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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】ブレーキ液圧制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/34 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
B60T8/34
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018223016
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020083167
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】中野 良二
(72)【発明者】
【氏名】下山 耕作
(72)【発明者】
【氏名】篤 浩明
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-168456(JP,A)
【文献】特開2009-006854(JP,A)
【文献】国際公開第2018/151266(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/151265(WO,A1)
【文献】特開2018-133545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ液の流路(26)が形成されている基体(70)と、
前記流路(26)に設けられているポンプ装置(31)を駆動するモータ(40)と、
前記モータ(40)を制御する制御装置(50)の制御基板(51)と、
前記制御基板(51)を収納するハウジング(80)と、
前記基体(70)と前記ハウジング(80)とを固定する複数の雄ネジ(90)と、
を備えた車両(100)用のブレーキ液圧制御装置(60)であって、
前記モータ(40)は、前記基体(70)と前記ハウジング(80)とで囲まれる空間内に配置されており、
前記基体(70)には、前記雄ネジ(90)が挿入される複数の貫通孔(73)が形成され、
前記雄ネジ(90)のそれぞれは、前記貫通孔(73)に挿入されて、前記ハウジング(80)に締結されており、
前記貫通孔(73)の貫通方向に観察した際、
前記雄ネジ(90)のうちの少なくとも1つと前記制御基板(51)とが重なりあっている
ブレーキ液圧制御装置(60)。
【請求項2】
前記基体(70)と前記ハウジング(80)との間は、シリコン系シーリング材(95)で接着されており、
前記ハウジング(80)は、樹脂部(83)を含み、
前記雄ネジ(90)のそれぞれは、前記樹脂部(83)に直接締結されている
請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置(60)。
【請求項3】
前記ハウジング(80)には、
前記貫通孔(73)の貫通方向に観察した際に前記雄ネジ(90)と前記制御基板(51)とが重なりあっている範囲であり、前記雄ネジ(90)と前記制御基板(51)との間となる範囲に、隙間(86)が形成されている
請求項1または2に記載のブレーキ液圧制御装置(60)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のブレーキ液圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ブレーキシステムをアンチロックブレーキ動作させるためのブレーキ液圧制御装置が知られている。このブレーキ液圧制御装置は、車両の搭乗者がブレーキレバー等の入力部を操作している状態において、ブレーキ液回路内のブレーキ液の圧力を増減させて、車輪に発生する制動力を調整する。このようなブレーキ液圧制御装置のなかには、ブレーキ液回路の一部を構成する流路、ブレーキ液回路内のブレーキ液の増圧を行うポンプ装置、及び該ポンプ装置を制御する制御装置等をユニット化したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、ユニット化されたブレーキ液圧制御装置は、ブレーキ液の流路が形成されている基体と、ブレーキ液の流路に設けられているポンプ装置を駆動するモータと、モータを制御する制御器の制御基板と、制御基板を収納するハウジングと、を備えている。ブレーキ液圧制御装置の基体は、略直方体形状をしており、1つの面にハウジングが取り付けられている。この際、基体とハウジングとは、複数の雄ネジを用いて固定されている。ここで、ハウジングが取り付けられる基体の当該面を第1面とする。また、基体における第1面の反対面を、第2面とする。このように第1面及び第2面を定義した場合、従来のブレーキ液圧制御装置においては、ポンプ装置を駆動するモータは、基体の第2面に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-015077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基体とハウジングとを雄ネジを用いて固定する場合、次の2つの方法が考えられる。1つ目の方法は、基体側からハウジング側へ各雄ネジを挿入して、各雄ネジをハウジングに締結する方法である。2つ目の方法は、ハウジング側から基体側へ各雄ネジを挿入して、各雄ネジを基体に締結する方法である。
【0006】
