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特許7262092電源制御器、給電システム及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】電源制御器、給電システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20230414BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230414BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230414BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20230414BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20230414BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20230414BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20230414BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230414BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230414BHJP
   B60L 50/40 20190101ALN20230414BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H02J7/00 P
H02J7/34 B
H02J7/00 S
H02J1/00 309Q
H02J1/00 306F
H02J1/00 306G
H01M8/04858
H01M8/04537
H01M8/04313
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
B60L50/40
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018173774
(22)【出願日】2018-09-18
(65)【公開番号】P2019083675
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】106131995
(32)【優先日】2017-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】502056293
【氏名又は名称】亞太燃料電池科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100162536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 豊
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジェファーソン ワイエス
(72)【発明者】
【氏名】徐 金峰
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-231176(JP,A)
【文献】特開2010-141951(JP,A)
【文献】特開2009-124934(JP,A)
【文献】特開2011-147229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
H02J 1/00
H01M 8/04858
H01M 8/04537
H01M 8/04313
H01M 10/48
H01M 10/44
B60L 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源変換器と二次電池を含む給電システムに適用される電源制御器であって、電力調整モード充電制御モードを提供でき、対応する電源変換器の変換電力或いは出力電流を制御し、
前記電力調整モードは、前記電源制御器の電力制御装置で実現されるものであり、
前記電力制御装置は、少なくとも、
電力倍率及び電力指令値を受信して、前記電力倍率を前記電力指令値で除算した第一電力パラメータを送信する除算器と、
電圧倍率及び変換電圧フィードバック値を受信して、乗算した第二電力パラメータを送信する第一乗算器と、
変換電流フィードバック値、前記第一電力パラメータ及び前記第二電力パラメータを受信して、乗算した第一出力電流の所定値を送信する第二乗算器と、を含み、
前記電圧倍率は、前記電源変換器の変換電圧に基づいて特定される定数であり、
前記電力倍率は、前記二次電池の特性により予め設定され、前記電力指令値との関係に従って補正されて特定される定数であり、
前記電力調整モードにおいて前記電源変換器は、前記第一出力電流の所定値により、その変換電力を制御して調整し、前記電力調整モードと前記充電制御モードとの間は、制御スイッチにより切り替える、
ことを特徴とする電源制御器。
【請求項2】
前記電源変換器の変換電力が電力指令値以上である場合に、前記電源制御器は、前記電力調整モードを実行して前記電源変換器の変換電力を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源制御器。
【請求項3】
前記電源変換器の供給する充電電流が充電電流下限値よりも小さい場合に、前記電源制御器は、前記電力調整モードを実行して前記電源変換器の変換電力を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源制御器。
【請求項4】
前記電源制御器は、前記変換電圧フィードバック値と、前記変換電流フィードバック値と、充電電流フィードバック値と、充電電流閾値と、前記電力指令値とを受信し、前記電源制御器が前記電力調整モードを実行する場合に、前記変換電圧フィードバック値、前記変換電流フィードバック値及び前記電力指令値に基づいて、前記第一出力電流の所定値を提供して前記電源変換器に前記第一出力電流の所定値に従ってその変換電力を調整するように制御し、前記電源制御器が前記充電制御モードを実行する場合に、前記充電電流フィードバック値及び前記充電電流閾値に基づいて、第二出力電流の所定値を提供して前記電源変換器に前記第二出力電流の所定値に従ってその出力電流を調整するように制御する、
ことを特徴とする請求項1-3のいずれか1項に記載の電源制御器。
【請求項5】
前記電源変換器の供給する充電電流が充電電流上限値以上である場合に、前記電源制御器は、前記充電制御モードを実行して前記電源変換器の出力電流を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源制御器。
【請求項6】
前記充電制御モードは、充電制御装置実現されるものであり、
前記充電制御装置は、少なくとも、
電流倍率及び充電電流フィードバック値を受信し乗算した充電電流パラメータを送信する第三乗算器と、
充電電流閾値及び前記充電電流パラメータを受信し乗算した第二出力電流の所定値を送信する第四乗算器と、を含み、
前記電流倍率は、前記二次電池の充電電流に基づいて特定される定数であり、
前記充電制御モードにおいて前記電源変換器は、前記第二出力電流の所定値により、その出力電流を制御して調整し、前記制御スイッチは前記第一出力電流の所定値と前記第二出力電流の所定値の間の切り替えのために使用される
ことを特徴とする請求項1或いはに記載の電源制御器。
【請求項7】
入力電圧及び入力電流を入力し、出力電圧及び出力電流に変換するためのものであって、変換された電圧と変換された電流とを乗算した積が変換された電力となる電源変換器と、
前記電源変換器に接続され、前記出力電流が供給する充電電流を入力するための二次電池と、
