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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】液体案内部品及びその使用方法、応用
(51)【国際特許分類】
   B05B 12/36 20180101AFI20230414BHJP
   B05B 1/14 20060101ALI20230414BHJP
   B05B 1/28 20060101ALI20230414BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20230414BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20230414BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20230414BHJP
   B41J 2/135 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
B05B12/36
B05B1/14 Z
B05B1/28
B05C5/00 101
B05D7/24 301M
B05D1/26 Z
B41J2/135
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020520817
(86)(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2018108305
(87)【国際公開番号】W WO2019072102
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】201710953212.5
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519271746
【氏名又は名称】ナージン テクノロジー コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NAJING TECHNOLOGY CORPORATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,チャングア
(72)【発明者】
【氏名】グ,シンヤン
(72)【発明者】
【氏名】ペン,ジュンジュン
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-513003(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106696501(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00 -3/18
7/00 -9/08
B05C5/00 -5/04
B05D1/00 -7/26
B41J2/015-2/16
2/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの入口端(101)と、少なくとも一つの出口端(103)と、前記入口端(101)と前記出口端(103)を接続する溝壁(102)とをそれぞれ含む複数の液体案内溝(10)を含む液体案内部品において、
対向設置された第1側と第2側を含み、各前記入口端(101)は液体の入口として前記液体案内部品の前記第1側に設けられ、各前記出口端(103)は液体の出口として前記液体案内溝(10)の前記第2側に設けられ、前記液体案内溝(10)は前記液体の前記入口端(101)から前記出口端(103)への伝送に用いられ、
前記液体案内溝(10)の配列方向に沿って、隣接する2つの前記液体案内溝(10)の縁間の最小間隔距離は所定の距離以下であり、前記所定の距離が0~2μmであり、
前記液体案内部品とインクジェットプリンター(2)が組合せて使用され、前記インクジェットプリンター(2)は複数のノズル(20)を有し、前記液体案内部品は複数の前記ノズル(20)の下方に設置され、複数の前記液体案内溝(10)が複数の前記ノズル(20)に対応して設置され、前記液体案内溝(10)の入口端(101)の複数の前記ノズル(20)の配列方向に沿うサイズは複数の前記ノズル(20)のピッチより小さいことを特徴とする液体案内部品。
【請求項2】
前記溝壁(102)は、少なくとも1区間の下り坂面を含む内面を有し、好ましくは、前記下り坂面が傾斜面であることを特徴とする請求項1に記載の液体案内部品。
【請求項3】
前記内面は、凹み状をなす内面であることを特徴とする請求項2に記載の液体案内部品。
【請求項4】
前記内面は巻取り曲面であり、前記入口端(101)と前記出口端(103)にそれぞれ入口端開口と出口端開口が形成され、前記内面によって前記入口端開口と前記出口端開口が接続され、前記入口端開口面積は前記出口端開口面積より大きいことを特徴とする請求項2に記載の液体案内部品。
【請求項5】
前記溝壁(102)の前記出口端(103)に近い内面は少なくとも1区間の縦面をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の液体案内部品。
【請求項6】
各前記液体案内溝(10)の前記入口端(101)は同一平面に位置し、各前記出口端(103)は同一平面に位置することを特徴とする請求項1に記載の液体案内部品。
【請求項7】
各液体案内溝(10)は、複数行複数列のアレイ構造で配列され、または一行の構造で配列され、または一列の構造で配列されることを特徴とする請求項1に記載の液体案内部品。
【請求項8】
前記液体案内溝(10)の配列密度は30~300個/インチであることを特徴とする請求項に記載の液体案内部品。
【請求項9】
前記溝壁(102)の全部または一部の内面の表面エネルギー≦20dyn/cm、であることを特徴とする請求項1に記載の液体案内部品。
【請求項10】
前記溝壁(102)の内面は超疎水性表面であることを特徴とする請求項1に記載の液体案内部品。
【請求項11】
位置合わせマークがさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体案内部品。
【請求項12】
プリンター(2)とプリント対象の目標基板(3)との間に設けられた請求項1~11のいずれか一項に記載の液体案内部品(1)と、複数のノズル(20)を有する前記プリンター(2)と、前記プリント対象の目標基板(3)とを組み合せてインクジェットプリントに利用し、前記液体案内部品(1)が入口端(101)を介して前記ノズル(20)から吐出されたインクを受け取って、前記インクを出口端(103)から前記目標基板(3)へ排出することを特徴とする液体案内部品の使用方法。
【請求項13】
前記液体案内部品(1)の液体案内溝(10)は、複数行複数列のアレイ構造で配列され、
前記プリンター(2)、前記液体案内部品(1)、及び複数のサブ画素窪み(30)を有する前記目標基板(3)を用意することと、
前記液体案内部品(1)を前記目標基板(3)の前記サブ画素窪み(30)を有する側の上方に設置し、前記液体案内部品(1)によって前記目標基板(3)の第1部分または全部を覆い、各前記出口端(103)が前記目標基板(3)の第1目標サブ画素窪み(301)に一対一の対応で合わせるように設置することと、
プリントヘッドと前記液体案内部品(1)とを相対的に移動させるとともに、前記液体案内部品(1)と前記目標基板(3)とを相対的に静止させるように制御し、第1インクが各前記液体案内溝(10)を介して前記第1目標サブ画素窪み(301)内に入るように、各前記ノズル(20)が対応する各前記入口端(101)の上方を通過する際に前記第1インクを吐出させることと、を含むことを特徴とする請求項12に記載の液体案内部品の使用方法。
【請求項14】
前記液体案内部品(1)によって第1部分の前記目標基板(3)を覆う際、前記第1インクによる前記第1目標サブ画素窪み(301)のプリントを完成した後、
前記液体案内部品(1)を前記目標基板(3)の前記サブ画素窪み(30)を有する側の上方に設置し、前記液体案内部品(1)によって第2部分の前記目標基板(3)を覆い、各前記出口端(103)が前記第2部分の前記目標基板(3)の第1目標サブ画素窪み(301)に一対一の対応で合わせるように設置し、前記第1インクが前記第1目標サブ画素窪み(301)内に入るように移動を制御するステップを繰り返すことをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の液体案内部品の使用方法。
【請求項15】
各前記出口端(103)が一行の構造で配列され、または一列の構造で配列され、
前記プリンター(2)、前記液体案内部品(1)、及び複数のサブ画素窪み(30)を有する前記目標基板(3)を用意することと、
各前記入口端(101)が各前記ノズル(20)に一対一の対応で合わせるようにして設置されるように、前記液体案内部品(1)とプリントヘッドとの相対位置を調節することと、
