(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】農作業機用表示システム
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
A01B69/00 301
(21)【出願番号】P 2020005274
(22)【出願日】2020-01-16
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 健一
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-243342(JP,A)
【文献】特開昭62-098407(JP,A)
【文献】特開2004-080359(JP,A)
【文献】特開2017-168035(JP,A)
【文献】特開2017-117257(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0106422(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00 - 69/08
H04N 7/18
G05D 1/00 - 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農作業機が作業を行う進行方向の前方を撮影可能なカメラと、制御部と、前記カメラで撮影された画像を記録可能な記録部と、前記制御部の制御により前記カメラから撮影された画像を表示可能な表示部とを備え、
前記表示部は、現在画像表示と過去画像表示を上下に並べて表示し、
前記現在画像表示には、前記カメラで撮影された現在の画像をリアルタイムで表示し、
前記過去画像表示には、前記カメラで撮影した静止画を表示し、
前記現在画像表示及び前記過去画像表示には、前記カメラの撮影範囲に対する予め定めた所定の位置に、上下方向に延びる基準線を表示することを特徴とする農作業機用表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の農作業機用表示システムにおいて、
前記過去画像表示は、予め定めた一定時間毎に前記カメラで撮影された静止画を更新して表示することを特徴とする農作業機用表示システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の農作業機用表示システムにおいて、
方位を検知するセンサを備え、現在の方位と、前記過去画像表示を撮影した時点の方位を前記表示部に表示することを特徴とする農作業機用表示システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の農作業機用表示システムにおいて、
前記基準線は、前記現在画像表示及び前記過去画像表示の左右の中心に表示することを特徴とする農作業機用表示システム。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の農作業機用表示システムにおいて、
前記基準線は、前記現在画像表示及び前記過去画像表示の左右方向に対して、等間隔で複数表示することを特徴とする農作業機用表示システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の農作業機用表示システムにおいて、
前記現在画像表示と前記過去画像表示の幅方向の両端をそろえて表示されていることを特徴とする農作業機用表示システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の農作業機用表示システムにおいて、
当該農作業機用表示システムは、少なくとも前記カメラ以外は端末に一体に構成され、前記表示部はタッチパネルで構成されていることを特徴とする農作業機用表示システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の農作業機用表示システムにおいて、
前記表示部は、第2の過去画像表示を前記現在画像表示と前記過去画像表示と併せて上下に並べて表示し、
前記第2の過去画像表示には、現在表示されている前記過去画像表示の1つ前に表示していた前記過去画像表示と同じ静止画を表示し、前記カメラの撮影範囲に対する予め定めた所定の位置に上下方向に延びる基準線を表示することを特徴とする農作業機用表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機用表示システムに関し、特に、農作業における直進作業の支援が可能な農作業機用表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタなどに乗車して農作業を行う場合、例えば、耕耘、代掻き、畦塗り等の農作業では、農作業の効率や正確性から通常は直進作業することが求められる。この場合、直進するための目印を正面に見える特定のものに決めて目視で確認しながら作業を行う場合が多い。
【0003】
また、特許文献1には、撮像部により撮像画像が所定時間毎に取得される都度に複数のテンプレート画像と比較して、最も合致度の高いテンプレート画像と合致する合致領域を撮像画像内から検出し、合致領域の撮像画像上の位置と移動車両の正面方向の撮像画像上の位置との差異から、目標地点に対する移動車両のヨー角を検出して移動車両の操舵を制御する技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、1つのモニタ画面の中央に作業車両の複数の種類の運転状態が縦に並べて表示され、その両側に複数のビデオカメラによる互いに異なる方向の作業現場の画像が振分けて表示される技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-211893号公報
