(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品及びそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20230414BHJP
A24C 5/01 20200101ALI20230414BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20230414BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20230414BHJP
【FI】
A24D1/20
A24C5/01
A24F40/465
A24F40/70
(21)【出願番号】P 2020565365
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2018065155
(87)【国際公開番号】W WO2019223886
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-03-11
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス,フアン・ホセ・モレノ
(72)【発明者】
【氏名】ギル,マーク
【審査官】八木 敬太
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107373761(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107373749(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0119049(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0055581(US,A1)
【文献】中国実用新案第203353674(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24D 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成材料の第1の本体(22)と、
エアロゾル形成材料の前記第1の本体(22)を取り囲む第1の管状部材(24)であって、時間的に変化する電磁場の存在下で誘導加熱可能である第1の管状部材(24)と、
前記第1の管状部材(24)を取り囲むエアロゾル形成材料の第2の本体(26)と、
エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)を取り囲む第2の管状部材(28)と
を含むエアロゾル発生物品(1、2、3、4、5)であって、
エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)は、前記第1の管状部材(24)の周りに巻き付けられたエアロゾル形成材料の少なくとも1つのシート(40、42、108)を含み、
及び/又はエアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)は、発泡材料(58)を含み、
及び/又はエアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)の少なくとも一部は、前記第1の管状部材(24)及び/又は前記第2の管状部材(28)に接着さ
れ、
エアロゾル形成材料の前記少なくとも1つのシート(40、42、108)は、1つ以上の表面突起(118)及び/又は1つ以上の表面凹部(116)を含んで、前記エアロゾル発生物品を通した空気流路を形成する、
エアロゾル発生物品(1、2、3、4、5)。
【請求項2】
エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)は、前記第1の管状部材(24)と前記第2の管状部材(28)との間に複数の層を含む、
請求項
1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記層の1つは、前記第1の管状部材(24)に接着され、
及び前記層の別のものは、前記第2の管状部材(28)に接着される、
請求項
2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品を製造する方法であって、
前記第1の管状部材(24)及び前記第2の管状部材(28)は、それぞれ第1のシート及び第2のシートを含み、
及びエアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)は、エアロゾル形成材料の少なくとも1つのシート(40、42)を含み、
前記方法は、
(i)前記第1のシートをエアロゾル形成材料の前記第1の本体(22)の周りに巻き付けて、前記第1の管状部材(24)を形成する工程と、
(ii)エアロゾル形成材料の前記少なくとも1つのシート(40、42)を前記第1の管状部材(24)の周りに巻き付けて、エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)を形成する工程と、
(iii)前記第2のシート(76)をエアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)の周りに巻き付けて、前記第2の管状部材(28)を形成する工程と
を含む、
方法。
【請求項5】
工程(ii)は、複数回実行されて、エアロゾル形成材料の前記少なくとも1つのシート(40、42)の複数の層を提供する、
請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1~
