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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】凍結乾燥機用の入出庫装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/82 20060101AFI20230414BHJP
   F26B 5/06 20060101ALN20230414BHJP
【FI】
B65G47/82 C
F26B5/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021141381
(22)【出願日】2021-08-31
(65)【公開番号】P2023034904
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】595092673
【氏名又は名称】株式会社ケーテー製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真島 昭広
(72)【発明者】
【氏名】黒田 毅彦
(72)【発明者】
【氏名】中井 健太
(72)【発明者】
【氏名】上月 謙太郎
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-543746(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0089830(US,A1)
【文献】特開2019-006596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/82-47/88
F26B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結乾燥機用の入出庫装置(1)であって、
複数の連結アーム(10)を連結して成る連結式プッシャー(20)と、
前記連結式プッシャー(20)の先端に接続されるプッシャー用押し板(30)と、
連結前の前記複数の連結アームを収納する連結アーム収納棚(40)であって、複数のフックを有し、該複数のフックにより前記複数の連結アームを鉛直方向に積み上がる方向に位置するように収納及び昇降し、かつ、前記複数の連結アームの連結時には前記複数の連結アームを、前記連結アーム収納棚から外側に送り出す機構を有する、前記連結アーム収納棚(40)と、
を備えることを特徴とする、凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項2】
前記複数の連結アーム(10)の各々が、ローラを有することを特徴とする、請求項1に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項3】
複数のバイアル瓶(B)から成るバイアル群の最前部と最後部を支持することにより前記バイアル群をまとめて移動させる前後枠(60)をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項4】
前記連結式プッシャー(20)は、隣接する連結アームを連結する連結部(J)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項5】
前記連結部(J)は、突出部(JP)と開口部(JH)とを有し、前記突出部(JP)を開口部(JH)に挿入して係合することにより、隣接する連結アーム(10)を連結することを特徴とする、請求項4に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項6】
前記連結部(J)に設けられた磁気的な連結手段により、隣接する連結アーム(10)を連結することを特徴とする、請求項4に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項7】
前記連結アーム収納棚(40)は、前記複数の連結アーム(10)を下降させることにより、各連結アーム(10)の端部に設けられた連結部(J)にて、隣接する連結アーム(10)を連結することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項8】
前記連結アーム収納棚(40)は、移動可能な把持機構を備え、前記把持機構が、前記複数の連結アーム(10)のうちの1つを把持し、隣接する連結アーム(10)の連結部(J)の位置が合うように前記連結アーム(10)を移動させ、前記連結部(J)にて前記隣接する連結アーム(10)を連結することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項9】
スライダ(50)の一部に設けられたくし歯(T)を有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項10】
前記連結アーム収納棚(40)と搬送コンベア(C)との間に設けられた仕切り壁(41)をさらに備え、
