(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】什器
(51)【国際特許分類】
A47B 3/08 20060101AFI20230414BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
A47B3/08 C
A47B13/02
(21)【出願番号】P 2018207570
(22)【出願日】2018-11-02
【審査請求日】2021-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】小田 洋一郎
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-202056(JP,A)
【文献】特開平07-000230(JP,A)
【文献】特開昭54-068357(JP,A)
【文献】実公昭02-005864(JP,Y1)
【文献】米国特許第05417168(US,A)
【文献】独国実用新案第202012009964(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 3/08
A47B 13/02
E05C 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
前記支持体に
前後方向に交差する方向に延びる第1軸部回りに回動可能に支持された回動体と、
前記回動体を、前記回動体が横臥した第1姿勢と前記回動体が起立し
前記第1姿勢における前記第1軸部よりも前記前後方向の前側が後側よりも上側となる第2姿勢との間で回動させる回動機構と、を有し、
前記支持体は、前記第1姿勢となった前記回動体に下側から当接する当接面を有し、
前記回動機構は、前記支持体に一端が
、前記第1軸部と平行となるよう
に尚且つ前記第1軸部よりも前記前後方向の前側に配された第2軸部回りに回動可能に支持されたリンク部と、
前記回動体に形成され、前記第1軸部および前記第2軸部と直交する延設方向に延び、前記リンク部の他端を前記延設方向に沿って移動可能に支持するガイド部と、を有し、
前記ガイド部は、前記延設方向の一方の端部に位置する第1端と、他方の端部に位置する第2端と、を有し、
前記第1姿勢では前記第1軸部よりも前記前後方向の前側に配され、前記第2姿勢では前記第1軸部よりも上側に配され、
前記回動体が前記第1姿勢となると、前記ガイド部は、水平に延び、前記リンク部は、前記他端が前記第1端側に位置し、
前記回動体が前記第2姿勢となると、前記ガイド部は、前記第1端が上側に位置し、前記第2端が下側に位置し、上下方向に延び、前記リンク部は、前記他端が前記第2端側に位置することを特徴とする什器。
【請求項2】
前記回動体が前記第1姿勢および前記第2姿勢の少なくとも一方となった際に、前記リンク部の他端の前記ガイド部に対する前記延設方向への移動を規制する第1ロック部を有することを特徴とする請求項1に記載の什器。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記延設方向に沿って形成され、前記リンク部の他端が挿入されて移動可能なガイド溝部を有し、
前記第1ロック部は、前記ガイド溝部から前記延設方向に交差する方向に突出し、前記回動体が前記第1姿勢および前記第2姿勢の少なくとも一方となった際に、前記リンク部の他端が挿入され、前記リンク部の他端の前記延設方向の移動を規制する規制溝部を有することを特徴とする請求項2に記載の什器。
【請求項4】
前記第1ロック部は、前記回動体が前記第1姿勢および前記第2姿勢の少なくとも一方となった際に、前記リンク部の他端を係止して前記リンク部の他端の前記延設方向の移動を規制する規制係止部を有することを特徴とする請求項2に記載の什器。
【請求項5】
前記規制係止部は、前記回動体が前記第2姿勢となった際に、前記ガイド部の第2端に位置する前記リンク部の他端を下側に付勢して前記リンク部の他端の前記ガイド部の第1端側への移動を規制することを特徴とする請求項4に記載の什器。
【請求項6】
前記規制係止部は、前記延設方向に変位することで前記リンク部の他端の係止および解除を切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の什器。
【請求項7】
前記回動体に設けられ、前記第1姿勢となると前記リンク部および前記ガイド部を収容する収容部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の什器。
【請求項8】
前記回動体に設けられ、前記回動体が前記第1姿勢となると前記支持体と係合可能に構成され、前記支持体と係合すると、前記回動体の前記第1軸部回りの回動が規制する第2ロック部を有し、
前記第2ロック部は、前記支持体に下側から当接することで前記支持体と係合することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脚部に支持された天板が脚部に対して回動し、使用時の第1姿勢と、不使用時の第2姿勢とを切り替え可能なテーブルが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。特許文献1に開示されたテーブルは、脚部に設けられた支持片の水平軸回りに天板が回動可能に構成され、天板に設けられた係止ピンが第1姿勢および第2姿勢において支持片の係止溝に係止されることで天板の回動を拘束するように構成されている。
【0003】
特許文献2に開示されたテーブルは、脚部に設けられた水平軸回りに天板が回動可能に構成されるとともに、一方の端部が天板に設けられた軸回りに回動可能で他方の端部が脚部に設けられた鉛直に延びる溝部に沿って摺動可能なリンク部を有している。溝部には、リンク部に設けられたピンを係止可能な凹入部が形成され、天板が第1姿勢および第2姿勢となった際にピンが凹入部に係止されることで天板の回動を拘束するように構成されている。このようなテーブルでは、天板の軸部およびリンク部を介して脚部に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4567868号公報
【文献】実用新案登録第2588429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたテーブルでは、天板が回動して第1姿勢または第2姿勢となった際に係止溝と離間していた係止ピンが係止溝に入る構成である。このため、係止ピンと係止溝との間に異物が挟まって回動不能とならないように、係止ピンと係止溝とを遮蔽することが行われている。係止ピンと係止溝とを遮蔽する遮蔽部材の小型化を図るためには、係止溝と係止ピンとの距離を小さくする必要があり、係止ピンと係止溝との設計精度を精密にする必要がある。
【0006】
これに対し、特許文献2に開示されたテーブルでは、リンク部の他端が溝部に沿って移動し、リンク部の他端は常に溝部に挿入されている構成であるため、特許文献1に開示されたテーブルのような離間している部材を回動させて嵌合させるための設計精度は不要となる。
ところで、特許文献2に開示されたテーブルでは、第2姿勢の際に、天板の自重により第2姿勢から第1姿勢へ復帰する方向のモーメントが生じている。また、特許文献2に開示されたテーブルでは、溝部が鉛直方向に延びていて、第2姿勢では、溝部の上端部分にリンク部のピンが位置している。
このため、天板を第2姿勢から第1姿勢にしようとすると、上記のモーメントによりリンク部のピンが溝部に沿って下側に容易に移動することになる。これにより、第2姿勢の天板を第1姿勢とするために第2姿勢に維持するためのロックを解除すると、すぐに天板が回動してしまう虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、脚部などの支持体に天板などの回動体が回動可能に支持された什器において、回動体が常に安定した状態で支持体に支持されるとともに、回動体の回動作業を容易に行うことができる什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る什器は、支持体と、前記支持体に前後方向に交差する方向に延びる第1軸部回りに回動可能に支持された回動体と、前記回動体を、前記回動体が横臥した第1姿勢と前記回動体が起立し前記第1姿勢における前記第1軸部よりも前記前後方向の前側が後側よりも上側となる第2姿勢との間で回動させる回動機構と、を有し、前記支持体は、前記第1姿勢となった前記回動体に下側から当接する当接面を有し、前記回動機構は、前記支持体に一端が、前記第1軸部と平行となるように尚且つ前記第1軸部よりも前記前後方向の前側に配された第2軸部回りに回動可能に支持されたリンク部と、前記回動体に形成され、前記第1軸部および前記第2軸部と直交する延設方向に延び、前記リンク部の他端を前記延設方向に沿って移動可能に支持するガイド部と、を有し、前記ガイド部は、前記延設方向の一方の端部に位置する第1端と、他方の端部に位置する第2端と、を有し、前記第1姿勢では前記第1軸部よりも前記前後方向の前側に配され、前記第2姿勢では前記第1軸部よりも上側に配され、前記回動体が前記第1姿勢となると、前記ガイド部は、水平に延び、前記リンク部は、前記他端が前記第1端側に位置し、前記回動体が前記第2姿勢となると、前記ガイド部は、前記第1端が上側に位置し、前記第2端が下側に位置し、上下方向に延び、前記リンク部は、前記他端が前記第2端側に位置することを特徴とする。
【0009】
本発明では、ガイド部が回動体に形成されていることにより、回動体の回動とともに延設方向が変化し、常に鉛直方向とはならない。これにより、ガイド部の延設方向が常に鉛直方向となる場合と比べて、リンク部の他端の延設方向の移動速度が緩やかになるため、第2姿勢の回動体が急激に回動することがなく、回動体は、常に安定した状態で支持体に支持される。また、回動体は常に支持体に安定した状態に支持されることにより、回動体の回動作業を容易に行うことができる。
また、回動体を支持する第1軸部とリンク部を介して回動体を支持する第2軸部とがともに支持体に平行に設けられていることにより、支持体における回動体を支持する位置が常に同じ2点(第1軸部および第2軸部)となり、回動体が支持体に安定した状態に支持される。第1軸部、第2軸部およびリンク部の他端の3点がなす三角形が、常に2点(第1軸部、第2軸部)の位置が同じ位置となる。
また、支持体は、第1姿勢となった回動体に下側から当接する当接面を有することにより、第1姿勢となった回動体を下側から当接して支持することができる。このため、回動体が第1姿勢となった際に、回動機構に作用する回動体の荷重を低減させることができる。
【0010】
また、本発明に係る什器では、前記回動体が前記第1姿勢および前記第2姿勢の少なくとも一方となった際に、前記リンク部の他端の前記ガイド部に対する前記延設方向への移動を規制する第1ロック部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、回動体を第1姿勢または第2姿勢に維持することができる。
【0011】
また、本発明に係る什器では、前記ガイド部は、前記延設方向に沿って形成され、前記リンク部の他端が挿入されて移動可能なガイド溝部を有し、前記第1ロック部は、前記ガイド溝部から前記延設方向に交差する方向に突出し、前記回動体が前記第1姿勢および前記第2姿勢の少なくとも一方となった際に、前記リンク部の他端が挿入され、前記リンク部の他端の前記延設方向の移動を規制する規制溝部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、リンク部の他端をガイド溝部に沿って移動させることで、リンク部の他端を延設方向に移動させることができ、リンク部の他端を規制溝部に挿入させることでリンク部の他端の延設方向の移動を規制することができる。このように、リンク部の他端の延設方向の移動と規制との切り替えを簡便な構造で容易に行うことができる。
