づいて、機器名記憶部154から機器名情報を取得し、状態情報及び機器名情報に基づいて、発話文記憶部155に記憶されている複数の文字列を組み合わせることで発話文を作成する。また、発話文作成部140は、作成した発話文に含まれる複数の文字列に応じた複数の音声ファイルを発話文記憶部155から取得して組み合わせることで、発話文に応じた音声ファイルを作成し、作成した音声ファイルを音声出力機器に出力する。
【0044】
また、例えば、発話文作成部140は、上記した通り、選択部130が1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付けた場合、選択部130が受け付けた当該1つの名称を含む発話文を作成する。一方、発話文作成部140は、例えば、選択部130が1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付けていない場合、設置場所推定部120が推定した対象機器の設置場所を示す情報を含む発話文を作成してもよい。例えば、発話文作成部140は、受信部110が機器600の状態情報を受信した場合、機器600の名称の選択を受け付けているか否かを判定する。例えば、発話文作成部140は、機器600の名称の選択を受け付けている場合、当該状態情報が示す内容と当該名称とを含む発話文を作成し、機器600の名称の選択を受け付けていない場合、当該状態情報が示す内容と設置場所推定部120が推定した機器600の設置場所を示す情報(例えば、「リビング」等の場所名)とを含む発話文を作成する。
【0045】
例えば、設置場所推定部120が機器600の設置場所を「リビング」と推定したとする。この場合、発話文作成部140は、機器600の機器名の設定がされている場合には、例えば、「リビングのエアコンが冷房を開始しました」等の発話文を作成し、機器600の機器名の設定がされていない場合に、例えば、「リビングと思われるエアコンが冷房を開始しました」等の「思われる」のように、機器名が設定されている場合と異なる発話文を作成してもよい。
【0046】
また、設置場所推定部120、選択部130、及び、発話文作成部140等の各処理部は、例えば、メモリと、当該メモリに記憶された制御プログラムと、当該制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとから実現される。また、これらの処理部は、1つのメモリ及び1つのプロセッサから実現されてもよいし、互いに異なる又は任意の組み合わせで複数のメモリ及び複数のプロセッサによって実現されてもよい。また、これらの処理部は、例えば、専用の電子回路等により実現されてもよい。
【0047】
動作履歴記憶部151は、機器600の動作履歴を示す動作情報を記憶する記憶装置である。具体的には、動作履歴記憶部151は、受信部110が受信した状態情報が動作履歴として記憶する。動作履歴記憶部151は、例えば、機器600を固有に示す識別情報と、状態情報と、当該状態情報が示す状態の変化が行われた日時又は当該状態情報を受信した日時とを紐付けて動作情報として記憶する。
【0048】
機器情報記憶部152は、機器600の情報である機器情報を記憶する記憶装置である。
【0049】
機器情報は、例えば、機器600から受信部110を介して受信した情報であって、機器600の識別情報、機器600がエアコン、テレビ、自律走行型掃除機等の種類を示す種類情報、機器600の性能を示す性能情報等を含む情報である。なお、機器情報は、受付部400等を介してユーザから取得されて機器情報記憶部152に記憶されてもよい。
【0050】
部屋名記憶部153は、部屋名を示す情報(例えば、文字列で示される情報)である部屋名情報を記憶する記憶装置である。部屋名情報は、例えば、「リビング」、「寝室」、「キッチン」、「和室」等のように、ユーザによって予め任意に設定されて部屋名記憶部153に記憶される。
【0051】
機器名記憶部154は、ユーザから受け付けた指示に基づいて決定された機器名を示す情報(例えば、文字列で示される情報)である機器名情報を記憶する記憶装置である。
【0052】
発話文記憶部155は、発話文に応じた音声ファイルを記憶する記憶装置である。発話文記憶部155には、例えば、発話文と音声ファイルとが紐付けられて予め記憶されている。
【0053】
なお、動作履歴記憶部151、機器情報記憶部152、部屋名記憶部153、機器名記憶部154、及び、発話文記憶部155等の各記憶部は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、又は、フラッシュメモリ等により実現される。これらの記憶部は、1つのHDD等の記憶装置によって実現されてもよいし、複数のHDD等の記憶装置によって実現されてもよい。
【0054】
取得部210は、音声発話装置500の状態を示す状態情報(第2状態情報)を取得する処理部である。取得部210は、例えば、音声発話装置500が備える図示しないセンサ等が状態の変化を検出した場合、検出結果に基づく音声を出力する。例えば、取得部210は、音声発話装置500が自律走行型掃除機である場合、掃除を開始するか否か等の自装置の状態の変化を示す情報を取得する。取得部210は、取得した状態情報を発話文作成部140に出力する。
【0055】
ここで、例えば、発話文作成部140は、取得部210が音声発話装置500の状態情報(第2状態情報)を取得した場合、音声発話装置500の名称を含む発話文を作成してもよいが、音声発話装置500の名称を含まない発話文を作成してもよい。つまり、音声発話装置500は、自装置についての状態を示す音声を出力する場合、名称を含まない発話文を音声で出力する。
【0056】
