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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
A63F7/02 312A
A63F7/02 304D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020123217
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022019404
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康仁
(72)【発明者】
【氏名】澤田 信次
(72)【発明者】
【氏名】澤田 直也
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-36761(JP,A)
【文献】特開2002-58813(JP,A)
【文献】特許第4090310(JP,B2)
【文献】特開2009-11627(JP,A)
【文献】特許第6047826(JP,B2)
【文献】特開2007-252606(JP,A)
【文献】特許第5231485(JP,B2)
【文献】特許第4631079(JP,B2)
【文献】特開2007-301219(JP,A)
【文献】特開2005-66329(JP,A)
【文献】特許第3995624(JP,B2)
【文献】特開2019-41871(JP,A)
【文献】特開2003-135708(JP,A)
【文献】特開2019-54858(JP,A)
【文献】特許第4433176(JP,B2)
【文献】実用新案登録第2510904(JP,Y2)
【文献】特開2020-39389(JP,A)
【文献】特開平11-319204(JP,A)
【文献】特許第5174935(JP,B2)
【文献】特許第6127432(JP,B2)
【文献】特開2004-8470(JP,A)
【文献】実用新案登録第2531711(JP,Y2)
【文献】特許第7062346(JP,B2)
【文献】特許第7239528(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技盤と、
前記遊技盤の盤面に設けられた特定部品と、
前記特定部品の前面に設けられた装飾層と、
前記特定部品の背面側に設けられた球通路と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記装飾層の少なくとも一部が前記球通路を通過する遊技球を視認可能に形成されており、
前記装飾層を前記特定部品から剥離したときに前記装飾層が形成されていた痕跡が残り、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが前記遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記外レールの始端から中間点までの範囲を第4の範囲と設定し、
前記外レールの中間点から終端までの範囲を第5の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多く、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多く、前記第4の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第5の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多い
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が遊技者に払い出され、識別情報の変動表示(「変動」ともいう。)の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態を変更する遊技機(いわゆる、パチンコ機)が知られている。
【0003】
そのような遊技機において、基板ボックスの開放動作に連動して封印シールに傷、剥離などの損傷を与える遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。また、初期設定した遊技釘の植設角度を記憶しておき、記憶した植設角度から所定量を超える変位が検知された場合にこれを報知する遊技機が知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-40350号公報
【文献】特開2008-48940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような遊技機において、入賞口などの入賞領域の大きさを調整することによって当初設定した入賞率が変更されてしまうことがあり、このことに起因して遊技者は安心して遊技を行うことができないことがあった。
【0006】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者が安心して遊技を行うことができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機において、遊技盤と、前記遊技盤の盤面に設けられた特定部品と、前記特定部品の前面に設けられた装飾層と、前記特定部品の背面側に設けられた球通路と、前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、前記装飾層の少なくとも一部が前記球通路を通過する遊技球を視認可能に形成されており、前記装飾層を前記特定部品から剥離したときに前記装飾層が形成されていた痕跡が残り、前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、前記外レールが前記遊技盤に設けられた状態において、前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、前記外レールの始端から中間点までの範囲を第4の範囲と設定し、前記外レールの中間点から終端までの範囲を第5の範囲と設定し、前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多く、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多く、前記第4の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第5の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多いことを特徴とする。よって、入賞率が変更されてしまうことを防止することが可能になり、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
【0008】
また、本発明において、前記装飾層は少なくとも前記特定部品の接合部を覆い、前記特定部品は透明な部材で形成されており、前記特定部品は、前記装飾層により前記球通路の視認が阻害されない面積のほうが前記装飾層により前記球通路の視認が阻害される面積よりも大きいように構成してもよい。よって、球通路を通過する遊技球を視認することにより、入賞率が変更されていないことを確認することが可能になり、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】パチンコ機の正面図である。
図2】パチンコ機の背面図である。
図3】遊技盤ユニットの正面図である。
図4】遊技盤ユニットの正面図である。
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図6】演出ユニットの斜視図である。
図7】演出ユニットの斜視図である。
図8】可動装置の構成を説明するための説明図である。
図9】衝撃吸収機構の構成を説明するための説明図である。
図10】可動体の前面側のカバーを取り外した状態の斜視図である。
図11】可動体の前面側のカバーを取り外した状態の斜視図である。
図12】可動体の前面側のカバーを取り外した状態の正面図である。
図13】可動体の前面側のカバーを取り外した状態の正面図である。
図14】始動口ユニットの斜視図である。
図15】始動口ユニットのベース部材の斜視図である。
図16】始動口ユニットの分解斜視図である。
図17】変形例1に係るパチンコ機の正面図である。
図18】変形例1に係る装飾ユニットのA-A断面図である。
図19】変形例1に係る遊技盤の正面図である。
図20】変形例1に係る装飾ユニットと案内通路との相対的な距離を示す説明図である。
図21】変形例2に係る遊技盤の正面図である。
図22】変形例2に係る遊技盤、外レール、レールベースの分解斜視図である。
図23】変形例2に係る遊技盤、外レール、レールベースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
[全体構成]
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
【0012】
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0013】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0014】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0015】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0016】
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0017】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0018】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0019】
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0020】
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない遊技機)であってもよい。
【0021】
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0022】
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素としてレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうちレンズユニット47にはランプ46が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のランプ50が組み込まれている。