【0012】
また、本発明に係る什器では、前記第1ロック部は、前記回動体が前記第1姿勢および前記第2姿勢の少なくとも一方となった際に、前記リンク部の他端を係止して前記リンク部の他端の前記延設方向の移動を規制する規制係止部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、リンク部の他端の延設方向の移動を確実に規制することができる。
【0013】
また、本発明に係る什器では、前記規制係止部は、前記回動体が前記第2姿勢となった際に、前記ガイド部の第2端に位置する前記リンク部の他端を下側に付勢して前記リンク部の他端の前記ガイド部の第1端側への移動を規制してもよい。
このような構成とすることにより、リンク部の他端の移動を確実に規制することができ、回動体を第2姿勢に維持することができる。
【0014】
また、本発明に係る什器では、前記規制係止部は、前記延設方向に変位することで前記リンク部の他端の係止および解除を切り替え可能に構成されていてもよい。
このような構成とすることにより、規制係止部の変位方向をガイド部が延びる方向とすることができるため、規制係止部がガイド部に対して交差する方向に変位する場合と比べて、規制係止部の設置スペースを小さくすることができる。
【0015】
また、本発明に係る什器では、回動体に設けられ、前記第1姿勢となると前記リンク部および前記ガイド部を収容する収容部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、回動体が第1姿勢となった際にリンク部およびガイド部が露出しないため、リンク部およびガイド部に人や物が接触することを防止することができる。
【0016】
また、本発明に係る什器では、前記回動体に設けられ、前記回動体が前記第1姿勢となると前記支持体と係合可能に構成され、前記支持体と係合すると、前記回動体の前記第1軸部回りの回動が規制する第2ロック部を有し、前記第2ロック部は、前記支持体に下側から当接することで前記支持体と係合するように構成されていてもよい。
このような構成とすることにより、第2ロック部によって回動体を第1姿勢に維持することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、脚部などの支持体に天板などの回動体が回動可能に支持された什器において、回動体が常に安定した状態で支持体に支持されるとともに、回動体の回動作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態による什器の第1姿勢となった様子の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による什器の第2姿勢となった様子の一例を示す斜視図である。
【
図12】動作中の回動機構を説明する図で幅方向の一方側から見た図である。
【
図13】動作中の回動機構を説明する図で幅方向の他方側から見た図である。
【
図14】動作中の回動機構を説明する図で幅方向の一方側から見た図である。
【
図15】動作中の回動機構を説明する図で幅方向の他方側から見た図である。
【
図16】本発明の実施形態による天板付き什器の第1姿勢となった様子の一例を示す斜視図である。
【
図17】本発明の実施形態による天板付き什器の第2姿勢となった様子の一例を示す斜視図である。
【
図22】天板取付部の他の方向から見た斜視図である。
【
図33】(a)は第1規制部の斜視図、(b)は(a)のI-I線断面図、(c)は(a)のJ-J線断面図である。
【
図36】
図28に対応する操作レバーが操作された様子を示す図である。
【
図37】
図19のM-M線に対応する断面図で、第2ピンが規制溝部に入る直前の第2姿勢の直前の様子を示す図である。
【
図38】
図19のM-M線に対応する断面図で、第2ピンが規制溝部に入った第2姿勢の様子を示す図である。
【
図39】
図37に対応する操作レバーが操作された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態による什器について、
図1乃至
図15に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態による什器1は、床に設置される脚部2(支持体)と、脚部2に対して回動可能に支持された天板3(回動体)と、天板3を脚部2に対して回動可能に支持する回動機構4と、を有するテーブルで、天板3の姿勢を切り替え可能に構成されている。
天板3は、平板状の天板本体31と、天板本体31の一方の面に設けられた回動部6と、を有している。天板3は、水平方向に延びる回動軸線回りに回動可能で、
図1に示す天板本体31の板面が水平面となる横臥した第1姿勢と、
図2に示す天板本体31の板面が略鉛直面となる起立した第2姿勢と、に切り替え可能に構成されている。回動部6は、天板本体31における第1姿勢となった際の下面に固定されている。回動部6は、天板本体31とともに脚部2に対して回動可能に構成されている。
天板3は、第1姿勢となると、その上面で使用者が作業可能な状態となり、第2姿勢となると使用者が使用できない状態となる。天板3は、例えばテーブルを収納する際に第2姿勢となるように設計されている。
【0020】
天板3の回動軸線が延びる方向を幅方向とし、幅方向に直交する水平方向を前後方向とする。
図1および
図2に示すように、天板3は、第1姿勢から第2姿勢となると、第1姿勢における前後方向の一方側の縁部が上側に向かい、第1姿勢における前後方向の他方側の縁部が下側に向かうように回動する。この前後方向における一方側を前側とし、他方側を後側とする。
以下の部材、機構などの説明では、天板3が第1姿勢であるものとする。
【0021】
天板本体31は、板面が長方形となる平板状に形成され、各縁部が幅方向および前後方向に延びる向きに配置されている。
脚部2は、床に設置されるベース部21と、ベース部21から上方に延びる脚柱部22と、脚柱部22の上端部に固定された支持部5と、を有している。本実施形態の什器1は、1つの脚部2が天板3を支持しており、この1つの脚部2が天板3の板面の中心に接続されている。
支持部5および回動部6の詳細は後述する。
【0022】
図1-
図4に示すように、回動機構4は、支持部5と回動部6との間に設けられ回動部6の回動に追従するリンク部7と、回動部6に設けられリンク部7を前後方向に移動可能に支持するガイド部61と、回動部6の回動の許容・規制を切り替える操作部62と、を有している。
【0023】
図4および
図5に示すように、支持部5は、脚柱部22の上端部に固定される底板部51と、底板部51の幅方向の両側に設けられ底板部51から上方に突出する一対の側壁部52と、を有している。
底板部51は、前後方向よりも幅方向に長く、幅方向に対称な形状となっている。底板部51は、幅方向の中央部が脚柱部22の上端部に固定されている。
【0024】
図4に示すように、一対の側壁部52は、それぞれ壁面が幅方向を向き、前後方向に延びている。一対の側壁部52は、互いに幅方向に対称な形状となっている。
一対の側壁部52の上端面522は、平坦な水平面となっている。一対の側壁部52の上端面522は、天板3が第1姿勢となると、天板3の回動部6に下側から当接する当接面となっている。以下では、一対の側壁部52の上端面522をそれぞれ当接面522と称する。
一対の側壁部52の後端部は、底板部51の後端部よりも後側に突出している。一対の側壁部52の前端部は、底板部51の前端部と前後方向の位置が揃っている。一対の側壁部52の前端部分における下部側には、前側、下側および幅方向の外側(一対の側壁部52が互いに離間する側)に開口する切り欠き部521が形成されている。一対の側壁部52には、切り欠き部521の上部に位置し、下側の切り欠き部521を向く下向き面521aが形成されている。
【0025】
一対の側壁部52には、回動部6を回動可能に支持する第1軸部53と、リンク部7を回動可能に支持する第2軸部54と、が設けられている。
第1軸部53は、一対の側壁部52それぞれの後端部近傍で底板部51よりも後側に突出している部分に取り付けられている。第1軸部53は、軸線531が幅方向に延びる向きで側壁部52を貫通するように設けられている。一対の側壁部52それぞれに設けられた第1軸部53は、同軸となっている。
【0026】
第2軸部54は、一対の側壁部52それぞれの前後方向の中間部分で第1軸部53と間隔をあけた前側に取り付けられている。第2軸部54は、軸線541が幅方向に延びる向きで側壁部52を貫通するように設けられている。一対の側壁部52それぞれに設けられた第2軸部54は、同軸となっている。第1軸部53と第2軸部54とは、それぞれの軸線531,541が同じ高さに平行に配置されている。
【0027】
図6に示すように、ガイド部61は、断面形状がL字形状となる長尺の部材で、前後方向に延びる向きで天板本体31(
図1参照)の下面に固定されている。
図3および
図5に示すように、ガイド部61は、幅方向に間隔をあけて2つ設けられている。
2つのガイド部61は、幅方向に対称となる形状に形成されている。
図6は、2つのガイド部61のうちの幅方向の一方側に配置されるガイド部61を示している。
【0028】
ガイド部61は、断面形状のL字形の一方の片となる第1板部611と、他方の片となる第2板部612と、を有している。ガイド部61は、第1板部611が天板本体31の下面と面接触し、第2板部612が第1板部611の幅方向の内側(2つのガイド部61が対向する側)から下側に突出する向きで天板本体31に固定されている。
第1板部611には、ガイド部61を天板本体31に固定するネジなどの固定具が挿通される孔部が形成されている。
【0029】
天板本体31に固定された2つのガイド部61の間隔は、2つの側壁部52の間隔よりもやや小さく設定されている。天板3が第1姿勢となると、2つのガイド部61それぞれの第1板部611が側壁部52の上に配置され、2つのガイド部61それぞれの第2板部612が側壁部52の幅方向の内側の面に沿って配置される。天板3が第1姿勢となると、2つのガイド部61は、それぞれ第1軸部53よりも前側で第2軸部54と幅方向に隣り合う位置に配置される。
【0030】
第2板部612には、幅方向に貫通し前後方向に延びる溝部64が形成されている。
溝部64は、前側に位置し前後方向に直線状に延びる第1直線溝部641と、第1直線溝部641の後端部から後側に向かって漸次下側に向かう斜め方向に延びる第1傾斜溝部642と、第1傾斜溝部642の下端部から後側に直線状に延びる第2直線溝部643と、第2直線溝部643の後端部から後側に向かって漸次上側に向かう斜め方向に延びる第2傾斜溝部644と、を有している。
【0031】
第1傾斜溝部642、第2直線溝部643および第2傾斜溝部644は、上側に開口するC字形を描くように配置されている。第2板部612における、第1傾斜溝部642、第2直線溝部643および第2傾斜溝部644に囲まれ、下側に突出する部分を突出板部647とする。また、第2板部612における、第2傾斜溝部644よりも後側の部分を後板部648とする。
溝部64には、リンク部7の第2ピン(後述する)が挿入され、溝部64に沿って第2ピンが移動するように構成されている。
【0032】
溝部64のうちの、第1直線溝部641、第1傾斜溝部642、第2直線溝部643は、天板3が回動する際に第2ピンが移動するガイド溝部645を構成し、第2傾斜溝部644は、第2ピンが挿入されると第2ピンの前後方向に移動を規制する規制溝部646を構成されている。本実施形態では、ガイド溝部645の前端部645aが本発明のガイド部の第1端に相当し、規制溝部646が本発明のガイド部の第2端に相当している。
本実施形態では、ガイド溝部645の後部側(第1傾斜溝部642および第2直線溝部643)が、前部側(第1直線溝部641)よりも下側に位置していることにより、第1直線溝部641がガイド部61の第2板部612に対して上下方向の中央に形成されている場合でも、ガイド溝部645の後端部から上方に斜めに延びる規制溝部646の上下方向の寸法を大きく確保することができる。
