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特許7262160ターンテーブル水平方向回転位置固定機構
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  • 特許-ターンテーブル水平方向回転位置固定機構 図1
  • 特許-ターンテーブル水平方向回転位置固定機構 図2
  • 特許-ターンテーブル水平方向回転位置固定機構 図3
  • 特許-ターンテーブル水平方向回転位置固定機構 図4
  • 特許-ターンテーブル水平方向回転位置固定機構 図5
  • 特許-ターンテーブル水平方向回転位置固定機構 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】ターンテーブル水平方向回転位置固定機構
(51)【国際特許分類】
   A63B 51/14 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
A63B51/14
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019132362
(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公開番号】P2021016447
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390010917
【氏名又は名称】ヨネックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(74)【代理人】
【識別番号】100073324
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134898
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 克子
(72)【発明者】
【氏名】土田 明
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特公昭47-2964(JP,B1)
【文献】特開平3-55071(JP,A)
【文献】特開平1-85565(JP,A)
【文献】特開平8-245021(JP,A)
【文献】特開2001-17041(JP,A)
【文献】特開2003-319637(JP,A)
【文献】米国特許第8066593(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 51/00-51/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テニスラケット等のガット張り機にて、水平方向にて回転するターンテーブルの回転位置を固定するターンテーブル水平方向回転位置固定機構であって、
前記ターンテーブルは、ワークテーブルの上部にセットされるターンテーブル支持板を備え
前記ターンテーブル支持板の下面に取着された環状の鉄板と、
前記ワークテーブルの上面に固定された電磁石保持板と、
前記電磁石保持板に保持される複数の電磁石とを備え、
前記電磁石保持板には、複数の前記電磁石を出没自在に嵌合する複数の凹部が上面に列設され、
前記電磁石は、励磁したときに前記凹部から突出して前記環状の鉄板に吸着することで前記ターンテーブルの回転位置を固定することを特徴とするターンテーブル水平方向回転位置固定機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テニスラケット等のガット張り機におけるターンテーブルの水平方向回転位置固定機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テニスやバドミントン、スカッシュ、ラケットボール等のラケットのガット張り機は、ラケットの固定台とガットクランプ機構とを支持するターンテーブルと、ガットを所定の圧力で引っ張るテンションユニットと、前記ターンテーブルとテンションユニットを上部にセットするワークテーブルと、前記ワークテーブルを支持するスタンドとをもって構成されている。
【0003】
図1には該ガット張り機を示しており、符号1はガット張り機、2、2はラケット固定台、3、3はガットクランプ機構、4はターンテーブル、5はテンションユニット、6はワークテーブルである。尚、スタンドは図示を省略している。
【0004】
斯かるガット張り機によってラケットにガットを張る作業を行う際においては、ラケット固定台2、2に固定したラケットのフレームの向きを頻繁に変えなければならない。そして、これはラケット固定台2、2を支持するターンテーブル4の水平方向の回転をもって行われる。そして、ターンテーブル4は作業上必要な水平方向の回転位置にその都度固定しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、斯かるターンテーブル4の水平方向の回転は、前記の通り所望の位置において固定すると共に、作業中はその状態を維持し、そして次の作業に移るときには速やかに固定を解除する必要がある。このようにラケットにガットを張る作業においてはターンテーブルの回転の固定、継続、解除を繰り返して行うが、これを迅速化することができれば作業能率が大幅に向上することから、従来この点の改善が望まれていた。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みなされたものであって、ターンテーブルの水平方向の回転を、所望の位置において迅速且つ確実に固定することができると共に、作業中は固定状態を継続することができ、そして一つの作業を終了して次の作業に移るべくターンテーブルの位置を変えるときには固定の解除を迅速に行うことができるようになし、もってガット張り作業の大幅な能率向上を図ることができるようになしたターンテーブルの水平方向回転位置固定機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