前記電源変換器及び前記二次電池に接続され、変換電圧フィードバック値、変換電流フィードバック値、充電電流フィードバック値及び電力指令値を受信し、前記二次電池の特性に基づいて充電電流上限値及び充電電流下限値を予め設定し、前記電源変換器の変換電力が前記電力指令値以上である場合に、力調整モードを実行させ、前記電源変換器の変換電力を調整するように制御し、前記充電電流が前記充電電流上限値以上である場合に、電制御モードを実行させ、前記電源変換器の出力電流を調整するように制御するための電源制御器と、を、少なくとも、含み、
前記電力調整モードは、前記電源制御器の電力制御装置で実現されるものであり、
前記電力制御装置は、少なくとも、
電力倍率及び電力指令値を受信して、前記電力倍率を前記電力指令値で除算した第一電力パラメータを送信する除算器と、
電圧倍率及び変換電圧フィードバック値を受信して、乗算した第二電力パラメータを送信する第一乗算器と、
変換電流フィードバック値、前記第一電力パラメータ及び前記第二電力パラメータを受信して、乗算した第一出力電流の所定値を送信する第二乗算器と、を含み、
前記電圧倍率は、前記電源変換器の変換電圧に基づいて特定される定数であり、
前記電力倍率は、前記二次電池の特性により予め設定され、前記電力指令値との関係に従って補正されて特定される定数であり、
前記電力調整モードにおいて前記電源変換器は、前記第一出力電流の所定値により、その変換電力を制御して調整し、前記電力調整モードと前記充電制御モードとの間は、制御スイッチにより切り替える、
ことを特徴とする給電システム。
【請求項8】
前記電源制御器は、さらに、前記充電電流が前記充電電流下限値よりも小さいと判断する場合に、前記電力調整モードを実行して前記電源変換器の変換電力を調整する、
ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記電源制御器は、前記電力調整モードを実行する場合に、前記変換電圧フィードバック値、前記変換電流フィードバック値及び前記電力指令値に基づいて、第一出力電流の所定値を提供し、前記電源変換器に前記第一出力電流の所定値に従ってその変換電力を調整させるように制御し、
前記電源制御器は、前記充電制御モードを実行する場合に、前記充電電流フィードバック値及び電電流閾値に基づいて、第二出力電流の所定値を提供し、前記電源変換器に前記第二出力電流の所定値に従ってその出力電流を調整させるように制御し、
前記電源変換器の変換電圧は前記電源変換器の入力電圧或いは出力電圧であり、前記電源変換器の変換電流は前記電源変換器の入力電流或いは出力電流であり、前記変換電圧フィードバック値は入力電圧フィードバック値或いは出力電圧フィードバック値であり、前記変換電流フィードバック値は入力電流フィードバック値或いは出力電流フィードバック値であり、前記変換電力は入力電力或いは出力電力である、
ことを特徴とする請求項或いはに記載のシステム。
【請求項10】
前記第一出力電流の所定値は、前記変換電流フィードバック値と、前記第一電力パラメータと前記第二電力パラメータとを乗算した積であり、前記第一電力パラメータは、前記電力倍率前記電力指令値除算したものと等しく、前記第二電力パラメータは、前記電圧倍率と前記変換電圧フィードバック値とを乗算したものと等しく、前記第二出力電流の所定値は、充電電流パラメータと前記充電電流閾値とを乗算した積であり、前記充電電流パラメータは、電流倍率と前記充電電流フィードバック値とを乗算したものと等しく、前記電流倍率は、前記二次電池の充電電流に基づいて特定される定数である
ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記電力指令値は、負荷の所要量或いは給電機器が前記電源変換器に供給する入力電圧を参照して特定されるものであり、
前記充電制御モードは、充電制御装置実現されるものであり、
前記充電制御装置は、少なくとも、
前記電流倍率及び前記充電電流フィードバック値を受信し乗算した前記充電電流パラメータを送信する第三乗算器と、
前記充電電流閾値及び前記充電電流パラメータを受信し乗算した前記第二出力電流の所定値を送信する第四乗算器と、を少なくとも含み、
前記電源変換器の出力電流は、前記第二出力電流の所定値により制御され、
前記給電機器は燃料電池スタック、燃料発電機、風力発電機、太陽光発電機モジュールの中から一つ選択される、
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
負荷所要量を提供可能な負荷モジュールと、
前記入力電圧及び前記入力電流を供給するための給電機器と、
前記給電機器、前記電源変換器、電源制御器及び前記負荷モジュールに接続され、入力電圧フィードバック値、出力電圧フィードバック値及び前記負荷所要量に従って、対応する前記電力指令値を生成し、前記二次電池の特性に従って電電流閾値及び電圧所定値を予め設定するための給電制御器と、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項乃至11中のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項13】
前記給電制御器は、少なくとも、
それぞれが前記給電機器、前記電源変換器及び前記負荷モジュールに接続され、前記入力電圧フィードバック値、前記出力電圧フィードバック値及び前記負荷所要量の情報を変換するための、複数の第一情報変換器と、
前記複数の第一情報変換器に接続され、各前記情報を受信し、対応する前記電力指令値を生成し、前記二次電池の特性に従って前記充電電流閾値及び前記電圧所定値を予め設定する、マイクロプロセッサーと、
それぞれが前記マイクロプロセッサー及び前記電源制御器に接続され、前記電力指令値、前記充電電流閾値及び前記電圧所定値の情報を変換するための、複数の第二情報変換器と、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の第二情報変換器の各前記情報は、前記電源制御器に転送され、前記電源制御器が、対応する第一出力電流の所定値或いは第二出力電流の所定値を出力し、前記電源変換器の変換電力或いは出力電流を制御し、
前記電圧所定値の情報は、前記電源変換器に転送され、
前記負荷所要量は、負荷電力値、スロットル開度、車両速度値、ブレーキ信号値或いは照度値であり、
前記制御スイッチは前記第一出力電流の所定値と前記第二出力電流の所定値の間の切り替えのために使用される、
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記給電制御器の制御方法は、
(i1)前記二次電池の特性に基づいて、前記電圧所定値及び前記充電電流閾値を予め設定するステップ、
(i2)前記入力電圧フィードバック値、前記出力電圧フィードバック値及び前記負荷所要量を測定し、対応する前記電力指令値を出力するステップ、
(i3)前記二次電池の電量或いは電圧を含む前記二次電池のダイナミックパラメータ値が第一区間値の範囲を超えるか否かを判断するステップ、
(i4)前記給電機器からの出力電圧或いは前記電源変換器の入力電圧を含む前記給電機器のダイナミックパラメータ値が第二区間値の範囲を超えるか否かを判断するステップ、
(i5)前記負荷所要量が前記電力指令値よりも低いか否かを判断するステップ、
(i6)電力目標値を設定するステップ、
(i7)前記電力指令値を設定するステップ、
(i8)前記電力目標値を、前記負荷所要量と等しいように降下させ、前記電力指令値を、前記電力目標値と等しいように降下させるステップ、及び
(i9)前記電力指令値を出力するステップ、を少なくとも含み