【0033】
ガイド部61の第1直線溝部641が延びる方向を延設方向とする。延設方向は、天板3が第1姿勢となると前後方向となり、天板3が第2姿勢となると上下方向となる。延設方向は、天板3の回動とともに、前後方向から略上下方向、または上下方向からほぼ前後方向に変化する。本実施形態では、延設方向は、天板3がいずれの姿勢であっても天板(天板本体)3に沿った方向となっている。
【0034】
ガイド部61には、第1板部611と第2板部612との接続部分における前後方向の中間部に前後方向に延びる操作部規制溝部613が形成されている。操作部規制溝部613は、後述する操作部62の突出片665が挿入され、操作部62の前後方向の変位を規制するように構成されている。
【0035】
図5に示すように、操作部62は、ガイド部61に対して前後方向に移動可能な本体部65と、本体部65をガイド部61に対して後側に付勢する付勢部621と、を有している。
図7に示すように、本体部65は、前後方向に延びて幅方向に間隔をあけて設けられる一対の前後延設部66と、一対の前後延設部66の前端部どうしを連結する連結部67と、を有している。
一対の前後延設部66は、互いに幅方向に対称に形成されている。
【0036】
前後延設部66は、長尺の平板状に形成され、前後方向に延びて板面が水平面となる向きに配置される上板部661と、上板部661の幅方向の内側の縁部全体から下側に延びて板面が幅方向を向く側板部662と、上板部661の前後方向の中間部において幅方向の外側の縁部領域から下側に突出する下側突出部663と、を有している。側板部662と下側突出部663とは、幅方向に離間している。
【0037】
上板部661は、前後方向の中間部分がその前側および後側よりも幅方向の外側に突出している。上板部661の幅方向の内側の縁部は、前後方向に直線状に延びている。
上板部661における前後方向の中間部分を拡幅部664とする。上板部661における拡幅部664よりも前側の部分は、前後方向の全体にわたって同じ幅寸法に形成されている。
【0038】
上板部661における拡幅部664よりも後側の部分は、前後方向の全体にわたって同じ幅寸法に形成されている。上板部661における拡幅部664よりも後側の部分は、拡幅部664よりも前側の部分よりも小さい幅寸法に形成されている。上板部661における拡幅部664よりも後側の部分には、その前後方向の中間部に上方に突出する突出片665が設けられている。突出片665の前後方向の寸法は、操作部規制溝部613の前後方向の長さ寸法よりも小さく設定されている。
突出片665は、操作部規制溝部613に挿入された状態で、操作部規制溝部613の前後方向の長さ範囲で前後方向に変位可能に構成されている。
【0039】
側板部662は、後部側に、下側に突出する第1突出部666(第1ロック部、規制係止部)および第2突出部667が設けられている。第1突出部666は、第2突出部667よりも前側に配置されている。
側板部662の下縁部は、第1突出部666よりも前側の部分で前後方向に直線状に延びる第1直線縁部681と、第1直線縁部681の後端部から後側に向かって漸次下側に延びる第1傾斜縁部682と、第1傾斜縁部682の下端部から後側に延びる第2直線縁部683と、第2直線縁部683の後端部から上側かつ後側となる位置に向かって外側に湾曲して延びる湾曲縁部684と、湾曲縁部684の後端部から後側に向かって漸次下側に延びる第2傾斜縁部685と、第2傾斜縁部685の下端部から後側に直線状に延びる第3直線縁部686と、を有している。
第1突出部666は、第1傾斜縁部682、第2直線縁部683および湾曲縁部684に囲まれている。第1突出部666は、第2傾斜縁部685、第3直線縁部686および側板部662の後縁部に囲まれている。
【0040】
図5に示すように、下側突出部663の下端部には、後側に延びる第2ロック部69が取り付けられている。第2ロック部69は、天板3が第1姿勢となった際に、支持部5の側壁部52の切り欠き部521に挿入可能に構成されている。第2ロック部69は、切り欠き部521に挿入されると、一対の側壁部52の下向き面521a(切り欠き部521の上部に位置し、下側の切り欠き部521向く面)に下側から当接するように構成されている。
第2ロック部が切り欠き部521に挿入され、下向き面521aに下側から当接すると、操作部62は上方に移動できず、操作部62と固定された天板3が第1姿勢に維持されるように構成されている。
【0041】
連結部67は、幅方向に延びる長尺に形成され、幅方向の両端部それぞれに前後延設部66が連結されている。連結部67の幅方向の中間部には、後方かつ下方に突出し、作業者が手をかけることができる手掛け部672が設けられている。
【0042】
図5に示すように、操作部62は、一対の前後延設部66のうちの幅方向の一方側の前後延設部66が、幅方向の一方側のガイド部61の第1板部611の下側かつ第2板部612の幅方向一方側に重なって配置され、幅方向の他方側の前後延設部66が、幅方向の他方側のガイド部61の幅方向の第1板部611の下側かつ第2方向の幅方向の他方側に重なって配置されている。
【0043】
操作部62の突出片665は、ガイド部61の操作部規制溝部613に挿入されている。上述したように、突出片665は、操作部規制溝部613に挿入された状態で、操作部規制溝部613の前後方向の長さ範囲で前後方向に変位可能に構成されている。このため、操作部62の本体部65のガイド部61に対する前後方向の移動範囲は、操作部規制溝部613に挿入された突出片665の前後方向の移動範囲に相当している。
【0044】
操作部62の本体部65は、付勢部621によってガイド部61に対して後方に付勢されているため、通常時は、突出片665が規制溝部646の後端部分に配置されている。そして、手掛け部672を把持して本体部65をガイド部61に対して前側に引っ張ることにより、ガイド部61に対して本体部65が前側に移動する。本体部65は、突出部が規制溝部646の前端部と当接する位置まで、前側に移動する。
本体部65が後側に付勢されている状態を非操作状態とし、本体部65が前側に引き寄せられている状態を操作状態とする。
【0045】
図8および
図9に示すように、前後延設部66の側板部662は、ガイド部61の溝部64の上方に位置している。
図8-
図15では、支持部5の底板部51および側壁部52、回動部6のフレーム部63を説明のため省略している。
操作状態および非操作状態のいずれの状態においても、前後延設部66の側板部662は、ガイド溝部645とは幅方向に重ならず、規制溝部646とは部分的に幅方向に重なっている。
側板部662における第1突出部666よりも前側の部分は、ガイド溝部645の上方に位置している。
【0046】
側板部662の第1突出部666は、ガイド溝部645の第2直線溝部643の上側かつ規制溝部646の前側に位置している。第1突出部666は、非操作状態では、後縁部分以外がガイド部61の第2板部612の突出板部647(第2板部612におけるガイド溝部645の第2直線溝部643の上側かつ規制溝部646の前側の部分)と幅方向に重なる位置に配置され、後縁部分のみが規制溝部646側に突出している。第1突出部666は、非操作状態では、操作状態よりもガイド部61に対して前側に移動するため、全体がガイド部61の第2板部612の突出板部647と幅方向に重なり、規制溝部646側に突出していない。
【0047】
側板部662の第2突出部667は、規制溝部646の後側に位置している。第2突出部667は、非操作状態では、ガイド部61の第2板部612の後板部648(第2板部612における、第2傾斜溝部644よりも後側の部分)と幅方向に重なる位置に配置されている。第2突出部667は、非操作状態では、操作状態よりもガイド部61に対して前側に移動するため、後側部分がガイド部61の第2板部612の後板部648と幅方向に重なり、前側部分が規制溝部646側に突出している。
【0048】
前後延設部66の側板部662は、操作状態となると、ガイド部61に対して前側に移動する。そして、第1突出部666は、第2直線溝部643の上方で、規制溝部646と幅方向に重ならない位置に配置される。第2突出部667は、前側部分が規制溝部646と幅方向に重なる位置に配置される。
【0049】
図3および
図4に示すように、回動部6は、ガイド部61、操作部62およびリンク部7を収容するフレーム部63を有している。
フレーム部63は、四方枠状に形成され、前側に配置され幅方向に延びる前枠部631と、後側に配置され幅方向に延びる後枠部632と、前枠部631の幅方向の両端部と後枠部632の幅方向の両端部とを接続し前後方向に延びる一対の横枠部633と、を有している。
【0050】
前枠部631には、幅方向に延びて、上方に開口する前枠溝部631aが形成されている。後枠部632には、幅方向に延びて、上方に開口する後枠溝部632aが形成されている。一対の横枠部633には、前後方向に延びて、上下方向に貫通する横枠溝部(収容部)633aが形成されている。
前枠溝部631aの幅方向の両端部は、それぞれ横枠溝部633aの前端部と連続していて、前枠溝部631aの内部と一対の横枠溝部633aの内部とは連通している。
【0051】
前枠溝部631aの内部には、操作部62の連結部67が配置され、横枠部633の内部には、ガイド部61と操作部62の前後延設部66が配置されている。
フレーム部63は、一対の横枠部633がそれぞれガイド部61に固定されている。フレーム部63は、操作部62を前後方向に移動可能に支持している。
一対の横枠部633は、それぞれ第1軸部53に連結されている。これにより、天板3および回動部6が第1軸部53の軸線531回りに回動可能に構成されている。
【0052】
一対の横枠溝部633aの内部には、ガイド部61が配置されている。また、一対の横枠溝部633aの内部には、天板3が第1姿勢となると、ガイド部61とともにリンク部7および支持部5の側壁部52の上部側も挿入される。天板3が第1姿勢となると、側壁部52の当接面(上端面)522は、一対の横枠溝部633aの内部においてガイド部61の第1板部611の下面と当接している。
ガイド部61の第1板部611は、天板本体31の下面と当接しているため、天板3が第1姿勢となると、側壁部52の当接面(上端面)522は、一対の横枠溝部633aの内部においてガイド部61の第1板部611を介して天板本体31と当接している。
【0053】
図8-
図11に示すように、リンク部7は、長尺の平板状に形成されたリンク板部71と、リンク板部71の長さ方向の一方の端部に設けられた第1ピン72(一端)と、リンク板部71の長さ方向の他方の端部に設けられた第2ピン73(他端)と、を有している。
リンク部7は、幅方向に間隔をあけて2つ設けられている。
【0054】
幅方向の一方側に配置されたリンク部7は、リンク板部71が幅方向の一方側のガイド部61の第1板部611の下側において、ガイド部61の第2板部612および操作部62の側板部662の幅方向の一方側に配置され、第2ピン73が幅方向の他方側に突出し、ガイド部61のガイド溝部645に挿入されるとともに操作部62の側板部662の下側に配置されている。
幅方向の他方側に配置されたリンク部7は、リンク板部71が幅方向の他方側のガイド部61の第1板部611の下側において、ガイド部61の第2板部612および操作部62の側板部662の幅方向の他方側に配置され、第2ピン73が幅方向の一方側に突出し、ガイド部61のガイド溝部645に挿入されるとともに操作部62の側板部662の下側に配置されている。
【0055】
第1ピン72は、第2軸部54に同軸に連結されている。これにより、リンク部7は、第2軸部54の軸線541回りに回動可能に構成されている。リンク部7は、第2軸部54の軸線541回りに回動することによって第2ピン73がガイド部61の溝部64に沿って延設方向に移動する。
