(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】ブラジャー
(51)【国際特許分類】
A41C 3/12 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
A41C3/12 C
A41C3/12 Z
(21)【出願番号】P 2020066590
(22)【出願日】2020-04-02
(62)【分割の表示】P 2019542744の分割
【原出願日】2018-05-21
【審査請求日】2021-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000310
【氏名又は名称】株式会社アシックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】瀧井 靖歩
(72)【発明者】
【氏名】森 洋人
(72)【発明者】
【氏名】角 奈那子
(72)【発明者】
【氏名】松島 ゆか
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-145541(JP,A)
【文献】特開2013-234394(JP,A)
【文献】特開2010-180509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の胸部に配される胸サポート部と、前記胸サポート部の側端に接続され、体側から背部にかけて配される体側サポート部とを備えるブラジャーにおいて、
前記体側サポート部は、丈方向における伸縮性が周囲方向よりも高い下サポート部、および前記下サポート部の上側に形成される上サポート部を有し、前記上サポート部の丈方向における伸縮性が前記胸サポート部および前記下サポート部よりも高いことを特徴とするブラジャー。
【請求項2】
前記体側サポート部は、丈方向よりも周囲方向に幅の広い複数の孔部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー。
【請求項3】
前記胸サポート部の側端は、バージスラインに沿うように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブラジャー。
【請求項4】
着用者の背中に配される背サポート部を備え、
前記背サポート部は、背中側において前記体側サポート部の間に設けられ、丈方向の伸縮性が前記体側サポート部よりも低いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のブラジャー。
【請求項5】
前記胸サポート部は胸部前側の中央で左右に分かれて形成されており、
胸部前側の中央において、左右の前記胸サポート部に接続される前側連結部が配されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のブラジャー。
【請求項6】
前記胸サポート部の胸部前側の中央上部において中央へ向かうにつれて下がる傾斜線で囲まれる領域に生地を配し、
前記生地の丈方向における伸縮性が胸サポート部の丈方向における伸縮性よりも高いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のブラジャー。
【請求項7】
前記胸サポート部は、伸縮性が異なる生地を少なくとも二枚重ねてあることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のブラジャー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラジャーは、胸部に着用され、乳房を覆って保護するとともに、乳房を適度に保持して着用者の動作を補助する。
【0003】
例えば、特許文献1には、胸カップ部、胸カップ部の上部に位置する上サポート部、および胸カップ部の下部に位置する下サポート部を形成する第1生地層を少なくとも備えるブラジャーが開示されている。ブラジャーは、上サポート部に第1多孔部を、下サポート部に第2多孔部を有し、通気性や柔軟性を有するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2016/0360801号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたブラジャーは、上サポート部および下サポート部において通気性や柔軟性を有するものの、着用者の体側に関しては考慮されていない。例えば、着用者が腕上げ動作をする際に、胸部における脇下の体側の皮膚は大きく伸びる。ブラジャーは、胸部に適度な着圧を生じることによって着用感を与える一方、体側における皮膚の伸縮に追従していないと、体側において皮膚の動きを阻害して運動の妨げとなったり、皮膚とのずれが生じたりするという問題点があった。