前記ステップ(i1)を実行した後に、前記ステップ(i2)を実行し、前記ステップ(i2)を実行した後に、前記ステップ(i3)を実行し、前記ステップ(i3)による判断の結果が「いいえ」である場合に、前記ステップ(i4)を実行し、前記ステップ(i4)による判断の結果が「いいえ」である場合に、前記ステップ(i5)を実行し、前記ステップ(i5)による判断の結果が「いいえ」である場合に、前記ステップ(i9)を実行し、前記ステップ(i9)を実行した後に、前記ステップ(i2)を再度実行し、前記ステップ(i3)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i6)を実行し、前記ステップ(i6)を実行した後に、前記ステップ(i4)を実行し、前記ステップ(i4)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i7)を実行し、前記ステップ(i7)を実行した後に、前記ステップ(i5)を実行し、前記ステップ(i5)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i8)を実行し、前記ステップ(i8)を実行した後に、前記ステップ(i9)を実行する
ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記ステップ(i3)及び(i6)は、前記二次電池による制御プロセスであり、さらに、
(i31)前記二次電池の電圧がその充電起動電圧に達するか否かを判断するステップ、
(i32)前記二次電池の電圧がその充電終了電圧に達するか否かを判断するステップ、
(i61)前記電力目標値を、前記出力電圧と前記充電電流閾値とが乗算したものに前記負荷所要量を加算した値と等しいように設定するステップ、及び、
(i62)前記電力目標値を、前記負荷所要量と等しいように設定するステップ、に詳しく分けられ、
前記ステップ(i31)による判断の結果が「いいえ」である場合に、前記ステップ(i32)を実行し、前記ステップ(i32)による判断の結果が「いいえ」である場合に、終了し、前記ステップ(i31)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i61)を実行し、前記ステップ(i61)を実行した後に、前記ステップ(i32)を実行し、前記ステップ(i32)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i62)を実行し、前記ステップ(i62)を実行した後に、終了する、
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第一区間値は、第一上限値及び第一下限値をさらに含み、前記ステップ(i31)ではさらに、前記二次電池の電量或いは電圧が前記第一下限値よりも低いかどうかを判断し、前記ステップ(i32)ではさらに、前記二次電池の電量或いは電圧が前記第一上限値よりも高いかどうかを判断し、前記給電制御器は前記二次電池の特性に基づいて充電電流閾値を予め設定し、前記負荷所要量は、負荷電力値、スロットル開度、車両速度値、ブレーキ信号値或いは照度値であ
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第二区間値は、第二上限値及び二下限値を含み、前記ステップ(i4)と(i7)は前記給電機器による制御プロセスであり、さらに、
(i41)前記入力電圧が前記第二上限値よりも高いかどうかを判断するステップ、
(i42)前記入力電圧が前記第二下限値よりも低いかどうかを判断するステップ、
(i71)前記電力指令値を、前記電力目標値と等しくなるように、徐々に引き上げるステップ、及び
(i72)前記電力指令値の調整を停止するステップ、に詳しく分けられ、
前記ステップ(i41)による判断の結果が「いいえ」である場合に、前記ステップ(i42)を実行し、前記ステップ(i42)による判断の結果が「いいえ」である場合に、終了し、前記ステップ(i41)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i71)を実行し、前記ステップ(i71)を実行した後に、前記ステップ(i42)を実行し、前記ステップ(i42)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i72)を実行し、前記ステップ(i72)を実行した後に、終了する、
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
給電システムに適用され、前記給電システムに少なくとも、電源変換器、二次電池及び電源制御器を含み、前記電源制御器により電力調整モード或いは充電制御モードを実行し、
前記電力調整モードは、前記電源制御器の電力制御装置で実現されるものであり、
前記電力制御装置は、少なくとも、
電力倍率及び電力指令値を受信して、前記電力倍率を前記電力指令値で除算した第一電力パラメータを送信する除算器と、
電圧倍率及び変換電圧フィードバック値を受信して、乗算した第二電力パラメータを送信する第一乗算器と、
変換電流フィードバック値、前記第一電力パラメータ及び前記第二電力パラメータを受信して、乗算した第一出力電流の所定値を送信する第二乗算器と、を含み、
前記電圧倍率は、前記電源変換器の変換電圧に基づいて特定される定数であり、
前記電力倍率は、前記二次電池の特性により予め設定され、前記電力指令値との関係に従って補正されて特定される定数であり、
前記電力調整モードにおいて前記電源変換器は、前記第一出力電流の所定値により、その変換電力を制御して調整し、
前記電力調整モードと前記充電制御モードとの間は、制御スイッチにより切り替え、
前記電源変換器は前記二次電池へ充電電流を供給する、前記電源制御器の制御方法であって、
(a)前記給電システムが作動する場合に、前記二次電池の特性に基づいて充電電流上限値及び充電電流下限値を予め設定するステップ、
(b)その初期に前記電力調整モードとして予め設定するステップ、
(c)前記電力調整モードであるかどうかを判断するステップ、
(d)前記電力調整モードを実行し、前記第一出力電流の所定値を出力するステップ、
(e)前記充電電流が前記充電電流上限値以上と等しいかどうかを判断するステップ、
(f)前記充電制御モードにジャンプするステップ、
(g)前記充電制御モードを実行し、第二出力電流の所定値を出力するステップ、
(h)前記電源変換器の変換電力が前記電力指令値以上であるを判断するステップ、及び
(i)前記電力調整モードにジャンプするステップ、を含み、
まず、前記ステップ(a)を実行し、前記ステップ(a)を実行した後に、前記ステップ(b)を実行し、そして、前記ステップ(c)を実行し、前記ステップ(c)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(d)を実行し、前記ステップ(d)を実行した後に、前記ステップ(e)を実行し、前記ステップ(e)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(f)を実行し、前記ステップ(f)を実行した後に、前記ステップ(c)を再度実行し、前記ステップ(c)による判断の結果が「いいえ」である場合に、前記ステップ(g)を実行し、前記ステップ(g)を実行した後に、前記ステップ(h)を実行し、前記ステップ(h)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i)を実行し、前記ステップ(i)を実行した後に、前記ステップ(c) を再度実行し、前記ステップ(e)による判断の結果が「いいえ」である場合に、前記ステップ(c)を再度実行し、前記ステップ(h)による判断の結果が「いいえ」である場合にも、前記ステップ(c)を再度実行する、
ことを特徴とする電源制御器の制御方法。
【請求項20】
前記ステップ(h)後に、さらに、前記充電電流が前記充電電流下限値よりも小さいかどうかを判断するステップ(h1)を含み、ステップ(h)を実行した後に、ステップ(h1)を実行し、前記ステップ(h1)による判断の結果が「はい」である場合に、前記ステップ(i)を実行し、前記ステップ(h1)による判断の結果が「いいえ」である場合に、前記ステップ(c)を再度実行し、
