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  • 特許-STINGアゴニストの投与方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】STINGアゴニストの投与方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4184 20060101AFI20230414BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230414BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
A61K31/4184
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P37/00
A61P29/00
A61P31/00
A61P31/12
A61P31/14
A61P31/16
A61P31/18
A61P31/20
A61P17/00
A61P25/28
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2020519385
(86)(22)【出願日】2018-10-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 IB2018057738
(87)【国際公開番号】W WO2019069275
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】62/568,392
(32)【優先日】2017-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513032275
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ディベロップメント、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY DEVELOPMENT LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100172557
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 啓靖
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ、スコット、ペシリディス
(72)【発明者】
【氏名】ジョシー、エム.ラマンジュル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュック、トラン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジンソン
【審査官】高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/011444(WO,A1)
【文献】特表2019-510796(JP,A)
【文献】Sci Transl Med.,2015年,Vol.7(283)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおける癌を治療するための医薬組成物であって、
前記医薬組成物は、有効量のSTINGアゴニストを含んでなり、
有効量の前記STINGアゴニストは、前記ヒトに全身投与され、
前記STINGアゴニストは、前記ヒトの腫瘍微小環境中の少なくとも1種のサイトカインを、前記ヒトの血液、血清、および/または血漿中の前記サイトカインの濃度と比較して高い濃度で誘導し、
前記STINGアゴニストは、式(I-N):
【化1】
[式中:
qは、0または1であり;
rは、0または1であり;
sは、0または1であり;
q+r+s=1または2であり;
qが0である場合、R A1 およびR A2 は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-N(R )(R )、-CO 、-N(R )COR 、-N(R )SO (C -C アルキル)-N(R )(R )、-N(R )CO(C -C アルキル)-N(R )(R )、置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-の(C -C アルキル)は、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 -C アルコキシ-、-N(R )(R )、-CO (R )、-CON(R )(R )、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、-(C -C アルキル)-NH 、ハロ(C -C アルキル)、ヒドロキシ-(C -C アルキル)-、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 2、 ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、-C -C アルキル-(C -C アルコキシ)およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが0である場合、R B1 およびR B2 は、それぞれ独立に、H、置換されていてもよいC -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、置換されていてもよいC -C アルケニル、置換されていてもよいC -C アルキニル、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C アルケニル、置換されていてもよいC -C アルキニル、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールは、ハロゲン、ニトロ、-R 、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが0である場合、R C1 は、H、ハロゲン、またはC -C アルキルであり、R C2 は、置換されていてもよいC -C アルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキル基は、-OR 、-NR 、-CO 、-CONR 、-SO NR 、および-OCONR から選択される置換基により置換されていてもよく;
qが1である場合、R A1 およびR A2 は、それぞれ独立に、-CH -、-NR -、または-O-であり、Aは、R A1 およびR A2 と一緒になって連結基を形成し、Aは、-ハロ(C -C 12 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 -OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシル)-O-P(O)(R II およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが1である場合、R B1 およびR B2 は、それぞれ独立に-CH -であり、Bは、R B1 およびR B2 と一緒になって連結基を形成し、Bは結合であるか、またはBは、-ハロ(C -C 10 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 10 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール-C -C アルキル)-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが1である場合、R C1 およびR C2 は、それぞれ独立に-CH -であり、Cは、R C1 およびR C2 と一緒になって連結基を形成し、Cは、-ハロ(C -C 12 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
およびR は、それぞれ独立に-CON(R )(R )であるか、またはR およびR の一方は-CON(R )(R )であり、R およびR の他方はH、COOHもしくは-CO (R )であり;
およびR は、H、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-NH 、-NR 、-NR 、-COR 、-CO 、-N(R )COR 、-N(R )SO 、-N(R )SO (C -C アルキル)-N(R )(R )、-N(R )CO(C -C アルキル)-N(R )(R )、置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-からそれぞれ独立に選択され、
ここで、前記置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-の(C -C アルキル)は、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-NR 、-CO H、-CO 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、-NR SO 、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ヒドロキシ-(C -C アルキル)-、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
14 は、置換されていてもよいC -C アルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキルは、-OR 、-NR 、-CO 、-CONR 、-SO NR 、および-OCONR から選択される置換基により置換されていてもよく;
16 は、H、ハロゲン、またはC -C アルキルであり;
15 およびR 17 は、それぞれ独立に、H、シクロプロピル、またはC -C アルキルであり;
は、H、-R 、-COR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、または-SO NR であり;
各R は、独立に、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-OH、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、-(C -C アルキル)-O-(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-N(R )(R )、-(C -C アルキル)-O-CO(C -C アルキル)、または-(C -C アルキル)-CO-O-(C -C アルキル)であり;
各R は、独立に、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-OH、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、-(C -C アルキル)-O-(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-N(R )(R )、-(C -C アルキル)-O-CO(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-CO-O-(C -C アルキル)、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-C -C シクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル、置換されていてもよい-C -C アルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C -C アルキル-9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されたC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-C -C シクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル、置換されていてもよい-C -C アルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C -C アルキル-9~10員ヘテロアリールのC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、5~6員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、-(C -C アルキル)NH 、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、-C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各R は、独立に、HまたはC -C アルキルであり;
各R は、独立に、H、C -C アルキル、-CO(C -C アルキル)、-OCO(C -C アルキル)、-CO (C -C アルキル)、-(C -C アルキル)NH 、-(C -C アルキル)C -C アルコキシ、-CO-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(C -C アルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)、-CO(C -C アルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)であり、
ここで、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルまたは置換されていてもよい5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各R は、独立に、HまたはC -C アルキルであり;
およびR は、それぞれ独立に、HもしくはC -C アルキルであるか、またはR およびR は、それらが結合する単数もしくは複数の原子と一緒になって5~6員環を形成し;
およびR II は、存在ごとに独立して、(C -C アルキル)オキシ-である。]
に従う化合物、またはその薬学上許容可能な塩である、医薬組成物
【請求項2】
前記サイトカインが、IL-6、TNFα、IFNβ、およびIFNγから選択される、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項3】
標的指数(TI)が、前記サイトカインに関して3以上である、請求項1または請求項2に記載の医薬組成物
【請求項4】
前記TIが、前記サイトカインに関して10以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項5】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトにおける腫瘍微小環境中のIL-6の濃度を、前記ヒトの血液、血清、および/または血漿中のIL-6レベルの濃度と比較して少なくとも3倍増加させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項6】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトにおける腫瘍微小環境中のTNFαの濃度を、前記ヒトの血液、血清、および/または血漿中のTNFαレベルの濃度と比較して少なくとも3倍増加させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項7】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトにおける腫瘍微小環境中のIFNβの濃度を、前記ヒトの血液、血清、および/または血漿中のIFNβレベルの濃度と比較して少なくとも3倍増加させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項8】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトにおける腫瘍微小環境中のIFNγの濃度を、前記ヒトの血液、血清、および/または血漿中のIFNγレベルの濃度と比較して少なくとも3倍増加させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項9】
前記STINGアゴニストが、約10μM未満のIC50を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項10】
前記STINGアゴニストが、約1μM未満のIC50を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項11】
前記STINGアゴニストが、約0.1μM未満のIC50を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項12】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトに全身投与された場合、約850~1060ng.hr/mlのAUC(0-24)を提供する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項13】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトに投与された場合、前記STINGアゴニストの約1900~3800ng/mlの平均Cmaxを提供する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項14】
前記ヒトの腫瘍微小環境中における前記STINGアゴニストのCmax濃度が、前記ヒトの血液、血清および/または血漿中と比較して有意に高い、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項15】
前記ヒトの腫瘍微小環境中における前記STINGアゴニストの半減期が、前記ヒトの血液、血清および/または血漿中と比較して有意に長い、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項16】
前記STINGアゴニストが静脈内投与される、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項17】
前記STINGアゴニストまたはその薬学上許容可能な塩が、式(I):
【化2】
[式中:
qは、0または1であり;
rは、0または1であり;
sは、0または1であり;
q+r+s=1または2であり;
qが0である場合、RA1およびRA2は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシ、-N(R)(R)、-CO、-N(R)COR、-N(R)SO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-N(R)CO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-の(C-Cアルキル)は、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ-、-N(R)(R)、-CO(R)、-CON(R)(R)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが0である場合、RB1およびRB2は、それぞれ独立に、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールは、ハロゲン、ニトロ、-R、-OH、-OR、-NH、-NR、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが0である場合、RC1は、H、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、RC2は、置換されていてもよいC-Cアルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC-Cアルキル基は、-OR、-NR、-CO、-CONR、-SONR、および-OCONRから選択される置換基により置換されていてもよく;
qが1である場合、RA1およびRA2は、それぞれ独立に、-CH-、-NR-、または-O-であり、Aは、RA1およびRA2と一緒になって連結基を形成し、Aは、-ハロ(C-C12アルキル)-、置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが1である場合、RB1およびRB2は、それぞれ独立に-CH-であり、Bは、RB1およびRB2と一緒になって連結基を形成し、Bは結合であるか、またはBは、-ハロ(C-C10アルキル)-、置換されていてもよい-C-C10アルキル-、置換されていてもよい-C-C10アルケニル-、置換されていてもよい-C-C10アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C10アルキル-、置換されていてもよい-C-C10アルケニル-、置換されていてもよい-C-C10アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール-C-Cアルキル)-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが1である場合、RC1およびRC2は、それぞれ独立に-CH-であり、Cは、RC1およびRC2と一緒になって連結基を形成し、Cは、-ハロ(C-C12アルキル)-、置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立に-CON(R)(R)であるか、またはRおよびRの一方は-CON(R)(R)であり、RおよびRの他方はHもしくは-CO(R)であり;
およびRは、H、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、ヒドロキシ、-NH、-NR、-NR、-COR、-CO、-N(R)COR、-N(R)SO、-N(R)SO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-N(R)CO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-からそれぞれ独立に選択され、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-の(C-Cアルキル)は、-OH、-OR、-NH、-NR、-NR、-COH、-CO、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、-NRSO、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
ここで、前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
14は、置換されていてもよいC-Cアルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC-Cアルキルは、-OR、-NR、-CO、-CONR、-SONR、および-OCONRから選択される置換基により置換されていてもよく;
16は、H、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり;
15およびR17は、それぞれ独立に、H、シクロプロピル、またはC-Cアルキルであり;
は、H、-R、-COR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、または-SONRであり;
各Rは、独立に、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-(C-Cアルキル)-O-CO(C-Cアルキル)、または-(C-Cアルキル)-CO-O-(C-Cアルキル)であり;
各Rは、独立に、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-(C-Cアルキル)-O-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-CO-O-(C-Cアルキル)、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-C-Cシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されたC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-C-Cシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-9~10員ヘテロアリールのC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、5~6員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各Rは、独立に、HまたはC-Cアルキルであり;
各Rは、独立に、H、C-Cアルキル、-CO(C-Cアルキル)、-OCO(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-CO-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(C-Cアルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)、-CO(C-Cアルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)であり、
ここで、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルまたは置換されていてもよい5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各Rは、独立に、HまたはC-Cアルキルであり;
およびRは、それぞれ独立に、HもしくはC-Cアルキルであるか、またはRおよびRは、それらが結合する単数または複数の原子と一緒になって5~6員環を形成する。]
またはその薬学上許容可能な塩の構造を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項18】
sが0である場合、RC1およびRC2は、それぞれ独立に、HまたはC-Cアルキルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項19】
sが0である場合、RC1およびRC2は、それぞれ独立にエチルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項20】
rが1であり、かつBが、RB1およびRB2と一緒になって、-CHCH=CHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCH(OH)CH(OH)CH-、または-CHCHN(CH)CHCH-を形成する、請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項21】
rが1であり、かつBが、RB1およびRB2と一緒になって-CHCH=CHCH-を形成する、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項22】
およびRがそれぞれHである、請求項1~21のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項23】
16がHである、請求項1~22のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項24】
14、R15、およびR17が、それぞれ独立にC-Cアルキルである、請求項1~23のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項25】
前記STINGアゴニストが、式(I-N-B’):
【化3】
[式中、
およびRは、それぞれ独立に-CON(R)(R)であるか、またはRおよびRの一方は-CON(R)(R)であり、RおよびRの他方はH、COOHもしくは-CO(R)であり;
はC-Cアルキルであり;
B1およびRB2は、それぞれ独立に-CH-であり;
Bは、-ハロ(C-Cアルキル)、未置換-C-Cアルキル、または未置換-C-Cアルケニル-であり;
A2およびRA1は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-のC-Cアルキルは、ヒドロキシル、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、C-Cアルコキシル、-N(R)(R)、-CO(R)、置換されていてもよいフェニル、および置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、または5~6員ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(RII、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、-(C-Cアルキル)-NH、-C-Cアルキル-(C-Cアルコキシル)およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各Rは、独立に、HまたはC-Cアルキルであり;
は、H、(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-OCO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-NH、-(C-Cアルキル)C-Cアルコキシ、または-CO(C-Cアルキル)から選択され、
は、存在ごとに独立して、Hまたは(C-Cアルキル)であり;
およびRはHであり;
14はC-Cアルキルであり;
C1は、HまたはC-Cアルキルであり;
C2はC-Cアルキルであり;
15は、HまたはC-Cアルキルであり;
16は、HまたはC-Cアルキルであり;
17は、HまたはC1-アルキルであり;
およびRIIは、存在ごとに独立して、(C-Cアルキル)オキシ-である。]
またはその薬学上許容可能な塩の構造を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項26】
前記STINGアゴニストが、式(I-N-b’):
【化4】
[式中、
Bは、-ハロ(C-Cアルキル)、未置換-C-Cアルキル、または未置換-C-Cアルケニル-であり;
A2およびRA1は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-のC-Cアルキルは、ヒドロキシル、C-Cアルコキシル、-N(R)(R)、-CO(R)、置換されていてもよいフェニル、および置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、または5~6員ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(RII、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII2、-(C-Cアルキル)-NH、-C-Cアルキル-(C-Cアルコキシル)およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
は、H、(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-OCO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-NH、-(C-Cアルキル)C-Cアルコキシ、または-CO(C-Cアルキル)から選択され、
各Rは、Hまたは(C-Cアルキル)であり;
14はC-Cアルキルであり;
C2はC-Cアルキルであり;
15はC-Cアルキルであり;
17はC-Cアルキルであり;
およびRIIは、存在ごとに独立して、(C-Cアルキル)オキシ-である。]
またはその薬学上許容可能な塩の構造を有する、請求項25に記載の医薬組成物
【請求項27】
A2およびRA1が、それぞれ独立に、H、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-であり、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-のC-Cアルキルが、ヒドロキシル、-N(R)(R)、C-Cアルコキシル、フェニル、環の員として少なくとも1つの窒素または酸素を含有する置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基で置換されていてもよく、RおよびRが、それぞれ独立に、HまたはC-Cアルキルである、請求項25または請求項26に記載の医薬組成物
【請求項28】
A2およびRA1の少なくとも1つが、H、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-であり、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-のC-Cアルキルが、-N(R)(R)、テトラヒドロピラン、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジルおよびモルホリニルからなる群からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基で置換されていてもよく、RおよびRが、それぞれ独立に、HまたはC-Cアルキルである、請求項25または請求項26に記載の医薬組成物
【請求項29】
前記STINGアゴニストが、
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩;
(E)-3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩;
3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩;
(E)-4-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)ブタン酸;
(E)-7-(アミノメチル)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-3-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)プロパン酸;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1Hピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-エトキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;および
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-(3-(ジメチルアミノ)プロポキシ)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
またはその薬学上許容可能な塩から選択される、請求項1~28のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項30】
前記STINGアゴニストが、静脈内、皮下、経口、および経皮から選択される投与経路を介して前記ヒトに投与される、請求項1~29のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項31】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトに静脈内投与される、請求項1~30のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項32】
前記癌が固形腫瘍である、請求項1~31のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項33】
STINGアゴニストを含んでなる医薬組成物であって、
前記STINGアゴニストは、それを必要とするヒトに全身投与され、
前記STINGアゴニストは、式(I-N):
【化5】
[式中:
qは、0または1であり;
rは、0または1であり;
sは、0または1であり;
q+r+s=1または2であり;
