(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】出口端照明を有する電子ベイピング装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20230414BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20230414BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20230414BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/40
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2020533704
(86)(22)【出願日】2018-12-24
(86)【国際出願番号】 EP2018086849
(87)【国際公開番号】W WO2019129765
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-24
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】カパレリ マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ダイアナ フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】トラン ナム
(72)【発明者】
【氏名】タッカー クリストファー エス
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/144966(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/017970(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3213257(JP,U)
【文献】登録実用新案第3210447(JP,U)
【文献】国際公開第2017/186477(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/144703(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
eベイピング装置用のカートリッジであって、前記カートリッジが、
貯蔵部を少なくとも部分的に画定する構造要素であって、前記貯蔵部がプレベイパー製剤を保持するように構成される、構造要素と、
前記貯蔵部から前記プレベイパー製剤を引き出し、前記引き出されたプレベイパー製剤を加熱して発生したベイパーを形成するように構成される、ベイパー発生装置と、
前記カートリッジの長軸方向軸に沿って延びるハウジングであって、前記貯蔵部および前記ベイパー発生装置を少なくとも部分的に囲み、先端および出口端を有し、前記ハウジングの内部を通した内部反射によって前記ハウジングの前記先端から前記ハウジングの前記出口端へと光を導くように構成される、ハウジングと、
前記ハウジングの前記出口端に結合された出口端インサートであって、前記ベイパー発生装置と流れ連通している少なくとも一つの出口を含み、前記発生したベイパーを前記少なくとも一つの出口を通して前記カートリッジの外へ方向付けるように構成され、前記導かれた光を放射するようにさらに構成される、出口端インサートと、を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記先端で、前記カートリッジの先端の開口部を通して前記カートリッジの外部にある光源から放射された光を受容するように構成される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記カートリッジの先端にある光源であって、前記受容した光の少なくとも一部分を放射するように構成される光源をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記光源が、複数の色のうちの選択された色を有する光を放射するように構成される、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記出口端インサートが、実質的に排他的に、前記出口端インサートの出口端表面を通して前記導かれた光を導くように構成され、前記出口端表面が、前記カートリッジの長軸方向軸に対して実質的に直交するように延びる、請求項1~4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記ハウジングおよび前記出口端インサートが、
単一の要素
である、請求項1~5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
少なくとも前記ハウジングが、前記カートリッジの前記長軸方向軸に対して実質的に直交する方向の可視光に対して透明である、請求項1~6のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
eベイピング装置であって、
カートリッジであって、前記カートリッジが、
貯蔵部を少なくとも部分的に画定する構造要素であって、前記貯蔵部が、プレベイパー製剤を保持するように構成される、構造要素、
前記貯蔵部から前記プレベイパー製剤を引き出し、前記引き出されたプレベイパー製剤を加熱して発生したベイパーを形成するように構成される、ベイパー発生装置、
前記カートリッジの長軸方向軸に沿って延びるハウジングであって、前記貯蔵部および前記ベイパー発生装置を少なくとも部分的に囲み、先端および出口端を有し、前記ハウジングの内部を通した内部反射によって前記ハウジングの前記先端から前記ハウジングの前記出口端へと光を導くように構成される、ハウジング、および、
前記ハウジングの前記出口端に結合された出口端インサートであって、前記出口端インサートが、前記ベイパー発生装置と流れ連通している少なくとも一つの出口を含み、前記出口端インサートが、前記発生したベイパーを前記少なくとも一つの出口を通して前記カートリッジの外へ方向付けるように構成され、前記出口端インサートがさらに、前記
導かれた光を放射するように構成される、出口端インサート、を含む、カートリッジと、
前記カートリッジに電力を供給して、前記ベイパー発生装置に前記発生したベイパーを形成させるように構成される、電源セクションと、を備える、eベイピング装置。
【請求項9】
前記カートリッジおよび前記電源セクションのうちの少なくとも一つに含まれる光源であって、前記電源セクションから受け取った電力に基づいて光を放射するように構成される光源をさらに含み、前記ハウジングが、前記ハウジングの前記先端で前記光源によって放射された前記光の少なくとも一部分を受容するように構成される、請求項8に記載のeベイピング装置。
【請求項10】
空気が前記eベイピング装置の少なくとも一部分を通して引き出されているとの判定に基づいて前記光源を作動させるように構成される制御回路であって、空気が前記eベイピング装置の少なくとも一部分を通して引き出されなくなった後、少なくとも特定の経過時間の間前記光源が作動したままとなるように構成される制御回路をさらに備える、請求項9に記載のeベイピング装置。
【請求項11】
前記光源が、特定の特性を有する光を放射するように構成され、前記特定の特性が、前記光の色および前記光の輝度のうちの少なくとも一つであり、
前記制御回路がさらに、
前記光源が、少なくとも閾値経過時間の間光を放射したとの判定、
前記貯蔵部内に保持される判定されたプレベイパー製剤の量、
前記電源セクション内に保持される判定された電荷の量、および、
前記ベイパー発生装置によって生成される発生したベイパーの大きさ、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記光源によって放射される前記光の前記特定の特性を制御するように構成される、請求項10に記載のeベイピング装置。
【請求項12】
前記出口端インサートが、実質的に排他的に、前記カートリッジの長軸方向軸に対して少なくとも部分的に直交するように延びる出口端表面を通して前記
導かれた光を導くように構成される、請求項8~11のいずれかに記載のeベイピング装置。
【請求項13】
前記ハウジングおよび前記出口端インサートが、
単一の要素
である、請求項8~12のいずれかに記載のeベイピング装置。
【請求項14】
少なくとも前記ハウジングが、前記カートリッジの前記長軸方向軸に対して実質的に直角を成す方向の可視光に対して透明である、請求項8~13のいずれかに記載のeベイピング装置。
【請求項15】
少なくとも前記電源セクションが、可視光に対して不透明なハウジングを含む、請求項8~14のいずれかに記載のeベイピング装置。
【請求項16】
前記電源セクションおよび前記カートリッジが互いに取り外し可能に結合されるように構成される、請求項8~15のいずれかに記載のeベイピング装置。
【請求項17】
前記電源セクションが再充電可能電池を含む、請求項8~16のいずれかに記載のeベイピング装置。
【請求項18】
eベイピング装置を動作させるための方法であって、前記方法が、
少なくとも閾値の空気の流れが少なくとも前記eベイピング装置の出口端インサートを通して引き出されていると判定することと、
前記判定に基づいて、前記eベイピング装置の内部を通る光を放射するために前記eベイピング装置の光源を制御することであって、これによって
前記光が前記eベイピング装置のハウジングの内部を通って前記出口端インサートに伝達される、制御することと、
前記出口端インサートが前記
伝達された光を放射することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記光源が、特定の特性を有する光を放射するように構成され、前記特定の特性が、前記光の色および前記光の輝度のうちの少なくとも一つであり、
前記制御することが、
前記光源が、少なくとも閾値経過時間の間光を放射したとの判定、
前記eベイピング装置の貯蔵部内に保持される判定されたプレベイパー製剤の量、
前記eベイピング装置の電源セクション内に保持される判定された電荷の量、および、
前記eベイピング装置の発熱体によって発生する発生したベイパーの大きさ、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記光源によって放射される前記光の前記特定の特性を制御することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記出口端インサートが、実質的に排他的に、前記eベイピング装置の長軸方向軸に対して少なくとも部分的に直交するように延びる出口端表面を通して前記
伝達された光を導くように構成される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記ハウジングおよび前記出口端インサートが、
単一の要素