【文献】特開平9-271016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、目視で確認しながら作業を行う場合、同じ目印を見ているつもりでも、ある程度のずれは生じ正確性には限界がある。さらに、接近すると見え方が変る等して目印を見失う場合もある。
【0007】
一方、特許文献1では、複数のテンプレート画像と比較して画像処理を行う必要があるため、処理が複雑となる。さらに、操舵の制御とも連動させる必要がある。このため、これらを実現するために必要な装置を設ける場合は、それなりのコストと手間が発生することになる。さらに、あらゆる状況に応じた画像処理を行うためには開発に時間や費用を要する。
【0008】
また、特許文献2では、運転状況を把握するためのものであり、モニタ画面の画像のみから正確な直進作業を行うことには限界がある。さらに、モニタ画面の複数の画像は異なるビデオカメラによる画像であるため、ビデオカメラは複数必要となり、そのためのコストも発生する。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みて、農作業における正確な直進作業の支援をより簡単なシステムで行うことができる農作業機用表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、代表的な本発明の農作業機用表示システムの一つは、農作業機が作業を行う進行方向の前方を撮影可能なカメラと、制御部と、前記カメラで撮影された画像を記録可能な記録部と、前記制御部の制御により前記カメラから撮影された画像を表示可能な表示部とを備え、前記表示部は、現在画像表示と過去画像表示を上下に並べて表示し、前記現在画像表示には、前記カメラで撮影された現在の画像をリアルタイムで表示し、前記過去画像表示には、前記カメラで撮影した静止画を表示し、前記現在画像表示及び前記過去画像表示には、前記カメラの撮影範囲に対する予め定めた所定の位置に、上下方向に延びる基準線を表示することを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の農作業機用表示システムの一つは、前記過去画像表示は、予め定めた一定時間毎に前記カメラで撮影された静止画を更新して表示することを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用表示システムの一つは、方位を検知するセンサを備え、現在の方位と、前記過去画像表示を撮影した時点の方位を前記表示部に表示することを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用表示システムの一つは、前記基準線は、前記現在画像表示及び前記過去画像表示の左右の中心に表示することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明の農作業機用表示システムの一つは、前記基準線は、前記現在画像表示及び前記過去画像表示の左右方向に対して、等間隔で複数表示することを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用表示システムの一つは、前記現在画像表示と前記過去画像表示の幅方向の両端をそろえて表示されていることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用表示システムの一つは、当該農作業機用表示システムは、少なくとも前記カメラ以外は端末に一体に構成され、前記表示部はタッチパネルで構成されていることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用表示システムの一つは、前記表示部は、第2の過去画像表示を前記現在画像表示と前記過去画像表示と併せて上下に並べて表示し、前記第2の過去画像表示には、現在表示されている前記過去画像表示の1つ前に表示していた前記過去画像表示と同じ静止画を表示し、前記カメラの撮影範囲に対する予め定めた所定の位置に上下方向に延びる基準線を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、農作業機用表示システムにおいて、農作業における正確な直進作業の支援をより簡単なシステムで構成することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の農作業機用表示システムの一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の平面概略図である。
【
図3】本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の第1の表示例を示す。
【
図4】本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の第2の表示例を示す。
【