前記プリントヘッドと前記目標基板(3)を相対的に移動させるとともに、前記液体案内部品(1)と前記プリントヘッドとを相対的に静止させるように制御し、第1インクが各液体案内溝(10)を介して各第1目標サブ画素窪み(301)内に入るように、各前記出口端(103)が対応する各第1目標サブ画素窪み(301)の上方を通過する際に第1インクを吐出することと、を含み、
前記複数のノズル(20)が一行の構造で配列され、または一列の構造で配列されることを特徴とする請求項12に記載の液体案内部品の使用方法。
【請求項16】
前記目標基板(3)は一側の表面に複数の画素ユニット(31)を有し、各前記画素ユニット(31)は同行または同列の隣接する複数の前記サブ画素窪み(30)を含み、前記液体案内部品(1)の各出口端(103)の内側縁辺線の前記目標基板(3)での正投影は一つの目標サブ画素窪み内に位置し、前記液体案内部品(1)の各前記入口端(101)の外側縁辺線の前記目標基板(3)での正投影は一つの前記画素ユニット(31)内に位置することを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の液体案内部品の使用方法。
【請求項17】
複数のノズル(20)を有し、少なくとも一つのインク溝と前記インク溝の下方に設置される一つのノズルプレートとを含むプリントヘッドと、
前記ノズルプレートの下方に設置された少なくとも一つの液体案内溝(10)を含む請求項1乃至11のいずれか1項に記載の液体案内部品とを含み、
各液体案内溝(10)は、少なくとも一つの入口端(101)と、少なくとも一つの出口端(103)と、前記入口端(101)と前記出口端(103)を接続する溝壁(102)と、を含み、前記入口端(101)は前記ノズル(20)から吐出されたインクの入口として少なくとも一つの前記ノズル(20)に対向設置され、前記出口端(103)は前記インクの出口として前記入口端(101)の下方に設置されたことを特徴とするインクジェットプリント部品。
【請求項18】
前記液体案内溝(10)は複数であり、各前記液体案内溝(10)はそれぞれ独立に一つの前記入口端(101)と一つの前記出口端(103)を含み、各前記入口端(101)と各前記出口端(103)は一対一に対応し、各前記ノズル(20)が各入口端(101)に合わせて設置されることを特徴とする請求項17に記載のインクジェットプリント部品。
【請求項19】
請求項17または18に記載のインクジェットプリント部品を含むことを特徴とするインクジェットプリンター。
【請求項20】
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の液体案内部品の使用方法で製造された一つまたは複数の膜層を含むことを特徴とする光電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリント技術分野に関し、具体的に、液体案内部品及びその使用方法、応用に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリント方法は、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)または量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light Emitting Diode、QLED)等の表示素子を製造するための重要な技術として、インクジェットプリンターでインクを基板または基板上の画素窪みにプリントし、インクを膜状に乾燥させて、多層構造の表示素子を製造し、操作が簡単で大量生産に有利である。しかしながら、最近、表示素子によるイメージングの精密性や品質に対するニーズがますます高くなっている一方、従来のインクジェットプリンターは性能の向上が難しいため、上記ユーズを満たすことができず、例えば、実際の生産中に表示素子の隣接する画素の混色または画素抜けの課題がよく発生し、これらによって表示素子の発展が非常に制限されてしまう。よって、プリント精度の高いインクジェットプリンターが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術のインクジェットプリンターの表示素子における隣接する画素の混色または画素抜けが発生しやすい課題を解決できる液体案内部品及びその使用方法、応用を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本発明の一態様によると、それぞれ少なくとも一つの入口端と、少なくとも一つの出口端と、入口端と出口端を接続する溝壁とを含む複数の液体案内溝を含む液体案内部品であって、対向設置された第1側と第2側を含み、各入口端は液体の入口として液体案内部品の第1側に設けられ、各出口端は液体の出口として液体案内溝の第2側に設けられ、液体案内溝は液体の入口端から出口端への伝送に用いられる液体案内部品を提供する。
【0005】
さらに、上記溝壁は、少なくとも1区間の下り坂面を含む内面を有し、好ましくは、下り坂面が傾斜面である。
【0006】
さらに、上記内面は、凹み状をなす内面である。
【0007】
さらに、上記内面は、巻取り曲面であり、入口端と出口端にそれぞれ入口端開口と出口端開口が形成され、内面によって入口端開口と出口端開口が接続され、入口端開口面積は出口端開口面積より大きく、好ましくは、溝壁の内面が錐体の傾斜面を含む。
【0008】
さらに、上記溝壁の出口端に近い内面は少なくとも1区間の縦面をさらに含み、好ましくは、縦面が柱体の縦面を含む。
【0009】
さらに、上記液体案内部品はインクジェットプリンターと協同してインクジェットプリントに用いられることが可能であり、上記縦面の垂直度はインクジェットプリンターのノズルから上記液体を吐出する吐出真直度より悪くない。
【0010】
さらに、各液体案内溝の入口端は同一平面に位置し、好ましくは、各出口端は同一平面に位置する。
【0011】
さらに、液体案内溝の配列方向に沿って、隣接する2つの液体案内溝の縁間の最小間隔距離は所定の距離以下であり、好ましくは、所定の距離が0~2μmである。
【0012】
さらに、各液体案内溝は、複数行複数列のアレイ構造で配列され、または一行の構造で配列され、または一列の構造で配列される。
【0013】
さらに、液体案内溝の配列密度は30~300個/インチであり、好ましくは、100~300個/インチである。
【0014】
さらに、上記溝壁の全部または一部の内面の表面エネルギー≦20dyn/cm、であり、好ましくは、溝壁を形成する材料または溝壁の内面上の膜の材料がフッ素含有化合物またはシリコーンの中の1種または複種類を含む。
【0015】
さらに、上記溝壁の内面が超疎水性表面である。
【0016】
さらに、上記液体案内部品に位置合わせマークがさらに設けられている。
【0017】
本発明の他の一態様によると、プリンターとプリント対象の目標基板との間に設けられた上述した液体案内部品と、複数のノズルを有するプリンターと、プリント対象の目標基板とを組み合せてインクジェットプリントに利用し、液体案内部品が入口端を介してノズルから吐出されたインクを受け取って、インクを出口端から目標基板へ排出する液体案内部品の使用方法を提供する。
【0018】
さらに、上記液体案内部品の液体案内溝が、複数行複数列のアレイ構造で配列され、上記使用方法は、プリンター、液体案内部品、及び複数のサブ画素窪みを有する目標基板を用意することと、液体案内部品を目標基板のサブ画素窪みを有する側の上方に設置し、液体案内部品によって目標基板の第1部分または全部を覆い、各出口端が目標基板の第1目標サブ画素窪みに一対一の対応で合わせるように設置することと、プリントヘッドと液体案内部品を相対的に移動させるとともに、液体案内部品と目標基板とを相対的に静止させるように制御し、第1インクが各液体案内溝を介して第1目標サブ画素窪み内に入るように、各ノズルが対応する各入口端の上方を通過する際に第1インクを吐出することと、を含み、好ましくは、複数のノズルが一行の構造または一列の構造で配列される。
【0019】
さらに、液体案内部品によって第1部分の目標基板を覆う状態で、第1インクによる第1目標サブ画素窪みへのプリントを完成した後、この使用方法は、液体案内部品を目標基板のサブ画素窪みを有する側の上方に設置し、液体案内部品によって第2部分の目標基板を覆い、各出口端が第2部分の目標基板の第1目標サブ画素窪みに一対一の対応で合わせるように設置し、第1インクが第1目標サブ画素窪み内に入るように移動を制御するステップを繰り返すことをさらに含む。
【0020】