取得部210は、例えば、メモリと、当該メモリに記憶された制御プログラムと、当該制御プログラムを実行するCPU等のプロセッサとから実現される。また、取得部210は、例えば、専用の電子回路等により実現されてもよい。また、取得部210と、設置場所推定部120、選択部130、及び、発話文作成部140等の各処理部とは、例えば、1つのメモリ及び1つのプロセッサから実現されてもよいし、互いに異なる又は任意の組み合わせでメモリ及びプロセッサによって実現されてもよい。また、これらの処理部は、例えば、専用の電子回路等により実現されてもよい。
【0057】
音声出力部230は、発話文作成部140が作成した発話文に基づく音声を出力するスピーカである。例えば、音声出力部230は、発話文作成部140から取得した音声ファイルを再生することで、「リビングのエアコンが冷房を開始しました」、「ベッドルームのエアコンが停止しました」等の発話文を音声でユーザに通知する。音声出力部230は、もちろん、アンプ等の部品をさらに備えてもよい。
【0058】
表示部300は、選択部130からの指示に基づいて画像を表示するディスプレイである。
【0059】
受付部400は、ユーザからの指示を受け付け、受け付けた指示を示す情報を選択部130に出力する装置である。受付部400は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、又は、操作卓等である。
【0060】
なお、表示部300と受付部400とは、タッチパネルディスプレイとして一体に実現されてもよい。
【0061】
[設置場所推定処理の具体例]
続いて、設置場所推定部120が実行する、機器600の設置場所を推定する処理の具体例について説明する。
【0062】
<第1例>
図2は、実施の形態に係る音声発話装置500が機器600の設置場所を推定する処理の第1例を説明するための図である。
図2に示す例では、機器600はエアコンであり、性能が8畳用であるとする。なお、
図2の(a)に示す「種類:エアコン」、及び、「性能:8畳用」は、機器情報の一例である。また、
図2の(b)に示すように、機器600が6時~7時頃の間と、23時~0時頃の間とに動作されたとする。なお、
図2の(b)に示す動作時間を示す情報は、動作情報(状態情報)の一例である。この場合、設置場所推定部120は、機器600の種類がエアコンであり、性能が8畳用であり、朝と晩とに動作されていることから機器600の設置場所を寝室と推定する。
【0063】
<第2例>
図3は、実施の形態に係る音声発話装置500が機器600の設置場所を推定する処理の第2例を説明するための図である。
図3に示す例では、機器600はエアコンであり、性能が8畳用であるとする。なお、
図3の(a)に示す「種類:エアコン」、及び、「性能:8畳用」は、機器情報の一例である。また、
図3の(b)に示すように、機器600が12時~19時頃の間に動作されたとする。なお、
図3の(b)に示す動作時間を示す情報は、動作情報(状態情報)の一例である。この場合、設置場所推定部120は、機器600の種類がエアコンであり、性能が8畳用であり、日中に動作されていることから機器600の設置場所を書斎又は個室と推定する。なお、このように、設置場所推定部120は、1つの設置場所を推定してもよいし、複数の設置場所の候補を推定してもよい。
【0064】
<第3例>
図4は、実施の形態に係る音声発話装置500が機器600の設置場所を推定する処理の第3例を説明するための図である。
図4に示す例では、機器600はエアコンであり、性能が14畳用であるとする。なお、
図4の(a)に示す「種類:エアコン」、及び、「性能:14畳用」は、機器情報の一例である。また、
図4の(b)に示すように、機器600が7時~9時頃の間と、16時~20時頃の間とに動作されたとする。なお、
図4の(b)に示す動作時間を示す情報は、動作情報(状態情報)の一例である。この場合、設置場所推定部120は、機器600の種類がエアコンであり、性能が14畳用であり、日中に動作されていることから機器600の設置場所をリビングと推定する。
【0065】
なお、機器情報には、機器600の種類を示す情報、及び、機器600の性能を示す情報ではなく、又は、これらの情報に加えて、型番等の機器600の種類及び性能を判別可能な情報が含まれていてもよい。
【0066】
<第4例>
図5は、実施の形態に係る音声発話装置500が機器600の設置場所を推定する処理の第4例を説明するための図である。
図5に示す例では、機器600はロボット掃除機であるとする。なお、
図5の(a)に示す「種類:ロボット掃除機」は、機器情報の一例である。また、機器600が
図5の(b)に示す掃除軌跡に沿って移動して掃除するように動作されたとする。なお、
図5の(b)に示す部屋の広さ(間取り)を示す情報(例えば、上記した地図情報)、及び、掃除軌跡を示す情報は、動作情報(状態情報)の一例である。
【0067】
例えば、設置場所推定部120は、掃除軌跡に基づいて、掃除軌跡に含まれる、直線的に走行していない箇所である旋回部を抽出する。本例では、設置場所推定部120が旋回部を4箇所抽出したとする。設置場所推定部120は、当該4つの旋回部を4つの隅(頂点)とする矩形(例えば、部屋の外縁を示す各辺のいずれかの辺に平行となる辺で構成される矩形)を算出し、当該矩形のサイズ(例えば、面積、各辺の長さ、アスペクト比等)を推定(算出)する。例えば、ロボット掃除機が旋回部のように直線的に走行しない箇所には、椅子又はベッド等の家具の脚等のロボット掃除機の走行の妨げとなる障害物等が設置されている可能性がある。設置場所推定部120には、算出した当該矩形のサイズに基づいて、当該矩形の位置に配置されている障害物を推定(算出)する。この場合、例えば、設置場所推定部120は、当該矩形の位置にベッドが配置されていると推定する。この結果から、設置場所推定部120は、機器600の種類がロボット掃除機であり、ロボット掃除機が掃除した部屋の広さが8畳であり、当該部屋にはベッドが配置されていることから機器600の設置場所を寝室と推定する。このように、設置場所推定部120は、家具の脚の数及び位置等を示す情報を用いて機器600の設置場所を推定してもよい。