【0023】
上述した各種ランプ46,50は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4にはそれぞれスピーカ54a~54dが組み込まれている。これらスピーカ54a~54dは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0024】
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0025】
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
【0026】
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
【0027】
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
【0028】
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0029】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0030】
[遊技盤ユニットの構成]
図3及び図4は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技盤8bを備えており、この遊技盤8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技盤8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技盤8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技盤8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
【0031】
遊技領域8aは左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。遊技球は、第2遊技領域へ流通させる案内通路19e(発射レールや遊技領域の天井部、誘導部など)によって第2遊技領域に導かれる。また、遊技領域8a内には、第1始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28(第2始動入賞口)、可変入賞装置31(大入賞口)等が分布して設置されている。始動ゲート20は、案内通路19eから右打ち領域へ導かれた遊技球を主対象にして通過させることで作動抽選(普通図柄抽選)の抽選契機を発生させる。
【0032】
このうち、第1始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。第1始動入賞口26は、始動口ユニット300により形成されており、始動口ユニット300は遊技盤8bの盤面に着脱自在に取り付けられている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、可変入賞装置31は、遊技領域8aの右側部分に配置されている。
【0033】
遊技領域の最上部には、遊技領域の上部に向かって発射された遊技球の移動方向を規制可能として右打ち領域に導くための入口領域と出口領域を有する区画に基づく案内通路19eが形成されている。
【0034】
遊技領域8aに発射された遊技球は、その流下の過程で第1始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置31に入球したりする。
【0035】
ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、第1始動入賞口26又は普通入賞口22,24に入球するか、各種入賞口に入球(入賞)しなかった場合は最終的にアウト口32に入球する。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、アウト口19cに入球するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の可変入賞装置31に入球する可能性がある。
【0036】
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、第1始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0037】
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、第1始動入賞口26や普通入賞口22,24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
【0038】
一方、可変始動入賞装置28や、可変入賞装置31に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
【0039】
可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(例えば、始動ゲート20を通過したときに行われる抽選に当選し、普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って第2始動入賞口29への入球を可能にする。可変始動入賞装置28は板状の開閉部材28aを備えている。開閉部材28aは、ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。常態では、開閉部材28aは盤面の内部に引き込まれた退避位置にある。この状態では、遊技球は開閉部材28aによって第2始動入賞口29に導かれることなく落下する。そして、可変始動入賞装置28が作動(すなわち、ソレノイドが駆動)すると、開閉部材28aが盤面から突出する突出位置に変位し、遊技球が開閉部材28aの上面を転動することが可能になって、遊技球が第2始動入賞口29に導かれる。
【0040】
可変入賞装置31は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口31aへの入球を可能にする。可変入賞装置31は開閉部材31bを有している。開閉部材31bは、ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。常態では、開閉部材31bは、盤面から遊技者側に突出した突出位置にあり、このとき遊技球は開閉部材31bの上面を転動することになるため、大入賞口31aへの入球は不能である。そして、可変入賞装置31が作動(すなわち、ソレノイドが駆動)すると、開閉部材31bが盤面の内部に引き込まれる退避位置に変位し、大入賞口31aを開放する。この間に可変入賞装置31への遊技球の入球が可能になり、大入賞口31aへの入球が可能になる。
【0041】
可変入賞装置31は、確変ゲート31cと非確変ゲート31dを備えている。そして、大入賞口31a内に入球した遊技球が確変ゲート31cを通過すると大当りの終了後に確変状態に制御され、大入賞口31a内に入球した遊技球が非確変ゲート31dを通過すると大当りの終了後に非確変状態に制御される。確変ゲート31cの上方には、開閉部材31eが設けられている。開閉部材31eは、ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。常態では、開閉部材31eは、盤面から遊技者側に突出した突出位置にあり、このとき遊技球は開閉部材31eの上面を転動することになるため、確変ゲート31cを通過することは不能である(すなわち、非確変ゲート31dを通過する)。そして、可変入賞装置31が作動(すなわち、ソレノイドが駆動)すると、開閉部材31bが盤面の内部に引き込まれ、確変ゲート31cへの入球が可能になる。
【0042】
また、遊技盤ユニット8の中央部には、液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。
【0043】
遊技領域8a内の中央上部には演出ユニット60が設けられている。演出ユニット60は、可動体61を備えている。可動体61は、液晶表示器42の前面側で、初期位置(図3に示す位置)と、初期位置から自由落下する下降位置(図4に示す位置)との間で可動する。また、可動体61は可動役物64~66を備えており、可動体61が落下するときに可動役物64~66が連動して出現する。可動体61が下降位置に落下すると、全体として剣をモチーフとした役物となる。
【0044】
その他、普通入賞口22,24や第1始動入賞口26、第2始動入賞口29、可変入賞装置31、アウト口19c、アウト口32に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0045】
[遊技の進行の説明]
パチンコ機1では、遊技状態が通常状態である場合には、遊技者は遊技領域の左方を狙って発射操作(いわゆる左打ち)が行われる。ハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、左打ちを行い、第1始動入賞口26に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置による第1特別図柄の変動表示が開始される。
【0046】
なお、第1特別図柄の変動表示中の期間や、大当り遊技や小当り遊技に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく第1特別図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特別図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0047】
第1特別図柄の変動表示において、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、第1特別図柄の変動表示であっても、極低い割合で小当り図柄が停止表示され、「小当り」となる場合があるように構成してもよい。
【0048】
第1特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。
【0049】