さらに、各出口端が一行の構造で配列され、または一列の構造で配列され、この使用方法は、プリンター、液体案内部品、複数のサブ画素窪みを有する目標基板を用意することと、各入口端が各ノズルに一対一の対応で合わせるようにして設置されるように、液体案内部品とプリントヘッドとの相対位置を調節することと、プリントヘッドと目標基板とを相対的に移動させるとともに、液体案内部品とプリントヘッドとを相対的に静止させるように制御し、第1インクが各液体案内溝を介して各第1目標サブ画素窪み内に入るように、各出口端が対応する各第1目標サブ画素窪みの上方を通過する際に第1インクを吐出することと、を含み、複数のノズルが一行の構造で配列され、または一列の構造で配列され、好ましくは、液体案内部品とプリントヘッドが取り外し可能に接続して設置される。
【0021】
さらに、上記目標基板は一側の表面に複数の画素ユニットを有し、各画素ユニットは複数の同行または同列の隣接するサブ画素窪みを含み、液体案内部品の各出口端の内側縁の辺線の目標基板における正投影は一つの目標サブ画素窪み内に位置することができ、液体案内部品の各入口端の外側縁辺線の目標基板での正投影は一つの画素ユニット内に位置することができる。
【0022】
さらに、インクを目標サブ画素窪みへ吐出する際、各出口端と対応するサブ画素窪みとの距離が画素隔離構造の高さ以上となるように制御する。
【0023】
さらに、インクを目標サブ画素窪みへ吐出する際、各出口端と対応するサブ画素窪みとの距離がh/n以下となるように制御し、hはノズルとその対応するサブ画素窪みとの距離で、nは1より大きい整数であり、好ましくは、nが一つの画素ユニットにおけるすべてのサブ画素窪みの数以上であり、さらに好ましくは、各出口端とその対応するサブ画素窪みとの距離が(h/n)と開口率との積以下となるように制御することである。
【0024】
さらに、各サブ画素窪みは複数セットの目標サブ画素窪みを含み、各セットの目標サブ画素窪みはそれぞれ、複数行複数列のアレイ構造、一行の構造または一列の構造で配列され、第1インクを第1目標サブ画素窪み内にプリントした後、使用方法は、1セットのプリント対象の目標サブ画素窪みを第2目標サブ画素窪みとして新たに設定し、第1インクを第2インクに入れ替えるとともに、液体案内部品を入れ替え、入れ替えられた後の液体案内部品は第2インクに対応し、目標基板の各セットの目標サブ画素窪みのプリントを完成するまで、第2インクが液体案内部品を介して第2目標サブ画素窪みへ伝送されるように、設置及び移動を制御するステップを繰り返すことをさらに含む。
【0025】
本発明の他の一態様によると、複数のノズルを有し、好ましくは、少なくとも一つのインク溝とインク溝の下方に設置される一つのノズルプレートとを含むプリントヘッドを含み、少なくとも一つの液体案内溝を含む上述した液体案内部品をさらに含み、この液体案内溝はこのノズルプレートの下方に設置され、各液体案内溝は少なくとも一つの入口端と、少なくとも一つの出口端と、入口端と出口端を接続する溝壁と、を含み、入口端はノズルから吐出されたインクの入口として少なくとも一つのノズルに対向設置され、出口端はインクの出口として入口端の下方に設置されたインクジェットプリント部品を提供する。
【0026】
さらに、液体案内溝は複数であり、各液体案内溝はそれぞれ独立に一つの入口端と一つの出口端を含み、各入口端と各出口端は一対一に対応し、好ましくは、各ノズルが各入口端に合わせて設置される。
【0027】
さらに、液体案内部品とノズルプレートが取り外し可能に接続される。
【0028】
本発明の他の一態様によると、上述したインクジェットプリント部品を含むインクジェットプリンターをさらに提供する。
【0029】
本発明の他の一態様によると、インクジェットプリント部品と目標基板とを相対的に移動させる移動ユニットを含む上述したインクジェットプリンターと、プリント対象の目標基板と、を含むインクジェットプリントシステムをさらに提供する。
【0030】
本発明の他の一態様によると、上述した液体案内部品の使用方法で製造された一つまたは複数の膜層を含む光電素子をさらに提供する。
【0031】
本発明の他の一態様によると、上述した液体案内部品の使用方法で製造された一つまたは複数の膜層を含む光学素子をさらに提供する。
【0032】
本発明の他の一態様によると、エレクトロルミネセンスダイオードである上述した光電素子を含むか、または上述した光学素子を含むディスプレイをさらに提供する。
【発明の効果】
【0033】
本発明の技術案によれば、液体案内部品及びその使用方法と応用を提供し、この液体案内部品の複数の液体案内溝によって、液体が入口端から入った後出口端から流出されることができ、入口端と出口端とを接続する溝壁が液体を伝送する作用を奏し、液体が出口端からずれる方向へ流れることを防止できる。この液体案内部品はインクジェットプリントに応用されることができ、上記液体はインクジェットプリントで吐出されるインクであることができ、液体案内部品を用いることで、吐出されたインクの運動方向を精確に制御して、インクジェットプリントの精度を向上させ、ノズルから直接インクを吐出する従来の技術と比べると、ノズルから排出されたインクが外部からの不良要素の影響を受けることやプリンター自体の精度が低いことによるオフセットの発生現象を回避することができ、従来技術のインクジェットプリントによる表示素子における隣接する画素の混色または画素抜けが発生しやすい課題を解決し、インクジェットプリントのプリント精度を向上させる効果を実現する。
【0034】
本発明は、上記で説明された目的、特徴やメリット以外にも、他の目的、特徴やメリットを有する。以下、図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本願の一部を構成する図面は本発明をさらに理解させるためのものであり、本発明に示す実施例及びその説明は本発明を説明するためのもので、本発明を限定するものではない。
【0036】
図1】本発明による一種類の選択可能な液体案内部品を示す図である。
図2】本発明による他の一種類の選択可能な液体案内部品を示す図である。
図3】本発明による第3種類の選択可能な液体案内部品を示す図である。
図4】本発明による第4種類の選択可能な液体案内部品を示す図である。
図5】本発明による一種類の選択可能な液体案内部品の使用方法を示す図である。
図6】本発明による他の一種類の選択可能な液体案内部品の使用方法を示す図である。
図7】本発明によるさらに他の一種類の選択可能な液体案内部品の使用方法を示す図である。
図8】本発明による側面方向からの一種類の選択可能な液体案内部品の使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
なお、矛盾しない限り、本発明における実施例及び実施例中の特徴を互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照しつつ実施例とともに本発明を詳しく説明する。
【0038】
当業者が本発明の技術案をより簡単に理解できるように、以下、本発明の実施例中の図面とともに、本発明の実施例の技術案を明確且つ完全に説明するが、ここで説明する実施例は本発明の実施例の全部ではなく一部であることは言うまでもない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造性のある行為を必要とせずに得られる他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0039】
なお、本発明の明細書、特許請求の範囲、及び図面に用いられた「第1」、「第2」等の用語は類似する対象を区別するためのもので、特定の順または前後順を限定するものではない。ここで説明する本発明の実施例を図面に示すまたは説明した順とは異なるものでも実現できるように、このように使用される数値は適切な状況において交換可能であると理解すべきである。そして、「含む」、「有する」、及びそれらのすべての変形用語は、非排他的に含むことをカバーするためのものであって、例えば、一連のステップもしくはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品または機器は、明確に示されたステップもしくはユニットに限定されず、明確に示されていない、またはこれらのプロセス、方法、製品または機器固有の他のステップもしくはユニットも含むことを表す。
【0040】
実施例の説明において、一つの領域、パターン、または構造が、他の領域または他のパターンの「上」または「下」に位置すると記載された場合、「直接」または「間接」的に他の領域またはパターン上に位置することができ、或いは、一つまたは複数の中間構造が存在することもできる。図面を参照してすでに層のような位置を説明している。
【0041】
便宜または明確性のために、図面に示す各部品または構造の厚みやサイズは、誇張、省略、または模式的に図示されることがある。また、部品または構造のサイズが実際のサイズを完全に反映しているのではない。
【0042】
本願の背景技術部分で分析されたように、従来技術におけるインクジェットプリントによる表示素子では隣接する画素の混色または画素抜けが発生しやすい課題が存在し、この課題を解決するために、本願は液体案内部品及びその使用方法と応用を提供する。