【0006】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、着用者が腕上げ動作をした時に、体側における皮膚の伸びに対する阻害を低減することができるブラジャーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様はブラジャーである。ブラジャーは、着用者の胸部に配される胸サポート部と、前記胸サポート部の側端に接続され、体側から背部にかけて配される体側サポート部とを備えるブラジャーにおいて、前記体側サポート部は、丈方向における伸縮性が周囲方向よりも高い下サポート部、および前記下サポート部の上側に形成される上サポート部を有し、前記上サポート部の丈方向における伸縮性が前記胸サポート部および前記下サポート部よりも高いことを特徴とする。
他の態様によるブラジャーは、着用者の胸部に配される胸サポート部と、前記胸サポート部の側端に接続され、体側から背部にかけて配される体側サポート部とを備えるブラジャーにおいて、前記体側サポート部は、丈方向における伸縮性が周囲方向よりも高く、丈方向よりも周囲方向に幅の広い複数の孔部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
また別の態様のブラジャーは、着用者の胸部に配される胸サポート部と、前記胸サポート部の側端に接続され、体側から背部にかけて配される体側サポート部とを備えるブラジャーにおいて、前記胸サポート部の側端の少なくとも一部がバージスラインの内側に形成され、前記体側サポート部がバージスライン下側にかけて設けられており、前記体側サポート部の丈方向における伸縮性が、前記胸サポート部よりも高いことを特徴とする。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ブラジャーは、着用者が腕上げ動作をした時に、体側における皮膚の伸びに対する阻害を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係るブラジャーを示す正面図である。
【
図2】
図2(a)はブラジャーの背面図、
図2(b)はブラジャーの側面図である。
【
図3】
図3(a)は無縫製とした場合のブラジャーの正面図、
図3(b)は無縫製とした場合のブラジャーの背面図である。
【
図4】各部に用いられる編み組織の丈方向の伸縮性を示すグラフである。
【
図5】各部に用いられる編み組織の周囲方向の伸縮性を示すグラフである。
【
図6】各部に対応する編み組織および伸縮性の高低を示す図表である。
【
図7】
図7(a)は変形例に係るブラジャーの正面図、
図7(b)はブラジャーの背面図である。
【
図8】
図8(a)は別の変形例に係るブラジャーの正面図、
図8(b)はブラジャーの背面図である。
【
図9】実施形態2に係るブラジャーを示す正面図である。
【
図12】
図12(a)~(d)は、バージスラインL等について説明するための模式図である。
【
図13】材料Fおよび材料Gの丈方向および周囲方向の伸縮性を示すグラフである。
【
図16】
図16(a)および
図16(b)は、更に別の変形例に係るブラジャーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに
図1から
図16を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0013】
(実施形態1)
図1は実施形態1に係るブラジャー100を示す正面図であり、
図2(a)はブラジャー100の背面図、
図2(b)はブラジャー100の側面図である。ブラジャー100は、胸サポート部1、ベルト部2、体側サポート部3、背サポート部4および肩ストラップ部5を有する。胸サポート部1および背サポート部4は、上部において肩ストラップ部5によって接続されており、下部において胸部前側から背中にかけて胸部を一周するベルト部2に接続されている。ブラジャー100は、例えば着用者が身体を動かして体操やヨガなどのトレーニングを行う際に、着用者の胸部にフィットして身体を動かし易くするとともに、着用者の胸部でのズレを抑制する。
【0014】
胸サポート部1、ベルト部2、背サポート部4および肩ストラップ部5は、丈方向における伸縮性が低く、乳房の丈方向における保持性を良くしてある。ベルト部2は、周方向にも伸縮性が低く、着用時にアンダーバストにおける着圧が大きく、ブラジャー100の胸部におけるズレが抑制されることが好ましい。胸サポート部1、背サポート部4および肩ストラップ部5における丈方向の伸縮性も、ベルト部2と同様に低く設定されていることで、乳房の丈方向における保持性が良くなる。
【0015】
体側サポート部3は、丈方向における伸縮性が周囲方向よりも高く、着用者が腕上げ動作をした際に、脇下の体側における皮膚の伸びに対する阻害を低減する。また、体側サポート部3は、上下二段構成とし、下サポート部31の丈方向における伸縮性を上サポート部32よりも低くすることで、体側における胸サポート部1の側端11とベルト部2の結合を高めてブラジャー100の形状安定性を高めるとともに、乳房の保持性を確保する。
【0016】
ブラジャー100の各部における生地が一体的に織り込まれる無縫製であってもよいし、一部または全ての各パーツが相互に縫製されるものであってもよい。
図3(a)は無縫製とした場合のブラジャー100の正面図、
図3(b)は無縫製とした場合のブラジャー100の背面図である。
図3(a)および