大当り遊技状態では、可変入賞装置31により形成される大入賞口31aが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口31aに進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口31aを開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口31aが開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
【0050】
大当り遊技状態においては、遊技者は、右打ちを行って、遊技球を大入賞口31aに進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0051】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口31aの開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、確変状態(高確率状態)、小当たりラッシュ状態、時短状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0052】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、確変状態や小当りラッシュ状態、高ベース状態に制御されることがある。
【0053】
確変状態(確率変動状態)では、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
【0054】
小当りラッシュ状態では、通常状態よりも小当りになりやすい小当りラッシュ制御が実行される。このパチンコ機1では、小当り遊技状態でもある程度の賞球を得ることができるので、大当り遊技状態と比べると得られる賞球が少ないが遊技者にとって有利な状態である。
【0055】
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行され(時短状態)、普通図柄の変動表示で「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口29に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、時短制御)も実行される。時短状態は、特別図柄の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0056】
確変状態や小当りラッシュ状態、時短状態は、特別図柄の変動表示が所定回数実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特別図柄の変動表示が実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り確変等)ともいう。
【0057】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、確変状態、小当たりラッシュ状態、時短状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、特別図柄の変動表示における表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ機1が、パチンコ機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0058】
大当り遊技を終了し、遊技状態が確変状態や小当りラッシュ状態、時短状態に制御されると、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(右打ち)を行うのが有利である。ハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ちを行い、遊技球が始動ゲート20を通過すると、普通図柄表示器による普通図柄の変動表示が開始される。なお、前回の普通図柄の変動表示の実行中の期間等に遊技球が始動ゲート20を通過した場合(遊技球が始動ゲート20を通過したが当該通過に基づく普通図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普通図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0059】
この普通図柄の変動表示では、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変始動入賞装置28を所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口29が開放状態になる)。
【0060】
第2始動入賞口29に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置による第2特別図柄の変動表示が開始される。
【0061】
第2特別図柄の変動表示において、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0062】
第2特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。第2特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
【0063】
小当り遊技状態では、可変入賞装置31により形成される大入賞口31aが所定の開放態様で開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
【0064】
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、第2特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特別図柄の変動表示が、上記回数切りにおける上記所定回数目の特別図柄の変動表示である場合には、当然遊技状態が変更される)。
【0065】
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
【0066】
[演出の進行について]
パチンコ機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、液晶表示器42に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ54a~54dからの音声出力、各種ランプ46,50や盤面ランプ53の動作等により行われてもよい。
【0067】
遊技の進行に応じて実行される演出として、液晶表示器42に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄の変動表示又は第2特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄による変動表示が開始される。第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示において表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0068】
演出図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、液晶表示器42の画面上にて停止表示された演出図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動表示が継続している態様などのことである。
【0069】
また、演出図柄の変動表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ機1では、演出態様に応じて表示結果(特別図柄の変動表示の表示結果や演出図柄の変動表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0070】
特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0071】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の演出図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の演出図柄を確変図柄、偶数の演出図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0072】
特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定演出図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する演出図柄が停止表示される。なお、特別図柄の変動表示の表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定演出図柄が導出表示されてもよい。
【0073】
特別図柄の変動表示の表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様とならずに、演出図柄の変動表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様となった後に、演出図柄の変動表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定演出図柄が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
【0074】
パチンコ機1が実行可能な演出には、保留表示を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が演出図柄の変動表示中に実行される。予告演出には、実行中の変動表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の変動表示(実行が保留されている変動表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、保留表示の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0075】
また、液晶表示器42において、演出図柄の変動表示中に演出図柄を一旦仮停止させた後に変動表示を再開させることで、1回の変動表示を擬似的に複数回の変動表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0076】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
【0077】
また、例えば特別図柄の変動表示等が実行されていないときには、液晶表示器42にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