【0043】
本願の一の典型的な実施形態において液体案内部品を提供し、図1乃至図4に示すように、液体案内部品は複数の液体案内溝10を含み、各液体案内溝10は、少なくとも一つの入口端101と、少なくとも一つの出口端103と、入口端101と出口端とを接続する溝壁102と、を含み、ここで、液体案内部品は対向設置された第1側と第2側を含み、各入口端101は液体の入口として液体案内部品の第1側に設置され、各出口端103は液体の出口として液体案内溝10の第2側に設置され、液体案内溝10は液体の入口端101から出口端103への伝送に用いられる。
【0044】
図1乃至図4において、液体の流れ方向は、図1乃至図4に液滴状物体や矢印で示すように、簡略して示される。
【0045】
本願の上記実施例によれば、この液体案内部品の複数の液体案内溝10によって、液体は入口端101から入った後出口端103から流し出されることができ、入口端101と出口端103とを接続する溝壁102が液体を伝送する作用を奏し、液体が出口端103からずれる方向へ流れることを防止する。この液体案内部品はインクジェットプリントに応用されることができ、上記液体はインクジェットプリントで吐出されるインクであることができ、液体案内部品を用いることで、インクの吐出後の運動方向を精確に制御して、インクジェットプリントの精度を向上させ、ノズルから直接インクを吐出する従来の技術と比べると、ノズルから排出されたインクが外部からの不良要素の影響を受けることやプリンター自体の精度が低いことによるオフセットの発生現象を回避することができ、従来技術のインクジェットプリントによる表示素子における隣接する画素の混色または画素抜けが発生しやすい課題を解決し、インクジェットプリントのプリント精度を向上させる効果を実現する。
【0046】
上記液体案内部品のサイズは比較的に小さく製造されることができ、これによりインクジェットプリントによりよく応用でき、液体案内部品の出口端はプリント対象の目標基板のサブ画素窪みのサイズと形状に整合することができ、一つの選択可能な実施例において、液体案内部品の入口端は上記サブ画素窪みの大きさより大きく、出口端はサブ画素窪みの大きさに接近するかまたは小さいことができ、この時、液体案内部品の入口端のサイズは出口端のサイズより大きく、これにより、ノズルがサイズの大きい入口端により簡単に合わせられ、入口端がノズルから吐出されたインクを全部受け取るのに有利であり、そして、インクは小さい出口端を介して対応するサブ画素窪み内に精確に入って、プリントの精度を向上させる。従来技術におけるプリント方法に比べると、上記液体案内部品によれば、プリンターの垂直方向のプリント精度に対する要求を低減し、低精度のプリンターで高精度のプリントを可能にする目的を実現できる。
【0047】
上記インクの形成材料として、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、電極材料等を含むことができるが、インクの形成材料はこれらの材料に限定されず、他の適切な材料であることもできる。
【0048】
一つの好適な実施例において、この液体案内部品の各入口端101(または入口端101の横断面)は幅方向での最大サイズが846.7ミクロン以下で、この液体案内部品の各出口端103(または出口端103の横断面)は幅方向での最大サイズが入口端101の幅以下であり、出口端103の開口の面積は入口端101の開口の面積以下で、この液体案内部品の各液体案内溝10の平均高さ(縦方向において、即ち出口端103が位置する平面に垂直な方向において、液体案内溝の入口端101から出口端103までの平均距離)は、1ミリメートル以下であることができ、0.4ミリメートルであることが好ましい。上述した幅方向は、各液体案内部品の配列方向であることができ、各液体案内部品がアレイ構造で配列されると、幅方向は行または列の方向であることができる。
【0049】
上述した液体案内部品の液体案内溝は、伝送機能を実現するとともに、各種の形状を含み、一つの選択可能な実施例において、液体案内部品の溝壁102は、少なくとも1区間の下り坂面を含む内面を含み、この下り坂面は、液体案内部品の使用状態で、入口端101が出口端103の上方に位置する際、入口端101の位置から出口端103への方向で見て下り面となる面であり、下り坂面は少なくとも1区間の傾斜面を含むことができ、一つの好適な実施例において、この下り坂面は傾斜面である。下り坂面によって、液体は重力の作用で落下する。
【0050】
この傾斜面は図1に示す円弧状のなめらかな曲面であることができ、図2に示す3つの平面を連結してなる形状であることもでき、上記の図1図2の液体案内溝の傾斜面は全体的に「滑り台」形状に似ている。上記傾斜面は図1図2の形状に限定されず、他の形状であることもできる。
【0051】
図1図2に示すように、溝壁102の表面のうち液体に接触する側の表面が内面であり、この内面が下り坂面に属し、傾斜面であり、図1図2において、溝壁102の内面は入口端101から入った液体の伝送に用いられることができ、液体はこの傾斜した内面に沿った方向に運動して出口端103から流出されて、液体の流れ方向を精確に制御し、液体が出口端103から流出された後に、目標領域、例えば目標基板のサブ画素窪み内に正確に入るようにする。上記傾斜面上の各点の接線と基板が位置する平面との夾角(基板が位置する平面から傾斜面の外面までの鋭角)は傾斜角であり、この傾斜角は大きいほど有利で、傾斜角が大きいほど傾斜面が険しく、例えば、出口端103での傾斜角が大きいほど対応するサブ画素窪み内への液体の伝送の正確率を向上させることができる。
【0052】
一つの好適な実施例において、上記内面は凹み状をなす内面であり、例えば、入口端101から出口端103までの方向に沿って凹み状をなす内面であることができる。これにより、凹み状によって液体案内溝10内を流れる液体に運動方向の案内を行い、また、よりスムーズに流動させる。
【0053】
液体案内溝10は、図1図2に示す形状以外にも、他の形状であることができ、他の一つの選択可能な実施例において、図3図4に示すように、上記溝壁102の内面は巻取り曲面であることもでき、この巻取り曲面は一つの平面を巻き取って形成された一つの中空管状に類似する曲面と理解することができ、同時に、上記入口端101と出口端103もそれぞれ入口端の開口と出口端の開口を形成しており、内面(即ち、巻取り曲面)によって入口端と出口端とを接続し、入口端の開口の面積は出口端の開口の面積より大きく、これにより、入口端の開口から入った液体が予め設定された移動経路からずれることを回避し、ずれ要素による液体運動軌跡の不良影響を最低限まで低減する。そして、入口端の開口の面積が出口端の開口の面積より大きいので、液体案内溝10への進入がより容易になり、また、出口端の開口の面積が小さいので、液体の出口端から流出後の運動方向の制御の精確性を増加することができる。
【0054】
一つの好適な実施例において、溝壁の内面は錐体の傾斜面を含み、錐体の傾斜面は図3図4に示す溝壁102の上半部分の形状であって、この上半部分の形状は円錐台である。
【0055】
上記溝壁102の内面は、上記形状を含む以外にも、上記溝壁の出口端に近い内面に少なくとも1区間の縦面を含むことができ、縦面が柱体の縦面を含むことが好ましく、図3図4において、溝壁102の下半部分の出口端103に近い部分が柱体の縦面である。一つの好適な実施例において、上記液体案内部品は、インクジェットプリンターと協同してインクジェットプリントに用いられることができ、上記縦面の垂直度(または縦面と縦方向のなす角度)はインクジェットプリンターのノズルが液体を吐出する吐出真直度(Jet straightness)より悪くなく、ここで、吐出真直度は垂直方向に対する角度であって、このような縦面を設置することにより、液体がより容易に流出し、かつ流出方向をより容易に把握でき、縦面によってより速くかつ正確に位置合わせを行うのに寄与する。
【0056】
インクジェットプリントの位置合わせ、及び液体案内部品の大量加工生産の便宜上、上記各液体案内溝10の入口端101は同一平面に位置し、一つの好適な実施例において、各液体案内溝10の入口端101が同一平面に位置すること以外に、各出口端103も同一平面に位置することができる。
【0057】
上記同一平面内の入口端101は接続部を介して互いに接続されるか、または互いに直接接続され、同様に、上記同一平面内の出口端103も接続部を介して互いに接続されるか、または互いに直接接続されることができ、溝壁102同士にも同様に応用され、ここでは詳細な説明を省略する。各液体案内溝10の相互接続によって、液体案内部品が一体になって、液体案内部品の実用性を向上させることができる。上記接続部は、隣接する2つの入口端101(または液体案内溝の他の部分)間の間隔距離に影響を与え、接続部が広いほど、上記間隔距離が大きい。
【0058】