図3(b)に示すように、ブラジャー100の表面には縫い目や、生地と生地の合せが視認できない。ブラジャー100は、胸サポート部1、ベルト部2、体側サポート部3、背サポート部4および肩ストラップ部5等の各部が占める領域において、生地の織り込み方や、繊維の方向、使用する繊維量等の違い、さらには樹脂等の繊維への塗布等によって、丈方向および周囲方向の伸縮性に差異が設けられている。
【0017】
図1に戻り、胸サポート部1は、着用者の胸部における乳房の下部から上部を包むように配されており、胸部前側に向けて膨らんだ立体的形状を有する。胸サポート部1の形状および大きさは、乳房の大きさや形状のバリエーションに対応し、乳房が存在する範囲内における着圧の高低差が抑制されたものとすることが好ましい。胸サポート部1の下側は、ベルト部2に接続されている。胸サポート部1と、その周辺領域との境界線(側端11を含む)は、バージスラインに沿って形成されており、乳房のバージスライン上を含むバージスライン付近、またはバージスラインの内側または外側に形成されている。尚、バージスラインとは、乳房の付け根のラインを意味する。
【0018】
ベルト部2は、胸サポート部1の下部に接続され、胸部前側から背中にかけて胸部を一周する細長い帯状である。胸部前側の中央において、ベルト部2と胸サポート部1とで囲まれる三角形状の領域には、前側連結部6が形成されており、前側連結部6によって、胸サポート部1の中央下部とベルト部2の中央が連結されている。ベルト部2は、体側および背中側において、上部に体側サポート部3が接続されている。
【0019】
体側サポート部3は、胸サポート部1の側端11に一端側が接続され、脇下の体側から背中側にかけて配されている。体側サポート部3の下部は、ベルト部2に接続されている。体側サポート部3の他端側は、背サポート部4に接続されている。体側サポート部3は、体側から背中の中央に向かって延び、背中の中央側が下がる傾斜線35において背サポート部4に接続されている。下サポート部31と上サポート部32との境界線は、体側におけるブラジャー100のサイド高さSの半分より下に含まれる。
【0020】
体側サポート部3は、下サポート部31および上サポート部32の上下二段構成とし、下サポート部31の下部がベルト部2に接続され、下サポート部31の上部に上サポート部32が接続されている。上サポート部32には、周囲方向に幅が広い複数の孔部32aが形成されている。
【0021】
背サポート部4は、Y字状をなし、上部において肩ストラップ部5に接続され、下部においてベルト部2および体側サポート部3に接続されている。背サポート部4は、最も狭い幅Wが例えば5.5cm以下としてある。
図2(a)に示す背サポート部4はY字型であるが、左右の肩ストラップ部5にそれぞれ上部で接続され、下部でベルト部2および体側サポート部3に接続される細長い一対の帯状に構成されるストレート型や、一対の帯が交差したクロス型であってもよい。背サポート部4は、下部においてベルト部2に接続されていることが好ましいが、下部がベルト部2の付近まで延び、ベルト部2との間に体側サポート部3を介在させるようにしてもよい。
【0022】
肩ストラップ部5は、細長い帯状をなし、胸部前側において胸サポート部1の上部に接続され、背中側において背サポート部4の上部に接続される。肩ストラップ部5の幅は、例えば1cm~5cm程度とする。
【0023】
次に各部の伸縮性について説明する。
図4は各部に用いられる編み組織の丈方向の伸縮性を示すグラフであり、
図5は各部に用いられる編み組織の周囲方向の伸縮性を示すグラフである。編み組織は4種類を用い、それぞれ編み組織A,B,C,Dとする。丈方向では、編み組織Aの伸縮性が最も低く、次いで編み組織B,C,Dの順に伸縮性が高くなる。周囲方向では、編み組織Dの伸縮性が最も低く、次いで編み組織B,A,Cの順に伸縮性が高くなる。編み組織A,B,C,Dの丈方向における伸縮性の差異に比べて、周囲方向における伸縮性の差異は小さい。尚、編み組織A,B,C,Dは、公知の技術に基づいて使用する繊維や編み方を変えることによって、それぞれの丈方向および周囲方向における伸縮性を設定することが可能である。例えば、編み組織A,B,C,Dは、生地の織り込み方や、繊維の方向、使用する繊維量等の違い、さらには樹脂等の繊維への塗布等によって、丈方向および周囲方向の伸縮性に差異が設けられる。また、各部には編み組織以外に、織り組織や不織布なども用いられる。尚、後述する実施形態2における材料F,G,H,Iも同様である。
【0024】
図6は、各部に対応する編み組織および伸縮性の高低を示す図表である。
図6において伸縮性は、1から5までの5段階で表わしており、伸縮性が低い側が1、高い側が5としてある。胸サポート部1は、表地に編み組織Bを、裏地に編み組織Cを用いており、伸縮性は丈方向および周囲方向ともに2、即ち伸縮性が2番目に低い。ベルト部2は、編み組織Aを二枚重ねとし、伸縮性は丈方向および周囲方向ともに1、即ち伸縮性が最も低い。尚、胸サポート部1における編み組織Bおよび編み組織Cは、
図5に示す丈方向と周囲方向の伸縮性が備わるように、方向を一致させて重ね合わせるものとする。また、ベルト部2における編み組織Aは、
図5に示す丈方向と周囲方向の伸縮性が備わるように、方向を一致させて二枚重ねにするものとする。
【0025】
