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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】解剖学教材用バルーン模型
(51)【国際特許分類】
   G09B 23/32 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
G09B23/32
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019182558
(22)【出願日】2019-10-03
(62)【分割の表示】P 2019009519の分割
【原出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2020118954
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】519025541
【氏名又は名称】佐藤 和樹
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】弁理士法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和樹
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-126490(JP,A)
【文献】特開2007-127708(JP,A)
【文献】実開平04-129175(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0121430(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0090030(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0105316(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0270832(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0092156(US,A1)
【文献】中国実用新案第203225050(CN,U)
【文献】製品紹介,Visible [online],2016年6月22日時点のウェブアーカイブ,2016年06月22日,https://web.archive.org/web/20160622135601/http://www.medicalillustration.jp/visible/product.html,2019年6月13日検索
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00
G09B 23/28-23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の臓器、又は組成物の形状に成型された中空の本体部と、
前記本体部の一部に接続された給気部と、を備え、
前記本体部の表面には、前記臓器、又は組成物の様子と、前記臓器、又は組成物の各部の名称に係る文字が印刷されており、
前記本体部には、前記給気部を介して給気され、
前記本体部は、医学的な単位で区分けされる主部と複数の副部からなり、
前記各副部は前記主部に脱着可能であ
解剖学教材用バルーン模型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医療現場等において、インフォームドコンセント等の際に用いられる身体の各種部位を模った解剖学教材用バルーン模型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療行為について、患者の病状、治療目的、治療方法、及び想定される結果等について、患者が説明を十分に受けた上で、それに同意する、所謂インフォームドコンセントが医療現場においても重要視されている。それを受けて、医師等は、医療現場において、眼球や臓器等の木製或はプラスチック製等の膨縮不可の医療用模型を用いて、患者に対してインフォームドコンセントを行うことも多い。
【0003】
この種の模型については、例えば、特許文献1では、分解組立自在な眼球模型に組込まれた水晶体模型において、内部を空洞に形成した凸レンズ状の透明眼殻の正面又は背面に切開孔部を開設し、当該切開孔部より内部に眼内レンズ模型を挿入設定し、当該切開孔部を開閉自在に閉じることにより、眼内レンズ模型を人間の水晶体と同様に装着自在に構成したことを特徴とする水晶体模型が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平5-96865