【0056】
図1、
図3に示す第1姿勢では、天板3が横臥状態となり、ガイド部61が前後方向に延びる向きに配置される。上述しているが、第1姿勢では、ガイド部61は、第1軸部53よりも前側で第2軸部54と幅方向に隣り合う位置に配置されている。
天板3が第1姿勢となった際の延設方向の前側を延設方向の一方側とし、天板3が第1姿勢となった際の延設方向の後側を延設方向の他方側とする。このとき、
図8、
図9に示すように、リンク部7は、第1ピン72よりも第2ピン73が前側となるように水平の姿勢となり、第1ピン72は第2軸部54に支持され、第2ピン73がガイド部61の溝部64の延設方向の一方側の端部近傍である第1直線溝部641の前端部に配置されている。
第1姿勢では、操作部62が後側に付勢され、第2ロック部69が支持部5の切り欠き部521に前側から挿入され、側壁部52の下向き面521aに下側に配置されている。これにより、回動部6(天板3)は、支持部5に対して第1軸部53よりも前側が上側に向かうように回動しようとすると、第2ロック部69が側壁部52の下向き面521aと当接し、天板3の回動が拘束されて、天板3が第1姿勢に維持される。
【0057】
図2、
図4に示す第2姿勢では、天板3が起立状態となり、ガイド部61が上下方向に延び、ガイド溝部645が規制溝部646(第2傾斜溝部644)の上側となる向きに配置される。このとき、
図10、
図11に示すように、リンク部7は、第2ピン73が第1ピン72の上方および後方に位置するように斜めの姿勢となり、第1ピン72が第2軸部54に支持され、第2ピン73がガイド部61の溝部64の下端部に位置する規制溝部646に配置されている。
【0058】
第2姿勢では、操作部62の前後延設部66が上下方向に延び、連結部67が前後延設部66の上側に配置されている。
第2姿勢では、操作部62が下側に付勢され、操作部62の第1突出部666が第2ピン73を下側に付勢している。このとき、第1突出部666の湾曲縁部684が第2ピン73の側面に沿って当接している。これにより、第2ピン73が規制溝部646から抜け出せない状態となり、天板3が第2姿勢に固定された状態となっている。
【0059】
天板3を、第1姿勢から第2姿勢とするには、操作部62を前側に移動させ、第2ロック部69を切り欠き部521の前側に移動させ天板3が回動可能な状態とする。天板3の前端部を上方に持ち上げるようにして天板3を回動させる。第2ロック部69が切り欠き部521から外れ、天板3の回動によって支持部5の側壁部52の上側まで移動したら、操作部62の操作を解除する。
続いて、天板3を上方に回動させる。
リンク部7は、回動部6が回動移動することで第2軸部54を中心に回動し、第2ピン73がガイド部61の溝部64を延設方向の一方側から他方側に向かって移動する。
まず、天板3が第1姿勢から第2姿勢に向かって回動すると、
図12および
図13に示すように、リンク部7の第2ピン73が第1直線溝部641に沿って延設方向の他方側に移動する。
さらに天板3が回動すると、
図14および
図15に示すように、リンク部7の第2ピン73がさらに延設方向の他方側に移動し、第1直線溝部641から第1傾斜溝部642を通って、第2直線溝部643に入り込んだ状態となる。
【0060】
さらに天板3が回動して第2姿勢となると、
図10および
図11に示すように、リンク部7の第2ピン73がさらに延設方向の他方側に移動し、第2直線溝部643から規制溝部646に入り込む。このとき、規制溝部646は、操作部62の側板部662の第1突出部666の下縁部と幅方向に重なっている。このため、第2ピン73は、第1突出部666の下縁部と当接し、第1突出部666(操作部62)を上側に移動させるようにして規制溝部646に入り込む。
このとき、ガイド部61は、上下方向に延びる姿勢となり、溝部64の延設方向も上下方向となっている。溝部64は、第2傾斜溝部644が下端部に位置している。第2ピン73が規制溝部646に入り込むと、操作部62は下側に付勢されるため、操作部62の第1突出部666が規制溝部646に入り込んだ第2ピン73を下側に押し付けることになる。これにより、リンク部7の第2ピン73の延設方向の移動が停止する。これにより、リンク部7の移動が規制され、天板3が第2姿勢に維持される。
【0061】
天板3を、第2姿勢から第1姿勢とするには、操作部62を上側に移動させ、第1突出部666による第2ピン73の拘束を解除する。また、操作部62が上側に移動することにより、第2突出部667の第2傾斜縁部685が第2ピン73に下側から当接し、第2ピン73をガイド部に対し上側かつ前側に移動させようとする。これにより、第2ピン73が規制溝部646からガイド溝部645に入り込み、ガイド溝部645を移動可能な状態となる。第2ピン73がガイド溝部645を移動可能な状態となったら、操作部62の操作を解除する。
【0062】
続いて、天板3を下側に回動させる。
リンク部7は、回動部6が回動移動することで第2軸部54を中心に回動し、第2ピン73がガイド溝部645を延設方向の他方側から一方側に向かって移動する。第2ピン73は、天板3が第1姿勢に向かうに従って、ガイド溝部645の第2直線溝部643、第1傾斜溝部642、第1直線溝部641の順にガイド溝部645の前端部645a近傍まで移動する。
天板3が第1姿勢になると、操作部62の第2ロック部69が支持部5の側壁部52の前端面と当接するが、側壁部52の前端面は後側から前側に向かって下側に向かうテーパ面に形成されているため、第2ロック部69の先端部が側壁部52の前端面に沿って移動し、側壁部52の下部側に位置したら切り欠き部521に入り込んだ状態となる。
これにより、回動部の回動が拘束され、天板3が第1姿勢に維持される。
【0063】
次に、上述した第1実施形態による什器1の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した第1実施形態による什器1では、ガイド部61が天板3に設けられていることにより、天板3の回動とともに延設方向が変化し、常に鉛直方向とはならない。これにより、ガイド部61の延設方向が常に鉛直方向となる場合と比べて、リンク部7の第2ピン73の延設方向の移動速度が緩やかになるため、第2姿勢の天板3が急激に回動することがなく、天板3は、常に安定した状態で脚部2に支持される。また、天板3は常に脚部2に安定した状態に支持されることにより、天板3の回動作業を容易に行うことができる。
また、回動体を支持する第1軸部とリンク部7を介して回動体を支持する第2軸部とがともに脚部2に平行に設けられていることにより、脚部2における回動体を支持する位置が常に同じ2点(第1軸部53および第2軸部54)となり、天板3が脚部2に安定した状態に支持される。第1軸部53、第2軸部54およびリンク部7の第2ピン73の3点がなす三角形が、常に2点(第1軸部53、第2軸部54)の位置が同じ位置となる。
【0064】
また、回動機構4は、第1軸部53、第2軸部54およびリンク部7は、支持部5と回動部6とを常に接続する構成であるため、支持部5と回動部6との間に天板3が第1姿勢となった場合と第2姿勢となった場合とで接続と離間とが切り替わる部材を設ける回動機構4と比べて、設計精度に余裕を持たせることができる。
また、ガイド部61を、その延設方向が例えば、天板3の面に沿った方向となるように設置することにより、ガイド部61が天板3の面から突出するように設置されている場合と比べて什器の小型化を図ることができる。
【0065】
また、脚部2(支持部5)は、第1姿勢となった天板3にガイド部61の第1板部611を介して下側から当接する当接面522を有することにより、第1姿勢となった天板3を下側から支持することができる。このため、天板3が第1姿勢となった際に、回動機構4に作用する天板3の荷重を低減させることができる。
【0066】
また、什器1は、天板3が第2姿勢となった際に、リンク部7の第2ピン73を係止し、第2ピン73のガイド部61に対する延設方向への移動を規制する第1突出部666(第1ロック部、規制係止部)を有していることにより、天板3を第2姿勢に維持することができる。
【0067】
また、第1突出部666は、天板3が第2姿勢となった際に、規制溝部646(ガイド部61の第2端)に位置するリンク部7の第2ピン73を下側に付勢してリンク部7の第2ピン73のガイド溝部645側(ガイド部61の第1端側)への移動を規制している。このような構成とすることにより、リンク部7の第2ピン73の移動を確実に規制することができ、天板3を第2姿勢に維持することができる。
【0068】
また、第1突出部666は、延設方向に変位することでリンク部7の第2ピン73の係止および解除を切り替え可能に構成されている。このような構成とすることにより、第1突出部666の変位方向をガイド部61が延びる方向とすることができるため、第1突出部666がガイド部61に対して交差する方向に変位する場合と比べて、第1突出部666および第1突出部666が設けられる部材の設置スペースを小さくすることができる。
【0069】
また、ガイド部61は、延設方向に沿って形成され、リンク部7の第2ピン73が挿入されて移動可能なガイド溝部645と、ガイド溝部645から延設方向に交差する方向に突出し、天板3が第2姿勢となった際に、リンク部7の第2ピン73が挿入され、リンク部7の第2ピン73の延設方向の移動を規制する規制溝部646を有している。このような構成とすることにより、リンク部7の第2ピン73をガイド溝部645に沿って移動させることで、リンク部7の第2ピン73を延設方向に移動させることができ、リンク部7の第2ピン73を規制溝部646に挿入させることでリンク部7の第2ピン73の延設方向の移動を規制することができる。このように、リンク部7の第2ピン73の延設方向の移動と規制との切り替えを簡便な構造で容易に行うことができる。
【0070】
また、回動部6(天板3)のフレーム部63には、第1姿勢となるとリンク部7およびガイド部61を収容する横枠溝部633aが形成されている。これにより、天板3が第1姿勢となった際にリンク部7およびガイド部61が露出しないため、リンク部7およびガイド部61に人や物が接触することを防止することができる。
【0071】
また、回動部6(天板3)は、第1姿勢となると、支持部5の側壁部52の切り欠き部521に挿入可能に構成され、切り欠き部521に挿入されると天板3の回動を規制する第2ロック部69を有している。これにより、天板3を第1姿勢に維持することができる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図16および
図17に示すように、第2実施形態による什器1Bは、第1実施形態による什器1と、天板、回動機構、支持部および回動部が異なっている。
【0073】
天板3の天板本体31には、天板本体31の上で使用する電子機器のプラグを差し込み可能な電源コンセント33が取り付けられている。
電源コンセント33は、天板本体31に埋め込まれたコンセント部34と、コンセント部34に接続されてコンセント部34に電源を供給する配線35と、を有している。配線は、天板本体31の下側に引き出されている。
【0074】
図16-
図19に示すように、回動機構4Bは、支持部5Bと回動部6Bとの間に設けられ天板3の回動に追従するリンク部7Bと、回動部6Bに設けられリンク部7Bを前後方向に移動可能に支持するガイド部(溝部64、
図26参照)と、を有している。
【0075】
図18および
図19に示すように、支持部5Bは、脚柱部22の上端部に固定される底板部51Bと、底板部51Bの幅方向の両側に設けられ底板部51Bから上方に突出する一対の側壁部52Bと、を有している。
底板部51Bは、前後方向よりも幅方向に長く、幅方向に対称な形状となっている。底板部51Bは、幅方向の中央部が脚柱部22の上端部に固定されている。
【0076】