体側サポート部3の下サポート部31は、編み組織Bを用いており、丈方向の伸縮性は3、周囲方向の伸縮性は4である。背サポート部4も、下サポート部31と同様に編み組織Bを用いている。
【0026】
体側サポート部3の上サポート部32は、編み組織Dを用いており、丈方向の伸縮性は5、即ち伸縮性が最も高く、周囲方向の伸縮性は3、即ち伸縮性が3番目に低い。肩ストラップ部5は、編み組織Cを用いており、丈方向の伸縮性は4、即ち伸縮性が2番目に高く、周囲方向の伸縮性は5、即ち伸縮性が最も高い。
【0027】
次にブラジャー100の作用について説明する。
ベルト部2は、編み組織Aを二枚重ねにして使用することで、他の部分に比べて、周囲方向の伸縮性が最も低くしてある。これにより、ブラジャー100は、ベルト部2で着用者のアンダーバストに固定され、着用者の体側における伸びに対してベルト部2の丈方向におけるズレを防止する。
【0028】
着用者の体側に配される体側サポート部3は、丈方向の伸縮性が高い上サポート部32を有しており、着用者による腕上げ動作時の体側における皮膚の伸びに伴って、伸縮し易くしてある。ブラジャー100は、体側サポート部3によって、着用者による腕上げ動作時の体側における皮膚の伸びに対する阻害を低減することができる。また、丈方向に伸縮性が高い編み組織Dを体側サポート部3の上サポート部32に限定的に配置することで、ブラジャー100全体が緩くなる(丈方向における保持性が低下する)ことなく、体側における皮膚の伸びへの追従性を発揮させることができる。
【0029】
上サポート部32は、周囲方向における伸縮性が下サポート部31および背サポート部4等と同程度である。また、上サポート部32とベルト部2との周囲方向における伸縮性の差は、丈方向における伸縮性の差よりも小さい。これにより、ブラジャー100は、周囲方向における乳房の保持性が良くなる。
【0030】
体側サポート部3の下サポート部31は、上サポート部32よりも丈方向の伸縮性が低くしてあり、体側における胸サポート部1の側端11とベルト部2の結合を高めてブラジャー100の形状安定性を高めるとともに、乳房の保持性を確保する。体側サポート部3は、下サポート部31および上サポート部32を有する二段構成としているが、下サポート部31を設けずに、上サポート部32がベルト部2に接続される構成としても良い。尚、体側サポート部3の下部は、ベルト部2に部分的または全体的に接続されていなくてもよい。
【0031】
体側サポート部3の上サポート部32は、周囲方向に幅が広い複数の孔部32aが設けられていることで、丈方向の伸縮性が周囲方向よりも高くなる。尚、上サポート部32は、複数の孔部32aを設けずに、同等の丈方向の伸縮性を持たせることも可能である。
【0032】
胸サポート部1は、編み組織BおよびCの二枚重ねとすることで、ベルト部2より低いまたは同程度の伸縮性を持たせて乳房の保持性を高めるとともに、乳房の透けの防止や、挿込みカップ用のポケットを設けることなどできる。胸サポート部1は、編み組織Bの二枚重ねであると、乳房への着圧が高くなり、ブラジャー100が硬いという印象を与えてしまうため、編み組織Bに比べて伸縮性の高い編み組織Cを裏地に用いている。尚、胸サポート部1の下側に配される前側連結部6は、丈方向に伸縮性が高い編み組織D以外の編み組織を配置する。
【0033】
肩ストラップ部5は、編み組織Cによる伸縮性以外に縁取り部分の影響によって、伸縮性が低くなる。肩ストラップ部5は、乳房の丈方向における保持性を確保するべく、縁取り部分を含めて、例えば背サポート部4の伸縮性と同程度またはそれ以上とするとよい。尚、肩ストラップ部5は、胸サポート部1または背サポート部4の編み組織と同等とし、これらの部分を延長して一体化して形成されるようにしてもよい。また、肩ストラップ部5および前側連結部6は、外観に表われる表面にデザイン性を持たせるようにしてもよい。
【0034】
(変形例)
図7(a)は変形例に係るブラジャー100の正面図、
図7(b)はブラジャー100の背面図である。変形例に係るブラジャー100は、前側連結部6の領域が拡大された構成としている。前側連結部6は、上端がブラジャー100の襟ぐりと一致し、下端がベルト部2に接続されている。前側連結部6の左右は、左右の乳房のトップ位置よりも胸部の中央側に形成される。この場合、胸サポート部1は、左右に分かれた1対の領域に形成される。
【0035】
図8(a)は別の変形例に係るブラジャー100の正面図、
図8(b)はブラジャー100の背面図である。別の変形例に係るブラジャー100は、体側サポート部3の下サポート部31が拡大された構成としている。体側サポート部3の下サポート部31は、胸部前側において、胸サポート部1とベルト部2との間に介在する部分36a、
図7(a)に示す拡大された前側連結部6に相当する部分36b、および上サポート部32の背中側の部分36cに拡大されている。この場合、上サポート部32は、少なくとも体側における領域として形成される。
【0036】
背サポート部4と下サポート部31とを同じ編み組織とすれば、下サポート部31は、部分36a、部分36b、部分36cおよび背サポート部4まで拡大した領域とすることも可能である。尚、部分36a、部分36bおよび部分36cは、全て設けられていても良いし、1または複数を選択して部分的に設けられていてもよい。