【0078】
[制御上の構成]
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図6は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。
【0079】
図6に示すように、パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0080】
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
【0081】
始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、第1始動入賞口26に対応して第1始動入賞口スイッチ80が設けられている。また、第2始動入賞口29に対応して第2始動入賞口スイッチ82が設けられている。第1始動入賞口スイッチ80は、第1始動入賞口26への遊技球の入球を検出し、第2始動入賞口スイッチ82は、第2始動入賞口29への遊技球の入球を検出する。また、可変入賞装置31に対応してカウントスイッチ84が設けられている。カウントスイッチ84は、可変入賞装置31(大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。また、確変用スイッチ85は確変ゲート31cを通過した遊技球を検出し、非確変用スイッチ86は非確変ゲート31dを通過した遊技球を検出する。
【0082】
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22や普通入賞口24への遊技球の入球を検出する普通入賞口スイッチ81が装備されている。なお、普通入賞口22及び普通入賞口24については、共通の普通入賞口スイッチ81を用いる構成を例に挙げているが、例えば2つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22,24に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
【0083】
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、普通入賞口スイッチ81、確変用スイッチ85、非確変用スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0084】
普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0085】
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28において第2始動入賞口29に遊技球を導く開閉部材28aを変位させる普通電動役物ソレノイド88、可変入賞装置31において確変ゲート31cを開閉する開閉部材31eを変位させる確変ゲート用ソレノイド90、可変入賞装置31において大入賞口31aを開閉する開閉部材31bを変位させる大入賞口用ソレノイド97が設けられている。普通電動役物ソレノイド88、確変ゲート用ソレノイド90、大入賞口用ソレノイド97は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれの開閉部材を突出位置(第1位置)と退避位置(第2位置)との間で変位させる。なお、これらソレノイド88,90,97についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0086】
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
【0087】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(払出手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
【0088】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ、払出手段)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
【0089】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0090】
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0091】
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0092】
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0093】
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0094】
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
【0095】
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
【0096】
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46,50や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54a~54dから実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
【0097】
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
【0098】
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、ランプ46,50の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
【0099】
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54a~54dを駆動して音響出力を行う。
【0100】
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46,50やスピーカ54a~54dに印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受皿電飾基板に接続されていてもよい。
【0101】
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53が接続されている。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53にそれぞれ印加される。
【0102】
また、演出ユニット60は、演出制御CPU126によって制御される。演出制御CPU126は、演出ユニット60の可動体61を駆動するモータや可動体61に内蔵されたLEDの点灯制御などを行う。
【0103】
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
【0104】
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上述したように各種ランプ46,50等やスピーカ54a~54dを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
【0105】
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
【0106】
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
【0107】
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
【0108】
[演出ユニットの説明]
次に、演出ユニット60の構成について詳しく説明する。
【0109】
図6は可動体61が初期位置に位置する状態の演出ユニット60の斜視図である。図7は可動体61が下降位置に位置する状態の演出ユニット60の斜視図である。なお、図6及び図7は、本発明の説明のために一部省略(特に、衝撃吸収機構63の前面側を覆うカバーを取り外した状態を図示している)している。
【0110】
図6及び図7に示すように、演出ユニット60は、可動体61と、可動体61を可動させるための可動装置62と、自由落下した可動体61に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収機構63とを備えている。可動装置62は一体扉ユニット4bの軸側(換言すると、遊技領域の左側)に設けられており、衝撃吸収機構63は一体扉ユニット4bの自由端側(換言すると、遊技領域の右側)に設けられている。そして、可動体61は可動装置62と衝撃吸収機構63との間に設けられている。
【0111】
可動体61は、初期位置と、初期位置から自由落下することにより変位する下降位置との間で可動する。下降位置に変位した可動体は可動装置62によって上昇することにより初期位置に復帰する。可動体61は可動役物64~66を備えている。可動体61が下降位置に落下するときは、可動体61の落下に連動して可動役物64~66が可動体61の前カバー67の裏側から出現する。具体的には、可動体61の落下に連動して可動役物64が上方に突出し、さらに、可動役物65が時計回りに回転するとともに可動役物66が反時計回りに回転して可動役物65と可動役物66とが一体になる。すなわち、可動体61による可動には上下方向の可動のみならず、可動役物64~66による可動も含まれている。そして、このような動きにより、可動体61が下降位置に落下すると、全体として剣をモチーフとした役物となる。なお、前カバー67にはLEDやレンズが組み込まれており、可動体61が可動するときや特定の変動パターンが選択されたときにLEDが発光する。
【0112】
図8は、可動装置62を内側から見た状態の説明図である。
【0113】
図8に示すように、可動装置62は、可動体61を下降位置から初期位置に可動させるときの駆動源となるモータ200と、上下方向に延びる一対の軸201と、モータ200の駆動に連動して可動体61を下降位置から初期位置に押し上げる可動体上昇リフト202とを備えている。可動体61の一方側の端部には、可動体61の可動方向が上下方向になるように可動体61をガイドするためにガイド部61aが設けられている。ガイド部61aは軸201に挿通されている。これにより、可動体61は軸201に沿って上下方向に移動自在である。