基体側からハウジング側へ各雄ネジを挿入して、基体とハウジングとを固定する場合、基体に、雄ネジが挿入される複数の貫通孔を形成することとなる。これらの貫通孔は、第2面から第1面に貫通するように形成される。そして、基体に形成された貫通孔のそれぞれに第2面側から雄ネジを挿入し、各雄ネジの雄ネジ形成部とハウジングとを締結する。これにより、第2面に配置された各雄ネジの頭部とハウジングとの間に基体が挟持された状態となり、基体とハウジングとが固定される。ここで、上述のように、従来のブレーキ液圧制御装置は、基体の第2面に、ポンプ装置を駆動するモータが取り付けられている。このため、実際には、基体の第2面に各雄ネジの頭部を配置するスペースを確保することが非常に困難である。したがって、従来のブレーキ液圧制御装置においては、ハウジング側から基体側へ各雄ネジを挿入して、基体とハウジングとを固定している。
【0007】
ハウジング側から基体側へ各雄ネジを挿入して、基体とハウジングとを固定する場合、ハウジングに、雄ネジが挿入される複数の貫通孔を形成することとなる。そして、ハウジングに形成された貫通孔のそれぞれに雄ネジを挿入し、各雄ネジの雄ネジ形成部と基体とを締結することとなる。ここで、上述のように、ハウジングには制御基板が収納されている。このため、ハウジング側から基体側へ各雄ネジを挿入して、基体とハウジングとを固定する場合、ハウジング内において、ハウジングを貫通する各雄ネジと制御基板とが干渉しないように、各雄ネジを避けて制御基板を設置する必要がある。したがって、従来のブレーキ液圧制御装置は、ハウジング内において制御基板の設置スペースが小さくなってしまうという課題があった。
【0008】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、ハウジング内において制御基板の設置スペースを従来よりも大きく確保することが可能な車両用のブレーキ液圧制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るブレーキ液圧制御装置は、ブレーキ液の流路が形成されている基体と、前記流路に設けられているポンプ装置を駆動するモータと、前記モータを制御する制御装置の制御基板と、前記制御基板を収納するハウジングと、前記基体と前記ハウジングとを固定する複数の雄ネジと、を備えた車両用のブレーキ液圧制御装置であって、前記モータは、前記基体と前記ハウジングとで囲まれる空間内に配置されており、前記基体には、前記雄ネジが挿入される複数の貫通孔が形成され、前記雄ネジのそれぞれは、前記貫通孔に挿入されて、前記ハウジングに締結されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るブレーキ液圧制御装置は、基体とハウジングとで囲まれる空間内に、ポンプ装置を駆動するモータが配置されている。このため、基体におけるハウジングが取り付けられる面の反対面に、各雄ネジの頭部の配置スペースを確保することができる。このため、基体側からハウジング側へ各雄ネジを挿入して、基体とハウジングとを固定することができる。したがって、本発明に係るブレーキ液圧制御装置においては、各雄ネジは、ハウジングを貫通する必要がない。このため、本発明に係るブレーキ液圧制御装置においては、ハウジング内に制御基板を設置する際、従来では雄ネジと干渉していたスペースにも制御基板を配置することができる。したがって、本発明に係るブレーキ液圧制御装置は、ハウジング内において制御基板の設置スペースを従来よりも大きく確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係るブレーキシステムが搭載される車両の構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置のユニット化されている部分を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置のユニット化されている部分を側方から見た一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る車両用のブレーキ液圧制御装置について、図面を用いて説明する。
なお、以下では、本発明に係るブレーキ液圧制御装置が自動二輪車に採用される場合を説明するが、本発明に係るブレーキ液圧制御装置は自動二輪車以外の他の車両に採用されてもよい。自動二輪車の他の車両とは、例えば、エンジン及び電動モータのうちの少なくとも1つを駆動源とする自転車、自動三輪車、及び自動四輪車等である。なお、自転車とは、ペダルに付与される踏力によって路上を推進することが可能な乗物全般を意味している。つまり、自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。また、自動二輪車又は自動三輪車は、いわゆるモータサイクルを意味し、モータサイクルには、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。また、以下では、ブレーキ液圧制御装置が2系統の液圧回路を備えている場合を説明しているが、ブレーキ液圧制御装置の液圧回路の数は2系統に限定されない。ブレーキ液圧制御装置は、1系統のみの液圧回路を備えていてもよく、また、3系統以上の液圧回路を備えていてもよい。
【0013】
また、以下で説明する構成、動作等は、一例であり、本発明に係るブレーキ液圧制御装置は、そのような構成、動作等である場合に限定されない。また、各図においては、同一の又は類似する部材又は部分に対して、同一の符号を付している場合又は符号を付すことを省略している場合がある。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0014】
実施の形態.