qが0である場合、R A1 およびR A2 は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-N(R )(R )、-CO 、-N(R )COR 、-N(R )SO (C -C アルキル)-N(R )(R )、-N(R )CO(C -C アルキル)-N(R )(R )、置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-の(C -C アルキル)は、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 -C アルコキシ-、-N(R )(R )、-CO (R )、-CON(R )(R )、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、-(C -C アルキル)-NH 、ハロ(C -C アルキル)、ヒドロキシ-(C -C アルキル)-、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 2、 ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、-C -C アルキル-(C -C アルコキシ)およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが0である場合、R B1 およびR B2 は、それぞれ独立に、H、置換されていてもよいC -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、置換されていてもよいC -C アルケニル、置換されていてもよいC -C アルキニル、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C アルケニル、置換されていてもよいC -C アルキニル、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールは、ハロゲン、ニトロ、-R 、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが0である場合、R C1 は、H、ハロゲン、またはC -C アルキルであり、R C2 は、置換されていてもよいC -C アルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキル基は、-OR 、-NR 、-CO 、-CONR 、-SO NR 、および-OCONR から選択される置換基により置換されていてもよく;
qが1である場合、R A1 およびR A2 は、それぞれ独立に、-CH -、-NR -、または-O-であり、Aは、R A1 およびR A2 と一緒になって連結基を形成し、Aは、-ハロ(C -C 12 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 -OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシル)-O-P(O)(R II およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが1である場合、R B1 およびR B2 は、それぞれ独立に-CH -であり、Bは、R B1 およびR B2 と一緒になって連結基を形成し、Bは結合であるか、またはBは、-ハロ(C -C 10 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 10 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール-C -C アルキル)-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが1である場合、R C1 およびR C2 は、それぞれ独立に-CH -であり、Cは、R C1 およびR C2 と一緒になって連結基を形成し、Cは、-ハロ(C -C 12 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
およびR は、それぞれ独立に-CON(R )(R )であるか、またはR およびR の一方は-CON(R )(R )であり、R およびR の他方はH、COOHもしくは-CO (R )であり;
およびR は、H、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-NH 、-NR 、-NR 、-COR 、-CO 、-N(R )COR 、-N(R )SO 、-N(R )SO (C -C アルキル)-N(R )(R )、-N(R )CO(C -C アルキル)-N(R )(R )、置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-からそれぞれ独立に選択され、
ここで、前記置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-の(C -C アルキル)は、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-NR 、-CO H、-CO 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、-NR SO 、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ヒドロキシ-(C -C アルキル)-、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
14 は、置換されていてもよいC -C アルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキルは、-OR 、-NR 、-CO 、-CONR 、-SO NR 、および-OCONR から選択される置換基により置換されていてもよく;
16 は、H、ハロゲン、またはC -C アルキルであり;
15 およびR 17 は、それぞれ独立に、H、シクロプロピル、またはC -C アルキルであり;
は、H、-R 、-COR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、または-SO NR であり;
各R は、独立に、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-OH、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、-(C -C アルキル)-O-(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-N(R )(R )、-(C -C アルキル)-O-CO(C -C アルキル)、または-(C -C アルキル)-CO-O-(C -C アルキル)であり;
各R は、独立に、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-OH、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、-(C -C アルキル)-O-(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-N(R )(R )、-(C -C アルキル)-O-CO(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-CO-O-(C -C アルキル)、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-C -C シクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル、置換されていてもよい-C -C アルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C -C アルキル-9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されたC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-C -C シクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル、置換されていてもよい-C -C アルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C -C アルキル-9~10員ヘテロアリールのC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、5~6員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、-(C -C アルキル)NH 、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、-C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各R は、独立に、HまたはC -C アルキルであり;
各R は、独立に、H、C -C アルキル、-CO(C -C アルキル)、-OCO(C -C アルキル)、-CO (C -C アルキル)、-(C -C アルキル)NH 、-(C -C アルキル)C -C アルコキシ、-CO-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(C -C アルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)、-CO(C -C アルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)であり、
ここで、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルまたは置換されていてもよい5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各R は、独立に、HまたはC -C アルキルであり;
およびR は、それぞれ独立に、HもしくはC -C アルキルであるか、またはR およびR は、それらが結合する単数もしくは複数の原子と一緒になって5~6員環を形成し;
およびR II は、存在ごとに独立して、(C -C アルキル)オキシ-である。]
に従う化合物、またはその薬学上許容可能な塩である、医薬組成物
【請求項34】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトの血液中の少なくとも1種のサイトカインの濃度を、前記ヒトにおけるT細胞を刺激するのに有効な濃度まで増加させる、請求項33に記載の医薬組成物
【請求項35】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトの血液中のサイトカインレベルを、用量制限毒性を生じさせるのに十分高い濃度まで増加させない、請求項33または34に記載の医薬組成物
【請求項36】
前記ヒトが、炎症、アレルギー性疾患および自己免疫疾患、感染性疾患、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、インフルエンザ、皮膚疣贅、多発性硬化症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、AIDS、癌、前癌症候群から選択される少なくとも1種の疾患を有する、請求項3335のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項37】
前記STINGアゴニストが、前記ヒトにおける疾患組織中の少なくとも1種の炎症誘発性サイトカインの濃度を、前記ヒトの血液、血漿または血清中の前記少なくとも1種の炎症誘発性サイトカインの濃度よりも、少なくとも3倍増加させる、請求項3336のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項38】
前記STINGアゴニストが、ワクチンアジュバントとして投与される、請求項3337のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項39】
前記STINGアゴニストが、静脈内、皮下、経口、または経皮投与される、請求項3338のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
の治療のための医薬の製造における、STINGアゴニスト、またはその薬学上許容可能な塩の使用であって、
前記STINGアゴニストは、全身投与され、
前記STINGアゴニストは、式(I-N):
【化6】
[式中:
qは、0または1であり;
rは、0または1であり;
sは、0または1であり;
q+r+s=1または2であり;
qが0である場合、R A1 およびR A2 は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-N(R )(R )、-CO 、-N(R )COR 、-N(R )SO (C -C アルキル)-N(R )(R )、-N(R )CO(C -C アルキル)-N(R )(R )、置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-の(C -C アルキル)は、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 -C アルコキシ-、-N(R )(R )、-CO (R )、-CON(R )(R )、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、-(C -C アルキル)-NH 、ハロ(C -C アルキル)、ヒドロキシ-(C -C アルキル)-、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 2、 ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、-C -C アルキル-(C -C アルコキシ)およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが0である場合、R B1 およびR B2 は、それぞれ独立に、H、置換されていてもよいC -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、置換されていてもよいC -C アルケニル、置換されていてもよいC -C アルキニル、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C アルケニル、置換されていてもよいC -C アルキニル、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールは、ハロゲン、ニトロ、-R 、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが0である場合、R C1 は、H、ハロゲン、またはC -C アルキルであり、R C2 は、置換されていてもよいC -C アルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキル基は、-OR 、-NR 、-CO 、-CONR 、-SO NR 、および-OCONR から選択される置換基により置換されていてもよく;
qが1である場合、R A1 およびR A2 は、それぞれ独立に、-CH -、-NR -、または-O-であり、Aは、R A1 およびR A2 と一緒になって連結基を形成し、Aは、-ハロ(C -C 12 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 2、 -OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシル)-O-P(O)(R II およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが1である場合、R B1 およびR B2 は、それぞれ独立に-CH -であり、Bは、R B1 およびR B2 と一緒になって連結基を形成し、Bは結合であるか、またはBは、-ハロ(C -C 10 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 10 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 10 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール-C -C アルキル)-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが1である場合、R C1 およびR C2 は、それぞれ独立に-CH -であり、Cは、R C1 およびR C2 と一緒になって連結基を形成し、Cは、-ハロ(C -C 12 アルキル)-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C -C 12 アルキル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルケニル-、置換されていてもよい-C -C 12 アルキニル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-O-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-NR -C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、および-NR SO からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C -C アルキル-(C -C シクロアルキル)-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル-C -C アルキル-、置換されていてもよい-C -C アルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C -C アルキル-、または置換されていてもよい-C -C アルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C -C アルキル-のC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、およびC -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
およびR は、それぞれ独立に-CON(R )(R )であるか、またはR およびR の一方は-CON(R )(R )であり、R およびR の他方はH、COOHもしくは-CO (R )であり;
およびR は、H、ハロゲン、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-NH 、-NR 、-NR 、-COR 、-CO 、-N(R )COR 、-N(R )SO 、-N(R )SO (C -C アルキル)-N(R )(R )、-N(R )CO(C -C アルキル)-N(R )(R )、置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-からそれぞれ独立に選択され、
ここで、前記置換されていてもよい(C -C アルキル)、置換されていてもよい(C -C アルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C -C アルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-の(C -C アルキル)は、-OH、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、-OR 、-NH 、-NR 、-NR 、-CO H、-CO 、-OCOR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、-SO NR 、-OCONH 、-OCONR 、-NR COR 、-NR SOR 、-NR CO 、-NR SO 、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ヒドロキシ-(C -C アルキル)-、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
14 は、置換されていてもよいC -C アルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC -C アルキルは、-OR 、-NR 、-CO 、-CONR 、-SO NR 、および-OCONR から選択される置換基により置換されていてもよく;
16 は、H、ハロゲン、またはC -C アルキルであり;
15 およびR 17 は、それぞれ独立に、H、シクロプロピル、またはC -C アルキルであり;
は、H、-R 、-COR 、-CO H、-CO 、-SOR 、-SO 、-CONH 、-CONR 、-SO NH 、または-SO NR であり;
各R は、独立に、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-OH、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、-(C -C アルキル)-O-(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-N(R )(R )、-(C -C アルキル)-O-CO(C -C アルキル)、または-(C -C アルキル)-CO-O-(C -C アルキル)であり;
各R は、独立に、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-OH、-(C -C アルキル)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルキル)-O-P(O)(R II 、-(C -C アルキル)-O-(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-N(R )(R )、-(C -C アルキル)-O-CO(C -C アルキル)、-(C -C アルキル)-CO-O-(C -C アルキル)、置換されていてもよいC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-C -C シクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル、置換されていてもよい-C -C アルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C -C アルキル-9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されたC -C シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C -C アルキル-C -C シクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-フェニル、置換されていてもよい-C -C アルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C -C アルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C -C アルキル-9~10員ヘテロアリールのC -C シクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、5~6員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、-(C -C アルキル)NH 、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、-C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各R は、独立に、HまたはC -C アルキルであり;
各R は、独立に、H、C -C アルキル、-CO(C -C アルキル)、-OCO(C -C アルキル)、-CO (C -C アルキル)、-(C -C アルキル)NH 、-(C -C アルキル)C -C アルコキシ、-CO-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(C -C アルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)、-CO(C -C アルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)であり、
ここで、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルまたは置換されていてもよい5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH) 、-O-P(O)(R II 、アミノ、(C -C アルキル)アミノ-、(C -C アルキル)(C -C アルキル)アミノ-、C -C アルキル、ハロ(C -C アルキル)、ハロ(C -C アルコキシ)-、C -C アルコキシ-、ヒドロキシ-(C -C アルコキシ)-、-(C -C アルコキシ)O-P(O)(OH) 、-(C -C アルコキシ)-O-P(O)(R II 、C -C アルコキシ-(C -C アルコキシ)-、-COR 、-CON(R )(R )、および-CO からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各R は、独立に、HまたはC -C アルキルであり;
およびR は、それぞれ独立に、HもしくはC -C アルキルであるか、またはR およびR は、それらが結合する単数もしくは複数の原子と一緒になって5~6員環を形成し;
およびR II は、存在ごとに独立して、(C -C アルキル)オキシ-である。]
に従う化合物、またはその薬学上許容可能な塩である、使用。
【請求項41】
癌の治療における使用のための、請求項33~39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)、マイクロサテライト安定性(MSS)結腸直腸癌、胃食道腺癌(GEC)、頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)から選択される、請求項1~32のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項43】
腫瘍微小環境中のサイトカインではない少なくとも1種のサイトカインの濃度が、血液中で測定される、請求項1~32および37のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項44】
腫瘍微小環境中のサイトカインではない少なくとも1種のサイトカインの濃度が、血清中で測定される、請求項1~32および37のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項45】
腫瘍微小環境中のサイトカインではない少なくとも1種のサイトカインの濃度が、血漿中で測定される、請求項1~32および37のいずれか一項に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)アゴニストを送達する方法に関する。本発明はまた、STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)の調節が有益である疾患、例えば、炎症、アレルギー性疾患および自己免疫疾患、感染性疾患、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、インフルエンザ、皮膚疣贅、多発性硬化症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、AIDS、癌、前癌症候群の治療における、および免疫原性組成物またはワクチンアジュバントとしての前記化合物、組合せ、組成物および医薬(medicament)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
脊椎動物は、微生物の侵入に絶えず脅かされており、感染性病原体を排除するために免疫防御の機序を進化させてきている。哺乳動物では、この免疫系は、2つの分岐;自然免疫および適応免疫を含んでなる。自然免疫系は、病原体からのリガンドおよび損傷関連分子パターンを検出するパターン認識受容体(PRR)により開始される防御の第一線である(Takeuchi O. et al, Cell, 2010: 140, 805-820)。ますます多くのこれらの受容体が同定されてきており、これにはToll様受容体(TLR)、C型レクチン受容体、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)様受容体およびNOD様受容体(NLR)が含まれ、また、二本鎖DNAセンサーも含まれる。PRRの活性化は、病原体の複製を抑制し、適応免疫を促進する、1型インターフェロン、炎症誘発性性サイトカインおよびケモカインを含む炎症性応答に関与する遺伝子のアップレギュレーションをもたらす。
【0003】
TMEM173、MPYS、MITAおよびERISとしても知られるアダプタータンパク質STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)が、サイトゾル核酸に対する自然免疫応答における中心的なシグナル伝達分子として同定されている(Ishikawa H and Barber G N、Nature、2008: 455、674-678; WO2013/1666000)。STINGの活性化は、IRF3およびNFκB経路のアップレギュレーションをもたらし、インターフェロン-βおよび他のサイトカインが誘導される。STINGは、病原体または宿主起源のサイトゾルDNA、および環状ジヌクレオチド(CDN)と呼ばれる珍しい核酸に対する応答にとって非常に重要である。
【0004】
CDNは、原核細胞における多数の応答を制御する役割を担う細菌二次メッセンジャーとして最初に同定された。c-di-GMPなどの細菌CDNは、2個の3’,5’ホスホジエステル(phophodiester)結合を特徴とする対称分子である。
【0005】
【化1】
【0006】
細菌CDNによるSTINGの直接活性化が、X線結晶解析を通じて最近確認されている(Burdette D L and Vance R E, Nature Immunology, 2013: 14, 19-26)。細菌CDNおよびそれらの類似体は、結果的に潜在的なワクチンアジュバントとして関心が持たれている(Libanova R. et al, Microbial Biotechnology 2012: 5, 168-176; WO2007/054279, WO2005/087238)。
【0007】
より最近では、サイトゾルDNAに対する応答が解明されており、それは、サイクリックGMP-AMPシンターゼ(cGAS、以前はC6orf150またはMB21D1として知られた)と呼ばれる酵素による、cGAMPとして同定された新規な哺乳動物CDNシグナル伝達分子の産生に関与し、次に、STINGを活性化することが示されている。細菌CDNとは異なり、cGAMPは、その混合2’,5’および3’,5’ホスホジエステル結合を特徴とする非対称分子である(Gao P et al, Cell, 2013: 153, 1-14)。STINGとのcGAMPの相互作用も、X線結晶解析により実証されている(Cai X et al, Molecular Cell, 2014: 54, 289-296)。
【0008】
インターフェロンは、細胞をウイルス感染から保護できる物質として最初に記載された(Isaacs & Lindemann, J. Virus Interference. Proc. R. Soc. Lon. Ser. B. Biol. Sci. 1957: 147, 258-267)。ヒトにおいて、I型インターフェロンは、9番染色体上の遺伝子によりコードされ、インターフェロンα(IFNα)の少なくとも13個のアイソフォームおよびインターフェロンβ(IFNβ)の1個のアイソフォームをコードする関連タンパク質のファミリーである。組換えIFNαは、最初に承認された生物学的治療法であり、ウイルス感染および癌における重要な療法となっている。細胞に対する直接的な抗ウイルス活性に加え、インターフェロンは、免疫応答の強力な調節因子であることで知られ、免疫系の細胞に作用する。
【0009】
I型インターフェロンおよび他のサイトカインの活性化を含む、自然免疫応答を刺激できる小分子化合物の投与は、ウイルス感染を含むヒト疾患の治療または予防にとって重要な戦略となる可能性がある。この種の免疫調節戦略は、感染性疾患だけでなく、癌(Zitvogel, L., et al., Nature Reviews Immunology, 2015 15(7), p405-414)、アレルギー性疾患(Moisan J. et al, Am. J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol., 2006: 290, L987-995)、過敏性腸疾患などの他の炎症状態(Rakoff-Nahoum S., Cell., 2004, 23, 118(2): 229-41)においても、また、ワクチンアジュバント(Persing et al. Trends Microbiol. 2002: 10(10 Suppl), S32-7 and Dubensky et al., Therapeutic Advances in Vaccines, 2013年9月5日オンライン掲載)としても有用であり得る化合物を同定できる可能性を秘めている。
【0010】
アレルギー性疾患は、アレルゲンに対するTh2偏向性免疫応答と関連している。Th2応答は、IgEのレベル上昇と関連しており、IgEは、肥満細胞に対するその作用を通じて、アレルゲンに対する過敏性を促進し、例えば、アレルギー性鼻炎および喘息の症状をもたらす。健常人では、アレルゲンに対する免疫応答は、混合Th2/Th1および制御性T細胞応答とのバランスがさらに取られる。1型インターフェロンの誘導は、局所環境におけるTh2型サイトカインの減少をもたらし、Th1/Treg応答を促進することが示されている。この文脈では、例えば、STINGの活性化による1型インターフェロンの誘導は、喘息およびアレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患の治療における利益をもたらし得る(Huber J.P. et al J Immunol 2010: 185, 813-817)。
【0011】
対照的に、増加および延長したI型IFNの産生は、マイコバクテリア(Collins et al, CHM 2015; Wassermann et al., CHM 2015; Watson et al., CHM 2015)、フランシセラ(Franciscella)(Storek et al., JI 2015; Jin et al., JI 2011)、クラミジア(Prantner et al., JI 2010; Barker et al., Mbio 2013; Zhang et al., JI 2014)、プラスモディウム(Sharma et al., Immunity 2011)およびHIV(Herzner et al., Nat Immunol 2015; Nissen et al., Clin Exp Immunol 2014; Gao et al., Science 2013; Lahaye et al, Science 2013;)を含む、多様な慢性感染症と関連する(Stifter and Feng, JI 2014においてレビュー)。同様に、複雑な形態の自己免疫疾患を有する患者間に、過剰なI型インターフェロンの産生が認められる。ヒトにおける遺伝学的証拠および動物モデルにおける研究からの支持は、STINGの阻害は、自己免疫疾患を駆動するI型インターフェロンの減少をもたらすという仮説を支持している(Crow YJ, et al., Nat. Genet. 2006; 38917-920, Stetson DB, et al., Cell 2008; 134;587-598)。従って、STINGの阻害剤は、感染症または複雑な自己免疫疾患と関連する慢性的なI型インターフェロンおよび炎症誘発性サイトカインの産生を有する患者に対して治療を提供する。アレルギー性疾患は、アレルゲンに対するTh2偏向性免疫応答と関連している。
【0012】
I型IFNは、Woo, S-Y et.al. Immunity 41:330-342 (2014), Diamond. M. et.al. (2011). and Corrales.L.et.al. Cell reports 11:1018-1030 (2015)により実証されているように、STINGおよびIRF3経路を介した適応T細胞応答をもたらす免疫原性腫瘍の自然免疫センシングに寄与することが示唆されている。
【0013】
