(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】板状部材の固定構造および電子機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20230414BHJP
H05K 7/12 20060101ALI20230414BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
H04M1/02 C
H05K7/12 D
G06F1/16 312L
(21)【出願番号】P 2019167564
(22)【出願日】2019-09-13
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】三船 雅之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 航輝
(72)【発明者】
【氏名】和田 匡平
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0169575(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0218878(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0222298(US,A1)
【文献】特開2006-094255(JP,A)
【文献】特開2010-109772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/16-1/18
G09F9/00
H04B1/38-1/58
H04M1/02-1/23
17/00-17/02
H05K5/00-5/06
7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筐体と、
前記筐体の内部に配置される板状部材と、を備え、
前記筐体は、該筐体と前記板状部材とをネジで締結するネジ台座部を有しており、
前記板状部材は、該板状部材よりも前記筐体の外側寄りに配置された前記電子機器の部品と離間しており、かつ、端部付近に前記ネジを挿通する第1挿通部が形成された第1先端部を有しており、
少なくとも前記第1先端部と前記ネジ台座部とから構成される締結領域において、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態では、
前記締結領域における前記板状部材と前記ネジ台座部との間隔について、前記締結領域における前記筐体の中央寄りの部分の第1間隔が、前記締結領域における前記筐体の外側寄りの部分の第2間隔よりも空いていることを特徴とする、前記板状部材の固定構造。
【請求項2】
前記第1先端部の底面には、第1段差が、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔が前記第2間隔よりも空くように設けられており、
前記第1段差の境界は、前記ネジを前記第1挿通部に挿通した状態において、前記ネジの頭部における前記端部側の側端面よりも前記筐体の外側寄りに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の板状部材の固定構造。
【請求項3】
前記第1先端部の底面は、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔が前記第2間隔よりも空くように、少なくとも一部の面が前記部品に向けて傾斜した傾斜面となっており、
前記傾斜面における前記筐体の外側寄りの辺は、前記ネジを前記第1挿通部に挿通した状態において、前記ネジの頭部における前記端部側の側端面よりも前記筐体の外側寄りに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の板状部材の固定構造。
【請求項4】
前記第1先端部の底面における前記第1挿通部を基準として前記筐体の外側寄りの面には、第1凸部が、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔が前記第2間隔よりも空くように設けられていることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の板状部材の固定構造。
【請求項5】
前記ネジ台座部と前記板状部材との間に配置される基板をさらに備え、
前記基板における前記第1先端部の配置位置と対応する位置に配置される第2先端部には、前記ネジを挿通する第2挿通部が形成されており、
前記第2先端部における前記第1先端部の底面と対向する対向面には、第2凸部が、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔が前記第2間隔よりも空くように、前記対向面における前記第2挿通部を基準として前記筐体の外側寄りの面に設けられていることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の板状部材の固定構造。
【請求項6】
前記ネジ台座部と前記板状部材との間に配置される基板をさらに備え、
前記基板における前記第1先端部の配置位置と対応する位置に配置される第2先端部には、前記ネジを挿通する第2挿通部が形成されており、
前記第2先端部における前記第1先端部の底面と対向する対向面には、凹部が、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔が前記第2間隔よりも空くように、前記対向面における前記第2挿通部を基準として前記筐体の中央寄りの面に形成されていることを特徴とする、請求項1から5の何れか1項に記載の板状部材の固定構造。