以下に、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置を備えた車両用のブレーキシステムを説明する。
【0015】
<車両用ブレーキシステムの構成及び動作>
本実施の形態に係るブレーキシステムの構成及び動作について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムが搭載される車両の構成を示す図である。図2は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの構成を示す図である。
【0016】
図1及び図2に示されるように、ブレーキシステム10は、例えば自動二輪車である車両100に搭載される。車両100は、胴体1と、胴体1に旋回自在に保持されているハンドル2と、胴体1にハンドル2と共に旋回自在に保持されている前輪3と、胴体1に回動自在に保持されている後輪4と、を含む。
【0017】
ブレーキシステム10は、ブレーキレバー11と、ブレーキ液が充填されている第1液圧回路12と、ブレーキペダル13と、ブレーキ液が充填されている第2液圧回路14と、を含む。ブレーキレバー11は、ハンドル2に設けられており、使用者の手によって操作される。第1液圧回路12は、前輪3と共に回動するロータ3aに、ブレーキレバー11の操作量に応じたブレーキ力を生じさせるものである。ブレーキペダル13は、胴体1の下部に設けられており、使用者の足によって操作される。第2液圧回路14は、後輪4と共に回動するロータ4aに、ブレーキペダル13の操作量に応じたブレーキ力を生じさせるものである。
【0018】
なお、ブレーキレバー11及びブレーキペダル13は、ブレーキの入力部の一例である。例えば、ブレーキレバー11に換わるブレーキの入力部として、胴体1に設けられているブレーキペダル13とは別のブレーキペダルを採用してもよい。また例えば、ブレーキペダル13に換わるブレーキの入力部として、ハンドル2に設けられているブレーキレバー11とは別のブレーキレバーを採用してもよい。また、第1液圧回路12は、後輪4と共に回動するロータ4aに、ブレーキレバー11の操作量、又は、胴体1に設けられているブレーキペダル13とは別のブレーキペダルの操作量に応じたブレーキ力を生じさせるものであってもよい。また、第2液圧回路14は、前輪3と共に回動するロータ3aに、ブレーキペダル13の操作量、又は、ハンドル2に設けられているブレーキレバー11とは別のブレーキレバーの操作量に応じたブレーキ力を生じさせるものであってもよい。
【0019】
第1液圧回路12と第2液圧回路14とは、同じ構成になっている。このため、以下では、代表して、第1液圧回路12の構成を説明する。
第1液圧回路12は、ピストン(図示省略)を内蔵しているマスタシリンダ21と、マスタシリンダ21に付設されているリザーバ22と、胴体1に保持され、ブレーキパッド(図示省略)を有しているブレーキキャリパ23と、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)を動作させるホイールシリンダ24と、を含む。
【0020】
第1液圧回路12において、マスタシリンダ21及びホイールシリンダ24は、マスタシリンダ21と基体70に形成されているマスタシリンダポートMPとの間に接続される液管、基体70に形成されている主流路25、及び、ホイールシリンダ24と基体70に形成されているホイールシリンダポートWPとの間に接続される液管を介して連通する。また、基体70には、副流路26が形成されている。ホイールシリンダ24のブレーキ液は、その副流路26を介して、主流路25の途中部である主流路途中部25aに逃がされる。また、基体70には、増圧流路27が形成されている。マスタシリンダ21のブレーキ液は、その増圧流路27を介して、副流路26の途中部である副流路途中部26aに供給される。
【0021】
主流路25のうちの主流路途中部25aよりもホイールシリンダ24側の領域には、インレットバルブ28が設けられている。インレットバルブ28の開閉動作によって、この領域を流通するブレーキ液の流量が制御される。副流路26のうちの副流路途中部26aよりも上流側の領域には、上流側から順に、アウトレットバルブ29と、ブレーキ液を貯留するアキュムレータ30とが設けられている。アウトレットバルブ29の開閉動作によって、この領域を流通するブレーキ液の流量が制御される。また、副流路26のうちの副流路途中部26aよりも下流側の領域には、ポンプ装置31が設けられている。主流路25のうちの主流路途中部25aよりもマスタシリンダ21側の領域には、切換バルブ32が設けられている。切換バルブ32の開閉動作によって、この領域を流通するブレーキ液の流量が制御される。増圧流路27には、増圧バルブ33が設けられている。増圧バルブ33の開閉動作によって、増圧流路27を流通するブレーキ液の流量が制御される。
【0022】