さらに、マウス特異的STINGアゴニスト小分子(DMXAA)は、腫瘍マウスモデルにおいて複数回の腫瘍退縮を誘導することも示されており、正常野生型マウスにおいてI型IFN-βを誘導し、STING(-/-)マウスにおいて腫瘍成長およびI型IFN-βの誘導を拒絶する能力の喪失を誘導した。このことは、STINGによる1型IFN-βの誘導は、腫瘍退縮を駆動するための中心成分により媒介された腫瘍細胞死および適応免疫応答であることを示した。Welsh. R. et.al. (2012), Li.K.et.al (2017), and Vargas TR.et.al. (2017)。
【0014】
STINGに結合し、アゴニストとして作用する化合物は、ヒトPBMCでのインキュベーション時に、1型インターフェロンおよび他のサイトカインを誘導することが示されている。ヒトインターフェロンを誘導する化合物は、種々の疾患、例えば、炎症、アレルギー性疾患および自己免疫疾患、感染性疾患、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、インフルエンザ、皮膚疣贅、多発性硬化症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、AIDS、癌、(基底細胞癌、および扁平上皮癌を含む)、前癌症候群(日光角化症を含む)の治療において、および免疫原性組成物またはワクチンアジュバントとして有用であり得る。
【0015】
従って、これらの疾患の有効な治療のために、これらの化合物を投与する方法が必要である。特に、疾患組織におけるサイトカイン産生の増加を可能にし、標的製剤の使用を必要としないSTINGアゴニストの安全かつ有効な全身投与を可能にする方法が、依然として必要である。
【発明の概要】
【0016】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおける癌を治療する方法であって、前記方法は、前記ヒトにSTINGアゴニストを全身投与することを含んでなり、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの腫瘍微小環境(tumor microenvironment)中の少なくとも1種のサイトカインを、前記ヒトの血液、血漿または血清中の前記サイトカインの濃度と比較して高い濃度で誘導する方法を提供する。
【0017】
本発明の一実施形態において、それを必要とするヒトにSTINGアゴニストを投与する方法であって、前記STINGアゴニストを全身投与することを含んでなる方法が提供される。一実施形態において、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの血液、血漿または血清中の少なくとも1種のサイトカインの濃度を、前記ヒトにおけるT細胞を刺激するのに有効な濃度まで増加させる。一側面において、前記サイトカインの濃度を、前記ヒトにおいて有害な免疫作用を生じるのに十分高い濃度まで増加させない。一実施形態において、それを必要とするヒトにSTINGアゴニストを投与することを含んでなる方法であって、前記STINGアゴニストは、前記ヒトにおける疾患組織中の少なくとも1種の炎症誘発性サイトカインの濃度を、前記ヒトの血液、血漿または血清中の前記少なくとも1種の炎症誘発性サイトカインの濃度よりも、少なくとも3倍増加させる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】化合物1は、マウスにおいてSTING特異的サイトカインを産生する:化合物1は、WTマウスにおいてIFNβおよび炎症誘発性サイトカインを誘導するが、STINGノックアウト(KO)マウスにおいては産生しない。
図2】化合物1の薬物動態および薬力学の経時的動態試験のための化合物1のIV投与を図示した概略図。図2(A):経時的動態pk/pd試験の概要(30μg/マウス~1.5mg/kg)。図2(B):IV投与後3.5時間に測定した化合物1の用量漸増。
図3】30μgの化合物1の単回IVボーラス投与後の血中および腫瘍中薬物濃度-時間プロファイル。各時点は、4反復動物から収集したデータを表す。
図4図4A、4B、4C、および4D:単一のCT-26腫瘍を有するBALB/cマウスにおける化合物1のIV投与、サイトカイン反応(respone)の経時的動態(30μg/マウス~1.5mg/kg)。BALB/cマウスにおけるCT-26腫瘍に対する経時的PK/PDにおける化合物-1の単回ボーラスIV投与におけるPD応答の代表例。図4(A):血清および腫瘍IL-6;図4(B):血清および腫瘍TNF-α;図4(C):血清および腫瘍IFN-β;図4(D):血清および腫瘍Ifn-γ。
図5図5(A):CT26腫瘍を有するBALB/cマウスに対するIVボーラス投与後3.5時間における化合物1の血中および腫瘍中濃度。図5(B):化合物1の用量漸増ならびにIFNβ血液および腫瘍の検出。
図6】腫瘍退縮とのIV pK/pD相関。図6(A):IV用量漸増後3.5時間に測定した化合物1用量に対する腫瘍IFNβの用量反応のED50曲線。図6(B):化合物1によるIV投与処置に反応した腫瘍退縮の腫瘍容積曲線下面積のED50曲線。
図7】IV投与の投与計画および腫瘍モニタリングに関する腫瘍退縮試験の概要の概略図。
図8】異なる腫瘍マウスモデル(A)CT-26:結腸;(B)EMT6:乳;(C)H22:肝臓;(D)Pan02:膵臓(Panreas);(E)RM1:前立腺;(F)B16F10:黒色腫に対する化合物1のIV投与(adminstration)効果。
図9】化合物1のIV投与は、腫瘍、流入領域リンパ節および全身免疫細胞に関与した。図9(A):腫瘍微小環境および流入領域リンパ節における樹状細胞の経時的な増加。図9(B):NK、BおよびT細胞に対する流入領域リンパ節上でのMHC-1発現の増加。
図10】CD8 T細胞に対する化合物1のIV投与の関与は、CT-26腫瘍マウスモデルに対する腫瘍退縮を誘導する。図10(A):化合物のIV投与時には体重への影響は認められず。図10(B):CD8 T細胞枯渇腫瘍モデルにおける化合物1の腫瘍退縮に対する有効性の欠如。
図11】群平均および個々のマウス腫瘍容積-単一のCT-26腫瘍を有するBALB/cマウス(n=10/群)における化合物1のIV投与。各群におけるマウスの平均腫瘍容積を、個々のマウス腫瘍容積とともに示しており、各パネルにおける橙黄色の数字は、完全腫瘍退縮の数を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
生物体全体を通じた、STINGを含むパターン認識受容体(PRR)受容体の全身活性化は、大量の炎症誘発性サイトカインの産生をもたらし、許容されない副作用プロファイルが生じ得る。これらの有害な副作用には、体温の上昇、痛み、疼痛および悪心が含まれる。TLR4アゴニストである細菌LPSは、細菌誘発性敗血症の一次メディエーターであり、この敗血症は、その初期において、しばしば死に至るサイトカインストームという特徴を有する(Schulte, W.; Bernhagen, J.; Bucala, R., Cytokines in Sepsis: Potent Immunoregulators and Potential Therapeutic Targets - An Updated View. Mediators of Inflammation 2013, 2013, 16頁)。敗血症におけるTLR4の全身活性化に加えて、全身性サイトカインストームに至る他の状態および治療様式は、適切に管理されない場合、許容されない副作用をもたらし得ると現在認識されている(Barrett, D. M.; Teachey, D. T.; Grupp, S. A., Toxicity management for patients receiving novel T-cell engaging therapies. Current opinion in pediatrics 2014, 26 (1), 43-49)。炎症誘発性サイトカインの中等度の全身活性化は、侵入病原体を撃退するために免疫系により利用される有益な機序であると考えられているが、上記のようなより強力な活性化は、許容されない毒性をもたらし得る。PRRの全身活性化を制限する必要性は、ワクチン接種の分野において十分認識されており、この分野では、PRRアゴニストを、投与された抗原に対する免疫応答をブーストするためのアジュバントとして慣例的に使用している(Wu, T. Y. H., Strategies for designing synthetic immune agonists. Immunology 2016, 148 (4), 315-325.)。PRR/STINGアゴニストの使用目的の多くは、免疫応答の局所活性化をもたらす目的の作用部位での局所活性化により、最良に達成される。例えば、癌患者において、局所活性化は、腫瘍微小環境におけるSTING活性化を指す。STING活性化が局所環境または疾患組織において生じる場合、STINGアゴニストの治療的利益が改善され得、炎症誘発性サイトカインの不要な全身的産生が低減され得る。局所(例えば、腫瘍微小環境または疾患組織中)対全身のサイトカイン産生または濃度のこの比は、疾患組織中の所望のサイトカインの産生対血液、血漿または血清中のサイトカインの産生を定量化する手段を提供する。
【0020】
本明細書で使用する場合、用語「治療指数(TI)」は、標的疾患組織中の局所サイトカイン濃度対非疾患組織のそれの比を意味する。例えば、癌などの疾患においては、標的疾患組織は、腫瘍微小環境を含む。固形腫瘍などの癌の治療を目的とするアゴニストに関しては、腫瘍組織は疾患組織と考えられる。ほとんどの目的では、TIを構築するために使用される非疾患組織は、血液、血清または血漿である。癌の治療に関しては、TIは、腫瘍微小環境中のサイトカイン対血液および/または血漿および/または血清中で検出されたものの比と定義される。TIは、腫瘍微小環境ならびに血液および/または血漿および/または血清中で測定された個々のサイトカインまたは多数の炎症誘発性サイトカインに適用することができる。
【0021】
場合によっては、1以下のTIは、STINGアゴニストが腫瘍および血液の両方において等しい有効性でサイトカイン産生を刺激することを示すため、好ましくないと考えられる。場合によっては、3以上のTIが好ましいと考えられ、10以上のTIがより好ましいと考えられ、30以上のTIが非常に好ましいと考えられ、100以上のTIが極めて好ましいと考えられる。当業者により理解されるように、種々の炎症誘発性サイトカインの濃度は、多数の周知の技法を用いて、疾患組織ならびに血液および/または血漿および/または血清中で測定することができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、腫瘍中のサイトカインの濃度は、STINGアゴニストの投与後、血液、血清および/または血漿中のサイトカインの濃度より少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも300倍、少なくとも400倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍高い。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「腫瘍微小環境(tumor microenvironment)」は、腫瘍が存在する細胞環境であり、周囲の血管、免疫細胞、線維芽細胞、骨髄由来炎症細胞、リンパ球、シグナル伝達分子および細胞外マトリックスが含まれる。腫瘍および周囲の微小環境は密接に関連しており、常に相互作用し得る。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「疾患組織」は、病的状態で存在する任意の細胞または組織を意味し、限定されるものではないが、腫瘍が含まれる。本明細書で使用する場合、疾患組織は、疾患に罹患した組織、ならびに正常細胞、分子および血管を含む疾患組織の細胞環境も含む。
【0025】
血清および血漿は血液の成分であることに留意されたい。検査用の成分を言及する場合、対応する分析は同一の結果を生み出すため、「血液」、「血清」および「血漿」は、本明細書において集合的かつ互換的に使用される。
【0026】
本明細書で使用する場合、「炎症誘発性サイトカイン(proinflammatory cytokine)」または「炎症性サイトカイン(inflammatory cytokine)」は、免疫調節剤として作用する任意のシグナル伝達分子(サイトカイン)を意味する。炎症性サイトカインとしては、限定されるものではないが、IFNβ、IFNα、インターロイキン-1(IL-1)、IL-12、およびIL-18、IL-6が挙げられる。IL-10、腫瘍壊死因子(TNF)(TNF-αを含む)、インターフェロンγ(IFN-γ)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子は、自然免疫応答の媒介に重要な役割を果たす。炎症性サイトカインは、炎症反応のアップレギュレーションに関与し、マクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球および肥満細胞などの免疫細胞、ならびに内皮細胞、線維芽細胞、および種々の間質細胞を含む広範囲の細胞により産生され得、所与のサイトカインは、2種類以上の細胞により産生され得る。
【0027】
治療指数(TI)を改善するための抗腫瘍剤の標的送達は、創薬において十分確立された原理である。ドラッグターゲティングのために利用される典型的な方法は、活性薬剤への標的部分の付着およびナノ粒子(NP)デリバリーシステムへの薬剤の処方である(Arias, J. L., Drug targeting strategies in cancer treatment: An overview. Mini-Reviews in Medicinal Chemistry 2011, 11 (1), 1-17 and Irvine, D. J.; Hanson, M. C.; Rakhra, K.; Tokatlian, T., Synthetic Nanoparticles for Vaccines and Immunotherapy. Chemical Reviews 2015, 115 (19), 11109-11146)。これらの同じ原理は、PRRアゴニストに対して提案されており、ドラッグデリバリーNP製剤が、STINGアゴニストに関する動物モデルにおいて実証されている(Hanson, M. C.; Crespo, M. P.; Abraham, W.; Moynihan, K. D.; Szeto, G. L.; Chen, S. H.; Melo, M. B.; Mueller, S.; Irvine, D. J., Nanoparticulate STING agonists are potent lymph node-targeted vaccine adjuvants. Journal of Clinical Investigation 2015, 125 (6), 2532-2546)。腫瘍内注射は、劇的な有効性を達成し、TIを改善している、かつTLRおよびSTING両方のアゴニストに対して実証されている標的送達の方法である(Hammerich, L.; Bhardwaj, N.; Kohrt, H. E.; Brody, J. D., In situ vaccination for the treatment of cancer. Immunotherapy 2016, 8 (3), 315-330 and Corrales, L.; Glickman, Laura H.; McWhirter, Sarah M.; Kanne, David B.; Sivick, Kelsey E.; Katibah, George E.; Woo, S.-R.; Lemmens, E.; Banda, T.; Leong, Justin J.; Metchette, K.; Dubensky, Thomas W., Jr.; Gajewski, Thomas F., Direct Activation of STING in the Tumor Microenvironment Leads to Potent and Systemic Tumor Regression and Immunity. Cell Reports 2015, 11 (7), 1018-1030)。
【0028】
上記の標的送達の例とは異なり、本発明は、標的部分の付加、NP製剤の使用または直接腫瘍内(i.t.)注射を必要としないSTINGアゴニストを全身投与する方法を提供する。STINGアゴニストが腫瘍微小環境中でT細胞活性化を達成するために、STINGアゴニストは、十分な細胞透過性および改善された薬物動態および分布を示す必要がある。
【0029】
STINGに対する内在性哺乳動物リガンドは、2個のホスホジエステル基を有する環状ジヌクレオチドである2’3’-cGAMPである。2’3’-cGAMPの不十分な膜透過性のために、この化合物は、非常に高濃度であっても細胞アッセイにおいてほとんど活性を示さない。この限界を克服するため、細胞アッセイにおいて、CDNを使用できるようにするために、膜透過性エンハンサーがしばしば加えられる(Yildiz, S.; Alpdundar, E.; Gungor, B.; Kahraman, T.; Bayyurt, B.; Gursel, I.; Gursel, M., Enhanced immunostimulatory activity of cyclic dinucleotides on mouse cells when complexed with a cell-penetrating peptide or combined with CpG. European Journal of Immunology 2015, 45 (4), 1170-1179)。利用可能なSTINGアゴニストの第2の限界は、短い血清中半減期であり、これは、2’5’-ホスホジエステル(phosphdiester)結合の急速な切断の結果であると考えられている(Li, L.; Yin, Q.; Kuss, P.; Maliga, Z.; Millan, J. L.; Wu, H.; Mitchison, T. J., Hydrolysis of 2' 3'-cGAMP by ENPP1 and design of nonhydrolyzable analogs. Nat Chem Biol 2014, 10 (12), 1043-1048)。しばしば、ホスホジエステル切断の速度は、リン酸塩の供与二重結合における硫黄との酸素の置換により、遅くなり得る。2’3’-cGAMPのリン酸塩の両方への硫黄の導入は、血清およびホスホジエステラーゼ安定性を改善することが示されたが、得られたCDNは、2’3’-cGAMPでの100uM超のIC50と比較して、IFNβ合成をモニタリングする細胞アッセイにおいて、依然としてごく弱い活性を示した(IC50約30uM)(Li, L., et al. in Nat Chem Biol 2014からの補足図13)。
【0030】
これらの限界と一致して、CDN STINGアゴニストの全身(i.v.またはi.p)投与後のin vivo活性に関する報告は、非常に少ない。Li,T.らは、CT26同系モデルにおける20mg/kgの2’,3’-cGAMPの20回の連日i.v.投与を用いて、2’,3’-cGAMPを腫瘍細胞の注射後4時間に投与した場合、ある程度の有効性が認められることを実証することができた(Li, T.; Cheng, H.; Yuan, H.; Xu, Q.; Shu, C.; Zhang, Y.; Xu, P.; Tan, J.; Rui, Y.; Li, P.; Tan, X., Antitumor Activity of cGAMP via Stimulation of cGAS-cGAMP-STING-IRF3 Mediated Innate Immune Response. Scientific Reports 2016, 6, 19049)。しかしながら、同じ処置は、確立された腫瘍を有する動物に投与した場合、有意に活性が低かった。頑強な抗腫瘍活性を達成するために、研究者らは、腫瘍内へのSTINGアゴニストの直接注射(腫瘍内注射すなわち上記の通りi.t.)に切り替えている(Corrales, et al. Supra)。
【0031】
DMXAAは、確立された腫瘍を有するCT26同系モデルにおいて、500ug/マウス(約99uMol/kg)のi.p.最大耐量で1回投与した場合、腫瘍成長を強力に阻害し、マウスにおける治癒をもたらすSTINGアゴニストの例である。この様式で投与した場合、DMXAAは、腫瘍および血液の両方において高いサイトカインレベルをもたらす。種々の全身投与プロトコールの慎重な最適化により、研究者らは、マウスにおいて優れた経口活性を達成することができたが、これは、高い全身性サイトカインレベルをもたらした用量でのみ、また、炎症誘発性サイトカインに対してかなり高い寛容レベルを有するげっ歯動物にのみ認められた(Zhao, L.; Kestell, P.; Ching, L. M.; Baguley, B. C., Oral activity and pharmacokinetics of 5, 6-dimethylxanthenone-4-acetic acid (DMXAA) in mice. Cancer Chemother Pharmacol 2002, 49 (1), 20-26)。DMXAAは、ヒト臨床試験において抗癌剤として大規模に検討されたが、十分な有効性を示すことができず、中止された。DMXAAは、ヒトにおいて高レベルの全身性サイトカインを誘導しなかったが、後に、マウスにおいてのみSTINGアゴニストとして活性があることが見出されたが、他の種では活性は認められなかった(Conlon, J.; Burdette, D. L.; Sharma, S.; Bhat, N.; Thompson, M.; Jiang, Z.; Rathinam, V. A. K.; Monks, B.; Jin, T.; Xiao, T. S.; Vogel, S. N.; Vance, R. E.; Fitzgerald, K. A., Mouse, but not Human STING, Binds and Signals in Response to the Vascular Disrupting Agent 5,6-Dimethylxanthenone-4-Acetic Acid. The Journal of Immunology 2013, 190 (10), 5216-5225)。従って、ヒトにおいて認められた活性は、STINGアゴニズムの結果ではなく、他の脈管構造破壊作用によるものであった(Baguley, B. C.; McKeage, M. J., ASA404: A tumor vascular-disrupting agent with broad potential for cancer therapy. Future Oncology 2010, 6 (10), 1537-1543)。
【0032】
本発明は、それを必要とするヒトにSTINGアゴニストを全身投与する方法であって、前記STINGアゴニストは、疾患組織中の少なくとも1種のサイトカインを増加させるが、有害作用を引き起こすレベルまで前記ヒトの血液中で増加または炎症誘発性サイトカインを生じない方法を提供する。
【0033】
従って、一実施形態において、本発明は、ヒトにおける癌を治療する方法であって、前記方法は、前記ヒトにSTINGアゴニストを全身投与することを含んでなり、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの腫瘍微小環境中の少なくとも1種のサイトカインを、前記ヒトの血液、血清および/または血漿中の前記サイトカインの濃度と比較して高い濃度で誘導する方法を提供する。
【0034】
一側面において、前記サイトカインは、IL-6、TNFα、IFNβ、およびIFNγから選択される。一実施形態において、標的指数(target index)(TI)は、選択されたサイトカインに関して3以上である。一実施形態において、TIは、選択されたサイトカインに関して10以上である。従って、任意の所与のサイトカインに関するTIは、約3~約10、約3~約100、約3~約1000~1000超の範囲内であり得る。TIは、血液または血清に対する疾患組織中のサイトカイン濃度の比を表すため、TIは、任意の整数またはその分数で表すことができ、約3超のTIが好ましいとみなされる。
【0035】
一実施形態において、前記STINGアゴニストは、前記ヒトにおける腫瘍微小環境または疾患組織中のIL-6の濃度を、前記ヒトの血液中のIL-6レベルの濃度と比較して少なくとも3倍増加させる。一実施形態において、前記STINGアゴニストは、前記ヒトにおける腫瘍微小環境または疾患組織中のTNFαの濃度を、前記ヒトの血液中のTNFαレベルの濃度と比較して少なくとも3倍増加させる。一実施形態において、前記STINGアゴニストは、前記ヒトにおける腫瘍微小環境または疾患組織中のIFNβの濃度を、前記ヒトの血液中のIFNβレベルの濃度と比較して少なくとも3倍増加させる。一実施形態において、前記STINGアゴニストは、前記ヒトにおける腫瘍微小環境または疾患組織中のIFNγの濃度を、前記ヒトの血液中のIFNγレベルの濃度と比較して少なくとも3倍増加させる。
【0036】
さらに別の実施形態において、前記STINGアゴニストは、約10μM未満のIC50を有し、一側面において、前記STINGアゴニストは、約1μM未満のIC50を有し;一側面において、前記STINGアゴニストは、約0.1μM未満のIC50を有する。
【0037】
一実施形態において、前記STINGアゴニストは、前記ヒトに全身投与された場合、所定の範囲(850~1060ng.hr/ml)のAUC(0-24)を提供する。
【0038】
一実施形態において、前記ヒトの腫瘍微小環境中における前記STINGアゴニストのCmax濃度は、前記ヒトの血液、血清および/または血漿中と比較して有意に高い。一実施形態において、前記ヒトの腫瘍微小環境中における前記STINGアゴニストのCmax濃度は、前記ヒトの血液、血清または血漿と比較して有意に高い。用語「有意に高い」は、好適には、2倍の増加、好適には3倍の増加、好適には10倍の増加、好適には100倍の増加、好適には100倍超の増加を指す。
【0039】
一実施形態において、前記ヒトの腫瘍微小環境中における前記STINGアゴニストの半減期は、前記ヒトの血液、血清および/または血漿中と比較して有意に長い。一実施形態において、前記ヒトの腫瘍微小環境中における前記STINGアゴニストの半減期は、前記ヒトの血液、血清または血漿中と比較して有意に長い。用語「有意に長い」は、好適には、2倍の増加、好適には3倍の増加、好適には10倍の増加、好適には100倍の増加、好適には100倍超の増加を指す。
【0040】
本明細書で使用する場合、「曲線下面積」または「AUC」は、薬物動態パラメーターおよび腫瘍容積の両方を説明するために使用される。薬物動態薬物濃度の説明に使用される場合、AUCは、時間に対する血漿中の物質の濃度のプロットにおける曲線下面積を指す。AUCは、時間間隔中の瞬間濃度の積分の尺度であり得、単位、質量×時間/容積を有し、これは、nM×日などのモル濃度×時間としても表される。AUCは、一般に、台形法(例えば、線形、線形対数)により算出される。AUCは、通常、時間間隔ゼロ~無限大に対して与えられ、他の時間間隔は表示される(例えば、AUC(t1,t2)、ここで、t1およびt2は、間隔の開始時間および終了時間である)。従って、本明細書で使用する場合、「AUC0-24h」は、24時間の期間にわたるAUCを指し、「AUC0-12h」は、12時間の期間にわたるAUCを指す。同様に、AUCは、経時的な腫瘍容積を説明するためにも使用され得る。腫瘍容積の説明に使用される場合、腫瘍のサイズは、時間に対してプロットされる。
【0041】
本明細書で使用する場合、「加重平均AUC」は、時間AUCが算出される時間間隔で割ったAUCである。例えば、加重平均AUC0-24hは、24時間で割ったAUC0-24hを表す。
【0042】
一実施形態において、STINGアゴニストは、前記ヒトに投与された場合、前記STINGアゴニストの(1900~3800ng/ml)の範囲の平均Cmaxを提供する。
【0043】
本明細書で使用する場合、「最高血漿中濃度」または「Cmax」は、哺乳動物への物質(例えば、STINGアゴニスト)の投与後の哺乳動物血漿中のその物質の最高観測濃度を意味する。
【0044】
本明細書で使用する場合、「信頼区間」または「CI」は、所与の確率pに対応して、測定または試行が入る間隔であり、ここで、pは、90%または95%CIを指し、およそ算術平均、幾何平均、または最小二乗平均のいずれかで算出される。本明細書で使用する場合、幾何平均は、冪乗を通じて逆変換した自然対数変換値の平均であり、最小二乗平均は、幾何平均であってもなくてもよいが、固定効果を用いた分散分析(ANOVA)モデルに由来する。
【0045】
本明細書で使用する場合、「変動係数(CV)」は、分散の尺度であり、平均に対する標準偏差の比と定義される。これは、上記の計算値に100(%CV)を掛けることにより、パーセンテージ(%)として報告される。
【0046】
本明細書で使用する場合、「Tmax」は、哺乳動物への物質の投与後の哺乳動物の血漿中のその物質の最高濃度に達するための観測時間を指す。
【0047】
本明細書で使用する場合、「血中」および/または「血清中」および/または「血漿中」「半減期」または「終末相半減期」は、哺乳動物に投与された物質の量の半分が、正常な生物学的過程により、哺乳動物の血液、血清または血漿からそれに対応して代謝または排出されるのに必要な時間を指す。
【0048】
一実施形態において、前記ヒトの腫瘍微小環境中における前記STINGアゴニストのCmax濃度は、前記ヒトの血液、血清および/または血漿中と比較して有意に高い。別の実施形態において、前記ヒトの腫瘍微小環境中における前記STINGアゴニストの半減期は、前記ヒトの血液、血清および/または血漿中と比較して有意に長い。一側面において、前記STINGアゴニストは静脈内投与される。当技術分野で理解されるように、哺乳動物の腫瘍微小環境ならびに血液、血清、および/または血漿中の薬物濃度を測定するために、いくつかの既知の方法が利用可能である。加えて、薬物動態パラメーターの統計的有意差を測定するために、いくつかの統計的方法が周知である。
【0049】
一実施形態において、前記STINGアゴニストは、静脈内、皮下、経皮、筋肉内、および経口から選択される経路を介してヒトに投与される。一実施形態において、前記STINGアゴニストは静脈内投与される。
【0050】
本発明の一実施形態は、STINGアゴニストが全身投与される癌の治療における使用のための、STINGアゴニスト、またはその薬学上許容可能な塩に関する。
【0051】
本発明の一実施形態は、STINGアゴニストが全身投与される癌の治療のための医薬(medicament)の製造における、STINGアゴニスト、またはその薬学上許容可能な塩の使用に関する。
【0052】
本発明の一実施形態は、STINGアゴニスト、またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる、全身投与のための医薬組成物に関する。
【0053】
本発明の一実施形態は、癌の治療における使用のための、STINGアゴニスト、またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる、全身投与のための医薬組成物に関する。
【0054】
一実施形態において、前記STINGアゴニストは、式(I-N):
【化2】
[式中:
qは、0または1であり;
rは、0または1であり;
sは、0または1であり;
q+r+s=1または2であり;
qが0である場合、RA1およびRA2は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII2、-N(R)(R)、-CO、-N(R)COR、-N(R)SO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-N(R)CO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-の(C-Cアルキル)は、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII2、-Cアルコキシ-、-N(R)(R)、-CO(R)、-CON(R)(R)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII2、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、-(C-Cアルキル)-NH、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(RII2、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、-C-Cアルキル-(C-Cアルコキシ)およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが0である場合、RB1およびRB2は、それぞれ独立に、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールは、ハロゲン、ニトロ、-R、-OH、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、-OR、-NH、-NR、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが0である場合、RC1は、H、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、RC2は、置換されていてもよいC-Cアルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC-Cアルキル基は、-OR、-NR、-CO、-CONR、-SONR、および-OCONRから選択される置換基により置換されていてもよく;
qが1である場合、RA1およびRA2は、それぞれ独立に、-CH-、-NR-、または-O-であり、Aは、RA1およびRA2と一緒になって連結基を形成し、Aは、-ハロ(C-C12アルキル)-、置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII2、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシル)-O-P(O)(RIIおよびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが1である場合、RB1およびRB2は、それぞれ独立に-CH-であり、Bは、RB1およびRB2と一緒になって連結基を形成し、Bは結合であるか、またはBは、-ハロ(C-C10アルキル)-、置換されていてもよい-C-C10アルキル-、置換されていてもよい-C-C10アルケニル-、置換されていてもよい-C-C10アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C10アルキル-、置換されていてもよい-C-C10アルケニル-、置換されていてもよい-C-C10アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール-C-Cアルキル)-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが1である場合、RC1およびRC2は、それぞれ独立に-CH-であり、Cは、RC1およびRC2と一緒になって連結基を形成し、Cは、-ハロ(C-C12アルキル)-、置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立に-CON(R)(R)であるか、またはRおよびRの一方は-CON(R)(R)であり、RおよびRの他方はH、COOHもしくは-CO(R)であり;
およびRは、H、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、-NH、-NR、-NR、-COR、-CO、-N(R)COR、-N(R)SO、-N(R)SO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-N(R)CO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-からそれぞれ独立に選択され、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-の(C-Cアルキル)は、-OH、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、-OR、-NH、-NR、-NR、-COH、-CO、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、-NRSO、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(RII、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