である、請求項18、19、または20に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも前記ハウジングが、前記eベイピング装置の長軸方向軸に対して実質的に直角を成す方向の可視光に対して透明である、請求項18~21のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ベイピング装置、eベイピング装置、および不燃性ベイピング装置に関する。
eベイピング装置は、プレベイパー製剤を気化して、本明細書において「発生したベイパー」とも呼ばれる「ベイパー」を発生するヒーター要素を含む。
【背景技術】
【0002】
eベイピング装置は、装置内に配置された電源(再充電可能電池など)を含む。電池はベイパー発生装置に電気的に接続され、これによってその中のヒーター要素がプレベイパー製剤を発生したベイパーに変えるのに十分な温度まで加熱する。発生したベイパーは、出口を含む出口端インサートを通してeベイピング装置を抜け出る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの例示的な実施形態によると、eベイピング装置用のカートリッジは、貯蔵部を少なくとも部分的に画定する構造要素であって、貯蔵部がプレベイパー製剤を保持するように構成される、構造要素と、貯蔵部からプレベイパー製剤を引き出し、引き出されたプレベイパー製剤を加熱して発生したベイパーを形成するように構成される、ベイパー発生装置と、カートリッジの長軸方向軸に沿って延びるハウジングと、ハウジングに結合された出口端インサートとを含みうる。ハウジングは、貯蔵部およびベイパー発生装置を少なくとも部分的に囲みうる。ハウジングは、先端および出口端を有しうる。ハウジングは、ハウジングの内部を通した内部反射によってハウジングの先端からハウジングの出口端へと光を導くように構成されうる。出口端インサートは、ハウジングの出口端に結合されうる。出口端インサートは、ベイパー発生装置と流れ連通している少なくとも一つの出口を含みうる。出口端インサートは、発生したベイパーを少なくとも一つの出口を通してカートリッジの外へ方向付けるように構成されうる。出口端インサートはさらに、導光を放射するように構成されうる。
【0004】
ハウジングは、ハウジングの先端で、カートリッジの先端の開口部を通してカートリッジの外部にある光源から放射された光を受容するように構成されうる。
【0005】
カートリッジはさらに、カートリッジの先端に光源を含みうる。光源は、受容した光の少なくとも一部分を放射するように構成されうる。
【0006】
光源は、複数の色のうちの選択された色を有する光を放射するように構成されうる。
【0007】
出口端インサートは、実質的に排他的に、出口端インサートの出口端表面を通して導光を導くように構成されうる。出口端表面は、カートリッジの長軸方向軸に対して実質的に直交するように延びうる。
【0008】
ハウジングおよび出口端インサートは、個別の一体型の要素内に含まれてもよい。
【0009】
少なくともハウジングは、カートリッジの長軸方向軸に対して実質的に直交する方向の可視光に対して透明であってもよい。
【0010】
一部の例示的な実施形態によれば、eベイピング装置は、カートリッジおよび電源セクションを含んでもよい。カートリッジは、貯蔵部を少なくとも部分的に画定する構造要素であって、貯蔵部がプレベイパー製剤を保持するように構成される、構造要素と、貯蔵部からプレベイパー製剤を引き出し、引き出されたプレベイパー製剤を加熱して発生したベイパーを形成するように構成される、ベイパー発生装置と、カートリッジの長軸方向軸に沿って延びるハウジングと、ハウジングに結合された出口端インサートとを含みうる。ハウジングは、貯蔵部およびベイパー発生装置を少なくとも部分的に囲みうる。ハウジングは、先端および出口端を有しうる。ハウジングは、ハウジングの内部を通した内部反射によってハウジングの先端からハウジングの出口端へと光を導くように構成されうる。出口端インサートは、ハウジングの出口端に結合されうる。出口端インサートは、ベイパー発生装置と流れ連通している少なくとも一つの出口を含みうる。出口端インサートは、発生したベイパーを少なくとも一つの出口を通してカートリッジの外へ方向付けるように構成されうる。出口端インサートはさらに、導光を放射するように構成されうる。電源セクションは、カートリッジに電力を供給して、ベイパー発生装置に発生したベイパーを形成させるように構成されうる。
【0011】
eベイピング装置はさらに、カートリッジおよび電源セクションのうちの一つに含まれる光源を含んでもよい。光源は、電源セクションから受け取った電力に基づいて光を放射するように構成されうる。ハウジングは、ハウジングの先端で光源によって放射された光の少なくとも一部分を受容するように構成されうる。
【0012】
eベイピング装置はさらに、空気がeベイピング装置の少なくとも一部分を通して引き出されているとの判定に基づいて、光源を作動させるように構成される制御回路を含みうる。制御回路はさらに、空気がeベイピング装置の少なくとも一部分を通して空気引き出されなくなった後、少なくとも特定の経過時間の間光源を作動させたままとするように構成されうる。
【0013】
光源は、特定の特性を有する光を放射するように構成されうる。特定の特性は、光の色および光の輝度のうちの少なくとも一つとしうる。制御回路はさらに、光源が少なくとも閾値経過時間の間光を放射したとの判定、貯蔵部内に保持される判定されたプレベイパー製剤の量、電源セクションに保持される判定された電荷の量、ベイパー発生装置によって発生する発生したベイパーの大きさ、およびそれらの組み合わせに基づいて、光源によって放射される光の特定の特性を制御するように構成されうる。
【0014】
出口端インサートは、実質的に排他的に、カートリッジの長軸方向軸に対して少なくとも部分的に直交するように延びる出口端表面を通して導光を導くように構成されうる。
【0015】
ハウジングおよび出口端インサートは、個別の一体型の要素内に含まれてもよい。
【0016】
少なくともハウジングは、カートリッジの長軸方向軸に対して実質的に直角を成す方向の可視光に対して透明であってもよい。
【0017】
少なくとも電源セクションは、可視光に対して不透明なハウジングを含みうる。
【0018】
電源セクションおよびカートリッジは、互いに取り外し可能に結合されるように構成されうる。
【0019】
電源セクションは再充電可能電池を含み得る。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態によると、eベイピング装置を動作させるための方法は、少なくとも閾値の空気の流れが少なくともeベイピング装置の出口端インサートを通して引き出されていると判定することと、判定に基づいて、eベイピング装置の光源を制御してeベイピング装置の内部を通る光を放射し、これによって光がeベイピング装置のハウジングの内部を通って出口端インサートに伝達され、出口端インサートが導光を放射することとを含みうる。
【0021】
光源は、特定の特性を有する光を放射するように構成されうる。特定の特性は、光の色および光の輝度のうちの少なくとも一つとしうる。制御することは、光源が少なくとも閾値経過時間の間光を放射したとの判定、貯蔵部内に保持される判定されたプレベイパー製剤の量、eベイピング装置の電源セクションに保持される判定された電荷の量、eベイピング装置の発熱体によって発生する発生したベイパーの大きさ、およびそれらの組み合わせに基づいて、光源によって放射される光の特定の特性を制御することを含みうる。
【0022】
出口端インサートは、実質的に排他的に、eベイピング装置の長軸方向軸に対して少なくとも部分的に直交するように延びる出口端表面を通して導光を導くように構成されうる。
【0023】
ハウジングおよび出口端インサートは、個別の一体型の要素内に含まれてもよい。
【0024】
少なくともハウジングは、eベイピング装置の長軸方向軸に対して実質的に直角を成す方向の可視光に対して透明であってもよい。
【0025】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの例示的な実施形態によるeベイピング装置の側面図である。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aの、線IB-IB’に沿ったeベイピング装置の長軸方向の断面図である。
【
図1C】
図1Cは、
図1Aの、線IC-IC’に沿ったeベイピング装置の垂直方向の断面図である。
【
図1D】
図1Dは、いくつかの例示的な実施形態によるeベイピング装置の出口端の長軸方向の断面図である。
【
図1E】
図1Eは、いくつかの例示的な実施形態によるeベイピング装置の一部分の長軸方向の断面図である。
【
図2】
図2は、いくつかの例示的な実施形態に従って実施されうる動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0028】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるすべての修正、均等物、代替物を網羅するものである。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0029】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、またはそれを直接的に覆う場合があり、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0030】
第一の、第二の、第三のなどの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されないことが理解されるべきである。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0031】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する通り、一つの要素または特徴と別の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。当然のことながら、空間的関係の用語は、図中に描写されている向きに加えて、使用時または動作時に装置の異なる向きを包含することが意図されている。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0032】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0033】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。
【0034】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0035】
