(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】カメラ付き防犯灯
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20230414BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20230414BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230414BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20230414BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20230414BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230414BHJP
【FI】
F21V33/00 400
F21S8/08 200
G03B15/00 S
G03B15/00 W
G03B15/03 Z
H04N5/222 100
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019020973
(22)【出願日】2019-02-07
【審査請求日】2021-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森木 陽介
(72)【発明者】
【氏名】田邊 浩義
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-163091(JP,A)
【文献】国際公開第2015/192864(WO,A1)
【文献】特開2016-072016(JP,A)
【文献】特開2014-056155(JP,A)
【文献】登録実用新案第3205135(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21S 8/08
H04N 5/222
G03B 15/00
G03B 15/03
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に取り付けられた発光部と、
前記本体部に取り付けられたカメラと、
前記発光部が下方向へ発光するように、かつ、前記カメラの位置が前記発光部の位置より上方になるように、前記本体部を被取付部に取り付ける取付部と
を備え
、
前記本体部は、下面から上方に後退した後退部を有し、
前記カメラは、前記後退部に配置されており、
前記発光部の発光面よりも上方に前記カメラが配置されているカメラ付き防犯灯。
【請求項2】
本体部と、
前記本体部に取り付けられた発光部と、
前記本体部に取り付けられたカメラと、
前記発光部が下方向へ発光するように、かつ、前記カメラの位置が前記発光部の位置より上方になるように、前記本体部を被取付部に取り付ける取付部と
を備え
、
前記本体部は、下面から先端が上方に傾斜した傾斜部を有し、
前記カメラは、前記傾斜部に配置されており、
前記発光部の発光面よりも上方に前記カメラが配置されているカメラ付き防犯灯。
【請求項3】
前記カメラは、半球状のレンズカバーを有し、
前記発光部の光が前記レンズカバーへ届くことが抑制された請求項1又は2に記載のカメラ付き防犯灯。
【請求項4】
前記発光部が発する光の配光制御を行う光制御部を有する請求項1から3のいずれか1項に記載のカメラ付き防犯灯。
【請求項5】
前記カメラのカメラ軸と前記発光部の光軸とは平行ではなく、前記カメラ軸と前記光軸とは下方に行くほど離れてゆく請求項1から4のいずれか1項に記載のカメラ付き防犯灯。
【請求項6】
前記カメラは魚眼レンズを有する請求項1から5のいずれか1項に記載のカメラ付き防犯灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はカメラ付き防犯灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
防犯灯にカメラ40を組み込み、撮像するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
また、カメラ40に魚眼レンズを用いて360°の撮影を可能としたシステムがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-72203号公報
【文献】実用新案登録第3205135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、平面を撮像するカメラ40であるため、直下方向を撮影した場合、撮影された映像から人の認識及び動作の認識がしにくいという課題があった。
また、特許文献2に記載の装置は、防犯灯が発した直接光が入り込まないようにしていないため、防犯灯の直接光が入り込むおそれがあり、この場合、カメラ40に撮影された映像が白飛びして、撮影された映像が識別しにくくなるという課題があった。
【0005】
本発明は、カメラ付き防犯灯の撮像された映像が白飛びしにくい構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のカメラ付き防犯灯は、
本体部と、
前記本体部に取り付けられた発光部と、
前記本体部に取り付けられたカメラと、