前記仕切り壁(41)は、連結アームを通過させるための開口であるホール(43)を有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項11】
搬送コンベア(C)により搬送されるバイアル瓶(B)を受け止めるクッションストッパ(90)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項12】
前記連結アーム(10)を移動させ、前記連結アーム収納棚(40)を昇降させる、電磁気の力を利用した非接触の駆動機構をさらに備えることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【請求項13】
前記駆動機構が、リニアモータであることを特徴とする、請求項12に記載の凍結乾燥機用の入出庫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結乾燥機用の入出庫装置に関し、特に、バイアル瓶等の対象物を凍結乾燥機に入庫または凍結乾燥機から出庫するための凍結乾燥機用の入出庫装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体の製品中の水分を氷点以下の温度で凍結させ、その状態のまま昇華によって水分を除去乾燥させる方法を凍結乾燥と呼ぶ。その凍結乾燥を行う装置のことを凍結乾燥機と言い、医薬品の製造工程で広く使用されている。凍結乾燥機用の入出庫装置は、液状の医薬品が充填され、ゴム栓を半打栓されたバイアルを整列させ、プッシャーにより凍結乾燥機に入庫する機能を有している。また、凍結乾燥機において凍結乾燥およびゴム栓の全打栓が完了した状態のバイアル群を凍結乾燥機の棚からプッシャーにより出庫させる機能を同時に有している。大量のバイアル瓶を凍結乾燥機の外部から内部のステンレス製棚の上に一斉に押すことによって搬送するので、列の乱れや倒瓶が発生しないように考慮してバイアル瓶を入庫または出庫させる必要がある。
【0003】
注射製剤に代表される無菌医薬品の製造工程で用いる機械の設計では、無菌状態を担保するために製品近傍や上部で発塵する構造物が存在しないよう考慮する必要がある。具体的には、清浄度の高い風のラミナーフローが製品に直接あたる状態が維持されていることが求められている。また、バイアル瓶などの開口部の近傍や開口部より高い位置で、稼動したりこすれたりする部位があることは望ましくない。さらに製造に使用する設備では過酸化水素などのガスを用いた除染に耐えうる構造や素材を有している必要がある。無菌医薬品製造用の凍結乾燥機も、これらの特徴を有していることが望ましい。
【0004】
従来の凍結乾燥機では入庫用のプッシャーが凍結乾燥機の入り口手前に出庫用のプッシャーが凍結乾燥機の裏側に設置されていた。出庫用のプッシャーは清浄度の高い風が当たる環境(以後、クリーン環境と呼ぶ)の外側に配置されるために、ベローズと呼ばれる伸び縮みするカバー部材で覆う構造が必要であった。
【0005】
その後、入庫用のプッシャーと、出庫用のプッシャーの両方の機能を兼ねているものも開発された。出庫の際には手前から整列されたバイアルの奥にプッシャーの先端を配置し、手前方向に引っ掛けてバイアルを搬送する必要があるため、必然的に凍結乾燥機の奥行き以上の長さのプッシャーが必要となる。そのためにプッシャー自体を伸縮する構造にし、伸縮部分をベローズで覆う構造のものが主流であった。
【0006】
しかし、ベローズの破損が発見された場合、破損時期の特定が難しく、医薬品の安全性の観点で大きな懸念があると叫ばれるようになった。また、除染をする際には、ベローズを縮めた状態で行う必要があるため、ベローズのひだ同士がくっついた状態になってしまう。この場合、くっついた面の菌を殺すことができず、無菌性担保の観点でもベローズの利用は望ましくないと指摘されるようになった。
【0007】
そこで、最近の凍結乾燥機の入出庫装置は、凍結乾燥機の奥行き分の長さを確保した、非常に長いプッシャーを有し、プッシャー全体をクリーン環境に配置する構造をとる物が主流になっている。しかし、この構造は医薬品製造のためのオペレータ側に数メートルに及ぶ出っ張ったスペースを確保する必要がある。これはオペレータの作業性を著しく貶めるだけでなく、除染するエリアの拡大からバリアシステムの莫大なコストアップの要素である。
【0008】
それを解決する技術として、プッシャーが巻き取り式になって省スペースを実現している製品や、プッシャーに電気の力で自走する車両がついている製品が存在する。巻き取られた状態でのガス除染の効果の良悪については懐疑的にならざるを得ないこともある。製品近傍で車が自走する構造は、発塵性の観点で製品の安全性にリスクがある。省スペース、発塵性考慮、除染性能を満足した凍結乾燥機用の入出庫装置は現状存在していないと言ってよい。
【0009】
装置全体の省スペース化を図るために、特許文献1では、回転式の保持ドラム内にモジュール式棒アセンブリを構成する棒要素を格納する装置が提案されている。しかしながら、回転式の保持ドラム自身の動作により発塵が生じるため、発塵防止の要求を満たすことが困難であるという問題があった。また、棒要素が保持ドラム内に巻き取られた状態におけるガス除染の効果についても改善する必要があった。