本明細書において「約」または「実質的に」という用語を数値と組み合わせて使用する場合、それに伴う数値が、述べられた数値の前後±10%の公差を含むということを意図する。さらに、本明細書において百分率に言及する場合、それらの百分率は重量に基づく、すなわち重量百分率であることが意図される。「最大~まで」という表現は、ゼロから、その表現した上限までの量およびそれらの間にあるすべての値を含む。範囲を特定する時、その範囲はそれらの間にあるすべての値(例えば0.1%ずつに異なる値)を含む。その上、「一般に」および「実質的に」という単語が幾何学的形状に関連して使用される時、その幾何学的形状の正確さは要求されないが、形状の許容範囲が本開示の範囲内であることが意図される。実施形態の管状要素は円筒状であってもよいが、正方形、長方形、楕円形、三角形、およびその他などの、その他の管状の断面形態も意図される。
【0036】
図1Aは、いくつかの例示的な実施形態によるeベイピング装置10の側面図である。
図1Bは、
図1Aの、線IB-IB’に沿ったeベイピング装置10の長軸方向の断面図である。
図1Cは、
図1Aの、線IC-IC’に沿ったeベイピング装置10の垂直方向の断面図である。
【0037】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、
図1A~1Bに示すように、電子ベイピング装置(eベイピング装置)10は、本明細書では「eベイピングタンク」とも呼ばれうる交換可能なカートリッジ(または第一のセクション)15と、再使用可能な電池セクション(または第二のセクション、本明細書では電源セクションとも呼ばれる)20とを含み、これらはそれぞれの境界面25A、25Bで互いに結合されうる。境界面25A、25Bは、第一のセクション15および第二のセクション20が互いに取り外し可能に結合されるように構成されるように、互いに取り外し可能に結合されるように構成されうる。当然のことながら、境界面25A、25Bの各境界面(本明細ではコネクタとも呼ばれる)は、滑り嵌め、戻り止め、締め金、バヨネット、留め金のうちの少なくとも一つを含む、任意のタイプの境界面であってもよい。
図1A~
図1Cに示す例示的な実施形態では、空気吸込み口27は、境界面25Bの一部を通って延びる。当然のことながら、いくつかの例示的な実施形態では、空気吸込み口ポート27は、例えば、境界面25Aを含む、eベイピング装置10の別個の一部分を通って延びてもよい。
【0038】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口ポート27は、第一のハウジング30、第二のハウジング30’、境界面25A、および境界面25Bのうちの少なくとも一つに形成されうる。いくつかの例示的な実施形態では、空気吸込み口ポート27は、その直径が厳密に制御され、製造中にeベイピング装置10を次から次へと複製するように、精密な工作設備を用いて加工されてもよい。
【0039】
いくつかの例示的な実施形態では、空気吸込み口ポート27は、超硬合金ドリルビットまたはその他の高精密な道具もしくは技術を用いて穴をあけられうる。いくつかの例示的な実施形態では、外側ハウジング30、30’の一方または両方は、空気吸込み口ポート27のサイズおよび形状が、製造作業、包装および蒸気の吸引の間に変化しなくなりうるように、金属または金属合金で形成されうる。従って、空気吸込み口ポート27は、一貫した引き出し抵抗(「RTD」)を提供しうる。いくつかの例示的な実施形態では、空気吸込み口ポート27は、eベイピング装置10が約60mm H2O~約150mm H2Oの範囲のRTDを有するように、サイズ設定され、また構成されうる。
【0040】
いくつかの例示的な実施形態では、境界面25A、25Bのうちの一つ以上の境界面は米国出願第15/154,439号(2016年5月13日出願)に記載されているコネクタでもよく、その内容全体を参照することによって本明細書に組み込む。米国出願第15/154,439号に記載の通り、境界面25A、25Bの境界面は深絞り加工処理によって形成されうる。
【0041】
いくつかの例示的な実施形態では、第一のセクション15は第一のハウジング30を含んでもよく、また第二のセクション20は第二のハウジング30’を含んでもよい。eベイピング装置10は、第一の端に出口端インサート35を含む。本明細書で言及されるように、eベイピング装置10の第一の端は、eベイピング装置10の出口端45と呼ばれうる。いくつかの例示的な実施形態では、出口端インサート35および第一のハウジング30は、一つ以上の方向の可視光に対して透明であってもよい。出口端インサート35および第一のハウジング30は、透明なプラスチック材料、透明なガラス材料、それらの組合せ等のうちの一つ以上を含む、透明材料を少なくとも部分的に含みうる。
【0042】
図1A~1Bを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、第一のセクション15は、プレベイパー製剤を保持するように構成される貯蔵部34を少なくとも部分的に画定する構造要素(本明細書では内側管32とも呼ばれる)と、貯蔵部34からプレベイパー製剤を引き出し、引き出されたプレベイパー製剤を加熱して発生したベイパーを形成するように構成される、ベイパー発生装置40と、カートリッジ15の長軸方向軸に沿って延びる第一のハウジング30と、第一のハウジング30の出口端31Bに結合された出口端インサート35とを含みうる。第一のハウジング30は、貯蔵部34およびベイパー発生装置40を少なくとも部分的に囲みうる。第一のハウジング30は、先端31Aおよび出口端31Bを有する。出口端インサート35は、くぼみ35Aと、少なくともくぼみ35Aを介してベイパー発生装置40と流れ連通している少なくとも一つの空気出口ポート36とを含みうる。出口端インサート35は、ベイパー発生装置40で発生した、発生したベイパーを少なくとも一つの空気出口ポート36を通して第一のセクション15の外へ方向付けるように構成されうる。
【0043】
いくつかの例示的な実施形態では、第一のハウジング30および第二のハウジング30’のうちの少なくとも一つは、第一のセクション15の長軸方向軸に対して実質的に直交する方向の可視光に対して透明である。いくつかの例示的な実施形態では、第二のハウジング30’および第一のハウジング30のうちの少なくとも一つは、可視光に対して不透明であってもよい。
【0044】
以下でさらに詳述するように、第一のハウジング30は、内部反射によって第一のハウジング30の内部を通して光を導くように構成されうる。例えば、
図1Bに示すように、第一のハウジング30は、第一のハウジング30の先端31Aで光92を受容してもよく、光92は、第一のハウジング30の表面間の内部反射光94の内部反射に基づいて、内部反射光94として、先端31Aからその出口端31Bへと第一のハウジング30の内部を通して導かれうる。
【0045】
図1Bに示すように、第一のハウジング30は、第一のハウジング30の先端31Aで光92を第一のハウジング30の内部に受容するように構成される先端部分33を含みうる。示されるように、先端部分33は、光92が第一のハウジング30の内部へと通過することを可能にするように構成され、これによって光が、内部反射光94として、第一のハウジング30の先端31Aから第一のハウジングの出口端31Bへと第一のハウジング30を通して内部反射される。
【0046】
以下にさらに詳述するように、内部反射光94は、第一のハウジング30の出口端31Bから出口端インサート35へと方向付けられ(放射され)てもよく、ここで光はさらに、出口端インサート35を通して導かれ、放射光96としてeベイピング装置10から放射されうる。
図1Bに示すように、放射光96は、出口端インサート35の出口端面35Bから少なくとも部分的に放射されてもよく、ここで出口端面35Bは、第一のセクションの長軸方向軸に対して少なくとも部分的に直交するように延びる。
【0047】
さらに
図1A~1Bを参照すると、第一のセクション15は、第一のセクション15内の環状の円筒形貯蔵部34の長軸方向の内側境界を画定する内側管32を含んでもよく、第一のハウジング30は貯蔵部34の長軸方向の外側境界を画定しうる。
図1Bにさらに示すように、出口端インサート35は、貯蔵部34の出口端境界を画定してもよく、第一のセクション15は、貯蔵部34の先端を画定する移動パッド38を含みうる。いくつかの例示的な実施形態では、第一のセクション15は、ガスケット組立品が貯蔵部34と出口端インサート35との間にあるように、貯蔵部34の出口端を画定するガスケット組立品(
図1A~1Cには図示せず)を含んでもよい。
【0048】
内側管32は、第一のセクション15を通って延びるチャネル42の少なくとも一部分を画定しうる。
図1Bに示すように、内側管32の先端は移動パッド38に結合され、これによって内側管32の先端が移動パッド38を通って延び、以下でさらに詳述するように、内側管32が、導管41Aと流体連通しているチャネル42を画定する。
図1Bにさらに示すように、内側管32の出口端は、空気出口ポート36が流体連通しているくぼみ35Aで出口端インサート35と結合され、これによって内側管32が、空気出口ポート36と流体連通しているチャネル42を画定する。
【0049】
貯蔵部34は、第一のセクション15を継続的に再使用するために、任意の市販のプレベイパー製剤を使用して貯蔵部開口部を介して再充填可能であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、貯蔵部開口部が出口端インサートに含まれ、第一のセクション15の外部から貯蔵部34へのアクセスを可能にする。
【0050】
図1Bに示すように、移動パッド38は、ハウジング30とのシールを提供し、さらに、貯蔵部34および移動パッド38の対向する(出口端および先端)表面から、以下に詳述する分配境界面41へとプレベイパー製剤を輸送するように構成される。
【0051】
いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38は複数の繊維を含む。複数の繊維の各繊維は、eベイピング装置10の長軸方向軸に対して実質的に平行であってもよい。移動パッド38は、ポリプロピレンおよびポリエステルのうちの少なくとも一つで形成されうる。移動パッド38は、溶融吹き付け工程によって形成されてもよく、溶融吹き付け工程では、マイクロ繊維およびナノ繊維のうちの少なくとも一つが、高速吹き付けガス、または空気によって囲まれた小さなノズルを通して溶融および押出成形された少なくとも一つのポリマーから形成される。溶融吹き付け工程で使用されるポリマーは、帯電防止剤、潤滑剤、結合剤、または界面活性剤などの加工助剤を含まない。従って、ポリマーは実質的に純粋であり、移動パッド38はプレベイパー製剤に対して不活性である。いくつかの実施形態では、ポリマーは、帯電防止剤、潤滑剤、結合剤、および界面活性剤のうちの少なくとも一つなど、加工助剤と混合されてもよい。移動パッド38は、Essentra PLCから入手されうる。
【0052】
いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38は外側壁を含む。外側壁は、その上にある被覆を有してもよく、被覆は、漏れを減少する、または移動パッド38と第一のハウジング30の内表面との間のシールを形成するのを助ける。いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38は複数のチャネルを含む。複数のチャネルのそれぞれは、複数の繊維の隣接した繊維間にある。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態では、複数の繊維の約50%~約100%(例えば、約55%~約95%、約60%~約90%、約65%~約85%、または約70%~約75%)が、実質的にeベイピング装置10の長軸方向軸に延びる。いくつかの例示的な実施形態では、複数の繊維の約75%~約95%(例えば、約80%~約90%、または約82%~約88%)が、実質的に長軸方向軸に延びる。
【0054】
移動パッド38は概して円筒形状またはディスク形状であってもよいが、移動パッドは円筒形状またはディスク形状の形態に限定されず、移動パッドの形状は貯蔵部およびハウジングの形状に依存しうる。移動パッド38の外径は、約3.0mm~約20.0mm(例えば、約5.0mm~約18.0mm、約7.0mm~約15.0mm、約9.0mm~約13.0mm、または約10.0mm~約12.0mm)の範囲でありうる。
【0055】
いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38は、チャネルが第一のハウジング30の長軸方向軸に対してほぼ横断する(第一のハウジング30の長軸方向軸がeベイピング装置10の長軸方向軸でありうる)ように配向される。いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38は、チャネルが第一のハウジング30の長軸方向軸に対して横断方向に延びないように配向される。
【0056】
理論に束縛されるものではないが、プレベイパー製剤は、チャネルを通して移動し、チャネルの直径は、液体表面張力および貯蔵部内の加圧が、プレベイパー製剤を漏れることなくチャネル内に移動させる、および保持するようなものであると考えられる。
【0057】
ハーゲン・ポイズユイユの式および毛細管作用の原理に基づいて、チャネルを通るプレベイパー製剤の流量は、チャネル空孔サイズおよび液体表面張力に正比例すると考えられる。さらに、チャネルを通るプレベイパー製剤の流量は、液体粘度およびチャネル長さに反比例すると考えられる。
【0058】
いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38は、約0.08g/cc~約0.3g/cc(例えば、約0.01g/cc~約0.25g/cc、または約0.1g/cc~約0.2g/cc)の範囲の密度を有する。移動パッド38は、約0.5ミリメートル(mm)~約10.0mm(例えば、約1.0mm~約9.0mm、約2.0mm~約8.0mm、約3.0mm~約7.0mm、または約4.0mm~約6.0mm)の範囲の長さを有する。いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38の密度が増加するにつれて、移動パッドの長さが減少する。従って、上記で参照した範囲内の低密度を有する移動パッド38は、高い密度を有する移動パッド38よりも長くなりうる。
【0059】
いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38は、約5.0mm~約10.0mmの長さ、および約0.08g/cc~約0.1g/ccの密度を有する。
【0060】
いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38は、約0.5mm~約5.0mmの長さ、および約0.1g/cc~約0.3g/ccの密度を有する。
【0061】
いくつかの例示的な実施形態では、移動パッド38の密度および長さのうちの少なくとも一つは、それを通って流れる液体の粘度に基づいて選ばれる。さらに、移動パッド38の密度は、所望の蒸気質量、プレベイパー製剤流量の望ましい流量等に基づいて選ばれる。
【0062】
図1Bに示すように、ベイパー発生装置40は、貯蔵部34からプレベイパー製剤を引き出すように構成される分配境界面41、および引き出されたプレベイパー製剤を気化して、発生したベイパーを形成するように構成される発熱体43を含む。
【0063】
分配境界面41は、移動パッド38に結合され、これによって分配境界面41が移動パッド38の先端側の少なくとも一部上に横断方向に延びうる。上述の通り、移動パッド38は、プレベイパー製剤を貯蔵部34から移動パッド38の先端側へと輸送するように構成される。したがって、分配境界面41は、移動パッド38を介して貯蔵部34と流体連通している。その結果、分配境界面41は、プレベイパー製剤を貯蔵部34から移動パッド38を通して発熱体43へと輸送するように構成される。
【0064】
発熱体43は、熱を生成するよう構成される。
図1Bに示すように、発熱体43は、分配境界面41の先端側に結合され、分配境界面41の先端側の表面に沿って延びうる。
【0065】
分配境界面41は、プレベイパー製剤を移動パッド38から引き出すように構成され、これによってプレベイパー製剤は、発熱体43による分配境界面41の加熱に基づいて、分配境界面41から気化されうる。
【0066】
ベイピングの間、プレベイパー製剤は、分配境界面41の毛細管作用によって、貯蔵部34および貯蔵媒体のうちの少なくとも一つから発熱体43の近傍に移動しうる。示されるように、発熱体43は、配境界面41の先端側に沿って少なくとも部分的に延びてもよく、これによって発熱体43が作動して熱を発生した時に、分配境界面41の先端側の近位にある、分配境界面41の一部分内のプレベイパー製剤が発熱体43によって気化されて発生したベイパーを形成しうる。
【0067】
図1Bに示すように、分配境界面は、分配境界面41を通って延び、内側管32のチャネル42と流体連通している導管41Aを含む。
【0068】
さらに
図1Bを参照すると、第一のセクション15は、ベイパー発生装置40の裏面(先端)部分に内部空間44を含む。内部空間44は、第一のハウジング30、境界面25A、およびベイパー発生装置40によって少なくとも部分的に画定される。内部空間44は、チャネル42と、内部空間44とeベイピング装置10の外部との間に延びうる一つ以上の空気吸込み口ポート27との間の連通を確実にする。したがって、導管41Aは、内部空間44を介して空気吸込み口ポート27とチャネル42との間の流体連通を確立し、それによって空気が空気吸込み口ポート27からチャネル42内に引き出されることを可能にする。
【0069】
いくつかの例示的な実施形態では、発熱体43が、貯蔵部34から分配境界面41内に引き出されたプレベイパー製剤の少なくとも一部を気化するのに基づいて、ベイパー発生装置40によって発生する発生したベイパーは、空気吸込み口ポート27からチャネル42内に引き出された空気中に少なくとも部分的に混入されうる。その結果、発生したベイパーは、チャネル42を通してくぼみ35Aへと引き出されうる。その後、発生したベイパーは、出口端インサート35の空気出口ポート36を介してeベイピング装置から引き出されうる。
【0070】
図1A~1Cを参照すると、第一のセクション15は、第一のハウジング30および内側管32に結合された出口端インサート35を含み、これによって出口端インサート35が、貯蔵部34の出口端側を画定すると共に、くぼみ35Aと出口端端インサート35の空気出口ポート36との間とチャネル42との流体連通を確立する。いくつかの例示的な実施形態では、第一のセクション15はさらに、出口端インサート35と内側管32との間にガスケット組立品を含んでもよく、これによって出口端インサート35が第一のハウジング30に接続され、ガスケット組立品を通って延びる一つ以上の導管を介してチャネル42と流体連通する。
【0071】
図1A~1Cに示すように、出口端インサート35は、出口端インサート35を少なくとも部分的に通って延びる一つ以上の空気出口ポートポート36を含む。さらに示されるように、出口端インサート35は、空気出口ポート36に接続されたくぼみ35Aを含みうる。示されるように、出口端インサート35は、くぼみがチャネル42の出口端と直接流体連通し、それによってくぼみ35Aを介して空気出口ポート36とチャネル42との間の流体連通を確立するように、内側管32に結合されうる。その結果、チャネル42を通してeベイピング装置10の出口端に向かって引き出された空気は、くぼみ35Aおよび一つ以上の空気出口ポート36を介してeベイピング装置から引き出されうる。
【0072】
さらに
図1A~1Cを参照すると、出口端インサート35は、第一のハウジング30の内部を通して導かれた内部反射光94を受容し、受容した光を出口端インサート35の内部の少なくとも一部分を通して導き、導光を反射光96として出口端インサート35の少なくとも一つの表面を通して放射するように構成されうる。
【0073】
例えば、
図1Bに示すように、出口端インサート35は、第一のハウジング30の出口端インサート35と出口端31Bとの間の境界面で第一のハウジング30から内部反射光94を受容しうる。出口端インサート35はさらに、内部反射、屈折、伝達等のうちの一つ以上に基づいて受容した光を出口端インサート35の出口端表面35Bに導いて、それによって光が放射光96として放射されることを可能にしてもよく、これによって光96が、出口端表面35Bに対して直交するまたは実質的に直交する一つ以上の方向に放射される。いくつかの例示的な実施形態では、光は、出口端インサート35の一つ以上の外側側壁を通して少なくとも部分的に放射されうる。いくつかの例示的な実施形態では、出口端インサート35は、実質的に排他的に、第一のセクション15の長軸方向軸に対して少なくとも部分的に直交するように延びる出口端表面35Bを通して受容した光を導くように構成される。
【0074】
以下にさらに詳述するように、内部反射によって第一のハウジング30を通して導かれ、放射光96として出口端インサート35の表面を通して放射される内部反射光94は、eベイピング装置10の出口端から、情報の一つ以上のインスタンスの表示を成人eベイピング装置使用者に提供しうる。例えば、以下にさらに詳述するように、第一のハウジング30によって受容され、それを通して導かれる光92は、光源によってeベイピング装置10内に放射されうるが、ここで光源は、特定の情報に関連付けられた一つ以上の特定の特性を有する光92を放射し、これによって放射光96が特定の情報を放射光96を観察する成人eベイピング装置使用者に示す。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態では、eベイピング装置10は、eベイピング装置10の出口端45が成人eベイピング装置使用者の近位にあり、先端50が成人ベイパー吸引者の遠位にあるように、成人eベイピング装置使用者によって操作されうるように構成されうる。eベイピング装置10は、内部反射光94が内部反射によって第一のハウジング30の内部を通して導かれるのに基づいて、出口端インサート35の表面を通して放射光96を放射するように構成されうるため、光96は、eベイピング装置10を操作している成人eベイピング装置使用者に向けて放射されうる。
【0076】