前記発光部が下方向へ発光するように、かつ、前記カメラの位置が前記発光部の位置より上方になるように、前記本体部を被取付部に取り付ける取付部と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発光部が発した直接光がカメラに入射することを防止できるため、カメラで撮像された映像が発光部の光によって白飛びすることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1によるカメラ付き防犯灯100を示す側面図と正面図である。
【
図2】実施の形態1の他のカメラ付き防犯灯100を示す側面図である。
【
図3】実施の形態1によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
【
図5】実施の形態2によるカメラ付き防犯灯100を示す側面図と正面図である。
【
図6】実施の形態2の他のカメラ付き防犯灯100を示す側面図である。
【
図7】実施の形態2によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
【
図8】実施の形態2によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態のカメラ付き防犯灯100を示す図である。
(a)は側面図、(b)は正面図である。
水平方向Xは、重力と直角に交わる方向である。
鉛直方向Yは、重力と平行な方向である。
【0010】
カメラ付き防犯灯100は、電柱などの被取付部900に取り付けられる取付部200と、この取付部200に取り付けられた灯具300とを備える。
灯具300は、本体部10と、この本体部10に取り付けられる発光部20と、本体部10に取り付けられたカメラ取付部30と、このカメラ取付部30に取り付けられたカメラ40とを備える。
灯具300は、本体部10に取り付けられ、発光部20の点灯制御並びにカメラ40の制御を行う制御部50を備える。
灯具300は、発光部20を覆うように本体部10に取り付けられた透光性カバー60を備える。
【0011】
本体部10は、一端側に取付部200が取り付けられている。
本体部10は、取付部200が電柱に取り付けられることにより、電柱などの被取付部900に取り付けられる。
本体部10は、鉛直方向Yに対して、略水平又は右肩上がり(斜め上方)に傾斜した状態で取り付けられる。
【0012】
発光部20は、本体部10の一端側(取付部200がある側)に寄せて取り付けられている。
発光部20は、光源(図示せず)を配置した発光面21を有する。
発光部20は、発光面21と直交する光軸Lを有する。
発光部20の光軸Lは、発光部20が発する光の中心軸である。
発光部20は、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)をプリント基板に実装したLEDモジュール、LEDチップを直接プリント基板に実装したCOB(Chip On Board)モジュール又は有機EL(Electro-Luminescence)あるいは無機ELなどである。
【0013】
カメラ取付部30は、本体部10の他端側(取付部200がある側と反対側)に取り付けられている。
本体部10の他端側に沿った部分は、本体部10の外郭形状に沿った形状の箱体である。
この箱体形状のカメラ取付部30は、カメラ40を取り付けるためのカメラ窓32が開けられている。
【0014】
カメラ40は、いわゆるドーム型の防犯カメラ40である。
カメラ40は、撮像部41と、この撮像部41を覆うように取り付けられた魚眼レンズ42と、魚眼レンズ42を覆うように取り付けられた半球状のレンズカバー43とを備える。
魚眼レンズ42は、180度あるいは180度前後の写角をもつレンズである。
レンズカバー43は、透明な保護カバーである。
レンズカバー43は、本体部10の下面11から半球状に下方に突出している。
レンズカバー43は、魚眼レンズ42が180度あるいは180度前後の撮影ができるように半球状又はドーム状をしている。
カメラ40は、は、本体部10の下面11と直交するカメラ軸Cを有する。
カメラ40のカメラ軸Cは、撮影の中心軸である。
カメラ40のカメラ軸Cは、発光部20の光軸Lと平行又はほぼ平行である。
【0015】
制御部50は、発光部20の点灯を制御する点灯制御部51と、カメラ40を制御するカメラ制御部52を有する。
制御部50は、発光部20とカメラ40とに電力を供給する電源を有する。
【0016】
点灯制御部51は、明るさセンサを有しており、夜間など周囲が暗くなったことを検出すると発光部20を点灯させ、昼間など周囲が暗くなると発光部20を消灯させる。
【0017】
カメラ制御部52は、撮像部41にて撮像するように制御(露出調整などを含む)するとともに、撮像された映像を記憶部に記憶する。
本実施の形態では、記憶部がカメラ制御部52に内蔵されている場合について説明するが、記憶部がカメラ制御部52から取り外せるようにしてもよいし、ネットワークを介して撮像データを出力し、外部機器の記憶部に記憶するようにしてもよい。
また、カメラ制御部52に、魚眼レンズ42で撮像された映像を見やすくするための画像変換機能を備えて、記憶部に記憶する映像を画像変換機能にて処理されたものとしてもよい。
【0018】
透光性カバー60は、発光部20を覆い、発光部20からの光を透過するとともに、灯具300に内蔵された部品を保護する。