前記ステップ(d)では、前記電源制御器が前記第一出力電流の所定値により前記電源変換器にその変換電力を調整させるように制御し、
前記ステップ(g)では、前記電源制御器が前記第二出力電流の所定値により前記電源変換器にその出力電流を調整させるように制御する、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第一出力電流の所定値は、変換電流フィードバック値、第一電力パラメータ及び第二電力パラメータを乗算した積であり、
前記第一電力パラメータは、電力倍率前記電力指令値除算したものと等しく、
前記第二電力パラメータは、電圧倍率と変換電圧フィードバック値とを乗算したものと等しく、
前記電圧倍は、前記電源変換器の変換電圧に基づいて特定される定数である、
ことを特徴とする請求項19或いは20に記載の方法。
【請求項22】
前記充電制御モードは充電制御装置で実現され、
前記充電制御装置は少なくとも、
電流倍率及び充電電流フィードバック値を受信して、乗算した充電電流パラメータを送信する第三乗算器と、
充電電流閾値及び前記充電電流パラメータを受信して、乗算した前記第二出力電流の所定値を送信する第四乗算器と、を含み、
前記第二出力電流の所定値は、前記充電電流パラメータと前記充電電流閾値とを乗算した積であり、
前記充電電流パラメータは、前記電流倍率と前記充電電流フィードバック値とを乗算したものと等しく、
前記電流倍率は、前記充電電流閾値に基づいて予め設定される定数であり、
前記制御スイッチは前記第一出力電流の所定値と前記第二出力電流の所定値の間の切り替えのために使用されることを特徴とする請求項19乃至21中のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電源制御器、給電システム及びその制御方法に関し、特に、一組の電源変換器だけを備えるが、その変換電力を制御することにより給電機器を保護することができ、また、その出力電流を制御することにより二次電池を保護することができる電源制御器、給電システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、燃料電池が給電システムに用いられることが、広く知られている。電気自動車を例とすると、給電システムは、一般的に、二次電池、燃料電池、負荷及び二組の電源変換器を含む。その作動方式は、まず、燃料電池を主な動力源として利用し、次に、二次電池を非常用電源(Backup power)やバッファとして利用する。なお、燃料電池が供給する電気エネルギーは、二組の電源変換器のうちの第一の電源変換器により変換され電力供給源に供給される。二次電池は、第二の電源変換器が変換する電気エネルギーにより充電される。また、第二の電源変換器が変換する電気エネルギーは、そのまま放電して負荷の消費に供給されてもよいことが知られている。
【0003】
燃料電池は、その出力特性によると、電池スタック(Stack)が電力の制御を実行して負荷を有効に低減することができない場合に、電圧の異常な急降下の恐れがある。この現象は、永続的な障害を発生させたり、一時的な障害を発生させたりして、給電システムが緊急停止状態に陥るようになる。従来の給電システムは、電源変換器の出力電力を調整する傾向がある。しかし、電源変換器の出力電力の調整と同時に、二次電池が受信する充電電流がその許容電流量を超えてしまい、二次電池が損壊されてしまうことが起こり得る。
【0004】
さらに、現在、燃料電池、二次電池及び負荷などにより構成される給電システムは、上記の二組の電源変換器を利用する必要があり、このことが、給電システムのコストや体積の大幅な増加の原因となり得る。
【0005】
従って、従来に存在しない電源制御器、給電システム、その装置及び制御方法を如何にして開発するかが、現在までにおける最も早期に解決すべき課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
技術用語を、以下のように定義する。
1、入力電圧フィードバック値Vfb1は、入力電圧V1が反映される入力電圧フィードバック値である。
2、出力電圧フィードバック値Vfb2は、出力電圧V2が反映される出力電圧フィードバック値である。
3、入力電流フィードバック値Ifb1は、入力電流I1が反映される入力電流フィードバック値である。
4、出力電流フィードバック値Ifb2は、出力電流I2が反映される出力電流フィードバック値である。
5、充電電流フィードバック値Ifb3は、充電電流I3が反映される充電電流フィードバック値である。
6、変換電圧Vcは、システムの状況によって、入力電圧V1或いは出力電圧V2である。
7、変換電流Icは、システムの状況によって、入力電流I1或いは出力電流I2である。
8、変換電圧フィードバック値Vfbcは、電源制御器13が必要とする電圧フィードバック信号であって、変換電圧Vcが反映される電圧フィードバック値である。
9、変換電流フィードバック値Ifbcは、電源制御器13が必要とする電流フィードバック信号であって、輸変換電流Icが反映される出力電流フィードバック値である。
10、変換電力Pcは、電源変換器11の変換電力であって、システムの状況によって、入力電力Pi或いは出力電力Poとすることができる電力である。
11、負荷所要量は、負荷モジュールが提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の一つの目的は、従来において、給電システムが、電源変換器の変換電力を動的に調整できず、二次電池へ入力される充電電流がその許容電流量を超えることを避けられない、などの欠点を解消し得る電源制御器、給電システム及びその制御方法を提供することにある。
【0008】
本願のもう一つの目的は、従来において、給電システムが、二組の電源変換器を利用して二次電池を保護する必要があり、給電機器の安定性や信頼性の改善のためにコストや体積が増加してしまう、という問題を解決し得る電源制御器、給電システム及びその制御方法を提供することにある。
【0009】
上記の目的を実現するために、本願における比較的に広義の実施形態は、給電システムに適用され、電力調整モード及び/或いは充電制御モードを提供でき、対応する電源変換器の変換電力或いは出力電流を制御する電源制御器を提供するものである。
【0010】
上記の電源制御器は、電源変換器の変換電力が電力指令値以上である場合に、或いは、その充電電流が充電電流下限値よりも小さい場合に、電力調整モードを実行して電源変換器の変換電力を調整するものである。
【0011】
上記の電源制御器は、電源変換器の供給する充電電流が充電電流上限値以上である場合に、充電制御モードを実行して電源変換器の出力電流を調整するものである。
【0012】
上記の目的を実現するために、本願における他の比較に広義の実施形態は、少なくとも、入力電圧及び入力電流を入力し、出力電圧及び出力電流に変換するためのものであり、変換される電圧と変換される電流とを乗算した積が変換電力となる電源変換器と、電源変換器に接続され、出力電流が供給する充電電流を入力するための二次電池と、電源変換器及び二次電池に接続され、変換電圧フィードバック値、変換電流フィードバック値、充電電流フィードバック値及び電力指令値を受信し、二次電池の特性に基づいて充電電流上限値及び充電電流下限値を予め設定し、電源変換器の変換電力が電力指令値以上である場合に、電源制御器に電力調整モードを実行させ、電源変換器の変換電力を調整するように制御し、充電電流が充電電流上限値以上である場合に、電源制御器に充電制御モードを実行させ、電源変換器の出力電流を調整するように制御するための電源制御器と、を含む、給電システムを提供するものである。
【0013】
上記の給電システムは、電源制御器により、さらに、充電電流が充電電流下限値よりも小さいと判断される場合に、電力調整モードを実行して電源変換器の変換電力を調整するものである。
【0014】