したがって、放射光96が放射されて情報の表示を成人eベイピング装置使用者に提供する場合、出口端インサート35を通して光96を放射するように構成されるeベイピング装置10は、情報表示光96の改善された視認性をeベイピング装置10を操作している成人eベイピング装置使用者に提供し、それによって、eベイピング装置10が情報をeベイピング装置10を操作している成人eベイピング装置使用者に伝達する能力を改善するように構成されうる。
【0077】
さらに、eベイピング装置10は、eベイピング装置10の出口端インサート35から光96を放射するように構成されるため、eベイピング装置10は、成人eベイピング装置使用者が位置する近位環境の他の(例えば、成人ベイパー吸引者から離れた)部分に対する放射光96の視認性を低減するように構成される。
【0078】
その結果、周囲環境に対する放射光96の伝達が少なくとも部分的に成人eベイピング装置使用者に制限され、それによって、放射光96によって伝達される情報の受信者を、出口端45が近位にある成人eベイピング装置使用者に少なくとも部分的に制限しうる。さらに、周囲環境に対する放射光96の低減された伝達により、放射光96の観測性がeベイピング装置を操作している成人eベイピング装置使用者に少なくとも部分的に制限されうるため、成人eベイピング装置使用者に対するプライバシーが改善されうる。
【0079】
さらに
図1Bを参照すると、eベイピング装置10は、少なくとも発熱体43を第二のセクション20に含まれる電源12に電気的に結合しうる電気経路48A、48Bを含む。電気経路48A、48Bは、一つ以上の電気コネクタを含みうる。いくつかの例示的な実施形態では、境界面25A、25Bが互いに結合されると、発熱体43および電源12は、電気経路48A、48Bを介して互いに電気的に結合されうる。
【0080】
いくつかの例示的な実施形態では、境界面25A、25Bのうちの一つ以上は、境界面25A、25Bが互いに結合されると、結合された境界面25A、25Bが発熱体43と電源12を互いに電気的に結合するように、陰極コネクタおよび陽極コネクタのうちの一つ以上を含む。
【0081】
境界面25A、25Bが互いにに結合されると、第一のセクション15および第二のセクション20を通る一つ以上の電気回路が確立されうる(「閉じられる」)。確立された電気回路は、少なくとも発熱体43、制御回路11、電源12、および光源14を含みうる。電気回路は、電気経路48A、48B、境界面25A、25B、およびセンサー13のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0082】
さらに
図1Aおよび
図1Bを参照すると、第二のセクション20は、長軸方向に延びる第二のハウジング30’と、eベイピング装置10の自由端または先端50に隣接する空気吸込み口ポート27Aを介して第二のセクション20に引き込まれる空気に反応するセンサー13と、少なくとも一つの電源12と、制御回路11と、光源14とを含む。電源12は再充電可能電池を含み得る。センサー13は、圧力センサー、微小電気機械システム(MEMS)センサー等のうち一つ以上であってもよい。
【0083】
いくつかの例示的な実施形態では、電源12は、イーベイピング装置10内で陽極が陰極の下流となるように配置された電池を含む。電気経路48Bに含まれるコネクタ素子は、電池の下流端に接触してもよい。発熱体43は、別個の、それぞれの電気経路48A、48B、境界面25A、25B、センサー13、光源14、および制御回路11のうちの少なくとも一つに含まれる少なくとも二つの間隙を介した電気リード線によって電源12に結合されうる。
【0084】
電源12は、リチウム-イオン電池またはその別形のうちの一つ、例えばリチウム-イオンポリマーバッテリーでもよい。あるいは、電源12は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。イーベイピング装置10は、電源12のエネルギーが消耗されるまで、またはリチウムポリマー電池の場合には、最小の電圧カットオフレベルが達成されるまで、成人イーベイピング装置使用者によって有用であり得る。
【0085】
さらに、電源12は再充電可能であってもよく、外部充電装置による電池の充電を可能にする回路を含んでもよい。イーベイピング装置10を再充電するために、ユニバーサルシリアルバス(USB)充電器またはその他の適切な充電器組立品が用いられ得る。
【0086】
第一のセクション15と第二のセクション20との間の接続が完了すると、電源12は、センサー13の作動に伴い、ベイパー発生装置40の発熱体43に電気的に接続されうる。空気は主に、一つ以上の空気吸込み口ポート27を通して第一のセクション15の中へと引き出される。一つ以上の空気吸込み口ポート27は、第一のセクション15と第二のセクション20の第一のハウジング30と第二のハウジング30’に沿って、または結合される境界面25A、25Bのうち一つ以上に位置しうる。
【0087】
センサー13は、空気圧力の降下を感知し、電源12からベイパー発生装置40の発熱体43への電圧の印加を開始するよう構成されうる。さらに、少なくとも一つの空気吸込み口ポート27Aは、センサー13が、eベイピング装置10の出口端を通して引き出されたベイパーを示す気流を感知しうるように、センサー13に隣接して位置されうる。センサー13は、電源12および光源14を作動させうる。
【0088】
図1Bを参照すると、eベイピング装置10は、発熱体43が作動した時に点灯するように構成される光源14を含みうる。光源14は発光ダイオード(LED)を含んでもよい。示されるように、光源14は、第二のセクション20の出口端の近位に位置しうる。例えば、光源14は、制御回路11に結合されてもよい。示されるように、光源14は、境界面25Aと25Bとの間の境界面の開口部を通過する光92を放射するように構成されてもよく、これによって光92が第一のセクション15の先端の開口部を通して第一のセクション15に入り、内部空間44を通って、第一のハウジング30の先端31Aの先端部分を介して第一のハウジング30内部に受容される。
【0089】
いくつかの例示的な実施形態では、センサー13は、eベイピング装置10内の気流の大きさおよび方向を示す出力を生成するよう構成される。制御回路11は、センサー13の出力を受信し、(1)センサー13と流れ連通している気流の方向が吹き出し(例えば、eベイピング装置10の外部からチャネル42への出口端インサート35を通る流れ)に対する出口端インサート35での引き出し(例えば、チャネル42からeベイピング装置10の外部への出口端インサート35を通る流れ)を示すかどうか、および(2)引き出しの大きさ(例えば、気流の速度、流量、質量流量、それらのいくつかの組み合わせ等)が閾値レベルを超えるかどうかを判定する。制御回路11が、センサー13と流れ連通している気流の方向が吹き出し(例えば、eベイピング装置10の外部からチャネル42への出口端インサート35を通る流れ)に対する出口端インサート35での引き出し(例えば、チャネル42からeベイピング装置10の外部への出口端インサート35を通る流れ)を示し、引き出しの大きさ(例えば、気流の速度、流量、質量流量、それらのいくつかの組み合わせ等)が閾値レベルを超えると判定する時に、制御回路11は、電源12を発熱体43に電気的に接続し、それによってベイパー発生装置40を作動させうる。すなわち、発熱体43が電源12に電気的に接続されるように、制御回路11は、閉回路における電気経路48A、48Bを選択的に電気的に接続しうる(例えば、制御回路11に含まれるヒーター電力制御回路を作動させることによって)。いくつかの例示的な実施形態において、センサー13は、圧力降下を示してもよく、制御回路11は、それに応答してベイパー発生装置40を作動させうる。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、時間リミッターを含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、成人電子ベイピング使用者がベイピングを開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。ベイパー発生装置40の発熱体43への電流供給の時間は、気化させたいプレベイパー製剤の所望の量に応じて設定もしくは予め設定されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、センサー13は、圧力降下を検出することができ、制御回路11は、ヒーター作動条件を満たす限り、発熱体43に電力を供給しうる。こうした条件は、一つ以上のセンサー13が、少なくとも閾値の大きさを満たす圧力降下を検出し、制御回路11が、センサー13と流れ連通している気流の方向が吹き出し(例えば、eベイピング装置10の外部からチャネル42への出口端インサート35を通る流れ)に対する出口端インサート35での引き出し(例えば、チャネル42からeベイピング装置10の外部への出口端インサート35を通る流れ)を示し、引き出しの大きさ(例えば、気流の速度、流量、質量流量、それらのいくつかの組み合わせ等)が閾値レベルを超えると判定することを含みうる。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、最大時間リミッターを含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、成人eベイピング装置使用者がベイピングを開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。発熱体43への電流供給の時間は、気化したいと考えるプレベイパー製剤の量に応じて(例えば、発熱体43への電力供給を制御する前に)、所定であってもよい、または別の方法では予め設定されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、センサー13が圧力降下を検出する限り、発熱体43への電力供給を制御することができる。
【0092】
さらに
図1Bを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、光源14への電力の供給を制御して、光源14によって放射される光92の一つ以上の特定の特性を制御するように構成され、これによって放射光92が、放射光96として放射された時に、放射光の一つ以上の特定の特性に基づく情報を伝達する。光の一つ以上の特定の特性は、放射光92の色温度、放射光92の輝度、および光源14によって光92が放射される時間(「経過時間」)のうちの少なくとも一つを含みうる。本明細書で言及されるように、放射光の「色温度」は、放射光の「色」と呼ばれうる。
【0093】
制御回路11は、eベイピング装置10に関連付けられた一つ以上の特性を監視しうる。例えば、制御回路11は、貯蔵部34内に保持されるプレベイパー製剤の量、電源12内に保持される電気エネルギーの量(「電荷」)、ベイパーを発生する一つ以上の個々のインスタンの間にベイパー発生装置40によって発生する発生したベイパーの大きさ、eベイピング装置10の少なくとも一部分を通る空気の流量、それらの組み合わせ等を判定(「監視」、「追跡」、「計算」等)しうる。eベイピング装置10に関連付けられたこうした特性は、本明細書では「eベイピング装置特性」と呼ばれうる。制御回路11は、eベイピング装置10の通信インタフェースを通して受信された情報を含む、eベイピング装置10内で一つ以上のセンサーによって生成されたセンサーデータの処理に基づいて、一つ以上のeベイピング装置特性を監視しうる。