液体案内部品の配置と使用の便宜上、特に、液体案内部品とプリンターのプリントヘッドとが接続されていない場合に、上記液体案内部品は液体案内部品の全体を支持するための支持部を更に含むことができる。支持部と上記接続部とをともに設置することができ、実際の需要に応じて一方を選択的に設置することもできる。
【0059】
上記実施例において、液体案内溝10の配列に沿った方向で、各隣接する2つの液体案内溝10の縁間の最小間隔距離は等しく、かつこの最小間隔距離は所定の距離以下であることができ、この所定の距離が0~2μmであることが好ましい。隣接する2つの液体案内溝10間には間隔距離が存在しないか、または比較的に小さい最小間隔距離が存在し、液体案内溝10の入口端101が出口端103より大きい場合、上記液体案内溝の縁間の最小間隔距離とは通常、各隣接する入口端101の縁間の間隔距離であり、この間隔距離が近いほど、上記各入口端101のサイズが相対的に大きくなり、インクジェットプリントの液体をよりよく受け取ることができ、また、実際の使用中にプリントされる目標基板とよりよく合わせるようにして設置することができる。
【0060】
一つの好適な実施例において、液体案内部品とインクジェットプリンターは組合せて使用され、液体案内部品はノズルの下方に設置され、各液体案内溝がノズルに対応して設置される。液体案内溝の入口端のノズルの配列方向に沿うサイズはノズルのピッチより小さく、これにより、各ノズルから吐出されたインクが対応する液体案内溝内に入って、隣接する2つのノズルから吐出されたインクが同一の液体案内溝内に入ることを回避できる。
【0061】
以下、一具体的な実施例とともに簡単に説明し、図7図8に示すように、プリント対象の目標基板がアレイ構造で配列された複数の画素ユニット(画素ユニットの幅はDであり、この画素ユニットは図7図8に示す31であることができる)を有し、各画素ユニットに3つのサブ画素窪み(サブ画素窪みの開口幅はDで、サブ画素窪みの底面幅はD'で、D>D'であって、このサブ画素窪みは図7図8に示す30であることができ、隣接するサブ画素窪みの開口縁間のピッチはΔDで、D≧3*Dであって、ΔD≧0である)を含む場合、液体案内部品の各液体案内溝10(図7図8を参照)の出口端103の内径がdで、入口端101の内径がdで、入口端101の外径がdである(d<d<d)と、この液体案内部品の各サイズは、0<d≦D<d<d≦Dであることができ、隣接する2つの液体案内溝10の縁間の最小間隔距離xは、(2*D+3ΔD)>x≧0を満たし、ここで、xは0に近いかまたは0であることが好ましく、この時、液体案内部品の入口端を大きく設置することができ、このようにすれば、インクのさらなる受け取りに有利であって、同時に、液体案内溝10の入口端101を画素ユニットに対応して設置し、出口端103を画素ユニット中のサブ画素窪みに対応して設置することができる。
【0062】
なお、上記幅方向とは、各液体案内溝10の配列に沿う方向であり、上記内径は図7図8に示す液体案内溝に適用される。
【0063】
上述した各液体案内溝10はさまざまな形式に配列されることができ、通常、ノズルの配列方式とプリント対象の物体の配列方式に応じてこの液体案内部品の配列形式を具体的に決定することができる。例えば、プリント対象の物体が複数のサブ画素窪みを有する目標基板であれば、各液体案内溝10の配列は、この目標基板の各サブ画素窪みの配列方式と同様であることができる。一つまたは複数の選択可能な実施例において、上述した各液体案内溝10は、複数行複数列のアレイ構造による配列、または一行の構造による配列、または一列の構造による配列であり、このような配列方式によると、より規則的になり、基板における画素の通常の配列方式にさらに接近して、液体案内部品の適用範囲を拡大する。
【0064】
一つの好適な実施例において、各液体案内溝10の配列密度は30~300個/インチであり、100~300個/インチであることがさらに好ましく、このような配列密度で配列することで、この液体案内部品を配列密度の大きいプリント対象の基板に応用することが可能になり、換言すれば、解像度が30ppi乃至300ppiであるディスプレイに対応する基板のプリントに応用することが可能である。
【0065】
液体を液体案内溝10の溝壁の内面から出口端103まで順調に伝送させるために、液体への内面の吸着力による抵抗を低減し、一つの選択可能な実施例において、液体案内溝10の溝壁102の全部または一部の内面の表面エネルギー≦20dyn/cm、であり、ここで、一部の内面は液体に実際の伝送作用を奏する部分の内面であることができ、溝壁102を形成する材料または溝壁102の内面上の膜の材料はフッ素含有化合物またはシリコーンの1種または複種類を含むことが好ましく、内面上の膜とは溝壁102の材料が表面エネルギー要求を満たさない場合、表面エネルギー要求を満たすように別途に内面に膜層を設けることである。
【0066】
一つの好適な実施例において、上記液体案内溝10の溝壁102の内面は超疎水性表面である。この超疎水性表面の超疎水性は疎水性であるとともに疎油性である表面であることができる。当業者はインクジェット液体の性質に応じて適切な材料を選択して上記超疎水性表面を製造することができる。
【0067】
液体案内部品の入口端101の吐出された液体を受け取る精度を向上させるとともに、出口端103からプリントされる対象への精度を向上させるために、上記液体案内部品には位置合わせを補助する位置合わせマークがさらに設置されることができ、一つの好適な実施例において、よりよく位置合わせをするために、液体案内部品は少なくとも、2つの位置合わせマークを含む。
【0068】
本願の上記各実施例における液体案内部品によると、吐出されたインクの運動方向を精確に制御でき、インクジェットプリントの精度を向上させることができ、ノズルからインクを直接吐出する従来の技術と比べると、インクがノズルから吐出された後に外部からの不良要素の影響を受けてオフセットしてしまう現象を回避することができ、従来技術のインクジェットプリントによる表示素子における隣接する画素の混色または画素抜けが発生しやすい課題を解決し、インクジェットプリントのプリント正確率を向上させる効果を実現する。
【0069】
本願の他の一態様によると、さらに液体案内部品の使用方法を提供し、図5乃至図7に示すように、この液体案内部品1と、プリンター2と、プリント対象の目標基板3とを合わせてインクジェットプリントに応用し、液体案内部品1はプリンター2とプリント対象の目標基板3との間に設置され、液体案内部品1は上述したいずれか一つの実施例中の液体案内部品であって、ここで、プリンター2は複数のノズル20を有し、液体案内部品1は、この液体案内部品1の入口端101によりプリンターのノズル20から吐出されたインクを受け取り、インクをこの液体案内部品1の出口端103から目標基板3へ排出するためのものである。
【0070】
上記実施例において、液体案内部品1はプリンター2に接続して設置されることができ、例えば取り外し可能に接続して設置されることができ、接続せずに設置されることもでき、接続せずに設置される場合、一つの好適な実施例において、上記液体案内部品1は、液体案内部品1がプリント対象の目標基板3の上方に安定的に設置されるように液体案内部品1を支持する一つの支持部をさらに含むことができる。
【0071】
液体案内部品1の液体案内溝10は様々な配列構造で配列されることができ、異なる配列構造の液体案内部品1によって、異なる使用方法を選択することができ、この使用方法をこの液体案内部品1が応用されたインクジェットプリント方法と理解することができる。
【0072】
上記液体案内部品を用いてインクジェットプリントを行う場合、この液体案内部品の複数の液体案内溝10によって、液体が入口端101から入って後、出口端103から流出し、入口端101と出口端103とを接続する溝壁102が液体を伝送する作用を奏することで、液体が出口端103からずれる方向へ伝送されることを防止する。この液体案内部品はインクジェットプリントに応用されることができ、上記液体はインクジェットプリントで吐出されるインクであることができ、液体案内部品1を用いてインクの吐出後の運動方向を精確に制御して、インクジェットプリントの精度を向上させ、ノズルからインクを直接吐出する従来の技術に比べると、インクがノズルから排出された後の、外部からの不良要素の影響やプリンター自体の精度が低いことによるオフセットの発生現象を回避することができ、従来技術のインクジェットプリントによる表示素子における隣接する画素の混色または画素抜けが発生しやすい課題を解決して、インクジェットプリントのプリント精度を向上させる効果を実現する。
【0073】
液体案内部品1の構造や形状等の違い、及びプリンター2と目標基板3の規格や構造の違いに応じて、液体案内部品1の使用方法を様々な状況に分けて検討することができ、以下、図5乃至図7を参照して3つの選択可能な状況での使用方法を説明する。
【0074】
1、第1種類の状況での選択可能な使用方法:
【0075】
液体案内部品1の液体案内溝10が複数行複数列のアレイ構造で配列された場合、一種類の選択可能な実施例において、図5に示すように、上記液体案内部品1の使用方法は以下のステップS101、S103、及びS105を含むことができる。
【0076】
ステップS101において、プリンター2、液体案内部品1、及び目標基板3を用意し、ここで、目標基板3は複数のサブ画素窪み30を有し、プリンター2のプリントヘッドは第1インクを吐出するための複数のノズル20を含み、好ましくは、複数のノズル20が一行の構造または一列の構造で配列されることである(図5を参照)。
【0077】
ステップS103において、液体案内部品1を目標基板3のサブ画素窪み30を有する側の上方に設置し、すべての第1目標サブ画素窪み301に対応させ、換言すれば、すべての第1目標基板3を覆って、液体案内部品1の各出口端103を目標基板3のすべての第1目標サブ画素窪み301に一対一の対応で合わせるように設置する。ここで、サブ画素窪み30は第1目標サブ画素窪み301と非第1目標サブ画素窪みとを含む。
【0078】
ここで、各液体案内溝10間に接続部が設置され、図5においては接続部は省略して図示されていないものの、この接続部は、図3に示すように、各液体案内溝の開口端間に設置された部分を接続部とみなすことができるが、図3に示す形態に限定されない。液体案内部品は、図5に図示されていないが、支持部を更に含み、この支持部は液体案内部品の全体を目標基板の上方に安定的に設置されるように支持する。
【0079】
ステップS105において、プリントヘッド(プリンター2)と液体案内部品1が相対的に移動するように制御し、かつ液体案内部品1と目標基板3は相対的に静止し、プリントヘッドの各ノズル20が液体案内部品1の各入口端101の上方へ移動し、かつ各入口端101に合わせられた時に第1インクを吐出して、第1インクが液体案内部品1の各液体案内溝10を介して第1目標サブ画素窪み301内に入るようにする。
【0080】
上記第1種類の選択可能な使用方法によると、主に、複数行複数列の液体案内部品1をすべての目標基板3の第1目標サブ画素窪み301上に対応して設置し、つまり、この時、液体案内部品1がすべての目標基板3を覆い、各出口端103が各第1目標サブ画素窪み301に対応し、インクをプリントする過程において、液体案内部品1は目標基板3に対して移動せず、ノズル20が目標基板3に対して移動して、インクを第1目標サブ画素窪み301内へプリントする。
【0081】
2、第2種類の状況での選択可能な使用方法:
【0082】
上記選択可能な実施例において、即ち、液体案内部品1の液体案内溝10が複数行複数列のアレイ構造で配列された時、同様に上記ステップS101~S105を実行するが、上記第1種類の状況との相違点は、この第2種類の状況において、液体案内部品1が目標基板3の全部を覆うのではなく第1部分の目標基板3を覆う場合、即ち、液体案内部品1が目標基板3のサブ画素窪み30を有する側の上方に設置され、一部の数の第1目標サブ画素窪み301に対応する場合、図6に示すように、ステップS105での第1インクを吐出した後、この第2種類の状況での使用方法がさらに以下のステップS107を含むことができる。
【0083】
ステップS107において、液体案内部品1が第2部分の目標基板3を覆うように、且つ各出口端103が第2部分の目標基板3の、サブ画素窪み30に含まれる第1目標サブ画素窪み301に一対一の対応で合わせるように、設置するステップ(即ち、ステップS103)を繰り返して行い、また、第1インクがすべての目標基板3の各第1目標サブ画素窪み301内に入るまで、第1インクが第2部分の目標基板3の各第1目標サブ画素窪み301内に入るように、移動を制御するステップ(即ち、ステップS105)を繰り返して行う。
【0084】
目標基板3は第1部分と第2部分の目標基板を含む以外にも、第3部分、第4部分等をさらに含むことができ、この時、上記使用方法はさらに以下のステップを含むことができる。
【0085】
液体案内部品1が第3部分の目標基板3を覆うように、且つ各出口端103が第3部分の目標基板3の第1目標サブ画素窪み301に一対一の対応で合わせるように、設置するステップを繰り返して行い、その後、第1インクが第3部分の目標基板3の各第1目標サブ画素窪み301内に入るように、移動を制御するステップを繰り返して行い、類似的に、第1インクがすべての目標基板3の各第1目標サブ画素窪み301内に入るまで、第4部分等の他の部分の目標基板3にそれぞれプリントを行う。
【0086】
この第2種類の選択可能な使用方法は、第1種類に類似し、第1種類の状況において液体案内部品1が第1部分の目標基板3を覆うことに基づいて(図6に示すように、液体案内部品1が半分の目標基板3を覆うことができる)、上記使用方法にも、目標基板3と液体案内部品1とが相対的に動かないことを維持し、当該両者に対してノズル20を移動させて第1インクを第2部分の目標基板3の第1目標サブ画素窪み301にプリントし、第1部分の目標基板3の第1目標サブ画素窪み301をプリントしておいた後、さらに目標基板3に対して液体案内部品1を第2部分の目標基板3上に移動させてから、同様な方法でプリントを行い、または新しい液体案内部品1に入れ替えて他の半分の目標基板3上へ移動させ、このように領域に分けて目標基板3にプリントを行い、第1インクをすべての目標基板3の第1目標サブ画素窪み301の全部にプリントするまで上記ステップを繰り返して行う。
【0087】
3、第3種類の状況での選択可能な使用方法:
【0088】
図7に示すように、液体案内部品1の各出口端103が一行の構造、または一列の構造で配列された場合、この使用方法は以下のステップS102、S104、及びS106を含むことができる。
【0089】
ステップS102において、プリンター2、液体案内部品1及び目標基板3を用意し、ここで、目標基板3は複数のサブ画素窪み30を有し、プリンター2のプリントヘッドは一行の構造または一列の構造で配列された複数のノズル20を含み、ノズル20は第1インクを含むインクを吐出するためのものである。
【0090】
ステップS104において、各入口端101を各ノズル20に一対一の対応で合わせるように、液体案内部品1とプリントヘッド(図7に示すプリンター2を参照)の相対位置を調節し、液体案内部品1とノズル20の位置が相対的に変わらないように維持するために、液体案内部品1とプリンター2のプリントヘッドを取り外し可能に接続設置することが好ましい(図7図8に、液体案内部品1とプリントヘッドの相対位置を示し、かつ両方の縁領域が対応して取り外し可能に接続設置された形態を示し、図7図8に示すように、液体案内部品1の両側辺はプリンター2の両側に対応して係止接続され、液体案内部品1とプリンター2はそれぞれ、接続具の一部を含み、液体案内部品1とプリンター2の接続方式は図7図8の方式に限定されず、当業者は必要に応じて設置方式を選択することができ、例えば、取り外し可能な接着、ねじ接続、キー接続、ピン接続、磁気接続等であることもでき、接続具は、独立して液体案内部品1に属するか、またはプリンター2に属することができ、または、液体案内部品1とプリンター2がいずれも接続具の一部を有することもできる)。
【0091】
ステップS106において、プリンター2のプリントヘッドと目標基板3が相対的に移動し、かつ液体案内部品1とプリンター2のプリントヘッドが相対的に静止するように制御し、各ノズル20と各出口端103が各第1目標サブ画素窪み301の上方を通過しかつ第1目標サブ画素窪み301に合わせられた時に第1インクを吐出して、第1インクが液体案内部品1の各液体案内溝(溝壁102に接触しないこともでき、溝壁102に接触することもできる)を介して目標基板3の各第1目標サブ画素窪み301内に入り、ここで、サブ画素窪み30が第1目標サブ画素窪み301を含む。
【0092】
この第3種類の選択可能な使用方法の上記の2つの使用方法との相違点は、液体案内部品1が一行または一列であって、プリントする際に、液体案内部品1とノズル20が一緒に同期運動し、即ち、両方が相対的に静止し、一方、両者が目標基板3に対しては運動し、このようにして目標基板3全体のプリントを完成することである。
【0093】
液体案内部品の使用方法は上述した3種類の形式に限定されず、当業者は画素発光色の領域設計等の状況に応じて、上記3種類の使用方法と本願による主な思想に基づいて、他の使用方法に組み合わせるかまたは変形することができ、これらの使用方法は本願の保護範囲に含まれる。
【0094】
上記3種類の状況での液体案内部品の使用方法で目標基板3の第1目標サブ画素窪み301のプリントを完成した後、第1目標サブ画素窪み301が目標基板3のうちの一部のサブ画素窪み30である可能性があるので、目標基板3のサブ画素窪み30の全部をプリントするには、他のサブ画素窪み30を第2目標サブ画素窪みとする必要がある。
【0095】