【請求項7】
前記ネジ台座部の座面における前記筐体の中央寄りの面には、第2段差が、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔が前記第2間隔よりも空くように形成されており、
前記第2段差の境界は、前記ネジを前記ネジ台座部のネジ孔に挿入した状態において、前記ネジの頭部における前記端部側の側端面よりも前記筐体の外側寄りに形成されていることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の板状部材の固定構造。
【請求項8】
前記第1先端部は、金属材料で形成され、かつ、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔が前記第2間隔よりも空くように、前記部品に向けて傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載の板状部材の固定構造。
【請求項9】
前記第1先端部は、金属材料で形成されており、かつ、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔が前記第2間隔よりも空くように、先端が前記部品側と反対側に折り曲げられていることを特徴とする、請求項1に記載の板状部材の固定構造。
【請求項10】
請求項1から9までの何れか1項に記載の板状部材の固定構造を有することを特徴とする、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の筐体の内部に配置される板状部材の固定構造、および該板状部材の固定構造を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、筐体と表示パネルとが組み重ねられて構成された薄型の携帯端末がある。表示パネルは、一般に、前面の強化パネルと、液晶または有機発光ダイオードなどの表示層と、背面パネル(ガラス板など)とを積層して構成される。また、表示パネルの背面パネルには、例えば、駆動回路が配置されて強化パネルとの間に隙間を有する部分など強度の低い部位が存在する。
【0003】
従来、薄型の筐体と表示パネルとが組み重ねられて構成された携帯端末においては、筐体に板金部材を一体成型することで、筐体の剛性を高め、これにより携帯端末の一定の強度を確保していた。
【0004】
しかしながら、筐体と板金部材とを一体成型した構成では、筐体の背面に各種部品搭載用の開口を設けるか、あるいは、板金部材に大きな開口を設けないと、板金部材の裏側に各種部品を搭載することができない。
【0005】
筐体の背面に各種部品搭載用の開口を設けた場合、この開口を塞ぐ構成が必要となり、その分、部品点数が増し、筐体構造が複雑になるという課題が生じる。また、板金部材に大きな開口を設けた場合には、その分、筐体の剛性が低下するという課題が生じる。
【0006】
つまり、筐体と板金部材とを一体成型した構成では、板金部材により十分な強度を確保することができず、装置の薄型化、または、表示部の狭額縁化をある程度犠牲にして強度を確保しなければならなかった。
【0007】
特許文献1には、前記の問題点を解決する構造を有する携帯端末が開示されている。この携帯端末では、筐体がいわゆるバスタブ構造を為しており、筐体、板状フレーム、および表示部がこの順で組み重ねられている。また、板状フレームの周縁部には、前記表示部の側へ起立する起立部が形成されている。この構造では筐体に対して電池、基板、その他の各種部品を装着した後に板状フレームを被せ、最後に表示部で蓋をする構造となる。また、この携帯端末では、板状フレームの周縁部に形成された起立部の存在により、表示部と板状フレームとの間に大きな隙間が形成されている。この隙間により、上記携帯端末では、表示部に対して板状フレームが近接または接触することが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述のような従来技術では、板状フレームの周縁部に形成された起立部の存在により、板状フレームと表示部との間の距離を小さくすることが困難であり、電子機器の薄型化の障壁になっているという問題点がある。
【0010】
一方、電子機器の薄型化を図るため、板状フレームの周縁部に形成された起立部を無くして、板状フレームと表示部との間の距離を小さくした場合、筐体の内側に配置された各種部品の存在、または筐体の変形(特に内反り)などの要因により板状フレームの少なくとも一部が表示部側に押し上げられてしまうという問題点が生じる。この問題点により、表示部と板状フレームとの間に設けられた空間がなくなり表示部と板状フレームと、が部分的に近接または接触してしまう可能性がある。このように、表示部と板状フレームとが部分的に近接または接触してしまうと、表示部の表示にムラや機能不良などの不具合が発生してしまう。
【0011】