図5】本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の第3の表示例を示す。
【
図6】本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の第4の表示例を示す。
【
図7】本発明の農作業機用表示システムの第2の実施形態の平面概略図である。
【
図8】本発明の農作業機用表示システムの第3の実施形態の表示例を示す。
【
図9】本発明の農作業機用表示システムの第4の実施形態の表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明の農作業機用表示システムの一実施形態を示すブロック図である。
【0017】
図1に示す実施形態では、農作業機用表示システムとして、制御部11、記録部12、カメラ15、表示部16、操作部17、センサ18を備えている。
【0018】
制御部11は、カメラ15で撮影された情報を表示部16で表示させる制御を行う。特にカメラ15で取得したリアルタイムの画像や静止画像を表示部16に表示させることができる。また、カメラ15で撮影された画像情報を記録部12に記録させることも可能である。また、操作部17からの情報を取得して、表示条件の設定、撮影した画像の再生や停止、過去の画像の選択等の制御を行うことができる。さらに、センサ18からの情報に基づく表示を表示部16に表示させたり、センサ18からの情報を記録部12に記録させたりする制御を行うことができる。このとき、センサ18からの情報はその時のカメラ15からの画像情報と関連付けて記録することが可能である。制御部11は、CPU等の処理等のために必要な電子デバイス等で構成されている。また、必要に応じてタイマ等も備えている。
【0019】
記録部12は、カメラ15で撮影された画像情報、センサ18からの情報、操作部17で設定された設定情報、表示部16で表示された表示情報等を記録しておくことができる。このために必要なデバイスで構成される。例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、USBメモリ、メモリカード等である。また、記録部12は、制御部11と一体に設けてもよいし、着脱可能としてもよい。
【0020】
カメラ15は、農作業機の作業時の進行方向の前方を撮影可能なカメラである。カメラ15は、一般的な受光タイプを適用でき、単位時間当たり所定のフレーム数をとらえて映像として撮影できるビデオカメラが適用できる。具体的には、例えば、レンズで集められた光を撮像素子(CCDやCMOS等)上に結像させ、光を電気信号に変換して、その情報がデジタル情報として制御部11に送られる。なお、カメラ15は、一般的な受光タイプの他、光源を備えているものでもよく、可視光のみでなく赤外線を感知できるものでもよい。カメラ15は、例えば、運転席の正面又は農作業機の左右の中心がカメラ15の撮影範囲の左右の中心と一致するように設置するとより分かりやすい表示にできる。
【0021】
表示部16は、カメラ15で撮影された画像を制御部11の制御により表示することができる。カメラ15で撮影された現在の画像だけでなく、カメラ15で撮影された静止画等も表示させることができる。さらに、表示部16に基準の情報(例えば、印や線等)を上記画像と併せて表示することができる。さらに、センサ18に基づく情報も併せて表示することもできる。さらに、設定のための画面や設定された情報を表示することもできる。表示部16は、液晶、有機EL、LED等の各種の表示手段により情報を表示させる。表示部16は、作業者が確認し易いように、トラクタの運転席近傍等に配置できるようにするとよい。
【0022】
操作部17は、例えば、表示部16の設定条件の設定、撮影した画像の再生や停止、過去の画像の選択等の操作を行うことができ、操作のための操作手段を備えている。操作手段としては、例えば、押ボタンやトグルスイッチなどの各種スイッチ、タッチパネル等の手段があげられる。
【0023】
センサ18は、必要に応じて必要な種類のセンサを設けることができる。例えば、方位を検知する方位センサを用いることで、方位の情報を表示部16に表示可能となる。ここで、方位センサとしては、地磁気センサ、加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサ)等を用いることができる。
【0024】
制御部11、記録部12、カメラ15、表示部16、操作部17、センサ18は、一体的に1つの装置として構成してもよく、また、それぞれ必要に応じて別体に構成してもよい。記録部12であれば、別体のストレージ(ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、USBメモリ、メモリカード等)を用いることも可能である。カメラ15であれば、別体として撮影にふさわしい位置に配置できる。表示部16であれば、別体として作業者が確認しやすい位置に配置できる。操作部17であれば、別体として作業者が操作しやすい位置に配置できる。センサ18であれば、別体として検出しやすい位置に配置できる。
【0025】