3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品を製造する方法であって、
前記第1の管状部材(24)及び前記第2の管状部材(28)は、それぞれ第1のシート及び第2のシートを含み、
前記方法は、
(i)前記第1のシート(102)をエアロゾル形成材料の前記第1の本体(22)の周りに巻き付けて、前記第1の管状部材(24)を形成する工程と、
(ii)エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)を前記第1の管状部材(24)の周りに巻き付ける工程と、
(iii)前記第2のシート(76、110)をエアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)の周りに巻き付けて、前記第2の管状部材(28)を形成する工程と
を含み、
エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)の少なくとも一部は、前記第1のシート(102)及び/又は前記第2のシート(76、110)に接着される、
方法。
【請求項7】
エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)は、前記第2のシート(76、110)に接着され、
工程(ii)及び(iii)は、同時に実行されて、エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)が前記第1の管状部材(24)と前記第2の管状部材(28)との間に位置付けられるように、前記第2のシートと、前記第2のシートに接着されたエアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)とを前記第1の管状部材(24)の周りに巻き付ける、
請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)は、前記第1のシート(102)に接着され、
工程(i)及び(ii)は、同時に実行されて、前記第1の管状部材(24)がエアロゾル形成材料の前記第1の本体(22)に接触するように、前記第1のシートと、前記第1のシートに接着されたエアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)とをエアロゾル形成材料の前記第1の本体(22)の周りに巻き付ける、
請求項
6又は
7に記載の方法。
【請求項9】
エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)は、エアロゾル形成材料の少なくとも1つのシート(40、42)を含む、
請求項
6~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
工程(ii)及び(iii)前に、前記第2のシート(110)の縁部(114)に沿って露出領域(112)を残して、エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)を前記第2のシート(110)上に位置付けて、工程(iii)中に前記露出領域(112)が前記第2のシート(110)の反対側の縁部(115)に接続されることを可能にする工程を含む、
請求項
6~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程(i)前に、前記第1のシート(102)の縁部(106)に沿って露出領域(104)を残して、エアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)を前記第1のシート(102)上に位置付けて、工程(i)中に前記露出領域(104)が前記第1のシート(102)の反対側の縁部(107)に接続されることを可能にする工程を含む、
請求項
6~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~
3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品を製造する方法であって、
前記第1の管状部材(24)及び前記第2の管状部材(28)は、それぞれ第1のシート及び第2のシートを含み、
及びエアロゾル形成材料の前記第2の本体(26)は、発泡材料(58)を含み、
前記方法は、
(i)前記第1のシートをエアロゾル形成材料の前記第1の本体(22)の周りに巻き付けて、前記第1の管状部材(24)を形成する工程と、
(ii)前記発泡材料(58)を前記第1の管状部材(24)の周りに位置付ける工程と、
(iii)前記第2のシート(68)を前記発泡材料(58)の周りに巻き付けて、前記第2の管状部材(28)を形成する工程と
を含む、方法。
【請求項13】
工程(ii)は、工程(i)において前記第1のシートを巻き付けることによって形成された前記第1の管状部材(24)を取り囲むノズル(52)の開口部(56)から前記発泡材料(58)を射出する工程を含む、
請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の管状部材(24)は、前記開口部(56)からの前記発泡材料(58)の射出中、その長手方向において、前記開口部(56)を通して前記ノズル(52)の内側から外側に移動する、
請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル発生物品に関し、より具体的には、エアロゾル発生物品を加熱して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル発生物品に関する。本開示の実施形態は、エアロゾル発生物品を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成材料を燃やすのではなく加熱して、吸入のためのエアロゾルを形成する装置は、近年、消費者に人気になっている。