透光性カバー60は、透明カバーでもよいし、半透明カバーでもよい。
透光性カバー60は、カメラ40を覆わない。
透光性カバー60がカメラ40を覆わない理由は、発光部20が発した光が透光性カバー60により乱反射してカメラ40に入り込むのを防止するためである。
透光性カバー60には、灯具300の内部に侵入した水を外部に排水するための排水口61が設けられている。
この排水口61は、透光性カバー60ではなく、本体部10などに設けてもよい。
【0019】
つぎに、発光部20とカメラ40との配置関係について、
図1を用いて説明する。
被取付部900からの位置関係は、取付部200、発光部20、制御部50、カメラ40の順である。
発光部20とカメラ40との間に制御部50を配置して発光部20とカメラ40とを離れた位置に配置する。
また、カメラ40は、発光部20の水平方向Xに対して、上方に配置する。
少なくとも発光部20が発する光の配光角よりも外側にカメラ40が配置されていれば、発光部20が発する光がカメラ40に直接入り込むことはない。
しかし、発光部20の製品ばらつき又は透光性カバー60による屈折によって、発光部20が発した光がカメラ40に入り込んでしまう可能性がある。
発光部20から発した光が直接カメラ40の撮像部41に入り込まなかったとしても、透光性カバー60などに入光すると、透光性カバー60内の乱反射による反射光又は透光性カバー60の透明部分における導光された光などにより、撮像部41による映像に影響を及ぼすおそれがある。
本実施の形態では、を水平方向Xに対して、カメラ40発光部20より上方に配置すれば、発光部20が発した光がカメラ40に入り込むことがない。
特に、夜間撮影時に撮像部41の露出感度を高めている状態においての撮影映像に与える影響を最小限にすることができる。
また、防犯灯と防犯カメラ40を組み合わせることにより、暗視カメラ又は赤外光を用いないので、撮像された映像の色彩を含めた映像が鮮明になる。
【0020】
取付部200は、発光部20が下方向へ発光するように、本体部10を被取付部900に取り付ける。
取付部200は、水平線Hに対して傾きMで、本体部10を被取付部900に取り付ける。
水平線Hに対する傾きMは、少なくとも光源から直接光がカメラ40の半球状のレンズカバー43に照射されない角度とする。
取付部200は、カメラ40の位置が発光部20の位置より水平方向Xにおいて上方になるように、本体部10を被取付部900に取り付ける。
カメラ40の半球状のレンズカバー43の下端部Dは、発光部20の発光面21の上端部Uよりも上にある。
取付部200は、光源として配光角が120度のLEDを用いた場合に、LEDの光がカメラ40に入り込まないように、発光部20の発光面21の上端部Uの水平線よりもカメラ40の下端部Dを上に配置する。
【0021】
***実施の形態1の特徴***
この実施の形態のカメラ付き防犯灯100は、
被取付部900に取り付けるための取付部200と、
一端がこの取付部200に取り付けられ、他端に向かって突出するように形成された本体部10と、
本体部10の一端側に取り付けられた発光部20と、
本体部10の他端側に取り付けられたカメラ40とを備えている。
発光部20は、本体部10に取り付けられていればよい。
カメラ40は、本体部10に取り付けられていればよい。
【0022】
取付部200は、発光部20が下方向へ発光するように、本体部10を被取付部900に取り付ける。
取付部200は、カメラ40の位置が発光部20の位置より水平方向において上方になるように、本体部10を被取付部900取り付ける。
取付部200の被取付部900に取り付けられる取付面を鉛直方向Yとしたとき、発光部20は光軸Lが下方向又は下斜め方向になるように取り付けられ、かつ、カメラ40は、発光部20の水平方向Xに対して上方に配置されるように取り付けられる。
【0023】
この実施の形態のカメラ付き防犯灯100は、発光部20とカメラ40を特定の位置関係に配置することにより、発光部20が発した光がカメラ40に入り込まない。
特定の位置関係とは、柱などに被取付部900から順に、発光部20、カメラ40となるようにし、灯具300が被取付部900に取り付けられた状態において、発光部20の上端部Uに対して水平に引かれた水平線よりも上方にカメラ40が配置されている位置関係をいう。
【0024】
***実施の形態1の効果***
この実施の形態によれば、発光部20の光がレンズカバー43へ届くことが抑制され、発光部20が発した直接光がカメラ40へ入射するのを防止できるため、カメラ40で撮像された映像が発光部20の光によって、白飛びすることがない。
【0025】
***変形例1***
図2は、実施の形態1によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
図2では、灯具300が、水平に取り付けられている。
本体部10は、下面11から後退した後退部12を有する。
カメラ40は、後退部12に配置されている。
カメラ40の下端部Dは、下面11よりも上方に配置されている。
発光部20とカメラ40の位置関係は
図1と同様である。すなわち、灯具300が被取付部900に取り付けられた状態において、発光部20の発光面21に対して水平に引かれた水平線Hよりも上方にカメラ40が配置されている。
【0026】