一方で、表示部16と操作部17を一体に形成することもできる。このとき、操作しやすくするために、表示画面をタッチパネルの方式を採用した端末を構成してもよい。例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の汎用の持ち運び可能な端末を適用できる。ここにアプリケーションを導入して、制御部11の制御により表示部16に必要な情報を表示する。また、記録部12、カメラ15、センサ18は、それぞれについて、この端末に一体に設けてもよいし、別体としてもよい。
【0026】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の平面概略図である。
【0027】
図2は、制御部11、記録部12、カメラ15、表示部16、操作部17、センサ18を、端末20に一体的に構成した例を示している。端末20の前面に大きく形成された表示画面30は、タッチパネルの方式が採用されて、表示部16及び操作部17を構成する。カメラ15は、トラクタ1の前側を撮影可能となるように端末20の適した位置に設けられている。例えば、表示画面30と反対側の面に設ける等である。制御部11、記録部12、センサ18は、端末20に内蔵する等して設けられている。端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の端末を適用できる。
【0028】
端末20は、トラクタ1の運転席5近傍の前側に配置することで、当該システムを構築できる。このとき、表示画面30は運転席5側へ向けられており、カメラ15はトラクタ1の前方を撮影可能な位置に設定されている。運転席5に座った作業者は、端末20の表示画面30を確認しながらトラクタ1を操作してトラクタ1の後部に装着した農作業機2を稼働させて農作業を行うことができる。このとき、端末20と一体に形成されたカメラ15はトラクタ1の前方(
図2の上側)を撮影する。端末20は、運転席5近傍に専用台を設ける等して、カメラ15等の位置がずれないように固定してもよい。なお、農作業機2は、農作業を行う機械であり、例えば、代掻き作業機、ロータリー作業機、畦塗り機等があげられる。
【0029】
図3は、本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の第1の表示例を示す。
【0030】
端末20の表示画面30には、全体として、上側に現在画像表示41が、下側に過去画像表示51が上下に並んで表示されている。さらに、現在画像表示41の上側に説明表示42が、過去画像表示51の上側に説明表示52がそれぞれ表示されている。また、現在画像表示41上には、現在の方向を示す現在方向表示43と、上下方向に延びる基準線表示45が表示されている。また、過去画像表示51上には、この画像を撮影した時点の方向を示す過去方向表示53と、上下方向に延びる基準線表示55が表示されている。また、表示画面30の下部付近には、過去画像表示51の下側に、停止ボタン表示61、実行ボタン表示62、設定ボタン表示63が横方向に並んで表示されている。
【0031】
現在画像表示41は、カメラ15で撮影された現在の画像がリアルタイムで表示される。例えば、1秒間当たりのフレーム数が20fps以上や30fps以上で撮影してそのまま表示する等である。現在画像表示41は、表示画面30の幅方向にわたって表示される。制御部11では、このような表示をさせるように制御される。
【0032】
説明表示42は、現在画像表示41がカメラ15で撮影された現在の画像であることを説明するための表示である。
図3では、「LIVE」と表示し、ライブ画像であることが分かるように示されている。また、
図3では、現在画像表示41の上部に構成されているが、現在画像表示41上に重ねて、端や隅などに表示させてもよい。
【0033】
現在方向表示43は、現在の方位を示す表示である。これは、センサ18が検知した現在の方位を、制御部11の制御により現在画像表示41上に重ねて表示させている。
図3では、角度の数値と16方位で示され、現在画像表示41の右上において「30°北北東」と表示されている。なお、現在方向表示43は、現在画像表示41と関連付けられる方位であることが分かれば、現在画像表示41上でない位置に表示させてもよい。また、現在方向表示43は方位を示す図や絵で表してもよい。
【0034】
基準線表示45は、現在画像表示41の左右の中心で上から下まで上下に延びる線(垂直線)による表示である。基準線表示45は、カメラ15の画面(撮影範囲)に対して常に同じ位置になり、カメラ15で撮影された画面(撮影範囲)の左右の中心を示すことになる。
【0035】
過去画像表示51は、カメラ15で撮影され、記録部12で記録された過去の画像を所定条件の下で表示させる。過去画像表示51は、表示画面30の幅方向にわたって表示される。制御部11では、このような表示をさせるように制御される。過去画像表示51は、現在画像表示41と同じ大きさで表示されており、これらの表示幅をそろえて(幅方向の両端をそろえて)、上下方向に並べることで見やすい表示とできる。
【0036】
所定条件の例としては、一定時間ごとに静止画像を表示する方法があげられる。例えば、10秒ごとであれば、10秒ごとにカメラ15で撮影された画像(静止画)を更新してき、10秒間は画像が静止したままとなる。このことで、0~10秒前の過去の画像と現在の画像を比較することが可能となる。ここでの一定時間は、例えば、3秒以上、さらには10秒以上、さらには20秒以上等があげられる。また一定時間の上限としては、例えば、1分以内、さらには30秒以内等があげられる。これらは、行う農作業の状況において設定できる。また、所定条件は、一定時間ごと以外であってもよい。例えば、比較するためにふさわしい過去の画像を出すための条件を関数等で定めて処理してもよい。