【0003】
そのような装置は、いくつかの異なる手法の1つを使用して、エアロゾル形成材料に熱を供給することができる。そのような手法の1つは、誘導加熱システムを用いるエアロゾル発生装置を提供することであり、このエアロゾル発生装置には、エアロゾル形成材料を含むエアロゾル発生物品をユーザが着脱可能に挿入することができる。そのような装置では、誘導コイルが装置に提供され、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル発生物品に提供される。ユーザが装置を作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、次いで誘導コイルが交流電磁場を発生させる。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱は、例えば、伝導によってエアロゾル形成材料に伝達され、エアロゾル形成材料が加熱されるとエアロゾルが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル発生装置によって発生するエアロゾルの特性は、エアロゾル発生装置で使用されるエアロゾル発生物品の構造を含むいくつかの要因に依存する。したがって、物品の使用中に発生するエアロゾルの特性を最適化することを可能にするエアロゾル発生物品を提供し、エアロゾル発生物品の製造を容易にする方法を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル発生物品であって、
エアロゾル形成材料の第1の本体と、
エアロゾル形成材料の第1の本体を取り囲む第1の管状部材であって、時間的に変化する電磁場の存在下で誘導加熱可能である第1の管状部材と、
第1の管状部材を取り囲むエアロゾル形成材料の第2の本体と、
エアロゾル形成材料の第2の本体を取り囲む第2の管状部材と
を含み、
エアロゾル形成材料の第2の本体は、第1の管状部材の周りに巻き付けられたエアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートを含み、及び/又はエアロゾル形成材料の第2の本体は、発泡材料を含み、及び/又はエアロゾル形成材料の第2の本体の少なくとも一部は、第1の管状部材及び/又は第2の管状部材に接着される、エアロゾル発生物品が提供される。
【0006】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成材料を燃やすことなくエアロゾル形成材料を加熱して、エアロゾル形成材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、それにより、エアロゾル発生装置のユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生装置で使用するためのものである。
【0007】
エアロゾル発生物品は、第1の管状部材の周りに巻き付けられたエアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートの提供、並びに/又は発泡材料の使用、並びに/又は第1の管状部材及び/若しくは第2の管状部材へのエアロゾル形成材料の第2の本体の少なくとも一部の接着により製造が容易である。
【0008】
誘導加熱可能な第1の管状部材の提供により、誘導加熱可能な第1の管状部材からエアロゾル形成材料の第1の本体及び第2の本体の両方への最適な熱伝達がもたらされる。その結果、これにより、エアロゾル形成材料の第1の本体及び第2の本体の最適な加熱がもたらされ、物品の使用中に発生するエアロゾルの特性が確実に最適化される。
【0009】
エアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートは、1つ以上の表面突起及び/又は1つ以上の表面凹部を含んで、エアロゾル発生物品を通した空気流路を形成し得る。したがって、空気がエアロゾル発生物品を通して容易に流れることができ、それにより、エアロゾル発生装置でのエアロゾル発生物品の使用中、最適な特性を有するエアロゾルが確実に発生する。1つ以上の表面突起及び/又は1つ以上の表面凹部は、エアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートの半径方向内側表面上及び/又はエアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートの半径方向外側表面上に提供され得る。
【0010】
エアロゾル形成材料の第2の本体は、第1の管状部材と第2の管状部材との間に複数の層を含み得る。複数の重なり合う周囲層を提供することにより、エアロゾル発生装置でのエアロゾル発生物品の使用中に発生するエアロゾルの量が増加する場合がある。エアロゾル発生物品は、第1の管状部材の周りに複数回巻き付けられて複数の層を提供するエアロゾル形成材料の単一のシートを含み得る。エアロゾル発生物品は、第1の管状部材の周りに巻き付けられたエアロゾル形成材料の複数のシートを含み得、それにより、巻き付けられたシートの各々が複数の層の1つを提供する。
【0011】
層の1つは、第1の管状部材に接着され得る。層の別のものは、第2の管状部材に接着され得る。層の1つを第1の管状部材に接着すること及び/又は層の別のものを第2の管状部材に接着することにより、エアロゾル発生物品が良好な構造的一体性を有することが確実になる。
【0012】