【0068】
なお、部屋の広さは、例えば、地図情報に基づいて算出される。また、ロボット掃除機は、複数の部屋を走行して掃除する場合がある。この場合、設置場所推定部120は、ロボット掃除機の設置場所を、当該複数の部屋の中から任意に推定してもよい。例えば、設置場所推定部120は、当該複数の部屋のそれぞれを設置場所として複数推定してもよい。この場合、例えば、選択部130は、機器600の名称の候補として、設置場所推定部120によって推定された複数の設置場所の名称をそれぞれ含む機器名の候補を複数作成してもよい。或いは、設置場所推定部120は、ロボット掃除機の掃除開始場所(例えば、ロボット掃除機が接続される充電器が配置される場所)を設置場所として推定してもよい。
【0069】
<第5例>
図6は、実施の形態に係る音声発話装置500が機器600の設置場所を推定する処理の第5例を説明するための図である。
図6に示す例では、機器600はロボット掃除機であるとする。なお、
図6の(a)に示す「種類:ロボット掃除機」は、機器情報の一例である。また、機器600が
図6の(b)に示す掃除軌跡に沿って移動して掃除するように動作されたとする。なお、
図6の(b)に示す部屋の広さ(間取り)を示す情報、及び、掃除軌跡を示す情報は、動作情報(状態情報)の一例である。
【0070】
例えば、設置場所推定部120は、掃除軌跡に基づいて、掃除軌跡に含まれる、直線的に走行していない箇所である旋回部を抽出する。本例では、設置場所推定部120が旋回部を8箇所抽出したとする。設置場所推定部120は、4つの旋回部を4つの隅(頂点)とする矩形を2つ算出し、当該2つの矩形のサイズを推定する。この場合、例えば、設置場所推定部120は、当該2つの矩形の位置に椅子及び机が配置されていると推定する。この結果から、設置場所推定部120は、機器600の種類がロボット掃除機であり、ロボット掃除機が掃除した部屋の広さが8畳であり、当該部屋には椅子及び机が配置されていることから機器600の設置場所を書斎又は個室と推定する。
【0071】
<第6例>
図7は、実施の形態に係る音声発話装置500が機器600の設置場所を推定する処理の第6例を説明するための図である。
図7に示す例では、機器600はロボット掃除機であるとする。なお、
図7の(a)に示す「種類:ロボット掃除機」は、機器情報の一例である。また、機器600が
図7の(b)に示す掃除軌跡に沿って移動して掃除するように動作されたとする。なお、
図7の(b)に示す部屋の広さ(間取り)を示す情報、及び、掃除軌跡を示す情報は、動作情報(状態情報)の一例である。
【0072】
例えば、設置場所推定部120は、掃除軌跡に基づいて、掃除軌跡に含まれる、直線的に走行していない箇所である旋回部を抽出する。本例では、設置場所推定部120が旋回部を16箇所抽出したとする。設置場所推定部120は、4つの旋回部を4つの隅(頂点)とする矩形を4つ算出し、当該4つの矩形のサイズを推定する。この場合、例えば、設置場所推定部120は、当該4つの矩形の位置にテーブル、椅子、及び、ソファ等が配置されていると推定する。この結果から、設置場所推定部120は、機器600の種類がロボット掃除機であり、ロボット掃除機が掃除した部屋の広さが14畳であり、当該部屋にはテーブル、椅子、及び、ソファ等が配置されていることから機器600の設置場所をリビングと推定する。
【0073】
<第7例>
図8は、実施の形態に係る音声発話装置500が機器600の設置場所を推定する処理の第7例を説明するための図である。
図8に示す例では、機器600はロボット掃除機であるとする。なお、
図8の(a)に示す「種類:ロボット掃除機」は、機器情報の一例である。また、機器600が
図8の(b)に示すハッチングを付した領域(掃除領域)を走行し、ハッチングを付していない領域(未掃除領域)を走行していないとする。なお、
図8の(b)に示す掃除領域を示す情報は、動作情報(状態情報)の一例である。
【0074】
例えば、設置場所推定部120は、掃除領域を示す情報に基づいて、部屋の広さ、障害物の有無、及び、障害物がある場合当該障害物の種類等を推定する。例えば、設置場所推定部120は、掃除領域が矩形でない場合、当該掃除領域を全て含み、且つ、最小となる矩形を算出する。また、例えば、設置場所推定部120は、算出した矩形のサイズから、部屋の広さを推定(算出)する。この場合、例えば、設置場所推定部120は、部屋の広さを8畳と算出する。また、例えば、設置場所推定部120は、算出した矩形と、掃除領域とから、未掃除領域を推定(算出)する。例えば、ロボット掃除機が未掃除領域のように走行しない箇所には、ロボット掃除機の走行の妨げとなる障害物等が設置されている可能性がある。設置場所推定部120には、算出した未掃除領域のサイズ、形状等に基づいて、当該未掃除領域に配置されている障害物を推定(算出)する。この場合、例えば、設置場所推定部120は、未掃除領域にベッドが配置されていると推定する。この結果から、設置場所推定部120は、機器600の種類がロボット掃除機であり、ロボット掃除機が掃除した部屋の広さが8畳であり、当該部屋にはベッドが配置されていることから機器600の設置場所を寝室と推定する。このように、設置場所推定部120は、家具のレイアウトを用いて機器600の設置場所を推定してもよい。
【0075】
<第8例>
図9は、実施の形態に係る音声発話装置500が機器600の設置場所を推定する処理の第8例を説明するための図である。
図9に示す例では、機器600はロボット掃除機であるとする。なお、
図9の(a)に示す「種類:ロボット掃除機」は、機器情報の一例である。また、機器600が
図9の(b)に示すハッチングを付した領域(掃除領域)を走行し、ハッチングを付していない領域(未掃除領域)を走行していないとする。なお、
図9の(b)に示す掃除領域を示す情報は、動作情報(状態情報)の一例である。
【0076】