【0037】
上述の実施形態および各変形例において、編み組織A,B,C,Dは、伸縮性にバリエーションがある編み組織の組合せの一例として挙げたものであり、ブラジャー100に用いる編み組織A,B,C,Dの組合せに限定されるものではない。また、ブラジャー100に用いる編み組織は、4つに限られるものではなく、4つ以上であっても4つ未満であってもよい。
【0038】
(実施形態2)
図9は、実施形態2に係るブラジャー100を示す正面図であり、
図10(a)はブラジャー100の背面図、
図10(b)はブラジャー100の側面図である。
図11は、ブラジャー100の展開図である。実施形態2に係るブラジャー100は、実施形態1に係るブラジャー100と同様に、胸サポート部1、ベルト部2、体側サポート部3、背サポート部4および肩ストラップ部5を有する。
【0039】
実施形態2に係るブラジャー100は、丈方向に伸縮性が高い体側サポート部3が乳房のバージスラインL(
図9に示す点線)の内側まで延びるように設けられており、バージスラインLの胸部中央の下側に亘って配されている。また、胸サポート部1は、丈方向に伸縮性が低く、周囲方向の伸縮性が丈方向に比べて高くしてある。
【0040】
着用者が腕上げ動作をした際に、胸部の体側における皮膚が丈方向に大きく伸びるが、バージスライン周辺の皮膚、特にバージスライン内側における乳房の下部からバージスライン下側(下方を含む。以下、同様である。)にかけての領域における皮膚の丈方向の伸びも体側と連続的に大きく発生する。ブラジャー100は、体側サポート部3がバージスラインの周辺およびバージスラインの下側まで拡大されることによって、バージスラインの周辺およびバージスラインの下側における皮膚の丈方向の伸びに対する阻害が低減されることに加え、体側における皮膚の丈方向の伸びに対する阻害もより一層軽減される。またブラジャー100は、胸サポート部1によって丈方向における乳房の保持性を良くするとともに、周囲方向に伸びて乳房の隆起にフィットする。
【0041】
ブラジャー100は、例えば着用者が身体を動かして体操やヨガなどのトレーニングを行う際に、着用者の胸部にフィットして身体を動かし易くするとともに、着用者の胸部でのズレを抑制する。とくに、ブラジャー100は、バージスライン周辺の皮膚、特にバージスライン内側における乳房の下部からバージスライン下側にかけての領域における皮膚の丈方向の伸びに対する阻害をも軽減することから、腕上げ動作が激しい水泳等のスポーツ用の衣類に適した構成となっている。
【0042】
胸サポート部1は、着用者の胸部前側の中央から外側に配されており、周囲方向において乳房のトップ位置Pを含む範囲に形成されている。胸サポート部1の下部は、ベルト部2に接続されている。胸サポート部1の側端11は、体側サポート部3に接続されている。側端11は、胸部中央に向けて下がる傾斜を有する曲線状または直線状である。胸サポート部1の側端11は、乳房のトップ位置Pを含むように胸サポート部1を形成することを考慮すると、外側に膨らんだ曲線状とすることが好ましい。
【0043】
胸サポート部1の側端11は、上端が肩ストラップ部5の外側に位置し、下端が上端より内側寄りのベルト部2の接続部に位置する。側端11は、上端から、バージスラインLの内側を通って胸部中央に向かって下がり、バージスラインLの下側で交差し、下端に至る曲線状に形成されている。側端11は、ベルト部2の上辺と交差する下端部を、例えば乳房のトップ位置Pの下方や、トップ位置Pよりも胸部中央寄りの位置に設けるようにする。
図12(a)~(d)は、バージスラインL等について説明するための模式図である。
図12(a)において、乳房のトップ位置Pにおける水平線とバージスラインLとの交点をQ1、乳房のトップ位置Pにおける鉛直線とバージスラインLとの交点をQ2、バージスラインL上において、Q1とQ2から等距離にある中点をQ3とする。バージスラインLのうち、Q3より内側(胸部中央側)の部分をバージスライン下側と定義し、Q3より外側の部分をバージスライン外側と定義する。また、
図12において線分Mは、バージスライン外側の部分における最外側を示す線分である。線分Mの外側(矢印で示す側)は、着用者の体側において丈方向に特に大きく伸びる領域となっている。胸サポート部1の側端11における上端は線分Mの外側にあってもよいが、この場合、側端11は線分Mに交差するように形成されるようにするとよい。
【0044】
また、