【0037】
説明表示52は、過去画像表示51がカメラ15で撮影された過去の画像であることを説明するための表示である。
図3では、「○○秒前」と表示し、現在よりもどのぐらい前の画像であるかを表示している。例えば、上述した10秒ごとに静止画を更新する方法であれば、時間が経つに従い「○○秒」の秒数表示は増えていき、更新時に「0秒」となる。制御部11では、このような表示をさせるための処理を行う。また、説明表示52は、
図3では、過去画像表示51の上部に構成されているが、過去画像表示51上に重ねて端や隅などに表示させてもよい。
【0038】
過去方向表示53は、過去画像表示51の画像を撮影した時点での方位を示す表示である。これは、センサ18が検知した当時の方位を記録部12に記録し、制御部11の制御により過去画像表示51に重ねて表示させている。
図3では、角度の数値と16方位で示され、過去画像表示51の右上において「30°北北東」と表示されている。なお、過去方向表示53は、過去画像表示51と関連付けられる方位であることが分かれば、過去画像表示51上でない位置に表示させてもよい。また、過去方向表示53は方位を示す図や絵で表してもよい。
【0039】
基準線表示55は、過去画像表示51の左右の中心で上から下まで上下に延びる線(垂直線)による表示である。基準線表示55は、カメラ15の画面(撮影範囲)に対して常に同じ位置になり、カメラ15で撮影された画面(撮影範囲)の左右の中心を示すことになる。ここで、基準線表示55は基準線表示45とは左右方向の位置が同じになるように表示される。このことで、現在画像表示41と過去画像表示51の2つの基準を把握しやすくなる。
【0040】
停止ボタン表示61は、ここに触れるとカメラ15による撮影が停止する。そして、上述した表示画面30の表示処理も停止する。停止した場合は「停止」から「停止中」に表示が変更されて、停止中であることを作業者が分かることができる。
【0041】
実行ボタン表示62は、ここに触れるとカメラ15による撮影が実行されて、上述した表示画面30の表示処理が実行される。実行を開始した場合は「実行」から「実行中」に表示が変更されて、実行中であることを作業者が分かることができる。
図3ではこの状態を示している。
【0042】
設定ボタン表示63は、ここに触れると各種の設定を行うことができる。例えば、上述した過去画像表示51の所定条件の設定、基準線表示45や基準線表示55の表示位置等の設定、撮影範囲の設定、表示内容の設定等である。
【0043】
図3では、トラクタ1を前進させながら農作業機2による農作業を行っている場合の例を示している。
図3に示すように、現在画像表示41(41a)は過去画像表示51(51a)よりもカメラ15で撮影する風景の範囲が狭くなる。これは、現在画像表示41(41a)を撮影する現在の時点では、過去画像表示51(51a)を撮影する時点よりも前進しているからである。
図3では、過去画像表示51(51a)の目印A(鉄塔)は基準線表示55上にあるのに対して、現在画像表示41(41a)の目印Aも基準線表示45上にある。このため、作業者は、適切にまっすぐ前進作業していることを把握することができる。
【0044】
さらに、現在画像表示41(41a)が撮影されている現在の方向を示す現在方向表示43(43a)と、過去画像表示51(51a)を撮影した時点の過去の方向を示す過去方向表示53(53a)が、それぞれ「30°北北東」で同じである。このため、作業者は、この情報からもトラクタ1の直進方向がずれずに直進作業をしていることを把握することができる。
【0045】
図4は、本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の第2の表示例を示す。
【0046】
図4では、
図3に対して
図4の現在画像表示41(41b)の撮影方向が少し左方向にずれている場合を示している。作業者がトラクタ1の直進を維持させようと操作をしていても、圃場の条件や、ハンドルの微妙な操作等によって、トラクタ1の前進方向が曲がってくる場合がある。このような場合、
図4のように表示される。過去画像表示51(51a)の目印A(鉄塔)は基準線表示55上にあるのに対して、現在画像表示41(41b)では、目印Aは基準線表示45から右側にずれて表示されている。このため、作業者は、方向にずれが生じていることを把握することができる。
【0047】
さらに、現在の方向を示す現在方向表示43(43b)は、「28°北北東」であるのに対して、過去画像表示51(51a)を撮影した時点の過去の方向を示す過去方向表示53(53a)が、「30°北北東」となっている。このため、作業者は、この情報の比較からもトラクタ1の直進方向がどの方向にどの程度ずれているかを把握することができる。作業者は、これらの情報をもとにトラクタ1の方向を修正することができる。
【0048】
図5は、本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の第3の表示例を示す。
【0049】
トラクタ1に装着する農作業機2が、代掻き作業機やロータリー作業機の場合、端から旋回を繰り返しながら往復作業を行い、圃場を仕上げていく場合が多い。この場合は、1往復分の作業を行って次に同じ方向を向いたとき、作業幅の2倍の距離だけずれることになる。そして、同じ方向へ作業を行った前の工程で何を目印としていたかを把握することでより正確な作業が可能となる。