一つの選択可能な実施例において、各サブ画素窪み30は複数セットの目標サブ画素窪み301を含み、各セットの目標サブ画素窪み301はそれぞれ、複数行複数列のアレイ構造、一行の構造または一列の構造で配列され、第1インクを第1目標サブ画素窪み301内にプリントした後、上記使用方法は、さらに、プリント対象の1セットの目標サブ画素窪みを新たに第2目標サブ画素窪みとして設定し、第1インクをそれと異なる第2インクに入れ替えるとともに、液体案内部品1を入れ替え、入れ替えられた後の液体案内部品は第2インクに対応し、第2インクが液体案内部品を介して第2目標サブ画素窪みに伝送されて、目標基板3の各セットの目標サブ画素窪みのプリントを完成するまで、上記設置及び制御ステップを繰り返す。
【0096】
以下、一例として、発光素子の発光層を製造する際にプリントする目標基板3をTFT基板とし、目標基板3は複数行列のアレイ状に配列された画素ユニット31を含み(図7を参照)、各画素ユニット31は3つのサブ画素窪み30を含み、プリントする目標は、各画素ユニット31の3つのサブ画素窪み30をそれぞれ赤、緑、青の3種類の発光色にプリントするサブ画素窪み30であって、そうすると、この際、目標サブ画素窪み301は3種類であり、赤色目標サブ画素窪み(即ち、第1目標サブ画素窪み301)、緑色目標サブ画素窪み(第2目標サブ画素窪み、図7では具体的な位置は未図示)、青色目標サブ画素窪み(第3目標サブ画素窪み、図7では具体的な位置は未図示)に分けられることができる。
【0097】
まず、赤色インク(即ち、第1インク)を赤色目標サブ画素窪み(即ち、第1目標サブ画素窪み301)にプリントし、プリント方法は上述した3種類の状況のいずれか一つによってプリントすることができる。
【0098】
次に、赤色インクによるこの目標基板3上のすべての赤色目標サブ画素窪み301のプリントを完成した後、目標サブ画素窪みを赤色目標サブ画素窪み(即ち、第1目標サブ画素窪み301)から緑色目標サブ画素窪み(即ち、第2目標サブ画素窪み)に入れ替えるとともに、インクジェットプリンターの赤色インク(即ち、第1インク)を緑色インク(即ち、第2インク)に入れ替え、同様に上述した3種類の状況でこの緑色目標サブ画素窪みをプリントし、緑色目標サブ画素窪みをプリントする際、その前の赤色目標サブ画素窪みのプリントに使われた液体案内部品を用いることができるが、ただし、きれいに洗浄して乾燥状態を保持し、かつこの液体案内部品が緑色目標サブ画素窪みに適応すると確定できればよく、または、直接新しい適応する液体案内部品に入れ替えてから緑色目標サブ画素窪みのプリントを行うこともできる。
【0099】
最後に、緑色目標サブ画素窪み301をプリントした後、同様な方法で、第2インクを青色インク(即ち、第3インク)に入れ替えるとともに、目標サブ画素窪み301を青色目標サブ画素窪み(即ち、第3目標サブ画素窪み)に入れ替え、液体案内部品1を入れ替えるかまたは洗浄後の元の液体案内部品1を用いて、青色目標サブ画素窪みのプリントを完成すると、目標基板3全体のサブ画素窪み30のプリントを完成することになる。
【0100】
一の選択可能な実施例において、図7に示すように、目標基板3の一側の表面に複数の画素ユニット31を有し、各画素ユニット31は複数の同行または同列の隣接するサブ画素窪み30を含み、液体案内部品1の各出口端103の内側縁辺線の目標基板上の正投影は一つの目標サブ画素窪み301内に位置することができ、例えば出口端103が図7に示す円形であると、出口端103の内部の対応する円形辺の正投影は一つの目標サブ画素窪み301の底面内に位置し、または出口端103の内径は目標サブ画素窪み301の幅より小さいとも言える。
【0101】
液体案内部品1の各入口端101の外側縁辺線の目標基板上の正投影は一つの画素ユニット31内に位置することができ、同様に、例えば図7に示す入口端101の外部の円形辺の正投影は一つの画素ユニット31の内部に位置し、または、入口端101の外径は一つの画素ユニット31の幅以下であるとも言える。画素ユニット31は複数のサブ画素窪み30を含み、図7に示すように、この画素ユニット31は3つのサブ画素窪み30を含む。上記正投影とは、基板が位置する平面に垂直な方向に沿った物体の該基板での投影のことである。
【0102】
上記選択可能な実施例によると、液体案内部品1のサイズと目標サブ画素窪みと画素ユニット31のサイズとをお互いに合わせて、液体案内部品1の設置をさらに便利にし、プリントの正確率を向上させる。
【0103】
上述した使用方法において、プリンターと目標基板3との間に設置された液体案内部品1の位置もインクジェットプリントの効果に影響を与え、一つの選択可能な実施例において、インクを目標サブ画素窪み301に吐出する際、吐出されたインクが順調に目標サブ画素窪み301に入るように、液体案内部品1の各出口端103とその対応するサブ画素窪み30との距離をノズルとサブ画素窪み(底面)との間の距離hの1/n以下、即ちh/n以下に制御することでき、ここで、nは1より大きい整数である。nが一つの画素ユニット31のすべてのサブ画素窪み30の数以上であることが好ましい。そして、液体案内部品1の各出口端103とその対応するサブ画素窪み30との距離を(h/n)と開口率との積以下に制御することがさらに好ましく、上記開口率とは画素ユニットの総面積に占める一の画素ユニットのうちの光線が通過する部分の面積のパーセントのことである。
【0104】
上述した各出口端103とその対応するサブ画素窪み30との距離とは、出口端103とその対応するサブ画素窪み30の底面との縦方向(即ち、サブ画素窪みの底面が位置する平面に垂直な方向)での最小距離のことであり、当業者は実際の要求に応じて上記距離を設定することができる。
【0105】
上記実施例によると、各出口端とサブ画素窪み30の底面とが比較的に近いように調節して、両者を合わせて設置することを便利にし、サブ画素窪み30の底面に近いほど、出口端103から流出される液体のオフセットの発生可能性が低くなり、本願の上記方法も混色現象の発生を回避できる。
【0106】
一部の好適な実施例において、上記液体案内部品1の各出口端103とその対応するサブ画素窪み30との距離は画素隔離構造の高さ以上である。
【0107】
上記画素隔離構造の高さは、画素隔離構造の上面がサブ画素窪み30の底面から離れた距離であり、この画素隔離構造の高さは1~5μmであり、上記液体案内部品1の各出口端103とその対応するサブ画素窪み30との距離を画素隔離構造の高さより大きくすることで、液体案内部品が移動する場合、出口端103が上記画素隔離構造と衝突しにくいように確保できる。一部の実施例において、液体案内部品1の各出口端103とその対応するサブ画素窪み30との距離を1mm以下に制御することで、インク液滴が落下する際に受ける重力作用の影響を減少することができる。
【0108】
上述した液体案内部品1の各出口端103とその対応するサブ画素窪み30との距離は予め設定された距離であり、当業者は実際の要求に応じて該距離を設定することができる。
【0109】
上述した位置関係を調節する以外にも、液体案内部品の各入口端101とプリンターの各ノズル20との最小距離を0以上かつ1mm以下に制御することで、吐出されたインクが全部、液体案内部品1の各液体案内溝10に入るようにすることができるとともに、上記ノズル20と液体案内部品の入口端103との位置合わせの便宜を図ることもでき、この時、各入口端とノズル20とが取り外し可能に接続設置されることが好ましく、例えばすべての入口端の位置する領域の液体案内部品の縁部分が、ノズル20の位置するノズルプレートの縁部分に対応して取り外し可能に接続設置され(図7図8を参照)、ノズル20から吐出されたインク等の液体がそのまま対応する各入口端101に入る。
【0110】
なお、液体案内部品1とプリンター2の接続方式は図7図8の方式(係止接続方式)に限定されず、当業者は要求に応じて設置方式を選択することができ、例えば取り外し可能な接着、ねじ接続、キー接続、ピン接続、磁気接続等を選択することができる。取り外し可能に接続するための接続具は液体案内部品1の一部に属するか、またはプリンター2の一部に属することもでき、または液体案内部品1とプリンター2にそれぞれ接続具の一部を有することもできる。
【0111】
上述した各入口端101とプリンターの各ノズル20との最小距離とは、縦方向(即ち、ノズル20が位置する平面に垂直な方向)での最小距離のことであり、各入口端101の位置する平面と各ノズル20の位置する平面とは平行で、かつ2つの平面間の最小距離は上記要求を満たし、上記最小距離が0であると、上記2つの平面が重なると理解することができる。
【0112】