底板部51Bは、第1姿勢となった天板本体31とは離間している。底板部51Bには、天板本体31に取り付けられた電源コンセント33の配線35を保持する第1配線保持部36が設けられている。第1配線保持部36は、底板部51Bの上部に取り付けられて配線35を挿通した状態に保持する部材や、底板部51Bを貫通し配線を挿通可能な孔部などである。第1配線保持部36は、配線35を移動可能に保持している。これにより、第1配線保持部36に保持された配線35は、天板3の回動に追従して移動可能に構成されている。
第1配線保持部36に保持された配線35は、脚柱部22を伝わって床まで延ばされている。脚柱部22には、配線35を脚柱部22に沿った状態に保持する第2配線保持部37が設けられている。
【0077】
一対の側壁部52Bは、それぞれ壁面が幅方向を向き、前後方向に延びている。一対の側壁部52Bは、互いに幅方向に対称な形状となっている。
側壁部52Bの上端面522は、平坦な水平面となっている。側壁部52Bの上端面522は、天板3が第1姿勢となると、天板3に下側から当接する当接面となっている。
側壁部52Bの後端面523は、底板部51Bの後端部よりも後側に突出している。側壁部52Bの前端面524は、底板部51Bの前端部よりもやや前側に突出している。側壁部52Bの前端面524は、高さ方向の中間部がその上下の部分よりも前側に張り出す円弧面となっている。
【0078】
図19に示すように、側壁部52Bの前端部分における下部側には、幅方向の中間部に前側および下側に開口する切り欠き部521Bが形成されている。側壁部52Bの前端面524における切り欠き部521Bの上側は、上述したように円弧面に形成され、他の切り欠き部が形成されていない。側壁部52Bの前端面524における切り欠き部521Bの上側の部分を前側円弧面525とする。
なお、側壁部52Bの前端面524における切り欠き部521Bの上側は、切り欠き部など凹部が形成されていても、その凹部が塞がれていて円弧面が形成されている。
【0079】
側壁部52Bには、回動部6Bを回動可能に支持する第1軸部53と、リンク部7Bを回動可能に支持する第2軸部54と、が設けられている。
第1軸部53は、一対の側壁部52Bそれぞれの後端部近傍で底板部51Bよりも後側に突出している部分に取り付けられている。第1軸部53は、軸線531が幅方向に延びる向きで側壁部52Bを貫通するように設けられている。一対の側壁部52Bそれぞれに設けられた第1軸部53は、同軸となっている。
【0080】
第2軸部54は、一対の側壁部52Bそれぞれの前側部分で第1軸部53と間隔をあけた前側に取り付けられている。第2軸部54は、軸線541が幅方向に延びる向きで側壁部52Bを貫通するように設けられている。一対の側壁部52Bそれぞれに設けられた第2軸部54は、同軸となっている。第1軸部53と第2軸部54とは、それぞれの軸線531,541が同じ高さに平行に配置されている。
【0081】
図20に示すように、回動部6Bは、長尺の部材で前後方向に延びる向きで天板本体31(
図16参照)の下面31aに固定されている。回動部6Bは、幅方向に間隔をあけて2つ設けられている。幅方向の一方側の回動部6Bは、幅方向一方側の側壁部52Bに支持され、幅方向の他方側の回動部6Bは、幅方向の他方側の側壁部52Bに支持されている。なお、
図20では、回動部6Bを覆うカバー部32Bを省略している。
【0082】
2つの回動部6Bは、幅方向に対称となる形状に形成されている。以下では、2つの回動部6Bのうちの幅方向の一方側に配置される回動部6Bを説明し、幅方向の他方側に配置される回動部6Bの説明を省略する。また、2つの回動部6Bをそれぞれ覆う2つのカバー部32B、2つの回動部6Bのそれぞれの内部に配置される2つの係止部8についても幅方向に対称となる形状に形成されている。以下では、2つのカバー部32Bおよび2つの係止部8のうちの幅方向の一方側に配置されるカバー部32Bおよび係止部8を説明し、幅方向の他方側に配置されるカバー部32Bおよび係止部8の説明を省略する。
【0083】
図21および
図22に示すように、回動部6Bは、長さ方向(前後方向)に直交する断面形状が下側に開口するコ字形状(C字形状)となるように形成されている。
回動部6Bは、前後方向に延びて天板本体31に固定される第1回動板部61Bと、第1回動板部61Bの幅方向の他方側の縁部から下側に延びる第2回動板部62Bと、第1回動板部61Bの幅方向の一方側の縁部から下側に延びる第3回動板部63Bと、を有している。
回動部6Bには、第1回動板部61B、第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bに囲まれた空部615が形成されている。
第1回動板部61Bには、例えば、ネジなどの固定具で天板本体31に固定可能に構成されている。
【0084】
第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bには、第1軸部53が挿通される第1孔部621B,631Bと、第1姿勢となると第2軸部54が係合し、第2姿勢となると離間する第1切り欠き部622B,632Bと、が前後方向の中間部に形成されている。第1切り欠き部は、U字形状で第1姿勢となると下側に開口し、第2姿勢となると際に前側に開口している。第1切り欠き部622B,632Bは、第1孔部621B,631Bよりも前側に配置されている。
【0085】
第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bには、第2姿勢となるとリンク部7Bの接続部71Bの上端部(前端部)が挿入される第2切り欠き部623B,633Bが形成されている。第2切り欠き部623B,633Bは、V字形状で第1姿勢となると下側に開口し、第2姿勢となると前側に開口している。第2切り欠き部623B,633Bは、第1切り欠き部622B,632Bよりも前側に配置されている。
第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bには、操作手段9の操作ロッド94が挿通される第2孔部624B,634Bが前端部近傍に形成されている。
【0086】
図20に示すように、回動部6Bは、第1姿勢となると、第1回動板部61Bが側壁部52Bの上に配置され、第2回動板部62Bが側壁部52Bの幅方向の他方側の面に沿って配置され、第3回動板部63Bが側壁部52Bの幅方向の一方側の面に沿って配置される。すなわち、第1姿勢となると、回動部6Bの内部に側壁部52の略全体が挿入される。このとき、第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bの第1切り欠き部622B,632Bに第2軸部54が挿入された状態となる。
回動部6Bは、第2姿勢となると、第1回動板部61Bが側壁部52Bの後に配置され、第2回動板部62Bが側壁部52B後側部分の幅方向の他方側の面に沿って配置され、第3回動板部63Bが側壁部52Bの後側部分の幅方向の一方側の面に沿って配置される。すなわち、第2姿勢となると、回動部6Bの内部に側壁部52の後側部分が挿入される。このとき、回動部6Bは、第2軸部54と離間している。
【0087】
図22に示すように、第2回動板部62Bには、第1切り欠き部622よりも前側に幅方向に貫通し略前後方向(延設方向)に延びる溝部64Bが形成されている。溝部64Bは、第2孔部624の後側に連続して設けられている。溝部64Bの溝幅は、第2孔部624の径よりもやや小さく設定されている。この溝部64Bは、リンク部7Bの第2ピン73が挿入され、第2ピン73をガイドするガイド部となっている。
溝部64Bは、前側から後側に向かって緩やかに下側に向かう方向に直線状に延びるガイド溝部641Bと、ガイド溝部641Bの後端部から後側に向かって漸次上側に向かう斜め方向に突出する規制溝部642Bと、を有している。ガイド溝部641Bと規制溝部642Bとは、略同じ溝幅に形成されている。
【0088】
ガイド溝部641Bが延びる方向は、第1姿勢となると略前後方向となり、第2姿勢となると略上下方向となる。ガイド溝部641Bが延びる方向は、天板3の回動とともに、第1姿勢の略前後方向から第2姿勢の略上下方向、または第2姿勢の略上下方向から第1姿勢の略前後方向に変化する。なお、ガイド溝部641Bが延びる方向は、天板本体31の下面31aに略沿った方向となっている。
ガイド溝部641Bは、天板3が回動する際に第2ピン73が移動するように構成されている。規制溝部642Bは、第2ピン73が挿入されると第2ピン73の回動部6Bに対する移動を拘束するように構成されている。
【0089】
(カバー部)
図18および
図19に示すように、カバー部32Bは、回動部6Bの幅方向の両側を覆う一対のカバー側板部321と、回動部6Bの下側覆うカバー下板部322と、回動部6Bの前側を覆うカバー前板部323と、回動部6Bの後側を覆うカバー後板部324と、を有している。カバー部32Bは、天板本体31または回動部6Bに固定されている。
カバー側板部321と回動部6Bとの間には、リンク部7Bの接続部71Bが配置されている。
カバー側板部321には、前端部近傍に上側に開口する切り欠き部321aが形成されている。切り欠き部321aは、回動部6Bの第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bに形成された第2孔部624B,634Bと幅方向に重なる位置に配置されている。切り欠き部321aには、操作手段9の操作ロッド94が挿通される。
【0090】
図23に示すように、カバー下板部322には、前後方向の中間部に上下方向に貫通し脚部2の側壁部52B(
図18および
図19参照)が挿入されるカバー下方開口部325が形成されている。カバー下方開口部325は、回動部6Bの内部に挿入される側壁部52が貫通するように構成されている。
カバー下板部322には、カバー下方開口部325の前側に隣接して第1カバー下板部326が形成され、第1カバー下板部326よりも前側にカバー前板部323と連続する第2カバー下板部327が形成されている。第2カバー下板部327は、幅方向の両側が一対のカバー側板部321それぞれと連続している。
図23および
図24に示すように、第1カバー下板部326は一対のカバー側板部32連続しておらず、一対のカバー側板部321との間にそれぞれ隙間328が形成されている。第1カバー下板部326は、前縁部のみが第2カバー下板部327と接続され、側縁部が一対のカバー側板部321と離間し、後縁部がカバー下方開口部325に向いている。カバー部32Bは、弾性変形可能に構成されている。第1カバー下板部326は、前縁部を軸として上下方向に回動するように撓むことが可能となっている。第1カバー下板部326は、脚部2の側壁部52Bと干渉しない位置に配置されている。
【0091】
カバー部32は、回動部6Bに取り付けられていて、回動部6Bとともに第1軸部53回りに回動するように構成されている。カバー部32は、第1姿勢となると、回動部6Bの内部に挿入される側壁部52によってカバー下方開口部325の全体が塞がれる。カバー部32は、第2姿勢となると回動部6Bの内部に挿入される側壁部52の後側部分によってカバー下方開口部325の後部側(第2姿勢における下部側)が塞がれる。第2姿勢では、カバー下方開口部325の前部側(第2姿勢における上部側)は、側壁部52に塞がれていない。
【0092】
(リンク部)
図20および
図25に示すように、リンク部7Bは、断面形状が上側に開口するコ字形状(C字形状)となる長尺に形成された接続部71Bと、接続部71Bの長さ方向の一方の端部に設けられた第1ピン72(一端)と、接続部71Bの長さ方向の他方の端部に設けられた第2ピン73(他端)と、を有している。
リンク部7Bは、幅方向に間隔をあけて2つ設けられている。2つのリンク部7Bは、幅方向に対称となる形状に形成されている。以下では、2つのリンク部7Bのうちの幅方向の一方側に配置されるリンク部7Bを説明し、幅方向の他方側に配置されるリンク部7Bの説明を省略する。
【0093】