【0010】
また、特許文献2では、プッシャーに車輪を設け、プッシャーに電力をすることでプッシャーが凍結乾燥室の庫内を自走する装置が提案されている。しかしながら、プッシャーに設けられた車輪による自走操作により発塵が生じるため、こちらも発塵防止の要求を満たすことが困難であるという問題があった。
【0011】
このように、無菌医薬品用の凍結乾燥機の入出庫装置において、クリーン環境におく構造物の発塵を防ぐ構造、除染性、製品製造エリアの省スペース性のいずれについても満足する製品が存在していない。
【0012】
また、凍結乾燥機に入出庫の過程において、スライダと棚の段差や、バイアルの動作、停止の際に、乗り移りのタイミングで先頭の瓶が倒瓶することがしばしばあることも課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特表2009-543746号公報
【文献】特表2016-532070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、クリーン環境に配置する医薬品製造用の凍結乾燥機用の入出庫装置として、製品近傍での発塵性を考慮し、オペレータの作業性確保のための省スペースな構造を実現し、ガスによる除染性能を大きく向上させるためのものである。また、合わせて安定的な瓶の搬送も大きく向上させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明では、凍結乾燥機用の入出庫装置であって、複数の連結アームを連結して成る連結式プッシャーと、連結式プッシャーの先端に接続されるプッシャー用押し板と、連結前の複数の連結アームを収納する連結アーム収納棚(40)と、
を備えることを特徴とする、凍結乾燥機用の入出庫装置を提供する。
【0016】
本発明のある態様による凍結乾燥機用の入出庫装置において、複数の連結アームの各々が、ローラを有するようにしてもよい。
【0017】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置は、複数のバイアル瓶から成るバイアル群の最前部と最後部を支持することによりバイアル群をまとめて移動させる前後枠をさらに備えるようにしてもよい。
【0018】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置は、連結式プッシャーは、隣接する連結アームを連結する連結部を備える。
【0019】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置において、連結部は、突出部と開口部とを有し、前記突出部を開口部に挿入して係合することにより、隣接する連結アームを連結するようにしてもよい。
【0020】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置において、連結部に設けられた磁気的な連結手段により、隣接する連結アームを連結するようにしてもよい。
【0021】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置において、連結アーム収納棚は、前記複数の連結アームが例えば鉛直方向に積み上がる方向に位置するように複数の連結アームを収納するようにしてもよい。連結アーム収納棚への連結アームの収納方法は、これに限られず、収納面積を小さく抑えることができる限り、連結アームを水平方向、多列など様々な方法で収納してもよい。
【0022】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置において、連結アーム収納棚は、複数の連結アームを例えば鉛直方向に下降させることにより、各連結アームの端部に設けられた連結部にて、隣接する連結アームを連結するようにしてもよい。
【0023】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置において、連結アーム収納棚は、移動可能な把持機構を備え、把持機構が、複数の連結アームのうちの1つを把持し、隣接する連結アームの連結部の位置が合うように前記連結アームを移動させ、連結部にて隣接する連結アームを連結するようにしてもよい。
【0024】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置は、スライダの一部に設けられたくし歯を有するようにしてもよい。
【0025】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置は、連結アーム収納棚と搬送コンベアとの間に設けられた仕切り壁をさらに備え、仕切り壁は、連結アームを通過させるための開口であるホールを有するようにしてもよい。
【0026】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置は、搬送コンベアにより搬送されるバイアル瓶を受け止めるクッションストッパをさらに備えるようにしてもよい。