【0114】
また、可動体上昇リフト202も軸201に軸支されており、軸201に沿って上下方向に移動自在である。また、可動体61はストッパ203の作用により初期位置で保持されている。そして、ソレノイド204の駆動によってストッパ203による補助が解除されると、可動体61が下降位置に自由落下する。
【0115】
そして、下降位置に落下した可動体61を初期位置に可動させるときは、モータ200を駆動させる。モータ200が駆動すると、これに連動して駆動ベルト205が駆動する。駆動ベルト205が駆動すると可動体上昇リフト202が上昇する。可動体上昇リフト202が上昇すると可動体61が初期位置に押し上げられる。可動体61が初期位置に押し上げられると、可動体61は再度ストッパ203により保持される。そして、可動体61を初期位置に押し上げた後に可動体上昇リフト202は下降位置に復帰する。
【0116】
演出制御CPU126は、例えば、大当り期待度が他の変動パターンよりも高い特定変動パターンが選択されたときや、段階的に演出の態様が変化するステップアップ演出を実行するとき、演出切替ボタン45の操作が可能になる操作演出の実行時に演出切替ボタン45が操作されたときに、可動体61を初期位置から下降位置に自由落下させる。そして、演出制御CPU126は、当該変動の終了とともに可動体61を下降位置から初期位置に復帰させる。
【0117】
図9は、衝撃吸収機構63を内側から見た状態を示す説明図である。
【0118】
図9に示すように、可動体61の他方側の端部には衝撃吸収片61bが設けられている。衝撃吸収片61bは落下方向(すなわち、下方)に向かって突出している。また、衝撃吸収機構63は衝撃吸収部材206を備えている。衝撃吸収部材206は、例えば、ゴムやシリコンなど弾性を有する部材により形成されている。また、衝撃吸収部材206は、衝撃吸収片61bの落下経路上に配置されている。そして、可動体61が初期位置から落下すると、衝撃吸収片61bが衝撃吸収部材206上に落下して当接する。これにより、可動体61は落下の衝撃が吸収されつつ下降位置で停止する。
【0119】
なお、衝撃吸収機構63は前面側を覆うカバー207を備えている。カバー207は、可動体61側を向くとともに上下に延びる凹部207aを備えている。そして、衝撃吸収片61bは凹部207aの内壁に接しないように凹部207aの隙間に収容されている。そして、可動体61が初期位置と下降位置との間で可動しても衝撃吸収片61bが凹部207aの内壁に接することがないように相対的な位置関係が設定されている。
【0120】
図10は前カバー67を取り外した状態の可動体61が初期位置に位置する状態を示す斜視図である。図11は前カバー67を取り外した状態の可動体61が下降位置に位置する状態を示す斜視図である。
【0121】
図10及び図11に示すように、可動体61は複数の部品を備えている。具体的には、可動役物64~66を初期位置に復帰させるための可動アーム208、可動アーム208を可動させるためのモータ209およびギヤ210、可動アーム208が初期値に復帰したことを検出するフォトセンサ211、可動役物65,66を回転させるための一対の回転アーム212、可動役物64を上下動させるためのギヤボックス213などを備えている。
【0122】
そして、可動体61が自由落下すると、可動アーム208が反時計回りに回転し、これに連動してギヤボックス213内のギヤを介して可動役物64が上方に突出する。また、回転アーム212が溝状のガイド214内を移動し、これに連動して可動役物65,66がそれぞれ回転する。
【0123】
可動体61が初期位置に復帰するときには、モータ209が駆動し、ギヤ210を介して可動アーム208が時計回りに回転する。そして、可動アーム208の回転に連動してギヤボックス213内のギヤを介して可動役物64が下方に移動し、可動役物64が可動体61の前カバー67の裏側に収納される。また、可動アーム208の回転に連動して回転アーム212がガイド214内を移動し、可動役物65,66が可動体61の前カバー67の裏側に収納される。そして、前述したようにモータ200の駆動により可動体61が初期位置に向けて上昇する。
【0124】
なお、可動役物64~66の可動のタイミングや可動体61の可動のタイミングは、本実施形態に示すタイミングに限らず、演出の態様や遊技の処理の流れに応じて適宜に設定可能である。
【0125】
図12は前カバー67を取り外した状態の可動体61が初期位置に位置する状態を示す正面図である。図13は前カバー67を取り外した状態の可動体61が下降位置に位置する状態を示す正面図である。
【0126】
図12及び図13に示すように、可動体61に設けられた複数の部品は、可動体61の部品の配置領域を上下に延びる垂直方向の中心線Lを境に一方側の領域215と他方側の領域216とに区画したときに、一方側の領域215のほうが他方側の領域216よりも部品数が多くなるように配置されている。
【0127】
特に、モータ209やギヤ210、可動アーム208、フォトセンサ211など、相対的に重くなる可動役物64~65を可動させるための部品(すなわち、可動体61を可動させるための部品)は一方側の領域215に配置されている。これにより、可動体61の重心は一方側の領域215に位置する構成となっている。
【0128】
また、可動体61において、モータ209やギヤ210、可動アーム208、フォトセンサ211など、複数の部品は可動体61の可動方向と直交する方向(すなわち、前後方向)を軸方向としたねじにより取り付けられている。このように取り付けることにより、可動体61が自由落下したときの衝撃でねじが抜け落ちることを防止できる。
【0129】
なお、回転アーム212は左右対称に配置されており、ギヤボックス213は中心線L上に設けられているため、可動体61の重心位置には寄与していない。また、可動体61に用いられている電飾部品を接続するコネクタの接続方向は左右方向になっており、さらに、可動体61を多くカバーなどの部品は前後方向から組付けられるようになっている。このように、コネクタの接続方向やカバーの組付け方向を可動体61の可動方向と交差させることにより、これらが衝撃で抜け落ちることが防止されている。
【0130】
以上にように、可動体61は、上下に延びる垂直方向の中心線Lを境に一方側と他方側を比較すると、一方側に重心が位置する構成であるため、他方側に重心が位置する構成の場合よりも軸201に作用するモーメントを小さくすることが可能になる。よって、本実施形態では、軸201への負担を小さくすることができる。これにより、軸201の破損などの不具合に起因する可動体の動作不良を防止することができる。また、可動体61を上昇させるときの軸201への負担を小さくすることができるため、モータ200のトルクを大きくすることなく可動体61を上昇させることができる。さらに、可動体61が自由落下したときに、衝撃吸収部材206上に落下する部分の負担を減らし、部品の損傷を防ぐことができる。
【0131】
また、可動体61は、上下に延びる垂直方向の中心線Lを境にすることなく、左右方向における一方側の端部と他方側の端部(換言すると、一端側と他端側)とを比較した場合にも、重心の位置が一方側の端部に寄っている。そして、一方側の端部に重心が寄っている構成であるため、他方側の端部に重心が寄っている構成である場合よりも軸201に作用するモーメントを小さくすることが可能になる。よって、本実施形態では、軸201への負担を小さくすることができる。これにより、軸201の破損などの不具合に起因する可動体の動作不良を防止することができる。また、可動体61を上昇させるときの軸201への負担を小さくすることができるため、モータ200のトルクを大きくすることなく可動体61を上昇させることができる。さらに、可動体61が自由落下したときに、衝撃吸収部材206上に落下する部分の負担を減らし、部品の損傷を防ぐことができる。
【0132】
すなわち、本発明では、可動体を中心線で区切って一方側と他方側を比較した場合及び可動体を中心線で区切ることなく一方側と他方側とを比較した場合のいずれにおいても一方側に重心を位置させることにより、一方側を軸として可動する可動体における軸への負担を小さくすることができる。特に、本発明では、演出の実行に連動して可動体61が可動する構成であるが、可動体61が可動する変動パターンの選択率が高い遊技状態に移行したときなど、可動体61の可動頻度が高くなったときに軸201への負担を軽減することができる。
【0133】
[始動口ユニットの構成]
次に、始動口ユニット300の構成について詳しく説明する。
【0134】
図14は始動口ユニット300の斜視図である。図15は始動口ユニット300が備えるベース部材301の斜視図である。図16は始動口ユニット300の分解斜視図である。
【0135】
本実施形態では、第1始動入賞口26を形成するための始動口ユニット300が設けられている。始動口ユニット300は遊技盤8bの盤面に取り付けられている。
【0136】
始動口ユニット300は、ベース部材301と、前飾り302と、シール303とを備えている。ベース部材301は遊技盤8bの盤面にねじ穴301aを介して着脱自在にねじ止めされる。
【0137】
ベース部材301には前後方向に延びる一対の入賞口形成ピン304が取り付けられている。ベース部材301に前飾り302を取り付けると、ベース部材301と前飾り302と入賞口形成ピン304とで区画された領域が形成される。そして、当該領域が第1始動入賞口26とされる。入賞口形成ピン304は金属により形成されている。よって、入賞口形成ピン304を変形させることにより、パチンコ機1の出荷時に設定されている第1始動入賞口26への入賞率を変化させることができる。具体的には、入賞口形成ピン304を左右両側に広げると入賞率が上昇し、入賞口形成ピン304を左右両側から狭めると入賞率が低下する。
【0138】
また、ベース部材301には第1始動入賞口26に入賞した遊技球が通過する球通路305が形成されている。球通路305を通過した遊技球は遊技盤8bの盤面裏側に設けられている第1始動入賞口スイッチ80により検出され、検出後に回収される。
【0139】
前飾り302の前面にはシール303の貼付面302aが設けられている。前飾り302の前面にはシール303の形状と略同一形状でシール303よりも一回り大きいシール303の貼付面302aが形成されている。
【0140】
貼付面302aは、周囲の面よりも一段低い段差部分(すなわち、前飾り302の前面に形成された凹み部分)に形成されており、当該段差部分はシール303の厚みに相当する段差となっている。
【0141】