また、主流路25のうちの切換バルブ32よりもマスタシリンダ21側の領域には、マスタシリンダ21のブレーキ液の液圧を検出するためのマスタシリンダ液圧センサ34が設けられている。また、主流路25のうちのインレットバルブ28よりもホイールシリンダ24側の領域には、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を検出するためのホイールシリンダ液圧センサ35が設けられている。
【0023】
つまり、主流路25は、インレットバルブ28を介してマスタシリンダポートMP及びホイールシリンダポートWPを連通させるものである。また、副流路26は、ホイールシリンダ24のブレーキ液を、アウトレットバルブ29を介してマスタシリンダ21に逃がす流路の一部又は全てと定義される流路である。また、増圧流路27は、マスタシリンダ21のブレーキ液を、増圧バルブ33を介して副流路26のうちのポンプ装置31の上流側に供給する流路の一部又は全てと定義される流路である。
【0024】
インレットバルブ28は、例えば、非通電状態から通電状態になると、その設置個所でのブレーキ液の流通を開放から閉鎖に切り替える電磁バルブである。アウトレットバルブ29は、例えば、非通電状態から通電状態になると、その設置個所を介して副流路途中部26aへ向かうブレーキ液の流通を閉鎖から開放に切り替える電磁バルブである。切換バルブ32は、例えば、非通電状態から通電状態になると、その設置個所でのブレーキ液の流通を開放から閉鎖に切り替える電磁バルブである。増圧バルブ33は、例えば、非通電状態から通電状態になると、その設置個所を介して副流路途中部26aへ向かうブレーキ液の流通を閉鎖から開放に切り替える電磁バルブである。
【0025】
第1液圧回路12のポンプ装置31と、第2液圧回路14のポンプ装置31とは、共通のモータ40によって駆動される。
【0026】
基体70と、基体70に設けられている各部材(インレットバルブ28、アウトレットバルブ29、アキュムレータ30、ポンプ装置31、切換バルブ32、増圧バルブ33、マスタシリンダ液圧センサ34、ホイールシリンダ液圧センサ35、モータ40等)と、制御装置(ECU)50と、によって、ブレーキ液圧制御装置60が構成される。
【0027】
制御装置50は、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。また、制御装置50は、基体70に取り付けられていてもよく、また、基体70以外の他の部材に取り付けられていてもよい。また、制御装置50の一部又は全ては、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。なお、後述のように、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60では、制御装置50の少なくとも一部が、制御基板51で構成されている。
【0028】
例えば、通常状態では、制御装置50によって、インレットバルブ28、アウトレットバルブ29、切換バルブ32、及び増圧バルブ33が非通電状態に制御される。その状態で、ブレーキレバー11が操作されると、第1液圧回路12において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が前輪3のロータ3aに押し付けられて、前輪3が制動される。また、ブレーキペダル13が操作されると、第2液圧回路14において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が後輪4のロータ4aに押し付けられて、後輪4が制動される。
【0029】
制御装置50には、各センサ(マスタシリンダ液圧センサ34、ホイールシリンダ液圧センサ35、車輪速センサ、加速度センサ等)の出力が入力される。制御装置50は、その出力に応じて、モータ40、各バルブ等の動作を司る指令を出力して、減圧制御動作、増圧制御動作等を実行する。
【0030】
例えば、制御装置50は、第1液圧回路12のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧の過剰又は過剰の可能性が生じた場合に、第1液圧回路12のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を減少させる動作を実行する。その際、制御装置50は、第1液圧回路12において、インレットバルブ28を通電状態に制御し、アウトレットバルブ29を通電状態に制御し、切換バルブ32を非通電状態に制御し、増圧バルブ33を非通電状態に制御しつつ、モータ40を駆動する。また、制御装置50は、第2液圧回路14のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧の過剰又は過剰の可能性が生じた場合に、第2液圧回路14のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を減少させる動作を実行する。その際、制御装置50は、第2液圧回路14において、インレットバルブ28を通電状態に制御し、アウトレットバルブ29を通電状態に制御し、切換バルブ32を非通電状態に制御し、増圧バルブ33を非通電状態に制御しつつ、モータ40を駆動する。