【0027】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置は、凍結乾燥機棚板に沿って延在するバイアル用ガイドをさらに備えるようにしてもよい。
【0028】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置は、連結アームを移動させ、連結アーム収納棚を昇降させる、電磁気の力を利用した非接触の駆動機構をさらに備えるようにしてもよい。
【0029】
本発明の他の態様による凍結乾燥機用の入出庫装置の駆動機構は、好ましくはリニアモータであるが、これに限られず、電磁気の力を利用した非接触の任意の駆動機構であってもよい。
【0030】
本発明において、「クリーン環境」とは、清浄度の高い風が当たる環境をいう。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、クリーン環境に配置する医薬品製造用の凍結乾燥機用の入出庫装置として、製品近傍での発塵性を考慮し、オペレータの作業性確保のための省スペースな構造を実現し、ガスによる除染性能を大きく向上させることができる。
【0032】
また、本発明によれば、瓶の搬送時の安定性も大きく向上させることができる。
【0033】
また、本発明によれば、クリーン環境にしなければならない面積が小さくなるため、バリアシステムのサイズを小さくすることができる。そのため装置の利用者にとっては大きなコストダウンとなり、従来に比べ付加価値を大きく向上した入出庫装置を提供することができる。
【0034】
さらに、本発明によれば、ガスによる除染の性能だけでなく、水洗いの性能も向上する。
本発明の他の目的、特徴および利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の全体を示す図である。
図2図2は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の入庫時の様子を示す図である。
図3図3は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の連結式プッシャーの連結の様子を示す図である。
図4図4は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の連結式プッシャーの連結部の一例を示す図である。
図5図5は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の入庫時の前後枠の動作を示した側面図である。
図6図6は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の入庫時の前後枠の動作を示した平面図である。
図7図7は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の出庫開始時の連結式プッシャーの位置を示した平面図である。
図8図8は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の出庫時の前後枠の位置を示した平面図である。
図9図9は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の連結アーム収納棚を示した図である。
図10図10は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の連結アーム収納棚と連結アームとの関係を示した図である。
図11図11は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の連結アーム収納棚の昇降時の様子を示した図である。
図12図12は、スライダの一部に設けられたくし歯を示す図である。
図13図13は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置のクッションストッパの動作を示した平面図である。
図14図14は、従来の凍結乾燥機用の入出庫装置の設置例を示した図である。
図15図15は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の設置例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0036】
図1は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の全体を示す図である。
本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1は、複数の連結アーム10を連結して成る連結式プッシャー20と、連結式プッシャー20の先端に接続されるプッシャー用押し板30と、連結前の複数の連結アーム10を収納する連結アーム収納棚40とを備える。
【0037】
連結式プッシャー20は、バイアル瓶の入庫用プッシャーとしての機能および出庫用プッシャーとしての機能を兼ね備えている。連結式プッシャー20の長さは、複数の連結アーム10を連結させることにより調整することができる。全ての連結アーム10を連結すると、凍結乾燥機の奥行分の長さが確保できる。即ち、全ての連結アーム10を連結したときの連結式プッシャー20の長さが、凍結乾燥機の奥行の長さと一致するようにすることができる。
