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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230414BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20230414BHJP
   F21V 21/34 20060101ALI20230414BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230414BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230414BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20230414BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20230414BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230414BHJP
【FI】
F21S2/00 438
F21S8/04 110
F21V21/34 500
F21V23/00 120
F21V33/00 430
H05B45/10
H05B45/20
F21Y115:10 500
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022511791
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2021010372
(87)【国際公開番号】W WO2021200068
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2020060840
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】明田 孝典
(72)【発明者】
【氏名】田中 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】兵頭 聡
【審査官】八木 敬太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/181622(WO,A1)
【文献】特開2003-023693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
端部に前記光源が発する光が入射することにより面発光する導光板と、
前記導光板を振動させることにより音を発生させる振動子とを備える
前記振動子は、前記導光板が有する主面の外周部に配置され、
前記振動子の前記主面と対向する面は、前記導光板が発する光を反射する反射部材によって形成される
照明装置。
【請求項2】
前記振動子による振動により前記導光板が発する直接音の到達範囲は、前記導光板の光の照射範囲に含まれる
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
さらに、
前記導光板から発させようとする直接音の音信号を取得し、取得した前記音信号に基づいて前記振動子を制御する制御部を備える
請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、取得された音信号に基づいて前記光源の発光制御を行うことにより、前記導光板が発する光及び音を連動させる
請求項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記照明装置は、室内空間の天井側に設置される
請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
光源と、
端部に前記光源が発する光が入射することにより面発光する導光板と、
前記導光板を振動させることにより音を発生させる振動子とを備え、
室内空間の天井側に設置される
照明装置。
【請求項7】
さらに、前記照明装置を天井から吊り下げられた配線ダクトに係止させるための係止構造を備える
請求項5または6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記照明装置は、前記配線ダクトから電力の供給を受けるための取り付け構造を有する
請求項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記照明装置は、前記配線ダクトから供給される直流電力を用いて動作する