第1の管状部材は、誘導加熱可能なサセプタ材料で形成されたラッパーを含み得る。例えば、第1の管状部材は、金属ラッパーを含み得る。時間的に変化する電磁場を近傍に印加することにより、渦電流及び磁気ヒステリシス損失に起因して、誘導加熱可能なサセプタ材料に熱が発生し、その結果、電磁から熱へのエネルギー変換が生じる。第1の管状部材を誘導加熱可能なサセプタ材料で形成することにより、有利には第1の管状部材全体に渦電流が発生して、第1の管状部材の均一な加熱及びそれによるエアロゾル形成材料の均一な加熱が確実になる。
【0013】
誘導加熱可能なサセプタ材料は、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅の1種以上を含み得るが、これらに限定されない。
【0014】
ラッパーは、長手方向に延びる自由縁部、例えば重なり合う自由縁部を有し得、自由縁部は、導電性接着剤を使用して一緒に固定され得る。
【0015】
第1の管状部材は、実質的に非導電性且つ非透磁性である材料で形成されたラッパー、例えば紙ラッパーと、ラッパーの周りに円周方向に延びて閉回路を形成する導電性材料の少なくとも1つのトラックとを含み得る。第1の管状部材は、ラッパーに沿って軸方向に間隔を置いた位置に複数の前記導電性トラックを含み、各トラックが閉回路を形成し得る。導電性トラックは、エアロゾル発生物品の使用中に誘導加熱され、熱が導電性トラックからエアロゾル形成材料に伝達される。
【0016】
導電性トラック又は各導電性トラックは、ラッパーの内側表面上又はラッパーの外側表面上に取り付けられ得る。軸方向に間隔を置いた複数の導電性トラックを用いる実施形態では、導電性トラックは、ラッパーの内側表面及び外側表面の両方に取り付けられ得る。例えば、軸方向に隣接する導電性トラックは、ラッパーの内側表面及び外側表面のそれぞれに交互に且つ繰り返す形態で取り付けられ得る。
【0017】
第2の管状部材は、実質的に非導電性且つ非透磁性である材料を含み得る。第2の管状部材は、ラッパーを含み得、例えば紙ラッパーを含み得る。ラッパーは、長手方向に延びる自由縁部、例えば重なり合う自由縁部を有し得、自由縁部は、実質的に非導電性且つ非透磁性でもあり得る接着剤を使用して一緒に固定され得る。
【0018】
エアロゾル発生物品は、細長いことができ、エアロゾル形成材料の第1の本体、エアロゾル形成材料の第2の本体及び第1の管状部材の軸方向端部は、軸方向に整列され得る。第1の管状部材がエアロゾル形成材料の全長にわたって延びているため、この構成により、誘導加熱可能な第1の管状部材によるエアロゾル形成材料の最適な加熱がもたらされる。
【0019】
第1の管状部材及び第2の管状部材は、実質的に同心であり得る。これにより、エアロゾル発生物品の構造が簡略化される。
【0020】
上述したように、エアロゾル発生物品は、細長いことができ、且つ実質的に円筒状であり得る。エアロゾル発生物品の円筒形状は、その円形断面と共に、有利にはエアロゾル発生装置の誘導加熱アセンブリの加熱区画中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にする場合があり、誘導加熱アセンブリは、円形断面を有するヘリカル誘導コイルを含む。
【0021】
エアロゾル発生物品は、その軸方向端部に通気性プラグを更に含み得る。通気性プラグは、酢酸セルロース繊維を含み得る。通気性プラグは、有利には、エアロゾル形成材料の第1の本体を第1の管状部材の内部に保持し、エアロゾル形成材料の第2の本体を第1の管状部材と第2の管状部材との間に保持し得る。エアロゾル発生物品は、前記通気性プラグの第1の1つをその第1の軸方向端部に、前記通気性プラグの第2の1つをその第2の軸方向端部に含み得る。第1の通気性プラグ及び第2の通気性プラグを提供することにより、エアロゾル形成材料の第1の本体及び第2の本体の保持が改善され得る。加えて、第1の管状部材は、誘導加熱可能なサセプタとして作用するため、エアロゾル発生装置の発熱要素によって第1の通気性プラグ又は第2の通気性プラグを貫通する必要なく、エアロゾル形成材料の第1の本体及び第2の本体が物品の使用中に加熱される。
【0022】
第1の本体及び第2の本体のエアロゾル形成材料は、任意のタイプの固体又は半固体の材料であり得る。上述したような顆粒及びペレットに加えて、エアロゾル形成固体のタイプの例としては、粉末、シュレッド、ストランド、多孔質材料、発泡材料又はシートが挙げられる。エアロゾル形成材料は、植物由来の材料を含み得、特に、エアロゾル形成材料は、タバコを含み得る。
【0023】
第1の本体及び第2の本体のエアロゾル形成材料は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。典型的には、エアロゾル形成材料は、乾燥重量基準で約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有率を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、乾燥重量基準で約15%のエアロゾル形成剤含有率を含み得る。
【0024】
加熱すると、エアロゾル形成材料は、揮発性化合物を放出し得る。揮発性化合物は、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含み得る。
【0025】
本開示の第2の態様によれば、上述したようなエアロゾル発生物品を製造する方法であって、第1の管状部材及び第2の管状部材は、それぞれ第1のシート及び第2のシートを含み、エアロゾル形成材料の第2の本体は、エアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートを含み、その方法は、
(i)第1のシートをエアロゾル形成材料の第1の本体の周りに巻き付けて、第1の管状部材を形成する工程と、