【0038】
連結アーム10はクリーン環境内に設置された連結アーム収納棚40に収納されている。連結アーム10を連結する際には、連結アーム収納棚40から連結アーム10を一つずつ送り出して連結する。これにより、除染性能と省スペース性を両立することができる。
【0039】
プッシャー用押し板30は、連結式プッシャー20の先端に接続される。プッシャー用押し板30は、連結式プッシャー20の移動に伴って移動し、バイアル瓶Bを押しながら移動させる。
【0040】
連結アーム収納棚40は、クリーン環境内に設置され、複数の連結アーム10を収納する。連結アーム収納棚40は、連結アーム10を1つずつ送り出し、互いに連結させる。
【0041】
複数の連結アーム10の各々が、ローラ42を有する。複数の連結アーム10の各々は、2つ以上のローラを有するようにしてもよい。例えば、連結アーム10の両端付近に1つずつ合計2個のローラ42を設けてもよく、連結アーム10の両端付近及び中央にそれぞれ1つずつ合計3個のローラ42を設けても良い。連結アーム10のローラ42により、連結アーム10がレール上を移動する。
【0042】
スライダ50は、バイアル瓶Bが搬送される搬送面であり、連結アーム収納棚40と凍結乾燥機棚板70との間に設けられている。凍結乾燥機棚板70は、下部連結乾燥機棚板71と上部凍結乾燥機棚板72を有する。スライダ50は、下部連結乾燥機棚板71に向かって延在する。
【0043】
連結式プッシャー20とは別に、前後枠60をさらに設けるようにしてもよい。前後枠60は、複数のバイアル瓶Bから成るバイアル群の最前部と最後部を支持することによりバイアル群を抱えた状態でまとめて移動させる。
【0044】
バイアル群が凍結乾燥機棚板70の入り口を通過する際には必ず進行方向に対してバイアル群の前後を支える状態を維持することで倒瓶の防止をする。また、前後枠60によりバイアル瓶Bを凍結乾燥機に送る構造を取ることで、入庫時に連結式プッシャー20が果たす役割は搬送コンベアからスライダ50にバイアル瓶Bを送る機能のみに限定することができる。そのため、入庫時には連結式プッシャー20を連結させる必要がない。
【0045】
凍結乾燥機棚板70に沿って延在するバイアル用ガイド80をさらに備えるようにしてもよい。バイアル用ガイド80は、搬送路の幅を調整するために用いられる。バイアル用ガイド80により搬送路の幅を調整することで、様々なサイズのバイアル瓶Bに対応することができる。
【0046】
図2は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の入庫時の様子を示す図である。
入出庫装置1へのバイアル瓶Bの入庫時には、バイアル瓶Bを搬送コンベアC上に1列に並べ、連結式プッシャー20が最も短い状態、即ち、1つの連結アーム10のみを用いる状態で、1ピッチ分ずつバイアル瓶Bのバイアル群を押す。図2の(a)は、最初の1ピッチ分のバイアル瓶Bが凍結乾燥機に向かう進行方向に押し出された状態を示し、図2の(b)は、次の1ピッチ分のバイアル瓶Bが凍結乾燥機に向かう進行方向に押し出された状態を示している。これを所望の量のバイアル瓶Bが押し出されるまで繰り返し、バイアル群は順次、凍結乾燥機に向かう進行方向へと送られる。
【0047】
図3は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の連結式プッシャー20の連結の様子を示す図である。
図3の(a)は、連結式プッシャー20が凍結乾燥機棚板70の入り口付近に到達する前の状態を示す図である。図3の(b)は、スライダ50上に連結式プッシャー20の先端が凍結乾燥機棚板70の入り口付近に到達した状態を示す図である。図3の(c)は、連結式プッシャー20の先端に続く第1連結アーム11を示す図である。図3の(d)は、第1連結アーム11と第1連結アームに続く第2連結アーム12、および第1連結アーム11と第2連結アーム12とを連結する第1連結部J1を示す図である。図3の(e)は、第1連結アーム11、第2連結アーム12、第1連結部J1、および第2連結アーム12と第3連結アーム13とを連結する第2連結部J2を示す図である。図3の(f)は、同様に、第1~第3連結アーム11,12,13と、第4連結アーム14と第5連結アーム15とを連結する第3連結部J3を示す図である。図3の(a)~(f)に示すように、第1~第n連結アーム(11,12,13,・・・1n)が第1~第n-1連結部(J1,J2,J3,・・・Jn)によりそれぞれ隣接する連結アーム10と連結される。
【0048】
連結式プッシャー20の長さが最も短くなるのは、第1連結アーム11のみを用いる場合であり、例えば、バイアル瓶Bの凍結乾燥機への入庫時に、搬送コンベアからスライダ50までバイアル瓶Bを送るのみで良い場合等には、第1連結アーム11のみを用いてもよい。一方、連結式プッシャー20の長さが最も長くなるのは、バイアル瓶Bの凍結乾燥機からの出庫時に、プッシャー用押し板30を凍結乾燥機の庫内の最奥部まで到達させ、最奥側のバイアル瓶Bにプッシャー用押し板30を引っ掛けて、バイアル群を凍結乾燥機の入り口側に送る場合であり、連結される連結アーム10の数が最も多くなる。