【0050】
図5の現在画像表示41(41c)が撮影されている現在の状態に対して、過去画像表示51は少し前に作業していた時の画像が表示される。この場合、過去画像表示51上でフリックYをする等して過去に記憶した画像をさかのぼれるようにしておく。作業者は、過去画像表示51をさかのぼって検索し、同じ方向へ作業を行った前の工程の画像を探していく。
【0051】
図5の過去画像表示51(51a)は、同じ方向へ作業を行った前の工程の旋回した直後の画像を表示させた状態である。
図5の過去画像表示51(51a)では、基準線表示55における目印A(1つの鉄塔)を目標としていたことが分かる。そして、今回の旋回した直後の現在画像表示41(41c)の基準線表示45と重なる目印は、前回の目印A(1つの鉄塔)に関連した目印B(他の鉄塔)とすることができる。このように関連する物体を目標にすることで、斜めに進むリスクを減らすことができより正確な直進作業が可能となる。また、同じ方向へ作業を行った前の工程に対する、距離をどの程度ずらすかの感覚をつかむことが可能となる。
【0052】
なお、現在方向表示43(43c)と、過去方向表示53(53a)は、それぞれ「30°北北東」で同じであることが示されている。このため、作業者は、同じ向きに向いていることが把握できる。
【0053】
これらの場合、記録部12には、所定時間ごとに過去方向表示53に表示したカメラ15で撮影した画像情報を保持している。そして、表示画面30のタッチパネル上のフリック操作により、記憶した過去の画像のうち所望の画像を過去画像表示51に表示できるように制御部11で制御を行う。なお、フリック以外の操作方法でも適用することが可能である。
【0054】
図6は、本発明の農作業機用表示システムの第1の実施形態の第4の表示例を示す。
【0055】
図6では、過去画像表示51(51a)に対して現在画像表示41(41d)が直角に進む場合を示している。例えば、圃場において、直角に角度を変えて作業や移動をする場合があるが、このような場合でも、
図6に示すように現在方向表示43(43d)と過去方向表示53(53a)を比較することで、直角に曲がったことを確認できる。
図6では、現在方向表示43(43d)が「120°東南東」であり、過去方向表示53(53a)が「30°北北東」を示し、90°ずれていることが分かる。なお、この場合の現在画像表示41(41d)と過去画像表示51(51a)が表示する風景は方向が異なるため違うものとなり、基準線表示45上の目印も目印Cに変更される。
【0056】
このように、第1の実施形態では、現在画像表示41と過去画像表示51を上下に並べて表示することで、現在の画像とそれよりも前の画像を比較することが容易となり、作業者は、状況の違いを分かりやすく知ることができる。特に、表示幅をそろえる(幅方向の両端をそろえる)ことでより分かりやすくなる。さらに、それぞれの画像表示に基準線表示45と基準線表示55を表示することで、目標に対するずれも正確に知ることが可能となる。さらに、それぞれの画像表示に関連する、現在方向表示43及び過去方向表示53を表示することで、方向のずれも知ることが可能となる。これらにより、正確な直進作業の支援を行うことができる。さらに、これらは特別な画像処理をする必要がないため、汎用のコンピュータ(スマートフォンやタブレット型コンピュータ)に適用することが容易であり、コストを抑えることができる。また、複雑な画像処理のためのプログラムの設計なども必要がないため開発コストも抑えることが可能となる。
【0057】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の農作業機用表示システムの第2の実施形態の平面概略図である。第2の実施形態では、第1の実施形態と同一の箇所には同一の符号を付してあり、特に説明がない部分は同じ説明を省略している。
【0058】
図7では、カメラ15と端末20’を別体として設けている例を示す。一方、端末20’では、制御部11、記録部12、表示部16、操作部17、センサ18を一体的に構成している。カメラ15と端末20’の間の情報のやりとりは、無線で行ってもよく、また、有線接続により行ってもよい。
図3~6の表示は第1の実施形態と同様に適用できる。
【0059】
カメラ15は、別体としたことで、端末20’とは離してトラクタ1の前方を撮影できる適した位置に設置することが可能となる。例えば、トラクタ1や農作業機2の左右の中心が、カメラ15の撮影範囲の左右の中心と一致するように設置する等である。さらに、トラクタ1以外にも農作業機2側に設置することも可能となる。この場合は、例えば、農作業機2の端部に設置して前方を撮影することができる。
【0060】
一方、端末20’は、カメラ15の位置を気にしなくてよいので、運転席5近傍の表示画面30が見やすい最も適した位置に配置することが可能となる。
【0061】
このように第2の実施形態では、カメラ15と端末20’を別体とすることで、カメラ15と端末20’の表示画面30をそれぞれふさわしい位置に配置できるため、正確な直進作業の支援をより適切に行うことが可能となる。
【0062】
(第3の実施形態)