上記の給電システムにおいて、電力調整モードは電力制御装置により実現されるものであり、充電制御モードは、充電制御装置に実現されるものである。電力指令値は、負荷所要量或いは給電機器が供給する入力電圧を参照して特定されるものであり、電圧倍率は、変換電圧に基づいて特定されものであり、電源制御器は、充電電流閾値を予め設定し或いは受信することが可能なものである。
【0015】
上記の給電システムは、負荷所要量を提供可能な負荷モジュールと、入力電圧及び入力電流を供給するための給電機器と、給電機器、電源変換器、電源制御器及び負荷モジュールに接続され、入力電圧フィードバック値、出力電圧フィードバック値及び負荷所要量に基づいて、対応する電力指令値を生成し、かつ、二次電池の特性に基づいて充電電流閾値及び電圧所定値を予め設定するための給電制御器をさらに含むものである。
【発明の効果】
【0016】
本願は、係る電源制御器、給電システム及びその制御方法によれば、電力調整モード及び/或いは充電制御モードを提供でき、対応する電源変換器の変換電力或いは出力電流を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願に係る好ましい実施例(一)の給電システムにおけるシステムのブロックの模式図である。
図2】本願に係る好ましい実施例(二)の給電システムにおけるシステムのブロックの模式図である。
図3図1及び図2で示す電源制御器の演算ロジックの模式図である。
図4】本願に係る好ましい他の実施例(一)の給電システムにおけるシステムのブロックの模式図である。
図5】本願に係る好ましい他の実施例(二)の給電システムにおけるシステムのブロックの模式図である。
図6図4及び図5で示す給電制御器内の構成の模式図である。
図7】電源制御器が給電システムに適用される制御方法のステップのフローチャートである。
図8】給電制御器が給電システムの状況に従って電力指令値を適切に調整する好ましいステップのフローチャートである。
図9】二次電池を制御するプロセスのフローチャートである。
図10】給電機器を制御するプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の特徴及び利点を表現する幾つかの典型的な実施例を、下記の段落に詳しく記載する。理解するべきは、本願が異なる形態において各種類の変形が可能であるが、それらが本願の範囲を逸脱するわけではない。なお、その説明及び図示は、発明の本質を説明するためのものであり、本願を限定するものではない。また、以下に説明する回路における素子間の接続については、いずれも、電気的接続とすることができる。このため、接続に関わる再度の説明はしない。
【0019】
図1は、本願に係る好ましい実施例(一)の給電システムにおけるシステムのブロックの模式図である。給電システム1は、少なくとも、入力端の入力電圧V1及び入力電流I1を出力端の出力電圧V2及び出力電流I2に変換するためのものである。給電システム1は、変換電圧Vcと変換電流Icとを乗算した積がその変換電力Pcとなる電源変換器11と、電源変換器11の出力端に接続され、出力電流I2の供給する充電電流I3を入力するための二次電池12と、電源変換器11及び二次電池12に接続され、出力電圧フィードバック値Vfb2、出力電流フィードバック値Ifb2、充電電流フィードバック値Ifb3、充電電流閾値Iref及び電力指令値Prefを受信し、二次電池12の特性に基づいて充電電流上限値及び充電電流下限値を設定し、電源変換器11の変換電力Pcが電力指令値Pref以上である場合に、或いは、充電電流I3が充電電流下限値よりも小さい場合に、電源制御器13に電力調整モードを実行させ、出力電圧フィードバック値Vfb2、出力電流フィードバック値Ifb2及び電力指令値Prefに基づいて、第一出力電流の所定値Iref1を提供させ、電源変換器11に第一出力電流の所定値Iref1に従って変換電力Pcを調整させるように制御し、充電電流I3が充電電流上限値以上である場合に、電源制御器13に充電制御モードを実行させ、充電電流フィードバック値Ifb3及び充電電流閾値Irefに基づいて、第二出力電流の所定値Iref2を提供させ、電源変換器11に第二出力電流の所定値Iref2に従って出力電流I2を調整させるように制御する電源制御器13と、を含む。なお、充電電流閾値Irefは、外部より入力される必要がなく、電源制御器13の内部においてセルフプリセットされてもよい。
【0020】
図2は、本願に係る好ましい実施例(二)の給電システムにおけるシステムのブロックの模式図である。給電システム1’は、概ね図1で示す内容と同じであるが、その相違点は、以下の通りである。電源制御器13は、入力電力Piにより制御されることから、電源変換器11は、入力端の入力電圧V1及び入力電流I1によりその入力電力Pi(即ち、変換電力Pc)を計算し、一方、電源制御器13の入力信号について、代わりに、入力電圧フィードバック値Vfb1(即ち、変換電圧フィードバック値Vfbc)、入力電流フィードバック値Ifb1(即ち、変換電流フィードバック値Ifbc)を受信して制御を行う。それ以外については、図1で示す内容と同じであるため、重複した説明を割愛する。上記の図1及び図2は、実際の適用の際の状況によって異なる選択や変更がなされてもよい。
【0021】
図3は、図1及び図2で示す電源制御器の演算ロジックの模式図である。電源制御器13が出力する第一出力電流の所定値Iref1或いは第二出力電流の所定値Iref2は、実際に、電力調整モード或いは充電制御モードにそれぞれ適用される。所定値は、給電システム1、1’の状況、変換電圧Vc、変換電流Icの変化、及び、二次電池12の特性に従って、電源制御器13に、実際の変換電圧Vcに対応する電源変換器11の変換電流Icを調整させ、つまり、その変換電力Pcを調整させ、或いは、二次電池12の入力する充電電流I3を制御させるためのものである。電源制御器13は、少なくとも、電力制御装置131及び充電制御装置132を含む。なお、電力制御装置131は、少なくとも、除算器133、第一乗算器134及び第二乗算器135を含む。除算器133は、電力倍率Gp及び電力指令値Prefを受信し、第一電力パラメータK1を送信する。なお、第一電力パラメータK1は、電力倍率Gp電力指令値Pref除算したものと等しい。第一乗算器134は、電圧倍率Gv及び変換電圧フィードバック値Vfbcを受信し、第二電力パラメータK2を送信する。なお、第二電力パラメータK2は、電圧倍率Gvと変換電圧フィードバック値Vfbcを乗算したものと等しい。第二乗算器135は、変換電流フィードバック値Ifbc、第一電力パラメータK1及び第二電力パラメータK2wを受信し、第一出力電流の所定値Iref1を送信する。なお、第一出力電流の所定値Iref1は、変換電流フィードバック値Ifbcと、第一電力パラメータK1と第二電力パラメータK2とを乗算した積となる。また、充電制御装置132は、少なくとも、第三乗算器136及び第四乗算器137を含む。第三乗算器136は、電流倍率Gc及び充電電流フィードバック値Ifb3を受信し、充電電流パラメータK3を送信する。なお、充電電流パラメータK3は、電流倍率Gcと充電電流フィードバック値Ifb3を乗算したものと等しい。第四乗算器137は、充電電流パラメータK3及び充電電流閾値Irefを受信し、第二出力電流の所定値Iref2を送信する。なお、第二出力電流の所定値Iref2は、充電電流パラメータK3と充電電流閾値Irefとを乗算した積となる。前記第一出力電流の所定値Iref1と第二出力電流の所定値Iref2との間の切り替えは、機械式、電磁式或いはディジタル論理式制御スイッチ、或いは制御回路により、人工的方式で制御され或いは自動的に制御されるものなどを含むが、それらに限定されない。また、電圧倍率Gvと電流倍率Gcは、それぞれ、変換電圧Vcと充電電流I3とに基づいて特定されるものであってよい。電力倍率Gpは、二次電池12の特性により予め設定されてもよく、或いは、電力指令値Prefとの関係に従って補正されてもよい。
【0022】