請求項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(Light Emitting Diode)を用いた光源が普及しつつある。例えば、特許文献1には、高輝度で輝度の均一な面状発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-127931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、スピーカ機能を有する照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る照明装置は、光源と、端部に前記光源が発する光が入射することにより面発光する導光板と、前記導光板を振動させることにより音を発生させる振動子とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、スピーカ機能を有する照明装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態に係る照明システムの外観斜視図である。
図2図2は、取り付け構造の一例を示す図である。
図3図3は、実施の形態に係る照明装置の外観斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る照明装置の分解斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係る照明装置が発する直接音の到達範囲と、当該照明装置の光の照射範囲とを示す図である。
図6図6は、実施の形態に係る照明装置の機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態に係る照明装置の動作のフローチャートである。
図8図8は、変形例に係る照明装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0009】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。また、以下の実施の形態において、「ほぼ」または「略」の表現には、製造誤差や寸法公差等を含むという意味もある。
【0010】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸方向は、照明装置の高さ方向として説明される。Z軸+側は、上側(上方)と表現され、Z軸-側は、下側(下方)と表現される場合がある。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。以下の実施の形態において、平面視とは、Z軸方向から見ることを意味する。
【0011】
(実施の形態)
[概要]
以下、実施の形態に係る照明システムの概要について説明する。図1は、実施の形態に係る照明システムの外観斜視図である。
【0012】
図1に示されるように、実施の形態に係る照明システム100は、照明装置10と、複数の配線ダクト50と、連結部材51とを備える。複数の配線ダクト50は、オフィスなど室内空間60の天井から吊り下げられる。複数の配線ダクト50は、連結部材51によって連結されることにより、格子状に配置される。
【0013】
照明装置10は、面発光する導光板40を備えており、室内空間60の天井側に設置される。照明システム100が複数の照明装置10を備え、複数の照明装置10が複数の配線ダクト50によって構成される格子構造に1対1で対応して敷き詰められれば、照明システム100は、天井側の広範囲が光って見えるような室内空間60を実現することができる。
【0014】
また、照明システム100では、照明装置10は、係止構造72を介して、複数の配線ダクト50によって構成される格子構造に上方から引っ掛けられる。つまり、照明装置10は、配線ダクト50に係止する。これにより、複数の配線ダクト50のそれぞれの下側(Z軸-側)に形成された溝に機器を取り付けることができる。つまり、照明システム100は、配線ダクト50の主機能を維持したまま、天井側の広範囲が光って見えるような室内空間60を実現することができる。
【0015】
また、照明装置10は、導光板40を振動板として利用することにより、スピーカとしても機能する。これにより、室内空間60に別途スピーカを設置する必要がなくなるため、スピーカが空間の外観的なノイズになってしまうことが抑制される。つまり、照明装置10によれば、室内空間60の美観を向上することができる。
【0016】
ここで、配線ダクト50について補足する。配線ダクト50は、下側に溝が形成される長尺状の部材であり、内部に給電端子を備える。配線ダクト50は、ダクトレールなどと呼ばれる場合もある。配線ダクト50には、上記溝に適合する取り付け構造を有する、コンセントまたは照明装置などの機器が取り付けられ、配線ダクト50は、これらの機器に上記給電端子を介して電力を供給することができる。
【0017】
なお、図2に示されるように、照明装置10は、例えば、照明装置10の本体から引き出されたケーブルの端部に設けられた取り付け構造80を配線ダクト50に取り付けることにより、配線ダクト50から電力の供給を受ける。図2は、取り付け構造の一例を示す図である。つまり、照明装置10は、取り付け構造80によって、配線ダクト50内の給電端子に電気的に接続される。
【0018】
配線ダクト50から交流電力が供給される場合には、照明装置10は、AC-DCコンバータ、及び、DC-DCコンバータなどによって構成される電力変換回路を内蔵する。また、配線ダクト50から直流電力が供給される場合には、照明装置10に内蔵される電力変換回路においてAC-DCコンバータを省略することができる。