図8は、本発明の農作業機用表示システムの第3の実施形態の表示例を示す。第3の実施形態では、第1、2の実施形態と同一の箇所には同一の符号を付してあり、特に説明がない部分は同じ説明を省略している。
【0063】
図8は、第1の実施形態で説明した
図5を置き換えた図である。第1の実施形態との違いは、複数の基準線表示46及び複数の基準線表示56を表示させている点が異なる。
【0064】
複数の基準線表示46は、現在画像表示41の幅方向に対して、上から下まで上下に延びる線(垂直線)が等間隔に表示されている。
図8では、現在画像表示41の幅方向を8分割した基準線を7つ表示している。そして中央の基準線表示46は、
図5の基準線表示45(左右の中心)に相当する。これにより、基準線表示46は、カメラ15の画面(撮影範囲)に対して常に同じ位置に表示されることになる。なお、複数の基準線表示46の数は、状況に応じて設定を変更してもよい。
【0065】
複数の基準線表示56は、過去画像表示51の幅方向に対して、上から下まで上下に延びる線(垂直線)が等間隔に表示されている。
図8では、過去画像表示51の幅方向を8分割した基準線を7つ表示している。そして中央の基準線表示56は、
図5の基準線表示55に相当する。これにより、基準線表示56は、カメラ15の画面(撮影範囲)に対して常に同じ位置に表示されることになる。ここで、複数の各基準線表示56は複数の各基準線表示46とは左右方向の位置が同じになる。これは、同じ大きさの現在画像表示41と過去画像表示51に対して同じ条件で、複数の基準線表示56と複数の基準線表示46を表示させているからである。なお、複数の基準線表示56の数は、状況に応じて設定を変更してもよい。ただし、複数の基準線表示46の数と間隔を同じにすることで基準の比較が分かりやすくなる。
【0066】
図8の過去画像表示51(51a)は、同じ方向へ作業を行った前の工程の旋回した直後の画像を表示させた状態である。
図8の過去画像表示51(51a)では、中央の基準線表示56(55)における目印A(1つの鉄塔)を目標としていたことが分かる。このとき、その右側の基準線表示56は目印B(他の鉄塔)と一致している。このことで、これらの距離や位置関係の目安を基準線表示56により作業者が知ることができる。そして、今回の旋回した直後の現在画像表示41(41c)の中央の基準線表示46(45)における目印は目印Bとすることができる。このとき、その左側の基準線表示46は目印Aと一致している。このことで、これらの距離や位置関係の目安を基準線表示46により作業者が知ることができる。
【0067】
複数の基準線表示46及び複数の基準線表示56は、
図3、4、6でも同様に表示させることができる。またこれらは、設定ボタン表示63に触れて操作することにより、これらを表示させるか、それとも
図3~6の基準線表示45及び基準線表示55の表示とするか等を設定できるようにしてもよい。
【0068】
このように第3の実施形態では、複数の基準線表示46と、複数の基準線表示56を用いることで、目印間の距離や位置関係の把握をしやすくなる。これにより、工程ごとの距離のずれ等を考慮してより適切な目印の決定を行うことが可能となる。
【0069】
(第4の実施形態)
図9は、本発明の農作業機用表示システムの第4の実施形態の表示例を示す。第4の実施形態では、第1、2の実施形態と同一の箇所には同一の符号を付してあり、特に説明がない部分は同じ説明を省略している。なお、第4の実施形態は第3の実施形態のように複数の基準線とする構成を適用することも可能である。
【0070】
第4の実施形態では、現在画像表示41と過去画像表示51に加え、第2の過去画像表示71を追加した構成である。現在画像表示41、過去画像表示51、第2の過去画像表示71は、上下に並べて表示され、
図9では、上から、現在画像表示41、過去画像表示51、第2の過去画像表示71の順に配置されている。これらの画像表示は同じ大きさで表示されており、表示幅をそろえて(幅方向の両端をそろえて)、上下方向に並べることで見やすい表示とできる。また、第2の過去画像表示71の上側に説明表示72が表示されている。
【0071】
第2の過去画像表示71は、現在表示されている過去画像表示51よりも1つ前の過去画像表示51と同じ静止画を表示する。例えば、10秒ごとに静止画を更新して表示する方法であれば、1つ前の10~20秒前に表示されていた過去画像表示51が表示される。このことで、現在表示されている過去画像表示51よりも1つ前の状態を示す第2の過去画像表示71を併せて表示することが可能となる。
【0072】
説明表示72は、第2の過去画像表示71がカメラ15で撮影された過去の画像であることを説明するための表示である。
図9では、「△△秒前」と表示し、現在よりもどのぐらい前の画像であるかを表示している。「△△秒」は、一定時間ごとに静止画を更新する方法であれば、説明表示52の「○○秒」に対して一定時間を加算した値となる。一定時間が10秒であれば、「△△秒=○○秒+10秒」となる。
【0073】
第2の過去方向表示73は、第2の過去画像表示71の画像を撮影した時点での方位を示す表示である。これは、センサ18が検知した当時の方位を記録部12に記録し、制御部11の制御により第2の過去画像表示71に重ねて表示させている。