14は、置換されていてもよいC-Cアルキルであり、
前記置換されていてもよいC-Cアルキルは、-OR、-NR、-CO、-CONR、-SONR、および-OCONRから選択される置換基により置換されていてもよく;
16は、H、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり;
15およびR17は、それぞれ独立に、H、シクロプロピル、またはC-Cアルキルであり;
は、H、-R、-COR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、または-SONRであり;
各Rは、独立に、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(RII、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-(C-Cアルキル)-O-CO(C-Cアルキル)、または-(C-Cアルキル)-CO-O-(C-Cアルキル)であり;
各Rは、独立に、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(RII、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-(C-Cアルキル)-O-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-CO-O-(C-Cアルキル)、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-C-Cシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されたC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-C-Cシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-9~10員ヘテロアリールのC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、5~6員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、-(C-Cアルキル)NH、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、-C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各Rは、独立に、HまたはC-Cアルキルであり;
各Rは、独立に、H、C-Cアルキル、-CO(C-Cアルキル)、-OCO(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)NH、-(C-Cアルキル)C-Cアルコキシ、-CO-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(C-Cアルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)、-CO(C-Cアルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)であり、
ここで、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルまたは置換されていてもよい5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各Rは、独立に、HまたはC-Cアルキルであり;
およびRは、それぞれ独立に、HもしくはC-Cアルキルであるか、またはRおよびRは、それを介してそれらが結合する単数または複数の原子と一緒になって5~6員環を形成し;
およびRIIは、存在ごとに独立して、(C-Cアルキル)オキシ-である。]
に従う化合物、またはその薬学上許容可能な塩である。
【0055】
一実施形態において、前記STINGアゴニストまたはその薬学上許容可能な塩は、式(I):
【化3】
[式中:
qは、0または1であり;
rは、0または1であり;
sは、0または1であり;
q+r+s=1または2であり;
qが0である場合、RA1およびRA2は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシ、-N(R)(R)、-CO、-N(R)COR、-N(R)SO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-N(R)CO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-の(C-Cアルキル)は、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ-、-N(R)(R)、-CO(R)、-CON(R)(R)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが0である場合、RB1およびRB2は、それぞれ独立に、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい9~10員ヘテロアリールは、ハロゲン、ニトロ、-R、-OH、-OR、-NH、-NR、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが0である場合、RC1は、H、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、RC2は、置換されていてもよいC-Cアルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC-Cアルキル基は、-OR、-NR、-CO、-CONR、-SONR、および-OCONRから選択される置換基により置換されていてもよく;
qが1である場合、RA1およびRA2は、それぞれ独立に、-CH-、-NR-、または-O-であり、Aは、RA1およびRA2と一緒になって連結基を形成し、Aは、-ハロ(C-C12アルキル)-、置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
rが1である場合、RB1およびRB2は、それぞれ独立に-CH-であり、Bは、RB1およびRB2と一緒になって連結基を形成し、Bは結合であるか、またはBは、-ハロ(C-C10アルキル)-、置換されていてもよい-C-C10アルキル-、置換されていてもよい-C-C10アルケニル-、置換されていてもよい-C-C10アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C10アルキル-、置換されていてもよい-C-C10アルケニル-、置換されていてもよい-C-C10アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール-C-Cアルキル)-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
sが1である場合、RC1およびRC2は、それぞれ独立に-CH-であり、Cは、RC1およびRC2と一緒になって連結基を形成し、Cは、-ハロ(C-C12アルキル)-、置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-であり、
ここで、前記置換されていてもよい-C-C12アルキル-、置換されていてもよい-C-C12アルケニル-、置換されていてもよい-C-C12アルキニル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-O-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-NR-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、-OH、-OR、-NH、-NR、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、および-NRSOからそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよい-C-Cアルキル-(C-Cシクロアルキル)-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル-C-Cアルキル-、置換されていてもよい-C-Cアルキル-(4~6員ヘテロシクロアルキル)-C-Cアルキル-、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-(5~6員ヘテロアリール)-C-Cアルキル-のC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立に-CON(R)(R)であるか、またはRおよびRの一方は-CON(R)(R)であり、RおよびRの他方はHもしくは-CO(R)であり;
およびRは、H、ハロゲン、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、ヒドロキシ、-NH、-NR、-NR、-COR、-CO、-N(R)COR、-N(R)SO、-N(R)SO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-N(R)CO(C-Cアルキル)-N(R)(R)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-、および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-からそれぞれ独立に選択され、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-、置換されていてもよい(C-Cアルキル)アミノ-および置換されていてもよい(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-の(C-Cアルキル)は、-OH、-OR、-NH、-NR、-NR、-COH、-CO、-OCOR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、-SONR、-OCONH、-OCONR、-NRCOR、-NRSOR、-NRCO、-NRSO、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール基からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、5~6員ヘテロシクロアルキルまたは5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
14は、置換されていてもよいC-Cアルキルであり、
ここで、前記置換されていてもよいC-Cアルキルは、-OR、-NR、-CO、-CONR、-SONR、および-OCONRから選択される置換基により置換されていてもよく;
16は、H、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり;
15およびR17は、それぞれ独立に、H、シクロプロピル、またはC-Cアルキルであり;
は、H、-R、-COR、-COH、-CO、-SOR、-SO、-CONH、-CONR、-SONH、または-SONRであり;
各Rは、独立に、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-(C-Cアルキル)-O-CO(C-Cアルキル)、または-(C-Cアルキル)-CO-O-(C-Cアルキル)であり;
各Rは、独立に、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-N(R)(R)、-(C-Cアルキル)-O-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-CO-O-(C-Cアルキル)、置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-C-Cシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-9~10員ヘテロアリールであり、
ここで、前記置換されたC-Cシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール、置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール、置換されていてもよい-C-Cアルキル-C-Cシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-フェニル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-4~6員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよい-C-Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、または置換されていてもよい-C-Cアルキル-9~10員ヘテロアリールのC-Cシクロアルキル、フェニル、4~6員ヘテロシクロアルキル、5~6員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい9~10員ヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各Rは、独立に、HまたはC-Cアルキルであり;
各Rは、独立に、H、C-Cアルキル、-CO(C-Cアルキル)、-OCO(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-CO-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(C-Cアルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキル)、-CO(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)、-CO(C-Cアルキル)-(置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール)であり、
ここで、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルまたは置換されていてもよい5~6員ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、C-Cアルキル、ハロ(C-Cアルキル)、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-、-COR、-CON(R)(R)、および-COからそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各Rは、独立に、HまたはC-Cアルキルであり;
およびRは、それぞれ独立に、HもしくはC-Cアルキルであるか、またはRおよびRは、それらが結合する単数または複数の原子と一緒になって5~6員環を形成する。]
またはその薬学上許容可能な塩の構造を有する。
【0056】
一実施形態において、式I-Nまたは式Iのsが0である場合、RC1およびRC2は、それぞれ独立に、HまたはC-Cアルキルである。一実施形態において、式I-Nまたは式Iのsが0である場合、RC1およびRC2は、それぞれ独立にエチルである。
【0057】
一実施形態において、式I-Nまたは式Iのrが1である場合、Bは、RB1およびRB2と一緒になって-CHCH=CHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCH(OH)CH(OH)CH-、または-CHCHN(CH)CHCH-を形成する。
【0058】
一実施形態において、式I-Nまたは式Iのrが1である場合、Bは、RB1およびRB2と一緒になって-CHCH=CHCH-を形成する。
【0059】
一実施形態において、式I-Nまたは式IのRおよびRは、それぞれHである。一実施形態において、R16はHである。一実施形態において、R14、R15、およびR17は、それぞれ独立にC-Cアルキルである。
【0060】
さらに別の実施形態において、前記STINGアゴニストは、式(I-N-B’):
【化4】
[式中、
およびRは、それぞれ独立に-CON(R)(R)であるか、またはRおよびRの一方は-CON(R)(R)であり、RおよびRの他方はH、COOHもしくは-CO(R)であり;
はC-Cアルキルであり;
B1およびRB2は、それぞれ独立に-CH-であり;
Bは、-ハロ(C-Cアルキル)、未置換-C-Cアルキル、または未置換-C-Cアルケニル-であり;
A2およびRA1は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-のC-Cアルキルは、ヒドロキシル、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、C-Cアルコキシル、-N(R)(R)、-CO(R)、置換されていてもよいフェニル、および置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
前記置換されていてもよいフェニル、または5~6員ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(RII、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、-(C-Cアルキル)-NH、-C-Cアルキル-(C-Cアルコキシル)およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
各Rは、独立に、HまたはC-Cアルキルであり;
は、H、(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-OCO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-NH、-(C-Cアルキル)C-Cアルコキシ、または-CO(C-Cアルキル)から選択され、
は、存在ごとに独立して、Hまたは(C-Cアルキル)であり;
およびRはHであり;
14はC-Cアルキルであり;
C1は、HまたはC-Cアルキルであり;
C2はC-Cアルキルであり;
15は、HまたはC-Cアルキルであり;
16は、HまたはC-Cアルキルであり;
17は、HまたはC-Cアルキルであり;
およびRIIは、存在ごとに独立して、(C-Cアルキル)オキシ-である。]
またはその薬学上許容可能な塩の構造を有する。
【0061】
一実施形態において、前記STINGアゴニストは、式(I-N-b’):
【化5】
[式中、
Bは、-ハロ(C-Cアルキル)、未置換-C-Cアルキル、または未置換-C-Cアルケニル-であり;
A2およびRA1は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-であり、
ここで、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-のC-Cアルキルは、ヒドロキシル、C-Cアルコキシル、-N(R)(R)、-CO(R)、置換されていてもよいフェニル、および置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく、
ここで、前記置換されていてもよいフェニル、または5~6員ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)、-O-P(O)(RII、アミノ、(C-Cアルキル)アミノ-、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ-、ハロ(C-Cアルキル)、ヒドロキシ-(C-Cアルキル)-、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルキル)-O-P(O)(RII、ハロ(C-Cアルコキシ)-、C-Cアルコキシ-、ヒドロキシ-(C-Cアルコキシ)-、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(OH)、-(C-Cアルコキシ)-O-P(O)(RII、-(C-Cアルキル)-NH、-C-Cアルキル-(C-Cアルコキシル)およびC-Cアルコキシ-(C-Cアルコキシ)-からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基により置換されていてもよく;
は、H、(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-OCO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-NH、-(C-Cアルキル)C-Cアルコキシ、または-CO(C-Cアルキル)から選択され、
各Rは、Hまたは(C-Cアルキル)であり;
14はC-Cアルキルであり;
C2はC-Cアルキルであり;
15はC-Cアルキルであり;
17はC-Cアルキルであり;
およびRIIは、存在ごとに独立して、(C-Cアルキル)オキシ-である。]
またはその薬学上許容可能な塩の構造を有する。
【0062】
一実施形態において、式I-N-b’のRA2およびRA1は、それぞれ独立にH、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-であり、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-のC-Cアルキルは、ヒドロキシル、-N(R)(R)、C-Cアルコキシル、フェニル、環の員として少なくとも1つの窒素または酸素を含有する置換されていてもよい5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基で置換されていてもよく、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはC-Cアルキルである。
【0063】
一実施形態において、RA2およびRA1の少なくとも1つは、それぞれ独立に、H、置換されていてもよい(C-Cアルキル)、または置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-であり、前記置換されていてもよい(C-Cアルキル)、置換されていてもよい(C-Cアルキル)オキシ-のC-Cアルキルが、-N(R)(R)、テトラヒドロピラン、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジルおよびモルホリニルからなる群からそれぞれ独立に選択される1~4個の置換基で置換されていてもよく、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはC-Cアルキルである。
【0064】
一実施形態において、式X:
【化6】
[式中、
Pは、1~6の間の整数であり、
およびRは、独立に、H、(C-Cアルキル)
またはNであり、RおよびRは、置換されていてもよい5または6員複素環を形成し、
ここで、複素環は、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびピロリジニルからなる群から選択され、
複素環は、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシルの1または2個の置換基で置換されていてもよいヒドロキシルおよびC-Cアルキルからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により置換されていてもよい。]
の化合物またはその薬学上許容可能な塩。
【0065】
一側面において、式(I-N)、(I)または(X)のSTINGアゴニストは、
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
またはその塩、特に、その薬学上許容可能な塩ではない。
【0066】
一側面において、式(I-N)、(I)または(X)のSTINGアゴニストは、
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
またはその塩、特に、その薬学上許容可能な塩ではない。
【0067】
一側面において、式(I-N)、(I)または(X)のSTINGアゴニストは、
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
またはその塩、特に、その薬学上許容可能な塩ではない。
【0068】
一側面において、式(I-N)、(I)または(X)のSTINGアゴニストは、
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
またはその塩、特に、その薬学上許容可能な塩ではない。
【0069】
一側面において、式(I-N)、(I)または(X)のSTINGアゴニストは、
3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩;
(E)-3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩;
3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩;
またはその塩、特に、その薬学上許容可能な塩ではない。
【0070】
一側面において、式(I-N)、(I)または(X)のSTINGアゴニストは、
(E)-4-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)ブタン酸;
(E)-7-(アミノメチル)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;および
(E)-3-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)プロパン酸
またはその塩、特に、その薬学上許容可能な塩ではない。
【0071】
本発明の方法の一実施形態において、前記STINGアゴニストは、
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩;
(E)-3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)プロピル 二水素リン酸塩;
3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドトリス塩酸塩;
(E)-4-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)ブタン酸;
(E)-7-(アミノメチル)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-3-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)プロパン酸;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1Hピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-エトキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;および
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-(3-(ジメチルアミノ)プロポキシ)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド;
またはその薬学上許容可能な塩である。
【0072】
本発明のSTINGアゴニストは、静脈内、皮下、経口、筋肉内、および経皮から選択される投与経路を介して前記ヒトに全身投与することができる。
【0073】
本発明の一実施形態において、それを必要とするヒトにSTINGアゴニストを投与する方法であって、前記STINGアゴニストを全身投与することを含んでなる方法が提供される。特定の側面において、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの血液中のサイトカインレベルを、前記ヒトにおけるT細胞を刺激するのに有効な濃度まで増加させる。特定の側面において、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの血液中のサイトカインレベルを、有害な免疫反応を生じさせるのに十分高い濃度まで増加させない。一実施形態において、前記有害な免疫反応は、用量制限毒性である。一実施形態において、前記ヒトは、炎症、アレルギー性疾患および自己免疫疾患、感染性疾患、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、インフルエンザ、皮膚疣贅、多発性硬化症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、AIDS、癌(基底細胞癌、および扁平上皮癌を含む)、前癌症候群(日光角化症を含む)から選択される少なくとも1種の疾患を有する。
【0074】
一実施形態において、前記STINGアゴニストは、ワクチンアジュバントとして投与される。
【0075】
STINGアゴニストが、疾患組織中の特定のサイトカインを、前記ヒトの血液および/または血漿および/または血清中の前記サイトカインよりも高い濃度まで増加させる、それを必要とするヒトに全身投与するためのSTINGアゴニストの使用も、本明細書において提供される。また、ヒトにおける炎症、アレルギー性疾患および自己免疫疾患、感染性疾患、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、インフルエンザ、皮膚疣贅、多発性硬化症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、AIDS、癌、前癌症候群の治療における使用のための少なくとも1種のSTINGアゴニストを含んでなる組成物であって、前記組成物は前記ヒトに全身投与されることを特徴とし、さらにここで、前記STINGアゴニストは、疾患組織中の少なくとも1種のサイトカインの濃度を、血液および/または血清および/または血漿中の前記少なくとも1種のサイトカインの濃度よりも、少なくとも3倍増加させる、組成物が提供される。一実施形態において、前記ヒトは癌を有する。一実施形態において、前記疾患組織は腫瘍微小環境である。一実施形態において、前記STINGアゴニストまたは前記STINGアゴニストを含んでなる医薬組成物の使用が、全身投与を介した癌の治療のために提供される。一側面において、前記STINGアゴニストは、ヒトに全身投与された場合、血液および/または血清および/または血漿より少なくとも3倍高くまで、腫瘍微小環境または疾患組織中の少なくとも1種のサイトカインの濃度を増加させる。一実施形態において、本発明は、ヒトへの全身投与のための医薬の製造におけるSTINGアゴニストの使用であって、前記医薬が、疾患組織中の少なくとも1種のサイトカインの濃度を、血液および/または血清および/または血漿中の前記少なくとも1種のサイトカインの濃度と比較して増加させる使用を提供する。
【0076】
好適には、本発明は、ヒトにおける癌を治療する方法であって、前記方法は、前記ヒトに有効量のSTINGアゴニストを全身投与することを含んでなり、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの腫瘍微小環境中の少なくとも1種のサイトカインを、前記ヒトの血液、血清、および/または血漿中の前記少なくとも1種のサイトカインの濃度と比較して高い濃度で誘導する、方法に関する。好適には、前記サイトカインは、IL-6、TNFα、IFNβ、およびIFNγから選択される。好適には、標的指数(target index)(TI)は、選択されたサイトカインに関して3以上である。好適には、標的指数(target index)(TI)は、選択されたサイトカインに関して10以上である。
【0077】
好適には、本発明は、ヒトにおける癌を治療する方法であって、前記方法は、前記ヒトに有効量のSTINGアゴニストを全身投与することを含んでなり、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの腫瘍微小環境中の少なくとも1種のサイトカインを、前記ヒトの血液、血清、または血漿中の前記サイトカインの濃度と比較して高い濃度で誘導する、方法に関する。好適には、前記サイトカインは、IL-6、TNFα、IFNβ、およびIFNγから選択される。好適には、標的指数(target index)(TI)は、選択されたサイトカインに関して3以上である。好適には、標的指数(target index)(TI)は、選択されたサイトカインに関して10以上である。
【0078】
好適には、本発明は、ヒトにおける癌を治療する方法であって、前記方法は、前記ヒトに有効量のSTINGアゴニストを全身投与することを含んでなり、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの腫瘍微小環境中において、前記ヒトの血液、血清および/または血漿中と比較して有意に高いCmax濃度を誘導する、方法に関する。
【0079】
好適には、本発明は、ヒトにおける癌を治療する方法であって、前記方法は、前記ヒトに有効量のSTINGアゴニストを全身投与することを含んでなり、前記STINGアゴニストは、前記ヒトの腫瘍微小環境中において、前記ヒトの血液、血清または血漿中と比較して有意に高いCmax濃度を誘導する、方法に関する。
【0080】
本明細書で使用する場合、用語「アゴニスト」は、STINGとの接触時に、(1)STINGタンパク質を刺激もしくは活性化する、(2)STINGの活性、機能もしくは存在を亢進、増加もしくは促進、誘導もしくは延長する、および/または(3)STINGの発現を亢進、増加、促進もしくは誘導する、のうち1以上を引き起こす任意の化合物、例えばSTINGアゴニストを指す。アゴニスト活性は、限定されるものではないが、細胞シグナル伝達、細胞増殖、免疫細胞活性化マーカー、サイトカイン産生の測定など、当技術分野で既知の種々のアッセイにより、in vitroで測定することができる。アゴニスト活性は、限定されるものではないが、T細胞増殖またはサイトカイン産生、特に、I型インターフェロンの測定など、代替エンドポイントを測定する種々のアッセイにより、in vivoで測定することもできる。
【0081】
本明細書で使用する場合、用語「治療すること」または「治療」およびその文法的変形形態は、少なくとも、ヒトにおける疾患または障害の緩和を意味するものとする。特定の状態に関しては、「治療する」は、(1)状態または状態の生物学的兆候の1以上を寛解させること、(2)(a)状態に至るもしくはその原因となる生物学的カスケードにおける1以上の点、または(b)状態の生物学的兆候の1以上を妨害すること、(3)状態またはその治療と関連する症状、効果または副作用の1以上を軽減すること、(4)状態または状態の生物学的兆候の1以上の進行を遅らせること、および/あるいは(5)寛解の期間に追加の治療をすることなく、その兆候に対して寛解の状態であると考えられる期間、状態の生物学的兆候の1以上を排除するまたは検出不能なレベルにまで低減させることにより、前記状態または状態の生物学的兆候の1以上を治癒すること、を意味する。当業者ならば、特定の疾患または状態に対して寛解と考えられる期間を理解するであろう。予防的療法も、それにより企図される。当業者は、「予防」は絶対的な用語ではないことを認識するであろう。医学では、「予防」は、状態もしくはその生物学的兆候の可能性もしくは重症度を実質的に減少させるため、またはそのような状態もしくはその生物学的兆候の発症を遅延させるための薬剤の予防的投与を指すものと理解される。従って、「予防する」、「予防すること」または「予防」は、疾患またはその生物学的兆候の発症の可能性を減少させるため、またはその発症を遅延させるための薬剤の予防的投与を指す。予防的療法は、例えば、対象が癌の強い家族歴を有する場合、または対象が発癌物質に曝露している場合など、対象が癌を発症する高リスクにあると考えられる場合に、適当である。疾患または障害の緩和のための治療の方法は、例えば、上記のように、STINGにより媒介された疾患または障害の遅延、療法または治癒のための、任意の従来許容可能な様式での本発明における化合物の使用を含む。従って、一実施形態において、癌に関する「治療する」、「治療すること」または「治療」は、癌を軽減すること、癌の1以上の症状を排除または低減すること、癌の進行を遅らせるまたは排除すること、少なくとも1つの腫瘍の腫瘍容積を低減すること、および以前に罹患したまたは診断された患者または対象における状態の再発を遅延させることを指す。
【0082】