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたものは、膨縮自在に構成されていないので、医療現場で医師から患者への症例説明の際には膨らませて大きくし、患者が家族への説明の為に家庭に持ち帰る際には収縮させて小さくすることはできなかった。また、眼球の各部の名称を患者に提示したり、患部を特定するために模型表面にマーキングしたりすることは想定されていなかった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、膨縮自在で、医師等から患者への症例説明等の際には膨らませて大きくし、患者が持ち帰る際には収縮させて小さくして携帯を用意ならしめるもので、インフォームドコンセント等に好適な解剖学教材用バルーン模型を提供することにある。
【0007】
また、医学・歯学・薬学等の教育において、学生が授業等に携行し膨らませ、収縮させて簡便に運搬できることによって、常時、臓器や体組成分の立体的な理解をたすけることにも好適な解剖学教材用バルーン模型を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一つの態様に係る解剖学教材用バルーン模型は、生体の臓器、又は組成物の形状に成型された中空の本体部と、前記本体部の一部に接続された給気部と、を備え、前記本体部の表面には、前記臓器、又は組成物の様子と、前記臓器、又は組成物の各部の名称に係る文字が印刷されており、前記本体部には、前記給気部を介して給気され、前記本体部は、医学的な単位で区分けされる主部と複数の副部からなり、前記各副部は前記主部に脱着可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、膨縮自在で、医師等から患者への症例説明等の際には膨らませて大きくし、患者が持ち帰る際には収縮させて小さくして携帯を用意ならしめるもので、インフォームドコンセント等に好適な解剖学教材用バルーン模型を提供することができる。
【0013】
また、医学・歯学・薬学等の教育において、学生が授業等に携行し膨らませ、収縮させて簡便に運搬できることによって、常時、臓器や体組成分の立体的な理解をたすけることにも好適な解剖学教材用バルーン模型を提供することにもある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型の構成図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型の構成図である。
図3】本発明の第3実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型の構成図である。
図4】本発明の第4実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0016】
本発明の実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型は、バルーンを、眼球、心臓、又は肝臓等の臓器等の形状に成型したものである。尚、この解剖学教材用バルーン模型は、対患者説明用のほか、医学、歯学、及び薬学等における教育用のバルーン模型としても利用可能である。
【0017】
この解剖学教材用バルーン模型において、動脈や静脈などの血管、その他骨格、神経、筋肉などの体組成物が各臓器に付随してバルーンとして完成させることが解剖学上の説明や患者の理解促進等に資する目的を果たす上で望ましい場合、そのような体組成物を、各臓器の立体形状の一部として、バルーン自体の成型時に、一体的且つ立体的に作り込む。
【0018】
なお、ソフトビニール(塩化ビニルモノマーを金型に流して過熱して重合して得られる中空の成形品)を用いて製造する臓器・組成物としてもよい。
【0019】
以下、本発明の第1乃至第4実施形態について詳述する。
【0020】
<第1実施形態>
【0021】
図1には、本発明の第1実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型の構成を示し説明する。より詳細には、図1では、当該解剖学教材用バルーン模型を開いた状態を示している。第1実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型は、眼球を形作ったものである。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型1は、半球形状で中空の第1本体部2と第2本体部3とを有している。第1本体部2と第2本体部3とは、連通部7を介して連通している。第1本体部2には、視神経を印刷した中空の突出部4が接続されており、突出部4には、給気部6が接続されている。
【0023】
給気部6は、開口部を備えた給気部本体6aと、当該給気部本体6aと屈曲部6cを介して接続される蓋部6bとで構成されている。蓋部6bには、突出部があり、当該突出部は、給気部本体6aの開口部に嵌合するようになっている。第2本体部3にも、視神経を印刷した中空の突出部4が接続されている。