表1は、電源制御器13における各パラメータの実施例を示す。第一実施形態(a)では、電力指令値Prefが720Wであり、電力倍率Gpが36であり、第一電力パラメータK1が0.050であり、出力電流フィードバック値Ifb2が20Aであり、電圧倍率Gvが0.02778であり、出力電圧フィードバック値Vfb2を36Vである。第一実施形態(a)では、第二電力パラメータK2が1.000であるならば、電力調整モードの下において算出される第一出力電流の所定値Iref1は1.000となる。また、第一実施形態(a)では、充電電流フィードバック値Ifb3が5Aであり、電流倍率Gcが0.0400であり、充電電流パラメータK3が0.20であり、充電電流閾値Irefが5Aである。第一実施形態(a)では、充電制御モードの下で算出される第二出力電流の所定値Iref2は1.000となる。表1の他の実施形態(b)及び(c)については、上記に従って類推するとよい。
表1 電源制御器における各パラメータの実施例

【0023】
次に、上記の表1の実施形態(b)に基づいた表2を参照されたい。表2の実施形態(b1)において、電源制御器13の第二電力パラメータK2を算出する場合、電力倍率Gpが50であり、出力電圧フィードバック値Vfb2が45Vであり、電圧倍率Gvが0.02000であるとすると、算出される第二電力パラメータK2は0.900となる。表2の他の実施形態(b2)及び(b3)については、上記に従って類推するとよい。
表2 電源制御器における第二電力パラメータの実施形態

【0024】
次に、上記の表1における実施形態(b)に基づいた表3を参照されたい。表3の(b4)において、電源制御器13の充電電流パラメータK3を算出する場合、充電電流閾値Irefが10Aであり、充電電流フィードバック値Ifb3が9Aであり、電流倍率Gcが0.01000であるとすると、算出される充電電流パラメータK3は0.0900となる。表3の他の実施形態(b5)及び(b6)については、上記に従って類推するとよい。
表3 電源制御器における充電電流パラメータの実施形態

【0025】
また、図2の内容に基づいて、表4における電源制御器13の各パラメータの実施例を取得可能である。表4の第四実施形態(d)では、電力指令値Prefが720Wであり、電力倍率Gpが18であり、第一電力パラメータK1が0.0250であり、入力電流フィードバック値Ifb1が40Aであり、電圧倍率Gvが0.05556であり、入力電圧フィードバック値Vfb1が18Vである。第四実施形態(d)では、第二電力パラメータK2が1.0であるならば、電力調整モードの下で算出される第一出力電流の所定値Iref1は1.000となる。また、第四実施形態(d)では、充電電流フィードバック値Ifb3が5Aであり、電流倍率Gcが0.0400であり、充電電流パラメータK3が0.20であり、充電電流閾値Irefが5Aである。第四実施形態(d)では、充電制御モードの下で算出される第二出力電流の所定値Iref2は0.9となる。表4の他の実施形態(e)及び(f)については、上記に従って類推するとよい。
表4 電源制御器における各パラメータの実施例

【0026】
次に、上記の表4における実施形態(e)に基づいた表5を参照されたい。表5の(e1)において、電源制御器13の第二電力パラメータK2を算出する場合、電力倍率Gpが25であり、入力電圧フィードバック値Vfb1が22.5Vであり、電圧倍率Gvが0.04000であるとすると、算出される第二電力パラメータK2は0.900となる。表5の他の実施形態(e2)及び(e3)については、上記に従って類推するとよい。
表5 電源制御器における第二電力パラメータの実施形態

【0027】
図4は、本願に係る好ましい他の実施例(一)の給電システムにおけるシステムのブロックの模式図である。給電システム100は、少なくとも、給電機器10、電源変換器11、二次電池12、電源制御器13、給電制御器14及び負荷モジュール15を含む。給電機器10は、入力電圧V1及び入力電流I1を供給するためのものである。電源変換器11は、給電機器10及び負荷モジュール15に接続され、給電機器10の供給する入力電圧V1及び入力電流I1を、出力電圧V2及び出力電流I2に変換し、負荷モジュール15に電力を供給するためのものである。なお、変換される電圧Vcと変換される電流Icを乗算した積は、その変換電力Pcとなる。二次電池12は、電源変換器11及び負荷モジュール15に接続され、出力電流I2の供給する充電電流I3を入力し、充電を行うためのものである。また、二次電池12は、保存している電気エネルギーを放電して、負荷モジュール15へ供給してもよい。
【0028】
負荷モジュール15は、電源変換器11及び二次電池12に接続され、電源変換器11の供給する出力電圧V2及び出力電流I2を入力し、負荷所要量Lrへ供給するためのものである。また、幾つかの実施例では、負荷モジュール15は、車両動力制御システム、車両走行制御器を備える車両システム、モータ駆動器とモータ、直流を交流へ変換する変換器と交流負荷、又は、光源駆動器と発光素子などを含むが、それらに限定されない。スロットル、車両速度、ブレーキ或いは照度などの信号に基づいて、所要の負荷所要量Lrを判断して特定してもよい。負荷所要量Lrは、負荷電力値、スロットル開度、車両速度値、ブレーキ信号値或いは照度値などを含むが、それらに限定されない。負荷所要量Lrが負荷電力値である場合、電力測定器(図示せず)により提供されてもよい。
【0029】
給電制御器14は、給電機器10、電源変換器11、電源制御器13及び負荷モジュール15に接続され、入力電圧フィードバック値Vfb1、出力電圧フィードバック値Vfb2及び負荷所要量Lrに従って、対応する電力指令値Prefを生成する。また、給電制御器14は、さらに、二次電池12の特性に基づいて充電電流閾値Iref及び電圧所定値Vrefを予め設定する。なお、充電電流閾値Irefは、二次電池12が許容できる最大電流値である。このため、充電電流閾値Irefにより充電電流I3が大きすぎるかどうかを判断することができる。
【0030】
電源制御器13は、電源変換器11、二次電池12、給電制御器14及び負荷モジュール15に接続され、出力電圧フィードバック値Vfb2、出力電流フィードバック値Ifb2、充電電流フィードバック値Ifb3、充電電流閾値Iref、電力指令値Pref及び電圧所定値Vrefを受信し、二次電池12の特性に基づいて充電電流上限値及び充電電流下限値を設定するためのものである。なお、電源制御器13は、対応する電力調整モード或いは充電制御モードを実行する。電源制御器13は、電源変換器11の変換電力Pcが電力指令値Pref以上であると判断する場合に、電力調整モードを実行し、出力電圧フィードバック値Vfb2、出力電流フィードバック値Ifb2、電力指令値Pref及び電圧所定値Vrefに基づいて、第一出力電流の所定値Iref1を出力し、電源変換器11が第一出力電流の所定値Iref1に従って変換電力Pcを調整するように制御する。一方、電源制御器13は、充電電流I3が充電電流上限値以上であると判断する場合に、充電制御モードを実行し、充電電流フィードバック値Ifb3及び充電電流閾値Irefに基づいて、第二出力電流の所定値Iref2を出力し、電源変換器11が第二出力電流の所定値Iref2に従って出力電流I2を調整するように制御する。また、電源制御器13が出力する第一出力電流の所定値Iref1或いは第二出力電流の所定値Iref2と、給電制御器14が出力する電圧所定値Vrefとは、電源変換器11の情報入力端へ転送されてそのフィードバック処理が行われた後に、電源変換器11の出力を制御するものである。
【0031】