例えば、設置場所推定部120は、掃除領域が矩形でない場合、当該掃除領域を全て含み、且つ、最小となる矩形を算出する。また、例えば、設置場所推定部120は、算出した矩形のサイズから、部屋の広さを推定(算出)する。この場合、例えば、設置場所推定部120は、部屋の広さを8畳と算出する。また、例えば、設置場所推定部120は、算出した矩形と、掃除領域とから、未掃除領域を推定(算出)する。また、例えば、設置場所推定部120には、算出した未掃除領域のサイズ、形状等に基づいて、当該未掃除領域に配置されている障害物を推定(算出)する。この場合、例えば、設置場所推定部120は、未掃除領域に椅子及び机が配置されていると推定する。この結果から、設置場所推定部120は、機器600の種類がロボット掃除機であり、ロボット掃除機が掃除した部屋の広さが8畳であり、当該部屋には椅子及び机が配置されていることから機器600の設置場所を書斎又は個室と推定する。
【0077】
[表示処理の具体例]
続いて、選択部130が決定した機器名の候補を表示部300に表示させる際の画像について説明する。
【0078】
図10は、実施の形態に係る音声発話装置500が表示部300に表示させる画像の具体例を示す図である。具体的には、
図10は、選択部130がユーザから機器名の選択を受け付ける場合に表示部300に表示させる画像の具体例を示す図である。
【0079】
当該画像には、例えば、機器600の種類を示す情報と、機器600の品番を示す情報と、機器600の機器名を示す情報とが含まれる。本例では、機器名がまだ未設定である場合の画像を示している。
【0080】
ユーザは、例えば、受付部400を操作することで、
図10の黒塗り下三角を選択する。選択部130は、当該選択を受け付けた場合、選択部130が決定した機器名の候補を含む、1以上の機器名の候補を表示部300に表示させる。
【0081】
ユーザは、さらに、例えば、受付部400を操作することで、表示部300に表示された1以上の機器名の候補の中から1つの候補を選択する。選択部130は、当該選択を受け付けた機器名の候補を機器600の機器名として決定し、決定した機器名を機器名記憶部154に記憶させる。
【0082】
例えば、発話文作成部140は、機器600の名称の選択を受け付けた場合、機器600に関する発話文については受け付けた名称を含む発話文を作成する。一方、発話文作成部140は、例えば、名称の選択を受け付けられず、
図10に示すように「呼び名設定:未設定」であれば、機器600に関する発話文については設置場所推定部120が推定した対象機器の設置場所を示す情報を含む発話文を作成する。
【0083】
[処理手順]
続いて、音声発話装置500が実行する処理の処理手順について説明する。
【0084】
図11は、実施の形態に係る音声発話装置500の機器名称を設定する処理手順を示すフローチャートである。なお、以下の
図11の説明では、音声発話装置500が名称を付ける機器(対象機器)について機器600と符号を付して呼称する。
【0085】
音声発話装置500は、例えば、新たに機器600が通信可能に接続された場合に、機器600から機器600の機器情報及び状態情報を受信した場合に、受信した機器情報を記憶して、
図11に示すフローチャートの処理を開始する。或いは、例えば、音声発話装置500は、受付部400を介してユーザから機器600に名称を付ける指示を取得した場合に、
図11に示すフローチャートの処理を開始する。音声発話装置500が名称を付ける機器600の機器情報は、
図11のフローチャートが開始される前に機器情報記憶部152に記憶され、機器600の動作情報は、動作履歴記憶部151に記憶されている。
【0086】
まず、選択部130は、機器600と同種の機器の数を示す情報を取得する(S101)。例えば、機器情報記憶部152には、過去に機器600以外の他の機器から機器情報が受信された場合に当該機器情報が記憶されている場合がある。選択部130は、機器情報記憶部152に記憶されている機器情報に基づいて、機器600と同じ種類の機器の機器情報がいくつ機器情報記憶部152に記憶されているかをカウントすることで、機器600と同種の機器の数を示す情報を取得する。
【0087】
なお、機器情報記憶部152には、機器の種類ごとの数を示す情報が記憶されていてもよい。例えば、選択部130は、受信部110を介して新たな機器から機器情報を受信した場合に、受信した機器情報を機器情報記憶部152に記憶させ、機器情報記憶部152に記憶させた機器を種類ごとにカウントして、カウントした結果を機器情報記憶部152に記憶させてもよい。選択部130は、当該結果を取得することで、機器600と同種の機器の数を示す情報を取得してもよい。
【0088】
次に、選択部130は、機器情報記憶部152に記憶されている、機器600と同種の機器の数が2台以上であるか否かを判定する(S102)。
【0089】
選択部130は、機器情報記憶部152に記憶されている、機器600と同種の機器の数が2台以上ではないと判定した場合(S102でNo)、つまり、機器600以外に機器600と同種の機器が機器情報記憶部152に記憶されていない場合、例えば、処理を終了する。
【0090】
機器600と同種の機器が存在しない場合、例えば、機器600の種類が「エアコン」であるとき、機器600の名称を「エアコン」として音声出力装置200が機器600についての音声を出力したとしても、ユーザは、どのエアコンについての音声であるかがわかる。そのため、ステップS102でNoの場合、機器600に名称を付けずに処理を終了することで、処理量を削減できる。このように、例えば、発話文作成部140は、機器600の機器情報が示す機器の種類について「エアコン」が1台しかないとき、「エアコンが冷房を開始しました」等のように、機器600の設置場所を含まない発話文を作成する。
【0091】