(ii)エアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートを第1の管状部材の周りに巻き付けて、エアロゾル形成材料の第2の本体を形成する工程と、
(iii)第2のシートをエアロゾル形成材料の第2の本体の周りに巻き付けて、第2の管状部材を形成する工程と
を含む、方法が提供される。
【0026】
エアロゾル形成材料の第2の本体をシート形態で提供することにより、エアロゾル発生物品の製造が容易になり得る。
【0027】
上述したように、エアロゾル形成材料の第2の本体は、エアロゾル形成材料の単一のシートを含み得る。したがって、工程(ii)は、複数回実行されて、エアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートの複数の層を提供し得る。これにより、エアロゾル発生物品の製造が更に簡略化される。
【0028】
本開示の第3の態様によれば、上述したようなエアロゾル発生物品を製造する方法であって、第1の管状部材及び第2の管状部材は、それぞれ第1のシート及び第2のシートを含み、その方法は、
(i)第1のシートをエアロゾル形成材料の第1の本体の周りに巻き付けて、第1の管状部材を形成する工程と、
(ii)エアロゾル形成材料の第2の本体を第1の管状部材の周りに巻き付ける工程と、
(iii)第2のシートをエアロゾル形成材料の第2の本体の周りに巻き付けて、第2の管状部材を形成する工程と
を含み、
エアロゾル形成材料の第2の本体の少なくとも一部は、第1のシート及び/又は第2のシートに接着される、方法が提供される。
【0029】
エアロゾル形成材料の第2の本体の少なくとも一部を第1のシート及び/又は第2のシートに接着することにより、エアロゾル発生物品の製造が簡略化されながら、同時にエアロゾル発生物品が良好な構造的一体性を有することが確実になり得る。エアロゾル発生材料の第2の本体がシート状である場合には特に、製造の簡略化及び良好な構造的一体性が実現され得る。それにも関わらず、エアロゾル形成材料の第2の本体は、他の形態をとることができ、例えば、それは、第1のシート及び/若しくは第2のシートに接着された粒子状材料又は第1のシート及び/若しくは第2のシートに接着された発泡材料を含み得る。
【0030】
エアロゾル形成材料の第2の本体は、第2のシートに接着され得る。この場合、工程(ii)及び(iii)は、同時に実行されて、エアロゾル形成材料の第2の本体が第1の管状部材と第2の管状部材との間に位置付けられるように、第2のシートと、第2のシートに接着されたエアロゾル形成材料の第2の本体とを第1の管状部材の周りに巻き付け得る。エアロゾル発生物品の製造は、この構成により簡略化され得る。
【0031】
エアロゾル形成材料の第2の本体は、第1のシートに接着され得る。この場合、工程(i)及び(ii)は、同時に実行されて、第1の管状部材がエアロゾル形成材料の第1の本体に接触するように、第1のシートと、第1のシートに接着されたエアロゾル形成材料の第2の本体とをエアロゾル形成材料の第1の本体の周りに巻き付け得る。エアロゾル発生物品の製造は、この構成により簡略化され得る。
【0032】
エアロゾル形成材料の第2の本体は、エアロゾル形成材料の少なくとも1つのシートを含み得る。上述したように、シート材料の使用は、エアロゾル発生物品の製造を簡略化し、その構造的一体性を増強し得る。
【0033】
この方法は、工程(ii)及び(iii)前に、好ましくは第2のシートの縁部に沿って露出領域を残して、エアロゾル形成材料の第2の本体を第2のシート上に位置付けて、工程(iii)中に露出領域が第2のシートの反対側の縁部に接続されることを可能にする工程を含み得る。この構成により、第2のシートの両方の縁部は、例えば、実質的に非導電性且つ非透磁性であり得る接着剤により、確実に一緒に接続及び固定され、それによりエアロゾル発生物品の製造が簡略化され得る。接着剤は、工程(iii)中に縁部を接続する前に、縁部に沿う露出領域及び/又は第2のシートの反対側の縁部に沿う露出領域に塗布され得る。
【0034】
この方法は、工程(i)前に、好ましくは第1のシートの縁部に沿って露出領域を残して、エアロゾル形成材料の第2の本体を第1のシート上に位置付けて、工程(i)中に露出領域が第1のシートの反対側の縁部に接続されることを可能にする工程を含み得る。この構成により、第1のシートの両方の縁部は、例えば、導電性接着剤により、確実に一緒に接続及び固定され、それによりエアロゾル発生物品の製造が簡略化され得る。導電性接着剤は、工程(i)中に縁部を接続する前に、縁部に沿う露出領域及び/又は第1のシートの反対側の縁部に沿う露出領域に塗布され得る。
【0035】
本開示の第4の態様によれば、上述したようなエアロゾル発生物品を製造する方法であって、第1の管状部材及び第2の管状部材は、それぞれ第1のシート及び第2のシートを含み、エアロゾル形成材料の第2の本体は、発泡材料を含み、その方法は、
(i)第1のシートをエアロゾル形成材料の第1の本体の周りに巻き付けて、第1の管状部材を形成する工程と、
(ii)発泡材料を第1の管状部材の周りに位置付ける工程と、
(iii)第2のシートを発泡材料の周りに巻き付けて、第2の管状部材を形成する工程と
を含む、方法が提供される。
【0036】
発泡材料の使用により、エアロゾル発生物品を製造する簡略化された方法が提供され得る。
【0037】
工程(ii)は、工程(i)において第1のシートを巻き付けることによって形成された第1の管状部材を取り囲むノズルの開口部から発泡材料を射出する工程を含み得る。これは、発泡材料を第1の管状部材の周りに位置付けるための特に便利な方法を提供し得る。
【0038】
第1の管状部材は、開口部からの発泡材料の射出中、その長手方向において、開口部を通してノズルの内側から外側に移動し得る。このような構成は、簡略で高速な製造方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】エアロゾル発生物品の第1の例の概略断面図である。