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みて為されたものであり、電子機器の薄型化・軽量化、および板状部材を選定する際の自由度の向上を実現しつつ、板状部材と部品との近接または接触による部品の動作不良を防ぐことができる板状部材の固定構造などを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る板状部材の固定構造は、電子機器の筐体と、前記筐体の内部に配置される板状部材と、を備え、前記筐体は、該筐体と前記板状部材とをネジで締結するネジ台座部を有しており、前記板状部材は、該板状部材よりも前記筐体の外側寄りに配置された前記電子機器の部品と離間しており、かつ、端部付近に前記ネジを挿通する第1挿通部が形成された第1先端部を有しており、少なくとも前記第1先端部と前記ネジ台座部とから構成される締結領域において、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態では、前記締結領域における前記板状部材と前記ネジ台座部との間隔について、前記締結領域における前記筐体の中央寄りの部分の第1間隔が、前記締結領域における前記筐体の外側寄りの部分の第2間隔よりも空いている構成である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、電子機器の薄型化・軽量化、および板状部材を選定する際の自由度の向上を実現しつつ、板状部材と部品との近接または接触による部品の動作不良を防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の一形態に係る電子機器の概要構成を示す分解斜視図である。
【
図2】前記電子機器を表示部の表示画面に垂直かつ上下方向に延在する平面で切断したときの構造の概要を示す縦断面図である。
【
図3】前記電子機器の筐体の内部に配置される板状部材の裏面の構造を示す裏面図である。
【
図4】符号401で示す図は、本発明の実施形態1に係る板状部材の固定構造を示す断面図であり、符号402で示す図は、前記板状部材の第1先端部の底面側の構造を示す斜視図であり、符号403で示す図は、前記板状部材の固定構造の一部を部分的に拡大した拡大断面図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係る板状部材の固定構造を示す断面図である。
【
図6】本発明の実施形態3に係る板状部材の固定構造を示す断面図である。
【
図7】本発明の実施形態4に係る板状部材の固定構造を示す断面図である。
【
図8】本発明の実施形態5に係る板状部材の固定構造を示す断面図である。
【
図9】本発明の実施形態6に係る板状部材の固定構造を示す断面図である。
【
図10】本発明の実施形態7に係る板状部材の固定構造を示す断面図である。
【
図11】本発明の実施形態8に係る板状部材の固定構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係るスマートフォン(電子機器)10の概要構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、スマートフォン10は、表示部(部品)1と、板状部材2と、基板3と、筐体4とを少なくとも備えている。本実施形態では、電子機器の例として、スマートフォン10を採用した場合について説明するがこれに限定されない。電子機器の例としては、その他、携帯電話機、ノート型PC(Personal Computer)、タブレット端末、電子書籍リーダー、およびPDA(Personal Digital Assistant)等、表示画面を有する各種電子機器を挙げることができる。
【0016】
以下では、特に断らない限り、スマートフォン10の前後上下の方向を、表示部1側を前方、筐体4側を後方(背面側)、基板3が配置される側を上方、その反対側を下方として説明する。
【0017】
図2は、スマートフォン10を表示部1の表示画面に垂直かつ上下方向に延在する平面で切断したときの構造の概要を示す断面図である。同図に示すように、スマートフォン10は、上述した、表示部1、板状部材2、基板3、筐体4の他、ネジ5、および各種部品6を少なくとも備えている。また、同図に示すように、板状部材2の第1先端部2aおよび基板3のそれぞれは、ネジ5と筐体4のネジ台座部4aに形成されたネジ孔とにより締結されている。なお、本実施形態のスマートフォン10では、少なくとも第1先端部2aとネジ台座部4aとから構成される締結領域8(
図4参照)における板状部材2の固定構造に特徴があるが、
図2では、図面の明瞭化のために、そのような特徴的な構造は省略して記載している。
【0018】
表示部1は、本実施形態では、例えばOLED(Organic light-Emitting Diode:有機発光ダイオード)を面状に形成して構成されているが、これに限定されず、表示部1は、液晶パネル等で構成されていても良い。表示部1は、スマートフォン10の表面の表示装置を保護するガラスパネルに表示装置を貼り合せた状態となっている。なお、表示部1は、板状部材2よりも筐体4の外側寄りに配置されたスマートフォン10の部品の一例である。このような部品としては、表示部1に限定されず、板状部材2よりも筐体4の外側寄りに配置され、板状部材2と離間して配置された部品であれば、どのような部品であっても良い。
【0019】
板状部材2は、例えば、金属板をプレス加工および曲げ加工して構成される。さらに、板状部材2にはその一部に樹脂がインサート成型されている。板状部材2は、筐体4の開口の面に沿った方向に広がる凡そ矩形形状に形成されている。また、板状部材2は、表示部1と離間しており、表示部1と板状部材2との間に小さな隙間が形成されている。さらに、板状部材2の端部付近には、ネジ5を挿通する第1挿通部2bが形成された第1先端部2aが設けられている。第1挿通部2bの例としては、丸孔や、U字形にカットされた孔を例示することができる。板状部材2は、筐体4に対して各種部品6を収納した後、筐体4に対してネジ5で固定される。