一方、設置場所推定部120は、選択部130が、機器情報記憶部152に記憶されている、機器600と同種の機器の数が2台以上であると判定した場合(S102でYes)、機器600の機器情報と動作情報とを取得する(S103)。
【0092】
次に、設置場所推定部120は、機器600の設置場所を推定する(S104)。設置場所推定部120は、例えば、
図3~
図10で説明した処理を実行することで、機器600の設置場所を推定する。
【0093】
次に、選択部130は、設置場所推定部120が推定した機器600の設置場所、及び、機器600の機器情報(例えば、機器600の種類を示す情報)に基づいて、機器600の名称の候補を作成する(S105)。
【0094】
次に、選択部130は、作成した機器600の名称の候補を示す情報を、表示部300に表示させる(S106)。
【0095】
次に、選択部130は、受付部400を介してユーザから機器600の名称の選択を受け付ける(S107)。
【0096】
次に、選択部130は、ユーザから選択を受け付けた機器600の名称を示す情報を機器名情報として機器名記憶部154に記憶させる(S108)。
【0097】
図12は、実施の形態に係る音声発話装置500が音声出力部230に音声を出力させる処理手順を示すフローチャートである。
【0098】
まず、発話文作成部140は、受信部110を介して、機器600から機器600の状態を示す状態情報を受信したとする(S201)。なお、機器600は、状態が変化した場合に、状態が変化したことを示す情報を状態情報として出力してもよい。
【0099】
次に、発話文作成部140は、機器600の機器名を示す機器名情報を機器名記憶部154から取得する(S202)。
【0100】
次に、発話文作成部140は、機器名情報及び状態情報に基づいて、機器600の名称を含み、且つ、機器600の状態を示す文章を含む発話文を作成する(S203)。例えば、発話文作成部140は、機器名情報及び状態情報に基づいて複数の単語及び/又は文章(フレーズ)を発話文記憶部155から取得して組み合わせることで、発話文を作成する。発話文作成部140は、例えば、機器600から受信部110を介して繰り返し機器600の状態情報を取得し、状態情報が示す機器600の状態が変化した場合に、当該状態の変化をユーザに通知するための発話文を作成する。
【0101】
次に、発話文作成部140は、作成した発話文に応じた音声ファイルを発話文記憶部155から取得する(S204)。例えば、発話文作成部140は、作成した発話文に含まれる単語及び/又は文章に応じた複数の音声ファイルを発話文記憶部155から取得して組み合わせることで、発話文に応じた音声ファイルを作成する。
【0102】
次に、発話文作成部140は、作成した音声ファイルに基づく音声を音声出力部230から出力させる(S205)。
【0103】
[変形例]
上記した音声発話装置500の構成は、テレビ等の1つの装置としてではなく、サーバ及びテレビ等の音声が出力可能な機器との組み合わせ、つまり、システムとして実現されてもよい。
【0104】
図13は、実施の形態に係る音声発話システム500Aの具体的な構成を示す模式図である。
【0105】
音声発話システム500Aは、音声発話装置500と同様に、機器600において、処理の状態が変わったことを示す情報、故障を通知する情報、フィルタ等の部品の交換をユーザに促すための情報、機器600が有する機能をユーザに通知(おすすめ通知)するための情報等の情報が出力された場合に、当該情報を音声でユーザに通知する装置である。
【0106】
図13に示すように、音声発話システム500Aは、1以上の機器600と、サーバ装置100Aと、1以上の音声出力装置200と、を備える。
【0107】
機器600は、例えば、サーバ装置100Aと通信するための通信インターフェースと、冷蔵、洗濯、加熱等の処理を実行する実行部と、機器600の状態を検出するためのセンサ等により実現される検出部と、機器600の各種処理を制御するプロセッサ及びメモリ等により実現される制御部と、を備える。
【0108】
サーバ装置100Aは、機器600から受信した状態情報に基づいて、音声出力装置200に出力させる発話文を作成し、作成した発話文を音声出力装置200に出力させる。例えば、サーバ装置100Aは、機器600から状態情報を受信した場合に、状態情報に応じた音声ファイル(音声データ)を選択して音声出力装置200に送信することで、音声出力装置200から当該音声ファイルに基づく音声を出力させる。
【0109】
サーバ装置100Aは、例えば、機器600、音声出力装置200等の装置と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等を備えるコンピュータにより実現される。
【0110】
音声出力装置200は、エアコン、テレビ、自律走行型掃除機等の電化製品等であって、スピーカ等の音声を出力可能な部品を備える機器(スピーカ搭載家電)である。音声出力装置200は、例えば、サーバ装置100Aから音声ファイル(通知情報)を受信した場合に、受信した音声ファイルに基づく音声を出力する。
【0111】
なお、
図13には、機器600を3つ図示しているが、音声発話システム500Aが備える機器600の数は、1つでもよいし、複数でもよく、特に限定されない。
【0112】
また、
図13には、音声出力装置200を3つ図示しているが、音声発話システム500Aが備える音声出力装置200の数は、1つでもよいし、複数でもよく、特に限定されない。
【0113】
サーバ装置100Aは、3つの機器600及び3つの音声出力装置200のそれぞれと、インターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0114】
サーバ装置100Aと、3つの機器600及び3つの音声出力装置200のそれぞれとは、LAN(Local Area Network)等を介して通信可能に接続されていてもよいし、無線通信可能に接続されていてもよい。