【0049】
図4は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の連結式プッシャー20の連結部Jの一例を示す図である。
連結式プッシャー20は、隣接する連結アーム10を連結する連結部Jを備える。連結部Jは、任意の連結方法を採用してもよいが、図4の一例では、連結部Jの一端に開口部JHを設け、他端に連結ピン等の突出部JPを設け、開口部JHに突出部JPを係合することにより、2つの連結部Jを連結する。即ち、連結部Jは、突出部JPと開口部JHとを有し、突出部JPを開口部JHに挿入して係合することにより、隣接する連結アーム10を連結する。図4の例では、連結アーム10の一端に設けられた開口部JHと、その連結アーム10に隣接する連結アーム10の一端に設けられた突出部JPとが係合される。図4の例では、開口部JHが円筒形の開口であり、突出部JPは略円筒形のピンであるが、これらに限られず、開口部JHと突出部JPの形状は、互いに係合し得る限り任意の形状としてもよい。また、図4の例の他、連結部Jは、マグネット等の磁気的手段による接続や、ねじによる接続等、任意の機械的、電気的、磁気的な接続を採用し得る。
【0050】
図5は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の入庫時の前後枠60の動作を示した側面図である。
前後枠60は、図5の(c)に示すように、バイアル群の進行方向の最前部を支持する前方支持部61と、バイアル群の進行方向の最後部を支持する後方支持部62と、前方支持部61と後方支持部62との間に設けられた中間支持部63を有する。
【0051】
図5の(a)は、前後枠60で搬送する数量のバイアル瓶Bが整列された状態を示している。連結式プッシャー20により押し出された所定の数量のバイアル瓶Bが、前後枠60の前方支持部61と中間支持部63との間に位置している。このとき、前後枠60の中間支持部63と後方支持部62との間も同様に、バイアル瓶Bにより満たされている。バイアル瓶Bの列は、前後枠60の前方支持部61、中間支持部63および後方支持部62に相当する位置に空白列が設けられる。
【0052】
次に、図5の(b)に示すように、前後枠60が下降し、前方支持部61、中間支持部63および後方支持部62が空白列の位置に挿入される。前後枠60は、前方支持部61、中間支持部63および後方支持部62が空白列の位置に挿入された状態のまま、凍結乾燥機に向かう進行方向へ移動する。この移動の際に、バイアル瓶Bのバイアル群は、凍結乾燥機の入り口を通過する。このようにバイアル群が前後枠60で支持された状態で凍結乾燥機の入り口を通過することにより、バイアル瓶の倒瓶を防止することができる。
【0053】
前後枠60によるバイアル瓶Bの移動が完了した後、図5の(c)に示すように、前後枠60は上昇し、図5の(a)の位置、即ち、次のバイアル群の空白列の上方に前方支持部61、中間支持部63および後方支持部62が配置されるように移動する。
【0054】
前後枠60を用いる場合の利点は、バイアル瓶の倒瓶を防止することの他、連結式プッシャー20において連結アームの連結を行わず、第1連結アーム11のみを用いることもできる点である。これにより、連結による僅かな発塵も防止できるため、高い発塵の抑制が求められる場合にも適用することが可能となる。
【0055】
図6は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の入庫時の前後枠60の動作を示した平面図である。
図6の(a)~(c)は、前後枠60で搬送する数量のバイアル瓶Bが前後枠60の前方支持部61と中間支持部63との間に整列するまで、連結式プッシャー20により押し出される過程を示している。図6の(d)は、その後に、前後枠60による移動と、連結式プッシャー20による移動が行われた状態を示している。図6の(e)は、最後に、全てのバイアル瓶Bが凍結乾燥機棚板70の目的の場所まで到達し、入庫が完了した状態を示している。
【0056】
図7は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の出庫開始時の連結式プッシャー20の位置を示した平面図である。
図7においては、連結式プッシャー20の全ての連結アーム10が連結され、プッシャー用押し板30は、凍結乾燥機の最奥部に配置されている。プッシャー用押し板30が凍結乾燥機の最奥部に到達すると、プッシャー用押し板30はバイアル瓶Bを搬送できる高さまで下降する。プッシャー用押し板30が所定の位置まで下降すると、連結式プッシャー20は、連結乾燥機の入り口に向かう方向に移動し、バイアル瓶Bを出庫する。必要に応じて、連結式プッシャー20の連結を解除しながら、連結乾燥機の入り口に向かう方向に移動に移動する。
【0057】
出庫の際にバイアル群の手前を前後枠60により支持することにより、スライダ50と凍結乾燥機棚板70との段差におけるバイアル瓶Bの倒瓶を防止することができる。