図9では、角度の数値と16方位で示され、第2の過去画像表示71の右上において「30°北北東」と表示されている。なお、第2の過去方向表示73は、第2の過去画像表示71と関連付けられる方位であることが分かれば、第2の過去画像表示71上でない位置に表示させてもよい。また、第2の過去方向表示73は方位を示す図や絵で表してもよい。
【0074】
基準線表示75は、第2の過去画像表示71の左右の中心で上から下まで上下に延びる線(垂直線)による表示である。基準線表示75は、カメラ15の画面(撮影範囲)に対して常に同じ位置になり、カメラ15で撮影された画面(撮影範囲)の左右の中心を示すことになる。ここで、基準線表示75は、基準線表示55及び基準線表示45と左右方向の位置が同じになるように表示される。このことで、現在画像表示41、過去画像表示51、第2の過去画像表示71の3つの基準を把握しやすくなる。
【0075】
図9では、トラクタ1を前進させながら農作業機2による農作業を行っている場合の例を示している。トラクタ1を前進させているため、第2の過去画像表示71(71a)、過去画像表示51(51a)、現在画像表示41(41a)の順にカメラ15で撮影する風景の範囲が狭くなっていく。
図9では、第2の過去画像表示71(73a)の目印A(鉄塔)は基準線表示75上にあり、過去画像表示51(51a)の目印A(鉄塔)も基準線表示55上にあり、現在画像表示41(41a)の目印Aも基準線表示45上にある。このため、作業者は適切にまっすぐ前進作業していることを把握することができる。
【0076】
さらに、現在の方向を示す現在方向表示43(43a)と、過去画像表示51(51a)を撮影した時点の方向を示す過去方向表示53(53a)と、第2の過去画像表示71(71a)を撮影した時点の方向を示す第2の過去方向表示73(73a)が、いずれも「30°北北東」で同じである。このため、作業者は、この情報からもトラクタ1の直進方向がずれずに直進作業をしていることを把握することができる。
【0077】
第4の実施形態では、第2の過去画像表示71を加えることにより、さらに詳しく過去の状態を知ることができる。例えば、過去画像表示51で目印からずれてしまっても、第2の過去画像表示71で前の基準を確認することが可能となる。また、いつから目標からずれたのかも知ることが可能となる。
【0078】
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述した以外の様々な変形例も含まれる。例えば、上記した実施形態に設けられた全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を削除したり、他の構成に置き換えたりすることも可能である。
【0079】
例えば、
図3~6、8で示した実施形態では、現在画像表示41が上側で、過去画像表示51が下側の例を示したが、これらは上下逆でも適用できる。また、上下並べることで分かりやすく比較できるが、現在画像表示41と過去画像表示51を左右に並べて表示することも可能である。これらは、
図9で示した第4の実施形態の第2の過去画像表示71を追加した場合でも同様である。
【0080】
また、
図3~6、9で示した実施形態では、基準線表示45は現在画像表示41左右の中心、基準線表示55は過去画像表示51の左右の中心、基準線表示75は第2の過去画像表示71の左右の中心の線を示している。しかし、撮影範囲に対する予め定めた所定の位置であれば、これらは中心から所定距離ずれた基準線としてもよい。例えば、畦塗り機やプラウ等では、外力がかかり斜めに進むことも想定されるため、このような場合に特に有効である。このずれは、操作部17で設定することが可能である。また、基準線表示45、55、75は、上から下まで延びていると分かりやすいが、上下方向に所定距離だけ表示することも可能である。なお、基準線以外の方法も適用できる。例えば、印や記号、図形等である。
【0081】
また、
図9で示した第4の実施形態では、現在画像表示41、過去画像表示51、第2の過去画像表示71の3つの画像による表示を示したが、さらに4つ以上の画像を並べた構成としてもよい。この場合、さらにその前に表示していた過去画像表示51を追加していくことが可能である。これにより、さらに詳しく過去の状態を知ることができ、目標からいつずれたかをより詳しく知ることが可能となる。
【0082】
また、
図9で示した第4の実施形態において、過去画像表示51、第2の過去画像表示71は、
図5で説明したように、それぞれの画像表示上でフリック等をして画像表示ごとに過去に記憶した画像をさかのぼれるようにしておくことができる。一方、過去画像表示51と第2の過去画像表示71の関係を一定に保つように連動してもよい。この場合、例えば、いずれかの画像表示をフリック等すると過去の画像にさかのぼれるが、常に過去画像表示51に対して、その1つ前の画像を第2の過去画像表示71で表示する等して関係を一定に保つように自動で制御してもよい。4つ以上の画像を並べた場合も同様である。
【符号の説明】
【0083】
1 トラクタ
2 農作業機
5 運転席
11 制御部
12 記録部
15 カメラ
16 表示部
17 操作部
18 センサ
20、20’ 端末
30 表示画面
41 現在画像表示
42、52、72 説明表示
43 現在方向表示
45、46、55、56、75 基準線表示
51 過去画像表示
53 過去方向表示
61 停止ボタン表示
62 実行ボタン表示
63 設定ボタン表示
71 第2の過去画像表示
73 第2の過去方向表示