【0019】
[構成]
次に、照明システム100が備える照明装置10の具体的な構成について説明する。図3は、照明装置10の外観斜視図であり、図4は、照明装置10の分解斜視図である。
【0020】
照明装置10は、2つの第一光源21と、2つの第二光源22と、複数の振動子30と、導光板40と、フレーム70とを備える。
【0021】
まず、第一光源21及び第二光源22について説明する。第一光源21は、導光板40のX軸+側の端面、及び、導光板40のX軸-側の端面のそれぞれに対向配置され、導光板40のX軸+側の端面(または、導光板40のX軸-側の端面)に向けて光を発する発光モジュールである。第一光源21は、基板21aと、発光素子21bとを有する。
【0022】
基板21aは、図中のY軸方向に長い長尺矩形状の基板である。基板21aの長手方向は、Y軸方向であり、基板21aの短手方向は、Z軸方向である。なお、基板21aの形状は、特に限定されない。基板21aは、具体的には、樹脂基板、セラミック基板、または、メタルベース基板等のリジッド基板である。
【0023】
基板21aのうち複数の発光素子21bが実装された主面である実装面は、導光板40のX軸+側の端面(または、導光板40のX軸-側の端面)に対向する。複数の発光素子21bは、例えば、基板21aの長手方向に沿って一列に並んで配置される。
【0024】
発光素子21bは、白色光を発する表面実装型(Surface Mount Device:SMD型)のLED素子である。表面実装型のLED素子とは、樹脂成型されたキャビティの中にLEDチップを実装し、かつ、当該キャビティ内に蛍光体含有樹脂を封入したパッケージ型のLED素子である。発光素子21bは、X軸+側の端面(または、導光板40のX軸-側の端面)に向けて、例えば、高色温度(例えば、色温度6500K)の白色光を発する。
【0025】
第二光源22は、導光板40のY軸+側の端面、及び、導光板40のY軸-側の端面のそれぞれに対向配置され、導光板40のY軸+側の端面(または、導光板40のY軸-側の端面)に向けて光を発する発光モジュールである。第二光源22は、基板22aと、発光素子22bとを有する。
【0026】
基板22aは、図中のX軸方向に長い長尺矩形状の基板である。基板22aの長手方向は、X軸方向であり、基板22aの短手方向は、Z軸方向である。なお、基板22aの形状は、特に限定されない。基板22aは、具体的には、樹脂基板、セラミック基板、または、メタルベース基板等のリジッド基板である。
【0027】
基板22aのうち複数の発光素子22bが実装された主面である実装面は、導光板40のY軸+側の端面(または、導光板40のY軸-側の端面)に対向する。複数の発光素子22bは、例えば、基板22aの長手方向に沿って一列に並んで配置される。
【0028】
発光素子22bは、白色光を発する表面実装型(Surface Mount Device:SMD型)のLED素子である。表面実装型のLED素子とは、樹脂成型されたキャビティの中にLEDチップを実装し、かつ、当該キャビティ内に蛍光体含有樹脂を封入したパッケージ型のLED素子である。発光素子22bは、Y軸+側の端面(または、導光板40のY軸-側の端面)に向けて、例えば、低色温度(例えば、色温度2700K)の白色光を発する。
【0029】
このように、照明装置10は、発光色が異なる2種類の光源を備えており、後述のように調色機能に対応している。なお、照明装置10が調色機能に対応することは必須ではなく、第一光源21及び第二光源22の発光色は、実質的に同一であってもよい。また、照明装置10は、導光板40の1つの端面に対向する少なくとも1つの光源を備えればよく、4つの光源を備えることは必須ではない。
【0030】
次に、振動子30について説明する。振動子30は、導光板40を振動させることにより導光板40から音を発生させる。ここでの音は、ノイズなどの不可避的に発生する音ではなく、意図的に発生する音の意味であり、具体的には、音楽コンテンツなどの音信号に基づく音である。なお、振動により導光板40から出力される音は、可聴域の音だけでなく、非可聴域の音を含む場合がある。つまり、本明細書中における「音」には、いわゆる可聴音だけでなく、非可聴音(超音波)が含まれる。
【0031】
振動子30は、具体的には、導光板40の第一主面41に設置され、導光板40の第二主面42側から室内空間60に向けて音を発生させる。つまり、振動子30は、導光板40を振動板として使用することにより、照明装置10にスピーカとしての機能を付与する。振動子30は、具体的には、圧電素子によって実現されるが、磁気コイルを用いたアクチュエータによって実現されてもよい。
【0032】
複数の振動子30は、より詳細には、導光板40の第一主面41の外周部に、導光板40の一辺に対して間隔をあけて2つずつ配置される。つまり、照明装置10は、合計8つの振動子30を備える。なお、照明装置10が備える振動子30の数、及び、配置は特に限定されず、実験的または経験的に適宜定められればよい。例えば、振動子30は、導光板40の第一主面41の中央部に配置されてもよい。また、振動子30は、導光板40の第二主面42に配置されてもよい。