本明細書で使用する場合、用語「癌」、「新生物」、および「腫瘍」は、互換的に使用され、単数形または複数形のいずれかで、細胞を宿主生物体に対して病的にさせる悪性形質転換を受けている細胞を指す。原発癌細胞は、十分に確立された技法、特に組織学的検査により、非癌性細胞と容易に区別することができる。癌細胞の定義は、本明細書で使用する場合、原発癌細胞だけでなく、癌細胞祖先に由来する任意の細胞も含む。これには、転移した癌細胞、ならびに癌細胞に由来するin vitro培養物および細胞株が含まれる。固形腫瘍として通常現れる癌の種類に言及する場合、「臨床的に検出可能な」腫瘍は、腫瘍量に基づき、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、X線、超音波もしくは理学的検査時の触診などの手技により検出可能である、および/または患者から入手可能なサンプル中の1以上の癌特異抗原の発現のために検出可能である腫瘍である。
【0083】
本明細書で使用する場合、用語「固形腫瘍」は、通常、嚢胞または液体領域を含有しない組織の異常腫瘤を指す。固形腫瘍は、良性または悪性であり得る。固形腫瘍を形成する細胞の種類に対して、異なる種類の固形腫瘍が名付けられている。固形腫瘍の例としては、限定されるものではないが、肉腫、癌腫、およびリンパ腫が挙げられる。固形腫瘍癌の例としては、限定されるものではないが、結腸癌、乳癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、子宮頸癌、黒色腫、腎癌、前立腺癌、リンパ腫、神経芽腫、膵臓癌および膀胱癌が挙げられる。
【0084】
好適には、本発明の方法は、固形腫瘍の治療において使用される。
【0085】
本明細書に開示される方法による療法に適し得る癌腫としては、限定されるものではないが、食道癌、肝細胞癌、基底細胞癌(皮膚癌の形態)、扁平上皮癌(種々の組織)、移行上皮癌(膀胱の悪性新生物)を含む膀胱癌、気管支原性癌、結腸癌、結腸直腸癌、胃癌、肺の小細胞癌および非小細胞癌を含む肺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、腎細胞癌、非浸潤性乳管癌または胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、骨原性癌腫、上皮癌(epithelieal carcinoma)、および鼻咽頭癌が挙げられる。
【0086】
本明細書に開示される方法による療法に適し得る肉腫としては、限定されるものではないが、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、骨原性肉腫、骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、および他の軟組織肉腫が挙げられる。
【0087】
本明細書に開示される方法による療法に適し得る他の固形腫瘍としては、限定されるものではないが、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽腫、および網膜芽細胞腫が挙げられる。
【0088】
本明細書に開示される方法に従う治療に適し得る他の癌としては、非定型髄膜腫(脳)、島細胞癌(膵臓)、髄様癌(甲状腺)、間葉腫(腸)、肝細胞癌(肝臓)、肝芽腫(肝臓)、明細胞癌(腎臓)、および縦隔神経線維腫が挙げられる。
【0089】
本明細書に開示される方法を用いた治療に適し得るさらなる例示的癌としては、限定されるものではないが、神経外胚葉および上皮起源の癌が挙げられる。神経外胚葉起源の癌の例としては、限定されるものではないが、ユーイング肉腫、脊髄腫瘍、脳腫瘍、小児テント上原始神経外胚葉腫瘍(supratenbrial primative neuroectodermal tumors of γancy)、管状嚢胞癌、粘液管状紡錘細胞癌、腎腫瘍、縦隔腫瘍、神経膠腫、神経芽腫、および青年および若年成人における肉腫が挙げられる。上皮起源の例としては、限定されるものではないが、小細胞肺癌、乳、眼水晶体、結腸、膵臓、腎臓、肝臓、卵巣、および気管支上皮の癌が挙げられる。
【0090】
腫瘍は、造血(または血液(hematologic)または血液(hematological)または血液関連)癌、例えば、血液細胞または免疫細胞に由来する癌であり得、これは、「液性腫瘍」と呼ばれることがある。血液腫瘍に基づく臨床状態の具体例としては、慢性骨髄球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ球性白血病および急性リンパ球性白血病などの白血病;多発性骨髄腫、MGUSおよびワルデンシュトレームマクログロブリン血症などの形質細胞悪性腫瘍;非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫などのリンパ腫;などが挙げられる。
【0091】
癌は、異常な数の芽細胞もしくは望まれない細胞増殖が存在し、または、リンパ性および骨髄性両方の悪性腫瘍を含む血液癌と診断される、任意の癌であり得る。骨髄性悪性腫瘍としては、限定されるものではないが、急性骨髄性(または骨髄球性または骨髄性または骨髄芽球性)白血病(未分化または分化)、急性前骨髄性(または前骨髄球性または前骨髄性または前骨髄芽球性)白血病、急性骨髄単球性(または骨髄単芽球性)白血病、急性単球性(または単芽球性)白血病、赤白血病および巨核球性(または巨核芽球性)白血病が挙げられる。これらの白血病は、まとめて急性骨髄性(または骨髄球性または骨髄性)白血病(AML)と呼ばれることがある。骨髄性悪性腫瘍は、骨髄増殖性疾患(MPD)も含み、これには、限定されるものではないが、慢性骨髄性(myelogenous)(または骨髄性(myeloid))白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、本態性血小板血症(または血小板増加症)、および真性多血症(polcythemia vera)(PCV)が含まれる。骨髄性悪性腫瘍としては、脊髄形成異常症(または骨髄異形成症候群またはMDS)(これは、不応性貧血(RA)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、および移行期の芽球増加を伴う不応性貧血(RAEBT)と呼ばれることがある)、ならびに原因不明骨髄様化生を伴うまたは伴わない骨髄線維症(MFS)も挙げられる。
【0092】
造血癌としては、リンパ性悪性腫瘍も挙げられ、これは、リンパ節、脾臓、骨髄、末梢血、および/またはリンパ節外部位を冒し得る。リンパ性癌としては、B細胞悪性腫瘍が挙げられ、これには、限定されるものではないが、B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)が含まれる。B-NHLは、無痛性(もしくは低悪性度)、中悪性度(もしくは侵攻性)または高悪性度(非常に侵攻性)であり得る。無痛性B細胞リンパ腫としては、濾胞性リンパ腫(FL);小リンパ球性リンパ腫(SLL);節性MZL、節外性MZL、脾性MZLおよび有毛リンパ球を伴う脾性MZLを含む辺縁帯リンパ腫(MZL);リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL);ならびに粘膜関連リンパ組織(MALTまたは節外性辺縁帯)リンパ腫が挙げられる。中悪性度B-NHLとしては、白血病の関与を伴うまたは伴わないマントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性大細胞(またはグレード3またはグレード3B)リンパ腫、および縦隔原発リンパ腫(PML)が挙げられる。高悪性度B-NHLとしては、バーキットリンパ腫(BL)、バーキット様リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫(SNCCL)およびリンパ芽球性リンパ腫が挙げられる。他のB-NHLとしては、免疫芽球性リンパ腫(または免疫細胞腫)、原発性滲出性リンパ腫、HIV関連(またはAIDS関連)リンパ腫、および移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)またはリンパ腫が挙げられる。B細胞悪性腫瘍としては、限定されるものではないが、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、有毛細胞白血病(HCL)、大型顆粒リンパ球(LGL)白血病、急性リンパ性(またはリンパ球性またはリンパ芽球性)白血病、およびキャッスルマン病も挙げられる。NHLとしては、T細胞非ホジキンリンパ腫(T-NHL)も挙げられ得、これには、限定されるものではないが、T細胞非ホジキンリンパ腫非特定型(NOS)、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、血管免疫芽球性リンパ節症(angioimmunoblastic lymphoid disorder)(AILD)、鼻性ナチュラルキラー(NK)細胞/T細胞リンパ腫、ガンマ/デルタリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉症、およびセザリー症候群が含まれる。
【0093】
造血癌としては、古典的ホジキンリンパ腫、結節硬化型ホジキンリンパ腫、混合細胞型ホジキンリンパ腫、リンパ球優位型(LP)ホジキンリンパ腫、結節性LPホジキンリンパ腫、およびリンパ球減少型ホジキンリンパ腫を含むホジキンリンパ腫(またはホジキン病)も挙げられる。造血癌としては、くすぶり型MMを含む多発性骨髄腫(MM)、意義未確定(または不明または不明瞭)の単クローン性高ガンマグロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(骨、髄外)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、形質細胞白血病、および原発性アミロイドーシス(AL)などの形質細胞疾患または癌も挙げられる。造血癌としては、多形核白血球(または好中球)、好塩基球、好酸球、樹状細胞、血小板、赤血球およびナチュラルキラー細胞を含むさらなる造血細胞の他の癌も挙げられ得る。本明細書において「造血細胞組織」と呼ばれる造血細胞を含む組織としては、骨髄;末梢血;胸腺;ならびに末梢リンパ組織、例えば、脾臓、リンパ節、粘膜に関連するリンパ組織(腸管関連リンパ組織など)、扁桃、パイエル板および虫垂、ならびに他の粘膜、例えば、気管支内層(bronchial lining)に関連するリンパ組織が挙げられる。
【0094】
好適には、本発明の方法は、癌を治療することを対象とする。好適には、本発明の方法は、非小細胞肺癌(NSCLC)、マイクロサテライト安定性(MSS)結腸直腸癌、胃食道腺癌(GEC)、および頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)から選択される癌を治療することを対象とする。
【0095】
好適には、癌は、肺、骨、膵臓、皮膚、頭部、頸部、子宮、卵巣、胃、結腸、乳、食道、小腸、腸、内分泌系、甲状腺(thyroid glad)、副甲状腺、副腎、尿道、前立腺、陰茎、精巣、尿管、膀胱、腎臓もしくは肝臓の癌;直腸癌;肛門部の癌;輸卵管、子宮内膜、子宮頸部、膣、外陰、腎盂、腎細胞の癌腫;軟組織の肉腫;粘液腫;横紋筋腫;線維腫;脂肪腫;奇形腫;胆管癌;肝芽腫;血管肉腫;血管腫(hemagioma);肝細胞癌;線維肉腫;軟骨肉腫;骨髄腫;慢性もしくは急性白血病;リンパ球性リンパ腫;原発性CNSリンパ腫;CNSの新生物;脊髄軸腫瘍;扁平上皮癌;滑膜肉腫;悪性胸膜中皮腫;脳幹神経膠腫;下垂体腺腫;気管支腺腫;軟骨性過誤腫(chondromatous hanlartoma);中皮腫(inesothelioma);およびホジキン病または前述の癌の1以上の組合せから選択される。
【0096】
好適には、癌は、脳(神経膠腫)、膠芽腫、星状細胞腫、多形膠芽腫、バナヤン・ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット・デュクロ病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、頭頸部、腎臓、肝臓、黒色腫、卵巣、膵臓、腺癌、腺管腺癌、腺扁平上皮癌、腺房細胞癌、グルカゴノーマ、インスリノーマ、前立腺、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽腫、膀胱癌、尿路上皮癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎癌、中皮腫、食道癌、唾液腺癌、肝細胞癌、胃癌、鼻咽頭(nasopharangal)癌、頬粘膜癌、口腔癌、GIST(消化管間質腫瘍)および精巣癌から選択される。
【0097】
好適には、本発明の方法は、前癌症候群を治療することを対象とする。
【0098】
好適には、前癌症候群は、子宮頸部上皮内新生物、意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症(gammapathy)(MGUS)、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、子宮頸部病変、皮膚母斑(前黒色腫)、前立腺上皮内(intraepithleial)(管内)新生物(PIN)、非浸潤性乳管癌(DCIS)、結腸ポリープおよび重症肝炎または肝硬変から選択される。
【0099】
本明細書で使用する場合、「腫瘍抗原」は、免疫応答、特にT細胞媒介性免疫応答を誘発する腫瘍細胞により産生されるタンパク質である。本明細書で使用する場合、用語「腫瘍抗原」は、腫瘍特異抗原および腫瘍関連抗原の両方を含む。腫瘍特異抗原は、腫瘍細胞に特有のものであり、身体の他の細胞では生じない。腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞に特有のものではなく、その代わりに、抗原に対する免疫寛容の状態を誘導できない条件下で、正常細胞にも発現する。腫瘍上での抗原の発現は、免疫系を抗原に対して応答することを可能とする条件下で生じ得る。腫瘍関連抗原は、免疫系が未熟であり、応答することができない胎児発生中に正常細胞に発現する抗原であり得、または、正常細胞上では極めて低レベルで正常に存在するが、腫瘍細胞上では非常に高レベルで発現する抗原であり得る。
【0100】
腫瘍抗原の限定されない例としては、以下が挙げられる:分化抗原、例えば、MART-1/MelanA(MART-I)、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、および腫瘍特異的多系列抗原、例えば、限定されるものではないがMAGE1、MAGE3、MAGE10、MAGE11、MAGE12、MAGEA2、MAGEA3、MAGEA4、MAGEA6、MAGEA8、MAGEA9、MAGEB18、MAGEB6、MABEC1、MAGED2、MAGEE1、MAGEH1、MAGEL2、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15を含むMAGEファミリー抗原;MEL4、黒色腫関連抗原100+、黒色腫gp100、NRIP3、NYS48、OCIAD1、OFA-iLRP、OIP5、卵巣癌関連抗原(OV632)、PAGE4、PARP9、PATE、プラスチンL、PRAME、前立腺特異抗原、プロテイナーゼ3、プロステイン(prostein)、Reg3a、RHAMM、ROPN1、SART2、SDCCAG8、SEL1L、SEPT1、SLC45A2、SPANX、SSX5、STXGALNAC1、STEAP4、サバイビン、TBC1D2、TEM1、TRP1、上皮起源の腫瘍抗原、XAGE1、XAGE2、WT-1;過剰発現胚抗原、例えばCEA;過剰発現癌遺伝子および変異腫瘍抑制遺伝子、例えば、p53、Ras、HER-2/neu;染色体転座に起因する独特の腫瘍抗原;例えば、BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR;ならびにウイルス抗原、例えば、エプスタイン・バーウイルス抗原EBVAおよびヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7。
【0101】
他の腫瘍抗原としては、限定されるものではないが、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、βカテニン、CDK4、Mum-1、p15、p16、43-9F、5T4、791Tgp72、αフェトプロテイン、βHCG、BCA225、BTAA、CA125、CA15-3\CA27.29\BCAA、CA195、CA242、CA-50、CAM43、CD68\P1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733\EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90\Mac-2結合タンパク質\シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLP、TPS、神経膠腫関連抗原、βヒト絨毛性ゴナドトロピン、αフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ(prostase)、前立腺特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、Her2/neu、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD19、CD20、CD22、ROR1、CD33/IL3Ra、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、インスリン成長因子(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体ならびにメソセリンが挙げられる。
【0102】
本発明の化合物は、双性イオン型を含む他の互変異性型、または異性型で存在し得ることが、当業者により認識されるであろう。本明細書に記載の式および化合物の総ての互変異型(双性イオン型を含む)および異性型は、本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0103】
本発明の化合物は、限定されるものではないが、式(A)、式(B)および/もしくは式(C)を含む互変異性型、または限定されるものではないが、式(D)もしくは式(E)を含む双性イオン型で存在し得ることも、当業者により認識されるであろう。
【0104】
【化7】
【0105】
本明細書に記載の本発明の中間体化合物および/または化合物に対して提供される化学名は、このような化合物の互変異性の表現のいずれか1つを指し得る(場合によっては、このような代替名には、実験名が提供される)。名称が付された化合物(本発明の中間体化合物もしくは化合物)または構造的に示された化合物(本発明の中間体化合物もしくは化合物)に対するいずれかの言及は、このような化合物の双性イオン型を含む総ての互変異性型およびそれらの任意の混合物を包含するものであると理解されるべきである。
【0106】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」は、特定の数の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を表す。用語「C-Cアルキル」は、1~4個の炭素原子を含有する直鎖状または分岐鎖状のアルキル部分を指す。例示的なアルキルとしては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。
【0107】
「アルキル」などの置換基の用語が、例えば「ヒドロキシ(C-Cアルキル)」など、別の置換基の用語と組み合わせて使用される場合、結合する置換基の用語(例えば、アルキル)は、二価部分を包含するものとし、ここで、結合点はその結合する置換基を介する。「ヒドロキシ(C-Cアルキル)」基の例としては、限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、およびヒドロキシイソプロピルが挙げられる。
【0108】
本明細書で使用する場合、用語「ハロ(アルキル)」は、特定の数(n)の炭素原子および1以上の(最大2n+1の)ハロゲン原子を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を表す。例えば、用語「ハロ(C-Cアルキル)」は、1~4個の炭素原子を含有するアルキル部分の1以上の炭素原子において、同じであっても異なっていてもよい1以上のハロゲン原子を有する基を表す。「ハロ(C-Cアルキル)」基の例としては、限定されるものではないが、-CF(トリフルオロメチル)、-CCl(トリクロロメチル)、1,1-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、およびヘキサフルオロイソプロピルが挙げられる。
【0109】
「アルケニル」は、特定の数の炭素原子ならびに少なくとも1個および最大3個の炭素-炭素二重結合を有する直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基を指す。例としては、エテニルおよびプロペニルが挙げられる。
【0110】
「アルキニル」は、特定の数の炭素原子ならびに少なくとも1個および最大3個の炭素-炭素三重結合を有する直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基を指す。例としては、エチニルおよびプロピニルが挙げられる。
【0111】
「アルコキシ-」または「(アルキル)オキシ-」は、酸素結合原子を介して結合した特定の数の炭素原子を有するアルキル部分を含有する「アルキル-オキシ-」基を指す。例えば、用語「C-Cアルコキシ-」は、酸素結合原子を介して結合した少なくとも1個および最大4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素部分を表す。例示的な「C-Cアルコキシ-」または「(C-Cアルキル)オキシ-」基としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、s-ブトキシ、およびt-ブトキシが挙げられる。
【0112】
本明細書で使用する場合、用語「ハロ(アルコキシ)-」は、酸素結合原子を介して結合した特定の数(n)の炭素原子および1以上の(最大2n+1の)ハロゲン原子を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を表す。例えば、用語「ハロ(C-Cアルコキシ)-」は、酸素結合原子を介して結合した「ハロ(C-Cアルキル)」部分を含有する「ハロアルキル-オキシ-」基を指す。例示的な「ハロ(C-Cアルコキシ)-」基としては、限定されるものではないが、-OCHF(ジフルオロメトキシ)、-OCF(トリフルオロメトキシ)、-OCHCF(トリフルオロエトキシ)、および-OCH(CF(ヘキサフルオロイソプロポキシ)が挙げられる。
【0113】
炭素環式基または部分は、環員が炭素原子である環式基または部分であり、これは、飽和、部分不飽和(非芳香族)または完全不飽和(芳香族)であってよい。
【0114】
「シクロアルキル」は、環中に特定の数の炭素原子を含有する非芳香族の飽和炭化水素環基を指す。例えば、用語「C-Cシクロアルキル」は、3~6個の環炭素原子を有する環式基を指す。例示的な「C-Cシクロアルキル」基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。
【0115】
複素環式基または部分は、環員として、少なくとも2個の異なる元素の原子を有する環式基または部分であり、環式基または部分は、飽和、部分不飽和(非芳香族)または完全不飽和(芳香族)であってよい。
【0116】
「ヘテロ原子」は、窒素、硫黄、または酸素原子、例えば、窒素原子または酸素原子を指す。
【0117】
「ヘテロシクロアルキル」は、3~10個の環原子を含有し、かつ酸素、硫黄、および窒素から独立に選択される1以上の(一般に1または2個の)ヘテロ原子環員を含有する非芳香族の単環式または二環式基を指す。ヘテロシクロアルキル基の結合点は、任意の好適な炭素または窒素原子によるものであってよい。
【0118】
「ヘテロシクロアルキル」基の例としては、限定されるものではないが、アジリジニル、チイラニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、1,3-ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチオラニル、1,3-オキサチアニル、1,3-ジチアニル、1,4-オキサチオラニル、1,4-オキサチアニル、1,4-ジチアニル、モルホリニル、チオモルホリニル、およびヘキサヒドロ-1H-1,4-ジアゼピニルが挙げられる。
【0119】
「4員ヘテロシクロアルキル」基の例としては、オキセタニル、チエタニルおよびアゼチジニルが挙げられる。
【0120】
用語「5~6員ヘテロシクロアルキル」は、酸素、硫黄、および窒素から独立に選択される1または2個のヘテロ原子を含む、5または6個の環原子を含有する飽和単環式基を表す。5~6員ヘテロシクロアルキル基の例示的な例としては、限定されるものではないが、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、およびチオモルホリニルが挙げられる。
【0121】
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1~4個のヘテロ原子を含む、5~10個の環原子を含有する芳香族の単環式または二環式基を指し、ここで、基の少なくとも一部分は芳香族である。例えば、この用語は、複素環式部分に縮合したフェニル環または炭素環式部分に縮合したヘテロアリール環部分のいずれかを含有する二環式複素環式アリール基を包含する。ヘテロアリール基の結合点は、任意の好適な炭素または窒素原子によるものであってよい。
【0122】
用語「5~6員ヘテロアリール」は、少なくとも1つの炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1~4個のヘテロ原子を含む、5または6個の環原子を含有する芳香族の単環式基を表す。選択された5員ヘテロアリール基は、1個の窒素、酸素、または硫黄環ヘテロ原子を含有し、場合により、1、2、または3個の追加の窒素環原子を含有する。選択された6員ヘテロアリール基は、1、2、または3個の窒素環ヘテロ原子を含有する。5員ヘテロアリール基の例としては、フリル(フラニル)、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、およびオキサジアゾリルが挙げられる。選択された6員ヘテロアリール基としては、ピリジニル(ピリジル)、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびトリアジニルが挙げられる。
【0123】
用語「9~10員ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1~4個のヘテロ原子を含む、9または10個の環原子を含有する芳香族の二環式基を指す。9員ヘテロアリール(6,5-縮合ヘテロアリール)基の例としては、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、インドリニル(ジヒドロインドリル)、イソインドリル、イソインドリニル、インダゾリル、イソベンゾフリル、2,3-ジヒドロベンゾフリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、トリアゾロピリジニルおよび1,3-ベンゾジオキソリルが挙げられる。
【0124】
10員ヘテロアリール(6,6-縮合ヘテロアリール)基の例としては、キノリニル(キノリル)、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル(naphthridinyl)(1,5-ナフチリジニル、1,6-ナフチリジニル、1,7-ナフチリジニル、1,8-ナフチリジニル)、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル(テトラヒドロキノリニル)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル(テトラヒドロイソキノリニル)、シンノリニル、プテリジニル、および2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニルが挙げられる。
【0125】
用語「ハロゲン」および「ハロ」は、ハロゲンラジカル、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード置換基を指す。
【0126】
「オキソ」は、二重結合酸素部分を表し、例えば、炭素原子に直接結合する場合、カルボニル部分(C=O)を形成する。
【0127】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、ラジカル-OHを意味するものとする。
【0128】
本明細書で使用する場合、用語「シアノ」は、ニトリル基、-C≡Nを指す。
【0129】
本明細書で使用する場合、用語「置換されていてもよい」は、基(アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリール基など)もしくは環もしくは部分が未置換であってよい、または、基、環もしくは部分が、本明細書で提供される置換基の定義(A、R、など)に定義される1以上の置換基で置換されてよいことを示す。基が多数の代替基から選択され得る場合は、選択された基は、同じであっても異なっていてもよい。
【0130】
用語「独立に」は、2個以上の置換基が多数の潜在的な置換基から選択される場合、それらの置換基は、同じであっても異なっていてもよいことを意味する。
【0131】
用語「薬学上許容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比と釣り合った、過剰な毒性、刺激、または他の問題もしくは合併症を生じることなく、ヒトおよび動物の組織との接触に使用するのに好適な、それらの化合物、材料、組成物、および剤形を指す。
【0132】
本明細書で使用する場合、用語「本発明の化合物(compound(s) of the invention)」または「本発明の化合物(compound(s) of this invention)」は、任意の形態、すなわち、任意の互変異性型、任意の異性型、任意の塩または非塩形態(例えば、遊離酸もしくは塩基形態として、または塩、特にその薬学上許容可能な塩として)およびその任意の物理形態(例えば、非固体形態(例えば、液体もしくは半固体形態)、および固体形態(例えば、非晶形もしくは結晶形、特定の多晶形、水和物形態(例えば、一、二、および半水和物)を含む溶媒和物形態、を含む)、ならびに種々の形態の混合物の、本明細書に定義される式(I-N)または式(I)の化合物を意味する。
【0133】
従って、任意の塩または非塩形態およびその任意の物理形態、ならびに種々の形態の混合物の、本明細書に定義される式(I-N)、または(I)の化合物が、本発明の中に含まれる。このようなものが本発明の中に含まれるが、任意の塩または非塩形態、およびその任意の物理形態の、本明細書に定義される式(I-N)または(I)の化合物は、処方目的での様々なレベルの活性、異なるバイオアベイラビリティおよび異なる取扱い特性を有してよいことが理解されるであろう。
【0134】
治療上「有効な量」は、そのような治療を必要とする患者に投与された場合、本明細書に定義されるように、有効に治療または予防するのに十分である化合物の量を意味するものとする。従って、例えば、式(I-N)、もしくは(I)の化合物、またはその薬学上許容可能な塩の治療上有効な量は、それを必要とするヒトに投与された場合、STINGの活性により媒介される病態が低減、軽減または予防されるように、その活性を調節するのに十分である本発明の剤の量である。そのような量に対応する所与の化合物の量は、特定の化合物(例えば、特定の化合物の効力(pIC50)、有効性(EC50)、および生物学的半減期)、病態ならびにその重症度、治療を必要とする患者の同一性(例えば、年齢、大きさおよび体重)などの因子によって変動するが、当業者により慣例的に決定され得る。同様に、治療の期間および化合物の投与の期間(投与間の時間および投与のタイミング、例えば、食前/食間/食後)は、治療を必要とする哺乳動物の同一性(例えば、体重)、特定の化合物およびその特性(例えば、薬物動態特性)、疾患または障害およびその重症度ならびに使用される具体的な組成物および方法によって変動するが、当業者により決定され得る。
【0135】
本発明の化合物は、全身投与および局所投与の両方を含む、任意の好適な投与経路により投与してよい。全身投与としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、直腸投与、および吸入による投与が挙げられる。非経口投与は、経腸、経皮、または吸入によるもの以外の投与経路を指し、一般に、注射または注入によるものである。非経口投与としては、静脈内、筋肉内、および皮下注射または注入が挙げられる。吸入は、口を介した吸入であるか鼻腔を介した吸入であるかを問わず、患者の肺への投与を指す。局所投与としては、皮膚への適用が挙げられる。本発明の化合物ならびにそのような化合物を製造および使用する方法は、PCT/IB2017/051945(2017年4月5日出願)に開示および記載されており、その全体が本明細書の一部とされる。
【0136】
本発明はまた、式(I-N)、(I)、(I-N-B)、(I-N-B’)および(X)のいずれか1つから選択される0.5~1,000mgの化合物、またはその薬学上許容可能な塩と、0.5~1,000mgの薬学上許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物を提供する。
【実施例
【0137】
以下の実施例は、本発明の種々の限定されない側面を説明する。
【0138】
中間体1
【化8】
【0139】
工程1:4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド
【化9】
【0140】
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロ安息香酸メチル(1000mg、4.07mmol)を、NHOH(10mL、77mmol)中で室温にて24時間撹拌した。次に、反応温度を50℃に2時間かけて上げた。追加の2mL(約3.7当量)のNHOHを容器に加えた。50℃でさらに2時間撹拌した後(計4時間)、反応物を室温に冷却した。固体を濾過し、冷水ですすいだ。固体を室内真空下で乾燥させ、凍結乾燥させ、4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(710mg、2.99mmol、収率73%)を黄褐色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.31 (br. s., 1 H), 8.06 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 7.88 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 7.81 (br. s., 1 H), 4.02 (s, 3 H)。LCMS (LCMS法D): Rt = 0.71 min, [M+H]+ = 230.9。
【0141】
工程2:4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド
【化10】
【0142】
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(1g、4.34mmol)を、乾燥DCM(15mL)に懸濁させ、室温で撹拌した。反応物に、BBr(17.4mL、DCM中1M)を滴下した。スラリーが急速に形成され、これを室温にて窒素下で一晩撹拌した。反応物を氷水(300mL)に注ぎ、30分間激しく撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、固体を乾燥させ、標題化合物(610mg、2.82mmol、収率65%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.53 (br. s., 1 H), 8.17 (br. s., 1 H), 7.92 (s, 1 H), 7.72 (s, 1 H), 7.66 (br. s., 1 H)。LC-MS (LCMS法D) Rt = 0.60 min, [M+H]+ = 217。
【0143】
中間体2
4-(5-(5-カルボキシ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸
【化11】
【0144】
工程1:
3-メチル-1-(5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル
【化12】
【0145】