【0115】
また、サーバ装置100Aと、3つの機器600及び3つの音声出力装置200のそれぞれとの通信に用いられる通信規格は、特に限定されない。通信規格としては、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、ZigBee(登録商標)等が例示される。
【0116】
3つの機器600及び3つの音声出力装置200のそれぞれは、例えば、ユーザが居住する家屋内に配置されている。また、サーバ装置100Aは、例えば、家屋の外部に配置されている。
【0117】
図14は、実施の形態に係る音声発話システム500Aの構成を示すブロック図である。なお、
図14には、機器600を2つのみ代表して示し、音声出力装置200を1つのみ代表して示している。
【0118】
図14に示すように、音声発話システム500Aは、1以上の機器600と、サーバ装置100Aと、音声出力装置200と、表示装置300Aと、受付装置400Aと、を備える。
【0119】
サーバ装置100Aは、受信部110と、設置場所推定部120と、選択部130と、発話文作成部140と、動作履歴記憶部151と、機器情報記憶部152と、部屋名記憶部153と、機器名記憶部154と、発話文記憶部155と、を備える。このように、サーバ装置100Aは、音声発話装置500が備える発話文処理部100が有する各構成要素を備える。
【0120】
サーバ装置100Aの説明は、上記した通り、発話文処理部100と、表示部300に対する処理が表示装置300Aに対する処理となり、受付部400に対する処理が受付装置400Aに対する処理となる以外は同様であるため、説明を省略する。例えば、サーバ装置100Aは、機器600(対象機器)に付与する1以上の名称の候補を表示装置300Aに表示させ、1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を、受付装置400Aを介して受け付ける選択部130、機器600から送信された当該機器600の状態を示す状態情報(第1状態情報)を受信するための受信部110、及び、受信部110が受信した第1状態情報に基づいて、受付装置400Aが受け付けた1つの名称を含む発話文であって、機器600の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成部140を有する。
【0121】
音声出力装置200は、サーバ装置100A(より具体的には、発話文作成部140)が作成した発話文を音声で出力する装置である。より具体的には、音声出力装置200は、サーバ装置100A(より具体的には、発話文作成部140)から取得した音声ファイルに基づいて音声を出力する機器である。また、音声出力装置200は、自装置の状態の変換等の情報に基づいて、音声を出力する。
【0122】
音声出力装置200は、上記した通り、例えば、エアコン、テレビ、自律走行型掃除機等の電化製品等であって、音声出力部230等の音声を出力可能な部品を備える機器である。
【0123】
以上のように、本開示は、
図1に示す音声発話装置500のように、エアコン、テレビ、自律走行型掃除機等の電化製品のような1つの装置として実現されてもよい。或いは、本開示は、
図14に示す音声発話システム500Aのように、サーバ装置100Aと音声出力装置200とのような複数の装置(システム)として実現されてもよい。
【0124】
音声出力装置200は、取得部210と、音声出力部230と、を備える。
【0125】
取得部210は、自装置の状態の変化を示す情報を取得する処理部である。取得部210は、例えば、音声出力装置200が備える図示しないセンサ等が状態の変化を検出した場合、検出結果に基づく音声を出力する。例えば、取得部210は、音声出力装置200が自律走行型掃除機である場合、掃除を開始するか否か等の自装置の状態(或いは、例えば、状態の変化)を示す情報を取得する。
【0126】
音声出力部230は、発話文作成部140が作成した発話文を音声で出力する装置である。具体的には、音声出力部230は、発話文作成部140から取得した音声ファイルに基づく音声を出力する。また、音声出力部230は、取得部210から取得した自装置(音声出力装置200)の状態の変化を示す情報に応じた発話文を音声出力部230に出力させる。例えば、音声出力装置200が自律走行型掃除機である場合、掃除を開始するとき、「掃除を開始します」等の音声を出力する。
【0127】
なお、発話文及び当該発話文に応じた音声ファイルは、HDD等の図示しない記憶部に記憶され、当該記憶部を音声出力装置200が備えてもよい。或いは、発話文及び当該発話文に応じた音声ファイルは、発話文記憶部155に記憶されていてもよい。例えば、音声出力装置200は、取得部210から取得した自装置の状態の変化を示す情報を発話文作成部140へ出力する。また、例えば、発話文作成部140は、取得した情報に基づいて発話文記憶部155から音声ファイルを取得し、取得した音声ファイルを音声出力部230に出力する。音声出力部230は、取得した音声ファイルに基づく音声を音声出力部230に出力させる。
【0128】
また、音声出力装置200は、サーバ装置100Aと通信するための通信インターフェースを備えてもよい。当該通信インターフェースは、例えば、音声出力装置200がサーバ装置100Aと有線通信する場合、通信線が接続されるコネクタ等により実現され、無線通信する場合、アンテナ及び無線通信回路等により実現される。
【0129】
また、機器600には、音声出力装置200が含まれてもよいし、含まれてなくてもよい。つまり、サーバ装置100Aは、音声出力装置200の名称を含む発話文を作成しなくてもよい。言い換えると、音声出力装置200は、自装置に関する発話文を音声で出力する場合、自装置の名称を含まない発話文を音声で出力してもよい。或いは、サーバ装置100Aは、音声出力装置200から音声を出力させる場合、音声出力装置200に関する発話文を作成しないとしてもよい。つまり、サーバ装置100Aは、音声出力装置200の状態情報を取得しないとして、音声出力装置200の状態情報を取り扱わないとしてもよい。