【0094】
いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、光源14への電力の供給を制御して、光源14によって放射される光92の一つ以上の特性を制御してもよく、これによって放射光92が、制御回路11によって監視された一つ以上のeベイピング装置特性に対応する特性を有する。
【0095】
本明細書で言及されるように、光92の特性は、放射光96の特性と同一または実質的に同一(例えば、製造許容差または材料許容誤差内で同一)でありうる。したがって、制御回路11は、eベイピング装置10が、一つ以上のeベイピング装置特性に対応する一つ以上の特性を有する放射光96を放射することを可能にしうるが、これによってeベイピング装置10が、第一のセクション15の出口端45を観察する成人eベイピング装置使用者に、eベイピング装置10の一つ以上の特性を示す情報を伝達しうる。
【0096】
一実施例において、制御回路11は、電力を発熱体43に供給してベイパーを発生させると判定すること、および一つ以上の監視されたeベイピング装置特性が少なくとも一つ以上の閾値を満たす、または一つ以上の範囲内にあると判定することの両方に基づいて、光源14が、一つ以上のeベイピング装置特性に対応するために制御回路11によって判定された一つ以上の特性を有する光92を放射するように、光源14への電力の供給を制御しうる。
【0097】
特定の値間またはその値の範囲間の対応を含む、様々な光92特性と、様々なeベイピング装置特性との間の対応(「関連」、「関係」等)は、ルックアップテーブルに格納されてもよく、これがさらにメモリに格納されてもよい。メモリは、制御回路11内を含む、eベイピング装置10内に含まれてもよい。制御回路は、センサー装置からのデータの処理に基づいてeベイピング装置特性の値を判定すると、ルックアップテーブルにアクセスして、光源14によって放射される光92の少なくとも一つの特性の対応する特性値を判定しうる。制御回路11はさらに、光源14に供給される電力の一つ以上の対応する特性を判定して、光源14に、ルックアップテーブルにおける特定された少なくとも一つの特性を有する光92を放射させうる。
【0098】
一実施例では、制御回路11は、ベイパー発生装置40によってベイパーが発生するのに基づいて、光源14に特定の色温度および輝度を有する光92を放射させるように構成されうる。色温度の範囲内の放射光92の色温度は、電源12内に保持される電荷の量に比例しうる。光92の輝度は、貯蔵部34内に保持されるプレベイパー製剤の量に比例しうる。したがって、放射光92の色温度および輝度、ひいては放射光96の色温度および輝度は、電源12内の電荷の量および貯蔵部34内に保持されるプレベイパー製剤の量の両方を示す情報を伝達しうる。
【0099】
別の実施例では、制御回路11は、ベイパー発生装置40によってベイパーが発生するのに基づいて、光源14に特定の色温度および輝度を有する光92を放射させるように構成されうる。色温度の範囲内の放射光92の色温度は、貯蔵部34内に保持されるプレベイパー製剤に含まれる、色温度の範囲内の別個の色温度に対応する一組の風味剤のうちの特定の風味剤に対応しうる。光92の輝度は、貯蔵部34内に保持されるプレベイパー製剤の量に比例しうる。したがって、放射光92の色温度および輝度、ひいては放射光96の色温度および輝度は、貯蔵部34内に保持されているプレベイパー製剤に関連付けられた風味剤および貯蔵部34内に保持されているプレベイパー製剤の量の両方を示す情報を伝達しうる。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態では、光源14によって放出される光92、ひいては出口端インサート35の表面によって放射される放射光96の特性は、その間に光92が光源14によって放射される経過時間でありうる。例えば、制御回路11は、電源12内に保持される電荷の量、貯蔵部34内に保持されるプレベイパー製剤の量、それらの組み合わせ等に比例する、特定の期間の間、光源14に光92を放射させるように構成されうる。本明細書で使用される場合、別の値に「比例する」値とは、「反比例する」、「正比例する」等を含む、二つの値間の様々なタイプの関係を含みうる。
【0101】
いくつかの例示的な実施形態では、制御回路は、センサー13から受信したデータに基づいて、ベイパーが発生されると判定すると、発熱体43および光源14の両方に対する電力の供給を、同時に、または制御シーケンスに応じて制御しうる。上述の通り、制御回路11は、光源14への電力の供給を制御して、光源14に、eベイピング装置10の一つ以上の監視された特性に対応する一つ以上の特定の特性を有する光92を放射させうる。制御回路11は、光源14に特定の期間の間光92を放射させうる。
【0102】
制御回路11は、光源14によって光が放射される経過時間量を監視しうる。いくつかの例示的な実施形態では、制御回路11は、光源14への電力の供給を制御して、光源14に一連の光92を放射させうるが、ここで放射光92の各別個のインスタンスは、制御シーケンスに応じて異なる特性を有する。したがって、制御回路11は、光源14を制御して、様々なeベイピング装置特性に関連付けられた情報の様々なインスタンスを伝達する光92の様々なインスタンスを放射しうる。本明細書で言及されるように、所与の光の「インスタンス」とは、特定の組の特性を有する光の特定の連続的な放射を指す。
【0103】
制御回路11は、光源14を制御して、第一の組の監視されたeベイピング装置特性の一つ以上の特性値に対応する一つ以上の特定の特性を有する光の第一のインスタンス(「第一の光」)を放射しうる。制御回路11は、光源14に特定の経過時間の間第一の光を放射させうるが、ここで特定の経過時間は、光の第一のインスタンスに関連付けられてもよく、または、第一の組の監視されたeベイピング装置特性における一つ以上の監視されたeベイピング装置特性の判定された値に基づいて判定された経過時間の大きさであってもよい。
【0104】
その後、制御回路11は、光源14を制御して、一つ以上の追加的な組の監視されたeベイピング装置特性に対応する一つ以上の異なる特性を有する光の一つ以上の追加的なインスタンス(「一つ以上の追加的な光」)を放射しうる。制御回路11は、光源14に、別個の特定の経過時間の間光の追加的なインスタンスを放射させうるが、ここで別個の特定の経過時間は、光の追加的なインスタンスに関連付けられてもよく、または、追加的な組の監視されたeベイピング装置特性における一つ以上の監視されたeベイピング装置特性の判定された値に基づいて判定された経過時間の大きさであってもよい。
【0105】
したがって、制御回路11は、光源14によって放射される光92の特性を制御することによって、eベイピング装置10が比較的広範囲の情報を伝達することを可能にしうる。
【0106】
上述の通り、制御回路11は、制御シーケンスにおいて光源14によって放射される光92の各インスタンスを、特定の量の経過時間(「経過時間」)に関連付けうる。上述の通り、放射光の特定のインスタンスに関連付けられた経過時間の大きさは、eベイピング装置10の一つ以上の監視されたeベイピング装置特性に基づいて制御されてもよく、これによってその間に光92の特定のインスタンスが放射される時間の量さえもが一つ以上の監視された特性に関する情報を伝達しうる。
【0107】
光源14を制御して光92の特定のインスタンス(例えば、一つ以上の特定の特性を有する光92)を放射するのに伴い、制御回路11は、光源14が、光92の特定のインスタンスに関連付けられた特定の経過時間の間光92の特定のインスタンスを放射することを可能にしうる。
【0108】
放射された光のインスタンスに関連付けられた特定の経過時間が経過したとの判定に応答して、制御回路11は、光源14を制御して、eベイピング装置10の異なる組の監視されたeベイピング装置特性に対応する異なる特性(例えば、色温度または輝度のうちの少なくとも一つ)を有する、光の異なるインスタンスを、光の異なるインスタンスに関連付けられた異なる経過時間の間放射しうる。光源14を制御して、関連付けられた経過時間の間の制御シーケンスにおいて光の全てのインスタンスを放射するのに伴い、制御回路11は、光源14を停止させうる。
【0109】
一実施例では、ベイパーが発生されることを示す、センサー13からのデータの受信に基づいて、制御回路11は、光源14を制御して、光の二つの別個のインスタンスをシーケンスで放射しうるが、ここで、貯蔵部34内のプレベイパー製剤の量に比例する第一の期間の間放射される放射光92の第一のインスタンスは、プレベイパー製剤に含まれる判定された風味剤に対応する色を有し、受信データに応答して発生するベイパーの量に対応する輝度を有する。
【0110】
なおもこの実施例で、第一の期間が経過したと判定するのに伴い、制御回路11は、電源14を制御して、光92の第一のインスタンスを放射することから、固定された第二の期間(例えば、任意の監視されたeベイピング装置特性とは独立した一定値)の間光92の第二のインスタンスを放射するよう切り替えうるが、ここで、光92の第二のインスタンスは、共に電源12の判定された電荷の量に比例する、色温度および輝度を有する。第二の期間が経過したという判定に応答して、制御回路11は光源14を停止しうる。
【0111】
発熱体43および光源14のうちの少なくとも一つへの電力供給を制御するために、制御回路11は、コンピュータ実行可能プログラムコードの一つ以上のインスタンスを実行してもよい。制御回路11は、プロセッサおよびメモリを含んでもよい。メモリは、コンピュータ実行可能コードを保存するコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0112】
制御回路11は、プロセッサ、中央処理装置(CPU)、コントローラ、演算論理ユニット(ALU)、信号処理装置、マイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、プログラマブル論理ユニット、マイクロプロセッサ、または定義された様式における命令に応答し実行可能な任意の他の装置を含むがそれらに限定されない、処理回路を含み得る。例示的な実施形態によっては、制御回路11は、特定用途向け集積回路(ASIC)とASICチップの少なくとも一つであってもよい。
【0113】
制御回路11は、記憶装置に記憶されたコンピュータ実行可能プログラムコードを実行する特殊用途機械として構成され得る。プログラムコードは、上述の制御回路11の一つ以上のインスタンスなどの一つ以上のハードウェア装置により実装可能なプログラムまたはコンピュータ可読命令、ソフトウェア構成要素、ソフトウェアモジュール、データファイル、データ構造などのうちの少なくとも一つを含んでもよい。プログラムコードの例として、コンパイラによって作成される機械コードおよびインタープリタを使用して実行される高水準プログラムコードの両方が挙げられる。