【0033】
なお、振動子30の第一主面41と対向する面(つまり、導光板40に接触する面)は、導光板40が発する光を反射する反射部材によって形成される。これにより、発光中の導光板40を第二主面42側から見た場合に、振動子30が影になってしまうことが抑制される。反射部材は、例えば、銀またはタングステンなどの金属部材であるが、白色光に対する反射率が比較的高い部材であればよい。
【0034】
導光板40は、第一光源21が発する光、及び、第二光源22が発する光が端面(端部)に入射することにより面発光する。導光板40は、平面視形状が矩形の平板状の光学部材である。導光板40は、透明の部材であるが、透光性を有する部材であればよい。導光板40は、例えば、アクリルによって形成されるが、ポリカーボネートまたはガラスなどによって形成されてもよい。
【0035】
導光板40は、第一主面41及び第二主面42を有する。第一主面41は、導光板40の上側(Z軸+側)の主面である。第一主面41は、複数の振動子30が接続され、導光板40の内部に入射した光を反射する反射構造が設けられた主面である。第一主面41には、反射構造として、微細な凹部(プリズム)が多数設けられる。凹部の断面形状は、例えば、V字状であるが、特に限定されない。
【0036】
第二主面42は、導光板40の下側(Z軸-側)の主面である。第二主面42は、言い換えれば、第一主面41と背向する主面である。第二主面42は、平面である。第二主面42には、反射構造が設けられていないが、第一主面41と同様に、反射構造として、微細な凹部が多数設けられていてもよい。
【0037】
フレーム70は、第二主面42を室内空間60に露出させる開口部71を有する額縁状の構造体である。フレーム70は、2つの第一光源21、2つの第二光源22、及び、導光板40を一体的に保持する保持部材として機能する。フレーム70は、例えば、樹脂材料によって形成されるが、金属材料によって形成されてもよい。フレーム70のX軸+側の端部、及び、X軸-側の端部のそれぞれには、係止構造72が設けられる。
【0038】
係止構造72は、照明装置10を天井から吊り下げられた配線ダクト50に係止させるための構造体である。係止構造72は、例えば、係止構造72の下側にY軸方向に延びる、断面がブラケット状の溝を形成する。この溝は、配線ダクト50に対応する形状及び大きさ(つまり、規格化された形状及び大きさ)となっており、当該溝の中に配線ダクト50を位置させることにより、照明装置10は、配線ダクト50に係止する。
【0039】
以上説明したように、照明装置10は、照明としてだけでなく、スピーカとしても機能する。図1に示されるように、照明装置10は、例えば、照明装置10の直下に音を出力することができる。
【0040】
一般的に、オフィスなどの室内空間60において、床面または床面に近い壁面などにスピーカを設置すると、机などが障害物となり、音が散乱して聞こえる範囲が狭くなる場合がある。音の聞こえる範囲を広げるために、スピーカを天井側に配置する構成が考えられる。一般的に、室内空間60の天井側にスピーカを設置する場合の設置位置としては、天井面と壁面の境界部が採用される。そうすると、音は、基本的に斜め下に向けて出力され、音の聞こえる範囲が広がりすぎてしまう可能性がある。
【0041】
これに対し、照明装置10は、照明装置10の直下に向けて音を出力することができるため、音が聞こえる範囲を適切な範囲にすることができる。例えば、照明装置10(導光板40)が発する直接音の到達範囲R1は、照明装置10が照射する光の照射範囲R2に含まれるように調整される。図5は、照明装置10が発する直接音の到達範囲R1と、照明装置10の光の照射範囲R2とを示す図である。
【0042】
図5に示されるような直接音の到達範囲R1と光の照射範囲R2との関係性は、例えば、照明装置10を以下のように設計することによって実現される。まず、直接音の到達範囲R1を、例えば、複数の振動子30の配置を調整することにより決定する。直接音の到達範囲R1が定められた後、このような到達範囲R1よりも光の照射範囲R2が大きくなるように、導光板40に設けられる反射構造(具体的には、凹部の形状、凹部の密度など)が調整(設計)される。
【0043】
このように、直接音の到達範囲R1と、光の照射範囲R2とが適切に設計されれば、周囲から分離された光と音の空間を得ることができる。
【0044】
[機能構成]
次に、照明装置10の機能構成について説明する。図6は、照明装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0045】
図6に示されるように、照明装置10は、第一光源21、第二光源22、第一発光制御回路23、第二発光制御回路24、制御部25、記憶部26、通信部27、及び、振動子30を備える。なお、図6では、照明装置10に加えて、照明コントローラ110も図示されている。
【0046】