【
図2】
図1に示す線A-Aに沿った概略断面図である。
【
図3】
図1及び
図2に示した第1の例と同様のエアロゾル発生物品の第2の例の概略断面図である。
【
図4】
図1~
図3に示した第1の例及び第2の例と同様のエアロゾル発生物品の第3の例の概略断面図である。
【
図5】
図1及び
図2に示したエアロゾル発生物品の第1の例を製造するための装置及び方法の概略図である。
【
図6】エアロゾル発生物品の第4の例を製造するための装置及び方法の概略図である。
【
図7】エアロゾル発生物品の第5の例を製造する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
ここで、本開示の実施形態について、あくまで例として添付の図面を参照しながら説明する。
【0041】
まず、
図1及び
図2を参照すると、誘導加熱の原理に基づいて動作するエアロゾル発生装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品1の第1の例が示されている。エアロゾル発生物品1は、細長く、実質的に円筒状である。円形断面は、ユーザによる物品1の取り扱い及びエアロゾル発生装置の加熱区画中への物品1の挿入を容易にする。
【0042】
物品1は、エアロゾル形成材料の第1の本体22、エアロゾル形成材料の第1の本体22を取り囲む第1の管状部材24、第1の管状部材24を取り囲むエアロゾル形成材料の第2の本体26及びエアロゾル形成材料の第2の本体26を取り囲む第2の管状部材28を含む。
【0043】
第1の管状部材24は、時間的に変化する電磁場の存在下で誘導加熱可能である。図示する第1の例では、第1の管状部材24は、誘導加熱可能なサセプタ材料で形成された金属ラッパーを含み得る。金属ラッパーは、長手方向に延びる自由縁部を有する単一の材料シート、例えば金属箔を含み、自由縁部は、互いに重なり合うように配置され、導電性接着剤30によって一緒に固定されている。導電性接着剤30は、典型的には、1つ以上の導電性成分が散在された1つ以上の接着剤成分を含む。金属ラッパーと導電性接着剤30とは、一緒になって、エアロゾル形成材料の第1の本体22を取り囲む閉じた電気回路を形成する。
【0044】
エアロゾル発生装置での物品1の使用中、時間的に変化する電磁場が金属ラッパーの近傍に印加されると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失に起因して金属ラッパー内に熱が発生し、金属ラッパーから、隣接するエアロゾル形成材料の第1の本体22及び第2の本体26に熱が伝達されて、エアロゾル形成材料を燃焼させることなく加熱し、それにより、ユーザによる吸入のためのエアロゾルが発生する。第1の管状部材22を構成する金属ラッパーは、実質的にその内側表面及び外側表面の全体にわたり、それぞれ第1の本体22及び第2の本体26のエアロゾル形成材料の少なくとも一部と接触しており、したがって金属ラッパーからエアロゾル形成材料まで熱が直接的に、したがって効率的に伝達されることが可能になる。
【0045】
第2の管状部材28は、第1の管状部材24と同心であり、紙ラッパーを含む。紙ラッパーが好ましい場合があるが、エアロゾル発生装置での物品1の使用中、時間的に変化する電磁場の存在下で第2の管状部材28が誘導加熱されないように、第2の管状部材28は、実質的に非導電性且つ非透磁性である任意の材料を含み得る。第2の管状部材28を構成する紙ラッパーは、長手方向に延びる自由縁部を有する単一の材料シートも含み、自由縁部は、互いに重なり合うように構成され、エアロゾル発生装置での物品1の使用中に誘導加熱されないように実質的に非導電性且つ非透磁性である接着剤32によって一緒に固定されている。
【0046】
第1の管状部材24は、エアロゾル形成材料の第1の本体22が位置付けられる内側空洞34を画定し、第1の管状部材24と第2の管状部材28とは、それらの間において、エアロゾル形成材料の第2の本体26が位置付けられる環状空洞36を画定する。エアロゾル形成材料の第1の本体22及び第2の本体26並びに第1の管状部材24及び第2の管状部材28は、全て同じ軸方向長さを有し、エアロゾル形成材料の第1の本体22及び第2の本体26の軸方向端部が、第1の管状部材24を構成する金属ラッパー及び第2の管状部材28を構成する紙ラッパーと軸方向に整列するように構成されている。エアロゾル形成材料の第1の本体22は、内側空洞34を実質的に充填し、エアロゾル形成材料の第2の本体26は、環状空洞36を実質的に充填する。
【0047】
第1の本体22及び第2の本体26のエアロゾル形成材料は、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含む。典型的には、エアロゾル形成材料は、乾燥重量基準で約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有率を含み得る。第1の管状部材24を構成する金属ラッパーからの熱伝達により加熱されると、第1の本体22及び第2の本体26の両方のエアロゾル形成材料は、場合によりニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含む揮発性化合物を放出する。
【0048】
第1の本体22のエアロゾル形成材料は、典型的には、固体又は半固体の材料である。好適なエアロゾル形成固体の例としては、粉末、シュレッド、ストランド、多孔質材料、発泡材料及びシートが挙げられる。第2の本体26のエアロゾル形成材料は、発泡材料58を含む。第1の本体22及び第2の本体26の両方のエアロゾル形成材料は、典型的には植物由来材料を含み、特にタバコを含む。