【0031】
また例えば、制御装置50は、第1液圧回路12のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧の不足又は不足の可能性が生じた場合に、第1液圧回路12のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を増加させる動作を実行する。その際、制御装置50は、第1液圧回路12において、インレットバルブ28を非通電状態に制御し、アウトレットバルブ29を非通電状態に制御し、切換バルブ32を通電状態に制御し、増圧バルブ33を通電状態に制御しつつ、モータ40を駆動する。また、制御装置50は、第2液圧回路14のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧の不足又は不足の可能性が生じた場合に、第2液圧回路14のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を増加させる動作を実行する。その際、制御装置50は、第2液圧回路14において、インレットバルブ28を非通電状態に制御し、アウトレットバルブ29を非通電状態に制御し、切換バルブ32を通電状態に制御し、増圧バルブ33を通電状態に制御しつつ、モータ40を駆動する。
【0032】
つまり、ブレーキ液圧制御装置60は、第1液圧回路12のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を制御して、第1液圧回路12のアンチロックブレーキ動作を実行することが可能である。また、ブレーキ液圧制御装置60は、第2液圧回路14のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を制御して、第2液圧回路14のアンチロックブレーキ動作を実行することが可能である。また、ブレーキ液圧制御装置60は、第1液圧回路12のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を制御して、第1液圧回路12の自動増圧動作を実行することが可能である。また、ブレーキ液圧制御装置60は第2液圧回路14のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を制御して、第2液圧回路14の自動増圧動作を実行することが可能である。
【0033】
<ブレーキ液圧制御装置の構成>
ブレーキ液圧制御装置60は、基体70、モータ40、及び制御装置50の制御基板51がユニット化されている。なお、本実施の形態においては、基体70に設けられているモータ40以外の各部材(インレットバルブ28、アウトレットバルブ29、アキュムレータ30、ポンプ装置31、切換バルブ32、増圧バルブ33、マスタシリンダ液圧センサ34、ホイールシリンダ液圧センサ35等)も、基体70及び制御基板51とユニット化している。以下では、ブレーキ液圧制御装置60のユニット化されている部分の構成について説明していく。
【0034】
図3は、本発明の実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置のユニット化されている部分を示す斜視図である。また、図4は、本発明の実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置のユニット化されている部分を側方から見た一部断面図である。図4では、図の中央部分が、モータ40周辺を示す断面となっている。また、図4では、図の両端部分が、基体70と後述のハウジング80との固定構成を示す断面となっている。また、図4では、基体70と後述のハウジング80とを固定する際に用いられる作業台97及び治具98も、想像線で示している。
【0035】
上述の基体70は、例えばアルミ等の金属で形成されており、例えば略直方体の形状をしている。この基体70は、第1面71及び第2面72を備えている。第1面71は、後述のハウジング80が取り付けられる面、換言するとハウジング80が接触する面である。第2面72は、第1面71の反対面である。なお、基体70の各面は、段差部を含んでいてもよく、また、曲面部を含んでいてもよい。
【0036】
図4に示すように、基体70には、モータ40が取り付けられている。このモータ40の出力軸41には、モータ40の出力軸41と共に回転する偏心体42が取り付けられている。偏心体42が回転すると、偏心体42の外周面に押し付けられているポンプ装置31のプランジャが往復動することで、ブレーキ液がポンプ装置31の吸込側から吐出側に搬送される。なお、モータ40を取り付ける部材は、基体70に限定されない。例えば、モータ40を後述のハウジング80に取り付けてもよい。
【0037】