【0130】
音声出力部230は、例えば、スピーカ、アンプ、発話文作成部140から取得した音声ファイルに基づく音声を当該スピーカから出力させるための制御プログラムが記憶されたメモリ、当該制御プログラムを実行するプロセッサ等から実現される。
【0131】
表示装置300Aは、選択部130からの指示に基づいて画像を表示する装置である。表示装置300Aは、例えば、画像を表示するディスプレイ、サーバ装置100Aから受信した情報に基づく画像を当該ディスプレイに表示するための制御プログラムが記憶されたメモリ、当該制御プログラムを実行するプロセッサ、サーバ装置100Aと通信するための通信インターフェースを備える。当該通信インターフェースは、例えば、表示装置300Aがサーバ装置100Aと有線通信する場合、通信線が接続されるコネクタ等により実現され、無線通信する場合、アンテナ及び無線通信回路等により実現される。
【0132】
受付装置400Aは、ユーザからの指示を受け付け、受け付けた指示を示す情報を選択部130に出力する装置である。受付装置400Aは、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等の受付部、当該受付部で受け付けた情報をサーバ装置100Aに出力するための制御プログラムが記憶されたメモリ、当該制御プログラムを実行するプロセッサ、サーバ装置100Aと通信するための通信インターフェースを備える。当該通信インターフェースは、例えば、受付装置400Aがサーバ装置100Aと有線通信する場合、通信線が接続されるコネクタ等により実現され、無線通信する場合、アンテナ及び無線通信回路等により実現される。
【0133】
なお、音声出力装置200と、表示装置300Aと、受付装置400Aとは、テレビ等として一体に実現されてもよい。この場合、受付装置400Aは、テレビ等に情報を出力する操作卓等でもよい。
【0134】
[効果等]
以上のように、実施の形態に係る音声発話装置500は、表示部300と、対象機器(1以上の機器600のうち、名称をこれから付与する機器600)に付与する1以上の名称の候補を表示部300に表示させ、1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付ける選択部130と、対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信するための受信部110と、受信部110が受信した第1状態情報に基づいて、選択部130が受け付けた1つの名称を含む発話文であって、対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成部140と、発話文を音声で出力する音声出力部230と、を備える。
【0135】
これによれば、ユーザは、表示部300に表示された機器600の1以上の名称の候補を確認して、例えば、受付部400を操作して1以上の名称の候補の中から所望の機器の名称を簡便に選択できる。そのため、音声発話装置500によれば、機器600に適切な(例えば、ユーザにとって分かりやすい、聞きやすい等、ユーザが所望する)機器名を簡単に設定できる。
【0136】
また、例えば、音声発話装置500は、さらに、対象機器の動作履歴を示す動作情報を記憶する動作履歴記憶部151と、対象機器の性能を示す機器情報を記憶する機器情報記憶部152と、動作情報及び機器情報に基づいて、対象機器の設置場所を推定する設置場所推定部120と、を備える。この場合、例えば、選択部130は、対象機器の設置場所を示す情報を含む名称を、1以上の名称の候補のうちの少なくとも1つの候補として作成して、作成した少なくとも1つの候補を含む1以上の候補を表示部300に表示させる。
【0137】
これによれば、表示部300がユーザに表示する機器の名称の候補に、対象機器の設置場所が含まれる名称の候補が含まれる。このような候補の名称であれば、例えば、ユーザは、音声を聞いたときに、複数の機器600のうちのどの機器600のことであるかを分かりやすい。そのため、これによれば、音声発話装置500は、ユーザにとって分かりやすい対象機器の名称の候補を表示部300に表示させることができる。
【0138】
また、例えば、発話文作成部140は、選択部130が1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付けた場合、選択部130が受け付けた当該1つの名称を含む発話文を作成し、選択部130が1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付けていない場合、設置場所推定部120が推定した対象機器の設置場所を示す情報を含む発話文を作成する。
【0139】
これによれば、発話文作成部140は、ユーザから対象機器の名称を選択部130が受け付けていない場合においても、ユーザにとって対象機器がどの機器であるかが分かりやすいと考えられる発話文を作成できる。
【0140】
また、例えば、対象機器は、自律走行型掃除機であり、動作履歴は、対象機器から取得した、対象機器の走行経路を示す走行経路情報を含む。この場合、例えば、設置場所推定部120は、走行経路情報に基づいて、対象機器が走行した空間に配置された家具の脚の数、及び、家具のレイアウトの少なくとも一方を推定し、推定結果に基づいて対象機器の設置場所を推定する。
【0141】
対象機器が家屋に配置される場合、当該家屋には家具が配置されている可能性が高い。そのため、設置場所推定部120は、家具に基づく情報によって対象機器の設置場所を推定することで、推定できないといったエラーを発生することを抑制し、且つ、設置場所を精度よく推定できる。
【0142】