幾つかの実施例では、電源制御器13は、充電電流I3が充電電流下限値よりも小さいかどうかを判断してもよい。言い換えれば、電源制御器13は、電源変換器11の変換電力Pcが電力指令値Pref以上であると判断する場合に、或いは、充電電流I3が充電電流下限値判断よりも小さいと判断する場合に、電力調整モードを実行する。また、電源変換器11は、上記の電圧所定値Vrefを受信し、その出力電圧V2の最高電圧を電圧所定値Vrefに接近するように制御する。これにより、二次電池12を過充電電圧から保護することができる。また、電力倍率Gpは、電圧所定値Vrefとして設定されてもよい。電源変換器11の出力電圧V2は、電圧所定値Vrefにより制御され、定電圧充電がされ、電源変換器11の充電電流I3は、充電電流閾値Irefにより制御され、定電流充電がされる。これにより、二次電池12の過充電を避けることができる。なお、電源変換器11の出力は、無負荷であってもよく、二次電池12の充電電流I3は、電源変換器11の出力電流I2と等しい。電流倍率Gcは、充電電流I3に基づいて特定される。充電電流閾値Irefについては、電源制御器13においてセルフプリセットされてもよく、或いは、外部からの情報に基づくものであってもよい。
【0032】
また、二次電池12は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池或いはスーパー・キャパシタなどの充電可能な電池を含むが、それらに限定されない。電源変換器11は、ステップアップDC-DCコンバータ、ステップダウンDC-DCコンバータ、バックブーストDC-DCコンバータ、AC-DCコンバータ、プッシュプルDC-DCコンバータまたはフルブリッジDC-DCコンバータデバイスなどを含むが、それらに限定されない。給電機器10は、燃料電池スタック、燃料発電機、風力発電機、太陽光発電機などの発電機器を含むが、それらに限定されない。
【0033】
図5は、本願に係る好ましい他の実施例(二)の給電システムにおけるシステムのブロックの模式図である。給電システム100’は、概ね図4で示す内容と同じであるが、図4との相違点は以下の通りである。電源制御器13は、状況によって変換電力Pc(即ち、入力電力Pi、或いは出力電力Po)に基づいて制御を行う。即ち、電源変換器11の入力電圧V1及び入力電流I1によりその入力電力Piを計算し、或いは、出力電圧V2及び出力電流I2によりその出力電力Poを計算し、電源制御器13の入力信号について、変換電圧フィードバック値Vfbcと変換電流フィードバック値Ifbc(即ち、入力電圧フィードバック値Vfb1と入力電流フィードバック値Ifb1、或いは出力電圧フィードバック値Vfb2と出力電流フィードバック値Ifb2)により制御を行うことができる。それ以外については、図4で示す内容と同じであるため、重複した説明を割愛する。幾つかの実施例では、図5における出力電圧フィードバック値Vfb2と出力電流フィードバック値Ifb2とは、他の異なる場合に省略して適用されてもよく、上記の図4及び図5は、実際の適用の際の状況によって異なる選択や変更がなされてもよい。
【0034】
図6は、図4及び図5で示す給電制御器内の構成の模式図である。給電制御器14は、少なくとも、マイクロプロセッサー141、複数の第一情報変換器142及び複数の第二情報変換器143を含む。マイクロプロセッサー141は、各第一情報変換器142を介して給電機器10、電源変換器11及び負荷モジュール15にそれぞれ接続されている。複数の第一情報変換器142は、受信された入力電圧フィードバック値Vfb1、出力電圧フィードバック値Vfb2及び負荷所要量Lrなどの情報に変換を施した後に、マイクロプロセッサー141へ転送して処理する。
【0035】
マイクロプロセッサー141は、各上記情報を受信した後に、対応する電力指令値Prefを生成し、二次電池12の特性に基づいて充電電流閾値Iref及び電圧所定値Vrefを予め設定する。また、マイクロプロセッサー141は、各第二情報変換器143を介して、電源変換器11及び電源制御器13にそれぞれ接続される。なお、複数の第二情報変換器143は、受信された充電電流閾値Iref、電力指令値Pref及び電圧所定値Vrefなどの情報に変換を施した後、電源制御器13へ転送すると共に、電圧所定値Vrefの情報を電源変換器11へ転送する。
【0036】
図7は、電源制御器が給電システムに適用される制御方法のステップのフローチャートである。当該給電システムは、少なくとも、電源変換器、二次電池及び電源制御器を含む。電源制御器は、電力調整モード或いは充電制御モードを実行する。その制御方法は、以下のステップを含む。まず、ステップS1を実行し、給電システム1が作動している時に、二次電池12の特性に基づいて充電電流上限値及び充電電流下限値を設定する。ステップS1を実行した後に、次に、ステップS2を実行し、初期に電力調整モードとして予め設定する。次に、ステップS3を実行し、電力調整モードであるかどうかを判断する。ステップS3による判断結果が「はい」である場合に、ステップS4を実行し、電力調整モードを実行し、変換電圧フィードバック値Vfbc、変換電流フィードバック値Ifbc及び電力指令値Prefに基づいて、第一出力電流の所定値Iref1を出力し、電源変換器11を制御し、その変換電力Pcを調整する。ステップS5を実行し、充電電流I3が充電電流上限値以上であるかどうかを判断する。ステップS5による判断結果が「はい」である場合に、ステップS6を実行し、充電制御モードにジャンプし、ステップS3を再度実行する。
【0037】
また、上記ステップS3による判断結果が「いいえ」である場合に、ステップS7を実行し、充電制御モードを実行し、充電電流フィードバック値Ifb3及び充電電流閾値Irefに基づいて、第二出力電流の所定値Iref2を出力し、電源変換器11を制御し、出力電流I2を調整する。次に、ステップS8を実行し、電源変換器11の変換電力Pcが電力指令値Pref以上であるかどうかを判断する。ステップS8による判断結果が「はい」である場合に、ステップS9を実行し、電力調整モードにジャンプし、ステップS3を再度実行する。
【0038】
また、上記ステップS5による判断結果が「いいえ」である場合に、ステップS3を実行する。また、上記ステップS8による判断結果が「いいえ」である場合にも、ステップS3を実行する。また、幾つかの実施例では、上記の充電電流閾値Iref及び充電電流上限値と充電電流下限値との間の関係は、充電電流I3のリップル電流に基づいて特定される。例えば、充電電流上限値を充電電流閾値Irefの1.1倍と等しくするとよい。また、充電電流下限値を充電電流閾値Irefの0.9倍と等しくてもよい。
【0039】
幾つかの実施例では、上記ステップS8においては、電源変換器11の変換電力Pcが電力指令値Pref以上であるかどうかを判断する以外に、その充電電流I3が充電電流下限値よりも小さいかどうかを判断することができる。上記ステップS8による判断結果が「はい」である場合に、ステップS9を実行し、電力調整モードにジャンプし、ステップS3を再度実行する。
【0040】
以上より、本願の制御方法を実行すると、電源制御器13が、対応する電力調整モード或いは充電制御モードを実行する。電力調整モードの場合は、第一出力電流の所定値Iref1を出力し、実際の変換電圧Vcに従って、対応する電源変換器11の変換電流Icを調整し、そして、給電機器10の変換電力Pcを調整し、出力電力が安定になるようにし、かつ、その性能を改良し、その持続性を向上させ、さらに、最大電力を追跡する機能に適用することができる。一方、充電制御モードの場合は、第二出力電流の所定値Iref2を出力し、対応する電源変換器11の変換電流Icを調整し、二次電池12が入力する充電電流I3を調整し、二次電池12に充電電流閾値Irefを基準として参照させ、定電流充電を行い、二次電池12の過充電を避けることができる。
【0041】
幾つかの実施例では、上記の図7で示す制御方法を実行する時に、給電制御器14も、同期して、一つの制御方法を介して電力指令値Prefを出力する。当該制御方法については、以下のように説明する。
【0042】