【0114】
制御回路11は、一つ以上の記憶装置を含んでもよい。一つ以上の記憶装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、永久大容量記憶装置(ディスクドライブなど)、ソリッドステート(例えば、NANDフラッシュ)装置のうちの少なくとも一つなどの有形の、または非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、およびデータを記憶し、また記録することができる任意のその他の同様なデータ記憶機構であり得る。一つ以上の記憶装置は、一つ以上のオペレーティングシステム用、または本明細書に説明する例示的な実施形態の実施のための、コンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはいくつかのそれらの組合せを保存するよう構成されてもよい。コンピュータプログラム、プログラムコード、命令、またはいくつかのそれらの組合せはまた、駆動機構を用いて、個々のコンピュータ可読記憶媒体から、一つ以上の記憶装置、または一つ以上のコンピュータ処理装置へロードされ得る。こうした独立したコンピュータ可読記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、メモリスティック、ブルーレイ/DVD/CD-ROMドライブ、メモリカード、およびその他のコンピュータ可読記憶媒体のようなものの少なくとも一つを含んでもよい。コンピュータプログラム、プログラムコード、命令、またはいくつかのそれらの組み合わせは、ローカルなコンピュータ可読記憶媒体を介するのではなくネットワークインターフェースを介して、リモートデータ記憶装置から、一つ以上の記憶装置、または一つ以上のコンピュータ処理装置にロードされ得る。その上、コンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせは、ネットワークを通じてコンピュータプログラム、プログラムコード、命令またはその一部の組み合わせを伝送、分配、または伝送および分配するよう構成されるリモートコンピューティングシステムから、一つ以上の記憶装置、または一つ以上のプロセッサにロードされてもよい。リモートコンピューティングシステムは、有線インタフェース、無線インタフェースまたは任意のその他の同様の媒体を介して、コンピュータプログラム、プログラムコード、命令、またはいくつかのそれらの組合せを伝送する、分配する、または伝送し、かつ分配し得る。
【0115】
制御回路11は、コンピュータ実行可能コードを実行して発熱体43および光源14のうちの少なくとも一つへの電力供給を制御するよう構成される特殊用途機械であってもよい。発熱体43への電力供給を制御することは、発熱体43を作動させることとして互換的に本明細書で言及され得る。光源14への電力の供給を制御することは、光源14を作動させることとして互換的に本明細書で言及されうる。
【0116】
本明細書で使用される場合、「風味剤」という用語は、香味およびアロマのうちの少なくとも一つを成人eベイピング装置使用者に提供し得る、化合物または化合物の組み合わせを説明するために使用される。いくつかの例示的な実施形態では、風味剤は、少なくとも一つの成人eベイピング装置使用者の知覚受容体と相互作用するように構成される。風味剤は、オルソネイザル刺激およびレトロネイザル刺激のうちの少なくとも一つを介して、知覚受容体と相互作用するように構成され得る。風味剤は、一つ以上の揮発性香味物質を含み得る。
【0117】
少なくとも一つの風味剤は、天然風味剤または人工(「合成」)風味剤のうち一つ以上を含み得る。少なくとも一つの風味剤は、一つ以上の植物抽出物材料を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも一つの風味剤は、タバコフレーバ、メントール、ウインターグリーン、ペパーミント、ハーブフレーバ、フルーツフレーバ、ナッツフレーバ、リカーフレーバ、およびその組み合わせのうち一つ以上である。いくつかの例示的な実施形態では、風味剤は、植物性材料に含まれる。植物性材料は、一つ以上の植物の材料を含み得る。植物性材料は、一つ以上のハーブ、スパイス、果実、根、葉、草等を含み得る。例えば、植物性材料は、オレンジ皮材料およびセイヨウコウボウ材料を含み得る。別の実施例では、植物性材料はたばこ材料を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、たばこ風味(「たばこ風味剤」)である風味剤は、合成材料および植物抽出物材料のうちの少なくとも一つを含む。たばこ風味剤に含まれる植物抽出物材料は、一つ以上のたばこ材料から抽出され得る。
【0118】
少なくともいくつかの例示的な実施形態では、第一のハウジング30および第二のハウジング30’は、概して円筒状の断面を有する。いくつかの例示的な実施形態では、ハウジング30および30’は、第一のセクション15および第二のセクション20のうちの一つ以上に沿って概して三角形の断面を有しうる。その上、ハウジング30および30’は、同一もしくは異なる断面形状、または同一もしくは異なるサイズを有しうる。本明細書で考察した通り、ハウジング30、30’はまた、外側ハウジングまたはメインのハウジングと呼ばれうる。
【0119】
いくつかの例示的な実施形態では、第一のハウジング30および第二のハウジング30’は、第一のセクション15および第二のセクション20の両方を収容する単一の管であってもよく、またeベイピング装置10全体を使い捨てとすることができる。
【0120】
本明細書で説明したようなプレベイパー製剤は、ベイパーに変換されうる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶剤、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然風味または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせ(ただしこれらに限定されない)を含む、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。プレベイパー製剤は、2014年7月16日に出願されたLipowiczらによる、米国特許公開第2015/0020823号、および2015年1月21日に出願された、Andersonらによる、米国特許公開第2015/0313275号において説明されるものを含んでもよく、そのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
いくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤は、プロピレングリコール、グリセリンおよびその組み合わせのうち一つ以上である。
【0122】
プレベイパー製剤は、ニコチンを含んでもよく、またはニコチンを含まなくてもよい。プレベイパー製剤は、一つ以上のたばこ風味を含んでもよい。プレベイパー製剤は、一つ以上のたばこ風味とは別の一つ以上の風味を含んでもよい。
【0123】
一部の例示的な実施形態において、ニコチンを含むプレベイパー製剤はまた、一つ以上の酸も含んでもよい。一つ以上の酸の組み合わせは、ピルビン酸、ギ酸、シュウ酸、グリコール酸、酢酸、イソ吉草酸、吉草酸、プロピオン酸、オクタン酸、乳酸、ソルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、オレイン酸、アコニット酸、酪酸、ケイ皮酸、デカン酸、3,7-ジメチル-6-オクテン酸、1-グルタミン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、3-ヘキサン酸、トランス-2-ヘキサン酸、イソ酪酸、ラウリン酸、2-メチル酪酸、2-メチル吉草酸、ミリスチン酸、ノナン酸、パルミチン酸、4-ペンテン酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、塩酸、リン酸、硫酸およびそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含み得る。
【0124】
貯蔵部34は、いくつかの例示的な実施形態では、プレベイパー製剤を保持しうる、貯蔵媒体を含みうる。貯蔵媒体は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6マイクロメートル~約15マイクロメートル(例えば、約8マイクロメートル~約12マイクロメートル、または約9マイクロメートル~約11マイクロメートル)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は吸入できないようにサイズが決められてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。貯蔵部34が記憶媒体を含む場合、貯蔵部34を通した光の伝搬は少なくとも部分的に抑制され、これによって貯蔵部34内のプレベイパー製剤の外部観察が少なくとも部分的に抑制され、出口端インサート35の表面を通して光92が放射光96としてeベイピング装置10の外部環境へ放射されることが制限されうる。いくつかの例示的な実施形態では、貯蔵部23は、いくつかの貯蔵媒体が不足しており、プレベイパー製剤のみを収容して充填されたタンクを含み得る。貯蔵部34が、貯蔵媒体を欠いている場合、貯蔵部34を通した光の伝搬が少なくとも部分的に可能にされ、これによって貯蔵部34内のプレベイパー製剤の外部観察が少なくとも部分的に可能にされ、貯蔵部34の少なくとも一部分を通して少なくとも一部の光92が放射光96としてeベイピング装置の外部環境へ放射されうる。例えば、光92の少なくとも一部分が、貯蔵部34内に保持されるプレベイパー製剤を通り、第一のハウジング30を介して外部環境へと方向付けられ、これによって貯蔵部34内に保持されるプレベイパー製剤が外部観察に対して照射されてもよい。
【0125】
貯蔵部34は、eベイピング装置10が少なくとも約1000秒間のベイパーの吸引のために構成されうるように、十分なプレベイパー製剤を保持するようにサイズ設定され、また構成されてもよい。eベイピング装置10は、各ベイパーの吸引が最大で約10秒持続することが可能となるように構成されうる。
【0126】
分配境界面41は、芯を含みうる。分配境界面41は、プレベイパー製剤を引き出す能力を有するフィラメント(またはスレッド)を含みうる。例えば、分配境界面41は、一束のガラス(またはセラミック)フィラメント、ガラスフィラメント等の一群の巻回を含む束である芯であってもよく、そのすべての配置は、フィラメント間の隙間間隔による毛細管作用によって、プレベイパー製剤を引き出すことを可能にしうる。フィラメントは、eベイピング装置10の長軸方向軸に対して直角を成す(横断する)方向に概して整列していてもよい。
【0127】