また、シール303の貼付面302aには位置決めガイド302bが形成されており、シール303には位置決めガイド302bの形状と略同一形状の切り欠きが形成されている。
【0142】
そして、シール303を貼付面302aに貼付するときは、位置決めガイド302bにシール303の切り欠きを挿入することにより、シール303を正確な位置に貼付できる。なお、シール303の表面は平面であり、シール303を貼付面302aに貼付すると、シール303の表面とその周囲の面との段差がなくなる。これにより、シール303を前飾り302に貼付した状態では、前飾り302の前面は平面または略平面になる。
【0143】
貼付面302aには、3カ所のねじ穴302cが形成されており、このねじ穴302cを介してねじ306により前飾り302がベース部材301の前面側に着脱自在にねじ止めされる。なお、ベース部材301の前面に形成された位置決めピン301bが前飾り302に形成された位置決め穴302dに挿入されることにより、ベース部材301に前飾り302を取り付けるときに位置決めされる。
【0144】
そして、シール303は、前飾り302をベース部材301に取り付けた状態で貼付面302aに貼付される。よって、前飾り302をベース部材301に取り付けた状態では、前飾り302とベース部材301との接合部であるねじ306はシール303により覆われる。
【0145】
また、シール303は、例えば、破れやすい強度の弱い紙で形成されており、強力な接着剤により貼付面302aにより貼付されている。これにより、シール303を剥離すると、途中でシール303が破れてその痕跡が残る構成となっている。
【0146】
そして、前飾り302は透明な樹脂で形成されている。また、シール303の一部には模様がプリントされているが、模様のプリント部分以外の部分は透明になっている。シール303の模様は、パチンコ機1で実行される演出に関連する模様となっており、装飾としての機能を備えている。演出に関連する模様とは、例えば、演出に関連するキャラクタ、演出に関連するモチーフ、演出態様に関連する模様を挙げることができる。
【0147】
このような構成とすることにより、シール303の透明部分と前飾り302を介してベース部材301に形成した球通路305を視認可能となっている。そして、シール303の模様により球通路305の視認性が阻害されない面積のほうがシール303の模様により球通路305の視認性が阻害される面積のほうが大きくなっている。
【0148】
なお、前飾り302は全体が透明なので入賞口形成ピン304も視認することが可能である。
【0149】
従来は、始動口ユニットは遊技球を検出するセンサを備えるとともにコネクタなどにより基盤に接続されていたので始動口ユニットを単体で取り外すことが困難であった。しかし、本実施形態では、第1始動入賞口26に入賞した遊技球を盤面の裏側で検出する構成とすることにより、コネクタなどの接続部分が設けられていないため、従来よりも始動口ユニット300を容易に取り外すことが可能な構成となっている。
【0150】
よって、始動口ユニット300は、ユニットを組み立てた状態では入賞口形成ピン304を変形させることは困難であっても、始動口ユニット300を取り外すとともに前飾り302と取り外すことにより、従来よりも容易に入賞口形成ピン304を変形させることができてしまう。
【0151】
これにより、入賞率を変化させることが容易になってしまう。しかし、本実施形態では、シール303を貼付面302aに貼付することによって、前飾り302をベース部材301に取り付けるためのねじ306を覆う構成としている。そして、シールを剥離したときはその痕跡が残る。
【0152】
よって、第1始動入賞口26の入賞率を変化させたときには、シール303の痕跡により、入賞率を変化させたことを認識できる。このため、第1始動入賞口26の入賞率を変化させることを防止することが可能になる。これにより、この機種は極端に第1始動入賞口26への入賞率を低下させることができない機種であるという安心感を遊技者に与えることができる。
【0153】
特に、第1始動入賞口26は、遊技球が入賞すると賞球が得られるだけでなく大当りの判定が行われるため、賞球のみが得らえる普通入賞口22,24よりも有利度の高い入賞口である。そして、有利度の高い入賞口において入賞率の変更の痕跡が残る構成としたため、遊技者の安心感をより高めることができる。なお、本実施形態では、少なくともシール303の模様のプリントがねじ306(すなわち、接合部)に重なる構成としている。このため、外観から始動口ユニット300の組み付けの構造を理解することを困難にすることができ、いわゆるゴト行為と称される不正な行為によって始動口ユニット300の分解や取り外しが行われることを防止できる。
【0154】
[上記実施形態の変形例1]
次に、上記実施形態の変形例1に係る発明を備えた遊技機について説明するが、上記実施形態に係る発明と変形例1に係る発明を組み合わせて一の遊技機に適用してもよい。なお、変形例1において、上記実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0155】
変形例1のパチンコ機を上記実施形態で説明したパチンコ機1に適用するには、一体扉ユニット4に変形例1の装飾ユニット402を設けるとともに、変形例1の外レール406と内レール407とによって案内通路19eを形成する。そして、装飾ユニット402と案内通路19eの相対的な位置関係を変形例1のように設定することにより一のパチンコ機に、上記実施形態に係る発明を適用するとともに、変形例1に係る発明を適用することができる。
【0156】
図17に示すように、変形例1に係るパチンコ機400は、一体扉ユニット401を備えている。一体扉ユニット401は前面側を覆う前枠401aを備えている。前枠401aの上部には装飾ユニット402が設けられている。装飾ユニット402は左右方向に長尺な箱型になっており、一体扉ユニット401の手前側(換言すると、前方側)に突出している。一体扉ユニット401は一定間隔を空けて2層とされた窓401bを備えている。そして、窓401bを介して遊技盤の前面側に形成された遊技領域を視認できる。
【0157】
図18に示すように、装飾ユニット402の下面402aは複数の面が連なる構成となっており、奥側から手前側に下り傾斜となっている傾斜面403aと、傾斜面403aに連なる水平面403bとを備えている。傾斜面403aは連続的に下り傾斜となっておらず、段差面を有しているが全体として奥側から手前側が下り傾斜になっている。そして、装飾ユニット402の下面402aの後端縁403cは窓401bの外側の層に当接しており、傾斜面403aの下端縁403dは水平面403bに連なっている。なお、後端縁403c及び下端縁403dは左右方向に直線状に延びている。
【0158】
装飾ユニット402の内部にはLEDが設けられている。また、装飾ユニット402の前面にはレンズが設けられている。そして、LEDが点灯するとLEDの光がレンズを通して透過するようになっている。なお、図示は省略しているが、装飾ユニット402のレンズ部分には機種名などが印刷されている。
【0159】
図19に示すように、遊技盤404の前面側には遊技領域405が形成されている。遊技領域405は、上下に延びる中心線を境に左側の左打ち領域405aと右側の右打ち領域405bとに区画されている。遊技領域405の上部には、外レール406と、外レール406の内側に外レール406と対向するように配置された内レール407とが設けられている。外レール406と内レール407とは、上方側が頂点となるように円弧状に屈曲するように遊技盤404に取り付けられている。
【0160】
また、外レール406と内レール407との隙間は遊技領域405に発射された遊技球の案内通路408になっている。案内通路408は、外レール406と内レール407の屈曲により上方側が頂点となるように屈曲している。案内通路408は遊技領域405の上部(液晶表示器42の上方)に配置されており、遊技領域405に発射された遊技球を左打ち領域405aから右打ち領域405bに案内する。
【0161】
このように構成された変形例1のパチンコ機400では、装飾ユニット402を大型化して演出効果を高めつつ、案内通路408を通過する遊技球を遊技者が視認可能となるように装飾ユニット402と案内通路408の相対的な位置関係が以下のように設定されている。この点について以下に説明する。
【0162】
図19及び図20に示すように、遊技盤403の盤面に対して垂直方向(換言すると、前後方向)に延びる線のうち、案内通路408の頂点部分で外レール406の内面を通る線を基準線410として設定する。
【0163】
そして、鉛直方向(換言すると、上下方向)に延びる鉛直線のうち、装飾ユニット402の下面の後端縁403cを通る鉛直線411aと交わる部分を第1測定点412として設定する。また、鉛直方向(換言すると、上下方向)に延びる鉛直線のうち、装飾ユニット402の下面の下端縁403dと交わる鉛直線411bと交わる部分を第2測定点413として設定する。
【0164】
そして、第1測定点412を基準線410よりも下方側に設定し、鉛直方向における基準線410からの距離Aを遊技球の直径(例えば、11ミリ)以下に設定している(例えば、4ミリ)。また、第2測定点413は基準線410よりも下方側に設定し、鉛直方向における基準線410からの距離Bを遊技球の直径以上に設定している(例えば、40ミリ)。
【0165】
このように、第2測定点413は、基準線410よりも下方に位置し、さらに、鉛直方向における基準線410からの距離が遊技球の直径以上に設定されているので、装飾ユニット402を大型化することができる。また、鉛直方向における基準線410と第1測定点412との距離が遊技球の直径以下に設定されているので、遊技球の発射強度が強くなって、案内通路408の上面(すなわち、外レール406の内面)に沿って遊技球が流下した場合でも、パチンコ機400の正面に向かって装飾ユニット402を下側から覗き込むことにより、遊技球の視認性を確保できる。
【0166】
なお、遊技盤403の盤面に対して垂直方向に延びる線のうち、案内通路408の頂点部分で内レール407の内面を通る線を基準線414として設定し、基準線414と第1測定点412及び第2測定点413との相対的な位置関係を以下のように設定することによっても、装飾ユニット402を大型化しつつ遊技球の視認性を確保できる。
【0167】
すなわち、第1測定点412を基準線414よりも上方側に設定し、鉛直方向における基準線414からの距離Cを遊技球の半径以上に設定している(例えば、14ミリ)。また、第2測定点413を基準線414よりも下方側に設定し、鉛直方向における基準線414からの距離Dを遊技球の直径以上に設定している(例えば、22ミリ)。