上述のように、基体70の第1面71には、ハウジング80が取り付けられる。その際、基体70とハウジング80とは、複数の雄ネジ90を用いて固定される。このため、基体70には、雄ネジ90が挿入される複数の貫通孔73が形成されている。これらの貫通孔73は、第2面72から第1面71へ貫通するように形成されている。また、これらの貫通孔73は、例えば、基体70の四隅に配置される。なお、本実施の形態では、基体70とハウジング80とを固定した際に、雄ネジ90の頭部91が第2面72から突出しないようにするため、貫通孔73の第2面72側の開口部周縁に座ぐり加工を施し、頭部91が収容される凹部74を形成している。これらの凹部74は、形成されていてもよいし、形成されていなくともよい。
【0038】
ハウジング80は、基体70とハウジング80との固定に用いられる固定部81、及び、制御基板51を収納する基板収納部82を備えている。図4に示すように、基体70とハウジング80とが固定された状態においては、モータ40は、基体70とハウジング80とで囲まれる空間内に配置されることとなる。なお、ハウジング80の少なくとも一部は、樹脂で形成されている。換言すると、ハウジング80は、樹脂部83を含んでいる。本実施の形態では、固定部81及び基板収納部82の双方が樹脂部83となっている。
【0039】
詳しくは、固定部81は、ハウジング80において、基体70の第1面71と対向する箇所に配置されている。この固定部81には、基体70の各貫通孔73と対向する位置に、孔84が形成されている。これらの孔84は、少なくとも基体70の第1面側の端部が開口しており、基体70の各貫通孔73と連通している。そして、基体70の各貫通孔73に挿入された雄ネジ90は、雄ネジ形成部92が孔84に締結される。これにより、基体70の第2面72に配置された各雄ネジ90の頭部91と、ハウジング80の固定部81と、の間に基体70が挟持された状態となり、基体70とハウジング80とが固定される。なお、本実施の形態では、セルフタッピングにより、各雄ネジ90の雄ネジ形成部92が孔84に締結される構成となっている。しかしながら、各雄ネジ90の雄ネジ形成部92と孔84との締結構成は、当該構成に限定されない。例えば、各孔84の内周面に予め雌ネジを形成しておき、当該雌ネジと各雄ネジ90の雄ネジ形成部92とを締結してもよい。
【0040】
ここで、従来のブレーキ液圧制御装置は、基体の第2面に、ポンプ装置を駆動するモータが取り付けられていた。このため、従来のブレーキ液圧制御装置は、基体の第2面に各雄ネジの頭部を配置するスペースを確保することが非常に困難であった。したがって、従来のブレーキ液圧制御装置においては、ハウジング側から基体側へ各雄ネジを挿入して、基体とハウジングとを固定していた。一方、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60は、上述のように、基体70とハウジング80とで囲まれる空間内に、ポンプ装置31を駆動するモータ40が配置されている。このため、基体70の第2面72に、各雄ネジ90の頭部91の配置スペースを確保することができる。このため、基体70側からハウジング80側へ各雄ネジ90を挿入して、基体70とハウジング80とを固定することができる。
【0041】
ハウジング80の基板収納部82は、固定部81を基準として、基体70とは反対側に配置されている。基板収納部82には、制御基板51が収納されている。制御基板51とハウジング80との固定構成は特に限定されないが、本実施の形態では、ハウジング80に固定されたピン85に制御基板51を固定し、制御基板51とハウジング80とを固定している。また、制御基板51は、接続端子43を介して、モータ40と電気的に接続されている。すなわち、制御基板51は、接続端子43を介して、モータ40への通電等を行う。
【0042】
ここで、上述のように、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60は、基体70側からハウジング80側へ各雄ネジ90を挿入して、基体70とハウジング80とを固定することができる。したがって、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60においては、図4に示すように、各雄ネジ90は、ハウジング80を貫通する必要がない。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60においては、ハウジング80内に制御基板51を設置する際、従来では雄ネジと干渉していたスペースにも制御基板51を配置することができる。例えば、本実施の形態の場合、基体70の貫通孔73の貫通方向にブレーキ液圧制御装置60を観察した際(図4において、紙面上側からブレーキ液圧制御装置60を観察した際)、雄ネジ90のうちの少なくとも1つと制御基板51とが重なりあっている。このスペースは、従来では雄ネジと制御基板とが干渉し、制御基板を設置できなかったスペースである。したがって、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60は、ハウジング80内において制御基板51の設置スペースを従来よりも大きく確保することができる。