【0020】
基板3には、通信機能、表示機能および入出力機能などの様々な機能を提供する回路部品と、表示部1とフレキシブルケーブルを介して接続されるコネクタとが設けられている。本実施形態の筐体4は、一方の広い面が開口され、内部に開口の径より浅い収容スペースが形成された、所謂バスタブ型のものであり、樹脂により形成されている。なお、筐体4は樹脂で形成されていなくても良い。筐体4は、例えば金属で形成されていても良い。また、例えば、筐体4は金属と樹脂との一体成形で作成されていても良い。
【0021】
筐体4の開口は一方が長いほぼ矩形状に形成されている。しかしながら、筐体4の形状はこのようなバスタブ型の形状に限定されない。ネジ5は、筐体4に対して各種部品6を装着した後に板状部材2を筐体4に固定するものである。各種部品6は、特に制限されるものではないが、例えばCPU(Central Processing Unit)、メモリ、電池端子、内蔵バッテリー、基板3に実装される導通バネまたはGND強化バネ、各種フレキシブルケーブルなどを例示することができる。また、本実施形態の携帯端末装置は、正面側(
図1の上方)から、表示部1、板状部材2、基板3、および筐体4の順で組み重ねられて構成される。板状部材2と筐体4とは分離および組み付け可能な構成となっている。
【0022】
次に、
図3は、スマートフォン10の筐体4の内部に配置される板状部材2の裏面の構造を示す裏面図である。同図に示す例では、板状部材2の縁部に設けられた第1先端部2aの底面には、後述する段差部や傾斜面などを設けることが可能である。第1先端部2aの底面において、段差部や傾斜面を設ける方向は、本体の中央側に向けて、板状部材2の全部または一部を表示部1の背面側に沈み込ませる力が伝達される方向としてある。矢印はその伝達方向を示す。なお、
図3に示す態様では、前記伝達方向は、紙面向って水平または垂直な方向になっているが、板状部材2の内側に向う方向であれば、紙面向って斜めの方向であっても良い。
【0023】
〔実施形態1〕
次に、
図4に基づき、本発明の実施形態1に係る板状部材2の固定構造について説明する。
図4の符号401で示す図のように、板状部材2は、所定の締結領域8において、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、板状部材2とネジ台座部4aとの間隔について、筐体4の中央寄りの部分の第1間隔W1が、筐体4の外側寄りの部分の第2間隔W2よりも空いている。前記の点は、以下で説明する実施形態2以降においても同様に成り立つ。なお、ここで、所定の締結領域8は、少なくとも第1先端部2aとネジ台座部4aとを含む領域である。本実施形態において第1間隔W1および第2間隔W2のそれぞれは、第1先端部2aの底面からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。
【0024】
前記の構成によれば、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む。したがって、板状部材2と表示部1との間のスペースを広く取ることなく、あるいは板状部材2の厚さを厚くして板状部材2の剛性を向上させることなく、板状部材2と筐体4との締結後に板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。以上のことから、スマートフォン10の薄型化・軽量化、および板状部材2を選定する際の自由度の向上を実現しつつ、板状部材2と表示部1との近接または接触による部品の動作不良を防ぐことができる。
【0025】
図4の符号402で示す図は、板状部材2の第1先端部2aの底面側の構造の一例を示す斜視図である。同図に示す例では、第1先端部2aの底面のほぼ中央に、第1段差2cの境界Bが形成されている。なお、第1段差2cの境界Bの配置位置の詳細については後述する。第1段差2cの境界Bは、第1先端部2aの底面のうち、第1段差2cが形成されている面と、その残りの面との境界のことである。
【0026】
次に、
図4の符号403で示す図は、本実施形態の板状部材2の固定構造の一部を部分的に拡大した拡大断面図である。同図に示すように、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態において、第1先端部2aの底面には、第1段差2cが、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くように設けられている(
図4の符号401で示す図も併せて参照)。また、第1段差2cの境界Bは、ネジ5を第1挿通部2bに挿通した状態において、ネジ5の頭部における(板状部材2の)端部側の側端面5aよりも、距離Hだけ、筐体4の外側寄りに形成されている。
【0027】
前記の構成によれば、第1先端部2aの底面に設けられ、かつ、境界Bが所定位置に形成された第1段差2cにより、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くことになる。そのため、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む。これにより、板状部材2と筐体4との締結後には、
図4の符号401で示す図に破線で示すような状態になるため、板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0028】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。以下の各実施形態においても同様である。