図12(b)に示すように、バージスラインLを複数の部分に分割して考える。例えば、バージスライン上外側部R1は時計に見立てて8時~10時半の部分であり、バージスライン下外側部R2は5時半~8時の部分であり、バージスライン下内側部R3は3時~5時半の部分であるとする。胸サポート部1の側端11の少なくとも一部は、バージスライン下外側部R2の内側に形成することにより、体側サポート部3をバージスライン周辺の皮膚、特にバージスライン内側における乳房の下部からバージスライン下側にかけての領域に向けて拡大させ、バージスライン周辺およびバージスライン下側における体側サポート部3の領域を大きくすることができる。また胸サポート部1の側端11の少なくとも一部がバージスライン上外側部R1の内側に形成されることにより、乳房の外側における体側サポート部3の領域を大きくすることができる。また胸サポート部1の側端11の少なくとも一部がバージスライン下内側部R3の内側に形成されることにより、乳房の下側における体側サポート部3の領域をさらに大きくすることができる。また体側サポート部3がバージスラインの内側を覆う面積は、バージスライン下内側部R3よりもバージスライン上外側部R1で大きく、バージスライン上外側部R1よりもバージスライン下外側部R2で大きい。これによって、ブラジャー100は、胸サポート部1の側端11が、胸部の中央に向かうにつれて下がる傾斜線として形成される。
【0045】
実際のブラジャーにおけるバージスラインLの位置は、ブラジャーの外形との関係で把握され得る。
図12(c)に示すように、乳房のトップ位置Pは、次の3つの条件を満たす点として把握できる。
(1)ブラジャーの前面側にある。
(2)ベルト部2の上辺の平置き時における左右端から、ベルト部2の上辺の平置き時における左右端間の距離N1のおよそ30%分内側の位置にある。
(3)肩ストラップ部5の上端からベルト部2の上辺までの長さN2のおよそ30%の長さ分だけ、ベルト部2の上辺から丈方向に上側の位置にある。
またバージスラインLは、乳房のトップ位置Pを中心として直径がN1のおよそ47%の円における1時半から9時の間の範囲の円弧として把握できる。
また、体側サポート部3の範囲は、例えば、体の前面では胸サポート部1に接続されており、背面では、
図12(d)に示すように、平置き時のベルト部2の左右端から、少なくとも距離N1の20%分の範囲を含む。また、体側サポート部3の範囲は、体の背面では、平置き時のベルト部2の左右端から、少なくとも距離N1の10%分の範囲を含むと考えてもよく、この場合であっても体の体側をカバーし得る。尚、ブラジャーにおけるトップ位置P、バージスラインLおよび体側サポート部3の範囲については、実施形態1においても同様に把握され得る。
【0046】
ベルト部2は、胸サポート部1の下部に接続され、胸部前側から背中にかけて胸部を一周する細長い帯状である。体側サポート部3は、胸サポート部1の側端11に一端側が接続され、脇下の体側から背中側にかけて配されている。体側サポート部3の下部は、ベルト部2に接続されている。体側サポート部3の他端側は、背サポート部4に接続されている。背サポート部4は、矩形状をなし、上部において肩ストラップ部5に接続され、下部においてベルト部2に接続されている。肩ストラップ部5は、紐状をなし、胸部前側において胸サポート部1の上部に接続され、背中側において背サポート部4の上部に接続される。
【0047】
次に各部の伸縮性およびブラジャー100の作用について説明する。
各部を形成する材料として、材料F,G,H,Iを用いる。体側サポート部3には材料Fを用い、胸サポート部1には材料Gを用いる。また、背サポート部4には材料Hを用い、ベルト部2には材料Iを用いる。
図13は材料Fおよび材料Gの丈方向および周囲方向の伸縮性を示すグラフである。材料Fは、例えば身生地一重であり、材料Gは、例えば身生地に裏地を付けた二重とする。丈方向の伸縮性は、体側サポート部3の材料Fが胸サポート部1の材料Gよりも高い。逆に周囲方向の伸縮性は、胸サポート部1の材料Gが体側サポート部3の材料Fよりも高い。また、体側サポート部3の材料Fは、周囲方向の伸縮性が丈方向の伸縮性がよりも低い。胸サポート部1の材料Gは、丈方向の伸縮性が周囲方向の伸縮性よりも低い。
【0048】
体側サポート部3の丈方向における伸縮性が、胸サポート部1よりも高いことにより、ブラジャー100は、体側サポート部3が、体側からバージスライン周辺およびバージスライン下側における皮膚に追従して伸び、体側からバージスライン周辺およびバージスライン下側における皮膚の伸びの阻害を低減する。
【0049】
体側サポート部3の周囲方向における伸縮性が丈方向における伸縮性よりも低いことによって、ブラジャー100は、着用者の体幹にフィットし易くなる。
【0050】
胸サポート部1の丈方向における伸縮性が周囲方向における伸縮性よりも低いことによって、丈方向におけるブラジャー100の胸部への保持性が良好となり、一方、周囲方向には乳房の隆起にフィットしつつ、胸部の過度な締め付けを抑制する。また、体側サポート部3の周囲方向における伸縮性が、胸サポート部1の周囲方向における伸縮性よりも低いことによって、乳房の下部まで拡大した体側サポート部3が乳房を下から持ち上げ、バストの保形性を良くすることができる。
【0051】
背サポート部4に用いる材料H、および肩ストラップ部5に用いる材料Iは、丈方向における伸縮性が、体側サポート部3に用いる材料Fよりも低いものとする。ブラジャー100は、胸サポート部1、ベルト部2、背サポート部4および肩ストラップ部5の丈方向の伸縮性が体側サポート部3に比べて低いことによって、乳房の丈方向における保持性を良くすることができる。
【0052】
ベルト部2に用いる材料Iは、周囲方向における伸縮性が、体側サポート部3に用いる材料Fおよび胸サポート部1に用いる材料Gよりも、低いものとする。ベルト部2に用いる材料Iの周囲方向における伸縮性が低いことにより、ブラジャー100は、ベルト部2で着用者のアンダーバストにしっかりと固定される。