第一光源21、第二光源22、及び、振動子30の具体的構成については上述の通りである。なお、図6では、第一光源21、第二光源22、及び、振動子30は1つだけ図示されている。
【0047】
第一発光制御回路23は、制御部25の制御に基づいて電圧及び電流を第一光源21に供給する回路である。第一発光制御回路23は、具体的には、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路などの調光回路である。
【0048】
第二発光制御回路24は、制御部25の制御に基づいて電圧及び電流を第二光源22に供給する回路である。第二発光制御回路24は、具体的には、PWM制御回路などの調光回路である。
【0049】
制御部25は、第一発光制御回路23を介して第一光源21の発光を制御し、かつ、第二発光制御回路24を介して第二光源22の発光を制御する。つまり、制御部25は、第一光源21及び第二光源22を独立して発光制御(調光制御)することができ、これにより、照明装置10は、調光機能及び調色機能を有している。また、制御部25は、記憶部26から音信号を取得し、取得した音信号に基づいて振動子30を制御する。このような制御部25は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0050】
記憶部26は、制御部25が実行するプログラム、及び、導光板40から発せられる音の音源(音信号)が記憶される記憶装置である。記憶部26は、具体的には、半導体メモリなどによって実現される。音信号には、音声信号(例えば、人の声帯の振動に基づく信号)、及び、音響信号(例えば、演奏される音楽、効果音などの信号)が含まれる。
【0051】
通信部27は、照明装置10が照明コントローラ110と通信を行うための通信回路である。通信部27によって行われる通信は、有線通信であってもよいし無線通信であってもよい。通信部27が行う通信の通信規格は特に限定されない。
【0052】
照明コントローラ110は、ユーザが照明装置10に指示を送るために操作するユーザインターフェース装置である。照明コントローラ110は、例えば、照明装置10の専用リモートコントローラであるが、専用のアプリケーションプログラムがインストールされた携帯端末(スマートフォンまたはタブレット端末など)であってもよい。
【0053】
[動作]
次に、照明装置10の動作の一例について説明する。図7は、照明装置10の動作のフローチャートである。
【0054】
まず、照明装置10は、ユーザの指定の明るさ、及び、色温度で発光する(S11)。ユーザは、例えば、照明コントローラ110を介して照明装置10の明るさ及び色温度を指定することができる。
【0055】
この状態でユーザが照明コントローラ110に対して音の再生を指示する操作を行うと、通信部27は、音の再生を指示する指示信号を照明コントローラ110から受信する(S12)。制御部25は、受信された指示信号に基づいて、指示の対象となる音信号を記憶部26から読み出し、読み出した音信号に基づいて振動子30を振動することにより、導光板40から音を発生させる(S13)。つまり、音信号(音信号が示す音)が再生される。音信号は、具体的には、音楽コンテンツの音信号などである。
【0056】
なお、音信号は、あらかじめ記憶部26に記憶されていてもよいし、ステップS12において指示信号と合わせて照明コントローラ110(またはこれ以外の外部装置)から取得されて記憶部26に一時的に記憶(バッファ)されてもよい。
【0057】
また、このとき、制御部25は、音信号に基づいて照明装置10の明るさ及び色温度の少なくとも一方を制御してもよい(S14)。つまり、制御部25は、音信号に基づいて第一光源21及び第二光源22の発光制御を行うことにより、導光板40が発する光及び音を連動させてもよい。
【0058】
例えば、制御部25は、音信号の振幅(つまり、音の強弱)を検出し、振幅の変化に合わせて照明装置10の明るさ及び色温度の少なくとも一方を変化させる。また、制御部25は、音信号を解析することにより、音調またはリズムを特定し、特定した音調またはリズムに合わせて照明装置10の明るさ及び色温度の少なくとも一方を変化させてもよい。
【0059】
このように照明装置10は、室内空間60において連動して音と光を変化させることで、臨場感を向上することができる。
【0060】
[変形例]
上記実施の形態では、照明装置10は、配線ダクト50に取り付けられ、配線ダクト50から電力の供給を受けた。しかしながら、照明装置10は、このような態様に限定されない。図8は、変形例に係る照明装置の分解斜視図である。
【0061】
図8に示される照明装置10aは、照明装置10において係止構造72が省略された構成を有する本体部11aと、本体部11aを上方から覆うカバー12aと、カバー12aにケーブル13aを介して接続された取り付け構造14aを備える。照明装置10aは、取り付け構造14aが天井に設けられた引掛シーリングボディに取り付けられることにより、引掛シーリングボディから電力の供給を受け動作することができる。このように、本発明は、引掛シーリングボディに取り付けられ、引掛シーリングボディから電力の供給を受ける照明装置10aとして実現されてもよい。