接続部71Bは、前後方向に延びて板面が上下方向を向く第1接続板部711と、第1接続板部711の幅方向の他方側の縁部から上側に延びる第2接続板部712と、第1接続板部711の幅方向の一方側の縁部から上側に延びる第3接続板部713と、を有している。
第1接続板部711は、板面が略長方形状に形成されている。
第2接続板部712は、第1接続板部711よりも前後方向に長く形成され、前縁部が第1接続板部711の前縁部よりも前側に位置し、後縁部が第1接続板部711の後縁部よりも後側に突出している。
第3接続板部713は、第1接続板部711よりも前後方向に長く形成され、前縁部が第1接続板部711の前縁部とほぼ同じ位置で、後縁部が第1接続板部711の後縁部よりも後側に突出している。第3接続板部713は、前端部近傍の上部側が切り欠かれている。
【0094】
第1ピン72は、第2接続板部712および第3接続板部713の後縁部近傍を貫通するように設けられている。第1ピン72は、第1接続板部711の後縁部よりも後方に位置している。
第2ピン73は、第2接続板部712の前縁部近傍に設けられている。第2ピン73は、第2接続板部712から幅方向の一方に突出している。
【0095】
図20に示すように、リンク部7Bは、第2接続板部712が回動部6Bの第2回動板部62Bの幅方向の他方側に配置され、第3接続板部713が第3回動板部63Bの幅方向の一方側に配置され、第1接続板部711が第1回動板部61Bの下面と対向し第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bの下側に配置されている。第1姿勢では、接続部71Bは、回動部6Bに下側から被さった状態となっている。
【0096】
幅方向の一方側に配置されたリンク部7Bは、第2ピン73が幅方向の一方側に突出し、回動部6Bの溝部64Bに幅方向の他方側から挿入されている。
幅方向の他方側に配置されたリンク部7Bは、第2ピン73が幅方向の他方側に突出し、回動部6Bの溝部64Bに幅方向の一方側から挿入されている。
【0097】
第1ピン72は、第2軸部54を構成している。これにより、リンク部7Bは、第2軸部54(第1ピン)の軸線541回りに回動可能に構成されている。第2軸部54は、第1軸部53と同軸ではないため、リンク部7Bと天板3とは互いに異なる挙動の回動となる。
リンク部7Bは、第2軸部54の軸線541回りに回動することによって第2ピン73が溝部64Bのガイド溝部641Bに沿って延設方向に移動するように構成されている。
【0098】
図26に示すように、第1姿勢では、接続部71Bが前後方向に延びる姿勢となり、接続部71Bの第1接続板部711がカバー部の第1カバー下板部326の下側に重なって配置されている。第1接続板部711の前端部711aは、第1カバー下板部326と第2カバー下板部327との接続部分に配置されている。
【0099】
第2接続板部712および第3接続板部713は、カバー部32Bの第1カバー下板部326とカバー側板部321との隙間328から回動部6Bとカバー部32Bとの間に挿入されている。
このとき、第2ピン73は、ガイド溝部641Bの前端部よりもやや後側となる位置に配置されている。ガイド溝部641Bにおける第2ピン73が配置される位置を第1姿勢第2ピン位置643Bとする。
【0100】
天板3が第1姿勢から第2姿勢に向かって回動すると、ガイド溝部641Bに係止された第2ピン73も天板3とともに移動するため、リンク部7Bは、第1ピン72を中心として回動する。天板3の第1軸部53と、リンク部7Bの第2軸部54と、は異なる位置に配置されているため、第2ピン73は、第2軸部54を中心に回動しながらガイド溝部641Bを後側(規制溝部642B側)に向かって移動する。
【0101】
このとき、リンク部7Bの接続部71Bも回動部6Bおよびカバー部32Bに対して後側に移動するため、接続部71Bの第1接続板部711と第1カバー下板部326とが互いに離間する。第1接続板部711は、第1姿勢における前端部(第2ピン73が設けられている側の端部)が第1カバー下板部326に沿って移動する。
【0102】
図27に示すように、天板3が第2姿勢となると、第1姿勢第2ピン位置643B(
図26参照)から後側(規制溝部642B側)に移動した第2ピン73は、規制溝部642Bまで移動して規制溝部642Bに挿入される。
第2姿勢では、リンク部7Bは、前端部が後端部よりも上側かつ後側となる斜めの姿勢となる。第1接続板部711は、第1カバー下板部326の下側に隣接し、カバー下方開口部325の上部側(第1姿勢における前部側)を覆っている。第1接続板部711の上端部711a(第1姿勢における前端部)は、第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bの第2切り欠き部623B,633Bに入っている。第2接続板部712および第3接続板部713は、前側部分のみが回動部6Bと幅方向に重なっていて、カバー部32Bと回動部6Bとの間に挟まれている。
【0103】
図26-
図28に示すように、係止部8は、回動部6Bの空部615に配置され回動部6Bに固定された固定部81と、回動部6Bの空部615に配置され固定部81に対して移動可能に支持された可動部82と、を有している。
固定部81および可動部82は、回動部6Bの空部615のうちの第1切り欠き部622B,632Bよりも前側に配置されている。
【0104】
可動部82は、第2姿勢でリンク部7Bの第2ピン73(
図27参照)を規制溝部642Bからガイド溝部641Bに移動させるための移動惹起部83(
図26、
図27参照)と、第2姿勢で移動惹起部83に取り付けられ規制溝部642Bに挿入された第2ピン73を規制溝部642Bに押さえる第2ピン押さえ部84(第1ロック部、
図26、
図27参照)と、移動惹起部83と連結され第1姿勢で支持部5Bの側壁部52Bに形成された切り欠き部521B(
図28参照)に係合可能な係合部材85(
図28参照)と、を有している。可動部82は、後述する操作手段9の操作によって前後方向に移動可能に構成されている。
【0105】
図26-
図30を参照し、固定部81は、回動部6Bの第1回動板部61B(
図26-
図28参照)の下側に間隔をあけて対向して配置される固定板部86と、固定板部86の上部に固定されて可動部82の移動惹起部83、第2ピン押さえ部84およびリンク部7Bの第2ピン73(
図26-
図28参照)の変位方向を規制する第1規制部87と、固定板部86の上部に固定されて可動部82の係合部材85の変位方向を規制する第2規制部88と、を有している。
図30に示すように、固定部81と可動部82との間には、ばね819が設けられていて、可動部82を後側に付勢している。
【0106】
固定板部86は、回動部6Bの第1回動板部61Bと平行に配置される第1固定板部861と、第1固定板部861の後側の縁部から下側に延びる第2固定板部862と、を有している。第1固定板部861は、幅方向の両縁部が回動部6Bの第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bの下部側に接合されている。本実施形態では、回動部6Bおよび固定板部86は金属で形成されていて、第1固定板部861と第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bとは溶接されている。
第1固定板部861には、前後方向の中間部で幅方向の他方側に開口部863が形成されている。
固定板部86の上部に固定された第1規制部87、第2規制部88および可動部82は、固定板部86、第1回動板部61B、第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bに囲まれている。
【0107】
図31および
図32に示すように、移動惹起部83は、第1固定板部861の上部に摺動可能に配置されている。移動惹起部83は、回動部6Bの第2回動板部62Bの幅方向の一方側に配置され、第2回動板部62Bに形成された溝部64の後部側と幅方向に隣接している。溝部64の後部側とは、ガイド溝部641Bの後部側と、規制溝部642Bとを示している。
移動惹起部83は、前側に配置されて操作手段9の牽引部材93が連結される連結部831と、連結部831における幅方向の他方側の後側に接続された本体部832と、を有している。
本体部832は、幅方向から見た形状が横臥した略J字形状に形成されていて、第1固定板部861に沿って配置される下側本体部833と、下側本体部833の後側の端部から上側に延びる後側本体部834と、後側本体部834の上端部から前側に延びる上側本体部835と、を有している。下側本体部833は上側本体部835よりも前後方向に長く、下側本体部833の後端部と上側本体部835の後端部とは上下方向に重なる位置に配置され、下側本体部833の前端部が上側本体部835の前端部よりも前側に位置している。
【0108】
下側本体部833と上側本体部835とは上下方向に離間している。本体部832には、下側本体部833の後側部分の上面、後側本体部834の前面、および上側本体部835の下面に囲まれて幅方向に貫通し前側に開口する変位惹起溝部836が形成されている。変位惹起溝部836は、第2回動板部62Bに形成された溝部64の後部側と幅方向に隣接していて、溝部64の後部側に係止されている第2ピン73が幅方向から挿入されるように構成されている。
【0109】
下側本体部833の上面および上側本体部835の下面は、略水平面に形成されている。後側本体部834の前面は、下部側834aが下側から上側に向かって漸次後側に向かう後方に張り出す円弧面に形成され、上部側834bが、下側から上側に向かって漸次前側に向かう傾斜面に形成されている。後側本体部834の前面の上部側834bの傾斜面を第2ピン当接面834bとする。
【0110】
下側本体部833には、変位惹起溝部836よりも前側部分に上下方向に貫通する孔部833aが形成されていて、孔部833aの内側に第2ピン押さえ部84が回動可能に配置されている。第2ピン押さえ部84の回動軸部843は幅方向に延び、下側本体部833に支持されている。下側本体部833には、孔部833aの幅方向の両側の部分に、第2ピン押さえ部84の突出ピン842(
図32参照)が配置される下側に開口する切り欠き部833bが形成されている。
【0111】
第2ピン押さえ部84は、板状の第2ピン押さえ部本体841と、第2ピン押さえ部本体841から幅方向の両側に突出する突出ピン842と、を有している。
図26に示すように、第2ピン押さえ部本体841は、板面が幅方向を向く向きに配置され、前側に回動軸部843が設けられ、回動軸部843よりも後側に突出ピン842が突設されている。
上述したように、突出ピン842は、下側本体部833の下側に開口する切り欠き部833bに配置されている。突出ピン842は、切り欠き部833bの下向き面よりも上側には変位できないように構成されている。
突出ピン842は、下側本体部833に設けられたばね845(
図26および
図27参照)によって上側に付勢されていて、切り欠き部833bの下向き面に押し付けられている。これにより、第2ピン押さえ部84は、下側に向かって回動せず、孔部833aに挿入された状態に維持されている。なお、第2姿勢では、ばね845によって後側に付勢されている。
【0112】
図32に示すように、第2ピン押さえ部本体841は、板面が略扇形状に形成されている、第2ピン押さえ部本体841の板面の扇形の中心角は、鋭角となっている。第2ピン押さえ部本体841は、上記の中心角に対応する第1角部846の近傍に回動軸部843が設けられている。第1角部846は、R形状となっている。