【0053】
(変形例)
図14(a)および
図14(b)は変形例に係るブラジャー100の正面図である。
図14(a)に示すブラジャー100は、胸サポート部1の側端11が上部側において外側に膨らむ部分11a、下部側において内側に膨らむ部分11bを有している。体側サポート部3は、側端11の部分11bに沿って胸部前側の領域に延びており、バージスライン周辺およびバージスライン下側における皮膚の伸びに追従して伸びる。また、
図14(b)に示すブラジャー100は、胸サポート部1の側端11が全体的に内側に向かって膨らむ曲線状となっており、体側サポート部3が占める領域が拡大されることで、着用者の体側からバージスライン周辺およびバージスライン下側における皮膚の伸びへの追従性が増す。
【0054】
図15(a)および
図15(b)は、別の変形例に係るブラジャー100の正面図である。
図15(a)に示すブラジャー100は、胸サポート部1の側端11が上部側において内側に膨らむ部分11c、中途部において外側に膨らむ部分11d、および下部側において内側に膨らむ部分11eを有している。胸サポート部1は、側端11が乳房のトップ位置Pを含む領域として形成されている。体側サポート部3は、部分11cおよび部分11eによって、上部側および下部側において領域が拡大されることで、着用者の体側からバージスライン周辺およびバージスライン下側における皮膚の伸びへの追従性が増す。
【0055】
図15(b)に示すブラジャー100は、胸サポート部1の側端11のラインが、
図15(a)と同等であるが、胸サポート部1の中央上部において、中央に向かうにつれて下がる傾斜線で囲まれる領域12に胸サポート部1と別の材料が配置されている。例えば、体側サポート部3と同等の材料を領域12に配置し、丈方向への伸縮性を高めるようにしてもよい。
【0056】
図16(a)および
図16(b)は、更に別の変形例に係るブラジャー100の正面図である。
図16(a)に示すブラジャー100は、胸サポート部1の下部とベルト部2との間に体側サポート部3から延びる部分37を介在させる構成としている。また、胸サポート部1の中央上部において、中央に向かうにつれて下がる傾斜線で囲まれる領域12に胸サポート部1と別の材料が配置されている。部分37が体側から胸部前側の中央に延びているため、ブラジャー100は、バージスライン周辺およびバージスライン下側のより広範囲な皮膚の伸びに追従して伸びることができる。
【0057】
図16(b)に示すブラジャー100は、胸サポート部1の下部とベルト部2との間に体側サポート部3から延びる部分37を介在させる構成が
図16(a)と同等であり、領域12が部分37まで至るように設けられている。例えば、体側サポート部3と同等の材料を領域12に配置し、胸部前側の中央における丈方向への伸縮性を高めるようにしてもよい。
【0058】
上述の実施形態1および実施形態2並びに各変形例においては、着用者の胸部に形成されるブラジャー100を示したが、ブラジャー100の構造を付加したTシャツ、インナーシャツ等の衣類や、ベルト部2から身体の前側および後ろ側等において下半身に向けて配される部分を付加し、パンツ部分と一体化して形成されるワンピースタイプの水着などにも応用され得る。
【0059】
次に、実施形態1および実施形態2並びに各変形例に係るブラジャー100の特徴を説明する。
ブラジャー100は、着用者の胸部に配される胸サポート部1と、胸サポート部1の下側から背部にかけて配されるベルト部2と、胸サポート部1の側端11に接続され、体側から背部にかけて配される体側サポート部3とを備える。体側サポート部3は、丈方向における伸縮性が周囲方向よりも高い。これにより、ブラジャー100は、着用者が腕上げ動作をした時に、体側サポート部が丈方向に伸び、体側における皮膚の伸びに対する阻害を低減することができる。
【0060】
また胸サポート部1の側端11は、バージスラインに沿うように形成されている。これにより、ブラジャー100は、乳房の保持性を良くすることができる。
【0061】
また体側サポート部3とベルト部2の周囲方向における伸縮性の差が、丈方向における伸縮性の差よりも小さい。即ち、周囲方向には体側サポート部3およびベルト部2の両方の伸縮性が丈方向の伸縮性よりも低い。これにより、ブラジャー100は、周囲方向における乳房の保持性を良くすることができる。
【0062】
また体側サポート部3は、ベルト部2に沿って形成される下サポート部31、および下サポート部31の上側に形成される上サポート部32を有する。上サポート部32の丈方向における伸縮性が下サポート部31よりも高い。これにより、ブラジャー100は、丈方向における伸縮性が低い下サポート部31によって、体側における胸サポート部1の側端11とベルト部2との結合を高め、ブラジャー100の形状の安定性を保つことができる。
【0063】
また体側サポート部3は、上サポート部32において周囲方向に幅の広い複数の孔部32aが設けられている。これにより、ブラジャー100は、周囲方向に幅の広い複数の孔部32aによって、体側サポート部3の丈方向の伸縮性を高めることができる。