【0029】
図5に示すように、本実施形態の板状部材2の固定構造では、第1先端部2aの底面には、少なくとも一部の面が表示部1に向けて傾斜した傾斜面2dが設けられている。この傾斜面2dの存在により、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態において、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空いている。本実施形態において、第1間隔W1は、第1先端部2aの底面SUF2からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。一方、第2間隔W3は、第1先端部2aの底面SUF1からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。
【0030】
また、本実施形態の板状部材2の固定構造では、傾斜面2dにおける筐体4の外側寄りの辺は、ネジ5を第1挿通部2bに挿通した状態において、ネジ5の頭部における側端面5aよりも距離hだけ、筐体4の外側寄りに形成されている。これにより、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くことになる。そのため、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む(
図4の符号401で示す図の破線部分参照)。これにより、板状部材2と筐体4との締結後に板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0031】
〔実施形態3〕
次に、
図6に示すように、本実施形態の板状部材2の固定構造では、ネジ台座部4aと板状部材2との間に配置される基板3をさらに備えている。また、基板3における第1先端部2aの配置位置と対応する位置に配置される第2先端部3aには、ネジ5を挿通する第2挿通部3bが形成されている。また、第2先端部3aにおける第1先端部2aの底面の面SUF1と対向する対向面SUF3には、第2凸部3cが形成されている。第2凸部3cは、対向面SUF3における第2挿通部3bを基準として筐体4の外側寄りの面に設けられていている。この第2凸部3cの存在により、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態において第1間隔W1が第2間隔W2よりも空いている。本実施形態において、第1間隔W1は、第1先端部2aの底面SUF2からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。一方、第2間隔W3は、第2先端部3aの対向面SUF3からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。
【0032】
前記の構成によれば、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くことになる。そのため、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む。これにより、板状部材2と筐体4との締結後に
図6の矢印の下側に示す図のような状態になるため、板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0033】
〔実施形態4〕
次に、
図7に示すように、本実施形態の板状部材2の固定構造では、第1先端部2aの底面における第1挿通部2bを基準として筐体4の外側寄りの面SUF1には、第1凸部2eが設けられている。本実施形態の板状部材2の固定構造では、第1凸部2eの存在により、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態において第1間隔W1が第2間隔W2よりも空いている。本実施形態において、第1間隔W1は、第1先端部2aの底面SUF2からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。一方、第2間隔W3は、第1凸部2eの先端からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。
【0034】
前記の構成によれば、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くことになる。そのため、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む。これにより、板状部材2と筐体4との締結後に
図7の矢印の下側に示す図のような状態になるため、板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0035】
〔実施形態5〕
次に、
図8に示すように、本実施形態の板状部材2の固定構造では、ネジ台座部4aと板状部材2との間に配置される基板3をさらに備えている。また、基板3における第1先端部2aの配置位置と対応する位置に配置される第2先端部3aには、ネジ5を挿通する第2挿通部3bが形成されている。また、第2先端部3aにおける第1先端部2aの底面と対向する対向面SUF3(第2挿通部3bを基準として筐体4の中央寄りの面に対向する面)には、凹部3dが設けられている。この凹部3dは、前記対向面SUF3における第2挿通部3bを基準として筐体4の中央寄りの面に形成されている。この凹部3dの存在により、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態において第1間隔W1が第2間隔W2よりも空いている。