【0168】
このように、第2測定点413は、基準線414よりも下方に位置し、さらに、鉛直方向における基準線414からの距離が遊技球の直径以上に設定されているので、装飾ユニット402を大型化することができる。また、鉛直方向における基準線414と第1測定点412との距離が遊技球の半径以上に設定されているので、遊技球の発射強度が弱くなって、案内通路408の下面(すなわち、内レール407の内面)に沿って遊技球が流下した場合でも、パチンコ機400の正面に向かって装飾ユニット402を下側から覗き込むことにより、遊技球の視認性を確保できる。
【0169】
なお、基準線410と第1測定点412及び第2測定点413との相対的な位置関係のみを上記のように設定する、あるいは、基準線414と第1測定点412及び第2測定点413との相対的な位置関係のみを上記のように設定する、あるいは、両者いずれも満たすように位置関係を設定してもよい。
【0170】
また、変形例1において、上記実施形態で説明した演出ユニット60や始動口ユニット300の少なくともいずれか一方を設けることが可能である。
【0171】
以上のような構成とすることにより、変形例1は下記(A),(B)に示す発明を含むものである。なお、(A),(B)のいずれかを実施してもよいし、(A),(B)の両方を組み合わせて実施することも可能である。
【0172】
(A)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域を視認可能にする窓を有する前面扉と、
前記前面扉の上部に設けられた装飾部材と、を備え、
前記遊技領域は上下に延びる中心線を境に左打ち領域と右打ち領域とに区画され、
前記遊技領域に発射された遊技球を前記左打ち領域から前記右打ち領域に案内する案内通路が前記遊技領域の上部に設けられ、
前記案内通路は、外側に配置された外レールの内面と、該外レールと対向するように該外レールの内側に配置された内レールの内面とによって遊技球を案内し、かつ前記遊技領域の上方側が頂点となるように円弧状に屈曲しており、
前記装飾部材は手前側に突出しており、
前記装飾部材の下面は、奥側から手前側に向けて下り傾斜となっている傾斜面を含み、
前記遊技盤の盤面に対して垂直方向に延び、前記案内通路の頂点部分で前記外レールの内面を通る線を基準線として設定し、
前記基準線と交わる鉛直線のうち前記装飾部材の下面の後端縁を通る鉛直線と交わる部分を第1計測点として設定し、
前記基準線と交わる鉛直線のうち前記装飾部材の下面の下端縁を通る鉛直線と交わる部分を第2計測点と設定し、
前記第1計測点は、前記基準線よりも下方に位置するとともに、鉛直方向における前記基準線からの距離が遊技球の直径以下であり、
前記第2計測点は、前記基準線よりも下方に位置するとともに、鉛直方向における前記基準線からの距離が遊技球の直径以上であることを特徴とする遊技機。
【0173】
(B)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域を視認可能にする窓を有する前面扉と、
前記前面扉の上部に設けられた装飾部材と、を備え、
前記遊技領域は上下に延びる中心線を境に左打ち領域と右打ち領域とに区画され、
前記遊技領域に発射された遊技球を前記左打ち領域から前記右打ち領域に案内する案内通路が前記遊技領域の上部に設けられ、
前記案内通路は、外側に配置された外レールの内面と、該外レールと対向するように該外レールの内側に配置された内レールの内面とによって遊技球を案内し、かつ前記遊技領域の上方側が頂点となるように円弧状に屈曲しており、
前記装飾部材は手前側に突出しており、
前記装飾部材の下面は、奥側から手前側に向けて下り傾斜となっている傾斜面を含み、
前記遊技盤の盤面に対して垂直方向に延び、前記案内通路の頂点部分で前記内レールの内面を通る線を基準線として設定し、
前記基準線と交わる鉛直線のうち前記装飾部材の下面の後端縁を通る鉛直線と交わる部分を第1計測点として設定し、
前記基準線と交わる鉛直線のうち前記装飾部材の下面の下端縁を通る鉛直線と交わる部分を第2計測点と設定し、
前記第1計測点は、前記基準線よりも上方に位置するとともに、鉛直方向における前記基準線からの距離が遊技球の半径以上であり、
前記第2計測点は、前記基準線よりも下方に位置するとともに、鉛直方向における前記基準線からの距離が遊技球の直径以上であることを特徴とする遊技機。
【0174】
[上記実施形態の変形例2]
次に、上記実施形態の変形例2に係る発明を備えた遊技機について説明するが、上記実施形態に係る発明と変形例1に係る発明と変形例2に係る発明を組み合わせて一の遊技機に適用してもよい。また、上記実施形態に係る発明と変形例2に係る発明を組み合わせて一の遊技機に適用してもよい。また、変形例1に係る発明と変形例2に係る発明を組み合わせて一の遊技機に適用してもよい。なお、変形例2において、上記実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0175】
変形例2のパチンコ機を上記実施形態で説明したパチンコ機1に適用するには、案内通路19eを形成するために変形例2の外レール503を上記実施形態の遊技盤8bに取り付ければよい。これにより、一のパチンコ機に、上記実施形態に係る発明を適用するとともに、変形例2に係る発明を適用することができる。
【0176】
図21図23に示すように、変形例2に係るパチンコ機では、遊技盤500には、遊技領域を確定するとともに外レール503を取り付けるためのレールベース501が取り付けられている。これにより、遊技盤500の前面側に遊技領域502が形成されている。
【0177】
そして、遊技盤500には、レールベース501を介して外レール503が取り付けられている。外レール503は、可撓性のある部材(例えば、アルミニウム)で矩形板状に形成されている。
【0178】
そして、外レール503は、レールベース501のガイド面501aに一面側が取り付けられている。レールベース501の内面は上方側が頂点となるように略円弧状に屈曲している。したがって、外レール503をレールベース501に取り付けると、外レール503は上方側が頂点となるように略円弧状に屈曲した状態となる。また、レールベース501のガイド面501aは遊技球が前方向に流れにくくなるように手前側から奥側に向かって傾斜している。そして、発射装置により発射された遊技球(図23中A)は外レール503によって遊技領域502に案内される。
【0179】
外レール503には、遊技盤500に対して位置決めするための位置決め孔503aが形成されている。位置決め孔503aは、外レール503の長手方向に沿って離間するように複数個所に形成されている。位置決め孔503aの配置間隔が均等にならないように位置が決められている。
【0180】
そして、外レール503は、位置決め孔503aをレールベース501の内面に設けられている位置決め突起501bに挿入することにより、遊技盤500に対して位置決めされる。
【0181】
そして、外レール503が遊技盤500に取り付けられた状態において、外レール503の一端側(換言すると、発射装置側)の始端503bから左端503cまでの範囲を第1の範囲H1とし、外レール503の左端503cから上端503dまでの範囲を第2の範囲H2とし、外レールの上端503dから他端側の終端503eまでの範囲を第3の範囲H3として設定する。
【0182】
この場合に、変形例2では、第1の範囲H1に形成された位置決め孔503aの数(例えば、3個)の方が第2の範囲H2に形成された位置決め孔503aの数(例えば、2個)より多く、第2の範囲H2に形成された位置決め孔503aの数(例えば、2個)の方が第3の範囲H3に形成された位置決め孔503aの数(例えば、0個)よりも多くなっている。なお、本実施形態では、位置決め孔503aは、第3の範囲H3に形成されておらず、また、外レール503の左端503c及び上端503dには形成されていない。さらに、位置決め孔503aは、遊技領域502に向けて発射された遊技球が接触しない位置に形成されている。
【0183】
このように、変形例2では、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外レール503の配置について特に正確さが求められる発射装置側に位置決め孔503aの数を多くしているので、発射装置側の外レール503のずれや振動を確実に防止することができる。また、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端側は位置決め孔503aの数を少なくしているので、外レール503の加工やレールベース501への取り付けを容易にすることができる。また、位置決め孔503aは、遊技球が接する可能性の高い外レール503の左端503c及び上端503dには形成されていないので、外レール503のずれや振動を確実に防止することができる。
【0184】
なお、位置決め孔503aの数について、上述した構成以外の構成としても同様の効果を得ることが可能である。
【0185】
例えば、第1の範囲H1に形成された位置決め孔503aの数は第2の範囲H2に形成された位置決め孔503aの数以上であり、第2の範囲H2に形成された位置決め孔503aの数は第3の範囲H3に形成された位置決め孔503aの数以上にすることが可能である。
【0186】
また、例えば、第1の範囲H1に形成された位置決め孔503aの数は第3の範囲H3に形成された位置決め孔503aの数以上であり、第2の範囲H2に形成された位置決め孔503aの数は第3の範囲H3に形成された位置決め孔503aの数以上にすることが可能である。
【0187】
また、例えば、第1の範囲H1に形成された位置決め孔503aの数は、第2の範囲H2に形成された位置決め孔503aの数以上、かつ第3の範囲H3に形成された位置決め孔503aの数以上にすることが可能である。
【0188】
また、外レール503が遊技盤500に取り付けられた状態において、外レール503の一端側(換言すると、発射装置側)の始端503bから左端503cまでの範囲を第4の範囲H4とし、外レール503の左端503cから他端側の終端503eまでの範囲を第5の範囲H5として設定する。この場合に、第4の範囲H4に形成された位置決め孔503aの数(例えば、3個)の方が第5の範囲H5に形成された位置決め孔503aの数(例えば、2個)より多くすることが可能である。
【0189】
また、外レール503が遊技盤500に取り付けられた状態において、外レール503の一端側(換言すると、発射装置側)の始端503bから上端503dまでの範囲を第6の範囲H6とし、外レール503の上端503dから他端側の終端503eまでの範囲を第7の範囲H7として設定する。この場合に、第6の範囲H6に形成された位置決め孔503aの数(例えば、6個)の方が第7の範囲H7に形成された位置決め孔503aの数(例えば、0個)より多くすることが可能である。