【0049】
図1及び
図2の物品1において、エアロゾル形成材料の第1の本体22及び第2の本体26は、例えば、エアロゾル化温度、保湿剤含有量、風味及び密度を含めて、同じ特性を有する。他の実施形態では、エアロゾル形成材料の第1の本体22及び第2の本体26は、エアロゾル化温度、保湿剤含有量、風味及び密度を含めて、少なくとも1つ以上の点で異なる特性を有し得る。
【0050】
ここで、
図3を参照すると、
図1及び
図2に図示したエアロゾル発生物品1と同様のエアロゾル発生物品2の第2の例の概略断面図が示されており、ここで、対応する要素は、同じ参照番号を使用して示されている。
【0051】
エアロゾル発生物品2は、エアロゾル形成材料の第2の本体26がシート形態であること、より具体的にはエアロゾル形成材料の単一の連続シート40を含むことを除いて、全ての点で
図1及び
図2に示すエアロゾル発生物品1と同一である。エアロゾル形成材料のシート40は、第1の管状部材24の周りに複数回巻き付けられて、第1の管状部材24と第2の管状部材28との間にエアロゾル形成材料の複数の重なり合う周囲層を提供する。
図3に示すように、重なり合う周囲層を半径方向にわずかに間隔を離して、エアロゾル発生物品2を通した空気流路を提供し得る。
図3では、重なり合う周囲層間の半径方向の間隔は、例示を目的として誇張されていること及び隣接する層は、それらの周囲全体にわたって完全に分離されていない場合があることが当業者によって理解されるであろう。実際には、重なり合う周囲層間の半径方向の間隔は、エアロゾル発生物品2を通した空気流路を提供しながら、同時にエアロゾル発生物品2が良好な構造的一体性を有し、その形状を保持できることを確実にするように十分でなければならない。
【0052】
ここで、
図4を参照すると、
図1~
図3に図示したエアロゾル発生物品1、2と同様のエアロゾル発生物品3の第3の例の概略断面図が示されており、ここで、対応する要素は、同じ参照番号を使用して示されている。
【0053】
エアロゾル発生物品3は、エアロゾル形成材料の第2の本体26がシート形態であること、より具体的にはエアロゾル形成材料の複数の個々のシート42を含むことを除いて、全ての点で
図1~
図3に示すエアロゾル発生物品1、2と同一である。エアロゾル形成材料の各シート42は、第1の管状部材24又は隣接する半径方向内側シート42の周りに1回巻き付けられ、その結果、巻き付けられたシート42は、一緒になって、第1の管状部材24と第2の管状部材28との間において、エアロゾル形成材料の複数の重なり合う周囲層を提供する。
図4に示すように、重なり合う周囲層を半径方向にわずかに間隔を離して、エアロゾル発生物品3を通した空気流路を提供し得、
図3と同様に、
図4で再び半径方向の間隔が例示を目的として誇張されていることに留意されたい。
【0054】
ここで、
図5を参照すると、
図1及び
図2を参照して上述したエアロゾル発生物品1の第1の例を製造するための装置50及び方法の概略図が示され、ここで、エアロゾル形成材料の第2の本体26は、発泡材料58を含む。
【0055】
装置50は、第1の通路54を含み、この通路54を通して、連続ロッドの形態の部分的に形成されたエアロゾル発生物品1は、部分的に形成された物品1を取り囲むノズル52の開口部56に向かって矢印の方向に移送される。部分的に形成されたエアロゾル発生物品1は、第1の材料シートを、第1のシートの長手方向に延びる自由縁部が互いに重なり合うように、エアロゾル形成材料の第1の本体22の周りに巻き付けることにより、任意の好適な形態で形成することができる。上述したように、第1の材料シートは、金属ラッパーであり、第1の管状部材24を構成する。
図1及び
図2を参照して上述したように、金属ラッパーの重なり合う縁部の一方又は両方に導電性接着剤30を塗布して、それらを一緒に固定し、それにより、エアロゾル形成材料の第1の本体22の周りに閉じた電気回路を形成することができる。
【0056】
発泡材料58は、ノズル52内の環状の第2の通路60を通して矢印の方向にノズル開口部56に供給され、そこで発泡材料58が射出され、部分的に形成された物品1の第1の管状部材24を構成する金属ラッパーの周りに位置付けられる。上述したように、発泡材料58は、エアロゾル形成材料の第2の本体26を構成する。
【0057】
発泡材料58を金属ラッパーの周りに位置付けた後、第2の材料シート68は、ローラー64、66を介して供給ロール62から移送され、例えばラッピングステーション(
図5では図示せず)において発泡材料58の周りに巻き付けられる。第2の材料シート68は、発泡材料58の周りに巻き付けられた場合に第2の管状部材28を構成する紙ラッパーである。
【0058】
これにより、連続ロッドの形態の完全に形成されたエアロゾル発生物品1が形成され、切断ステーション(
図5では図示せず)に移送され得、そこで適切な位置で切断されて所定の長さになり、複数のエアロゾル発生物品1が形成される。この種の方法は、エアロゾル発生物品1の大量生産に好適であることが理解されるであろう。
【0059】
ここで、
図6を参照すると、エアロゾル発生物品4の第4の例を製造するための装置70及び方法の概略図が示され、これは、
図3を参照して上述したエアロゾル発生物品2の第2の例と同様であり、エアロゾル形成材料の第2の本体26は、第1の管状部材24の周りに1回巻き付けられたエアロゾル形成材料のシート40を含む。
【0060】