【0043】
上述のように、基体70とハウジング80とで囲まれる空間には、制御基板51が収納されている。このため、基体70とハウジング80とで囲まれる空間内に水分が侵入することを抑制するために、基体70とハウジング80との間を密閉することが好ましい。従来は、基体とハウジングとの間にOリングを挟み込むことにより、基体とハウジングとの間を密閉していた。一方、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60においては、基体70とハウジング80との間は、シリコン系シーリング材95で密閉されている。なお、シリコン系シーリング材95は、シリコンを主成分とするシーリング材である。
【0044】
詳しくは、基体70とハウジング80とが離れた状態において、基体70の第1面71又はハウジング80における第1面71の対向面に、シリコン系シーリング材95を塗布する。そして、基体70の第1面71と、ハウジング80における第1面71の対向面とを重ね合わせる。その後、上述のように、複数の雄ネジ90を用いて、基体70とハウジング80とを固定する。これにより、基体70とハウジング80との間が、シリコン系シーリング材95で密閉される。また、シリコン系シーリング材95が乾いた後は、シリコン系シーリング材95によって、基体70とハウジング80とが接着される。なお、本実施の形態では、基体70の第1面71に例えば環状の溝75を形成し、当該溝75にシリコン系シーリング材95を塗布している。しかしながら、シリコン系シーリング材95が塗布される箇所の形状は任意であり、例えば平面であってもよい。
【0045】
例えば、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60において、基体70とハウジング80との間をOリングで密閉すると仮定する。Oリングで基体70とハウジング80との間を密閉するには、基体70とハウジング80とで、Oリングを押しつぶすように挟み込む必要がある。このため、ハウジング80には、Oリングから、基体70から離れる方向の力が作用することとなる。ここで、本実施の形態では、上述のように、ハウジング80の固定部81が樹脂部83となっている。そして、図4に示すように、雄ネジ90の雄ネジ形成部92が樹脂部83に直接締結される構成となっている。このような締結構成において、基体70とハウジング80との間をOリングで密閉する場合、樹脂部83である固定部81が制御基板51及びモータ40等が発する熱で加熱された際に、Oリングから固定部81に作用する力によって固定部81が変形し、雄ネジ90が緩んでしまう。このため、このような締結構成において、基体70とハウジング80との間をOリングで密閉する場合、雄ネジ90の緩みを抑制するためには、樹脂部83である固定部81に金属製のナットを埋め込み、該ナットに雄ネジ90の雄ネジ形成部92を締結する必要がある。
【0046】
一方、基体70とハウジング80との間をシリコン系シーリング材95で密閉した場合、ハウジング80には、基体70から離れる方向の力が作用しない。また、シリコン系シーリング材95が乾いた後は、シリコン系シーリング材95によって、基体70とハウジング80とが接着される。すなわち、ハウジング80の樹脂部83である固定部81は、シリコン系シーリング材95によって、アルミ等の金属製である基体70に接続された状態となる。このため、基体70とハウジング80との間をシリコン系シーリング材95で密閉した場合、樹脂部83である固定部81は、制御基板51及びモータ40等が発する熱で加熱されても、変形しづらい。したがって、基体70とハウジング80との間をシリコン系シーリング材95で密閉した場合、雄ネジ90の雄ネジ形成部92を樹脂部83である固定部81に直接締結することができる。これにより、樹脂部83である固定部81に金属製のナットを埋め込む必要がなくなり、ブレーキ液圧制御装置60の製造コストを抑制することができる。
【0047】
また、図3及び図4に示すように、ハウジング80には、固定部81と基板収納部82との間に、隙間86が形成されている。換言すると、隙間86は、基体70の貫通孔73の貫通方向にブレーキ液圧制御装置60を観察した際(図4において、紙面上側からブレーキ液圧制御装置60を観察した際)に雄ネジ90と制御基板51とが重なりあっている範囲であり、雄ネジ90と制御基板51との間となる範囲に形成されている。図4に示すように、隙間86を形成することにより、基体70とハウジング80とを雄ネジ90で固定する際、隙間86に治具98を挿入することで、作業台97に、ハウジング80を治具98で固定することができる。すなわち、雄ネジ90の締結箇所近傍となるハウジング80部分を治具98で固定することが可能となる。これにより、基体70とハウジング80とを雄ネジ90で固定する作業が容易となる。
【0048】
<ブレーキ液圧制御装置の効果>