而して、本発明の要旨とするところは、垂直な回転軸に直角に固定されたターンテーブル支持板の下面に取着した、所要の直径の環状の鉄板と、ワークテーブルの上面に固定され、上面に前記環状の鉄板の軸線に沿って等間隔に電磁石を摺動自在に嵌合する凹部を列設した電磁石保持板と、前記電磁石保持板の各凹部に出没自在に嵌合し、励磁したときに該凹部から僅かに突出して前記環状の鉄板に吸着する電磁石とからなることを特徴とするテニスラケット等のガット張り機におけるターンテーブルの水平方向回転位置固定機構にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上記の如き構成であり、電磁石の特性を利用し、ターンテーブルの水平方向の回転を、所望の位置において迅速且つ確実に固定することができると共に、作業中は固定状態を継続することができ、そして一つの作業を終了して次の作業に移るべくターンテーブルの位置を変えるときには固定の解除を迅速に行うことができるようになしたものであるから、ガット張り作業の大幅な能率向上を図ることができるものである。
【0009】
即ち、電磁石に通電して励磁すると、該電磁石はワークテーブルに固定された電磁石保持板に設けた凹部から僅かに上昇して突出し、ターンテーブル支持板に取着した環状の鉄板に吸着するものである。そして、環状の鉄板に吸着した電磁石は電磁石保持板の凹部に嵌合されており、水平方向へずれることはないから、ターンテーブルはその位置において固定されることになるものである。これにより、ターンテーブルは水平方向の所望の回転位置に迅速且つ確実に固定されることになるものである。そして、ターンテーブルがその位置にある間にラケットにガット張りの作業をするときには、電磁石への通電を継続すればよく、そしてその作業が終了してラケットの向きを変えるべくターンテーブルの位置を変えるときには、電磁石への通電を停止すればよく、これにより速やかに固定が解除されるものである。
【0010】
また、このような作用効果を有するものであるから、例えば、電磁石への通電を足踏みペダル式のスイッチを用いて行うようにすれば、スイッチの操作だけでターンテーブルの水平方向の回転位置の固定、継続、解除を行うことができ、迅速に行うことができると共に両手も自由に使えることになり、作業をより能率よく行うことができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を実施したテニスラケット等のガット張り機の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るターンテーブルの水平方向回転位置固定機構の要部の説明図である。
図3】同作用説明図である。
図4】電磁石保持板の平面図である。
図5図4中A-A線拡大断面図である。
図6】電磁石保持板の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図中、1はガット張り機であり、ラケットの固定台2、2とガットクランプ機構3、3とを支持するターンテーブル4と、ガットを所定の圧力で引っ張るテンションユニット5と、前記ターンテーブル4とテンションユニット5とを上部にセットするワークテーブル6と、前記ワークテーブル6を支持するスタンド(図示せず。)とをもって構成されている。
【0014】
而して、本発明は、上記ガット張り機におけるターンテーブル4の水平方向回転位置固定機構7に係るものである。
【0015】
そして、該ターンテーブルの水平方向回転位置固定機構7は、垂直な回転軸8に直角に固定されたターンテーブル支持板9の下面に取着した所要の直径の環状の鉄板10と、ワークテーブル6の上面に固定され、上面に前記環状の鉄板10の軸線に沿って等間隔に電磁石を摺動自在に嵌合する凹部11、11、11・・・を列設した電磁石保持板12と、前記電磁石保持板12の各凹部11、11、11・・・に出没自在に嵌合し、励磁したときに該凹部11、11、11・・・から僅かに突出して前記環状の鉄板10に吸着する電磁石13、13、13・・・とからなるものである。
【0016】
尚、電磁石13、13、13・・・としては汎用の電磁石を用いるものであり、図において14はリード線を示すものである。
【0017】
次に、本実施形態の作用について説明する。
電磁石13、13、13・・・に通電して励磁すると、該電磁石13、13、13・・・はワークテーブル6に固定された電磁石保持板12に設けた凹部11、11、11・・・から僅かに上昇して突出し、ターンテーブル支持板9に取着した環状の鉄板10に吸着するものである。そして、環状の鉄板10に吸着した電磁石13、13、13・・・は電磁石保持板12の凹部11、11、11・・・に嵌合されており、水平方向へずれることはないから、ターンテーブル4はその位置において固定されることになるものである。これにより、ターンテーブル4は水平方向の所望の回転位置に迅速且つ確実に固定されることになるものである。そして、ターンテーブル4がその位置にある間にラケットにガット張りの作業をするときは、電磁石13、13、13・・・への通電を継続すればよく、そしてその作業が終了してラケットの向きを変えるべくターンテーブル4の位置を変えるときには、電磁石13、13、13・・・への通電を停止すればよく、これにより速やかに固定が解除されるものである。
【0018】
本実施形態は、上記のとおり、電磁石の特性を利用し、ターンテーブル4の水平方向の回転を、所望の位置において迅速且つ確実に固定することができると共に、作業中は固定状態を継続することができ、そして一つの作業を終了して次の作業に移るべくターンテーブル4の位置を変えるときには固定の解除を迅速に行うことができるようになしたものであるから、ガット張り作業の大幅な能率向上を図ることができるものである。
【0019】
そしてまた、上記のような作用効果を有するものであるから、例えば、電磁石13、13、13・・・への通電を足踏みペダル式のスイッチ(図示せず。)を用いて行うようにすれば、スイッチの操作だけでターンテーブル4の水平方向の回転位置の固定、継続、解除を行うことができ、迅速に行うことができると共に両手も自由に使えることになり、作業をより能率よく行うことができるようになるものである。
【符号の説明】
【0020】
1 ガット張り機
2、2 ラケット固定台
3、3 ガットクランプ機構
4 ターンテーブル
5 テンションユニット
6 ワークテーブル
7 ターンテーブルの水平方向回転位置固定機構
8 回転軸
9 ターンテーブル支持板
10 環状の鉄板
11 凹部
12 電磁石保持板
13 電磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6