分配境界面41は、芯の材料として本明細書でまた言及される、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含みうる。適切な材料の例は、ガラス、セラミック系材料、または黒鉛系材料でありうるが、これらに限定されない。分配境界面41は、密度、粘性、表面張力および蒸気圧といった異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に適応するように、適切な任意の毛細管引き出し作用を有する場合がある。
【0128】
いくつかの例示的な実施形態では、発熱体43はワイヤー要素を含みうる。
図1Bに示すように、発熱体43は、分配境界面41の先端側上に少なくとも部分的に延びてもよく、分配境界面41を通って延びる導管41Aの開口部を少なくとも部分的に囲みうる。ワイヤー要素は金属ワイヤーであってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、ワイヤー要素は、分配境界面41との直接的な接触から分離されていてもよい。
【0129】
いくつかの例示的な実施形態では、発熱体43は、スタンピング構造、切断構造、エッチング構造、それらの組合せ等を含む。切断構造は、レーザー切断構造、化学的切断構造、機械的切断構造、それらの組合せ等としうる。エッチング構造は、化学的エッチング構造、レーザーエッチング構造、機械的エッチング構造、それらの組合せ等であってもよい。
【0130】
発熱体43は、任意の適切な電気抵抗性材料で形成されうる(少なくとも部分的にこれを含みうる)。適切な電気抵抗性材料の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられうるが、これらに限定されない。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、発熱体43は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層を有する材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて、随意に断熱材料に包埋されて、断熱材料に封入されて、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。発熱体43は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、発熱体43はニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成されうる。いくつかの例示的な実施形態では、発熱体43は、その外側表面上に電気的抵抗性層を有するセラミックヒーターとしてもよい。
【0131】
発熱体43は、分配境界面41内のプレベイパー製剤を熱伝導によって加熱してもよい。あるいは、発熱体43からの熱は、熱伝導要素によってプレベイパー製剤へと伝導されてもよく、または発熱体43は、ベイピングの間にeベイピング装置10を通して引き出されて入ってくる周囲空気へと熱を伝達してもよく、その結果プレベイパー製剤を対流によって加熱する。
【0132】
分配境界面41を使用する代わりに、ベイパー発生装置40は、多孔性材料であり、迅速に熱を発生する能力を有する高い電気抵抗を有する材料で形成された抵抗ヒーターを組み込む発熱体43を含んでもよいことが認識されよう。
【0133】
いくつかの例示的な実施形態では、eベイピング装置10は、約80mm~約110mmの長さ、および約7mm~約8mmの直径であってもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、eベイピング装置10は、約84mmの長さであってもよく、約7.8mmの直径を有してもよい。
【0134】
図1Dは、いくつかの例示的な実施形態によるeベイピング装置の出口端の長軸方向の断面図である。
図1Eは、いくつかの例示的な実施形態によるeベイピング装置の一部分の長軸方向の断面図である。
【0135】
図1Dを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、出口端インサート35および第一のハウジング30は、相互に一体型であってもよく、したがって、第一のハウジング30である個別の一体型の要素内に含まれてもよい。したがって、
図1に示すように、第一のハウジング30は、第一のセクション15の出口端45上に延びてもよく、したがって、貯蔵部34の出口端およびチャネル42の出口端を画定しうる。
図1Dに示すように、第一のハウジング30は、くぼみ35Aと、くぼみ35Aから第一のハウジング30の出口端31Bへと延びる空気出口ポート36とをさらに含んでもよく、ここで第一のハウジング30の出口端31Bはまた、出口端表面35Bと共通である。したがって、空気出口ポート36は、くぼみ35Aを通してチャネル42と流体連通していてもよく、チャネル42を通して引き出された発生したベイパーは、第一のハウジング30内のくぼみ35Aおよび一つ以上の空気出口ポート36を通してさらにeベイピング装置10の外へ引き出されうる。
【0136】
さらに
図1Dを参照すると、第一のハウジング30は、第一のセクション15の長軸方向軸に沿って出口端45へと延びる円筒形の部分を含みうるが、ここで第一のハウジング30はさらに、それを通して一つ以上の空気出口ポート36が延びるディスク部分を含む。
図1Dに示すように、第一のハウジング30の円筒形の部分を通して導かれる内部反射光94は、第一のハウジング30のディスク部分を通して第一のハウジング30の出口端31Bの出口端表面35Bに伝搬し、放射光96としてeベイピング装置10から放射されうる。
【0137】
出口端インサート35および第一のハウジング30を個々に一体型の要素に含めることにより、第一のセクション15は、第一のセクション15の部品の量を減少させ、さらに、eベイピング装置10の少なくとも第一のセクション15を組み立てる、維持する、または組み立ておよび維持するための、時間、労力、コストおよび様々なリソースのうちの少なくとも一つの消耗の低減を可能にしうる。
【0138】
次に
図1Eを参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、第一のハウジング30の先端部分33は、境界面25Aと一体型であって、これによって第一のハウジング30の先端部分33が、光92を第一のハウジング30の内部に受容するように構成されると共に、さらに、境界面25Bに接続して第一のセクション15を第二のセクション20に結合するように構成されうる。
【0139】
図2は、いくつかの例示的な実施形態に従って実施されうる動作を示すフローチャートである。
図2に示す動作は、制御回路11の例示的な実施形態のいずれかを含む、本明細書に含まれるeベイピング装置10の例示的な実施形態のいずれかによって少なくとも部分的に実施されうる。
【0140】
S202で、eベイピング装置10の少なくとも制御回路11が、センサー13によって生成されたセンサーデータに基づいて、少なくともeベイピング装置10内の閾値気流量を検出しうる。制御回路11は、一つ以上の空気吸込み口ポート27および空気吸い込み口ポート27Aを介してeベイピング装置10内に引き出された空気に基づいて気流を検出しうる。
【0141】
S204およびS206で、制御回路11は、S202の検出に基づいて、ベイパー発生装置40を制御して、ベイパーを発生し(S204)、さらに、光源14を制御して、光92の第一のインスタンスを放射しうる(S206)。動作S204およびS206は、同時または実質的に同時に(例えば、並行して)実施されうる。動作S204~S206は、一連の動作に従って連続して実施されてもよい。
【0142】
動作S204でベイパー発生装置40を制御することは、電源12から発熱体43への電力の供給を制御して、発熱体43に、熱を発生して分配境界面41内に保持されたプレベイパー製剤の少なくとも一部分を気化させることを含みうる。電力の供給が制御されて、特定の量の電力が特定の期間の間発熱体43に供給され、それによって特定の量のベイパーが発生しうる。
【0143】
動作S206で光源14を制御することは、光源に、特定の経過時間の間一つ以上の特定の特性を有する光92を放射させることを含みうる。例えば、光源14は、特定の経過時間の間特定の輝度および色温度のうちの少なくとも一つを有する光を放射するように制御されうる。経過時間は、eベイピング装置の少なくとも一部分を通した検出された空気の引き出しが停止する、または閾値の流れ値未満に降下する(本明細書では、空気がeベイピング装置の少なくとも一部分を通して引き出されなくなったとも呼ばれうる)時点から及びうる。光の第一のインスタンスの一つ以上の特定の特性は、eベイピング装置10の一組の一つ以上の監視されたeベイピング装置特性の一つ以上の値に基づいて選択されうる。こうした一つ以上のeベイピング装置特性は、貯蔵部34内に保持される判定されたプレベイパー製剤の量、電源セクションに保持される判定された電荷の量、動作S204でベイパー発生装置40によって発生する発生したベイパーの大きさ、およびそれらの組み合わせを含みうる。
【0144】
上述の通り、動作S206で光源14を制御することは、光源に、第一の経過時間の間第一の光を放射させることを含みうる。第一の経過時間は、光源14がまず動作206で第一の閾値経過時間の間第一の光を放射する時間から及ぶ経過時間としうる。
【0145】
S208で、光源14が少なくとも第一の経過時間の間(例えば、光源14が動作206で初めて第一の光を放射した時間から少なくとも第一の閾値経過時間に及ぶ経過時間)第一の光を放射したとの判定に基づき、制御回路11は、光の追加的なインスタンス(例えば、光の第一のインスタンスとは異なる一つ以上の特性を有する光)を光源14によって放射するかどうかに関する判定を行いうる。放射しない場合、S216で、制御回路11は光源14を停止しうる。
【0146】
S210で追加的な組の監視されたeベイピング装置特性に関連付けられた一つ以上の特性を有する光の少なくとも一つの追加的なインスタンスを光源14によって放射するとの判定がなされた場合、S212で、制御回路11は、光源14を制御して、光92の第一のインスタンスとは異なり、かつ追加的な組の監視されたeベイピング装置特性に対応する一つ以上の特性を有する、光92の追加的なインスタンスを追加的な経過時間の間放射しうる。S214で、追加的な経過時間が経過したとの判定に伴い、制御回路11は、光源14を制御して、S210およびS212で光のさらなる追加的なインスタンスを放射する、またはS216で光源14を停止するのどちらかを行いうる。
【0147】
例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、当然のことながら他の変形が可能である場合がある。こうした変形は、本開示の精神および範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者にとって明らかであろうすべてのかかる修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。