【0036】
本実施形態において、第1間隔W1は、第1先端部2aの底面と第2先端部3aの上面との間の空間の距離と、第2先端部3aの底面とネジ台座部4aの座面SUF4との間の空間の距離との総和である。一方、第2間隔は、第2先端部3aの底面とネジ台座部4aの座面SUF4との間の空間の距離である。
【0037】
なお、本実施形態では、「締結領域8における板状部材2とネジ台座部4aとの間隔」を、締結領域8における、板状部材2とネジ台座部4aとの間のいずれかの領域に形成される空間の距離の総和(以下、総和空間)としている。すなわち、本実施形態では、「第1間隔W1の方が第2間隔W2よりも空いている」ことを、第1間隔W1の方が第2間隔W2よりも総和空間が多く形成されていると捉えてもよい。
【0038】
前記構成によれば、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くことになる。そのため、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む(
図4の符号401で示す図の破線部分参照)。これにより、板状部材2と筐体4との締結後に板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0039】
〔実施形態6〕
次に、
図9に示すように、本実施形態の板状部材2の固定構造では、ネジ台座部4aの座面における筐体4の中央寄りの面は、筐体4の外側寄りの面よりも低くなっており、これら2つの面の高さの差が第2段差4bとなっている。
【0040】
この第2段差4bは、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態において第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くように形成されている。本実施形態において、第1間隔W1は、ネジ5の中心から見て筐体4の中央寄りの部分における、第1先端部2aの底面と、ネジ台座部4aの座面との間の距離である。一方、第2間隔W2は、ネジ5の中心から見て筐体4の外側寄りの部分における、第1先端部2aの底面と、ネジ台座部4aの座面との間の距離である。また、第2段差4bの境界は、ネジ5をネジ台座部4aのネジ孔に挿入した状態において、ネジ5の頭部における側端面5aよりも距離Lだけ筐体4の外側寄りに形成されている。
【0041】
前記構成によれば、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、第1間隔W1が第2間隔W2(本実施形態では、W2=0)よりも空くことになる。そのため、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む(
図4の符号401で示す図の破線部分参照)。これにより、板状部材2と筐体4との締結後に板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0042】
〔実施形態7〕
次に、
図10に示すように、本実施形態の板状部材2の固定構造では、第1先端部2aは、金属材料で形成されている。また、第1先端部2aは、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態において第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くように、表示部1に向けて傾斜している。本実施形態において第1間隔W1および第2間隔W2のそれぞれは、第1先端部2aの底面(面SUF1または面SUF2)からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。
【0043】
前記構成によれば、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くことになる。そのため、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む。これにより、板状部材2と筐体4との締結後には、
図10の矢印の下の図に示す状態になるため、板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0044】
〔実施形態8〕
次に、
図11に示すように、本実施形態の板状部材2の固定構造では、第1先端部2aは、金属材料で形成されている。また、本実施形態の板状部材2の固定構造では、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態において第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くように、第1先端部2aの先端2fが表示部1側と反対側に折り曲げられている。本実施形態において第1間隔W1および第2間隔W2のそれぞれは、第1先端部2aの底面(面SUF1または面SUF2)からネジ台座部4aの座面SUF4までの距離である。
【0045】
前記構成によれば、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結される前の状態では、第1間隔W1が第2間隔W2よりも空くことになる。そのため、ネジ5によって板状部材2と筐体4とが締結されることにより、板状部材2の内側に向かうほど板状部材2がネジ台座部4a側により沈み込む。これにより、板状部材2と筐体4との締結後には、