本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60の効果について説明する。
【0049】
本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60は、ブレーキ液の流路が形成されている基体70と、ブレーキ液の流路に設けられているポンプ装置31を駆動するモータ40と、モータ40を制御する制御装置50の制御基板51と、制御基板51を収納するハウジング80と、基体70とハウジング80とを固定する複数の雄ネジ90と、を備えている。モータ40は、基体70とハウジング80とで囲まれる空間内に配置されている。基体70には、雄ネジ90が挿入される複数の貫通孔73が形成されている。雄ネジ90のそれぞれは、貫通孔73に挿入されて、ハウジング80に締結されている。このように、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60は、基体70とハウジング80とで囲まれる空間内に、ポンプ装置31を駆動するモータ40が配置されている。このため、基体70の第2面72に、各雄ネジ90の頭部91の配置スペースを確保することができる。このため、基体70側からハウジング80側へ各雄ネジ90を挿入して、基体70とハウジング80とを固定することができる。したがって、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60においては、図4に示すように、各雄ネジ90は、ハウジング80を貫通する必要がない。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60においては、ハウジング80内に制御基板51を設置する際、従来では雄ネジと干渉していたスペースにも制御基板51を配置することができる。したがって、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60は、ハウジング80内において制御基板51の設置スペースを従来よりも大きく確保することができる。
【0050】
好ましくは、基体70とハウジング80との間はシリコン系シーリング材95で接着されており、ハウジング80は樹脂部83を含む。そして、雄ネジ90のそれぞれは、樹脂部83に直接締結されている。このように構成することにより、樹脂部83に金属製のナットを埋め込む必要がなくなり、ブレーキ液圧制御装置60の製造コストを抑制することができる。
【0051】
また、好ましくは、基体70の貫通孔73の貫通方向にブレーキ液圧制御装置60を観察した際、雄ネジ90のうちの少なくとも1つと制御基板51とが重なりあっている。このスペースは、従来では雄ネジと制御基板とが干渉し、制御基板を設置できなかったスペースである。本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60においては、このようなスペースにも、制御基板51を設置することができる。
【0052】
また、好ましくは、ハウジング80には、基体70の貫通孔73の貫通方向にブレーキ液圧制御装置60を観察した際に雄ネジ90と制御基板51とが重なりあっている範囲であり、雄ネジ90と制御基板51との間となる範囲に、隙間86が形成されている。隙間86を形成することにより、雄ネジ90の締結箇所近傍となるハウジング80部分を治具98で固定することが可能となり、基体70とハウジング80とを雄ネジ90で固定する作業が容易となる。
【0053】
以上、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置60ついて説明したが、本発明に係るブレーキ液圧制御装置は、本実施の形態の説明に限定されない。例えば、本実施の形態の一部のみが実施されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 胴体、2 ハンドル、3 前輪、3a ロータ、4 後輪、4a ロータ、10 ブレーキシステム、11 ブレーキレバー、12 第1液圧回路、13 ブレーキペダル、14 第2液圧回路、21 マスタシリンダ、22 リザーバ、23 ブレーキキャリパ、24 ホイールシリンダ、25 主流路、25a 主流路途中部、26 副流路、26a 副流路途中部、27 増圧流路、28 インレットバルブ、29 アウトレットバルブ、30 アキュムレータ、31 ポンプ装置、32 切換バルブ、33 増圧バルブ、34 マスタシリンダ液圧センサ、35 ホイールシリンダ液圧センサ、40 モータ、41 出力軸、42 偏心体、43 接続端子、50 制御装置、51 制御基板、60 ブレーキ液圧制御装置、70 基体、71 第1面、72 第2面、73 貫通孔、74 凹部、75 溝、80 ハウジング、81 固定部、82 基板収納部、83 樹脂部、84 孔、85 ピン、86 隙間、90 雄ネジ、91 頭部、92 雄ネジ形成部、95 シリコン系シーリング材、97 作業台、98 治具、100 車両、MP マスタシリンダポート、WP ホイールシリンダポート。
図1
図2
図3
図4