装置70は、通路72を含み、この通路72を通して、連続ロッドの形態の部分的に形成されたエアロゾル発生物品4は、矢印の方向に移送される。部分的に形成されたエアロゾル発生物品4は、材料シートを、シートの長手方向に延びる自由縁部が互いに重なり合うように、エアロゾル形成材料の第1の本体22の周りに巻き付けることにより、任意の好適な形態で形成することができる。上述したように、材料シートは、金属ラッパーであり、第1の管状部材24を構成する。金属ラッパーの重なり合う縁部の一方又は両方に導電性接着剤30を塗布して、それらを一緒に固定し、それにより、エアロゾル形成材料の第1の本体22の周りに閉じた電気回路を形成することができる。
【0061】
装置70は、材料の連続シート76を紙ラッパーの形態で含む第1の供給ロール74と、非導電性及び非透磁性の接着剤80を連続シート76の表面に塗布するアプリケータ78、例えばノズルと、エアロゾル形成材料のシート40を含む第2の供給ロール82とを含む。
【0062】
図6から明らかとなるように、紙ラッパーの連続シート76及びエアロゾル形成材料の連続シート40は、ローラー86、88、90を介してラッピングステーション(
図6では図示せず)に移送され、そこで、これらは、第1の管状部材24を構成する金属ラッパーの周りに巻き付けられて、連続ロッドの形態の完全に形成されたエアロゾル発生物品4を形成する。紙ラッパーの連続シート76及びエアロゾル形成材料の連続シート40を、第1の管状部材24を構成する金属ラッパーの周りに巻き付ける前に、接着剤80は、アプリケータ78によって紙ラッパーの連続シート76の表面に塗布され、シート76、40が一緒に接着されることを可能にする。したがって、得られるエアロゾル発生物品4において、エアロゾル形成材料のシート40によって構成されるエアロゾル形成材料の第2の本体26の少なくとも一部は、第2の管状部材28を構成する紙ラッパーに接着されることが理解されるであろう。
【0063】
上述の方法により、連続ロッドの形態の完全に形成されたエアロゾル発生物品4が形成され、これは、切断ステーション(
図6では図示せず)に移送され得、そこで適切な位置で切断されて所定の長さになり、複数のエアロゾル発生物品4が形成されることが理解されるであろう。ここでも、この種の方法は、エアロゾル発生物品4の大量生産に好適である。
【0064】
ここで、
図7を参照すると、エアロゾル発生物品の第5の例5(
図7d)を製造する方法の概略図が示されており、これは、上述したエアロゾル発生物品に類似しており、対応する要素は、同じ参照番号を使用して示されている。
【0065】
図7aに示す第1の工程では、粉末、シュレッド、ストランド、多孔質材料、発泡材料及びシートを含み得るエアロゾル形成材料100は、第1のシート102の縁部106に沿って露出領域104を残したまま、金属ラッパーの形態で第1のシート102に接着される。
【0066】
次いで、
図7aの矢印Bで示す第2の工程において、第1のシート102と、それに接着されたエアロゾル形成材料100との両方をエアロゾル形成材料の第1の本体の周りに同時に巻き付けて、
図7bに示すように、部分的に形成されたエアロゾル発生物品を形成し、そこで、巻き付けられた第1のシート102は、第1の管状部材24(金属ラッパー)として機能し、エアロゾル形成材料100は、金属ラッパーを取り囲むエアロゾル形成材料の第2の本体26の一部を形成する。第1のシート102の重なり合う縁部は、導電性接着剤30によって一緒に固定され、導電性接着剤30は、シートがエアロゾル形成材料の第1の本体22の周りに巻き付けられる前に、エアロゾル形成材料100と同じ側の、第1のシート102の表面にある縁部106に沿った露出領域104に、且つ/又はエアロゾル形成材料100に対して反対側の表面上にある、第1のシート102の反対側の縁部107に沿った露出領域104に塗布され得る。
【0067】
第3の工程において、第2のシート110の縁部114に沿って露出領域112を残しながら、エアロゾル形成材料のシート108が紙ラッパーの形態で第2のシート110に接着される。エアロゾル形成材料のシート108は、長手方向に延びる複数の表面凹部116と、長手方向に延びる複数の表面突起118とを含む。
【0068】
次いで、
図7cの矢印Cで示す第4の工程において、第2のシート110と、それに接着されたエアロゾル形成材料のシート108との両方をエアロゾル形成材料の第2の本体26の周りに同時に巻き付けて、
図7dに示すエアロゾル発生物品5の製造を完了し、巻き付けられた第2のシート110は、第2の管状部材(紙ラッパー)として機能し、エアロゾル形成材料のシート108は、金属ラッパーを取り囲むエアロゾル形成材料の第2の本体26の一部を形成する。第2のシート110の重なり合う縁部は、非導電性且つ非透磁性の接着剤32によって一緒に固定され、接着剤32は、シートがエアロゾル形成材料の第2の本体26の周りに巻き付けられる前に、エアロゾル形成材料のシート108と同じ側の、第2のシート110の表面にある縁部114に沿った露出領域112に、且つ/又はエアロゾル形成材料のシート108に対して反対側の表面上にある、第2のシート110の反対側の縁部115に沿った露出領域112に塗布され得る。
【0069】
これまでの段落では、例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対する様々な修正形態がなされ得ることが理解されるべきである。したがって、特許請求の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0070】
本明細書において別途記載のない限り又は文脈によって明らかに矛盾することがない限り、上述した特徴の任意の組み合わせは、その全ての可能な変形形態において本開示によって包含される。
【0071】
文脈上、明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包括的に、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。