図11の矢印の下の図に示す状態になるため、板状部材2と表示部1とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0046】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る板状部材(2)の固定構造は、電子機器(スマートフォン10)の筐体(4)と、前記筐体の内部に配置される板状部材と、を備え、前記筐体は、該筐体と前記板状部材とをネジで締結するネジ台座部(4a)を有しており、前記板状部材は、該板状部材よりも前記筐体の外側寄りに配置された前記電子機器の部品(表示部1)と離間しており、かつ、端部付近に前記ネジを挿通する第1挿通部(2b)が形成された第1先端部(2a)を有しており、少なくとも前記第1先端部と前記ネジ台座部とから構成される締結領域において、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態では、前記締結領域における前記板状部材と前記ネジ台座部との間隔について、前記締結領域における前記筐体の中央寄りの部分の第1間隔(W1)が、前記締結領域における前記筐体の外側寄りの部分の第2間隔(W2)よりも空いている構成である。
【0047】
前記の構成によれば、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、締結領域における板状部材とネジ台座部との間隔について、第1間隔が第2間隔よりも空いている。そのため、ネジによって板状部材と筐体とが締結されることにより、板状部材の内側に向かうほど板状部材がネジ台座部側により沈み込む。したがって、板状部材と部品との間のスペースを広く取ることなく、あるいは板状部材の厚さを厚くして板状部材の剛性を向上させることなく、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。以上のことから、電子機器の薄型化・軽量化、および板状部材を選定する際の自由度の向上を実現しつつ、板状部材と部品との近接または接触による部品の動作不良を防ぐことができる。
【0048】
本発明の態様2に係る板状部材(2)の固定構造は、前記態様1において、前記第1先端部(2a)の底面には、第1段差(2c)が、前記ネジ(5)によって前記板状部材と前記筐体(4)とが締結される前の状態において前記第1間隔(W1)が前記第2間隔(W2)よりも空くように設けられており、前記第1段差の境界(B)は、前記ネジを前記第1挿通部(2b)に挿通した状態において、前記ネジの頭部における前記端部側の側端面(5a)よりも前記筐体の外側寄りに形成されていても良い。
【0049】
前記の構成によれば、第1先端部の底面に設けられ、かつ、境界が所定位置に形成された第1段差により、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、第1間隔が第2間隔よりも空くことになる。そのため、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0050】
本発明の態様3に係る板状部材(2)の固定構造は、前記態様1において、前記第1先端部(2a)の底面は、前記ネジ(5)によって前記板状部材と前記筐体(4)とが締結される前の状態において前記第1間隔(W1)が前記第2間隔(W2)よりも空くように、少なくとも一部の面が前記部品(表示部1)に向けて傾斜した傾斜面(2d)となっており、前記傾斜面における前記筐体の外側寄りの辺は、前記ネジを前記第1挿通部(2b)に挿通した状態において、前記ネジの頭部における前記端部側の側端面(5a)よりも前記筐体の外側寄りに形成されていても良い。
【0051】
前記の構成によれば、第1先端部における底面の少なくとも一部が傾斜面となっており、かつ、傾斜面における筐体の外側寄りの辺が所定位置に形成されていることにより、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、第1間隔が第2間隔よりも空くことになる。そのため、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0052】
本発明の態様4に係る板状部材(2)の固定構造は、前記態様1~3の何れかにおいて、前記第1先端部(2a)の底面における前記第1挿通部(2b)を基準として前記筐体(4)の外側寄りの面には、第1凸部(2e)が、前記ネジ(5)によって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔(W1)が前記第2間隔(W2)よりも空くように設けられていても良い。
【0053】
前記の構成によれば、第1先端部の底面における第1挿通部を基準として筐体の外側寄りの面に第1凸部が設けられていることにより、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、第1間隔が第2間隔よりも空くことになる。そのため、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0054】