図8は、給電制御器が給電システムの状況に従って電力指令値を適切に調整する好ましいステップのフローチャートである。まず、給電制御器14は、ステップM1を実行し、二次電池12の特性に基づいて、電圧所定値Vrefを電源変換器11と電源制御器13に予め設定し、かつ、充電電流閾値Irefを電源制御器13に予め設定する。次に、ステップM2を実行し、入力電圧フィードバック値Vfb1、出力電圧フィードバック値Vfb2及び負荷所要量Lrを測定し、対応する電力指令値Prefを出力する。次に、ステップM3を実行し、二次電池12のダイナミックパラメータ値が第一区間値を超えるかどうかを判断する。ステップM3による判断の結果が「いいえ」である場合に、ステップM4を実行し、給電機器10のダイナミックパラメータ値が第二区間値を超えるかどうかを判断する。ステップM4による判断の結果が「いいえ」である場合に、ステップM5を実行し、負荷所要量Lrが電力指令値Prefよりも低いかどうかを判断する。ステップM5による判断の結果が「いいえ」である場合に、ステップM9を実行し、電力指令値Prefを電源制御器13に出力し、ステップM2を再度実行する。
【0043】
また、上記ステップM3による判断の結果が「はい」である場合に、ステップM6を実行し、電力目標値Ptgtを設定し、そしてステップM4を実行する。上記ステップM4による判断の結果が「はい」である場合に、ステップM7を実行し、電力指令値Prefを設定し、そしてステップM5を実行する。上記ステップM5による判断の結果が「はい」である場合に、ステップM8を実行し、電力目標値Ptgtを負荷所要量Lrと等しいように降下させ、電力指令値Prefを電力目標値Ptgtと等しいように降下させ、次にステップM9を実行し、電力指令値Prefを電源制御器13に出力し、そしてステップM2を再度実行する。また、この実施例では、負荷所要量Lrは、負荷電力値であり、二次電池のダイナミックパラメータ値は、二次電池の電量或いは電源変換器の出力電圧である。
【0044】
図9は、二次電池を制御するプロセスのフローチャートである。本実施例において、図8で示すステップM3とM6は、二次電池の制御プロセスであり、さらに、ステップM31、M32、M61及びM62に詳しく分けられる。なお、第一区間値は、第一上限値及び第一下限値を含む。ステップM31では、変換電圧フィードバック値Vfbcに従って出力電圧V2(即ち、二次電池の電圧)が充電起動電圧に達するかどうかを判断し、或いは、二次電池12の電力残量が第一下限値よりも小さいかどうかを判断する。なお、第一下限値は、二次電池12の電力量全体の40%を含むが、それに限定されておらず、二次電池12の特性に基づいて設定されてもよい。その充電起動電圧は、3.0V(即ち、バッテリーセルの電圧)を含むが、それに限定されない。ステップM31による判断の結果が「いいえ」である場合に、ステップM32を実行し、変換電圧フィードバック値Vfbcに従って出力電圧V2(即ち、二次電池の電圧)が充電終了電圧に達するかどうかを判断し、或いは二次電池12の電力残量が第一上限値よりも大きいかどうかを判断する。なお、第一上限値は、二次電池12の電力量全体の70%を含むが、それに限定されておらず、電池12の特性に基づいて設定されてもよい。その充電終了電圧は、3.6V(即ち、バッテリーセルの電圧)を含むが、それに限定されない。ステップM32による判断の結果が「いいえ」である場合に、終了する。上記ステップM31による判断の結果が「はい」である場合に、ステップM61を実行し、電力目標値Ptgtを、出力電圧V2と充電電流閾値Irefを乗算したものと負荷所要量Lrとを加算した値(即ち、Ptgt=(V2*Iref)+Lr)と等しいように設定し、ステップM32を実行する。また、上記ステップM32による判断の結果が「はい」である場合に、ステップM62を実行し、電力目標値Ptgtを、負荷所要量Lrと等しいように設定し、終了する。
【0045】
図10は、給電機器を制御するプロセスのフローチャートである。同様に、前記ステップM4及びM7は、給電機器の制御プロセスであり、さらにステップM41、M42、M71及びM72に詳しくわけられる。なお、第二区間値は、第二上限値及び第二下限値を含む。ステップM41では、入力電圧V1が第二上限値よりも大きいかどうかを判断する。なお、給電機器10の第二上限値は、0.7V(即ち、バッテリーセルの電圧)を含むが、それに限定されない。ステップM41による判断の結果が「いいえ」である場合に、ステップM42を実行し、入力電圧V1が第二下限値よりも小さいかどうかを判断する。なお、給電機器10の第二下限値は、0.65V(即ち、バッテリーセルの電圧)を含むが、それに限定されない。ステップM42による判断の結果が「いいえ」である場合に、終了する。また、上記ステップM41による判断の結果が「はい」である場合に、ステップM71を実行し、電力指令値Prefを電力目標値Ptgtと等しくなるように、徐々に大きし、その後にステップM42を実行する。上記ステップM42による判断の結果が「はい」である場合に、ステップM72を実行し、電力指令値Prefの調整を停止させ、終了する。その他のステップ及び説明については、図8で示す内容を参照されたいため、再度の説明をしない。
【0046】
以上より、本願は、給電システム、その装置及び制御方法を開示し、電源変換器の変換電力が電力指令値以上である場合に、或いは、充電電流が充電電流下限値よりも小さい場合に、電源制御器により電力調整モードを実行し、第一出力電流の所定値を出力し、実際の変換電圧に従って電源変換器の変換電流を調整し、つまり、その変換電力を調整し、電源変換器の変換電力を制御する。そして、給電機器の変換電力を制御することから、電力調整モードでは、給電機器の変換電力を調整し、その性能を改良し、変換電力をより安定させ、かつ、その持続性を向上させ、電力追跡功能に適用することができる。また、電源変換器は、充電電流が充電電流上限値以上である場合に、電源制御器により充電制御モードを実行し、第二出力電流の所定値を出力することから、電源変換器の出力電流を調整し、電源制御器が生成する第二出力電流の所定値について充電電流閾値を基準として参照して定電流充電を行うため、充電制御モードでは、電源変換器の出力電流を調整し二次電池が入力する充電電流を調整し、また、電力倍率に従って電源変換器の出力電圧を制御し、定電圧充電を行い、二次電池を保護することができる。さらに、本願の給電システム、その装置及び制御方法は、充電制御モードで、二次電池が入力する充電電流を調整する。従って、給電システムは、一組の電源変換器を利用する必要があるが、従来の給電システムのように二組の電源変換器を利用する必要がなくなるため、本願の給電システムは、コストや体積が比較的小さい。
【0047】
以上を纏めると、本願は、給電機器及び二次電池を保護しながら、給電機器の性能を改良し、持続性を向上させ、給電システムのコストや体積を小さくし、動的に変換電力を調整し、電力追跡功能に適用することができる。本願は、当業者による各種の工夫及び改良のいずれも、添付される特許請求の範囲の範囲を逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0048】
1:給電システム
10:給電機器
11:電源変換器
12:二次電池
13:電源制御器
14:給電制御器
141:マイクロプロセッサー
142:第一情報変換器
143:第二情報変換器
15:負荷モジュール
131:電力制御装置
132:充電制御装置
133:除算器
134:第一乗算器
135:第二乗算器
136:第三乗算器
137:第四乗算器
Gc:電流倍率
Gv:電圧倍率
Gp:電力倍率
I1:入力電流
I2:出力電流
I3:充電電流
Ic:変換電流
Ifbc:変換電流フィードバック値
Ifb1:入力電流フィードバック値
Ifb2:出力電流フィードバック値
Ifb3:充電電流フィードバック値
Iref:充電電流閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10