また、例えば、機器情報は、さらに、対象機器を含む複数の機器600のそれぞれの種類を示す。この場合、例えば、選択部130は、複数の機器600のうち、対象機器と同種の機器600の数を算出し、算出した同種の機器600の数に基づいて、対象機器の名称の候補の文字数を決定し、決定した文字数となるように、少なくとも1つの候補を作成する。
【0143】
例えば、対象機器の種類がエアコンである場合、同じ家屋内に多くのエアコンがあると、機器名を固有にしたとしても、音声で聞いたときに分かりにくくなる可能性がある。そこで、例えば、対象機器と同種の機器600の数が多い程、対象機器の名称の候補の文字数を長くする。これによれば、同種の機器600が多い場合においても、対象となる機器600の名称が長いためにユーザの聞き漏らし等を抑制できる。
【0144】
また、例えば、音声発話装置500の状態を示す第2状態情報を取得する取得部210を備える。この場合、例えば、発話文作成部140は、取得部210が第2状態情報を取得した場合、音声発話装置500の名称を含まない発話文を作成する。
【0145】
自装置に関する情報をユーザに通知するための音声であれば、当該音声に主語が含まれていなくてもユーザはどの機器600に関する音声であるかを理解できる。そのため、これによれば、機器名を不要に設定する等の処理が実行されることを抑制できる。
【0146】
また、実施の形態に係る音声発話システム500Aは、表示装置300Aと、ユーザからの選択を受け付ける受付装置400Aと、対象機器に付与する1以上の名称の候補を表示装置300Aに表示させ、1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を、受付装置400Aを介して受け付ける選択部130、対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信するための受信部110、及び、受信部110が受信した第1状態情報に基づいて、受付装置400Aが受け付けた1つの名称を含む発話文であって、対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成部140を有するサーバ装置100Aと、発話文を音声で出力する音声出力装置200と、を備える。
【0147】
これによれば、上記した音声発話装置500と同様の効果を奏する。
【0148】
また、実施の形態に係る音声発話方法は、対象機器に付与する1以上の名称の候補を表示部300に表示させ、1以上の名称の候補のうち1つの名称の選択を受け付ける選択ステップ(例えば、ステップS106及びステップS107)と、対象機器から送信された当該対象機器の状態を示す第1状態情報を受信部110が受信した場合、第1状態情報に基づいて、選択ステップで受け付けた1つの名称を含む発話文であって、対象機器の状態を通知するための発話文を作成する発話文作成ステップ(例えば、ステップS203)と、発話文を音声で出力する音声出力ステップ(例えば、ステップS205)と、を含む。
【0149】
これによれば、上記した音声発話装置500と同様の効果を奏する。
【0150】
(その他の実施の形態)
以上、本開示に係る音声発話装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0151】
例えば、上記した「ベッドルームのエアコンが停止しました」等の発話文作成部140が作成する発話文は、あくまで一例であって、任意に設定されてよい。
【0152】
また、例えば、上記実施の形態では、音声発話装置500は、機器名記憶部154によって機器600の機器名を記憶する。例えば、音声発話装置500は、機器名記憶部154に記憶された機器名を示す機器名情報を、外部の記憶装置(例えば、音声発話装置500と通信可能に接続されているサーバ装置100A等)に記憶させるために、機器名情報を出力してもよい。
【0153】
また、例えば、上記実施の形態において、音声発話装置及び音声発話システムのそれぞれが備える設置場所推定部120、選択部130等の処理部の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0154】
また、例えば、上記処理部の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0155】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0156】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0157】
例えば、音声発話装置500の構成と、音声発話システム500Aの構成とは、任意に組み合わされて実現されてよい。例えば、本開示は、機器と、機器から当該機器を示す機器情報を受信し、受信した機器情報と当該機器情報が示す機器に関する発話文を示す情報とを音声発話装置に送信するサーバ装置と、機器から状態情報を受信した場合に、サーバ装置から受信した発話文を示す情報に基づいて音声を出力する当該音声発話装置とを備えるシステムとして実現されてもよい。
【0158】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本開示は、テレビ、自律走行型掃除機等の音声を出力可能な機器に適用できる。或いは、本開示は、サーバ装置等の音声を出力可能な機器を制御する機器に適用できる。
【符号の説明】
【0160】
100 発話文処理部
100A サーバ装置
110 受信部
120 設置場所推定部
130 選択部
140 発話文作成部
151 動作履歴記憶部
152 機器情報記憶部
153 部屋名記憶部
154 機器名記憶部
155 発話文記憶部
200 音声出力装置
210 取得部
230 音声出力部
300 表示部
300A 表示装置
400 受付部
400A 受付装置
500 音声発話装置
500A 音声発話システム
600 機器