***変形例2***
図3は、実施の形態1によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
図3では、灯具300が、水平に取り付けられている。
本体部10は、下面11から先端が上方に傾斜した傾斜部13を有する。
カメラ40は、傾斜部13に配置されている。
カメラ40の下端部Dは、下面11よりも上方に配置されている。
カメラ40のカメラ軸Cは、発光部20の光軸Lと平行ではなく、カメラ軸Cと光軸Lとは下方に行くほど離れてゆくので、発光部20の光がカメラ40に届きにくくなる。
発光部20とカメラ40の位置関係は
図1と同様である。すなわち、灯具300が被取付部900に取り付けられた状態において、発光部20の発光面21に対して水平に引かれた水平線Hよりも上方にカメラ40が配置されている。
【0027】
***変形例3***
図4は、実施の形態1によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
本体部10は、下面11から下方に突出した光制御部70を有する。
光制御部70は、発光部20とカメラ40との間に配置されている。
光制御部70は、発光部20が発する光の配光制御を行う遮光部品である。
光制御部70は、発光部20の光を遮る壁である。あるいは、光制御部70は、発光部20の光を反射する反射鏡である。
光制御部70は、カメラ40の写角をできるだけ減少させないようにするため、カメラ40から遠ざけて、発光部20の脇に配置する。
図示しないが、本体部10ではなく、発光部20に対して、光制御部70を設けてもよい。すなわち、LEDの配光角が広い場合は、発光部20に対して、光学部品(レンズなど)又は遮光部品(遮光板、反射板)などの光制御部70となる配光制御部材を用いて、カメラ40に対する光の影響を抑制するようにしてもよい。
光制御部70は、発光部20の基板に設けてもよい。
また、光制御部70は、本体部10ではなく、透光性カバー60に対して、光制御部70を設けてもよい。
透光性カバー60による光制御部70は、透光性カバー60のカメラ40側の端部を不透明にすることにより実現できる。
透光性カバー60による光制御部70は、透光性カバー60のカメラ40側の端部に遮光部品(遮光板、反射板)を配置することにより実現できる。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態2では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
本実施の形態は、実施の形態1の発光部20とカメラ40との位置関係を変更したものである。
【0029】
図5は、本実施の形態のカメラ付き防犯灯100を示す図である。
(a)は側面図、(b)は正面図である。
カメラ付き防犯灯100は、電柱などの被取付部900に取り付けられる取付部200と、この取付部200に取り付けられた灯具300とを備える。
【0030】
発光部20は、本体部10の他端側(取付部200がある側と反対側)に寄せて取り付けられている。
発光部20は、例えば、複数のLEDをプリント基板に実装したLEDモジュール、LEDチップを直接プリント基板に実装したCOBモジュール又は有機ELあるいは無機ELなどである。
【0031】
カメラ取付部30は、本体部10の一端側(取付部200がある側)に取り付けられている。
カメラ取付部30の本体部10の一端側に沿った部分は、本体部10の外郭形状に沿った形状の箱体である。
この箱体形状のカメラ取付部30は、カメラ40を取り付けるためのカメラ窓32が開けられている。
カメラ窓32は、水平方向に設けられた開口である。
カメラ取付部30は、カメラ40を載置する載置部である。
カメラ40のレンズカバー43は、カメラ窓32から半球状に下方に突出している。
【0032】
カメラ取付部30は、発光部20と透光性カバー60よりも高さがあり、透光性カバー60よりも突出するような台座形状をなしている。
これにより、カメラ40の位置を透光性カバー60よりも下に突出した位置に配置することができ、台座形状の発光部20に面している側面が、発光部20からの光を遮光する遮光部31となる。
遮光部31は、カメラ40を載置する載置部であるカメラ取付部30の一側面であり、鉛直方向Yの平面壁である。
遮光部31は、カメラ40に向かってくる光を全て遮る遮光壁である。
カメラ40のカメラ軸Cは、発光部20の光軸Lと平行ではなく、カメラ軸Cと光軸Lとは下方に行くほど離れてゆくので、発光部20の光がカメラ40に届きにくくなる。
【0033】
つぎに、発光部20とカメラ40と遮光部31の配置関係について、
図5を用いて説明する。
被取付部900からの位置関係は、取付部200、カメラ40、発光部20の順である。
カメラ取付部30が発光部20の下面11から下方に突出しているので、カメラ取付部30と制御部50の一部とを鉛直方向Yにおいて上下に重ねて配置することができ、灯具300のサイズを小型化することができる。
発光部20とカメラ40との間に制御部50を配置して発光部20とカメラ40とを離れた位置に配置してもよい。
【0034】
遮光部31は、発光部20とカメラ40を直線で結んだ仮想直線を遮るように配置されている。
すなわち、遮光部31は、発光部20の4コーナ又は透光性カバー60の4コーナとカメラ40の下端部Dを直線で結んだ一点鎖線で示す仮想直線を遮るように配置されている。