本発明の態様5に係る板状部材(2)の固定構造は、前記態様1~3の何れかにおいて、前記ネジ台座部(4a)と前記板状部材との間に配置される基板(3)をさらに備え、前記基板における前記第1先端部の配置位置と対応する位置に配置される第2先端部(3a)には、前記ネジ(5)を挿通する第2挿通部(3b)が形成されており、前記第2先端部における前記第1先端部の底面と対向する対向面には、第2凸部(3c)が、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔(W1)が前記第2間隔(W2)よりも空くように、前記対向面における前記第2挿通部を基準として前記筐体の外側寄りの面に設けられていても良い。
【0055】
前記の構成によれば、第2先端部の対向面における第2挿通部を基準として筐体の外側寄りの面に第2凸部が設けられていることにより、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、第1間隔が第2間隔よりも空くことになる。そのため、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0056】
本発明の態様6に係る板状部材(2)の固定構造は、前記態様1~5の何れかにおいて、前記ネジ台座部(4a)と前記板状部材との間に配置される基板(3)をさらに備え、前記基板における前記第1先端部(2a)の配置位置と対応する位置に配置される第2先端部(3a)には、前記ネジ(5)を挿通する第2挿通部(3b)が形成されており、前記第2先端部における前記第1先端部の底面と対向する対向面には、凹部(3d)が、前記ネジによって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔(W1)が前記第2間隔(W2)よりも空くように、前記対向面における前記第2挿通部を基準として前記筐体の中央寄りの面に形成されていても良い。
【0057】
前記構成によれば、第2先端部の対向面における第2挿通部を基準として筐体の中央寄りの面に凹部が設けられていることにより、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、第1間隔が第2間隔よりも空くことになる。そのため、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0058】
本発明の態様7に係る板状部材(2)の固定構造は、前記態様1~4の何れかにおいて、前記ネジ台座部(4a)の座面における前記筐体(4)の中央寄りの面には、第2段差(4b)が、前記ネジ(5)によって前記板状部材と前記筐体とが締結される前の状態において前記第1間隔(W1)が前記第2間隔(W2)よりも空くように形成されており、前記第2段差の境界は、前記ネジを前記ネジ台座部のネジ孔に挿入した状態において、前記ネジの頭部における前記端部側の側端面(5a)よりも前記筐体の外側寄りに形成されていても良い。
【0059】
前記構成によれば、ネジ台座部の座面における筐体の中央寄りの面に設けられ、かつ、境界が所定位置に形成された第2段差により、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、第1間隔が第2間隔よりも空くことになる。そのため、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0060】
本発明の態様8に係る板状部材(2)の固定構造は、前記態様1において、前記第1先端部(2a)は、金属材料で形成され、かつ、前記ネジ(5)によって前記板状部材と前記筐体(4)とが締結される前の状態において前記第1間隔(W1)が前記第2間隔(W2)よりも空くように、前記部品(表示部1)に向けて傾斜していても良い。
【0061】
前記構成によれば、第1先端部が金属材料で形成され、かつ、部品に向けて傾斜していることにより、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、第1間隔が第2間隔よりも空くことになる。そのため、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0062】
本発明の態様9に係る板状部材(2)の固定構造は、前記態様1において、前記第1先端部(2a)は、金属材料で形成されており、かつ、前記ネジ(5)によって前記板状部材と前記筐体(4)とが締結される前の状態において前記第1間隔(W1)が前記第2間隔(W2)よりも空くように、先端(2f)が前記部品(表示部1)側と反対側に折り曲げられていても良い。
【0063】
前記構成によれば、第1先端部が金属材料で形成され、かつ、先端が部品側と反対側に折り曲げていることにより、ネジによって板状部材と筐体とが締結される前の状態では、第1間隔が第2間隔よりも空くことになる。そのため、板状部材と筐体との締結後に板状部材と部品とが近接または接触するのを防ぐことができる。
【0064】
本発明の態様10に係る電子機器(スマートフォン10)は、前記態様1~9の何れかの板状部材(2)の固定構造を有することが好ましい。前記構成によれば、前記態様1と同様の効果を得ることができる。
【0065】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 表示部(部品)
2 板状部材
2a 第1先端部
2b 第1挿通部
2c 第1段差
2d 傾斜面
2e 第1凸部
2f 先端
3 基板
3a 第2先端部
3b 第2挿通部
3c 第2凸部
3d 凹部
4 筐体
4a ネジ台座部
5 ネジ
5a 側端面
6 各種部品
10 スマートフォン(電子機器)
B 境界
h 距離
H 距離
L 距離
SUF1,SUF2 面
SUF3 対向面
SUF4 座面
W1 第1間隔
W2 第2間隔