3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(22g、143mmol)、(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)トリメチルシラン(24.94g、143mmol)、KCO(39.4g、285mmol)、およびDMF(4mL)の混合物を、窒素ガス雰囲気下で60℃にて一晩撹拌した。次に、混合物をDCMに溶かし、水で洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)により精製し、3-メチル-1-(5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(12.5g、42.7mmol、収率30%)を無色の油状物として得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 2.43 min, [M+H]+ = 293。
【0146】
工程2:
3-メチル-1-(ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル
【化13】
【0147】
3-メチル-1-(5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(37.7g、129mmol)、KCO(44.5g、322mmol)、およびEtOH(800mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。次に、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をDCMに溶かし、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、3-メチル-1-(ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(20g、91mmol、収率70.4%)を無色の油状物として得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 2.08 min, [M+H]+ = 221。
【0148】
工程3:
1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル
【化14】
【0149】
1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(20g、130mmol)、(ブロモメチル)ベンゼン(22.2g、130mmol)、KCO(26.9g、195mmol)、およびDMF(200mL)の混合物を、60℃で一晩撹拌した。次に、混合物をDCMに溶かし、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)により精製し、1-エチル-3-メチル-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル(31.4g、129mmol、収率99%)を無色の油状物として得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 2.09 min, [M+H]+ = 245。
【0150】
工程4:
1-エチル-4-ヨード-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル
【化15】
【0151】
1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル(31.6g、129mmol)、1-ヨードピロリジン-2,5-ジオン(34.9g、155mmol)およびDMF(400mL)の混合物を、90℃で2日間撹拌した。次に、混合物を室温に放冷し、DCMに溶かし、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)により精製し、1-エチル-4-ヨード-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル(42.6g、115mmol、収率89%)を得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 2.31 min, [M+H]+ = 371。
【0152】
工程5:
4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル
【化16】
【0153】
3-メチル-1-(ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(10.0g、45.4mmol)、1-エチル-4-ヨード-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル(16.8g、45.4mmol)、ヨウ化銅(I)(0.864g、4.54mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(0.319g、0.454mmol)、およびEtN(200mL)の混合物を、窒素ガス雰囲気下で60℃にて一晩撹拌した。次に、混合物をDCMに溶かし、水で洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1)により精製し、4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル(9.5g、20.5mmol、収率45.3%)を黄色固体として得た。LCMS (LCMS法B): Rt = 2.66 min, [M+H]+ = 463。
【0154】
工程6:
4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸
【化17】
【0155】
4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル(19.0g、41.10mmol)、10%Pd/C(0.22g、2.05mmol)、およびTHF(500mL)の混合物を、水素ガス雰囲気下(4atm)で室温にて2日間撹拌した。次に、反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をEtOAc/石油エーテル(1:5、v/v)から再結晶化し、4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-ピラゾール-5-カルボン酸(10.5g、27.90mmol、収率67.9%)を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ NMR (400 MHz, CDCl, v/v)、4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-ピラゾール-5-カルボン酸(10.5g、27.90mmol、収率67.9%)を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.63 (s, 1H), 4.57-4.48 (m, 4H), 4.38-4.32 (m, 2H), 2.74-2.62 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.91-1.86 (m, 2H), 1.59-1.54 (m, 2H), 1.45-1.37 (m, 8H)。LCMS (LCMS法A): Rt = 1.59 min, [M+H]+ = 377。
【0156】
工程7:
4-4-(7-(5-カルボキシ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ヘプチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸
【化18】
【0157】
室温で撹拌したMeOH(120mL)および水(120mL)中、4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(9.0g、23.9mmol)の懸濁液に、2M NaOH水溶液(60mL、119.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。次に、6M HCl溶液を加えて、混合物をpH4に酸性化し、この上で、反応混合物から固体が沈殿した。固体を濾過により回収し、減圧下で乾燥させ、4-(5-(5-カルボキシ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(6.5g、18.7mmol、収率78.1%)を白色固体として得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.57 (s, 1H), 4.40-4.34 (m, 4H), 2.53 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 1.74-1.67 (m, 2H), 1.44-1.37 (m, 2H), 1.27-1.16 (m, 5H)。LCMS (LCMS法A): Rt = 1.40 min, [M+H]+ = 349。
【0158】
中間体3
(3-ブロモプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン
【化19】
【0159】
DCM(100mL)中1H-イミダゾール(13.4g、197mmol)に、3-ブロモプロパン-1-オール(13.7g、99mmol)を加え、次いで、DCM(20ml)中tert-ブチルクロロジメチルシラン(17.8g、118mmol)を徐々に加えた。室温で3時間後、反応物を約100mLに濃縮し、EtOAc(800mL)に注ぎ、5%クエン酸水溶液(2×200mL)およびブラインで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物(10.0g、39.5mmol、収率40%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.78 (t, J=5.70 Hz, 2 H), 3.56 (t, J=6.46 Hz, 2 H), 2.07 (t, J=5.83 Hz, 2 H), 0.94 (s, 9 H), 0.11 (s, 6 H)。
【0160】
中間体4
2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジアミン
【化20】
【0161】
工程1:2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホナート)
【化21】
【0162】
0℃のピリジン(150mL)中2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジオール(10.0g、61.7mmol)に、塩化4-メチルベンゼン-1-スルホニル(29.4g、154mmol)を5分かけて加え、次に、反応物を55℃に加熱した。1日後、反応物を氷水で急冷し、得られた固体を濾過により回収し、DCM(200mL)に溶かし、5%HSO水溶液(100mL×3)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮し、標題化合物(27.3g、58.0mmol、収率94%)を白色固体として得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 1.750 min, [M+H]+ = 470.9
【0163】
工程2:1,4-ジアジド-2,2,3,3-テトラフルオロブタン
【化22】
【0164】
DMF(40mL)中2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホナート)(10.0g、21.3mmol)およびアジ化ナトリウム(5.53g、85.0mmol)を110℃で一晩撹拌した。反応物をNaClO(水溶液)で急冷し、DCM(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、標題化合物(3.5g、16.5mmol、収率78%)を得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 1.520 min, [M+H]+ = 213.1
【0165】
工程3:2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジアミン
【化23】
【0166】
MeOH(350mL)中1,4-ジアジド-2,2,3,3-テトラフルオロブタン(36.0g、170mmol)の溶液に、10%Pd炭素(18.1g、17.0mmol)を加えた。反応混合物を、水素下(4atm)で40℃にて16時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、MeOHで洗浄し、濾液を真空で濃縮し、標題化合物(22.0g、124mmol、収率73%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.12 - 3.37 (m, 4 H), 1.43 (br. s., 4 H)。
【0167】
中間体5
イソチオシアン酸1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル
【化24】
【0168】
1L丸底フラスコに、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(25g、162mmol)およびDCM(500mL)を加えた。この不均一溶液に、DMF(0.1mL、1.291mmol)を加え、次いで、塩化オキサリル(15.61mL、178mmol)を徐々に加えた。添加中、泡立ちが認められた。室温で1時間撹拌後、揮発物を真空下で除去し、粗物をジクロロメタン(各100mL)で2回同時蒸発させた。これを収率100%とみなし、粗物(塩化1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル(28.0g、162mmol、収率100%))をそのまま直接次の反応に使用した。
【0169】
乾燥1L丸底フラスコに、KSCN(18.92g、195mmol)およびアセトン(463ml)を加えた。この澄明な均一溶液を0℃に冷却した。0℃で5分間撹拌した後、塩化1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル(28g、162mmol)を、アセトン(25mL)中溶液として加えた。添加が完了したら、反応物を0℃で撹拌させた。1分後、追加のKSCNを加え(約2g)、反応物をさらに20分間撹拌した。この時、ヘキサン(200mL)を反応混合物に加え、粗不均一溶液を容量の3分の1まで真空で濃縮した。ヘキサン添加および濃縮の過程を2回繰り返した(各ヘキサン300mL)。最終濃縮後、ヘキサン(200mL)を加え、固体を濾過により除去し、ヘキサン(100mL)ですすいだ。得られた澄明な淡黄色濾液を濃縮し、クロマトグラフィー(330g Goldシリカカラム;0~20%EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製した。所望の生成物は、約7%EtOAc/ヘキサンで溶出する。所望の画分を合わせ、濃縮し、イソチオシアン酸1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル(27.5g、139mmol、収率86%)を澄明な無色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.77 (s, 1 H), 4.54 (q, J=7.10 Hz, 2 H), 2.34 (s, 3 H), 1.44 (t, J=7.22 Hz, 3 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 1.16 min, [M+H]+ = 196.1。アシルイソチオシアン酸塩生成物は経時的に分解し、約0.4M 1,4-ジオキサン溶液を調製し、凍結させ、分解を回避した/遅くさせた。この溶液を解凍し、後の反応に直接使用した。
【0170】
中間体6
(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド塩酸塩
【化25】
【0171】
工程1:(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル
【化26】
【0172】
DMSO(200mL)中、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(10.0g、54.3mmol)、(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル(10.62g、57.0mmol)およびKCO(15.01g、109mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応物を水(2000mL)に注ぎ、30分間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、標題化合物(18.3g、52.2mmol、収率96%)を得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 1.38 min, [2M+H]+ = 700.5
【0173】
工程2:(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル
【化27】
【0174】
DMF(300mL)中(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル(18.3g、52.2mmol)に、塩化第一スズ二水和物(58.9g、261mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応物を飽和NaHCO水溶液(2000mL)に滴下し、EtOAc(5×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物(16.5g、51.5mmol、収率99%)を黄色油状物として得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 1.275 min, [M-BOC+H]+ = 221.1
【0175】
工程3:(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1Hベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル
【化28】
【0176】
THF(200mL)中、(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル(16.5g、51.5mmol)および臭化シアン(8.18g、77mmol)の混合物を、一晩加熱還流した。反応物を室温に冷却し、飽和NaHCO水溶液(500mL)で希釈し、EtOAc(5×300mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルで精製し、MeOH(+3%NHOH)中50:1~20:1DCMで溶出し、標題化合物(13.7g、39.7mmol、収率77%)を灰白色固体として得た。LCMS (LCMS法A): Rt = 1.150 min, [M+H]+ = 346.1
【0177】
工程4:(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル
【化29】
【0178】
0℃のDCM(500mL)中1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(9.17g、59.5mmol)に、EDC(20.53g、107mmol)およびHOBT(18.22g、119mmol)を加えた。15分後、DMF(50mL)中(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル(13.7g、39.7mmol)の混合物を加え、次いで、TEA(27.6mL、198mmol)を加えた。反応物を室温に温め、一晩撹拌し、濃縮した。残渣を水(500mL)で希釈し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルで精製し、50:1~20:1DCM:MeOHで溶出して粗生成物を得、これをDCM(300mL)で洗浄し、濾過により回収し、標題化合物(14.0g、29.1mmol、収率73%)を灰白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.84 (s, 1 H), 8.00 - 7.97 (m, 2 H), 7.80 - 7.78 (m, 1 H), 7.49 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.34 (s, 1 H), 6.95 (t, J=5.5 Hz, 1 H), 6.66 (s, 1 H), 5.73 - 5.65 (m, 2 H), 4.83 (d, J=4.3 Hz, 2 H), 4.62 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 3.52 (s, 2 H), 2.18 (s, 3 H), 1.38 - 1.33 (m, 12 H); LCMS (LCMS法A): Rt = 1.409 min, [M+H]+ = 482.0
【0179】
工程5:(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド塩酸塩
【化30】
【0180】
ジオキサン(60mL)中(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル(3.00g、6.23mmol)の懸濁液に、ジオキサン(15.6mL、62.3mmol)中4N HClを加え、次いで、MeOH(15mL)を加え、一部の残りの固体を溶解した。室温で30分後、反応混合物は混濁し、およそ3日間撹拌させた。得られた固体を濾過により回収し、DCMで洗浄し、標題化合物(2.0g、4.8mmol、収率77%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.97 - 8.09 (br. s., 1 H), 7.82 (d, J=8.11 Hz, 1 H), 7.50 (d, J=8.11 Hz, 1 H), 7.38 (br. s., 1 H), 6.70 (s, 1 H), 5.97 - 6.08 (m, 1 H), 5.68 - 5.80 (m, 1 H), 4.91 (d, J=4.31 Hz, 2 H), 4.60 (q, J=6.67 Hz, 2 H), 3.42 (br. s., 2 H), 2.18 (s, 3 H), 1.36 (t, J=6.97 Hz, 3 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 0.53 min, [M+H]+ = 382.2
【0181】
中間体7
1-(5-(5-(エトキシカルボニル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ペンチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸
【化31】
【0182】
工程1:3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル
【化32】
【0183】
DMSO(2mL)中、3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(50mg、0.396mmol)およびKHCO(47.6mg、0.476mmol)の混合物を30分間撹拌し、(ブロモメチル)ベンゼン(0.045mL、0.377mmol)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌し、EtOAc(20mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。混合物を濾過し、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、ヘキサン中0~50%EtOAc)により精製し、標題化合物(66mg、0.305mmol、収率77%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.19 (br. s., 1 H) 7.34 - 7.48 (m, 5 H) 6.52 (s, 1 H) 5.29 (s, 2 H) 2.27 (s, 3 H)。LCMS (LCMS法D): Rt = 0.86 min, [M+H]+ = 216.9。
【0184】
工程2:3-メチル-1-(ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル
【化33】
【0185】
テトラヒドロフラン(THF)(600mL)中、DIAD(25.9mL、133mmol)およびトリフェニルホスフィン(34.9g、133mmol)の混合物を、0℃で30分間撹拌し、次に、ペンタ-4-イン-1-オール(11.36mL、122mmol)を加えた。混合物を30分間撹拌し、3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル(24g、111mmol)を加えた。これを室温に温め、一晩撹拌した。反応物をEtOAc(1000mL)で希釈し、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。油状の残渣をヘキサン(500mL)中10%EtOAcで処理し、白色沈殿が形成した。沈殿を濾別し、ヘキサン中10%EtOAcで洗浄した。合わせた濾液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、ヘキサン中0~15%EtOAc)により精製し、標題化合物(27.5g、97mmol、収率88%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.34 - 7.47 (m, 5 H) 6.68 (s, 1 H) 5.33 (s, 2 H) 4.63 (t, J=7.03 Hz, 2 H) 2.30 (s, 3 H) 2.19 - 2.26 (m, 2 H) 2.09 (quin, J=7.09 Hz, 2 H) 1.97 (br. s., 1 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 1.21 min, [M+H]+ = 283.0。
【0186】
工程3:1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル
【化34】
【0187】
塩化オキサリル(5.68ml、64.9mmol)を、DCM(40mL)中1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(5g、32.4mmol)の懸濁液にN下で室温にて加え、2滴のDMFを加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、濃縮し、真空で乾燥させた。エタノール(50ml、856mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を濃縮し、真空で乾燥させて淡黄色油状物を得、これをEtOAc(100mL)に入れ、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、得られた残渣を真空で乾燥させて標題化合物(5.5g、30.2mmol、収率93%)を淡黄色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.63 (s, 1 H) 4.56 (q, J=7.11 Hz, 2 H) 4.35 (q, J=7.11 Hz, 2 H) 2.30 (s, 3 H) 1.44 (t, J=7.28 Hz, 3 H) 1.39 (t, J=7.28 Hz, 3 H)。LCMS (LCMS法E): Rt = 0.81 min, [M+H]+ = 183.1。
【0188】
工程4:1-エチル-4-ヨード-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル
【化35】
【0189】
DMF(100mL)中、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(5.5g、30.2mmol)およびNIS(8.15g、36.2mmol)の混合物を、90℃に加熱し、N下で3日間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(200mL)で希釈し、飽和Na、5%LiCl、およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、ヘキサン中0~7%EtOAc)により精製し、標題化合物(9.1g、29.5mmol、収率98%)を無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 4.57 (q, J=7.03 Hz, 2 H) 4.43 (q, J=7.03 Hz, 2 H) 2.32 (s, 3 H) 1.45 - 1.50 (m, 3 H) 1.39 - 1.45 (m, 3 H)。LCMS (LCMS法D): Rt = 1.12 min, [M+H]+ = 308.9。
【0190】
工程5:4-(5-(5-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸1エチル
【化36】
【0191】
先に窒素をパージしたフラスコに、CsCO(23.08g、70.8mmol)、1,10-フェナントロリン(1.915g、10.63mmol)、塩化銅(I)(0.175g、1.771mmol)、3-メチル-1-(ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸ベンジル(10g、35.4mmol)、1-エチル-4-ヨード-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(13.10g、42.5mmol)、Pd[P(o-トリル)(0.760g、1.063mmol)、および脱気トルエン(100mL)を充填した。混合物を15分間脱気し、100℃に加熱し、N下で一晩(18時間)撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。無機固体を濾別し、EtOAcで洗浄した。合わせた有機物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン0~25%)により精製し、標題化合物(11.38g、24.60mmol、収率69.5%)を無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.34 - 7.47 (m, 5 H) 6.68 (s, 1 H) 5.31 (s, 2 H) 4.67 (t, J=7.03 Hz, 2 H) 4.51 (q, J=7.19 Hz, 2 H) 4.39 (q, J=7.03 Hz, 2 H) 2.51 (t, J=7.28 Hz, 2 H) 2.31 (s, 3 H) 2.29 (s, 3 H) 2.17 (t, J=7.15 Hz, 2 H) 1.40 (t, J=7.03 Hz, 6 H)。LCMS (LCMS法D): Rt = 1.43 min, [M+H]+ = 463.3。
【0192】
工程6:1-(5-(5-(エトキシカルボニル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ペンチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸
【化37】
【0193】
4-(5-(5-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(11.3g、24.43mmol)およびPd/C(2.60g、2.443mmol)を充填したフラスコに、エタノール(200mL)を加えた。フラスコにN、次に水素(バルーンを介して)をパージし、混合物をH雰囲気下で一晩(18時間)撹拌した。触媒を濾別し、濾液を真空で濃縮し、標題化合物(8.89g、23.62mmol、収率97%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.14 (br. s., 1 H) 6.57 (s, 1 H) 4.33 - 4.43 (m, 4 H) 4.28 (m, J=7.09 Hz, 2 H) 2.51 - 2.56 (m, 2 H) 2.16 (s, 3 H) 2.10 (s, 3 H) 1.72 (m, J=7.34 Hz, 2H) 1.41 (m, J=7.58 Hz, 2 H) 1.25 - 1.31 (m, 6 H) 1.16 - 1.24 (m, 2 H)。LCMS (LCMS法D): Rt = 1.07 min, [M+H]+ = 377.2。
【0194】
実施例1
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化38】
【0195】
工程1:(E)-1-(4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化39】
【0196】
DMSO(10mL)中(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド塩酸塩(517mg、1.24mmol)を含有するマイクロ波管を、TEA(0.28mL、2.0mmol)で処理し、次いで、KCO(274mg、1.98mmol)および3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(385mg、0.990mmol)で処理した。反応物を75℃に加熱した。7時間後、混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルで精製し、10~90%EtOAcで溶出して不純物を除去し、次いで、DCM中0~10%MeOHで溶出して、標題化合物(200mg、0.273mmol、収率28%)を橙黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.16 (d, J=1.52 Hz, 1 H), 7.94 - 8.08 (m, 3 H), 7.74 (d, J=8.11 Hz, 2 H), 7.50 (s, 1 H), 7.31 - 7.43 (m, 3 H), 6.62 (s, 1 H), 5.74 - 5.81 (m, 2 H), 4.80 (br. s., 2 H), 4.59 (d, J=6.84 Hz, 2 H), 4.13 (br. s., 2 H), 4.01 (t, J=6.08 Hz, 2 H), 3.63 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 2.16 (s, 3 H), 1.76 - 1.88 (m, 2 H), 1.33 (t, J=7.10 Hz, 3 H), 0.74 - 0.82 (m, 9 H), -0.06 (s, 6 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 1.23 min, [M+H]+ = 734.6
【0197】
工程2:(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1Hピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化40】
【0198】
(E)-1-(4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1g、1.363mmol)をMeOH(20mL)に懸濁させ、水酸化アンモニウム(4.62mL、34.1mmol)を加え、室温で5分間撹拌した。次に、水(5mL)中ヒドロ亜硫酸ナトリウム(1.675g、8.18mmol)を加えた。60分後、EtOAc(300ml)を加え、混合物を水(50ml×3)で抽出した。有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮し、標題化合物(710mg、1.009mmol、収率74.0%)を淡黄色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.80 (br. s., 1 H), 8.00 (s, 1 H), 7.97 (br. s., 1 H), 7.75 (dd, J=8.49, 1.14 Hz, 1 H), 7.63 (br. s., 1 H), 7.28 - 7.41 (m, 2 H), 7.00 (br. s., 1 H), 6.84 (d, J=1.52 Hz, 1 H), 6.74 (d, J=1.52 Hz, 1 H), 6.65 (s, 1 H), 5.79 - 5.96 (m, 1 H), 5.64 - 5.78 (m, 1 H), 4.81 (d, J=4.82 Hz, 2 H), 4.68 (br. s., 2 H), 4.61 (d, J=7.10 Hz, 2 H), 3.92 (t, J=5.83 Hz, 2 H), 3.84 (br. s., 1 H), 3.63 (t, J=6.08 Hz, 2 H), 3.57 (br. s., 2 H), 2.17 (s, 3 H), 1.70 - 1.82 (m, 2 H), 1.34 (t, J=7.10 Hz, 3 H), 0.68 - 0.83 (m, 9 H), -0.06 (s, 6 H); LCMS (LCMS法J): Rt = 1.05 min, [M+H]+ = 704.3