【0024】
第1本体部2の断面には、例えば、視神経や水晶体、虹彩、角膜等の断面の様子が印刷されており、周面には、角膜や強膜など、眼球の外観が印刷されている。同様に、第2本体部3の断面にも、視神経や水晶体、虹彩、角膜等の断面の様子が印刷されており、周面には、角膜や強膜など、眼球の外観が印刷されている。図示を省略したが、眼球の断面や周面の印刷時に、各部の名称を併せて文字で印刷するようにしている。
【0025】
このような構成において、給気部6の蓋部6bの給気部本体6aの開口部に対する嵌合を外し、当該給気部6より給気すると、突出部4を介して第1本体部2に空気が送り込まれ、当該第1本体部2が膨張する。そして、第1本体部2に送り込まれた空気は、連通部7を介して、第2本体部3にも送り込まれ、当該第2本体部3も膨張し、図1に示すような状態となる。一方、排気するときには、給気部6を開いて、当該給気部6から第1本体部2、及び第2本体部3の内部の空気を排気すれば、収縮する。
【0026】
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型によれば、眼球の各部位を立体的に造形し、各部位にはその名称を印刷しているので、インフォームドコンセント、或は、医学等の教育等において、患者の疾患部位をマーキングするなど特定して、明確に示すことが可能となる。しかも、開閉自在に構成されているので、眼球の内部構造も明確に特定することが可能である。さらに、使用時には膨らませて大きさサイズで用いることができるとともに、家庭への説明の為に患者が持ち帰るときには、収縮させることができるので、携帯性、及び利便性も良好である。
<第2実施形態>
【0027】
図2には、本発明の第2実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型の構成を示し説明する。第2実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型は、眼球を形作ったものである。
【0028】
図2に示されるように、本実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型10は、基本的には球形で、その一部を切り欠いた形状の本体部11を有し、当該本体11の切り欠いた部分は平面部12となっている。平面部12には、眼球の切り欠いた部分の内部構造が印刷されており、本体部11の一部は、眼球の角膜を形作るように突出した形状の突出部13となっている。さらに、本体部11の一部は、網膜、脈絡膜、強膜の積層構造を明確にするために形作られた段差部14となっている。
【0029】
本体部11の下方には、給気部15が設けられている。給気部15は、開口部を備えた給気部本体15aと、当該給気部本体15aと屈曲部15cを介して接続される蓋部15bとで構成されている。蓋部15bには、突出部があり、当該突出部は、給気部本体15aの開口部に嵌合するようになっている。
【0030】
本体部11の周面及び平面部12の平面には、例えば、視神経や水晶体、虹彩、角膜等の各部の様子が印刷されている。そして、眼球の断面や周面の印刷時に、各部の名称を併せて文字で印刷するようにしている。
【0031】
このような構成において、給気部15の蓋部15bの給気部本体15aの開口部に対する嵌合を外し、当該給気部15より給気すると、本体部11に空気が送り込まれ、当該本体部11が膨張し、図2に示すような状態となる。一方、排気するときには、給気部15を開いて、当該給気部15から本体部11の内部の空気を排気すれば、収縮する。
【0032】
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型によれば、眼球の各部位を立体的に造形し、各部位にはその名称を印刷しているので、インフォームドコンセント等において、患者の疾患部位をマーキングするなど特定して、明確に示すことが可能となる。しかも、眼球の内部構造も明確に特定することが可能である。さらに、使用時には膨らませて大きさサイズで用い、家庭への説明の為に患者が持ち帰るときには、収縮させることができるので、携帯性、及び利便性が良好である。
【0033】
<第3実施形態>
【0034】
図3(a)、及び図3(b)には、本発明の第3実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型の構成を示し説明する。より詳細には、図3(a)は同模型を閉じたい状態を示しており、図3(b)は同模型を開いた状態を示している。この第3実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型は、心臓を形作ったものである。
【0035】