【0062】
なお、図8では、ペンダント型の照明装置10aが示されているが、本発明は、引掛シーリングボディに取り付けられる照明器具用アダプタを用いて天井に直接的に設置される照明装置として実現されてもよい。
【0063】
[効果等]
以上説明したように、照明装置10は、第一光源21と、端部に第一光源21が発する光が入射することにより面発光する導光板40と、導光板40を振動させることにより音を発生させる振動子30とを備える。
【0064】
このような照明装置10は、導光板40を振動板として利用することにより、スピーカとして機能することができる。
【0065】
また、振動子30は、導光板40が有する第一主面41の外周部に配置される。
【0066】
このような照明装置10においては、発光中の導光板40を室内空間60側から見た場合に、振動子30の影が目立ちにくい効果が得られる。
【0067】
また、振動子30の第一主面41と対向する面は、導光板40が発する光を反射する反射部材によって形成される。
【0068】
このような照明装置10においては、発光中の導光板40を室内空間60側から見た場合に、振動子30が影になってしまうことが抑制される。
【0069】
また、振動子30による振動により導光板40が発する直接音の到達範囲R1は、導光板40の光の照射範囲R2に含まれる。
【0070】
このような照明装置10によれば、周囲から分離された音の空間を得ることができる。
【0071】
また、照明装置10は、さらに、導光板40から発させようとする直接音の音信号を取得し、取得した音信号に基づいて振動子30を制御する制御部25を備える。
【0072】
このような照明装置10は、音楽コンテンツなどの音信号に基づいて音を出力することができる。
【0073】
また、制御部25は、さらに、取得した音信号に基づいて第一光源21の発光制御を行うことにより、導光板40が発する光及び音を連動させる。
【0074】
このような照明装置10は、室内空間60における臨場感を向上することができる。
【0075】
また、照明装置10は、室内空間60の天井側に設置される。
【0076】
このような照明装置10は、照明装置10の直下に光及び音を出力することができるので、机などの障害物によって光及び音が遮られにくい効果が得られる。
【0077】
また、照明装置10は、さらに、照明装置10を天井から吊り下げられた配線ダクト50に係止させるための係止構造72を備える。
【0078】
このような照明装置10は、配線ダクト50に係止することができる。
【0079】
また、照明装置10は、配線ダクト50から電力の供給を受けるための取り付け構造80を有する。
【0080】
このような照明装置10は、配線ダクト50から電力の供給を受けることができる。
【0081】
また、照明装置10は、配線ダクト50から供給される直流電力を用いて動作する。
【0082】
このような照明装置10は、配線ダクト50から交流電力が供給される場合に比べて、照明装置10が備える電力変換回路を簡素化及び小型化することができる。したがって、照明装置10の小型化、及び、薄型化が容易となる。
【0083】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0084】
例えば、上記実施の形態では、室内空間は、オフィス用途の空間として説明されたが、店舗用途の空間であってもよいし、住宅内の空間であってもよい。また、室内空間は、その他の用途の空間であってもよい。
【0085】
また、上記実施の形態においては、照明装置は天井(または天井側)に設置されると説明したが、壁に設置されてもよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、光源として、いわゆるSMD型の発光モジュールが用いられたが、光源の具体的態様は特に限定されない。例えば、光源として、COB(Chip On Board)型の発光モジュールが用いられてもよい。また、光源としては、有機EL素子または無機EL素子等のLED以外の固体発光素子を含む発光モジュールが用いられてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0089】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御部などの構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0090】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態の照明システムとして実現されてもよい。
【0091】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
10、10a 照明装置
80 取り付け構造
21 第一光源(光源)
25 制御部
30 振動子
40 導光板
41 第一主面(主面)
50 配線ダクト
72 係止構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8