【0058】
図8は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の出庫時の前後枠60の位置を示した平面図である。
出庫時には、プッシャー用押し板30は、凍結乾燥機の最奥部側のバイアル瓶Bの列と接触しながら、連結乾燥機の入り口に向かう方向に移動するが、その際に、バイアルが所定の量だけ凍結乾燥機棚板70からスライダ50に移るまで、凍結乾燥機の入り口側のバイアル瓶Bの列を前後枠60により支持しながらバイアル群を移動させる。これにより、結乾燥機の入り口を通過する際のバイアル瓶の倒瓶を防止することができる。
【0059】
図9は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の連結アーム収納棚40を示した図である。
図9の例では、連結アーム収納棚40は、複数の連結アーム10が鉛直方向に積み上がる方向に位置するように複数の連結アーム10を収納する。
【0060】
搬送コンベアCと、連結アーム収納棚40との間には、仕切り壁41が設けられる。連結アーム10は、連結アーム収納棚から仕切り壁41を隔てて外側、即ち、搬送面側の位置で連結される。仕切り壁41には小径の開口であるホール43が設けられる。ホール43の直径は、連結アームを通過させるのに十分な大きさであり、少なくとも連結アームの直径よりも大きい。連結アーム10が仕切り壁41のホール43を通過してスライダ50に送られる構造とし、バイアル瓶Bの搬送領域と連結アームの連結を行う領域との間に差圧を設け、バイアル瓶Bの搬送領域から連結アームの連結を行う領域に空気が常に流れる状態を維持する。これにより、より発塵の防止を考慮した構造になっている。
【0061】
図10は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の連結アーム収納棚40と連結アーム10との関係を示した図である。
連結アーム収納棚40は、各段にレール44が取り付けられている。連結アーム10の各々は、ローラ42を有し、ローラ42がレール44に接触することにより連結アーム10が連結アーム収納棚40に支持される。連結アーム収納棚40は昇降式となっており、レール44と供に連結アーム10を鉛直方向に移動する。また、連結アーム収納棚40は、フック45を有し、連結アーム10は、フック45に連結される。
【0062】
図11は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1の連結アーム収納棚40の昇降時の様子を示した図である。
図11の(a)は、1つ目の連結アーム10が、進行方向へ送り出された状態を示している。図11の(b)は、図11の(a)の状態に続いて、連結アーム収納棚40のレール44が鉛直方向に一段下がり、2つ目の連結アーム10の先頭に位置する連結部Jが、1つ目の連結アーム10の末尾と連結した状態を示している。このように、連結アーム10の進行方向への送り出しと、次の連結アーム10との連結とが順次行われ、連結アーム10の長さが延長され、連結アーム10が進行方向へと延びながら進行方向へと進む。
【0063】
図12は、スライダ50の一部に設けられたくし歯Tを示す図である。図12の(a)は、くし歯Tが噛み合わされた状態を示しており、図12の(b)は、くし歯Tが離れた状態を示している。図12の(c)は、噛み合わされた状態のくし歯Tの一部を拡大したものであり、図12の(d)は、離れた状態のくし歯Tの一部を拡大したものである。図12の(d)のようにくし歯が離れた状態にある場合に生じる隙間の幅は、バイアル瓶Bの幅よりも小さいため、バイアル瓶Bがくし歯Tの上を移動してもバイアル瓶Bは落下しない。図12の(c)及び(d)に示すように、くし歯Tが互い違いに噛み合うことにより、スライダ50全体が伸縮する。凍結乾燥機には上下に旋回しながら開閉する扉があるため、扉の開閉の折にスライダ50が退避する必要があるため、スライダ50が伸縮可能なように、くし歯Tが設けられている。くし歯Tは、噛み合わされた状態と離れた状態のいずれにおいても平坦な面を形成するため、搬送コンベアCとスライダ50との間で、平坦な面を維持することができる。
【0064】
図13は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置のクッションストッパの動作を示した平面図である。
クッションストッパ90は、搬送コンベアCを流れてきたバイアル瓶Bを受け止めて制止する。図13の(a)の状態から図13の(b)の状態へとクッションストッパ90の機構部がバイアル瓶Bの動きに合わせて旋回運動をすることにより、衝撃を吸収しながらバイアル瓶Bを制止する。図13の(c)に示すように、バイアル瓶Bの制止後、クッションストッパ90は、旋回運動により搬送コンベアCの側部に収納され、コンベアガイドとして使用することができる。
【0065】
図14は、従来の凍結乾燥機用の入出庫装置の設置例を示した図である。
図14に示すような従来の凍結乾燥機用の入出庫装置においては、プッシャーをクリーン環境に配置するために、図14に示す従来のバリアシステム外枠Pcのように、細長い領域のバリアシステムが必要となる。