図3(a)、及び図3(b)に示されるように、本実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型20は、本体部21(第1本体部21A、第2本体部21B)を有しており、当該第1本体部21Aは、大動脈を模った第1突出部22、肺動脈を模った第2突出部23、及び上大静脈を模った第3突出部24と接続されている。
【0036】
第1本体部21Aは、連通部26を介して第2本体部21Bと接続されている。第1本体部21Aの内部は、実際の臓器の形状に従って解剖上の形状、起伏の通りに形成されており、断面が平面で形成される際には、その平面には心臓の内部構造が印刷されている。
【0037】
第2本体部21Bの一方の内部は、実際の臓器の形状に従って解剖上の形状、起伏の通りに形成されており、断面が平面で形成される際には、その平面には心臓の外観が印刷されている。第2本体部21Bの他方の内部は、実際の臓器の形状に従って解剖上の形状、起伏の通りに形成されており、断面が平面で形成される際には、その平面には心臓の内部構造が印刷されている。この各部の様子を印刷するときに、例えば右冠静脈、回旋枝、辺縁枝、大動脈、上大静脈、肺動脈等といった各部の名称を意味する文字も併せて印刷している。
【0038】
第3突出部24には、給気部25が接続されている。給気部25は、開口部を備えた給気部本体25aと、当該給気部本体25aと屈曲部25cを介して接続される蓋部25bとで構成されている。蓋部25bには、突出部があり、当該突出部は、給気部本体25aの開口部に嵌合するようになっている。第2本体部21Bは、連通部26を介して、第1本体部21Aに対して開閉自在となっている。
【0039】
このような構成において、給気部25の蓋部25bの給気部本体25aの開口部に対する嵌合を外し、当該給気部25より給気すると、第3突出部24が膨張し、第3突出部24を介して第1本体部21A、第1突出部22、第2突出部23に空気が送り込まれ、これら各部も膨張する。第1本体部21Aに送り込まれた空気は、連通部26を介して、第2本体部21Bにも送り込まれ、当該第2本体部21Bも膨張し、図3に示される状態となる。一方、排気するときには、給気部25を開いて、当該給気部25から第1本体部21A、及び第2本体部21Bの内部の空気を排気すれば、収縮する。
【0040】
以上説明したように、本発明の第3実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型によれば、心臓の各部位を立体的に造形し、各部位にはその名称を印刷しているので、インフォームドコンセント等において、患者の疾患部位をマーキングするなど特定して、明確に示すことが可能となる。しかも、その一部が開閉自在に構成されているので、心臓の内部構造も明確に特定することが可能であり、医師のインフォームドコンセントの負担を軽減しつつ、患者等の疾患に関する理解促進やヘルスリテラシーの向上にも資する。さらに、使用時には膨らませて大きさサイズで用い、家庭への説明の為に患者が持ち帰るときには、収縮させることができるので、携帯性、及び利便性が良好である。
【0041】
<第4実施形態>
【0042】
図4(a)及び図4(b)には、本発明の第4実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型の構成を示し説明する。より詳細には、図4(a)は、同模型の展開前の様子を示し、図4(b)は、同模型の各部を展開した様子を示している。この第4実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型は、肝臓を模ったものとなっている。
【0043】
図4(a)、及び図4(b)に示されるように、下大動脈を模った主部としての第1突出部31と、腹大動脈を模った第2突出部32を有する。第1突出部31は、右葉を模った第1本体部33と、左葉を模った第2本体部34とに接続されている。
【0044】
第1本体部33は、医学的な単位S4乃至S8に基づき5つの副部に分離可能となっている。この場合も、各部は第1突出部31と連通している。これと同様に、第2本体部34も医学的な単位S2、S3に基づく2つの副部に分離可能となっている。この場合も同様に、各部は第1突出部31と連通している。第1本体部33の分離された各部は、面ファスナー36により脱着可能となっている。同様に、第2本体部34の分離された各部も面ファスナー36により脱着可能となっている。
【0045】
同図では、図示を簡略化しているが、各部には、肝臓の外部、内部構造が印刷されており、併せて、右葉、左葉、横隔膜、下大動脈、腹大動脈、肝鎌状間膜等といった各部の名称も文字で印刷されている。
【0046】
第1突出部31には、給気部35が接続されている。給気部35は、開口部を備えた給気部本体35aと、当該給気部本体35aと屈曲部35cを介して接続される蓋部35bとで構成されている。蓋部35bには、突出部があり、当該突出部は、給気部本体35aの開口部に嵌合するようになっている。