【0064】
またブラジャー100は、着用者の背中に配される背サポート部4と、胸サポート部1と背サポート部4の上端同士を接続する肩ストラップ部5とを備える。背サポート部4および肩ストラップ部5は、丈方向における伸縮性が体側サポート部3よりも低い。背サポート部4は、下端がベルト部2に接続されるように設けられているか、または下端がベルト部2の付近まで延びるように設けられている。これにより、ブラジャー100は、胸サポート部1、ベルト部2、背サポート部4および肩ストラップ部5によって丈方向における乳房の保持性を更に良くすることができる。
【0065】
またベルト部2の周囲方向における伸縮性は、胸サポート部1、体側サポート部3および背サポート部4の周囲方向における伸縮性よりも低い。これにより、ブラジャー100は着用者のアンダーバストにベルト部2がしっかり固定され、かつ周囲方向における乳房の保持性を良くすることができる。
【0066】
また胸サポート部1は、伸縮性が異なる生地を少なくとも二枚重ねてある。これにより、ブラジャー100は、胸サポート部1における生地の二枚重ねによって、伸縮性を低減して乳房の保持性を高めつつ、乳房の透けの防止や、差込みカップ用のポケットを設けることなどできる。
【0067】
またブラジャー100は、着用者の胸部に配される胸サポート部1と、胸サポート部1の下側から背部にかけて配されるベルト部2と、胸サポート部1の側端11に接続され、体側から背部にかけて配される体側サポート部3とを備える。胸サポート部1の側端の少なくとも一部がバージスラインの内側に形成され、体側サポート部3がバージスライン下側にかけて設けられており、体側サポート部3の丈方向における伸縮性が、胸サポート部1よりも高い。これにより、ブラジャー100は、着用者が腕上げ動作をした時に、バージスライン周辺の皮膚、特にバージスライン内側における乳房の下部からバージスライン下側にかけての領域における皮膚の丈方向の伸びに対する阻害が低減されることに加え、体側における皮膚の丈方向の伸びに対する阻害もより一層低減することができる。ブラジャー100は、とくに水泳等の激しい腕上げ動作を伴うスポーツ用の衣類に適する。
【0068】
また胸サポート部1の側端11の少なくとも一部がバージスライン下外側部の内側に形成されている。これにより、ブラジャー100は、バージスライン周辺およびバージスライン下側における体側サポート部3の領域を大きくすることができる。また胸サポート部1の側端11の少なくとも一部がバージスライン上外側部の内側に形成されている。これにより、ブラジャー100は、バージスライン周辺およびバージスライン下側における体側サポート部3の領域を大きくすることができる。また胸サポート部1の側端11の少なくとも一部がバージスライン下内側部の内側に形成されている。これにより、ブラジャー100は、バージスライン周辺およびバージスライン下側における体側サポート部3の領域をさらに大きくすることができる。また体側サポート部3がバージスラインの内側を覆う面積は、バージスライン下内側部よりもバージスライン上外側部で大きく、バージスライン上外側部よりもバージスライン下外側部で大きい。これにより、ブラジャー100は、胸サポート部1の側端11を、胸部の中央に向かうにつれて下がる傾斜線として形成することができる。
【0069】
また体側サポート部3は、丈方向における伸縮性が周囲方向よりも高い。これにより、ブラジャー100は、着用者の体幹にフィットさせることができる。
【0070】
また胸サポート部1は、丈方向における伸縮性が周囲方向よりも低い。これにより、ブラジャー100は、乳房を胸サポート部1の丈方向の張力で保持し、周囲方向には柔らかくして、乳房の締め付けを低減することができる。
【0071】
また体側サポート部3の周囲方向における伸縮性が、胸サポート部1よりも低い。これにより、ブラジャー100は、体側サポート部3の丈方向における伸縮性が高いものの、周囲方向には伸縮性を低くして胸部へのフィット性が高められる。また、体側サポート部3の周囲方向における伸縮性が、胸サポート部1の周囲方向における伸縮性よりも低いことによって、乳房の下部まで拡大した体側サポート部3が乳房を下から持ち上げ、バストの保形性を良くすることができる。
【0072】
またブラジャー100は、着用者の背中に配される背サポート部4と、胸サポート部1と背サポート部4の上端同士を接続する肩ストラップ部5とを備える。背サポート部4の丈方向における伸縮性が体側サポート部3よりも低い。背サポート部4は、下端がベルト部2に接続されるように設けられているか、または下端がベルト部2の付近まで延びるように設けられている。これにより、ブラジャー100は、胸サポート部1、ベルト部2、背サポート部4および肩ストラップ部5によって丈方向における乳房の保持性を更に良くすることができる。
【0073】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【符号の説明】
【0074】
1 胸サポート部、 11 側端、 2 ベルト部、 3 体側サポート部、
31 下サポート部、 32 上サポート部、 32a 孔部、
4 背サポート部、 5 肩ストラップ部、 100 ブラジャー。