第2ピン押さえ部本体841は、第1姿勢かつ操作手段9が操作されていない通常状態(ばね845に付勢されている状態)で、下側に位置し略前後方向に延びる下縁部841aと、下縁部841aの後端部から上側に向かって後側に張り出すように湾曲して延びる下側後縁部841bと、下側後縁部841bの上端部から上側に向かって漸次前側に向かう斜め方向に延びる上側後縁部841cと、上側後縁部841cの上端部から前側に延びる上縁部841dと、上縁部841dの前端部から前側に向かって漸次下側に向かう斜め方向に延びて下縁部841aと接続される前縁部841eと、を有している。上側後縁部841cは、回動軸部843を中心とする円弧面に形成されている。
【0113】
第2ピン押さえ部本体841は、下部側が孔部833aに配置され、上部側が下側本体部833よりも上側に突出し変位惹起溝部836に配置されている。第2ピン押さえ部本体841の上部側は、幅方向から見ると、第2回動板部62Bに形成された溝部64と重なっている。
第2ピン押さえ部本体841の下縁部は、略水平面となり下側本体部833の下端部と同じ高さに配置されている。第2ピン押さえ部本体841の上縁部は、略水平面となる向きで変位惹起溝部836に配置され、上側本体部835の下面と間隔をあけて対向している。
第2ピン押さえ部本体841の上側後縁部841cは、下側本体部833よりも上側に配置され、後側本体部834よりも間隔をあけた前側に配置されている。
【0114】
第2ピン押さえ部84は、第1姿勢で下方に押圧されるとばね845を弾性変形させて回動軸部843よりも後方が下側に移動し、下部側が下側本体部833よりも下側に突出して第1固定板部861の開口部861aに配置される。なお、第2ピン押さえ部84は下側への押圧が解除されると、ばね845の復元力により上側に押され、通常状態の位置に戻るように構成されている。
【0115】
図27に示すように、第2ピン押さえ部84は、第2姿勢となると規制溝部642Bに挿入された第2ピン73に上側後縁部841c(第2姿勢では後側の上縁部となっている)が前側から当接している。上述したように第2姿勢では、第2ピン押さえ部84は、ばね845によって後側に付勢されているため、第2ピン73を後側に押圧し、第2ピン73が前側に移動して規制溝部642Bから抜け出てガイド溝部641Bに入り込むことを阻止している。
【0116】
図28および
図31に示すように、係合部材85は、棒状の部材で前後方向に延びる向きで移動惹起部83の連結部831の幅方向の一方側の部分の後側に接続されている、係合部材85は、移動惹起部83の本体部832と幅方向に隣接している、係合部材85の後端部85aは、移動惹起部83の後端部よりも後側に突出している。
【0117】
第2規制部88は、略直方体となるブロック状の部材で、下部側に下側かつ幅方向の内側に開口する前後方向に延びる切り欠き部881が形成されている。第2規制部88は、切り欠き部881に係合部材85が配置されるように、係合部材85の上側および幅方向の一方側に配置されている。第2規制部88は、下端部が第1固定板部861に固定されていて、係合部材85と相対移動可能に構成されている。係合部材85は、切り欠き部881および第1固定板部861の上面31bに沿って前後方向に移動するように構成されている。第2規制部88は、係合部材85が前後方向に移動し、幅方向や上下方向に移動しないようにガイドしている。
【0118】
図30および
図33に示すように、第1規制部87は、移動惹起部83(
図30参照)の幅方向の一方側に設けられる第1側板部871と、移動惹起部83の幅方向の他方側に設けられる第2側板部872と、移動惹起部83の上部に設けられる上板部873と、移動惹起部83の連結部831の幅方向の一方側の上部および幅方向の一方側に設けられる連結部当接部874と、を有している。
【0119】
第1側板部871は、移動惹起部83と、第2規制部88および係合部材85との間に配置されている。第1側板部871および第2側板部872は、前端部分が第1固定板部861の開口部863と上下方向に重なる位置に配置されていて、前端部分に下側に突出していて第1固定板部861の開口部863に配置される突出部871a,872aがそれぞれ形成されている。
【0120】
突出部871a,872aは、それぞれ下側に向かって前後方向の寸法が小さくなる先細り形状に形成されている。突出部871a,872aは、それぞれ前側の前縁部871b,872bが上下方向に延び、後側の後縁部871c,872cが後側から前側に向かって漸次下側に向かうように傾斜していて、前縁部871b,872bの下端部と後縁部871c,872cの下端部とが接続されている。
第1側板部871の幅方向の他方側の面および第2側板部872の幅方向一方側の面には、前側部分の下部側に下側に開口する略V字形の溝部871d,872dがそれぞれ形成されている。溝部871d,872dの側面のうちの後部側となる後側面871e,872eは上下方向に延び、前部側となる前側面871f,872fが後側から前側に向かって漸次下側に延びている。
【0121】
溝部871d,872dの前側面871f,872fは、突出部871a,872aの後縁部871c,872cと連続している。溝部871d,872dの前側面871f,872fおよび突出部871a,872aの後縁部871c,872cは、第2ピン押さえ部84の突出ピン842が沿って移動するように構成されている。この溝部871d,872dの前側面871f,872fおよび突出部871a,872aの後縁部871c,872cを突出ピンガイド面871g,872gとする。
【0122】
第2側板部872は、
図22に示す回動部6Bの第2回動板部62Bにおける溝部64Bの後部側が形成されている部分と平行に配置されている。上述しているが、溝部64の後部側とは、ガイド溝部641Bの後部側と、規制溝部642Bとを示している。
第2側板部872には、溝部64Bの後部側と同じ形状の溝部875が溝部64Bと幅方向に重なる位置に配置されている。第2側板部872の溝部875は、前側に開口している。第2側板部872の溝部875には、第2回動板部62Bの溝部64Bの後部側を移動する第2ピン73の先端部が挿入されるように構成されている。
【0123】
図20に示すように、操作手段9は、天板本体31の下側に配置された操作レバー91(操作部)と、操作レバー91と係止部8の可動部82(
図26-
図28参照)とを連携する連携部92と、を有している。
図11-
図13に示すように、連携部92は、回動部6Bの内部に配置され、可動部82の連結部831と連結された牽引部材93と、操作レバー91と連結された操作ロッド94と、操作ロッド94に取り付けられて牽引部材93が連結されるカム95と、を有している。
【0124】
操作レバー91は、幅方向の一方側の回動部6Bよりもさらに幅方向の一方側に間隔をあけて配置されている。
図34および
図35に示すように、操作レバー91の幅方向の他方側に、保護壁部96が隣接して設けられている。
保護壁部96は、壁面が幅方向を向き前後方向に延びる壁体で、天板本体31の下側に取り付けられている。保護壁部96には、幅方向に貫通する孔部961が形成され、孔部961に操作ロッド94が挿通されている。
【0125】
図18に示すように、操作ロッド94は、丸棒状の部材で、幅方向に延びる向きに設置されている。操作ロッド94は、幅方向の一方側の回動部6Bおよびカバー部32Bを貫通し、幅方向の他方側の回動部6Bおよびカバー部32Bの内部に幅方向の他方側の端部が挿入されている。操作ロッド94は、カバー部32Bに形成された切り欠き部321a、および回動部6Bに形成された第2孔部624B,634Bから回動部6Bおよびカバー部32Bの内部に挿入されている。
【0126】
操作ロッド94は、幅方向の一方側の端部が幅方向の一方側の回動部6Bよりも幅方向の一方側に突出し、保護壁部96を貫通して操作レバー91と連結されている。操作レバー91は、使用者が上側に押すことで、操作ロッド94をその軸線回りに回動させるように構成されている。操作レバー91は、天板本体31に直接固定されておらず、操作ロッド94と連結されることで天板本体31の下側に配置されている。
図34および
図35に示すように、操作レバー91の下端面91aは、保護壁部96の下端面96aとほぼ同じ高さに配置されている。また、操作レバー91の前端部91bは、保護壁部96の前端部96bと前後方向にほぼ同じ位置し配置されている、操作レバー91の後端部91cは、保護壁部96の後端部96cよりも前側に配置されている。
【0127】
図28に示すように、カム95は、2つの回動部6Bそれぞれの内部において、操作ロッド94に取り付けられている。カム95は、板面がその板面に沿った位置の方向の一方の端部側が他方の端部側よりも幅広となるしずく形の板状の部材で、一方の端部側の幅広部951に操作ロッド94が貫通し、他方の端部側の幅狭部952に牽引部材93が連結されている。
カム95と操作ロッド94とは固定され、相対回転しないように構成されている。カム95は、幅広部951が幅狭部952よりも前側に配置されている。
牽引部材93は、棒状の部材で、前後方向に延びる向きで2つの回動部6Bそれぞれの内部に配置されている。牽引部材93は、後端部が可動部82の連結部831に幅方向に延びる軸線回りに回動可能に連結され、前端部がカム95の幅狭部952に幅方向に延びる軸線回りに回動可能に連結されている。
【0128】
図28に示す操作レバー91が操作されていない状態から、
図36に示すように、操作レバー91が操作されて操作ロッド94が回動すると、カム95の幅狭部952が下側かつ前側に移動するように回動し、カム95の幅狭部952に連結された牽引部材93が前側かつ下側に引っ張られる。牽引部材93は、カム95の幅狭部952に回動可能に連結されているため、カム95の幅狭部952が下側かつ前側に移動するように回動したとしても、カム95の回動軸回りには回動せず、前後方向に延びた姿勢のままと前側に移動する。なお、牽引部材93は、カム95の回動によって若干下側に移動する。
そして、牽引部材93が前側に移動することにより、可動部82が前側に移動する。可動部82は、固定板部86に沿って前側に移動する。なお、第2姿勢では、操作レバー91が操作されると可動部82が上側に移動する。
【0129】
可動部82が前側に移動すると、係合部材85が前側に移動する。第1姿勢で側壁部52Bの切り欠き部521Bに係合している係合部材85が前側に移動すると、係合部材85が切り欠き部521Bから抜け出るため、天板3が回動可能な状態となる。
なお、第2姿勢で可動部82が上側に移動すると、係合部材85は上側に移動するが、第2姿勢では第1姿勢のように係合部材85が係止されていないため、係合部材85が移動することによって解除される係止機構はない。
【0130】
可動部82が前側に移動すると、第2ピン押さえ部84が前側に移動する。第2ピン押さえ部84は、固定部81の第1規制部87に対して前側に移動するため、突出ピン842が第1規制部87の突出ピンガイド面871g,872gに沿って移動するため、後部側が下側に回動するように構成されている。このとき、第2ピン押さえ部84は、固定板部の開口部に配置されるため、固定板部と干渉することはない。
第2姿勢では、可動部82が上側に移動すると、第2ピン押さえ部84は、前側に回動することになる。第2姿勢では、操作レバー91が操作されていないと、第2ピン押さえ部84は、後側に向かって回動するように第2ピン73を押圧しているため、操作レバー91が操作されて第2ピン押さえ部84が前側に回動すると、第2ピン押さえ部84は第2ピン73と離間する。
【0131】
可動部82が前側に移動すると、移動惹起部83が前側に移動する。
第2姿勢において、
図38に示す操作レバー91が操作されていない状態から
図39に示す操作レバー91が操作された状態となると、移動惹起部83が上側に移動し、移動惹起部83が規制溝部642Bに挿入されたリンク部7Bの第2ピン73を下側から当接する。
図38-
図40は、
図27と幅方向の反対側から見た断面図となっている。
このとき、