【0047】
このような構成において、給気部35の蓋部35bの給気部本体35aの開口部に対する嵌合を外し、当該給気部35より給気すると、第1突出部31が膨張し、第1本体部33、第2本体部34に空気が送り込まれ、これら各部も膨張し、図4(a)、図4(b)に示される状態となる。一方、排気するときには、給気部35を開いて、当該給気部35から第1本体部33、及び第2本体部34の内部の空気を排気すれば、収縮する。
【0048】
以上説明したように、本発明の第4実施形態に係る解剖学教材用バルーン模型によれば、肝臓の各部位を立体的に造形し、各部位にはその名称を印刷しているので、インフォームドコンセント等において、患者の疾患部位をマーキングするなど特定して、明確に示すことが可能となる。しかも、医学的な単位で分離可能に構成されているので、明確に分離された単位で疾患部位を特定することができる。さらに、使用時には膨らませて大きさサイズで用い、家庭への説明の為に患者が持ち帰るときには、収縮させることができるので、携帯性、及び利便性が良好である。
【0049】
以上の第1乃至第4実施形態では、眼球、心臓、肝臓を模った解剖学教材用バルーン模型を例示したが、本発明は、以下のような人間の臓器、組成物を模ることが可能である。
【0050】
1.頭頚部 : 脳(大脳や小脳を含むすべての組織)、口腔(歯、舌、口腔構造の全てでよい)、鼻及び内部構造、耳及び内部構造、眼球、顔面、体表(皮膚の表層構造と一体的に)、毛髪(毛根、皮膚と一体形成でよい)等
2.胸腹部 : 咽頭、甲状腺、食道、気管、肺(状況に応じて気管・気管支と一体形成でよい)、心臓、肝臓、膵臓、胆嚢(胆管含む)、横隔膜、腎臓(腎盂、尿管含む)、消化管(胃や十二指腸、小腸、結腸、大腸、直腸など全ての部位)、膀胱(尿管・尿路・排泄器官と一体となる場合あり)、性器(男性器(陰茎・精巣・精管と一体形成でよい)・女性器)、子宮(膣・子宮頸と一体形成でよい)、卵巣(卵管・子宮と一体形成でよい)、肛門(直腸と一体形成でよい)、脊髄、乳房およびその周辺組織、リンパ節等
3.骨格系 : 全身の全ての骨格
4.筋肉系 : 全身の全ての筋肉
5.血管系 : 全身の全ての動脈・静脈・毛細血管
6.神経系 : 全身の全ての神経
7.免疫系 : 免疫システムに係る全ての組成物
8.内分泌系 : 内分泌に係る全ての組成物
9.細胞系 : 体の組成に係る全ての細胞
10.その他 : 体組成に係る全ての組成物(精子、卵子、腱、汗の組成物、唾液の組成物、涙の組成物、爪等)
【0051】
また、人間の臓器・組成物に限定されず、他の動物・昆虫の組成物を模ることも可能であることは勿論である。
【0052】
第1乃至第4実施形態に係る医療用バルーン模型は、軟質PVC樹脂等を成型することで製造することが可能である。このほか、和紙等で製造してもよいことは勿論である。
【0053】
以上、本発明の第1乃至第4実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0054】
例えば、上記実施形態では、眼球、心臓、肝臓の各医用用バルーン模型をそれぞれ例示したが、適用範囲はこれらに限定されず、身体の各種部位を形作ることができる。
【0055】
さらに、上記実施形態では、各部の名称をバルーンの表面に印字する例を示したが、これに限定されず、名称を記した札を説明部位の近くに貼り付けるようにしてもよい。
【0056】
また、ソフトビニール(塩化ビニルモノマーを金型に流して過熱して重合して得られる中空の成形品)を用いて臓器や体組成物を成型した解剖学教材用模型としてもよい。
【0057】
なお、本発明には以下の態様が含まれる。
(1)生体の臓器、又は組成物の形状に成型された中空の本体部と、
前記本体部の一部に接続された給気部と、を備え、
前記本体部の表面には、前記臓器、又は組成物の様子と、前記臓器、又は組成物の各部の名称に係る文字が印刷されており、
前記本体部には、前記給気部を介して給気される
解剖学教材用バルーン模型。
(2)前記本体部は、第1本体部と第2本体部からなり、
前記第2本体部は、前記第1本体部と連通部を介して通気可能に接続されており、
前記第2本体部は、前記連通部を介して、前記第1本体部に対して開閉可能である
上記(1)に記載の解剖学教材用バルーン模型。
(3)前記本体部は、医学的な単位で区分けされる主部と複数の副部からなり、
前記各副部は面ファスナーにより脱着可能であり、
前記各副部は前記主部を介して通気可能に連通している
上記(1)に記載の解剖学教材用バルーン模型。
(4)前記生体の臓器とは、眼球であり、
前記本体部は、眼球を構成する膜の積層構造を明示するための段差部を有する
上記(1)に記載の解剖学教材用バルーン模型。
【符号の説明】
【0058】
1…解剖学教材用バルーン模型
2…第1本体部
3…第2本体部
4…第1突出部
5…第2突出部
6…給気部
7…連通部。
図1
図2
図3
図4