また、遮光部31は、発光部20の4コーナ又は透光性カバー60の4コーナからレンズカバー43への外接線を遮るように配置されている。
つまり、本実施の形態のカメラ取付部30が透光性カバー60よりも突出して、カメラ取付部30が遮光部31の影に入るので、発光部20が発した光がカメラ40に入り込むことがない。
また、透光性カバー60にて屈折又は拡散透過された光も遮光部31により遮られカメラ40に入り込むことがない。
よって、実施の形態1と同様に、発光部20が発する光がカメラ40に直接入り込むことはない。
また、発光部20の製品ばらつき又は透光性カバー60による屈折あるいは拡散透過によって、発光部20が発した光がカメラ40に入り込んでしまうことがない。
このため、夜間撮影時に撮像部41の露出感度を高めている状態においての撮影映像に与える影響を最小限にすることができる。
【0035】
***実施の形態2の特徴***
この実施の形態のカメラ付き防犯灯100は、
被取付部900に取り付けるための取付部200と、
一端がこの取付部200に取り付けられ、他端に向かって突出するように形成された本体部10と、
本体部10の他端側に取り付けられた発光部20と、
本体部10の一端側に取り付けられたカメラ40と、
発光部20とカメラ40との間に形成され、発光部20からカメラ40に向かって発光する光を遮光する遮光部31とを備えている。
遮光部31は、発光部20からレンズカバー43に向かって発光する光を遮光する遮光壁又は遮光板である。
この実施の形態のカメラ付き防犯灯100は、発光部20とカメラ40との間に遮光部31を設け、この遮光部31により、発光部20が発した光がカメラ40に入り込まないようにする。
【0036】
***実施の形態2の効果***
この実施の形態によれば、光源とカメラとの間に遮光部31(遮光壁又は遮光板)を配置して、発光部20の光がレンズカバー43へ届くことが抑制され、発光部20が発した直接光がカメラ40へ入射するのを防止できるため、カメラ40で撮像された映像が発光部20の光によって、白飛びすることがない。
【0037】
***変形例1***
図6は、実施の形態2によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
図6では、灯具300が、水平に取り付けられている。
カメラ40のカメラ軸Cは、発光部20の光軸Lと平行又はほぼ平行である。
発光部20とカメラ40の位置関係は
図5と同様である。すなわち、カメラ取付部30は、発光部20、透光性カバー60よりも高さがあり、透光性カバー60よりも突出するような台座形状をなしている。
【0038】
***変形例2***
図7は、実施の形態2によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
図7では、本体部10の先端が上方に傾斜しており、発光部20が、傾斜してに取り付けられている。
カメラ40のカメラ軸Cは、発光部20の光軸Lと平行ではなく、カメラ軸Cと光軸Lとは下方に行くほど離れてゆくので、発光部20の光がカメラ40に届きにくくなる。
発光部20とカメラ40の位置関係は
図5と同様である。すなわち、カメラ取付部30は、発光部20、透光性カバー60よりも高さがあり、透光性カバー60よりも突出するような台座形状をなしている。
【0039】
***変形例3***
図8は、実施の形態2によるカメラ付き防犯灯100の他の構成を示す図である。
本体部10は、下面11から下方に突出した光制御部70を有する。
光制御部70は、カメラ40を載置する載置部であるカメラ取付部30の一側面に密着している。
光制御部70は、カメラ取付部30よりも下方に突出している平面壁である。
光制御部70は、発光部20とカメラ40との間に配置されている。
光制御部70は、発光部20が発する光の配光制御を行う遮光部品である。
光制御部70は、発光部20の光を遮る壁である。あるいは、光制御部70は、発光部20の光を反射する反射鏡である。
【0040】
図示しないが、本体部10ではなく、カメラ取付部30に対して、光制御部70を設けてもよい。
図示しないが、レンズカバー43の一部を不透明にして光制御部70を実現してもよい。
図示しないが、本体部10ではなく、発光部20に対して、光制御部70を設けてもよい。すなわち、LEDの配光角が広い場合は、発光部20に対して、光学部品(レンズなど)又は遮光部品(遮光板、反射板)などの光制御部70となる配光制御部材を用いて、カメラ40に対する光の影響を抑制するようにしてもよい。
また、遮光部31の高さが低く、光がカメラ40にあたってしまう場合は、発光部20に光制御部材を被せ、カメラ40に対する光の影響を抑制するようにしてもよい。
【0041】
***他の実施の形態***
前述した実施の形態の全部又は一部を他の実施の形態と組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0042】
100 カメラ付き防犯灯、200 取付部、300 灯具、10 本体部、11 下面、12 後退部、13 傾斜部、20 発光部、21 発光面、30 カメラ取付部、31 遮光部、32 カメラ窓、40 カメラ、41 撮像部、42 魚眼レンズ、43 レンズカバー、50 制御部、51 点灯制御部、52 カメラ制御部、60 透光性カバー、61 排水口、70 光制御部、900 被取付部、H 水平線、C カメラ軸、L 光軸。