【0190】
また、外レール503が遊技盤500に取り付けられた状態において、外レール503の一端側(換言すると、発射装置側)の始端503bから外レール503の中間点までの範囲を第8の範囲H8とし、外レール503の中間点から他端側の終端503eまでの範囲を第9の範囲H9として設定する。この場合に、第8の範囲H8に形成された位置決め孔503aの数(例えば、4個)の方が第9の範囲H9に形成された位置決め孔503aの数(例えば、1個)より多くすることが可能である。
【0191】
また、変形例2において、上記実施形態で説明した演出ユニット60や始動口ユニット300の少なくともいずれか一方を設けることが可能である。さらに、変形例2において変形例1で説明した装飾ユニット402を設けることが可能である。
【0192】
なお、変形例2において、所定の案内部として位置決め突起501bを挿入する位置決め孔503aを例に挙げて説明したが、例えば、レールベース側の突起が嵌め合わせる切り欠き、位置決めピンを取り付ける孔など、変形例2と異なる態様の所定の案内部に変形例2に係る発明を適用してもよい。
【0193】
以上のような構成とすることにより、変形例2は下記(A)~(T)に示す発明を含むものである。
【0194】
(A)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多く、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多いことを特徴とする遊技機。
【0195】
(B)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記所定の案内部は、前記第3の範囲には形成されていないことを特徴とする遊技機。
【0196】
(C)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であり、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であることを特徴とする遊技機。
【0197】
(D)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であり、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であることを特徴とする遊技機。
【0198】
(E)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上、かつ前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であることを特徴とする遊技機。
【0199】
(F)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第4の範囲と設定し、
前記外レールの左端から終端までの範囲を第5の範囲と設定し、
前記第4の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第5の範囲に形成された前記所定の案内部の数より多いことを特徴とする遊技機。
【0200】
(G)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から上端までの範囲を第6の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第7の範囲と設定し、
前記第6の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第7の範囲に形成された前記所定の案内部の数より多いことを特徴とする遊技機。
【0201】
(H)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から中間までの範囲を第8の範囲と設定し、
前記外レールの中間から終端までの範囲を第9の範囲と設定し、
前記第8の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が第9の範囲に形成された前記所定の案内部の数より多いことを特徴とする遊技機。
【0202】
(I)前記所定の案内部は、前記外レールの左端及び上端には形成されていないことを特徴とする(A)から(H)のうちのいずれかに遊技機。
【0203】
(J)前記所定の案内部は、遊技球が接触しない位置に形成されていることを特徴とする(A)から(I)のうちのいずれかに遊技機。
【0204】
(K)前記外レールは、前記遊技盤に取り付けられたレールベースのガイド面に沿うように支持されており、レールベースのガイド面は、遊技球が前方向に流れにくくなるように傾斜していることを特徴とする(A)から(J)のうちのいずれかに遊技機。
【0205】
(L)前記所定の案内部は、配置間隔が均等ではないことを特徴とする(A)から(J)のうちのいずれかに遊技機。
【0206】
なお、変形例1に係る発明と変形例2に係る発明とを組み合わせることにより、または、上記実施形態に係る発明と変形例1に係る発明と変形例2に係る発明とを組み合わせることにより、遊技球の軌道を安定させ、設計通りの遊技が可能な遊技機を提供することができる。また、遊技球の軌道が安定することにより、装飾ユニット402の下面側からの遊技球の視認性を確実に確保することができる。
【0207】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、遊技を行うことが可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、一方側と他方側を含み、前記一方側を軸として可動する可動体(本例では、可動体61)を備え、前記可動体は複数の部品を備え、前記可動体が含む領域を前記一方側の領域と前記他方側の領域に区画した場合に、前記複数の部品は、前記一方側の領域のほうが前記他方側の領域よりも部品数が多くなるように配置されており(本例では、図12図13に示すように、可動アーム208、モータ209、ギヤ210、フォトセンサ211などを一方側に配置している)、前記可動体が可動したときに前記他方側の一部(本例では、衝撃吸収片61b)が特定箇所(本例では、衝撃吸収部材206)に当接し得る。よって、可動体61の軸201への負担を小さくすることができる。
【0208】
また、前記一方側にのみ前記可動体を可動させるための部品(本例では、可動アーム208、モータ209、ギヤ210、フォトセンサ211)が配置されており、前記可動体の前記重心の位置は前記一方側にあり、前記可動体は所定のタイミングで自由落下し、前記可動体が自由落下したときに前記他方側の一部(本例では、衝撃吸収片61b)が前記特定箇所(本例では、衝撃吸収部材206)に当接することにより自由落下の衝撃が吸収される。よって、可動体61の軸201への負担を小さくすることができる。
【0209】
また、本実施形態では、遊技を行うことが可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、遊技盤(本例では、遊技盤8b)と、前記遊技盤の盤面に設けられた特定部品(本例では、前飾り302)と、前記特定部品の前面に設けられた装飾層(本例では、シール303)と、前記装飾層の奥側に設けられた球通路(本例では、球通路305)と、を備え、前記装飾層の少なくとも一部が前記球通路を通過する遊技球を視認可能に形成されており(本例では、シールの一部が透明である)、前記装飾層を前記特定部品から剥離したときに前記装飾層が形成されていた痕跡が残ることを特徴とする。よって、始動入賞口26への入賞率が変更されてしまうことを防止することが可能になり、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
【0210】
また、前記装飾層は少なくとも前記特定部品の接合部(本例では、ねじ306)を覆い、前記特定部品(本例では、前飾り302)は透明な部材で形成されており、前記特定部品は、前記装飾層により前記球通路の視認が阻害されない面積のほうが前記装飾層により前記球通路の視認が阻害される面積よりも大きいように構成してもよい。よって、球通路305を通過する遊技球を視認することにより、始動入賞口26への入賞率が変更されていないことを確認することが可能になり、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
【0211】
[その他、上記実施形態の変形例]
上記実施形態では、上下方向に可動する可動体を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、回転する可動体、左右方向に移動する可動体など、上記実施形態と異なる態様で可動する可動体を適用してもよい。
【0212】
上記実施形態では、シール303の一部を透明にすることにより球通路を視認可能な構成としたが、例えば、シールの一部に切り欠きを形成する、あるいは、シールに視認用の穴を形成する、あるいは、型抜きによりシールを形成するなど、上記実施形態と異なる態様により球通路を視認可能な構成としてもよい。
【0213】
上記実施形態では、第1始動入賞口26を形成する特定部品に装飾層を設ける例を挙げて説明したが、例えば、大入賞口を開閉するアタッカ(可動扉)など、始動入賞口以外の入賞口を形成する特定部品に対して装飾層を設けてもよい。
【0214】
上記実施形態では、装飾層として特定部品に貼付するシールを例に挙げて説明したが、例えば、特定部品に対する塗料や特定部品に対する印刷のように、削り取らないと剥がすことができないように一体的に形成する構成とするなど、上記実施形態と異なる態様の装飾層を設けてもよい。
【0215】
なお、上記実施形態では、パチンコ機に本発明を適用する例を挙げたが、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンなど、他の態様の遊技機に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0216】
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
42 液晶表示器
45 演出切替ボタン
70 主制御装置
72 主制御CPU
124 演出制御装置
126 演出制御CPU
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