図40に示すように、第2ピン73には、移動惹起部83の第2ピン当接面834bが当接されるため、第2ピン当接面834bが上側に移動することで、第2ピン73は、上側かつ後側に押され、上側かつ後側に移動しようとする。このとき、第2ピン押さえ部84は、前側に回動して第2ピン73と離間していて、第2ピン73を押圧していないため、第2ピン73は、上側かつ後側に移動可能となり、規制溝部642Bからガイド溝部641Bに移動する。これにより、天板3が回動な状態となる。
なお、第1姿勢で可動部82が前側に移動すると、移動惹起部83は前側に移動するが、リンク部7Bの第2ピン73は、ガイド溝部641Bの前端部近傍に配置されているため、移動惹起部83が第2ピン73を押すことはない。
【0132】
天板3を、第1姿勢から第2姿勢とするには、
図36に示すように、操作レバー91を操作し、可動部82を前側に移動させる。これにより、係合部材85が脚部2の側壁部52Bの切り欠き部521Bから抜け出し、天板3が回動可能な状態となる。
第1姿勢の天板3の前端部を上方に持ち上げるようにして天板3を回動させる。天板3が回動すると、係合部材85は側壁部52Bの前側円弧面525と対向する。このため、操作レバー91操作が解除されると、係合部材85は後側に移動しようとするが、前側円弧面525に沿って移動するため前側に移動した状態に維持される。さらに天板3が回動すると、係合部材85は前側円弧面525から離れるため、操作レバー91操作が解除されていると後側(第2姿勢では下側)に移動して復元される。
【0133】
天板3が回動し、回動部6Bが回動すると、リンク部7Bは、第2軸部54を中心に回動する。リンク部7の第2ピン73は、第2軸部54を中心に回動し、第2回動板部62Bの溝部64Bを前側(第1姿勢第2ピン位置643B、
図26参照)から後側(規制溝部642Bが形成されている側)に向かって移動する。
まず、天板3が第1姿勢から第2姿勢に向かって回動して、リンク部7Bの第2ピン73がガイド溝部641Bに沿って後側(規制溝部642Bに向かう側)に移動すると、第2ピン73は、第2ピン押さえ部84と当接する。このとき、第2ピン73は、第2ピン押さえ部本体841の前縁部841eに前側から当接し、ガイド溝部641Bに沿って後側に移動しようとすることで第2ピン押さえ部本体841の前縁部841eを後側に押す。これにより、第2ピン押さえ部84は、ばね845を弾性変形させて下側に回動し、ガイド溝部641Bへの突出(幅方向から見てガイド溝部641Bと重なる部分)が小さくなる。その結果、第2ピン73が第2ピン押さえ部本体841の前縁部841eおよび上縁部841dを押しながらガイド溝部641Bに沿ってさらに後方に移動可能となる。
このとき、ガイド溝部641Bは、第1姿勢における前側が第1姿勢における後側よりも上側となる略上下方向に延びた状態となっている。ここからは、ガイド溝部641Bの第1姿勢における前側を上側とし、第1姿勢における後側を下側として説明する。
【0134】
図22に示すように、天板3の回動により、第2ピン73がさらに下方に移動してガイド溝部641Bと規制溝部642Bとの境界部分に位置すると、第2ピン73は、第2ピン押さえ部本体841の上縁部841dと上側後縁部841cとの角部841fに当接する。このとき、第2ピン押さえ部84は、ばね845の復元力により、上縁部841dと上側後縁部841cとの角部841fが前側に向かうように回動軸部843回りに回動しようとする。これにより、
図23に示すように、第2ピン73は、第2ピン押さえ部84の角部841fに押されて前側に位置する規制溝部642Bに挿入される。
第2ピン73は、規制溝部642Bに挿入されると前側の斜め上方に第2ピン押さえ部84が配置され、第2ピン押さえ部84の角部841fが当接しているため、規制溝部642Bから抜け出ないように構成されている。その結果、リンク部7Bの第2ピン73が規制溝部642Bに係止された状態に拘束され、天板3が第2姿勢に維持される。
【0135】
第2ピン73が規制溝部642Bに挿入されると、第2ピン押さえ部84の回動軸部843の軸心と、第2ピン73と当接する第2ピン押さえ部本体841の角部841fとを結ぶ直線上に第2ピン73の軸心が配置されている。また、第2ピン押さえ部84の回動軸部843の軸心と、第2ピン73と当接する第2ピン押さえ部本体841の角部841fとを結ぶ直線は、規制溝部642Bがガイド溝部641Bから突出する方向と略一致している。
これにより、第2姿勢の天板3を第1姿勢にしようとする外力によって、第2ピン73を規制溝部642Bからガイド溝部641Bに移動させる方向のモーメントが生じた際に、第2ピン73から第2ピン押さえ部84に作用する力は、第2ピン押さえ部84の回動軸部843に向かう方向であるため、第2ピン押さえ部84が回動して第2ピン73が移動することが防止される。
【0136】
第2姿勢となると、リンク部7Bの第1接続板部711は、第1カバー下板部326の下側に隣接し、カバー下方開口部325の上部側(第1姿勢における前部側)を覆っている。第1接続板部711の上端部(第1姿勢における前端部)は、第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bの第2切り欠き部623B,633Bに入っていて、第1カバー下板部326の下端部よりも後側に位置している。
【0137】
天板3を、第2姿勢から第1姿勢とするには、
図39に示すように、操作レバー91を上側に移動させ、可動部82を上側に移動させる。これにより、移動惹起部83および第2ピン押さえ部84が上側に移動する。
第2ピン押さえ部84は上側に移動することで、第2ピン73と離間するとともに前側に回動してガイド溝部641Bへ突出する部分(幅方向から見てガイド溝部641Bと重なる部分)が小さくなる。
移動惹起部83は上側に移動することで、第2ピン当接面834bが規制溝部642Bに挿入されたリンク部7Bの第2ピン73に下側から当接し、第2ピン73を上側に移動させる。上側に向かって押された第2ピン73は、規制溝部642Bに沿って移動することになるため、規制溝部642Bを上側かつ前側に移動する。
【0138】
このとき、第2ピン押さえ部84は、第2ピン73と離間していて、第2ピン73を押圧していないため、第2ピン73は、上側かつ前側に移動でき、規制溝部642Bからガイド溝部641Bに移動する。これにより、天板3が回動可能となる。
このとき、リンク部7Bの上端部(第2ピン73が設けられている側の端部)が第2ピン73の移動によって上側かつ前側に移動するため、リンク部7Bの第1接続板部711が上側かつ前側に移動し、上端部が第2回動板部62Bおよび第3回動板部63Bの第2切り欠き部623B,633Bから出て、第1カバー下板部326の下端部よりも前側に位置した状態となる。
【0139】
天板3をその上端部が前側かつ下側に移動するように回動させる。
リンク部7Bは、天板3が回動して回動部6Bが回動移動することで第2軸部54を中心に回動し、第2ピン73がガイド溝部641Bを下側(後側)から上側(前側)に向かって移動する。このとき、リンク部7Bの第1接続板部711は、上端部が第1カバー下板部326の下端部よりも前側に位置した状態となっているため。第1接続板部は、第1カバー下板部326の前面(第1姿勢における下面)に沿って移動する。天板3が第1姿勢となると、リンク部7Bの第1接続板部711は、第1カバー下板部326の下側に重なって配置され、前端部が第1カバー下板部326と第2カバー下板部327との接続部分の下側に配置される。
天板3が第1姿勢となると、第2ピン73は、ガイド溝部641Bの前端部近傍に配置される。
【0140】
天板3が第2姿勢から第1姿勢となる際に係合部材85は、側壁部52Bの前側円弧面525と当接し、前側円弧面525に沿って回動する。係合部材85は、後側(下側)に付勢されていて前側に押されると前側に移動可能であるため、前側円弧面525に押されて前側に移動する、そして、天板3が第1姿勢となると、係合部材85は前側円弧面525から離れ、切り欠き部521Bの前側に配置されるため、後側に移動し、切り欠き部521Bの内部に挿入される。
これにより、天板3の回動が拘束され、天板3が第1姿勢に維持される。
【0141】
第2実施形態による什器1Bでは、第1実施形態による什器1Aと同様の効果を奏する。
また、天板本体31の下面31aに操作レバー91に隣接して回動部6Bとは別体の保護壁部96が設けられていることにより、天板3の下方においてワゴンや椅子などの他の什器を移動させたり、使用者が手足を動かしたりした際に、他の什器や使用者の手足が保護壁部96と接触することで、他の什器や使用者の手足が意図せずに操作レバー91に接触して操作レバー91が操作されることを抑制することができる。
【0142】
また、電源コンセント33の配線35が支持部5Bに設けられた第1配線保持部36に保持され脚柱部22に案内されていることにより、配線35を脚柱部22の上端部から下側に沿わせるように設置することができる。このため、配線35が天板3から垂れ下がることがないとともに、天板3が回動し配線が移動した際に生じる配線35の弛みを最小限に抑えることができるため、配線35が天板3と脚部2とに挟まれることを防止することができる。
【0143】
また、第2実施形態による天板付き什器1は、第2姿勢となると、カバー下方開口部325をリンク部7の接続部71Bが塞ぐため、第1カバー下板部326および接続部71Bによって回動部6Bの内部に設けられた係止部8の露出を防止することができる。
【0144】
また、第2実施形態による什器1Bは、移動惹起部83が規制溝部642Bに挿入された第2ピン73を規制溝部642Bが延びる方向と異なる前後方向の前側に直接押しながらガイド溝部641Bへ移動させる構成であるため、リンク部7Bを回動させながら第2ピン73を規制溝部642Bに沿わせてガイド溝部641Bへ移動させる場合と比べて、第2ピン73の規制溝部642Bからガイド溝部641Bへの移動を操作性良く行うことができる。
【0145】
以上、本発明による什器の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、什器1はテーブルであるが、脚部2(支持体)に対して回動可能に設けられた座部(回動体)有する椅子や、回動式のテーブルが設けられた椅子おけるテーブルであってもよい。
【0146】
また、上記の実施形態では、ガイド部61は、延設方向に沿って延び、リンク部7の第2ピン73が挿入されて延設方向に移動可能なガイド溝部645が設けられているが、ガイド溝部645に代わってガイドレールなどが設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、天板3が第1姿勢となった際に、天板3の回動を規制する第2ロック部69が設けられているが、設けられていなくてもよい。また、第2ロック部69の形態は上記以外であってもよい。
また、上記の実施形態では、天板3が第2姿勢となった際に、操作部62の第1突出部666がリンク部7の第2ピン73を係止してリンク部7の延設方向の移動を規制するように構成されているが、リンク部7の移動を規制する機構は上記以外であってもよい。
また、上記の実施形態では、回動部6(天板3)のフレーム部63には、第1姿勢となるとリンク部7およびガイド部61を収容する横枠溝部633aが形成されているが、第1姿勢となった際にリンク部7およびガイド部61が露出していてもよい。
【符号の説明】
【0147】
1,1B 什器
2 脚部(支持体)
3 天板(回動体)
4,4B 回動機構
5,5B 支持部
6,6B 回動部
7,7B リンク部
53 第1軸部
54 第2軸部
61 ガイド部
64 溝部
64B 溝部(ガイド部)
69 第2ロック部
72 第1ピン(一端)
73 第2ピン(他端)
84 第2ピン押さえ部(第1ロック部、規制係止部)
522 当接面
531 軸線
541 軸線
633a 横枠溝部(収容部)
645,641B ガイド溝部
645a 前端部(第1端)
646,642B 規制溝部(第2端)
666 第1突出部(第1ロック部、規制係止部)