【0066】
図15は、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の設置例を示した図である。
図15に示すように、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置においては、連結式プッシャー20の連結アーム10が連結アーム収納棚40に収納される構造になることで、図15のバリアシステム外枠Pのように、図14のような従来の凍結乾燥機用の入出庫装置に比べ、バリアシステムの領域を小さくすることができる。
【0067】
これまでに説明した実施例において、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置1は、連結アーム10を移動させ、連結アーム収納棚40を昇降させる駆動手段として、電磁気の力を利用した非接触の駆動機構をさらに備えるようにしてもよい。駆動機構は、好ましくは、リニアモータであるが、これに限られず、電磁気の力を利用した非接触の任意の駆動機構であってもよい。リニアモータ等の電磁気の力を利用した非接触の駆動機構により、連結アーム10の移動や連結アーム収納棚40の昇降を行うことにより、従来のボールねじとリニアガイドに代表される、グリスが必要かつ必ず一部が面接触か線接触している部材とは異なり、空中に浮かんだ状態を維持することができる構造物を利用することで除染性、水洗性を高めることができる。
【0068】
これまでに説明した実施例においては、連結アーム10の連結部Jは、図4に示すように、開口部JHに突出部JPを係合することにより連結を行う例を示したが、これに限られず、その他の任意の連結方法を採用してもよい。例えば、連結部Jは、他の機械的な連結方法、磁気的な連結方法により、隣接する連結アーム10を連結してもよい。例えば、連結部Jに設けられた磁気的な連結手段により、隣接する連結アーム10を連結するようにしてもよい。例えば、磁気的な連結手段として、連結アーム10の両端に磁石を設け、磁力により隣接する連結アーム10を連結するようにしてもよい。
【0069】
また、これまでに説明した実施例においては、連結アーム収納棚40が上下に昇降することにより、連結アーム10の連結部Jにて隣接する連結アーム10を連結する例を示したが、これに限定されない。他の実施例においては、連結アーム収納棚40は、移動可能な把持機構を備え、把持機構が、複数の連結アーム10のうちの1つを把持し、隣接する連結アーム10の連結部Jの位置が合うように連結アーム10を移動させ、連結部Jにて隣接する連結アーム10を連結するようにしてもよい。例えば、連結アーム収納棚40に収納された連結アーム10をロボットアームやロボットハンド等の把持機構により1つずつ挟んで持ち上げ、隣接する連結アーム10の連結部Jの位置が合うように連結アーム10を移動して、連結するようにしてもよい。
【0070】
これまでに説明した実施例においては、搬送対象の物品がバイアル瓶である場合を例として説明したが、搬送対象の物品は、バイアル瓶に限られず、瓶以外の容器、例えば、シリンジ、カートリッジ、アンプル等の任意の容器であってもよい。シリンジは、例えば、袴に挿入されたシリンジであってもよい。
【0071】
以上で説明した構成により、本発明においては、クリーン環境に配置する医薬品製造用の凍結乾燥機用の入出庫装置として、製品近傍での発塵性を考慮し、オペレータの作業性確保のための省スペースな構造を実現し、ガスによる除染性能を大きく向上させることができる凍結乾燥機用の入出庫装置を実現した。本発明の凍結乾燥機用の入出庫装置によれば、瓶の搬送時の安定性も大きく向上させることができる。また、クリーン環境にしなければならない面積が小さくなるため、バリアシステムのサイズを小さくすることができる。そのため装置の利用者にとっては大きなコストダウンとなり、従来に比べ付加価値を大きく向上した入出庫装置を提供することができる。さらに、ガスによる除染の性能だけでなく、水洗いの性能も向上する。このような目的及び効果の少なくともいずれかを実現し得るものである限り、本発明による凍結乾燥機用の入出庫装置の一部について、上記で説明した構成以外にも種々の変更をすることが可能である。
上記記載は実施例についてなされたが、本発明はそれに限らず、本発明の原理と添付の請求の範囲の範囲内で種々の変更および修正をすることができることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0072】
1 入出庫装置
10 連結アーム
20 連結式プッシャー
30 プッシャー用押し板
40 連結アーム収納棚
41 仕切り壁
42 ローラ
43 ホール
44 レール
45 フック
50 スライダ
60 前後枠
70 凍結乾燥機棚板
80 バイアル用ガイド
90 クッションストッパ
B バイアル瓶
C 搬送コンベア
J 連結部
JH 開口部
JP 突出部
P バリアシステム外枠
T くし歯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15