一部の好適な実施例において、液体案内部品の両側とプリンターとの接続箇所に位置調節具がさらに設置されて、液体案内部品とプリンターとの位置関係を多方向調節するために使われる。また、液体案内部品と各サブ画素窪み30の合わせ率をさらに向上させるために、上記使用方法において、液体案内部品1の入口端101とプリンターのノズル20とを合わせて設置する過程、または液体案内部品1の出口端103とプリント対象の目標基板3の各サブ画素窪み30とを合わせて設置する過程を含むことができ、または上記2つの過程を全部含むことができ、一つの好適な実施例において、合わせて設置する過程を液体案内部品に設置された位置合わせマークによって実現し、ここで、2つの位置合わせマークを含むことが好ましい。
【0113】
本願の他の一態様によるとインクジェットプリント部品をさらに提供し、このインクジェットプリント部品はプリントヘッドと液体案内部品とを含み、プリントヘッドは複数のノズル20を有し、ここで、プリントヘッドが少なくとも一つのインク溝と、インク溝の下方に設置されたノズルプレートとを含むことが好ましく、ノズルプレートは複数の上記ノズル20を含む。上記インクジェットプリント部品は上述した各実施例における液体案内部品を含み、この液体案内部品は少なくとも一つのこのノズルプレートまたはノズル20の下方に設置された液体案内溝を含み、各液体案内溝は少なくとも一つの入口端101と、少なくとも一つの出口端103と、入口端101と出口端103とを接続する溝壁102と、を含み、ここで、入口端101は、ノズル20から吐出されるインクの入口として少なくとも一つのノズル20に対向設置されて、出口端は、インクの出口として入口端101の下方に設置されている。
【0114】
上記液体案内部品はプリントヘッドまたはプリントヘッドのノズルプレートと取り外し可能に接続され、接続方式は接着または他の取り外し可能な接続方式であることができ、例えばねじ接続、キー接続、ピン接続、磁気接続等であることができる。これにより、液体案内部品がプリントヘッドと同期して運動することで、プリントヘッドのノズル20から吐出されたインクはそのまま液体案内部品の入口端に入ってから、液体案内部品の出口端から流出することができ、入口端と出口端を接続する溝壁が液体を伝送する作用を奏し、液体が出口端からずれる方向へ流れることを防止できる。
【0115】
液体案内部品を含むインクジェットプリント部品によると、インクの吐出後の運動方向を精確に制御することができ、インクジェットプリントの精度を向上させ、ノズル20から直接インクを吐出する従来の技術に比べると、インクがノズル20から排出された後の、外部からの不良要素の影響やプリンター自体の精度が低いことによるオフセットの発生現象を回避することができ、従来技術のインクジェットプリントによって製造された表示素子における隣接する画素の混色または画素抜けが発生しやすい課題を解決し、インクジェットプリントのプリント正確率を向上させる効果を実現する。
【0116】
上記インクジェットプリント部品における液体案内部品の液体案内溝10の設置方式は様々であることができ、例えば液体案内部品の複数の液体案内溝10のそれぞれは一つの入口端を共用することができ、図4に示すように、各液体案内溝10がそれぞれ独立して一つの入口端101と一つの出口端103を含むことが好ましく、各入口端101が各出口端103に一対一に対応し、ここで、各ノズル20が各入口端101と上下に合わせて設置されることが好ましく、このような設置方式によると、液体案内部品1とノズル20を合わせて設置することをさらに便利にし、生産と使用に便利である。
【0117】
本願の他の一態様によるとインクジェットプリンターをさらに提供し、このインクジェットプリンターは上述したいずれかの実施例のインクジェットプリント部品を含む。
【0118】
このインクジェットプリンターは、上述したインクジェットプリント部品を含むので、プリントする際の合わせ率を向上させ、プリントのオフセット率を低減し、外部からの吐出されたインクの予め設定された運動軌跡に対する不良影響を回避し、インクジェットプリンターのプリント性能を向上させる効果を実現できる。
【0119】
本願のさらなる他の一態様によるとインクジェットプリントシステムをさらに提供し、このインクジェットプリントシステムは上述したいずれかの実施例のインクジェットプリンターとプリント対象の目標基板とを含む。
【0120】
一つの選択可能な実施例において、インクジェットプリンターは、インクジェットプリント部品と目標基板とを相対的に移動させる移動ユニットをさらに含むことができる。インクジェットプリンターのノズルと液体案内部品は、相対的に移動するかまたは相対的に静止することもできる。これにより、インクジェットプリントシステムがプリントを実行する際、様々な実現可能なプリント方式を選択することができる。
【0121】
上述したプリントシステムにおいて、インクジェットプリンターは液体案内部品1を含み、液体案内部品1はプリントヘッドに接続して設置されるかまたは非接続に設置され、そして、目標基板3が液体案内部品1の下方に設置されて、プリントヘッドのノズルから吐出されたインクは、そのまま液体案内部品1の入口端101に入ってから、液体案内部品1の出口端103から流出され、最後にインクが目標基板3の対応する位置に流れ、入口端101と出口端103とを接続する溝壁102が液体を伝送する作用を奏し、液体が出口端からずれる方向へ流れることを防止できる。
【0122】
上記インクジェットプリントシステムによると、インクの吐出された後の運動方向を精確に制御して、インクジェットプリントの精度を向上させ、ノズルから直接インクを吐出する従来の技術に比べると、インクがノズルから排出された後の、外部からの不良要素の影響やプリンター自体の精度が低いことによるオフセットの発生現象を回避することができ、従来技術のインクジェットプリントによって製造された表示素子における隣接する画素の混色または画素抜けが発生しやすい課題を解決し、インクジェットプリントのプリント正確率を向上させる効果を実現する。
【0123】
本願のさらなる他の一態様によると光電素子をさらに提供し、この光電素子は一つまたは複数の膜層を含み、少なくとも一つの膜層は上述したいずれかの実施例の液体案内部品の使用方法で液体案内部品を用いて製造されたものである。上述した光電素子として、太陽電池、エレクトロルミネセンス素子、単一光子光源等を含むことができる。
【0124】
上記液体案内部品の使用方法で膜層の製造を行う際、液体案内部品を用いて吐出されたインク(インクは液体案内部品に接触することもでき、液体案内部品の内面に接触しないこともできる)を伝送または案内して、予め設定された軌跡に従って運動するように保護することで、他の外部要素による影響を減少または回避し、インクジェットプリントのプリント正確率を向上させ、オフセットによる混色または画素抜けの課題を回避し、製造された膜層が均一性に優れるようにし、生産歩留まりを向上させて、最終的に得られる、少なくとも一つの膜層を含む光電素子の全体的な発光均一性が優れている。
【0125】
本願のさらなる他の一態様によると光学素子をさらに提供し、この光学素子は一つまたは複数の膜層を含み、少なくとも一つの膜層は上述したいずれかの実施例の液体案内部品の使用方法で液体案内部品を用いて製造されたものである。この光学素子は量子ドットカラーフィルムによるもの、及び、それとLEDとを組合わせて使用する素子等を含む。
【0126】
上記実施例によると、光学素子の膜層が上記液体案内部品の使用方法で製造されたものであるため、各膜層の全体的な均一性が優れており、一部の膜層の抜けまたは隣接する膜層同士の混色の状況が発生することがないので、膜層を含む光学素子の光色が純粋で、均一に発光できる。
【0127】
本願のさらなる他の一態様によるとディスプレイをさらに提供し、このディスプレイは上述した光電素子を含み、この光電素子はエレクトロルミネセンスダイオードであることができ、またはこのディスプレイが上述した光学素子を含むことができる。
【0128】
上記実施例において、エレクトロルミネセンスダイオードのような光電素子を含むディスプレイは、バックライトを必要とせず、エネルギー消費が低く、応答が速く、軽量かつ薄くすることができ、そして、光電素子の発光均一性が優れているので、ディスプレイの表示効果が優れて、色域が高く、輝度が高く、均一性に優れる。上記光学素子を含む表示素子の場合、光学素子の光色が純粋で均一に発光できるので、対応する表示素子も良好な表示効果を有する。
【0129】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、当業者であれば本発明に様々な修正や変形が可能である。本発明の思想や原則の範囲での全ての修正、置換、改良などは本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0130】
1:液体案内部品、10:液体案内溝、101:入口端、102:溝壁、103:出口端、2:プリンター、20:ノズル、3:目標基板、30:サブ画素窪み、31:画素ユニット、301:第1目標サブ画素窪み。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8