【0199】
工程3:(E)-2-アミノ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化41】
【0200】
MeOH(5mL)中(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(120mg、0.170mmol)の溶液に、臭化シアン(36mg、0.34mmol)を室温で加えた。2時間後、反応物を濃縮し、EtOAcを加えた(10mL)。30分間撹拌した後、固体を濾過により単離し、EtOAcで洗浄し、標題化合物(120mg、0.165mmol、収率97%)を淡褐色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ ppm 8.00 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.81 (dd, J=8.36, 1.77 Hz, 1 H), 7.49 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.39 - 7.45 (m, 1 H), 7.36 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 6.61 (s, 1 H), 5.82 - 5.99 (m, 2 H), 4.96 - 5.01 (m, 2 H), 4.56 - 4.65 (m, 2 H), 4.12 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 3.62 - 3.75 (m, 2 H), 2.18 - 2.29 (m, 3 H), 1.79 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 1.24 - 1.54 (m, 5 H), 0.84 - 0.98 (m, 9 H), -0.01 - 0.11 (m, 6 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 0.97 min, [M+H]+ = 729.5
【0201】
工程4:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化42】
【0202】
DMF(3mL)中1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(33mg、0.21mmol)の溶液に、HATU(75mg、0.20mmol)およびHOBt(12.6mg、0.082mmol)を加えた。室温で10分間撹拌した後、トリエチルアミン(0.09mL、0.66mmol)を加え、次いで、(E)-2-アミノ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(120mg、0.165mmol)を加え、反応を室温で続けた。3日後、水を滴下することにより、固体を反応物から沈殿させた。固体を濾過により単離し、水で洗浄した。次に、固体をシリカゲル(12g HP Goldカラム)で精製し、DCM中0~20%MeOHで溶出した。所望の画分を合わせ、濃縮し、標題化合物(29mg、0.034mmol、収率20%)を灰白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, THF-d4) δ ppm 12.53 (br. s., 2 H), 8.00 (d, J=1.01 Hz, 1 H), 7.61 (d, J=1.01 Hz, 1 H), 7.53 (dd, J=8.36, 1.52 Hz, 1 H), 7.36 (d, J=6.84 Hz, 2 H), 7.29 (d, J=1.01 Hz, 1 H), 7.12 (d, J=8.36 Hz, 1 H), 6.83 (br. s., 2 H), 6.66 (d, J=2.28 Hz, 2 H), 6.06 (dt, J=15.46, 5.58 Hz, 1 H), 5.87 (dt, J=15.46, 5.83 Hz, 1 H), 5.09 (d, J=5.32 Hz, 2 H), 4.89 (d, J=5.58 Hz, 2 H), 4.59 - 4.72 (m, 4 H), 3.97 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 3.69 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 2.20 (s, 6 H), 1.73 - 1.78 (m, 2 H), 1.40 (td, J=7.03, 1.14 Hz, 6 H), 0.82 - 0.94 (m, 9 H), -0.03 - 0.09 (m, 6 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 1.21 min, [M/2+H]+ = 433.6
【0203】
工程5:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化43】
【0204】
室温のTHF(2mL)中(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(25mg、0.029mmol)およびTHF中1M TBAF(0.058mL、0.058mmol)の溶液に、酢酸(3.3μL、0.058mmol)を加えた。12時間後、反応物を濃縮し、ジエチルエーテルおよびEtOAcで摩砕し、シリカゲル(12g Goldカラム)でさらに精製し、DCM中0~25%メタノールで溶出した。所望の画分を濃縮し、標題化合物(7mg、9μmole、収率32%)を灰白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, THF-d4) δ ppm 12.51 (br. s., 2 H), 8.01 (d, J=1.01 Hz, 2 H), 7.55 - 7.65 (m, 3 H), 7.33 (d, J=1.01 Hz, 2 H), 7.14 - 7.20 (m, 2 H), 6.00 - 6.15 (m, 2 H), 5.82 - 5.96 (m, 2 H), 5.05 - 5.13 (m, 4 H), 4.04 (t, J=6.59 Hz, 4 H), 3.78 - 3.90 (m, 5 H), 2.19 (d, J=2.03 Hz, 6 H), 1.87 - 2.00 (m, 2 H), 1.36 - 1.44 (m, 6 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 0.79 min, [M+H]+ = 751.4。
【0205】
上記の過程により調製した化合物は、互変異性型または異性型で、例えば、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化44】
または(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化45】
として存在し得る。
【0206】
実施例2
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化46】
【0207】
工程1:(4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル
【化47】
【0208】
EtOH(25mL)中4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(1.50g、6.50mmol)の懸濁液に、(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸(E)-tert-ブチル(1.454g、7.81mmol)およびDIEA(3.4mL、20mmol)を加えた。反応物を密閉チューブ内で120℃にて一晩撹拌し、室温に放冷した。得られた橙黄色固体を濾過により回収し、EtOHで洗浄し、標題化合物(2.10g、5.52mmol、収率85%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.19 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 8.03 (br. s., 1 H) 7.76 (t, J=6.08 Hz, 1 H) 7.55 (d, J=1.52 Hz, 1 H) 7.34 (br. s., 1 H) 6.95 (t, J=5.45 Hz, 1 H) 5.53 (br. s., 2 H) 4.09 (br. s., 2 H) 3.88 (s, 3 H) 3.48 (br. s., 2 H) 1.35 (s, 9 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 0.89 min, [M-t-Bu+H]+ = 325.1
【0209】
工程2:(E)-4-((4-アミノブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド塩酸塩
【化48】
【0210】
メタノール(50mL)中(E)-(4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(20g、47.3mmol)の懸濁液に、ジオキサン(100mL、400mmol)中4M HClを徐々に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に、得られた固体を濾過により単離し、EtOで3回洗浄し(100ml×3)、高真空カラム下で乾燥させ、標題化合物(13.90g、43.9mmol、収率93%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.22 (d, J=2.03 Hz, 1 H), 7.76 - 8.16 (br. m., 5 H), 7.60 (d, J=2.03 Hz, 1 H), 7.37 (br. s., 1 H), 5.87 (dt, J=15.52, 5.80 Hz, 1 H), 5.62 (dt, J=15.65, 6.37 Hz, 1 H), 4.18 (d, J=5.32 Hz, 2 H), 3.90 (s, 3 H), 3.40 (t, J=5.70 Hz, 2 H); LCMS (LCMS法K): Rt = 0.41 min, [M+H]+ = 281.1
【0211】
工程3:(E)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-((4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド
【化49】
【0212】
1-ブタノール(90mL)中(E)-4-((4-アミノブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド塩酸塩(9.77g、30.9mmol)の懸濁液に、重炭酸ナトリウム(5.18g、61.7mmol)およびDIEA(22.45mL、129mmol)を加えた。混合物を室温で10分間撹拌し、次に、3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(10g、25.7mmol)を加え、反応混合物を120℃で一晩撹拌した。溶液を室温に放冷し、得られた暗橙黄色固体を濾過により単離し、EtOH(15ml)で洗浄した。次に、粗物質を水(100mL)中で10分間撹拌し、濾過し、水(100mL)、EtOAc(50mL)およびEtOH(20mL)で再度洗浄した。この物質を真空オーブンで乾燥させ、標題化合物(10g、14.54mmol、収率56.5%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.16 (t, J=1.77 Hz, 2 H), 8.04 (br. s., 2 H), 7.72 (d, J=5.83 Hz, 2 H), 7.53 (s, 2 H), 7.35 (br. s., 2 H), 5.53 - 5.68 (m, 2 H), 3.99 - 4.16 (m, 6 H), 3.74 (t, J=6.08 Hz, 2 H), 3.43 (br. s., 3 H), 1.92 (t, J=6.08 Hz, 2 H), 0.74 - 0.88 (m, 9 H), 0.00 (s, 6 H); LCMS (LCMS法K): Rt = 1.32 min, [M+H]+ = 633.4
【0213】
工程4:(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアミド
【化50】
【0214】
0℃のメタノール(120mL)中(E)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-((4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(5g、7.90mmol)の溶液に、水(50mL)中ヒドロ亜硫酸ナトリウム(16.19g、79mmol)および水酸化アンモニウム(25.6mL、198mmol)を加えた。反応混合物を室温に温めた。室温で10分後、混合物をEtOAc(100×3)で抽出し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。粗物質をシリカゲルクロマトグラフィー(Iscoカラム)により精製し、2%NHOH添加剤(0~100%グラジエント)を用いたヘキサン:(EtOH:EtOAc 3:1)で溶出し、標題化合物(2.1g、3.34mmol、収率42.2%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.63 (br. s., 2 H), 6.99 (d, J=5.58 Hz, 2 H), 6.72 - 6.91 (m, 6 H), 5.62 - 5.73 (m, 2 H), 4.66 (d, J=8.36 Hz, 4 H), 4.00 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 3.69 - 3.84 (m, 4 H), 3.40 - 3.49 (m, 2 H), 3.35 (s, 3 H), 1.90 (t, J=6.08 Hz, 2 H), 0.79 - 0.91 (m, 9 H), -0.03 - 0.07 (m, 6 H); LCMS (LCMS法K): Rt = 0.46 min, [M+H]+ = 573.3
【0215】
工程5:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化51】
【0216】
MeOH(15mL)中(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアミド(1.02g、1.78mmol)の溶液に、臭化シアン(943mg、8.90mmol)を加えた。室温で20分間撹拌した後、淡黄色固体が沈殿し、これを濾過により回収し、EtOAcで洗浄し、LCMSにより定量し、約2/3のTBDMS保護化合物(E)-2-アミノ-1-(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドおよび約1/3の脱保護アルコール(E)-2-アミノ-1-(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドの混合物とした。この混合物(約900mg)を、TEA(1.07mL、7.7mmol)の後に、室温で15分間撹拌しておいたDMF(10mL)中、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(0.89g、5.78mmol)、HATU(2.2g、5.78mmol)およびHOBt(443mg、2.89mmol)の溶液に加えた。20時間後、5N NaOH水溶液(3mL)を加えた。室温で30分後、水(30mL)を加え、得られた白色沈殿を濾過により回収し、シリカゲル(40g Iscoカラム)で精製し、DCM中0~30%MeOHで溶出し、標題化合物(545mg、0.684mmol、2工程に対する収率38%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.83 (br. s., 2 H), 7.99 (br. s., 2 H), 7.64 (d, J=3.04 Hz, 2 H), 7.28 - 7.42 (m, 4 H), 6.52 (s, 2 H), 5.84 (br. s., 2 H), 4.91 (br. s., 4 H), 4.53 (d, J=6.34 Hz, 4 H), 4.06 (t, J=6.34 Hz, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 3.45 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 2.10 (d, J=2.53 Hz, 6 H), 1.71 (t, J=6.08 Hz, 2 H), 1.27 (td, J=7.03, 1.90 Hz, 6 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 0.85 min, [M/2+H]+ = 391.3833
【0217】
上記の過程により調製した化合物は、互変異性型または異性型で、例えば、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化52】
または(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化53】
として存在し得る。
【0218】
実施例3
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化54】
【0219】
工程1:THF(3mL)中(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシ-プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(17mg、0.023mmol)に、トリエチルアミン(9.5μL、0.068mmol)を加えた。室温で10分後、塩化メタンスルホニル(2.1μL、0.027mmol)を加えた。2時間後、LCMSにより(E)-3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)プロピルメタンスルホン酸塩の存在が示され、反応混合物を次の反応に直接使用した。LCMS (LCMS法D): Rt = 0.80 min, [M+H]+ = 751.6010。
【0220】
工程2:THF(5mL)中(E)-3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1Hピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)プロピルメタンスルホン酸塩(18mg、0.022mmol)の溶液に、モルホリン(9.5μL、0.11mmol)およびKCO(9.0mg、0.065mmol)を加えた。室温で5時間後、反応物を45℃に2時間加熱し、次に、濃縮した。残渣をシリカゲルで精製し、DCM中0~20%MeOHで溶出し、標題化合物(7mg、9μmole、収率39%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ ppm 7.99 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.73 (dd, J=8.36, 1.52 Hz, 1 H), 7.59 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.36 (d, J=8.62 Hz, 1 H), 7.28 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 6.64 (s, 1 H), 6.57 (s, 1 H), 5.92 - 6.05 (m, 1 H), 5.73 - 5.88 (m, 1 H), 4.51 - 4.71 (m, 4 H), 4.00 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 3.56 - 3.67 (m, 8 H), 2.27 - 2.46 (m, 6 H), 2.22 (d, J=10.39 Hz, 6 H), 1.83 (dt, J=14.19, 6.84 Hz, 2 H), 1.26 - 1.44 (m, 6 H); LCMS (LCMS法D): Rt = 0.73 min, [M/2+H]+ = 410.9876
【0221】
上記の過程により調製した化合物は、互変異性型または異性型で、例えば、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化55】
または(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化56】
として存在し得る。
【0222】
実施例4
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドトリス塩酸塩
【化57】
【0223】
工程1:(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド
【化58】
【0224】
(E)-4-((4-アミノブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド塩酸塩(1.7g、5.37mmol)、4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(1.655g、4.81mmol)、i-PrOH(15ml)およびDIPEA(2.94ml、16.85mmol)を2つの24mLバイアルに分け、次に、バイアルに栓をし、120℃に42時間加熱した。固体を濾過により単離し、i-PrOH(2×3mL)ですすぎ、(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(1.95g、2.79mmol、収率51.9%)を赤れんが色の固体として得た。LCMS (LCMS法K): Rt = 0.60 min, [M+H]+ =588.2
【0225】
工程2:(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-メトキシベンズアミド
【化59】
【0226】
室温のMeOH(83.0mL)中(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(4.6g、6.65mmol)に、水(70mL)中ヒドロ亜硫酸ナトリウム(19.08g、93.0mmol)を加えた。15分後、固体重炭酸ナトリウム(24グラム)を加えた。10分後、反応物を濾過し、固体をMeOH(4×20mL)ですすいだ。合わせた濾液をセライト上に濃縮し、シリカゲル(80g Goldカラム)上への乾燥ローディングにより精製し、DCM中2~40%(10:1 MeOH:NHOH水溶液)で溶出し、標題化合物(1.81g、3.26mmol、収率49%)を暗黄色膜として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.64 (br. s., 2 H), 6.99 (br. s., 2 H), 6.85 (dd, J=5.07, 1.77 Hz, 2 H), 6.78 (dd, J=4.31, 1.77 Hz, 2 H), 5.63 - 5.72 (m, 2 H), 4.66 (d, J=8.11 Hz, 4 H), 3.96 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 3.74 (s, 3 H), 3.51 - 3.60 (m, 6 H), 3.17 (br. s., 4 H), 2.43 (t, J=7.10 Hz, 2 H), 2.35 (br. s., 4 H), 1.87 (t, J=6.72 Hz, 2 H); LCMS (LCMS法K): Rt = 0.37 min, [M+H]+ = 528.4
【0227】
工程3:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドトリス塩酸塩
【化60】
【0228】
0℃のDMF(6.97mL)中(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)-ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-メトキシベンズアミド(368mg、0.697mmol)に、ジオキサン(2.0mL、0.80mmol)中0.4Mイソチオシアン酸1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルを加えた。約10分後、ジオキサン(0.5mL、0.20mmol)中0.4Mイソチオシアン酸1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルの別の部分を加え、次いで、約15分後に、最後の部分(0.5mL、0.20mmol)を加えた。35分間の全反応時間後、EDC(334mg、1.74mmol)を加え、次いで、トリエチルアミン(0.486mL、3.49mmol)を加えた。混合物を室温に温め、一晩(約14時間)撹拌した。反応物を3:1水:飽和NHCl水溶液(40mL)で急冷し、3:1クロロホルム:エタノール(2×40mL)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。得られた残渣をシリカゲル(40g Goldカラム)で精製し、DCM中2~40%(10:1 MeOH:NHOH水溶液)で溶出し、純物質を遊離塩基として得た。この生成物をMeOHに部分的に溶かし、ジオキサン(0.35mL、1.40mmol)中4M HClで処理し、次に、濃縮した。残渣をMeCN-水に取り込み、凍結乾燥させ、標題化合物(403.6mg、0.421mmol、収率60%)を灰白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.70 (dd, J=2.66, 1.14 Hz, 2 H), 7.42 (d, J=1.27 Hz, 2 H), 6.72 (d, J=3.04 Hz, 2 H), 5.79 - 6.12 (m, 2 H), 5.19 (dd, J=11.03, 5.45 Hz, 4 H), 4.61 - 4.81 (m, 4 H), 4.00 - 4.25 (m, 4 H), 3.79 - 3.96 (m, 5 H), 3.45(d, J=12.42 Hz, 2 H), 3.28 - 3.36 (m, 2 H), 3.14 (td, J=12.23,
3.68 Hz, 2 H), 2.28 (s, 6 H), 2.07 - 2.25 (m, 2 H), 1.46 (td, J=7.10, 3.80 Hz, 6 H); LCMS (LCMS法K): Rt = 0.68 min, [M+H]+ = 850.6。上記の過程により調製した化合物は、互変異性型または異性型で、例えば、
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドトリス塩酸塩
【化61】
または(Z)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドトリス塩酸塩
【化62】
として存在し得る。
【0229】
実施例5
(3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル)リン酸ジ-tert-ブチル
【化63】
【0230】
(3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル)リン酸ジ-tert-ブチル
【化64】
【0231】
DMF(5mL)中、(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1.00g、1.28mmol)およびアセトニトリル(14.2mL、6.40mmol)中0.45M 2H-テトラゾールの懸濁液を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、アセトニトリルを除去した。得られたDMF中不均一な混合物を、0℃に冷却し、次に、5mL DMF中ジ-tert-ブチルジイソプロピルホスホロアミダイト(1.617mL、5.12mmol)の溶液を加えた。添加直後に、溶液は均一となるが、反応物を室温でさらに2時間撹拌すると、再度不均一になる。温度を0℃に下げ、H(水中30%Wt、2.62mL、25.6mmol)を加えた。20分間撹拌した後、追加の10当量のHを加え、均一になるまで(30分間)反応物を撹拌した。NaHCO水溶液およびNa(NaHCO中0.4M、Na中2M)2mLずつを、200mLの水に加えた。反応混合物をこの溶液に注いだ際、沈殿が形成された。次に、沈殿をフィルターで回収し、200mL THFに溶かし、MgSOで乾燥させ、濃縮し、標題化合物を灰白色固体(1.1g、1.13mmol、収率88%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.8 (s, 2 H), 10.2 (s, 1H), 7.98 (m, 2H), 7.65 (d, J=2.5 Hz, 2H), 7.34 (m, 4H), 6.51 (d, J=2.5 Hz, 2H), 5.83 (m, 2H), 4.91 (m, 4H), 4.52 (m, 4H), 4.09 (m, 2H), 3.93 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.60 (m, 2H), 2.11 (s, 6H), 1.90 (m, 2H), 1.76 (m, 2H), 1.4-1.3 (m, 18H, 1.27 (m, 6H); LCMS (LCMS法I): Rt = 1
.09 min, [M+H]+ = 973.3。
【0232】
実施例6
3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩
【化65】
【0233】
室温でジオキサン(1mL)に懸濁させた(3-(((Z)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)-プロピル)リン酸ジ-tert-ブチル(18mg、0.018mmol)に、ジオキサン(0.028mL、0.11mmol)中4N HClを加えた。一部の沈殿が、直ちに形成された。反応物を2時間撹拌し、追加のジオキサン(0.028mL、0.11mmol)中4N HClを加えた。2時間後、反応物を冷凍庫に入れ、16時間後、反応物をジエチルエーテルで希釈した。混合物を、濃縮水酸化アンモニウムを用いて、pH2~3に調整した。沈殿を濾過により回収し、エーテルで洗浄し、標題化合物(15mg、0.017mmol、収率92%)を白色固体として得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.85 (br s, 1H), 8.02 (br, d, J=6.6 Hz, 2 H), 7.65 (d, J=5.7 Hz, 2 H), 7.35 - 7.41 (m, 2 H), 7.34 (br. d, J=10.6 Hz, 2 H), 6.51 (d, J=12.8 Hz, 2 H), 5.74 - 5.89 (m, 2 H), 4.92 (br. dd, J=12.0, 4.9 Hz, 4 H), 4.50 (quin, J=7.0 Hz, 4 H), 4.10 (br. t, J=6.1 Hz, 2 H), 3.91 - 3.94 (m, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 2.10 (d, J=3.1 Hz, 6 H), 1.84 - 1.93 (m, 2 H), 1.22 - 1.28 (m, 6 H); LCMS (LCMS法I): Rt = 0.68 min, [M+H]+ = 861.2
【0234】
上記の過程により調製した化合物は、互変異性型または異性型で、例えば、(E)-3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩
【化66】
または3-(((E)-6-カルバモイル-3-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)オキシ)プロピル二水素リン酸塩
【化67】
として存在し得る。
【0235】
実施例7
(E)-3-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)プロパン酸
【化68】
【0236】
工程1:3-(5-カルバモイル-2-フルオロ-3-ニトロフェニル)プロパン酸エチル
【化69】
【0237】
DMF(12.17ml)中3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロベンズアミド(1g、3.65mmol)に、塩化テトラ-n-ブチルアンモニウム(1.035g、3.65mmol)、Pd(OAc)(0.084g、0.365mmol)を加えた。窒素で10分間流した後、3,3-ジエトキシプロパ-1-エン(1.739ml、10.95mmol)、およびトリブチルアミン(1.766mL、7.30mmol)を加えた。20mLマイクロ波容器を密閉し、125℃に6時間加熱した。反応生成物を、EtOAc(50mL)と飽和NHCl/ブライン(50mL)の混合物との間で分配した。水層をEtOAc(20mL)で2回抽出した。合わせたEtOAc層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。次に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Isco Combiflash Lumen、12gカラム、45~100%EtOAc/ヘキサンのグラジエント)により精製し、3-(5-カルバモイル-2-フルオロ-3-ニトロフェニル)プロパン酸エチル(360mg、1.267mmol、収率34.7%)を得た。LCMS (m/z): 285.1 [M + H]+
【0238】
工程2:(E)-3-(5-カルバモイル-2-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロフェニル)プロパン酸エチル
【化70】
【0239】
DMF(3mL)中(E)-4-((4-アミノブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド2塩酸塩(例えば、中間体6として調製)(0.317g、0.960mmol)に、トリエチルアミン(0.402mL、2.88mmol)およびDMF(1ml)中3-(5-カルバモイル-2-フルオロ-3-ニトロフェニル)プロパン酸エチル(0.350g、0.960mmol)の溶液を加えた。反応物を室温で6時間、次に50℃で48時間撹拌した。反応生成物を、EtOAc(40mL)とNHCl水溶液との間で分配した。水相をEtOAcで1回抽出し、次に、合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた橙黄色油状物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Isco Combiflash、40gカラム、40~100% 3:1EtOAc:EtOH/ヘキサンのグラジエント)により精製し、(E)-3-(5-カルバモイル-2-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロフェニル)プロパン酸エチル(358mg、0.696mmol、収率72.4%)を得た。LCMS (m/z): 515.2 [M + H]+
【0240】
工程3:(E)-3-(3-アミノ-2-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-カルバモイルフェニル)プロパン酸エチル
【化71】
【0241】
(E)-3-(5-カルバモイル-2-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロフェニル)プロパン酸エチル(330mg、0.641mmol)をMeOH(9.33mL)に懸濁させ、28%水酸化アンモニウム溶液(2.18mL、16.04mmol)を加え、5分間撹拌した。水(2.33mL)中ヒドロ亜硫酸ナトリウム(788mg、3.85mmol)を加え、10分間撹拌した。不完全な還元のために、さらに水(2.33mL)中ヒドロ亜硫酸ナトリウム(788mg、3.85mmol)を加え、次にMeOH(3mL)を加えた。懸濁液の色が、橙黄色から淡黄色へ変化し、混合物を室温でさらに60分間撹拌した。混合物に、EtOAc(50mL)および水(50mL)を加えた。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を黄色固体として得た。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(Isco CombiFlash Rf、24gカラム、30~100% 3:1EtOAc:EtOH/ヘキサンのグラジエント)により精製した。純画分を回収し、真空で濃縮し、標題化合物(79mg、0.174mmol、収率27%)を白色固体として得た。LCMS (m/z): 455.2 [M + H]+
【0242】
工程4:(E)-3-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)プロパン酸エチル
【化72】
【0243】
0℃のDMF(1738μL)中(E)-3-(3-アミノ-2-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-カルバモイルフェニル)プロパン酸エチル(79mg、0.174mmol)の溶液に、イソチオシアン酸1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル(例えば、中間体11中で調製)(869μL、0.348mmol、ジオキサン中0.4M)を2回に分けて加えた。反応を1時間撹拌した後、EDC(100mg、0.521mmol)およびTEA(121μL、0.869mmol)を加えた。反応物を50℃で18時間撹拌した。冷却時、反応物を10%NHCl溶液に注いだ。得られた沈殿をフィルターで回収し、水で洗浄し、標題化合物(85mg、0.109mmol、収率63%)を得た。LCMS (m/z): 777.5 [M + H]+
【0244】
工程5:(E)-3-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)プロパン酸
【化73】
【0245】
THF(1716μL)および水(1716μL)中(E)-3-(5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)プロパン酸エチル(80mg、0.103mmol)の懸濁液に、LiOH(49.3mg、2.060mmol)を25℃で加えた。混合物は均一となり、60分間撹拌した。THFを蒸発させ、濃厚懸濁液を得た。懸濁液を5N HClで酸性化し、濾過した。ケーキを水で3回洗浄し、真空オーブン中で2時間乾燥させ、標題化合物(56mg、0.075mmol、収率72.6%)を淡黄褐色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.05 - 13.83 (br. s., 1 H), 7.94-8.00 (m, 2 H), 7.88 (s, 1 H), 7.73 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.59 (s, 1 H), 7.43 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.35 (d, J=7.4 Hz, 1 H), 6.55 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.95-6.04 (m, 1H), 5.51-5.60 (m, 1H), 5.02 (br. s., 2 H), 4.84 (br. s., 2 H), 4.46 - 4.59 (m, 4 H), 3.90-4.35 (m, 4 H), 3.10 (t, J=7.0 Hz, 2 H), 2.64 (t, J=7.5 Hz, 2 H), 2.11 (s, 6 H), 1.26 (t, J=6.21 Hz, 6 H)。LCMS (m/z): 749.4 [M + H]+
【0246】
実施例8
(E)-4-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)ブタン酸
【化74】
【0247】
実施例8は、当業者に公知の改変を行った、PCT/IB2017/051945(2017年4月5日出願、その全体が本明細書の一部とされる)に記載の方法14および16の組合せに従って、調製することができる。調製の最終工程は、以下のように提供される。(E)-4-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)ブタン酸メチル(40mg、0.050mmol)をMeOHおよびTHF(各1mL)に溶かし、水酸化ナトリウム(101μl、0.505mmol、5N)を加え、混合物を25℃で18時間撹拌した。次に、反応物をEtOAcと10%硫酸水素カリウム水溶液との間で分配した。得られたガム状ゲル混合物を蒸発させてほぼ乾燥させ、水酸化ナトリウム水溶液(5N)で2mL MeOHに溶かした。残渣を塩基性逆相クロマトグラフィー(MeCNに対する水中0.1%NHOH中10%~55%;50×30mm Phenomenex Gemini、5μM C18 110Aカラム、10分グラジエント)により精製した。純画分を回収し、生成物を真空濃縮により単離した後、高真空下で乾燥させ、標題化合物を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) γppm 8.45 - 8.76 (m, 1 H), 7.85 - 8.12 (m, 1 H), 7.49 - 7.78 (m, 2 H), 6.92 - 7.30 (m, 2 H), 6.31 - 6.58 (m, 2 H), 5.83 - 6.02 (m, 1 H), 5.56 - 5.75 (m, 1 H), 4.45 - 4.66 (m, 5 H), 3.91 - 4.16 (m, 4 H), 3.6 (q, J= 6.3 Hz, 4 H), 2.31 (m, 2 H), 2.18 (s, 6 H), 1.29 (q, J= 6.1 Hz, 4 H), 1.13 (t, J= 6.1 Hz, 6 H); LCMS法K: Rt = 0.75 min, [M+H]+ = 779.4。
【0248】
実施例9
【0249】
【表1】
【0250】
実施例10
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1Hピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化75】
【0251】
工程1:4-(3-(5-カルバモイル-2-クロロ-3-ニトロフェノキシ)プロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化76】
【0252】
トリフェニルホスフィン(2.059g、7.85mmol)、4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.692g、6.93mmol)および(E)-ジアゼン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル(1.587g、7.85mmol)を、0℃でTHF(20mL)中にて混合し、次に、4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(1g、4.62mmol)を加えた。反応溶液を室温で16時間維持し、次に、褐色反応溶液を飽和NaHCO(水溶液)とEtOAcとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲル(20%~80%(3:1 EtOAc/EtOH)/ヘキサンおよび2%NHOH;330g RediSepカラム)で精製した。所望の画分を合わせ、濃縮し、標題化合物を白色固体(970mg、収率47%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.30 (s, 1 H), 8.05 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 7.88 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 7.80 (s, 1 H), 4.28 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 3.31 (br. s., 4 H), 2.48 (t, J=7.10 Hz, 2 H), 2.33 (t, J=4.94 Hz, 4 H), 1.96 (t, J=6.59 Hz, 2 H), 1.40 (s, 9 H)。LCMS (LCMS法K): Rt = 0.69 min, [M+H]+ = 443.4。
【0253】
工程2:(E)-4-(3-(5-カルバモイル-2-((4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロフェノキシ)プロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化77】
【0254】
(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド2塩酸塩(242mg、0.499mmol)を室温でn-ブタノール(10mL)に溶かし、次に、DIPEA(0.476mL、2.72mmol)を加え、次いで、4-(3-(5-カルバモイル-2-クロロ-3-ニトロフェノキシ)プロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(201mg、0.454mmol)を加えた。反応混合物を120℃で16時間維持した。反応混合物を室温に冷却し、赤色固体を濾過により回収した(296mg、収率73%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.14 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 8.00 (br. s., 2 H), 7.84 (t, J=6.46 Hz, 1 H), 7.66 (s, 1 H), 7.44 (s, 1 H), 7.30 - 7.41 (m, 3 H), 6.59 (s, 1 H), 5.61 - 5.87 (m, 2 H), 4.89 (d, J=5.58 Hz, 2 H), 4.58 (q, J=7.35 Hz, 2 H), 4.14 (br. s., 2 H), 3.89 (t, J=6.34 Hz, 2 H), 3.84 (s, 3 H), 3.25 (br. s., 4 H), 2.27 (t, J=6.72 Hz, 2 H), 2.21 (br. s., 4 H), 2.16 (s, 3 H), 1.75 (d, J=6.08 Hz, 2 H), 1.39 (s, 9 H) 1.23 - 1.35 (m, 3 H)。LCMS (LCMS法K): Rt = 0.78 min, [M+H]+ = 818.4。
【0255】
工程3:(E)-4-(3-(3-アミノ-5-カルバモイル-2-((4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)フェノキシ)プロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化78】
【0256】
ヒドロ亜硫酸ナトリウム(371mg、1.81mmol)を室温でHO(2mL)に溶かし、次に、5mL MeOH中、(E)-4-(3-(5-カルバモイル-2-((4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロフェノキシ)プロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(296mg、0.362mmol)および水酸化アンモニウム(0.486mL、3.62mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で2時間維持し、次に、反応混合物を濾過し、濾液を部分的に濃縮してMeOHを除去した。次に、得られた黄色水性混合物をEtOAcで3回抽出し、有機抽出物を合わせ、濃縮し、標題化合物を黄色固体(114mg、収率40%)として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.60 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.31 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 6.81 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 6.67 (s, 1 H), 6.59 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 5.74 - 5.84 (m, 1 H), 5.53 - 5.65 (m, 1 H), 4.12 (q, J=7.18 Hz, 2 H), 3.84 - 3.91 (m, 3 H), 3.61 - 3.71 (m, 4 H), 3.38 (br. s., 4 H), 2.31 -2.36 (m, 6 H), 2.26 (s, 3 H), 2.03 (s, 2 H), 1.68 - 1.78 (m, 2 H), 1.47 (s, 9 H), 1.42 (t, J=7.10 Hz, 3 H)。LCMS (LCMS法K): Rt = 0.65 min, [M+H]+ = 788.5。
【0257】
工程4:(E)-4-(3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)プロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化79】
【0258】
(E)-4-(3-(3-アミノ-5-カルバモイル-2-((4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)フェノキシ)プロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(114mg、0.145mmol)を0℃でDMF(10mL)に溶かし、次に、イソチオシアン酸1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル(0.362mL、0.145mmol)を加えた。反応混合物を0℃で15分間維持し、次に、TEA(0.050ml、0.362mmol)およびEDC(33.3mg、0.174mmol)を反応混合物に加えた。反応混合物を室温で16時間維持した。次に、反応混合物を飽和NaHCO(水溶液)の撹拌溶液に加えた。得られた白色沈殿を濾過により回収し、標題化合物(103mg、収率75%)を得た。LCMS (LCMS法K): Rt = 0.82 min, [M+H]+ = 950.5。
【0259】
実施例10
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-(ピペラジン-1-イル)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1Hピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化80】
【0260】
工程5:(E)-4-(3-((5-カルバモイル-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)オキシ)プロピル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(103mg、0.109mmol)をMeOH(2mL)およびDCM(2mL)に溶かし、次に、HCl(1,4-ジオキサン中4N)(0.271mL、1.085mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間維持した。次に、DMSO(2mL)を反応混合物に加え、この混合物を濾過し、濾液を濃縮し、HPLC(XSELECT CSH C18カラム、150mm×30mm、内径5um充填径、水およびアセトニトリル中30%~85% 10mM重炭酸アンモニウム)により精製した。HPLC後の清浄な画分を合わせ、部分的に濃縮し、標題化合物を白色沈殿(25mg、収率27%)として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.57 (d, J=16.48 Hz, 2 H), 7.14 - 7.30 (m, 2 H), 6.50 - 6.70 (m, 2 H), 5.81 (d, J=3.04 Hz, 2 H), 4.99 (br. s., 4 H) 4.50 - 4.69 (m, 4 H) 3.86 (t, J=5.70 Hz, 2 H) 3.69 (s, 3 H) 2.81 (t, J=4.69 Hz, 4 H) 2.32 - 2.36 (m, 6 H) 2.20 (d, J=12.93 Hz, 6 H), 1.70 (br. s., 2 H), 1.25 - 1.45 (m, 6 H)。LCMS (LCMS法K): Rt = 0.67 min, [M+H]+ = 849.8。
【0261】
実施例11
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-エトキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【化81】
【0262】
実施例38は、当業者に公知の改変を行った方法20に従って、調製することができる。調製の最終工程は、以下のように提供される。(E)-1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-7-エトキシ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(46mg、0.065mmol)を0℃でDMF(655uL)に溶かし、次に、イソチオシアン酸1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル(196μl、0.079mmol)を加えた。反応溶液を0℃で15分間維持し、次に、EDC(15.06mg、0.079mmol)およびTEA(22.81μl、0.164mmol)を加え、反応溶液を室温で維持した。16時間後、反応物を濃縮し、黄色残渣をHPLC(XSELECT CSH C18カラム、150mm×30mm、内径5um充填径、水およびアセトニトリル中15%~55% 10mM重炭酸アンモニウム)により精製した。所望の画分を合わせ、濃縮し、標題化合物を白色固体(19.2mg、収率34%)として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.62 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.58 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.24 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.20 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 6.64 (s, 1 H), 6.62 (s, 1 H), 5.78 (d, J=3.30 Hz, 2 H), 5.01 (d, J=2.79 Hz, 4 H), 4.63 (q, J=7.10 Hz, 4 H), 3.86 - 4.08 (m, 6 H), 3.69 - 3.81 (m, 2 H), 3.37 (br. s., 2 H), 3.16 - 3.23 (m, 2 H), 2.97 - 3.13 (m, 2 H), 2.23 (s, 6 H), 1.96 - 2.04 (m, 2 H), 1.39 (t, J=7.10 Hz, 6 H), 1.15 (t, J=6.97 Hz, 3 H)。LCMS (LCMS法K): Rt = 0.76 min, [M+H]+ = 864.5。
【0263】
実施例12
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-(3-(ジメチルアミノ)プロポキシ)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド2塩酸塩
【化82】
【0264】
DMF(2mL)中(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド塩酸塩(150mg、0.184mmol)の溶液に、TEA(0.20mL、1.435mmol)を加えた。溶液を0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(42.0mg、0.367mmol)をこの温度で加えた。反応混合物をこの温度で1時間撹拌し、次に、別の1当量の塩化メタンスルホニル(21.0mg、0.183mmol)を加え、反応を0℃で1時間続けた。次に、KCO(127mg、0.918mmol)を反応混合物に加え、次いで、1mlのジメチルアミン(THF中2M、2.0mmol)を加えた。反応混合物を密閉チューブ内で80℃にて2時間撹拌し、次に、室温に放冷し、粗物質を質量指向性(mass directed)HPLCにより精製した。HPLC分析は、XSELECT SCH C18カラムで行った。溶媒条件:A=アンモニアでpH10に調整したH2O中10mM重炭酸アンモニウム、B=MeCN B%:15~55。回収した所望のMWピーク。溶媒を除去し、残渣を1mL MeOHに溶かした。ジオキサン(1mL)中4N HClを加えた。溶液を室温で10分間撹拌した。溶媒を除去し、固体をエチルエーテル(5ml×2)で洗浄し、標題化合物(76mg、0.082mmol、収率44.7%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 600MHz): δ (ppm) 12.89 (br s, 2H), 10.18-10.41 (m, 1H), 7.96-8.04 (m, 2H), 7.66 (d, J=10.0 Hz, 2H), 7.35-7.41 (m, 2H), 7.28-7.35 (m, 2H), 6.53 (d, J=2.8 Hz, 2H), 5.82 (dt, J=15.5, 5.3 Hz, 1H), 5.71 (dt, J=15.4, 5.6 Hz, 1H), 4.85-4.98 (m, 4H), 4.52 (quin, J=6.5 H
z, 4H), 3.96-4.04 (m, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.00-3.09 (m, 2H), 2.66 (d, J=4.8 Hz, 6H), 2.11 (d, J=4.4 Hz, 6H), 1.85-2.03 (m, 2H), 1.20-1.32 (m, 6H); LCMS法K: Rt = 0.67 min, [M+H]+ = 808.5
【0265】
実施例13
STINGアゴニスト製剤:
STINGアゴニストは、IV腫瘍退縮および本明細書に開示されたpK/pd実験のためのPEG/生理食塩水処方物またはDMSO/PEG/水処方物のいずれかで調製した。
【0266】
DMSO/PEG/水製剤は、以下の方法を用いて調製した:
1)STINGアゴニストを最初にDMSOで溶かし、次に、ボルテックスして、化合物を確実に溶液中に入れ、
2)PEGを工程1におけるDMSO-化合物に加え、次に、ボルテックスし、
3)3つの製剤のうち1つを調製するための処方に応じた水に応じて、生理食塩水または水を加えた。
1%DMSO/30%PEG300/69%水
-5%DMSO/30%PEG300/65%水
-10%DMSO/30%PEG300/60%水
【0267】
PEG/生理食塩水製剤は、以下のように調製した:
1)STINGアゴニストを100%PEG400またはPEG-300に溶かし、次に、加熱した水浴中で30分間超音波処理し、化合物が完全に溶液中にあることを確実にし、
2)生理食塩水を加え、加熱した水浴中で超音波処理を続け、化合物が均一に混合され、溶液中にとどまっていることを確実にし、2つの製剤のうち1つを調製した。
-40%PEG400またはPEG-300/生理食塩水
-40%PEG400またはPEG-300/水
材料
Sigma:202398PEG-400
Sigma:D1435:DMSO
Hospira:NDC0409-7984-36:0.9%生理食塩水
Baxter:2F7114:滅菌水。
Sigma:202371:PEG-300。
【0268】
実施例14
オフターゲット活性のための対照として野生型(WT)動物を用いた遺伝子STINGノックアウト(KO)マウスモデルにおいて、化合物1を評価した。STING KOおよびWTの両方の動物(Jackson Laboratories)に対し、PEG/生理食塩水ビヒクル(生理食塩水中40%PEG-400)中で2.5mg/kgの化合物1を投与し、次に、3.5時間後に屠殺した。血清サイトカインを、PBL、ならびにeBioscienceElisaおよびMSDマウスマルチプレックスアッセイキットを用いて分析した。
【0269】
化合物1は、WTマウスにおいてのみサイトカイン応答を誘導し、STING-/-マウスにおけるIFN-βおよび他のサイトカインの誘導は完全に喪失し、化合物1はSTING特異的サイトカイン応答を誘導することが示された。化合物1は、IL-6およびTNFαなどの炎症誘発性サイトカイン、ならびにT細胞特異的応答を誘導し、これは、WTにおいてIFN-γが増加したが、STING KOマウスでは増加しなかったことにより実証された(図1)。
【0270】
実施例15
化合物1のIV投与時のCT-26単一腫瘍有効性
化合物1は、静脈内注射後のCT-26腫瘍を含有するBALB/cマウスにおいて、有意な腫瘍成長阻害を引き起こす。マウスを、0、3および7日目での投与計画で、用量あたりn=10にグループ分けした(100μg、30μg、または10μgの化合物1)。腫瘍を週2回測定し、腫瘍容積が2000mm超に達したときか、43日目のいずれか早い方で、マウスを安楽死させた。ビヒクル対照と比較して、処置群において、化合物1は、試験した全用量で、有意な用量依存的CT-26腫瘍成長阻害を誘導した(100μg p<0.0001;30μg p<0.0001;10μg p=0.0016)。100μgの化合物1による処置は、9匹の完全腫瘍退縮をもたらした。30μgによる処置は、5匹の完全腫瘍退縮をもたらし、他の5匹の動物においては実質的な腫瘍成長遅延が認められた。10μgでの処置では完全退縮は認められなかったが、ビヒクル対照と比較して有意な腫瘍成長遅延が認められた(図11)。
【0271】
上記の退縮試験からの腫瘍容積を用いて、ED50曲線データ解析を作成し、1群あたり全10匹のマウスから生存した動物の期間に対する腫瘍容積曲線下面積(AUC)を用いた後、グラフパッドソフトウエア4パラメーターを用いて、図6Bに例示されるED50用量を作成した。
【0272】
実施例16:CT-26腫瘍を有するBALB/cにおける化合物1のIV PK/PD経時変化
化合物1は、静脈内(IV)投与時に腫瘍内に濃縮され、血清サイトカインと比較して、有意に上昇した腫瘍サイトカインレベルをもたらす。ここで、化合物1により満たされる重要な特徴は、サイトカイン放出の全身毒性と一般に関連する全身性サイトカインを最小限にしながら、腫瘍有効性と相関する高い腫瘍サイトカインをもたらすことである。
【0273】
7週齢の雌BALB/cマウス(Charles River)に対し、CT-26(ATCC:CRL-2638)細胞を右後側腹部に接種した。平均腫瘍容積が約100mmであったとき、マウスを腫瘍容積に基づき試験に無作為化し、無作為化を0日目とした。薬物動態/薬力学(pk/pd)試験のために、動物に対し化合物1のIVボーラス注射を行い、特定の時点および用量で動物を屠殺した。単一の時点(投与後0.05、0.25、0.5、1、3、6、24、48、および72時間)および30μgの用量を表す各コホート(N=4)に対し、腫瘍および血液を回収した(図2参照)。pk/pd実験における各コホートに対する各動物からの腫瘍ライセートおよび血清において、MSD(登録商標)-10 plex、ならびにPBL(登録商標)-IFNβおよびeBioscience(登録商標)-IFNα ELISAアッセイキットを用いて、血液および腫瘍組織ホモジネートから、サイトカインのパネルを測定した(IL-1b、IL-2、IL-6、IL-8、IL-10、IL12、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、およびTNF-α)。これらのpk/pd試験からの血液および腫瘍ライセートに由来する化合物1の薬物濃度を、LC-MS/MSにより分析した。
【0274】
化合物1は、腫瘍中で約25時間という長い終末相半減期で、腫瘍内に急速に分布した。血中AUCに対する腫瘍AUCの比は、およそ1であった。血中および腫瘍中濃度-時間プロファイルを示す(図3参照)。
【0275】
経時的なサイトカイン応答(ここでは選択したサイトカインIL-6、TNF-α、IFN-βおよびIFN-γを図示した)は、血清および腫瘍の両方において増加し、化合物1のIV投与後、血清および腫瘍ホモジネートの両方においておよそ3.5時間でピークに達した(図4参照)。化合物1の全身活性の重要な側面は、血清と比較して腫瘍において、有意に高いレベルのサイトカインが認められ、腫瘍対血清比は、IL-6、TNF-α、IFN-γ、およびIFN-βでそれぞれ135、1607、4000および2200倍に相当した、というものである。化合物1は、全身毒性と一般に関連する全身性サイトカイン放出を最小限にしながら、腫瘍サイトカインを産生する、全身に送達されたSTINGアゴニストの重要な特徴を実証している。化合物1は、良好なpk/pd相関をもって、IV投与時に腫瘍選択性に対するこれらの特徴を達成した。
【0276】
実施例17:CT-26腫瘍を有するBALB/cマウスにおける化合物1のIV PK/PD用量漸増
1匹あたり0.001~100μgの漸増IVボーラス投与後、単一CT-26腫瘍を有するBALB/cマウスにおいて、化合物1の血中および腫瘍中濃度ならびにサイトカイン応答を測定した。投与後3.5時間のピークサイトカイン応答時間に、血液および腫瘍を回収し、サイトカイン応答および薬剤の濃度に関して分析した。血中および腫瘍中の化合物1の平均濃度を、表1に報告する。測定した腫瘍中薬物濃度には高い変動性が認められるものの、IV注射時、血中と比較して、腫瘍中では化合物1のレベルが約10倍高い(図5参照)。
【0277】
【表2】
【0278】
IFNβの濃度は、化合物1の用量を増すにつれて、腫瘍中で増加した(図5(B))。経時変化試験で認められたサイトカインの高い腫瘍対血液比と同様に、IFNβ応答は、化合物1の量を増すにつれて、血清と比較して腫瘍中で有意に高かった。サイトカインの用量反応は、試験した最高IV用量で飽和していると思われ(30~100μg約1.2~4mg/kg)、血清と比較して腫瘍中で約450倍高い(3.4μg/g腫瘍対7.9ng/mL)。50%最大IFNβ応答(ED50)をもたらすIV用量は、11μg/マウスまたは約0.55mg/kg(図6A-腫瘍退縮に対する相関pk/pd)であると決定され、腫瘍容積曲線下面積のプロットから決定された17μg/マウスというIV用量漸増有効性ED50と相関している(図6B)。全体的に、腫瘍および血液中の化合物およびサイトカインのレベルの分析は、IV有効性から決定されたED50と腫瘍抽出IFNβとの間の優れた相関を示している。
【0279】
実施例18-様々なマウス腫瘍モデルにおけるIV投与時の化合物1の有効性
化合物1は、IV投与時、異なるマウス腫瘍において腫瘍成長阻害を示した(図8)。各マウス腫瘍モデルは、特定の腫瘍細胞(CT-26(結腸)、EMT-6(乳)、H22(肝臓)、Pan02(膵臓)、RM1(前立腺)、B16BL6およびB16F10(黒色腫))の皮下接種により、類似の方法で進めた。腫瘍が100mmに成長した後、無作為化を行い、1、4、および8日目に30μgまたは10μg(マウス腫瘍モデルに応じて)の反復IV投与を3回行った。最初のIV投与後または腫瘍が2000mmに達したときに、体重および腫瘍容積を30日間測定した(図7)。
【0280】
図8に示すように、化合物1は、IV送達時、複数の腫瘍モデルにおいて腫瘍成長阻害を示し、様々な程度の腫瘍容積有効性を示した。
【0281】
実施例19-化合物1によるSTINGの活性化は、長期免疫に関するCD-8 T細胞に関与した
化合物1によるSTINGの活性化は、CD8 T細胞を誘導し、最終的に長期免疫の誘導をもたらした。化合物1は、CT-26腫瘍退縮試験においてCD8 T細胞に関与した。CT-26腫瘍モデルにおいて、CD-8中和抗体を化合物1とともに投与した。
【0282】
6~8週齢の雌BALB/cマウス(Envigo)に対し、CT-26細胞を右後側腹部に皮下接種した。平均腫瘍容積が約100mmであったとき、マウスを腫瘍容積に基づき試験群に無作為化し、1群あたり10匹とした。化合物1を、30μgおよび10μg/マウス群で投与した。別の群において、マウスに対し、CD8 T細胞を枯渇させるためのCD8枯渇抗体またはIgG対照で処置した後、30μgの化合物1を3回反復投与した。
【0283】
0日目に、マウスに対し、100μl生理食塩水ビヒクル中抗CD8抗体の300μg腹腔内(IP)投与を行った。T細胞枯渇用量を1、4、および8日目に投与し、一方、化合物1を生理食塩水ビヒクル中40%PEG-400の処方で静脈内注射した。
【0284】
図10)に例示されるように、ビヒクル対照と比較して、化合物1の30μg用量では、有意な腫瘍成長阻害が認められた。30μg/マウスの化合物1 30μgのIV投与の前のCD8 T細胞の枯渇は、腫瘍成長阻害を抑制した。
【0285】
CD8 T細胞の非存在下では、対照コホートにおける正方形のデータポイントでの無傷系と比較して、免疫系は、菱形のポイントで示される腫瘍成長阻害を媒介する機能を喪失した(図10)。さらに、逆三角形グラフにおける化合物1処置による無傷系と比較して、化合物1は、円形データポイントで示される(中和CD-8抗体を含む)CD8-T細胞の非存在下では、有効性を喪失した。これらの結果は、関与した化合物1は、腫瘍特異的CD8+ T細胞応答を誘導することを示す。従って、化合物1は、適応免疫を誘導すると思われる。
【0286】
CT-26腫瘍モデルにおける腫瘍および免疫細胞に対する流入領域リンパ節に対する化合物1の効果を、腫瘍退縮試験で使用した投与計画を用いて試験した。簡単に述べれば、200~250mmCT-26同系腫瘍を7週齢の雌BALB/cマウスにおいて確立した後、30μg/マウスの化合物1またはビヒクル(40%PEG/生理食塩水)をIV注射した。化合物1で処置した8匹のマウスおよびビヒクル処置マウスを、最初のIV投与の24時間後(1日目)に屠殺した。2回目の投与のおよそ24時間後の5日目に、同様の反復投与コホートを作成した。両時点において、腫瘍および流入領域鼠径リンパ節(dLN)を回収し、図9における実験概要のようにフローサイトメトリーにより分析した。
【0287】
化合物1のIV投与後、腫瘍微小環境(microenvironent)および流入領域リンパ節において樹状細胞の増加が認められた(図9参照)。流入領域(drainning)リンパ節において、NK、BおよびT細胞でのMHC-1発現亢進が認められた。これらの所見は、化合物1は、免疫細胞におけるSTINGを活性化して、腫瘍成長阻害を誘発し、抗原提示の増強およびT細胞教育を通じて長期免疫を誘導するということをさらに支持している。
【0288】
実施例20-注射用非経口組成物
本発明を投与するための注射剤型は、水中10容量%プロピレングリコールにおいて1.7重量%の化合物1を撹拌することにより、製造される。
【0289】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は本明細書に開示される厳密な説明に限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲内のあらゆる改変を行う権利が保有されると理解されるべきである。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11